JPH1136146A - 粗紡機の運転方法及び粗紡機 - Google Patents

粗紡機の運転方法及び粗紡機

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JPH1136146A
JPH1136146A JP20715997A JP20715997A JPH1136146A JP H1136146 A JPH1136146 A JP H1136146A JP 20715997 A JP20715997 A JP 20715997A JP 20715997 A JP20715997 A JP 20715997A JP H1136146 A JPH1136146 A JP H1136146A
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JP
Japan
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roving
bobbin
rotation
winding
machine
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JP20715997A
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English (en)
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Hideyuki Goto
英之 後藤
Shigeki Sekiya
茂樹 関谷
Toshiyuki Kuzutani
敏之 葛谷
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Howa Machinery Ltd
Original Assignee
Howa Machinery Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 停止減速過程や起動加速過程における粗糸細
斑発生を抑制、防止する。 【手段】 紡出途中で機台停止指令がでると、メインモ
ータを停止に向けて減速制御する。完全停止に向かう過
程において、フロントローラから送出される粗糸を適正
にボビン外周に巻き取るためのボビン回転を実現するフ
ロントローラ回転に対するボビン回転の比(巻取回転
比)を時間経過に沿って図5(b)のように漸減し、こ
れによってそのような制御を行わない従来と比べて、プ
レッサ加圧力の減少による張力変化がなく一定で、停止
時における粗糸の細斑が防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、粗紡機における
機台運転方法に関し、詳しくは機台停止に向けての減速
過程、あるいは、機台起動加速過程における細斑(不正
ドラフト)発生を抑制する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】ボビンリ−ド式の粗紡機では、通常巻取
りにおいて、フロントローラから送出される粗糸を、フ
ロントローラ回転と対応して回転するフライヤのプレッ
サにより、フライヤより速い巻取り速度で回転するボビ
ンの外周にフライヤ回転による遠心力で加圧しつつ巻き
取り、かつ、巻きはじめから満ボビンとなるまでの粗糸
張力を一定に保つ目的で、図9に示すように、ボビンに
巻かれる粗糸層が増加するごとに(ボビン巻取径が増加
する毎に)、ボビン回転数を順次低下させる制御をおこ
なっている。例えば、特開平3−40819号では、前
記ボビン回転数を低下させる機構として、それまで一般
的であったコーンドラム式変速装置に変えて、ドラフト
パート(フライヤも含む)を回転駆動するメインモータ
と別に、ボビン回転を独立して変更するサーボモータを
ボビン駆動系に設け、予め与えられたデータによって、
粗糸巻取層が1層増えた時のボビン巻取径を演算し、そ
のボビン巻取径に対応して、フロントローラから送出さ
れてくる粗糸を適正に巻取る為の、フロントローラの回
転角に対するボビン回転角の回転角度比(巻取回転比)
を分周比として求め(従って、分周比はボビン巻取径に
より変更される)、パルスエンコーダにより検出される
