JP3104391B2 - 粗紡機のボビンレール定位置停止方法 - Google Patents

粗紡機のボビンレール定位置停止方法

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JP3104391B2
JP3104391B2 JP04117753A JP11775392A JP3104391B2 JP 3104391 B2 JP3104391 B2 JP 3104391B2 JP 04117753 A JP04117753 A JP 04117753A JP 11775392 A JP11775392 A JP 11775392A JP 3104391 B2 JP3104391 B2 JP 3104391B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はボビンレールを紡出駆動
系及び巻取駆動系と独立して駆動可能な可変速モータを
備えた粗紡機のボビンレール定位置停止方法に係り、詳
しくは粗紡機の満管停止後、ボビンレールを玉揚げ位
置、空ボビン挿入傾き検知位置、巻始め位置等の所定位
置まで移動させる際に好適な粗紡機のボビンレール定位
置停止方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】粗紡機において粗糸の巻取りが継続され
て満管になると、ボビンレールは所定位置に停止した
後、予め定められた玉揚げ位置、空ボビン挿入傾き検知
位置、巻始め位置等の所定位置まで順次移動される。そ
して、従来は満管停止後、ボビンレールを前記各所定位
置に移動させるのに、ボビンレールを紡出駆動系及び巻
取駆動系と独立して駆動可能な誘導モータで駆動すると
ともに、その停止位置検知をリミットスイッチで行って
いた。すなわち、図5に示すようにボビンレール51の
一端にドッグ52が設けられ、ボビンレール51の昇降
範囲と対応する粗紡機のフレーム53の所定位置にリミ
ットスイッチLS1〜LS3が固定されている。
【0003】満管停止位置P0 から玉揚げ位置P1 ま
で、玉揚げ位置P1 から空ボビン挿入傾き検知位置P2
まで及び空ボビン挿入傾き検知位置P2 から巻始め位置
P3 までのボビンレール51の各移動距離はそれぞれ異
なる。玉揚げ位置P1 から空ボビン挿入傾き検知位置P
2 までの移動距離は他の場合の移動距離に比較して小さ
く、ほぼ1/10程度となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、ボビンレー
ル(駆動系を含む)の慣性力が大きいため、従来の停止
方法ではリミットスイッチの検知信号が出力されてから
ボビンレール51が停止するまでの惰性移動距離が異な
っていた。すなわち、停止状態にあるボビンレールの次
の目標停止位置までの距離が小さい場合には停止時の惰
性移動距離が小さく、目標停止位置までの距離が大きい
場合には停止時の惰性移動距離が大きくなった。これ
は、リミットスイッチから停止信号が出力されたとき、
ボビンレール51の移動速度が異なるためである。従っ
て、停止位置の精度を高めるためにはボビンレール51
の昇降速度を低速とする必要があり、ボビンレールの移
動に時間が掛かり、結果として粗紡機の稼動効率が低下
するという問題があった。
【0005】又、多数のリミットスイッチLS1〜LS
3を所定位置に正確に組付けるのに手間が掛かるという
問題もある。本発明は前記の問題点に鑑みてなされたも
のであって、その目的は満管に伴う巻取り停止後、ボビ
ンレールを玉揚げ位置等の所定位置へ移動させる場合、
目標位置に早く到達し、しかも精度良く停止させること
ができる粗紡機のボビンレール定位置停止方法を提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め請求項1に記載の本発明では、ボビンレールを紡出駆
動系及び巻取駆動系と独立して駆動可能な可変速モータ
を備えた粗紡機において、粗紡機の満管停止後のボビン
