JP3028005B2 - 粗紡機におけるボビンレールの昇降切換方法 - Google Patents

粗紡機におけるボビンレールの昇降切換方法

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JP3028005B2
JP3028005B2 JP4026783A JP2678392A JP3028005B2 JP 3028005 B2 JP3028005 B2 JP 3028005B2 JP 4026783 A JP4026783 A JP 4026783A JP 2678392 A JP2678392 A JP 2678392A JP 3028005 B2 JP3028005 B2 JP 3028005B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は粗紡機におけるボビンレ
ールの昇降切換方法に係り、詳しくはボビンレールの昇
降動の切換をクラッチの断・接で行う粗紡機におけるボ
ビンレールの昇降切換方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に粗紡機においては、フロントロー
ラより一定速度で送り出される粗糸を、所定速度で回転
しているフライヤとそれより高速で回転するボビンとの
回転速度差により粗糸に撚りを掛けつつボビンに巻取
る。ボビンはボビンレールに支承されてボビンレールと
ともに昇降動され、ボビンレールの昇降運動の方向が変
わる毎にボビンレールの移動距離が短縮され、粗糸巻の
両端部が円錘形状となるように粗糸の巻取りが行われ
る。
【0003】巻取時に粗糸の送出量と巻取量とがほぼ同
一となるように巻取を行わなければ正常な巻取が行われ
ず、粗糸の張力変動に基づく糸むらや粗糸切れが発生す
る。そこで、従来は一対のコーンドラム及びベルトシフ
ターを用いた変速装置により、ボビンの回転速度がボビ
ンに巻取られた粗糸層の増大に伴い順次低下するように
制御していた。ところが、紡出条件によりボビンに巻取
られた粗糸層の数とボビン径(粗糸巻径)の増加の割合
が変わるため、紡出条件に対応してコーンドラムの形状
を変更(コーンドラムを交換)するか、ベルトシフター
の移動量を調整可能な補助カムを用いて紡出条件に対応
して変更する(特公昭52−48652号公報)必要が
あり、紡出条件の変更毎に前記の面倒な交換あるいは調
整作業が必要であった。
【0004】近年、多品種少ロット生産に対する要求が
強く、紡出条件の頻繁な変更に対応するため、紡出駆動
系と巻取駆動系とをそれぞれ別の可変速モータにより駆
動する構成とし、紡出条件に対応して予め記憶装置に入
力したデータに基づいて各可変速モータを駆動制御する
ようにした粗紡機が提案されている(例えば、特開昭6
3−264923号公報、特開平3−40819号公報
等)。このように紡出駆動系と巻取駆動系とをそれぞれ
別の可変速モータにより駆動する構成とした粗紡機で
は、粗糸巻形状すなわち粗糸巻の肩部の傾きを容易に変
更可能とするため、ボビンレールの昇降動の切換をクラ
ッチにより行うようにしたものがある。そして、従来は
目的とする粗糸巻形状成形のための反転位置にボビンレ
ールが到達した時に昇降切換指令が発せられ、ボビンレ
ールの反転が行われるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の昇降
切換方法では、昇降機構にクラッチの応答遅れも含めた
意味で、被動側の応答遅れが存在する。従って、図6に
示すようにクラッチの励消磁の切換から所定時間後にボ
ビンレールの反転が行われ、結果的にボビンレールは所
定反転位置を越えた位置で反転する。そのため、図5
(b)に示すように現実に成形される粗糸巻Fの形状
(実線で示す遅れ反転位置)は目的とする形状(鎖線で
示す励消磁切換位置)とはならず、肩崩れが発生する危
険性も高い。従って、粗糸巻Fの肩部Faの傾きΘを小
さくして粗糸巻量を増やすと肩崩れが発生する危険性が
高くなるという問題がある。そして、粗紡機が高速運転
される場合はこの問題がより顕著となる。
【0006】本発明は前記の問題点に鑑みてなされたも
のであって、その目的はボビンレールの昇降切換を制御
装置からの指令に基づくクラッチの断・接で行う粗紡機
において、制御装置から昇降切換指令が出力されてから
ボビンレールが実際に反転するまでの応答遅れが存在し
ても、確実に目的とする形状の粗糸巻成形を行うことが