フロントローラの回転角に対応するパルス列に前記分周
比を乗じて得られる出力パルスをサーボアンプに入力
し、サーボアンプはそのパルスに追従するようにサーボ
モータを制御し、これによって、粗糸巻取層が1層増加
することによるボビン巻取径に応じて、フロントローラ
回転角に対応した適正な回転角だけボビンホイールを回
転させ、粗糸を適正に巻き取るようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】フライヤ回転の遠心力
で生じる、フライヤプレッサの巻取粗糸層外周に対する
加圧力は、フライヤ回転数(速度)によって変化する。
そのため、機台を巻取り途中で何らかの原因により停止
する時、あるいはその後に機台を再度起動して、定常回
転まで機台回転を上げる時のように(図10(a))、
フライヤ回転を急激に増減させる時には、フライヤの遠
心力が急激に変化し、これによりフライヤプレッサの加
圧力も急激に変化する(図10(c))。停止減速過程
では加圧力が減少していくことで、プレッサが巻付粗糸
の最も外層に対して離れる方向にわずかづつ移動し、す
なわちボビン回転中心からの距離(巻付半径)が、定常
回転時に比べて少しずつ大きくなる。また、起動加速過
程では、機台定常回転時のプレッサ加圧力に対して、加
圧力不足の状態からフライヤが回転し始めるので、定常
回転となるまでは、定常回転時に比べて巻取半径が大き
い(図10(d))。
【0004】前記従来技術によれば、フロントローラの
回転角に対するボビン回転角の回転角度比(分周比)
は、粗糸巻取層が1層増加することによるボビン巻取径
の増加に伴って変更されているだけで、前記のような機
台停止時に生じているフライヤプレッサ加圧力の急激な
減少あるいは起動加速過程での加圧力の変化によって発
生する巻取径の変化は考慮していない。前記従来技術で
は、分周比はその機台停止指令の出された時点でのボビ
ン巻取径に対する値を保ったまま、停止減速され、ま
た、再起動されている(図10(b))。従って、停止
減速過程でも、起動加速過程でも、フライヤプレッサの
加圧力不足により巻取半径、すなわちボビン巻取径が大
きくなっている間は(図10(d))、フロントローラ
から送出されてくる粗糸を余分に巻き取ることになり、
フロントローラからプレッサに至るまでの粗糸に通常巻
取り時よりも大きな張力を生じ(図10(e))、粗糸
に細斑が生じる要因となっていた。
【0005】この発明の課題は、粗紡機の機台を停止さ
せるときの停止減速過程、及び、または、機台の起動加
速過程において、フライヤプレッサの加圧力が変化する
ことにより生じる細斑の発生を防止、あるいは、抑制す
ることにある。尚、巻始めから巻き終わりに向けてのフ
ライヤ減速によるフライヤプレッサの加圧力の低下に起
因する粗糸の巻取張力の低下を相殺するように、ボビン
回転速度を変化させるものがあるが(特開平4−361
626号)、この従来技術においても、本願のような変
速過程における急激なプレッサ加圧力の変動による巻取
張力変動を制御しているものではない。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題の解決のため
に、本願ではフロントローラから送出されてくる粗糸
を、回転するフライヤプレッサで粗糸ボビン外周に加圧
しながら粗糸ボビンに巻き取り、ボビン巻取径の増加に
伴ってボビン回転を変更する粗紡機において、機台停止
指令後の機台減速過程、起動後定常運転となるまでの起
動加速過程の少なくとも一方の変速過程における巻取粗
糸の張力変動を抑制する為に、前記変速過程でフロント
ローラ回転と、そのフロントローラから送出されてくる
粗糸を適正にボビンに巻き取る為のボビン回転との巻取
回転比を変更することを特徴とする(請求項1)。これ
によれば、ボビン回転を制御することにより、停止減速
過程及びまたは起動加速過程においても粗糸張力を制御
でき、粗糸斑発生を防止できる。
【0007】一層具体的には、フロントローラから送出
されてくる粗糸を、回転するフライヤプレッサで粗糸ボ
ビン外周に加圧しながら粗糸ボビンに巻き取り、ボビン
巻取径の増加に伴ってボビン回転を変更する粗紡機にお