レールの現在位置から同じく粗紡機の満管停止後の目標
停止位置までの距離とそのときのボビンレールの移動速
度との関係を予め設定しておき、ボビンレールの移動速
度が当該距離に対応する前記予め設定された速度となる
ように前記可変速モータを駆動制御するようにした。
【0007】又、請求項2に記載の発明では、ボビンレ
ールを紡出駆動系及び巻取駆動系と独立して駆動可能な
可変速モータを備えた粗紡機において、粗紡機の満管停
止後のボビンレールの現在位置から同じく粗紡機の満管
停止後の目標停止位置までの距離とそのときのボビンレ
ールの移動速度との関係を予め設定しておき、緩起動で
前記可変速モータを駆動させ、ボビンレールが移動を開
始した後は所定時間毎にボビンレール位置検出手段から
の検出信号に基づいてボビンレールの現在位置を求め、
前記目標停止位置と現在位置との距離を基に、ボビンレ
ールの移動速度が前記予め設定された速度となるように
前記可変速モータを駆動制御するようにした。
【0008】
【作用】ボビンレールは紡出駆動系及び巻取駆動系と独
立して駆動可能な可変速モータにより駆動される。ボビ
ンレールを所定停止位置に正確に停止させるのに適し
た、ボビンレールの現在位置から目標停止位置までの距
離とそのときのボビンレールの移動速度との関係が予め
設定されている。そして、請求項1の発明ではボビンレ
ールの移動速度が、現在位置から目標停止位置までの距
離に対応する予め設定された速度となるように、前記可
変速モータが駆動制御される。従って、停止動作時のボ
ビンレールの速度が、可変速モータの起動時におけるボ
ビンレールの位置と目標停止位置までとの距離に関係な
く常に一定となり、停止位置のばらつきがなくなる。
又、請求項2の発明では停止状態のボビンレールを所定
位置へ移動させる場合、緩起動で可変速モータが駆動さ
れる。ボビンレールが移動を開始した後は所定時間毎に
ボビンレール位置検出手段からの検出信号に基づいてボ
ビンレールの現在位置が求められる。そして、目標停止
位置と現在位置との距離を基に、ボビンレールの移動速
度が前記の予め設定された速度となるように、前記可変
速モータが駆動制御される。従って、停止動作時のボビ
ンレールの速度が、可変速モータの起動時におけるボビ
ンレールの位置と目標停止位置までとの距離に関係なく
常に一定となり、停止位置のばらつきがなくなる。
【0009】
【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例を図1〜
図4に従って説明する。まず、本発明の方法を実施する
ための粗紡機の駆動系を図3に従って説明する。この駆
動系は基本的には本願出願人が先に提案したもの(特開
昭63ー264923号公報等)と同じであるが、ボビ
ンレールの昇降切換機構が異なっている。駆動系は紡出
駆動系、巻取駆動系及びリフティング駆動系とからな
り、各駆動系にそれぞれ別の変速モータを備えている。
紡出駆動系はドラフト部1とフライヤ2とからなり、メ
インモータM1により駆動されるドライビングシャフト
3の回転がベルト伝動機構4,5及び歯車列6を介して
伝達されるようになっている。フロントローラ7を備え
た回転軸7aの一端には、フロントローラ7の回転速度
を検出するパルスエンコーダE1が接続されている。
【0010】巻取駆動系を構成するボビンホイール8は
ボビンレール9上に装備されている。ボビンホイール8
を駆動する回転軸10には、ドライビングシャフト3の
回転力と、巻取用モータM2による回転力とが差動歯車
機構11により合成されて伝達されるようになってい
る。又、巻取用モータM2にはパルスエンコーダE2が
取付けられている。
【0011】ボビンレール9にはリフティング駆動系を
構成するリフターラック12が固定されている。リフタ
ーラック12と噛合するピニオン13が嵌着された回転
軸14には、昇降用モータM3の回転がベルト伝動機構
15及び歯車列16を介して伝達される。歯車列16の
