JP3149617B2 - 粗紡機における巻始め時の運転方法 - Google Patents

粗紡機における巻始め時の運転方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は粗紡機における巻始め時
の運転方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般にボビンリード式の粗紡機において
は、フロントローラより一定速度で送り出される粗糸
を、所定速度で回転しているフライヤとそれより高速で
回転するボビンとの回転速度差により粗糸に撚りを掛け
つつボビンに巻取る。ボビンはボビンレール上に支承さ
れてボビンレールとともに昇降動され、ボビンレールの
昇降運動の方向が変わる毎にボビンレールの移動距離が
短縮され、粗糸巻の両端部が円錘形状となるように粗糸
の巻取りが行われる。
【0003】粗糸の巻取りを良好に行うには、フロント
ローラとフライヤトップ間の粗糸に適度なたるみがある
状態で、巻取り時の粗糸張力を一定に保持する必要があ
る。粗糸張力を一定に保持するには粗糸の送出量と巻取
り量とがほぼ同一となるように巻取りを行う必要があ
る。巻取り開始から終了までボビンの回転速度を一定に
保持した場合は、巻取り粗糸層の増加(粗糸巻径の増
加)に伴い巻取り速度が増大する。従来、巻取時の粗糸
の張力を一定に保持する方法として、一対のコーンドラ
ム及びベルトシフタを用いた変速装置により、ボビンの
回転速度がボビンに巻取られた粗糸層の増大に伴い順次
低下するように制御していた。
【0004】近年、粗紡機の生産性の向上を図るため
に、高速化とラージパッケージ化が行われる傾向にあ
る。巻取り時に粗糸に作用する遠心力は粗糸巻の径、す
なわち粗糸の巻取り量の増大及びフライヤの回転速度の
増大につれて大きくなり、粗紡機の運転は、この遠心力
が粗糸切れや粗糸の不正ドラフトが生じない範囲の一定
値以下になるように抑制する必要がある。高速化とラー
ジパッケージ化を図って生産性を高める場合、フライヤ
の回転速度を巻取り開始から満管まで徐々に低下させる
か、所定巻取り量に達するまでは一定の回転速度とし、
その後、徐々に低下させる方法が取られている。
【0005】そして、一般に粗紡機の起動時には極めて
短時間で定常運転速度に到達するようになっている。す
なわち、粗紡機では巻始めから満管までフライヤの回転
速度が一定の場合、あるいはラージパッケージ化及び機
台の高速化に対応してフライヤの変速運転を行う場合の
いずれにおいても、ボビンの回転速度及びボビンレール
の移動速度は巻始めのときが最も速い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、粗紡機の起
動時に短時間で定常運転速度に到達させる運転方法で
は、機台の高速化により巻取り初期段階において、ボビ
ンがボビンホイールから浮き上がり、浮き上がったボビ
ンが再び元の位置に戻るという現象が起こるようになっ
た。その結果、騒音が発生するとともに、巻始め時に粗
糸がボビンにきれいに巻取れないという問題がある。
又、ボビンの寿命が短くなるという問題もある。
【0007】この現象を詳しく観察した結果、紡出条件
によっても異なるが、ボビンの浮き上がりはボビンレー
ルが下降する第2層及び第4層の巻取り時に発生した。
又、粗糸原料として合繊を使用した場合に多かった。こ
の現象は高速化によりフライヤの回転速度が速くなる
と、フライヤプレッサがボビンをフライヤガイドレッグ
に圧接する力が強くなるとともに、ボビンレールが速く
下降することにより、ボビンがボビンレールに遅れて下
降する状態となるために発生すると考えられる。
【0008】粗紡機の起動方法として起動指令により機
台を急激に立ち上がらせ、次いで極短い時間経過後に機