いて、機台停止指令後の機台減速過程、起動後定常運転
となるまでの起動加速過程の少なくとも一方の変速過程
において、フライヤ回転が変動してフライヤプレッサの
加圧力が変化することにより生じる前記変速過程でのボ
ビン巻取径の変化に伴う粗糸張力変動を抑制するよう
に、フロントローラ回転と、そのフロントローラから送
出されてくる粗糸を適正にボビンに巻き取る為のボビン
回転との巻取回転比を、前記変速過程で変更することを
特徴とする(請求項2)。これによれば、特に、フライヤ
プレッサの加圧力の変化によるボビン巻取径の変化を見
込んで、変速過程のフロントローラ回転と、そのフロン
トローラから送出されてくる粗糸を適正にボビンに巻き
取る為のボビン回転との巻取回転比が変更されるから、
変速過程で粗糸張力が大きくなることを防止でき、細斑
を少なくできる。
【0008】変速過程において、巻取回転比を時系列に
沿って変化させ粗糸張力を一定に保つようにしてもよい
し(請求項3)、巻取回転比を、所定の値に変更しても
よい(請求項4)。粗糸張力を一定に保つように変更する
時は、予め変速過程での巻取半径の変化を時系列に沿っ
て求めておき、これによる張力変化を打ち消すような大
きさとなるように巻取回転比を時系列に沿って変化させ
る。
【0009】本願方法は、フロントローラから送出され
てくる粗糸を、回転するフライヤプレッサで粗糸ボビン
外周に加圧しながら粗糸ボビンに巻き取る粗紡機であっ
て、制御装置によりボビン巻取径の増加に伴ってボビン
回転を変更するボビン回転変更装置を備えて成る粗紡機
において、機台停止指令後の機台減速過程、起動後定常
運転となるまでの起動加速過程の少なくとも一方の変速
過程における粗糸張力変動を抑制するように、前記制御
装置がボビン回転変更装置を前記変速過程においても制
御するように構成して成る粗紡機(請求項5)、あるい
は、変速過程におけるフライヤプレッサの加圧力が変化
することに起因するボビン巻取径の変化を考慮して、変
速過程での粗糸張力増加を抑制するように、前記ボビン
回転変更装置を制御する制御装置を構成して成る粗紡機
により実施される(請求項6)。これらによれば、従来
備えているボビン回転変更装置をそのまま用いて変速過
程でのボビン回転制御を行うので、わずかな制御装置の
変更、追加で前記方法を実施できる。
【0010】具体的には、ボビン回転変更装置は、ドラ
フトパートを駆動するメインモータと別に、ボビン回転
を制御可能な制御モータを含み、その制御モータを制御
する制御装置は、通常巻取時の粗糸層の増加に伴うボビ
ン回転の制御と、変速過程において、フライヤプレッサ
の加圧力が変化することに起因するボビン巻取径の変化
に伴うボビン回転の制御とを合わせ行うように構成され
ている(請求項7)。
【0011】
【発明の実施の形態】図1において、インバータ駆動さ
れるメインモータ1の回転は、ベルト伝動機構、歯車伝
動機構等から成る駆動系2を介してフロントローラ3に
伝達されるようにしてあると共に、駆動歯車4に伝達さ
れ、この駆動歯車4はフライヤ5上部の被動歯車6と噛
合してフライヤ5が定速回転されるようになっている。
フライヤ5は下端にフライヤプレッサ5aを備えてお
り、粗糸巻取時にはフライヤ回転による遠心力で、巻取
粗糸ボビンBの最も外層に圧接する。ボビンホイール1
1と噛合う歯車12を一体固定したボビンシャフト13
は、自在継手(図示なし)と歯車伝達機構を介して差動
歯車機構14の出力軸15に連結してある。差動歯車機
構14の定速入力軸14aには前記メインモータ1から
の回転が、また補助入力軸14bには制御モータ17の
回転が夫々入力されるように連結してあり、メインモー
タ1と制御モータ17の回転が合成されてボビンシャフ
ト13が回転されるようになっており、こうして、ボビ
ン回転変更装置70が構成されている。この制御モータ
17には、後述の制御装置40からの指令で正、逆転可
能で、かつ、出力軸の回転角度を制御可能なサーボモー
タが用いられる。
【0012】ボビンレール10にはリフタラック18が
一体固着してあり、ピニオン19と噛合っている。ピニ
オン19には、レバーシングベベルギヤ(昇降ギヤ)2
0a,20bとその一方と噛み合う駆動ベベルギヤ21