途中には一対の電磁クラッチ17,18を装備した昇降
切換機構19が配設されている。前記回転軸14の回転
方向、すなわちボビンレール9の昇降動の方向は電磁ク
ラッチ17,18の励消磁の切換に対応して変更される
ようになっている。
【0012】回転軸14の一端にはボビンレール9の上
下方向における絶対位置を検出する位置検出手段として
のアブソリュートエンコーダE3が接続されている。両
電磁クラッチ17,18は制御装置20の指令に基づい
て励消磁され、両電磁クラッチ17,18が同時に励磁
されることはない。ボビンレール9は一方の電磁クラッ
チ17が励磁されたときに上昇移動され、他方の電磁ク
ラッチ18が励磁されたときに下降移動されるようにな
っている。前記各モータM1〜M3は誘導モータからな
り、制御装置20の指令に基づいて制御されるそれぞれ
独立のインバータ21〜23を介して変速駆動されるよ
うになっている。
【0013】図4に示すように、制御装置20を構成す
るマイクロコンピュータ24は中央処理装置(以下CP
Uという)25と、制御プログラムを記憶した読出し専
用メモリ(ROM)よりなるプログラムメモリ26と、
入力装置27により入力された入力データ及びCPU2
5における演算処理結果等を一時記憶する読出し及び書
替え可能なメモリ(RAM)よりなる作業用メモリ28
とからなり、CPU25はプログラムメモリ26に記憶
されたプログラムデータに基いて動作する。制御装置2
0には紡出条件(運転条件)を作業用メモリ28に入力
する入力装置27がキーボードとして一体に組み込まれ
ている。
【0014】CPU25は入力装置27により入力され
た紡出条件に基づいてメインモータM1、巻取用モータ
M2及び昇降用モータM3への速度指示を入出力インタ
フェース29及びD/Aコンバータ30〜32を介して
インバータ21〜23へ出力するようになっている。
又、電磁クラッチ17,18はCPU25からの信号に
基づき、電磁クラッチ励消磁回路33を介してその励消
磁が制御され、ボビンレール9の昇降切換が行われるよ
うになっている。
【0015】プログラムメモリ26にはボビンレール9
の現在位置から目標停止位置までの距離Lと、そのとき
のボビンレール9の移動速度に対応する昇降用モータM
3の回転数との関係が、満管停止後のボビンレール9の
駆動制御用データとして記憶されている。前記制御用デ
ータはボビンレール9を精度良く所定位置に停止させ、
しかも所定位置までできるだけ早く到達させるのに適し
た関係となるように、予め試験あるいは計算式から求め
たものが使用される。
【0016】CPU25はアブソリュートエンコーダE
3からの出力信号に基づいてボビンレール9の現在位置
を求め、その値から目標停止位置までの距離Lを演算す
るとともに、その距離Lに対応する昇降用モータM3の
回転数を前記駆動制御用データから求める。そして、そ
の速度に対応する周波数をインバータ23が出力するよ
うに指令する指令信号を、入出力インタフェース29及
びD/Aコンバータ32を介してインバータ23に出力
するようになっている。
【0017】次に前記のように構成された装置の作用を
説明する。機台の運転に先立って紡出条件と、満管停止
後のボビンレール9の各所定停止位置の位置データとが
入力装置27により入力される。所定停止位置とは玉揚
げ位置、空ボビン挿入傾き検知位置及び巻始め位置であ
る。
【0018】機台の運転が開始されると、メインモータ
M1の駆動によりドラフト部1及びフライヤ2がそれぞ
れ駆動される。又、差動歯車機構11に入力されたメイ
ンモータM1の回転力と、巻取用モータM2の回転力と
が差動歯車機構11で合成され、合成された回転力が回
転軸10に伝達され、ボビンBが装着されたボビンホイ
ール8が回転駆動される。この結果、ドラフト部1で延
伸された粗糸Rがフライヤ2により加撚され、フライヤ
2より高速で回転するボビンBに層状に巻取られる。
【0019】又、昇降用モータM3の駆動によりベルト
伝動機構15、歯車列16、切換機構19、回転軸14