できるボビンレールの昇降切換方法を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め本発明では、ボビンレールの昇降切換を制御装置から
の指令に基づくクラッチの断・接で行う粗紡機におい
て、ボビンレールの位置検出手段によりボビンレールの
位置を常に求めるとともに、前記制御装置から昇降切換
指令が出力されてからボビンレールが実際に反転するま
での応答遅れ量を求め、昇降切換指令を出力する時期よ
り前のボビンレール反転時における応答遅れ量を基にそ
の後の応答遅れ量を算出し、紡出条件で定められた粗糸
巻形状成形のためのボビンレール反転位置に対して、前
記算出された応答遅れ量だけ手前となる位置にボビンレ
ールが到達した時に昇降切換指令を出力するようにし
た。
【0008】
【作用】ボビンレールの昇降切換はボビンレール昇降機
構のクラッチの断・接により行われ、クラッチの断・接
は制御装置からの指令に基づいて行われる。ボビンレー
ルの位置は位置検出手段により常に求められる。制御装
置は昇降切換指令が出力されてからボビンレールが実際
に反転するまでの応答遅れ量をボビンレールの位置から
求める。制御装置は昇降切換指令を出力する時期より前
のボビンレールの反転時における応答遅れ量を基にその
後の応答遅れ量を算出する。そして、制御装置は紡出条
件で定められた粗糸巻形状成形のためのボビンレール反
転位置に対して、前記算出された応答遅れ量だけ手前と
なる位置にボビンレールが到達した時に昇降切換指令を
出力する。その結果、実際のボビンレールの反転位置は
紡出条件で定められた粗糸巻形状成形のためのボビンレ
ール反転位置となる。
【0009】
【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例を図1〜
図5に従って説明する。まず、本発明の方法を実施する
ための粗紡機の駆動系を図2に従って説明する。この駆
動系は基本的には本願出願人が先に提案したもの(特開
昭63ー264923号公報等)と同じであるが、ボビ
ンレールの昇降動切替機構が異なっている。駆動系は紡
出駆動系、巻取駆動系及びリフティング駆動系とからな
り、各駆動系にそれぞれ別の可変速モータを備えてい
る。紡出駆動系はドラフト部1とフライヤ部2とからな
り、ドラフト部1を構成するフロントローラ3を備えた
回転軸3aの一端と、ドライビングシャフト4との間に
歯車列5及びベルト伝動機構6が配設されている。ドラ
イビングシャフト4はメインモータM1とベルト伝動機
構7を介して連結されている。前記ドライビングシャフ
ト4の回転がベルト伝動機構8を介して伝達される回転
軸9に駆動歯車10が嵌着されている。フライヤ部2を
構成するフライヤ11の上部に駆動歯車10と噛合する
被動歯車12が一体回転可能に嵌着固定されている。な
お、前記回転軸3aの一端にはフロントローラ3の回転
速度を検出するパルスエンコーダE1が接続されてい
る。
【0010】巻取駆動系を構成するボビンホイール13
はボビンレール14上に装備され、ボビンホイール13
の被動歯車13aと噛合する駆動歯車15が嵌着固定さ
れた回転軸16には、ドライビングシャフト4の回転力
と、巻取用モータM2による回転力とが差動歯車機構1
7により合成されて伝達されるようになっている。すな
わち、巻取用モータM2の回転がベルト伝動機構18を
介して差動歯車機構17に入力され、差動歯車機構17
の出力が歯車列19、自在継手20及び連結軸21を介
して前記回転軸16に伝達される。又、巻取用モータM
2にはパルスエンコーダE2が取付けられている。
【0011】ボビンレール14にはリフティング駆動系
を構成するリフターラック22が固定されている。リフ
ターラック22と噛合するピニオン23が嵌着された回
転軸24には、昇降用モータM3の回転がベルト伝動機
構25及び歯車列26を介して伝達される。歯車列26
の途中には一対の電磁クラッチ27,28を装備した昇
降切換機構29が配設され、電磁クラッチ27,28の
励消磁により前記回転軸24の回転方向、すなわちボビ
ンレール14の昇降動の方向が変更されるようになって
いる。回転軸24の一端にはボビンレール14の上下方
向における位置を検出する位置検出手段としてのパルス
エンコーダE3が接続されている。両電磁クラッチ2
7,28は制御装置30の指令に基づいて励消磁され、
両電磁クラッチ27,28が同時に励磁されることはな
い。ボビンレール14は一方の電磁クラッチ27が励磁
されたときに上昇移動され、他方の電磁クラッチ28が