を介して前記制御モータ17の回転が伝達される。レバ
ーシングベベルギヤ20a,20bはレバーシングロッ
ド22を介してボビン形成装置25に接続され、レバー
シングロッド22を軸方向に動かすことでレバーシング
ベベルギヤ20a,20bと駆動ベベルギヤ21の噛み
合いを変え、ボビンレール10の昇降方向を切換えるよ
うにしてある。
【0013】ボビン形成装置25を図2に示す。このボ
ビン形成装置25は制御装置40からの指令で作動する
もので、レバーシングロッド22と一体の係止体26を
枠27に軸方向に摺動自在に支持すると共に空気圧シリ
ンダ28に連結し、係止体26の両側に設けた係止段部
26a,26bと係脱する左右一対のストッパ28,2
9と、これらのストッパ28,29の係止状態を切換え
るシリンダ30を備えている。そして、レバーシングベ
ベルギヤ20bが駆動ベベルギヤ21と噛み合っている
時、図2に示すように右側の係止段部26bに右側のス
トッパ29が係止しており、噛合を変える時は図2にお
いて右方へ付勢するように空気圧シリンダ28に圧空を
供給して蓄圧し(この時、右側のストッパ29が時計方
向へ回動しようとするが、係止段部26bで回動が阻止
される)、昇降切換信号でシリンダ30により右側のス
トッパ29の下端を押すとストッパ29と係止段部26
bの係止が外れて空気圧シリンダ28に蓄圧された空気
圧によって係止体26が瞬時に右行し、レバーシングベ
ベルギヤ20aが駆動ベベルギヤ21と噛み合い、か
つ、左側のストッパ28が左側の係止段部26aと係止
する。逆に切換える時には、これと全く逆の手順で行わ
れる。
【0014】次に制御装置40について説明する。制御
装置40は、演算処理部41、記憶部42、図示しない
入出力ポート、及び制御モータ17との間で位置フイー
ドバックループを形成するサーボアンプ43、サーボア
ンプ43に制御パルス列Pbを与えるためのパルス分周
器44を備えている。パルス分周器44には、ボビン巻
取径(粗糸層)の増加に対して適正な巻取りが行われる
為の、フロントローラ3の回転角に対するボビン回転角
の回転角度比(巻取回転比)に対応する分周比が演算処
理部41により設定され、パルスエンコーダ35から入
力されるフロントローラ3の回転角に比例したパルス列
Paに前記分周比が乗じられて、そのようにして得られ
たパルス列が、サーボアンプ43への制御パルス列Pb
となる。
【0015】また、入出力ポートを介してリフタラック
18と噛み合うピニオン19に連結されたアブソリュー
ト型のエンコーダ36からボビンレール10の昇降位
置、つまり粗糸のボビンBに対する巻付位置と対応する
検出値が入力される。また、フロントローラ3とフライ
ヤトップ間の粗糸Rの張力を検出する張力検知装置37
(多数の光電センサで粗糸位置を検知するもの、特許第
1472674号に開示)からの張力信号及び、レバー
シングロッド22に固着したドッグ38と係脱し、ボビ
ンレール10の昇降方向を検知する一対のリミットスイ
ッチ39a,39bからの昇降方向検知信号も入出力ポ
ートを介して入力されるようにしてある。
【0016】入出力ポートには更にキーボード45が接
続され、定常粗糸巻取制御のためにボビン巻取径の演算
に要するデータ(巻始時ボビン径、粗糸の一層厚さ、張
力検出装置での演算に用いる係数など)、ボビン巻の形
状データ、粗糸ボビンBに巻取る粗糸Rの設定長として
の満管長L1、紡出条件などが入力されて記憶部42に
記憶される。また、機台全体を停止に向けて減速する停
止減速過程において、その減速によりフライヤプレッサ
5aの加圧力が急激に低下し、ボビン巻取径が増加して
生じる粗糸張力の増加を打ち消すように巻取回転比(分
周比)を制御するための制御データが制御データ記憶部
50に記憶されている。この制御データは、停止指令時
の巻取径とフライヤ回転数とにより、変速過程でのプレ
ッサ加圧力の変化、即ち、巻取径の変化が異なってくる
ことから、この制御デ−タ記憶部50は図4に示すよう
に、巻取径と定常紡出時のフライヤ回転数とのマトリッ
クスで示されるテ−ブル形式となっており、各マトリッ
クス要素M11,M12…には、そのマトリックス要素
を示す巻取径と、フライヤ回転数で定まる巻取状態にお