及びピニオン13を介してリフターラック12とともに
ボビンレール9が昇降動される。制御装置20(CPU
25)からの指令により巻取用モータM2及び昇降用モ
ータM3の回転速度が変更され、巻取り速度及びボビン
レール9の昇降速度が変更される。
【0020】粗糸の巻取りが継続されて満管となると、
ボビンレール9が所定の満管停止位置で停止される。満
管停止後、ボビンレール9はまず満管停止位置から玉揚
げ位置まで移動される。次いで玉揚げ完了後、玉揚げ位
置から空ボビン挿入傾き検知位置まで移動され、その
後、空ボビン挿入傾き検知位置から巻始め位置まで移動
される。
【0021】モータの加減速時には負荷トルクに負荷慣
性力が加わる。そして、モータに対する速度指令を短時
間で大きく変更するように行うと、実際のモータの回転
速度がモータの速度指示に対して大きな遅れを発生す
る。従って、所定位置に精度良く停止させるには、昇降
用モータM3に停止指令すなわち回転数ゼロの速度指令
を出力する際にその回転数が所定の値Nmin 以下である
必要がある。又、昇降用モータM3を最高回転数Nmax
から前記所定の値Nmin まで円滑にしかもできるだけ早
く減速させる際の、ボビンレール9の現在位置と目標停
止位置との距離Lと、昇降用モータM3の回転数との関
係、すなわち駆動制御用データは例えば図2のようにな
る。そして、最高回転数Nmax で駆動されている昇降用
モータM3が減速動作を開始してから停止するまでの間
に、ボビンレール9は距離Lc 移動する。又、ボビンレ
ール9の現在位置と目標停止位置との距離がL0 以下の
とき昇降用モータM3の回転数がNmin となる。
【0022】満管停止位置から玉揚げ位置までの距離
と、空ボビン挿入傾き検知位置から巻始め位置までの距
離は長い。その結果、昇降用モータM3の回転数が最高
回転数Nmax に達するまでにボビンレール9が移動した
時点におけるボビンレール9の位置と目標停止位置まで
の距離Lは、距離Lc より大きい。従って、この場合は
昇降用モータM3を最高回転数Nmax で駆動した後、減
速動作に移行しても精度良くボビンレール9を所定停止
位置に停止させることができる。一方、玉揚げ位置から
空ボビン挿入傾き検知位置までの距離は他の場合の1/
10程度であるため、昇降用モータM3の増速動作中に
おいてボビンレール9の位置と所定停止位置との距離L
が前記距離Lc 以下となる。従って、この場合は昇降用
モータM3が最高回転数Nmax に達する前に減速動作に
移行する必要がある。
【0023】次にボビンレール9を満管停止位置から玉
揚げ位置まで移動させる場合について説明する。昇降用
モータM3の起動は図1の時間t1 で開始される。ま
ず、CPU25から電磁クラッチ励消磁回路33を介し
て電磁クラッチ17,18に励消磁信号が出力され、他
方の電磁クラッチ18が励磁された状態、すなわちボビ
ンレール9が下降移動可能な状態に保持される。CPU
25から指令信号が入出力インタフェース29を介して
D/Aコンバータ32に出力され、D/Aコンバータ3
2はそのディジタル信号をアナログ電圧信号に変換して
インバータ23に出力する。インバータ23は入力され
る電圧信号に対応した回転数で昇降用モータM3を駆動
制御する。昇降用モータM3の駆動により昇降切換機構
19及び歯車列16を介して回転軸14が駆動され、ボ
ビンレール9が下降移動する。
【0024】ボビンレール9を玉揚げ位置まで早く到達
させるため、昇降用モータM3を最高回転数Nmax で駆
動する必要がある。しかし、起動時からすぐに最高回転
数Nmax となる速度指令を行うと、昇降用モータM3の
回転数が速度指令に対して大きな遅れを発生するばかり
でなく、インバータ23に過電流や過電圧が加わる。そ
こで、CPU25は昇降用モータM3の起動が緩起動と
なるように、昇降用モータM3の回転数を所定時間Δt
毎に所定回転Δnずつ段階的に増大させるように指令信
号を出力する。