励磁されたときに下降移動されるようになっている。前
記各モータM1〜M3は制御装置30の指令に基づいて
制御されるそれぞれ独立のインバータ31〜33を介し
て駆動されるようになっている。
【0012】図3に示すように、制御装置30を構成す
るマイクロコンピュータ34は中央処理装置(以下CP
Uという)35と、制御プログラムを記憶した読出し専
用メモリ(ROM)よりなるプログラムメモリ36と、
入力装置37により入力された入力データ及びCPU3
5における演算処理結果等を一時記憶する読出し及び書
替え可能なメモリ(RAM)よりなる作業用メモリ38
とからなり、CPU35はプログラムメモリ36に記憶
されたプログラムデータに基いて動作する。繊維の種
類、ゲレン、撚数、巻取開始時におけるボビン径、満管
までの所定の巻取り量(満管長)、肩角度等の紡出条件
を作業用メモリ38に入力する入力装置37は、制御装
置30にキーボードとして一体に組み込まれている。
【0013】CPU35は入力装置37により入力され
た紡出条件に基づいてメインモータM1、巻取用モータ
M2及び昇降用モータM3への速度指示を出力インタフ
ェース39と、メインモータ駆動回路40、巻取用モー
タ駆動回路41及び昇降用モータ駆動回路42とを介し
てインバータ31〜33へ出力するようになっている。
CPU35は前記各パルスエンコーダE1,E2,E3
からの出力信号に基づき、各モータM1,M2,M3が
指令に従って駆動されていることを確認するようになっ
ている。又、CPU35はパルスエンコーダE3からの
出力信号に基づいてボビンレール14の位置を常に演算
可能となっている。CPU35はパルスエンコーダE3
からのパルス数をカウンタで積算し、その積算値に基づ
いて積算開始からのボビンレール14の移動量を求める
とともに、積算開始のボビンレール14の位置と前記積
算値とからボビンレール14の位置を算出する。前記カ
ウンタはボビンレール14の反転と同時にリセットされ
るようになっている。なお、パルスエンコーダE3は回
転軸24の正転、逆転に対応してそれぞれ別のパルス信
号を出力するようになっており、ボビンレール14の上
昇、下降の区別がパルス信号からも確認できるようにな
っている。
【0014】又、電磁クラッチ27,28はCPU35
からの信号に基づき、電磁クラッチ励消磁回路43を介
してその励消磁が制御され、ボビンレール14の昇降切
換が行われるようになっている。そして、CPU35は
昇降切換信号を出力する毎に、昇降切換信号が出力され
てからボビンレール14が実際に反転するまでの応答遅
れ量としてのオーバーラン量を、パルスエンコーダE3
からの出力信号に基づいて演算するようになっている。
又、CPU35はボビンレール14の反転回数を図示し
ない反転回数カウント用カウンタでカウントするように
なっている。
【0015】次に紡出条件で設定された粗糸巻形状成形
のためのクラッチの励消磁切換時期の決定方法について
説明する。オーバーラン量はボビンレール14の昇降速
度の関数となり、クラッチの容量が大きい場合は昇降速
度に比例する。ボビンレール14の昇降速度は粗糸巻径
の増大に伴って減少するように制御されるため、オーバ
ーラン量は昇降切換毎に異なる。しかし、各回毎の昇降
速度の変化は小さいため、第i回目の上昇(あるいは下
降)時及び第(i+1)回目の上昇(あるいは下降)時
のボビンレール14の昇降速度を同じと見なしても問題
はない。又、ボビンレール14の昇降速度が同じであっ
ても、上昇時と下降時とでは負荷が異なるためオーバー
ラン量も一般に異なる。
【0016】そこで、この実施例では紡出条件で設定さ
れた粗糸巻成形のための第i層から第(i+1)層への
ボビンレール14の目標反転位置に対して、オーバーラ
ン量を考慮して電磁クラッチ27,28の切換時期を決
定する際、オーバーラン量の値として2回前のボビンレ
ール14の反転時におけるオーバーラン量を用いるよう
にした。ボビンレール14の目標反転位置座標x(i) を
ボビンレール14の反転順に設定すると、図4に示すよ
うに奇数回目の反転は上昇から下降への反転となり、偶
数回目の反転は下降から上昇への反転となる。すなわ
ち、奇数回目の反転時にはその前回の上昇から下降への
反転時における実際のオーバーラン量を用いる。又、偶
数回目の反転時にはその前回の下降から上昇への反転時
における実際のオーバーラン量を用いる。
【0017】その結果、図4に示すように、設定リフト
長をL0 、粗糸巻の肩角度をθ、第(n−1)層から第