いて、停止指令時から、完全停止するまでの時間経過に
沿った補正係数デ−タがそれぞれ設定されている。この
補正係数デ−タは、停止指令時に分周器44に設定され
ていたパルス分周比に乗じられ、その結果、図5(b)
に示すように停止減速過程では巻取回転比が漸減され、
また、再起動時に元の定常紡出回転にまで戻す起動加速
過程には、フライヤの加速勾配を停止減速過程と同じと
したときには、フライヤプレッサの加圧力の変化は停止
減速過程と逆となるから、その補正係数テーブルの値
を、停止減速時と逆に読みだして前記停止指令時のパル
ス分周比に乗じることで、巻取回転比が漸増される。
尚、補正係数デ−タは、変速過程での変速開始からの経
過時間、又は任意の時間経過時のフライヤ回転数と、定
常紡出時のフライヤ回転数の比をパラメ−タとした演算
式として定義してあってもよい。
【0017】そして、制御装置40は、図3に示すフロ
ーチャートに基づいて、前記各データを用いて演算処理
部41で演算し、メインモータ1、制御モータ17への
回転指令、ボビン形成装置25への昇降ギヤ切換指令を
入出力ポートを介して各機器へ出力するようになってい
る。
【0018】次に図3のフローチャートに従って作用を
説明する。機台運転開始によってメインモータ1及び制
御モータ17が起動される。ステップS1における紡出
運転中の制御モータ17の制御は特開平3−40819
号に詳説されており、粗糸ボビンBの粗糸巻層の増加に
よる次回のボビン巻取径を前記データから演算し、その
巻径に対応してパルスエンコーダ35から入力されるフ
ロントローラ回転角と対応した適正なボビン回転角とな
るように制御モータ17を回転制御させるためのパルス
分周比を算出する巻取回転比演算ステップと、粗糸巻取
層が1層増加することを判別する粗糸層増加判別ステッ
プと、その度に、前記巻取回転比演算ステップで予め求
めておいた分周比を前記分周器44に設定する通常巻取
時の巻取回転比更新手段ステップとを含み、フロントロ
ーラ3の回転角に対応するパルス列Paと分周器44の
分周比とから得られる制御パルス列Pbがサーボアンプ
43を経て制御モータ17を制御し、こうした制御を粗
糸満管となるまで繰り返すことで、従来のコーンドラム
を用いることなく粗糸層の増加に伴って、図9に示すよ
うにボビン回転を漸減制御して、粗糸張力を略一定に保
って粗糸巻取を行う。また、このような通常の粗糸巻取
中、ボビンレール10は前記ボビン形状データに基づき
その昇降切換がボビン形成装置25の動作で行われる。
【0019】そして、粗糸巻取を行ってゆく途中過程
で、機台停止指令があると(ステップS2:停止指令判
別手段)、ステップS3(減速運転指令手段)でメイン
モータ1を停止に向けて減速制御する。そしてステップ
S4(停止減速時の巻取回転比更新手段)で、完全停止
に向かう過程において、その時のボビン巻取径と、前記
パルスエンコーダ35からのパルス数から割り出される
フライヤ回転数から、制御データ記憶部50の該当する
マトリックス要素を参照し、一定時間間隔(あるいは、
一定紡出長間隔でもよいが)経過するたびに、その経過
時間(紡出量)に対応した、分周比に乗じる補正係数デ
−タを前記制御データ記憶部50のマトリックス要素か
ら読み出し、その補正係数を機台停止指令時の分周比に
乗じて、それを新たな分周比として、分周器44に設定
していく。この分周比に乗じる補正係数データが、停止
減速過程でのプレッサ加圧力減少で生じる粗糸張力増加
を打ち消すように設定されていることから(図5
(b))、図5(e)に示すように、そのような制御を
行わない従来と比べて、張力変化がなく一定で、停止時
における粗糸の細斑が防止されて、機台が完全に停止す
る(ステップS5)。そして、機台停止となった要因を
除去し、再起動されると(ステップS6:起動判別手
段)、今度は、途中停止を開始した時の定常紡出回転と
なる定常運転まで機台回転を高めることとなるので、前
記減速過程で使用した補正係数デ−タを、時間軸を逆に
して読みだし、停止時の分周比にこれを適用し、起動加
速過程における分周比を漸増する。これにより、起動加
速過程で、定常回転(ステップS8)となる迄のプレッ
サ加圧力不足による粗糸巻取径が大きい状態での粗糸張