台を低速回転に導き、所定時間低速回転させた後にクッ
ション起動を経て定常運転に導く方法(特開昭56−1
65022号公報)がある。この方法では巻取り初期に
低速運転が行われるが、ボビンの浮き上がり防止とは別
の目的で行われる。又、この方法でも機台が定常運転に
導かれるまでの時間は、第1層の粗糸の巻取りが完了す
るまであるいは第2層の巻取り途中までである。従っ
て、前記ボビンの浮き上がりを解消することはできな
い。
【0009】本発明は前記の問題点に鑑みてなされたも
のであって、その目的は機台の高速化を行った場合に
も、巻取り初期におけるボビンの浮き上がりを確実に防
止できる粗紡機における巻始め時の運転方法を提供する
ことにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め本発明では、紡出速度を変速制御可能な粗紡機におい
て、巻取り初期のボビンレールの下降時にボビンホイー
ルからのボビンの浮き上がりが生じない運転速度と粗糸
巻ボビン重量との関係を予め求めておき、少なくともボ
ビンレールの下降時にはその運転速度以下で巻取り運転
を行うようにした。
【0011】又、請求項2に記載の発明では、紡出速度
を変速制御可能な粗紡機において、ボビンレールの下降
時にボビンホイールからのボビンの浮き上がりが生じな
い運転条件と粗糸巻ボビン重量又はそれに対応する量と
の関係をデータベース又は演算式として制御部に記憶さ
せておき、入力手段により入力された紡出条件の定常運
転時におけるボビンの浮き上がりが生じない粗糸巻ボビ
ンの所定重量又はそれに対応する量を求め、粗糸巻ボビ
ンの重量が前記所定重量となるまでは、空ボビンの浮き
上がりが生じない運転条件で巻取り運転を行うようにし
た。
【0012】
【作用】本発明では、巻取り初期のボビンレールの下降
時にボビンホイールからのボビンの浮き上がりが生じな
い運転速度とボビン重量との関係が予め求められる。そ
して、巻取り初期における少なくともボビンレールの下
降時には、その運転速度以下で巻取り運転が行われる。
従って、ボビンホイールからのボビンの浮き上がりが確
実に防止される。
【0013】又、請求項2に記載の発明では、ボビンホ
イールからのボビンの浮き上がりが生じない運転条件と
粗糸巻ボビン重量又はそれに対応する量との関係がデー
タベース又は演算式として制御部に記憶される。制御部
は入力手段により入力された紡出条件と、前記データベ
ース又は演算式とに基づいて当該紡出条件での定常運転
時におけるボビンの浮き上がりが生じない粗糸巻ボビン
の所定重量又はそれに対応する量を求める。そして、粗
糸巻ボビンの重量が前記所定重量となるまでは、空ボビ
ンの浮き上がりが生じない運転条件で巻取り運転が行わ
れる。
【0014】
【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例を図面に
従って説明する。粗紡機の駆動系は基本的には本願出願
人が先に提案(特開昭63ー264923号公報)した
ものと同じであるが、ボビンレールの昇降動切替機構が
異なっている。図3に示すように、フロントローラ1は
その回転軸1aの一端と、主モータMにより回転駆動さ
れるドライビングシャフトとの間に配設された歯車列
(いずれも図示せず)を介して回転駆動されるようにな
っている。フライヤ2の上部には被動歯車3が一体回転
可能に嵌着固定されている。回転軸4には被動歯車3と
噛合する駆動歯車5が嵌着されている。回転軸4には前
記ドライビングシャフトの回転がベルト伝動機構を介し
て伝達されるようになっている。一方、ボビンレール6
上に装備されたボビンホイール7には被動歯車7aが固
着されている。該被動歯車7aと噛合する駆動歯車8が
嵌着固定された回転軸9には、ドライビングシャフトの
回転力と、インバータ10bを介して変速駆動される巻