n層への粗糸巻径の増加量をΔφ(n)とすると、第i
回目の目標反転位置座標x(i) は次式で表される。 i=2n−1のとき
【0018】
【数1】 i=2nのとき
【0019】
【数2】 但し、x(1) =0、x(2) =L0 とする。従って、奇数
回目の目標反転位置座標x(2n−1)は次のようになる。
【0020】 x(1) =0 x(3) =Δφ(3) cot θ x(5) ={Δφ(3) +Δφ(5) }cot θ : x(2n−1)={Δφ(3) +Δφ(5) +…Δφ(2n−1)}cot θ 又、偶数回目の目標反転位置座標x(2n)は次のように
なる。
【0021】 x(2) =L0 x(4) =L0 −Δφ(2) cot θ x(6) =L0 −{Δφ(2) +Δφ(4) }cot θ : x(2n)=L0 −{Δφ(2) +Δφ(4) +…+Δφ(2n−2)}cot θ 又、第i回目の反転時における実際のオーバーラン量を
ΔL(i) 、前回の紡出時の最終反転時における実際のオ
ーバーラン量をΔLfとすると、第i回目の反転時にお
けるクラッチ切換位置座標X(i) は次式で表される。 i=2n−1のとき X(i) =x(2n−1)+ΔL(2n−3)… (n=2,3,4,…) X(1) =x(1) +3ΔLf… i=2nのとき X(i) =x(2n)−ΔL(2n−2)… (n=2,3,4,…) X(2) =x(2) −3ΔLf… クラッチ切換位置座標X(i) を及び式により求める
場合、第1層から第2層及び第2層から第3層への反転
時のオーバーラン量を予め求めることはできない。そこ
でこの実施例では、第1回目及び第2回目の反転時にお
けるオーバーラン量は、前回紡出時の最終反転時のオー
バーラン量ΔLfの3倍に設定した。3倍とした理由
は、最終層の巻取り時における粗糸巻径が第1層目の巻
取り時における粗糸巻径のほぼ3倍となるためである。
なお、第(n−1)層から第n層への粗糸巻径の増加量
Δφ(n)は、繊維の種類、ゲレン、撚数から求めるこ
とができる。
【0022】次に前記のように構成された装置の作用を
説明する。機台の運転に先立ってまず繊維の種類、ゲレ
ン、撚数、巻取開始時におけるボビン径、満管までの所
定の巻取り量(満管長)、肩角度等の紡出条件を入力装
置37により入力する。
【0023】機台の運転が開始されると、メインモータ
M1の駆動によりベルト伝動機構7、ドライビングシャ
フト4、ベルト伝動機構8、回転軸9、駆動歯車10及
び被動歯車12を介してフライヤ11が回転駆動され、
ベルト伝動機構7、ドライビングシャフト4、歯車列5
及びベルト伝動機構6を介してフロントローラ3がそれ
ぞれ回転駆動される。又、差動歯車機構17に入力され
たメインモータM1の回転力と、巻取用モータM2の回
転力とが差動歯車機構17で合成され、合成された回転
力が回転軸16に伝達され、ボビンBが装着されたボビ
ンホイール13が駆動歯車15及び被動歯車13aを介
して回転駆動される。この結果、ドラフト部1で延伸さ
れた粗糸Rがフライヤ11により加撚され、フライヤ1
1より高速で回転するボビンBに層状に巻取られる。
又、昇降用モータM3の駆動によりベルト伝動機構2
5、歯車列26、切換機構29、回転軸24及びピニオ
ン23を介してリフターラック22とともにボビンレー
ル14が昇降動される。制御装置30(CPU35)か
らの指令により巻取用モータM2及び昇降用モータM3
の回転速度が変更され、巻取り速度及びボビンレール1
4の昇降速度が変更される。
【0024】次にボビンレール14の昇降切換動作を図
1のフローチャートに従って説明する。CPU35は粗
紡機の運転開始と同時にパルスエンコーダE3からの出
力信号を入力するとともに、そのパルス数の積算を開始
してボビンレール14の位置を常に演算可能な状態とす
る。(ステップS1、以下ステップをSと表す)。
【0025】次にCPU35は次回のボビンレール14
の反転時が第何回目であるかを反転回数カウント用カウ
ンタのカウント値を基に求め、1回目、2回目、(2n
+1)回目、(2n+2)回目のいずれであるかの判断
を行う(S2〜S4)。第1回目の反転時であれば式
により次回のクラッチ切換位置座標を算出する(S
5)。次いでS6に進み、CPU35はボビンレール1
4の位置を図4に示すx座標における位置として演算す
る。運転開始時のボビンレール14の位置は決まってい
るため、ボビンレール14の移動量すなわちパルスエン
コーダE3の出力パルスの積算値と、前記スタート位置
