JP3134604B2 - 紡機における管糸形成方法及び管糸形成装置 - Google Patents

紡機における管糸形成方法及び管糸形成装置

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JP3134604B2 JP05163618A JP16361893A JP3134604B2 JP 3134604 B2 JP3134604 B2 JP 3134604B2 JP 05163618 A JP05163618 A JP 05163618A JP 16361893 A JP16361893 A JP 16361893A JP 3134604 B2 JP3134604 B2 JP 3134604B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はリング精紡機、リング撚
糸機等の紡機における管糸形成方法及び管糸形成装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、この種の紡機では、フロントロ
ーラからの送出速度が所定速度となるように設定されて
おり、フロントローラから紡出された糸は所定速度で高
速回転するスピンドルに嵌着されたボビンに対して、リ
ングレールに備えられたトラベラを介して案内されるよ
うになっている。図6に示すように、リングレールはボ
ビンの軸方向に所定ストローク(チェイス長C)で昇降
動を繰り返しながらシェーパステップ量ΔSずつ上方へ
移動されるようになっている。こうしてリングレールと
一体に昇降動するトラベラを介して糸を巻き取ることに
よりボビンの下部から上部へ向かって管糸が形成されて
ゆき、図6の右側に示すような所望形状に管糸が形成さ
れるようになっている。
【0003】管糸は満管時に巻き取られた生産糸長LB
と管糸の軸方向の幅すなわちリフト長Ltとが予め設定
された値となるように形成される必要がある。従来、リ
ングレールの上昇量、1回の巻上げ量、昇降時の移動速
度等を予めデータとして入力し、これらの入力データに
基づいてリングレールの運動を駆動制御する制御装置を
備えたものがある(例えば特開昭62−206034号
公報)。又、入力データとして生産糸長LB及びリフト
長Ltを予め入力し、これらの入力データ通りの生産糸
長LB及びリフト長Ltとなるようにリングレールの運
動を駆動制御する制御装置を備えたものがある。この装
置によれば、入力データに基づいてリングレールのリフ
ティング回数n、1回の巻上げ量、シェーパステップ量
ΔS等の設定条件を管糸形成開始前に予め算出し、算出
した設定条件通りにリングレールが駆動制御されるよう
になっている。そして、フロントローラからの紡出量が
生産糸長LBと一致した時点で管糸の形成が終了される
ようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、リングレー
ルの運動が機械的動作遅れ等の不可避な要因により必ず
しも設定条件通りとならず、図7に示すようにリングレ
ールの1昇降動(1ダブルストローク)当たりの実際の
所要時間tr が設定条件に基づく計算上の所要時間tC
より大きくなる。その結果、フロントローラからの紡出
速度が一定であることから1ダブルストローク当たりの
実際の巻上げ量すなわちリフタ送出糸量Lrが設定条件
に基づく計算上のリフタ送出糸量Lcより大きくなる。
Lr>Lcの場合、設定条件のリフティング回数nに達
する前にフロントローラからの紡出量が生産糸長LBに
達する。紡出量が生産糸長LBに達して管糸形成が終了
された状態では、リフト長が入力データのリフト長Lt
より小さく管糸径が設定径より若干大きい形状の管糸と
なり、入力データ通りの生産糸長LB及びリフト長Lt
を有する管糸を得ることが困難であった。そのため、実
際の管糸形成時には、予め機械的動作遅れ等の不可避な
要因を考慮して、例えばリフト長の入力データを所望す
るリフト長Ltよりも経験的に若干大きく設定すること
により所望するリフト長Ltとなるように管糸形成を行
っていた。
【0005】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであって、その目的は生産糸長とリフト長が設
定通りとなる所望形状に管糸を形成することができる紡
機における管糸形成方法及び管糸形成装置を提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
め、請求項1に記載の発明では、リングレールの昇降動
に基づくトラベラとボビンとの相対移動に基づいて、フ
ロントローラから所定速度で紡出される糸を前記トラベ