取用モータ11による回転力とが差動歯車機構12によ
り合成されて伝達されるようになっている。巻取用モー
タ11、差動歯車機構12等により粗糸巻層の増加に対
応してボビン回転速度を減少させる巻取速度変速装置が
構成されている。
【0015】ボビンレール6にはリフターラック13が
固定されている。リフターラック13と噛合する歯車1
4が嵌着された回転軸15には、駆動軸17の回転が切
替機構18及び歯車列を介して伝達される。駆動軸17
はインバータ10cを介して変速駆動される昇降用モー
タ16により駆動される。切替機構18は中間軸19
と、該中間軸19と前記駆動軸17との間に設けられた
一対の歯車列20,21と、歯車列20,21の回転を
中間軸19に伝達する電磁クラッチ22,23とから構
成されている。そして、電磁クラッチ22,23の励消
磁により回転軸15の回転方向すなわちボビンレール6
の昇降動の方向が変更されるようになっている。回転軸
15の端部にはボビンレール6の移動方向を検知するセ
ンサとしてのロータリエンコーダ24が接続されてい
る。又、フロントローラ1と一体的に回転される歯車2
5の近傍には回転速度検出器26が配設されている。
【0016】次に前記駆動系を駆動制御するための制御
回路を図4に従って説明する。制御部としての制御装置
27を構成するマイクロコンピュータ28は、中央処理
装置(以下CPUという)29と、制御プログラムを記
憶した読出し専用メモリ(ROM)よりなるプログラム
メモリ30と、入力装置31により入力された入力デー
タ及びCPU29における演算処理結果等を一時記憶す
る読出し及び書替可能なメモリ(RAM)よりなる作業
用メモリ32とからなる。CPU29はプログラムメモ
リ30に記憶されたプログラムデータに基づいて動作す
る。
【0017】紡出粗糸重量(ゲレン)、繊維種、フライ
ヤ回転数、空ボビン重量等の紡出条件を入力する入力手
段としての入力装置31は制御装置27にキーボードと
して一体に組込まれている。前記ロータリエンコーダ2
4及び回転速度検出器26からの出力信号は入力インタ
フェース33を介してCPU29に入力されるようにな
っている。
【0018】又、電磁クラッチ22,23はCPU29
からの信号に基づき、電磁クラッチ励消磁回路34を介
してその励消磁が制御され、ボビンレール6の昇降切換
が行われるようになっている。又、CPU29は出力イ
ンタフェース35、モータ駆動回路36a,36b,3
6c及びインバータ10a,10b,10cを介して主
モータM、巻取用モータ11及び昇降用モータ16を駆
動制御するようになっている。
【0019】プログラムメモリ30にはボビンホイール
7からのボビンBの浮き上がりが生じない運転条件と粗
糸巻ボビン重量との関係を示すデータベースが記憶され
ている。データベースは繊維種及びプレッサの種類に応
じて予め試験で求められる。
【0020】次に前記のように構成された装置の作用を
説明する。図1(a)のフローチャートに示すように、
機台の運転に先立ってまず紡出粗糸重量(ゲレン)、繊
維種、定常運転時フライヤ回転数、空ボビン重量、低速
運転時フライヤ回転数等の紡出条件が入力装置31によ
り入力される。低速運転時フライヤ回転数はボビンレー
ル6の下降時に空ボビンの浮き上がりが生じない値であ
る。紡出条件が入力されると、CPU29は紡出条件
と、前記データベースとに基づいて当該紡出条件での定
常運転時におけるボビンBの浮き上がりが生じないフラ
イヤ回転数に対応する粗糸巻ボビンの所定重量を演算す
る。そして、その所定重量、空ボビン重量及び紡出粗糸
重量から、その重量に対応する所定紡出粗糸長が算出さ
れ、その所定紡出粗糸長が作業用メモリ32に記憶され
る。
【0021】その後、機台の運転が開始され、主モータ
Mによりフロントローラ1及びフライヤ2がそれぞれ回