力を一定にでき、粗糸細斑を防止する。こうして、紡出
途中で一旦機台を完全停止し、その後、起動した後は、
ステップS1で通常紡出制御が行なわれ、前記パルスエ
ンコーダ35からのパルスを制御装置40内で積算して
紡出長が満管となると(ステップS9:満管判別手段)
満管停止し(ステップS10)、ドッフイングが行わ
れ、再起動される(ステップS11、S12)。
【0020】前記実施形態では、停止減速過程、起動加
速過程の変速過程において、プレッサ加圧力変動に伴う
粗糸張力変動を完全に打ち消す為に、パルス分周比を前
記変速過程の始まりから終わりに向けて順次変化させて
いったが、変速区間の始めに、固定された一定の変速過
程用の分周比に設定し、変速過程が終わるまで変更しな
いようにしてもよい(図6(b))。この一定の分周比
は、前記実施形態の機台完全停止時の分周比と同じ値と
する。このようにすると、例えば停止減速過程では、一
旦粗糸張力が小さくなり、その後、大きくなるが、完全
停止時の最終張力は、このような張力制御を全く行わな
い場合の約半分となり(図6(e))、張力の増加が従
来より抑制され、細斑の程度が小さくなる。
【0021】また、機台停止指令と同時に上記の分周比
の変更を行う代わりに、図7に示すように機台停止指令
出力後、フライヤ回転が一定の回転数(回転速度)Fr
となったときに、回転比変更指令を出して、それ以後、
完全停止までの間を、張力増加をなくす、または、抑制
するように、分周比を変更してもよい。さらに、図7に
示すように機台を寸動させるインチング運転の時には、
上記制御で変更された完全停止時の分周比としておくの
が好ましい。なぜなら、インチング運転ではフライヤは
回転するが、プレッサには、殆ど遠心力が作用しないか
ら、その加圧力は完全停止直前の状態と同じだからであ
る。
【0022】粗糸巻取途中において生じる停止減速過
程、それに続く起動加速過程の両方で本願制御を行なう
ことにより、巻取粗糸の全長について粗糸むらのない品
質の良い粗糸が得られてきわめて好ましいが、その何れ
か一方を実施しても従来よりは細斑を少なくできる。ま
た、空ボビンに粗糸を巻始める巻始めの加速過程、満ボ
ビンとなった後の減速過程において、本願を適用しても
よい。
【0023】以上の実施形態では、コーンドラムを用い
ないボビン回転変更装置を採用しているが、本願では、
ボビン回転変更装置70Aとして、制御モータ65によ
りラック66を介してロングラック67を移動させ、ベ
ルトシフタ63を介して一対のコーンドラム61、62
に懸回されたコーンドラムベルト64の位置を変更し、
前記実施形態のサイボモータ17の出力回転に変えて、
変速側コーンドラム62の出力回転を差動歯車機構14
の補助入力軸14bに入力するようにしたものであって
もよい。(図8)。
【0024】
【発明の効果】以上のように本願発明では、停止減速過
程や起動加速過程の加減速制御中においても巻取回転比
を変更するようにしたので、通常の粗糸巻層の増加に伴
う張力制御に加えて、そのような機台変速過程で生じる
張力変動を制御でき、フライヤプレッサの加圧力の変化
による巻取径の変化に伴う張力変動を抑制し、あるい
は、一定にすることにより、停止減速過程や起動加速過
程における粗糸の細斑発生を小さくし、また、防止でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願の粗紡機を示す全体構成図である。
【図2】ボビン形成装置である。
【図3】制御フローチャートである。
【図4】制御デ−タ記憶部を示す図である。
【図5】変速過程でのフライヤ回転、巻取回転比、プレ
ッサ加圧力、ボビン巻取径、粗糸張力変化を示す図であ
る。
【図6】他の実施形態である。
【図7】別の実施形態である。
【図8】ボビン回転変更装置の他の実施形態である。
【図9】巻始から満管までのボビン回転を示す図であ
る。
【図10】従来技術の説明図である。
【符号の説明】
1 メインモータ 3 フロントローラ 5 フライヤ 5a フライヤプレッサ 17 制御モータ 40 制御装置 70 ボビン回転変更装置 B 粗糸ボビン R 粗糸

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フロントローラから送出されてくる粗糸