ラを介して前記ボビンに所定の管糸形状となるように巻
き取る紡機において、管糸形成開始前に、管糸の生産糸
長、リフト長及びチェイス長をデータとして設定し、当
該データに基づく管糸形状に糸を巻き取るために必要と
なるリングレールの1往復の速度パターンを前記データ
に基づいて求め、当該速度パターンに基づいて前記リン
グレールを昇降動させた際に、前記リングレールの1往
復動に実際にかかった所要時間を直接または間接的に計
測し、その実際の所要時間と前記速度パターンに基づく
計算上の設定所要時間とを比較して実際の所要時間が前
記設定所要時間と所定範囲内で一致しない場合には、予
測される実際の所要時間が前記設定所要時間と所定範囲
内で一致するように前記速度パターンを補正し、補正し
た新たな速度パターンに基づいて前記リングレールを昇
降動させるようにした。
【0007】請求項2に記載の発明では、フロントロー
ラから所定速度で紡出される糸をボビンに案内するトラ
ベラを備えるとともに、該トラベラを前記ボビンに対し
て所定の管糸形状が得られるように前記ボビンの軸方向
に昇降案内するリングレールを備えた紡機において、リ
ングレールを昇降駆動させる駆動手段と、生産糸長、リ
フト長及びチェイス長をデータとして入力する入力手段
と、前記入力手段からの入力データを記憶する第1の記
憶手段と、前記第1の記憶手段に記憶された入力データ
に基づき当該入力データに対応する管糸形状を得るため
に必要となるリングレールの1往復の速度パターンを求
めるプログラムデータを記憶する第2の記憶手段と、前
記第2の記憶手段に記憶されたプログラムデータに基づ
き前記速度パターンを算出する第1の演算手段と、前記
第1の演算手段により算出された前記速度パターンに基
づいて昇降動する前記リングレールの1往復動において
実際にかかった所要時間を直接または間接的に計測する
計測手段と、前記計測手段により計測された実際の所要
時間と前記速度パターンに基づく計算上の設定所要時間
とを比較し、実際の所要時間が前記設定所要時間と所定
範囲内で一致するか否かを判断する判定手段と、予測さ
れる実際の所要時間が前記設定所要時間と所定範囲内で
一致するように前記速度パターンを補正する補正式をプ
ログラムデータとして記憶する第3の記憶手段と、前記
判定手段の判定結果に基づき、実際の所要時間が前記設
定所要時間と所定範囲内で一致しない場合には、前記第
3の記憶手段に記憶されたプログラムデータに基づいて
予測される実際の所要時間が前記設定所要時間と所定範
囲内で一致するように前記速度パターンを補正する第2
の演算手段と、前記第2の演算手段により補正された新
たな速度パターンとなるように前記リングレールの駆動
手段を駆動する制御手段とを備えた。
【0008】請求項3に記載の発明では、請求項1に記
載の紡機における管糸形成方法において、前記リングレ
ールのn回目の昇降動におけるn回目の実際の所要時間
を直接または間接的に計測し、n回目の実際の所要時間
と前記設定所要時間とを比較し、n回目の実際の所要時
間が前記設定所要時間と所定範囲内において一致しない
場合には、予測される(n+1)回目の実際の所要時間
が前記設定所要時間と所定範囲内において一致するよう
に(n+1)回目の速度パターンを補正する処理をn=
1から順次に行うようにした。
【0009】
【作用】上記構成により請求項1に記載の発明によれ
ば、管糸形成開始前に、生産糸長、リフト長及びチェイ
ス長が予めデータとして設定され、当該データに基づく
管糸形状に糸を巻き取るために必要となるリングレール
の1往復の速度パターンが前記データに基づいて求めら
れる。そして、当該速度パターンに基づいてリングレー
ルが昇降動され、フロントローラから所定速度で紡出さ
れる糸はリングレールのトラベラを介してボビンに巻き
取られる。その際、リングレールの1往復動に実際にか
かった所要時間が直接または間接的に計測される。そし
て、計測した実際の所要時間と前記速度パターンに基づ
く計算上の設定所要時間とが比較され、実際の所要時間
が設定所要時間と所定範囲内で一致しない場合には、予
測される実際の所要時間が設定所要時間と所定範囲内で
一致するように前記速度パターンが補正される。そし
て、リングレールは補正された新たな速度パターンに基
づいて昇降動される。従って、リングレールが機械的動
作遅れ等の不可避な要因により速度パターン通りに昇降
動しない場合でも、リングレールの1昇降動当たりの所
要時間が設定所要時間とほぼ一致し、1回の巻上げ量は
ほぼ設定通りとなる。そのため、全巻上げ量が設定され
た生産糸長となった時点において、その管糸のリフト長
は設定通りのリフト長となる。よって、設定通りの生産
糸長及びリフト長を有する管糸が形成される。