【0025】CPU25はエンコーダE3からの出力信
号に基づいてボビンレール9の現在位置を求め、その値
と作業用メモリ28に記憶された玉揚げ位置データとに
より、現在位置から目標位置までの距離Lを演算する。
そして、その距離Lに対応する昇降用モータM3の回転
数を駆動制御用データから求める。昇降用モータM3の
回転数が最高値Nmax に達していない場合は、前記の段
階的な増速が継続される。昇降用モータM3の回転数が
最高値Nmax に達した後、目標位置までの距離Lが距離
Lc となるまでは、CPU25は昇降用モータM3の回
転数が最高値Nmax となる速度指令を出力する。
【0026】目標位置までの距離Lが距離Lc となった
時点でCPU25はボビンレール9の減速動作を開始す
る。CPU25はボビンレール9の現在位置から目標停
止位置までの距離Lに対応する昇降用モータM3の回転
数を駆動制御用データから求め、その値に対応する速度
指令をD/Aコンバータ32に出力する。昇降用モータ
M3の回転数変更指令の間隔は、起動時の変更指令間隔
Δtより短い間隔で行われる。その結果、図1に示すよ
うに、昇降用モータM3の回転数はほぼ連続的に変化す
る。そして、ボビンレール9の現在位置と目標停止位置
との距離がL0となったとき、昇降用モータM3の回転
数がNmin となり、所定位置で停止指令すなわち回転数
ゼロの速度指令がCPU25から出力され、ボビンレー
ル9は精度良く玉揚げ位置に停止する。
【0027】次にボビンレール9を玉揚げ位置から空ボ
ビン挿入傾き検知位置まで移動させる場合について説明
する。昇降用モータM3の起動は図1の時間t2 で開始
される。まず、CPU25から電磁クラッチ励消磁回路
33を介して電磁クラッチ17,18に励消磁信号が出
力され、一方の電磁クラッチ17が励磁された状態、す
なわちボビンレール9が上昇移動可能な状態に保持され
る。次にCPU25は前記と同様、昇降用モータM3の
回転数を所定時間Δt毎に所定回転Δnずつ段階的に増
大させるようにD/Aコンバータ32に指令信号を出力
する。玉揚げ位置から空ボビン挿入傾き検知位置までの
距離が短いため、昇降用モータM3の増速途中で、回転
数と距離Lとの関係が減速動作時の駆動制御用データと
対応する状態となる。
【0028】この時点すなわち図2に示すように、昇降
用モータM3の回転数がN、空ボビン挿入傾き検知位置
までの距離がLaとなった時点から、CPU25はボビ
ンレール9の減速動作を開始する。CPU25は前記と
同様にボビンレール9の現在位置から目標停止位置まで
の距離Lに対応する昇降用モータM3の回転数を順次駆
動制御用データから求め、その値に対応する速度指令を
D/Aコンバータ32に出力する。その結果、図1に示
すように、昇降用モータM3の回転数はNからほぼ連続
的に減少する。そして、昇降用モータM3の回転数がN
min のときに、停止指令すなわち回転数ゼロの速度指令
がCPU25から出力され、ボビンレール9は精度良く
空ボビン挿入傾き検知位置に停止する。
【0029】又、ボビンレール9を空ボビン挿入傾き検
知位置から巻始め位置まで移動させる場合は、電磁クラ
ッチ17,18がボビンレール9を上昇移動可能な状態
に保持される点を除き、満管停止位置から玉揚げ位置ま
での移動の場合と同様に昇降用モータM3が制御され
る。
【0030】前記のように停止状態にあるボビンレール
9の次の目標停止位置までの距離に関係なく、ボビンレ
ール9の移動速度が一定の低速時に昇降用モータM3に
停止指令が出力されるので、ボビンレール9が所定位置
に精度良く停止する。又、昇降用モータM3をできるだ
け最高回転数で駆動するように制御されるため、ボビン
レール9が目標位置まで早く到達できる。
【0031】なお、本発明は前記実施例に限定されるも
のではなく、例えば、ボビンレール9が移動を始める前
に、予め設定されたボビンレール9の現在位置から目標
停止位置までの距離とその時のボビンレール9の移動速