    を、回転するフライヤプレッサで粗糸ボビン外周に加圧
    しながら粗糸ボビンに巻き取り、ボビン巻取径の増加に
    伴ってボビン回転を変更する粗紡機において、機台停止
    指令後の機台減速過程、起動後定常運転となるまでの起
    動加速過程の少なくとも一方の変速過程における巻取粗
    糸の張力変動を抑制する為に、前記変速過程でフロント
    ローラ回転と、そのフロントローラから送出されてくる
    粗糸を適正にボビンに巻き取る為のボビン回転との巻取
    回転比を変更することを特徴とする粗紡機の運転方法。
  2. 【請求項2】 フロントローラから送出されてくる粗糸
    を、回転するフライヤプレッサで粗糸ボビン外周に加圧
    しながら粗糸ボビンに巻き取り、ボビン巻取径の増加に
    伴ってボビン回転を変更する粗紡機において、機台停止
    指令後の機台減速過程、起動後定常運転となるまでの起
    動加速過程の少なくとも一方の変速過程において、フラ
    イヤ回転が変動してフライヤプレッサの加圧力が変化す
    ることにより生じる前記変速過程でのボビン巻取径の変
    化に伴う粗糸張力変動を抑制するように、フロントロー
    ラ回転と、そのフロントローラから送出されてくる粗糸
    を適正にボビンに巻き取る為のボビン回転との巻取回転
    比を、前記変速過程で変更することを特徴とする粗紡機
    の運転方法。
  3. 【請求項3】 前記変速過程において、巻取回転比を時
    系列に沿って変化させ粗糸張力を一定に保つことを特徴
    とする請求項1又は2記載の粗紡機の運転方法。
  4. 【請求項4】 巻取回転比を、所定の値に変更すること
    を特徴とする請求項1又は2記載の粗紡機の運転方法。
  5. 【請求項5】 フロントローラから送出されてくる粗糸
    を、回転するフライヤプレッサで粗糸ボビン外周に加圧
    しながら粗糸ボビンに巻き取る粗紡機であって、制御装
    置によりボビン巻取径の増加に伴ってボビン回転を変更
    するボビン回転変更装置を備えて成る粗紡機において、
    機台停止指令後の機台減速過程、起動後定常運転となる
    までの起動加速過程の少なくとも一方の変速過程におけ
    る粗糸張力変動を抑制するように、前記制御装置がボビ
    ン回転変更装置を前記変速過程においても制御するよう
    に構成して成る粗紡機。
  6. 【請求項6】 変速過程におけるフライヤプレッサの加
    圧力が変化することに起因するボビン巻取径の変化を考
    慮して、変速過程での粗糸張力増加を抑制するように、
    前記ボビン回転変更装置を制御する制御装置を構成して
    成ることを特徴とする請求項5記載の粗紡機。
  7. 【請求項7】 ボビン回転変更装置は、ドラフトパート
    を駆動するメインモータと別に、ボビン回転を制御可能
    な制御モータを含み、その制御モータを制御する制御装
    置は、通常巻取時の粗糸層の増加に伴うボビン回転の制
    御と、変速過程において、フライヤプレッサの加圧力が
    変化することに起因するボビン巻取径の変化に伴うボビ
    ン回転の制御とを合わせ行うように構成されていること
    を特徴とする請求項6記載の粗紡機。
JP20715997A 1997-07-15 1997-07-15 粗紡機の運転方法及び粗紡機 Pending JPH1136146A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106381586A (zh) * 2016-12-12 2017-02-08 河南永安纺织有限公司 粗纱机后排导条辊速度改造装置

Cited By (2)

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CN106381586A (zh) * 2016-12-12 2017-02-08 河南永安纺织有限公司 粗纱机后排导条辊速度改造装置
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