のx座標とからボビンレール14の位置を算出する。そ
して、ボビンレール14の位置が前記S5で算出したク
ラッチ切換位置座標すなわち、切換指令を出力すべき位
置に到達したか否かを判断する(S7)。
【0026】ボビンレール14が当該位置に到達する
と、CPU35は電磁クラッチ27,28に励磁あるい
は消磁の指令信号を出力する(S8)。CPU35は前
記指令信号を出力すると同時にそのときのパルス数の積
算値を求めて、作業用メモリ38に記憶する。又、前記
指令信号により電磁クラッチ27,28の励消磁が切り
換えられる。前記指令信号が出力された後、電磁クラッ
チ27,28の断・接が完了するまでの間にボビンレー
ル14は電磁クラッチ27,28の励消磁切換前と同方
向に移動し、その後、ボビンレール14が反転する。C
PU35はパルスエンコーダE3からの出力信号に基づ
いてボビンレール14の移動方向を確認し、前記指令信
号出力後、ボビンレール14が反転したか否かの判断を
行う(S9)。そして、ボビンレール14が反転する
と、CPU35は反転回数カウント用カウンタに1を加
算する(S10)。又、CPU35はボビンレール14
が反転した時のパルス数の積算値と、前記指令信号出力
時のパルス数の積算値とからオーバーラン量の算出を行
った後、パルス数カウント用のカウンタをリセットする
(S11)。次にCPU35は反転回数カウント用カウ
ンタのカウント値が所定設定値すなわち最終反転回数に
達したか否かの判断を行い(S12)、所定設定値に達
していればボビンレール14の昇降切換えの制御を終了
する。所定設定値に達していなければS2に戻る。
【0027】第2回目の反転時であればS2からS3を
経てS13に進み、式により次回のクラッチ切換位置
座標を算出する。次いでS6に進み、前記と同様な動作
によりS12まで進む。そして、再びS2に戻り、S3
を経てS4で第(2n+1)回目か否かの判断を行い、第(2
n+1)回目であれば式により次回のクラッチ切換位置
座標を算出する(S14)。又、第(2n+2)回目であれ
ば式により次回のクラッチ切換位置座標を算出する
(S15)。次いでS6に進み、前記と同様な動作によ
りS12まで進む。以下、同様にしてボビンレール14
の反転回数が奇数回目であれば式により、偶数回目で
あれば式により次回のクラッチ切換位置座標が算出さ
れ、電磁クラッチ27,28の励消磁の切換が行われ
る。
【0028】電磁クラッチ27,28の励消磁の切換が
行われても、ボビンレール14はそれと同時に反転され
ずにボビンレール14の昇降速度に対応したオーバーラ
ン量を移動した後に反転する。しかし、前記のように各
反転時毎に予め求めておいたオーバーラン量だけ手前の
位置で電磁クラッチ27,28に励消磁の切換が行われ
るため、実際の反転位置が目的とする粗糸巻形状成形の
ための所定反転位置となる。従って、目的とする粗糸巻
形状成形のための反転位置で電磁クラッチの切換信号を
出力した場合(図5(b)に示す)と異なり、図5
(a)に示すように設定条件どおりの粗糸巻形状の成形
を確実に行うことができ、肩崩れの虞がなくなる。その
結果、粗糸巻Fの肩部Faの傾きΘを小さくして粗糸巻
量を増大させることも可能となる。
【0029】なお、インチング運転あるいは紡出運転の
途中で一時停止及び再起動を行った場合の加減速途中に
ボビンレール14の反転が行われた場合は、次回のクラ
ッチ位置切換座標の算出に用いるオーバーラン量ΔLと
して加減速途中のオーバーラン量ΔLは用いない。なぜ
ならば、このような運転時には定常運転時よりボビンレ
ール14の昇降速度が低速のため、オーバーラン量ΔL
が定常運転時より小さくなるからである。そして、この
ような場合は次回のクラッチ位置切換座標の算出にはイ
ンチング又は加減速開始以前で最新のオーバーラン量Δ
Lを用いる。例えば、第i層から第(i+1)層への反転
がインチング中に発生した場合、第(i+2)層から第
(i+3)層への反転時のクラッチ位置切換座標の算出に
用いるオーバーラン量はΔL(i−2)を用いる。
【0030】なお、本発明は前記実施例に限定されるも
のではなく、例えば、クラッチ切換位置座標を算出する
際に使用するオーバーラン量として、上昇時と下降時と
を区別せずに直前のオーバーラン量を使用するようにし
たり、数層(5,6層)前の反転時のオーバーラン量を
使用してもよい。又、数層前のオーバーラン量を使用す
る代わりに、数層前から直前までのオーバーラン量の平
均値を使用したり、単純に平均する代わりに、複数回の
オーバーラン量の減少から当該反転時のオーバーラン量