転駆動される。又、機台の起動と同時に巻取用モータ1
1及び昇降用モータ16も駆動され、差動歯車機構12
に入力された主モータMの回転力と、巻取用モータ11
の回転力とが差動歯車機構12で合成され、合成された
回転力により回転軸9が駆動されてスピンドル7が回転
駆動される。これによりドラフト装置で延伸された粗糸
Rがフライヤ2により加撚され、フライヤ2より高速で
回転するボビンBに層状に巻取られる。又、昇降用モー
タ16の駆動により、切替機構18、回転軸15等を介
してリフターラック13とともにボビンレール6が昇降
動される。
【0022】運転開始時にはフライヤ2は所定の低速回
転で駆動され、ボビンホイール7もフライヤ2の回転速
度及び巻取粗糸層数に対応した所定の低速回転となるよ
うに駆動される。機台の起動と同時に回転検出器26か
らの出力信号がCPU29に入力される。CPU29は
その信号に基づいて紡出粗糸長を算出する。そして、紡
出粗糸長と所定紡出粗糸長とが比較され、紡出粗糸長が
所定紡出粗糸長と等しくなるまでは、低速運転が継続さ
れる。低速運転中、フライヤ2の回転速度は一定に保持
される。一方、ボビンホイール7の回転速度及びボビン
レール6の昇降速度は巻取粗糸層数が増加する毎に、フ
ライヤ回転速度及び巻取粗糸層数に対応した所定速度に
減速される。
【0023】紡出粗糸長が所定紡出粗糸長と等しくなっ
た時点で、CPU29はフライヤ2の回転速度を定常運
転時における所定回転速度に増速する。又、ボビン回転
数もそのフライヤ回転速度を基準とした当該時点におけ
る巻取粗糸層数に対する所定速度に増速される。そし
て、その後は定常運転が行われる。すなわち、粗糸巻ボ
ビンの重量が定常運転時のフライヤ回転速度において浮
き上がりが生じない値に達するまでは、空ボビンの浮き
上がりが生じない速度で機台が運転されるため、ボビン
の浮き上がりが確実に防止される。
【0024】例えば、紡出条件として綿100%、紡出
粗糸重量250ゲレン/30ヤード、フライヤ定常回転
速度1300r.p.m.、フライヤ低速回転速度300r.p.
m.が入力された場合には、フライヤ回転速度が1300
r.p.m.でも粗糸巻ボビンが浮き上がらないために必要な
巻取り粗糸重量は50gとなる。紡出糸は紡出粗糸重量
250ゲレン/30ヤードで、1gは15.43ゲレン
であるから、粗糸重量50gに相当する紡出粗糸長をX
ヤードとすると、次式が成り立つ。
【0025】X〔ヤード〕×(250/30)=50×
15.43〔ゲレン〕 従って、X=92.6ヤード=84.7mとなる。そし
て、この紡出条件では、紡出粗糸長が84.7mに達す
るまではフライヤ回転速度が300r.p.m.の低速運転が
行われる。そして、紡出粗糸長が84.7mに達した
後、フライヤ回転速度が1300r.p.m.の定常運転に移
行される。
【0026】(実施例2)次に第2実施例を図5に従っ
て説明する。この実施例では低速運転時においてもフラ
イヤ回転数を巻取粗糸層の増加すなわち粗糸巻ボビン重
量の増加に対応して変速制御する点が前記実施例と異な
っている。
【0027】粗紡機の運転時には、ボビンレール6はま
ず上昇される。ボビンレール6の上昇時には粗糸巻ボビ
ンの重量が軽くてもボビンBがボビンホイール7から浮
き上がることはない。従って、ボビンBの浮き上がりが
問題となるのはボビンレール6の下降時、すなわち巻取
粗糸層の偶数層の巻取り時である。この実施例では基本
的には第1層及び第2層の巻取り時には第1層の巻取り
完了時の粗糸巻重量に対応するボビンの浮き上がりが生
じないフライヤ回転数で粗紡機の運転を行う。又、第3
層及び第4層の巻取り時には第3層の巻取り完了時の粗
糸巻重量に対応するボビンの浮き上がりが生じないフラ
イヤ回転数で粗紡機の運転を行う。
【0028】CPU29は運転開始前に入力された紡出