度との関係データを基に、所定時間毎のボビンレール9
の移動速度の変速プログラムを計算しておき、この変速
プログラムに基づいてモータを駆動制御してもよい。
又、ボビンレール9の位置検出をアブソリュートエンコ
ーダE3で行う代わりに、多数の永久磁石がそのN極と
S極とが交互に配列されたいわゆるマグネットスケール
を用いてもよい。この場合はボビンレール9の昇降範囲
の近傍にマグネットスケールを配設し、その検出部をボ
ビンレール9に一体移動可能に固定し、検出部の検出信
号を制御装置20に入力してボビンレール9の位置を検
出する。又、差動歯車機構11を設けずに回転軸10を
巻取用モータM2のみで直接駆動したり、昇降用モータ
M3として正逆回転駆動可能なモータを用いて昇降切換
機構19を省略してもよい。又、各モータM1,M2,
M3としてインバータを介して変速駆動されるモータを
使用する代わりにサーボモータ等他の可変速モータを使
用してもよい。さらには、満管停止後の所定位置への移
動の場合に限らず、粗紡機が非常停止した後にボビンレ
ール9を所定位置まで移動させる場合に適用してもよ
い。
【0032】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、満
管に伴う巻取り停止後、ボビンレールを玉揚げ位置等の
所定位置へ移動させる場合、目標位置に早く到達し、し
かも所定位置に精度良く停止させることができる。従っ
て、満管停止後、再度巻取りを開始するまでの時間が短
くなり、粗紡機の稼動効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】ボビンレールを移動させる場合の昇降用モータ
の回転数変化を示す図である。
【図2】ボビンレールの現在位置と目標停止位置との距
離と、昇降用モータの回転数との関係を示す図である。
【図3】粗紡機の駆動機構の概略斜視図である。
【図4】制御装置のブロック図である。
【図5】従来例のリミットスイッチとボビンレールの関
係を示す図である。
【符号の説明】
9…ボビンレール、19…昇降切換機構、20…制御装
置、25…CPU、E3…ボビンレール位置検出手段と
してのアブソリュートエンコーダ、L…距離、M3…昇
降用モータ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D01H 9/02 D01H 9/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ボビンレールを紡出駆動系及び巻取駆動
    系と独立して駆動可能な可変速モータを備えた粗紡機に
    おいて、粗紡機の満管停止後のボビンレールの現在位置
    から同じく粗紡機の満管停止後の目標停止位置までの距
    離とそのときのボビンレールの移動速度との関係を予め
    設定しておき、ボビンレールの移動速度が当該距離に対
    応する前記予め設定された速度となるように前記可変速
    モータを駆動制御する粗紡機のボビンレール定位置停止
    方法。
  2. 【請求項2】 ボビンレールを紡出駆動系及び巻取駆動
    系と独立して駆動可能な可変速モータを備えた粗紡機に
    おいて、粗紡機の満管停止後のボビンレールの現在位置
    から同じく粗紡機の満管停止後の目標停止位置までの距
    離とそのときのボビンレールの移動速度との関係を予め
    設定しておき、緩起動で前記可変速モータを駆動させ、
    ボビンレールが移動を開始した後は所定時間毎にボビン
    レール位置検出手段からの検出信号に基づいてボビンレ
    ールの現在位置を求め、前記目標停止位置と現在位置と
    の距離を基に、ボビンレールの移動速度が当該距離に対
    応する前記予め設定された速度となるように前記可変速
    モータを駆動制御する粗紡機のボビンレール定位置停止
    方法。
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