を求めてもよい。さらには、巻取りの途中までは各反転
時毎にオーバーラン量を測定し、その後はオーバーラン
量を実測せずに、それまでの実測値を基にオーバーラン
量の減少量を直線近似で求めて使用するようにしてもよ
い。又、オーバーラン量の実測値が求められる前の初期
値として、前回紡出時の最終反転時におけるオーバーラ
ン量の3倍の値を使用したが、初期値を紡出条件に拘ら
ず予め求めた一定の値とする等適宜変更してもよい。
又、粗紡機の駆動系として、差動歯車機構17を設ける
ことなく各駆動部を全て独立にモータで駆動する構成を
採用したり、各モータM1,M2,M3としてインバー
タを介して変速駆動されるモータを使用する代わりにサ
ーボモータ等他の可変速モータを使用してもよい。又、
ボビンレール14の位置検出をパルスエンコーダE3の
出力信号すなわち回転軸24の回転量に基づいて行う代
わりに、ボビンレール14の昇降範囲の近傍に多数の永
久磁石がそのN極とS極とが交互に配列されたいわゆる
マグネットスケールを配設するとともに、その検出部を
ボビンレール14に一体移動可能に固定し、検出部の検
出信号を制御装置30に入力してボビンレール14の位
置を検出するようにしてもよい。又、クラッチとして電
磁クラッチに代えて油圧あるいは空圧等の流体圧で作動
されるクラッチを使用してもよい。
【0031】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、昇
降切換指令が出力されてからクラッチの断・接が完了し
てボビンレールが実際に反転するまでの応答遅れが存在
しても、確実に目的とする形状の粗糸巻成形を行うこと
ができ、肩崩れの虞がない。又、紡出時において実測し
たボビンレールの応答遅れに基づいて、クラッチの切換
時期を設定するので、紡出条件の変更に容易に対応でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】昇降切換手順を示すフローチャートである。
【図2】粗紡機の駆動系の概略図である。
【図3】制御装置の電気的構成を示すブロック図であ
る。
【図4】粗糸巻成形のためのボビンレール反転位置とク
ラッチ切換位置の関係を示す模式図である。
【図5】(a)は本発明を使用して成形された粗糸巻に
おけるボビンレール反転位置と昇降切換信号出力位置と
の関係を示す図であり、(b)は従来例におけるそれと
対応する図である。
【図6】従来例のボビンレールの昇降動作のタイムチャ
ートである。
【符号の説明】
14…ボビンレール、22…リフターラック、23…ピ
ニオン、26…歯車列、27,28…電磁クラッチ、2
9…昇降切換機構、30…制御装置、35…CPU、E
3…位置検出手段としてのパルスエンコーダ、F…粗糸
巻、M3…昇降用モータ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−242925(JP,A) 特開 昭49−20420(JP,A) 特開 昭49−12135(JP,A) 特開 昭48−48734(JP,A) 特開 昭50−5628(JP,A) 特開 昭63−264923(JP,A) 特開 平3−40819(JP,A) 実開 平3−18174(JP,U) 実開 平3−106372(JP,U) 特公 昭50−31210(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D01H 1/36 D01H 7/50

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ボビンレールの昇降切換を制御装置から
    の指令に基づくクラッチの断・接で行う粗紡機におい
    て、 ボビンレールの位置検出手段によりボビンレールの位置
    を常に求めるとともに、前記制御装置から昇降切換指令
    が出力されてからボビンレールが実際に反転するまでの
    応答遅れ量を求め、昇降切換指令を出力する時期より前
    のボビンレール反転時における応答遅れ量を基にその後
    の応答遅れ量を算出し、紡出条件で定められた粗糸巻形
    状成形のためのボビンレール反転位置に対して、前記算
    出された応答遅れ量だけ手前となる位置にボビンレール
    が到達した時に昇降切換指令を出力するようにした粗紡
    機におけるボビンレールの昇降切換方法。
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