条件から、フライヤ定常回転速度におけるボビンの浮き
上がりが生じない粗糸巻重量に達するまでには巻取粗糸
層が何層になるかを演算する。一般にその巻取粗糸層数
は5層となる。従って、CPU29は第1層及び第3層
の巻取り完了時の粗糸巻重量をそれぞれ演算するととも
に、その重量に対応するボビンの浮き上がりが生じない
第1のフライヤ回転数及び第2のフライヤ回転数を算出
する。そして、その回転数を作業用メモリ32に記憶す
る。
【0029】粗紡機の起動時、CPU29はフライヤ2
が第1のフライヤ回転数で回転し、ボビンホイール7及
びボビンレール6がそのフライヤ回転数に対応する所定
速度となるようにモータ駆動回路36a〜36cに指令
信号を出力する。そして、主モータM、巻取用モータ1
1及び昇降用モータ16がインバータ10a〜10cを
介して所定の速度で駆動される。
【0030】CPU29は第1層の巻取りが完了した時
点の紡出粗糸長から粗糸巻重量を算出し、その重量と予
め設定された粗糸巻重量とを比較する。その重量が予め
設定された粗糸巻重量以上であれば、第2層の巻取り時
もフライヤ回転数が第1層の巻取り時と同速となるよう
に制御する。その重量が予め設定された粗糸巻重量に達
していない場合は、その重量と対応するボビンの浮き上
がりが生じないフライヤ回転数をデータベースから算出
する。そして、第2層の巻取り時すなわちボビンレール
6の下降時にフライヤ回転数が予め設定された第1のフ
ライヤ回転数から前記新たに算出された回転数へと変更
される。又、ボビンホイール7の回転数及びボビンレー
ル6の下降速度もそのフライヤ回転数と対応する所定速
度に変速される。
【0031】第2層の巻取りが完了すなわちボビンレー
ル6が所定位置まで下降すると、CPU29からの指令
によりフライヤ回転数が第2のフライヤ回転数に増速さ
れる。又、ボビンホイール7及びボビンレール6もその
フライヤ回転数に対応する所定速度に変速される。第2
層の巻取りが完了した時点で、CPU29は紡出粗糸長
から粗糸巻重量を算出し、その重量が予め設定された粗
糸巻重量未満であれば、その重量と対応するボビンの浮
き上がりが生じないフライヤ回転数をデータベースから
算出する。そして、第4層の巻取り時すなわちボビンレ
ール6の下降時にフライヤ回転数が新たに算出された回
転数へと変更される。そして、第4層の巻取りが完了し
た時点でフライヤ回転数が定常運転時の回転数まで増速
され、第5層の巻取りからは定常運転が行われる。従っ
て、この実施例では定常運転に達するまでに要する時間
が前記実施例より短くなり、前記実施例よりも生産性が
高くなる。
【0032】なお、本発明は前記両実施例に限定される
ものではなく、例えば、第1実施例で低速運転時のフラ
イヤ回転数を入力する代わりに、入力された空ボビン重
量に対応する低速運転時のフライヤ回転数をCPU29
が求めるようにしてもよい。又、巻取り初期の低速運転
時にフライヤ回転速度を変速する場合、図6に示すよう
に粗糸巻重量が定常運転時のフライヤ回転数においてボ
ビンBの浮き上がりが生じない重量に達するまで、各層
の巻取りが完了する毎にフライヤ回転数を増速してもよ
い。又、紡出粗糸長を常時サンプリングするとともに、
その紡出粗糸長に対応するボビンBの浮き上がりが生じ
ないフライヤ回転数を算出し、そのフライヤ回転数とな
るように運転してもよい。
【0033】又、第1実施例において紡出粗糸長で所定
粗糸巻重量に達したことを確認する代わりに、所定粗糸
巻重量に達するまでの紡出時間を紡出速度から演算し
て、紡出時間により所定粗糸巻重量に達したことを確認
してもよい。又、ボビンレールの下降時にボビンホイー
ルからのボビンの浮き上がりが生じないフライヤ回転数
と粗糸巻ボビン重量との関係をデータベースとして作業
用メモリ32に記憶させる代わりに、演算式として記憶
させてもよい。又、粗紡機ではボビン回転数、ボビンレ
ールの昇降速度及びフライヤ回転数は巻取粗糸層数に対
応して最適値があるため、ボビン回転数、ボビンレール
の昇降速度及びフライヤ回転数の内の一つが決まれば他
はほぼ一義的に決まる。従って、フライヤ回転数と粗糸
巻ボビン重量との関係に代えて、ボビン回転数あるいは
ボビンレールの下降速度と粗糸巻ボビン重量との関係と
してデータベースを作成してもよい。
【0034】又、巻取り速度を変速する構成として、特
開昭62−85036号公報に開示された装置のよう
に、コーンドラムを使用するとともにベルトシフタと連
動するロングラックを駆動する歯車系をモータで駆動す
る構成としたり、粗紡機の駆動系として、差動歯車機構
12を設けることなく各駆動系を全て独立してモータで
駆動する構成としてもよい。
【0035】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、機
台の高速化を行った場合にも、巻取り初期におけるボビ
ンの浮き上がりが確実になくなり、巻始め時に粗糸がき
れいに巻き取れるとともに騒音発生が確実に防止され
る。又、ボビンの寿命も長くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は第1実施例におけるフライヤ回転数の
増速時期を決める紡出粗糸長の設定手順を示すフローチ
ャート、(b)は機台の運転開始から定常運転になるま
での作用を示すフローチャートである。
【図2】フライヤ回転数の時間変化を示すグラフであ
る。
【図3】粗紡機の駆動系の概略図である。
【図4】制御装置の電気的構成を示すブロック図であ
る。
【図5】第2実施例のフライヤ回転数と巻取粗糸重量と
の関係を示すグラフである。
【図6】変更例のフライヤ回転数と巻取粗糸重量との関
係を示すグラフである。
【符号の説明】
2…フライヤ、6…ボビンレール、7…ボビンホイー
ル、27…制御部としての制御装置、31…入力手段と
しての入力装置、B…ボビン。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−165022(JP,A) 特開 昭63−264923(JP,A) 特開 昭62−85036(JP,A) 特開 平4−361625(JP,A) 特開 平4−352821(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D01H 1/26 D01H 7/50

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紡出速度を変速制御可能な粗紡機におい
    て、巻取り初期のボビンレールの下降時にボビンホイー
    ルからのボビンの浮き上がりが生じない運転速度と粗糸
    巻ボビン重量との関係を予め求めておき、少なくともボ
    ビンレールの下降時にはその運転速度以下で巻取り運転
    を行う粗紡機における巻始め時の運転方法。
  2. 【請求項2】 紡出速度を変速制御可能な粗紡機におい
    て、ボビンレールの下降時にボビンホイールからのボビ
    ンの浮き上がりが生じない運転条件と粗糸巻ボビン重量
    又はそれに対応する量との関係をデータベース又は演算
    式として制御部に記憶させておき、入力手段により入力
    された紡出条件の定常運転時におけるボビンの浮き上が
    りが生じない粗糸巻ボビンの所定重量又はそれに対応す
    る量を求め、粗糸巻ボビンの重量が前記所定重量となる
    までは、空ボビンの浮き上がりが生じない運転条件で巻
    取り運転を行う粗紡機における巻始め時の運転方法。
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