【0010】請求項2に記載の発明によれば、管糸形成
開始前に予め生産糸長、リフト長及びチェイス長が入力
手段によりデータとして入力され、入力データは第1の
記憶手段に記憶される。第1の記憶手段に記憶された入
力データ及び第2の記憶手段に記憶されたプログラムデ
ータに基づき、当該入力データに対応する管糸形状を得
るために必要となるリングレールの1往復の速度パター
ンが第1の演算手段により求められる。リングレールは
当該速度パターンに基づいて制御装置により駆動手段を
介して昇降駆動され、これに伴いフロントローラから所
定速度で紡出される糸はトラベラを介してボビンに案内
される。その際、リングレールの1往復動に実際にかか
った所要時間が計測手段により直接または間接的に計測
され、計測された実際の所要時間と当該速度パターンに
基づく計算上の設定所要時間とが所定範囲内で一致する
か否かが判定手段により判断される。実際の所要時間と
設定所要時間とが所定範囲内で一致しない場合には、当
該速度パターンは第3の記憶手段に記憶されたプログラ
ムデータに基づいて予測される実際の所要時間が前記設
定所要時間と所定範囲内で一致するように第2の演算手
段により補正される。そして、リングレールは補正後の
新たな速度パターンに基づいて制御装置により駆動手段
を介して昇降駆動される。その結果、リングレールはそ
の1往復動にかかる実際の所要時間が設定所要時間とほ
ぼ一致するように昇降動する。
【0011】請求項3に記載の発明によれば、リングレ
ールのn回目の昇降動における実際の所要時間と前記設
定所要時間とが比較される。そして、n回目の実際の所
要時間が前記設定所要時間と所定範囲内において一致し
ない場合には、予測される(n+1)回目の実際の所要
時間と前記設定所要時間とが所定範囲内で一致するよう
に(n+1)回目の速度パターンが補正される。そし
て、この処理がn=1から順次に行われる。従って、管
糸形成中において、リングレールの1昇降動当たりの実
際の所要時間が設定所要時間と所定範囲内で一致するよ
うに逐次補正される。なお、管糸形成開始前に入力され
る前記データ中、生産糸長は糸番手と糸重量に代えても
同様な結果が得られる。
【0012】
【実施例】以下、本発明をリング精紡機に具体化した一
実施例を図1〜図5に従って説明する。
【0013】図2に示すように、フロントローラ1はそ
の回転軸1aの一端に嵌着された被動歯車2と、主モー
タMにより回転駆動されるドライビングシャフト3との
間に配設された歯車列(いずれも図示せず)を介して回
転駆動されるようになっている。又、スピンドル4はド
ライビングシャフト3に固定されたチンプーリ5との間
に巻き掛けられたスピンドルテープ6を介して回転駆動
されるようになっている。フロントローラ1とスピンド
ル4はいずれも主モータMの回転力に基づいて駆動さ
れ、フロントローラ1からの紡出量とスピンドル4によ
る巻取量とが常に同量となるように、それぞれの回転数
が所定比となるように設定されている。又、主モータM
は制御装置CTによりインバータ7を介して駆動され、
予め設定された所定の回転数に速度制御されるようにな
っている。
【0014】リングレール8は上下方向に延びるポーカ
ピラー9により所定間隔毎に支持されている。ポーカピ
ラー9の周面には雄ネジを有するスクリュー部9aが形
成され、スクリュー部9aにはその雄ネジと螺合可能な
雌ネジを有するナット体10が螺合して挿通されてい
る。ナット体10の下部には被動歯車10aが一体形成
されている。ナット体10と対応する高さにはラインシ
ャフト11がリングレール8と平行な状態で回転可能に
配設され、ラインシャフト11にはナット体10と対応
する位置に被動歯車10aと噛合する駆動歯車11aが
嵌着固定されている。ラインシャフト11が正転するこ
とにより各歯車10a,11a及びナット体10を介し
てポーカピラー9が上方移動してリングレール8が上昇
し、ラインシャフト11が逆転することによりポーカピ
ラー9が下方移動してリングレール8が下降するように
なっている。
【0015】又、ドライビングシャフト3は歯車列(図
示せず)を介して切替機構12の駆動軸13と作動連結
されている。切替機構12は駆動軸13と中間軸14と
の間に設けられた3つの歯車列15,16,17を備
え、歯車列15〜17には駆動軸13または中間軸14
と対応する位置にそれぞれ電磁クラッチ18,19,2
0が配設されている。各歯車列15〜17は対応する電
磁クラッチ18〜20の励磁状態において駆動軸13と
中間軸14とを作動連結するようになっている。リフテ
ィング装置の運転時には、電磁クラッチ18〜20は常
にはいずれか一つのみが励磁状態となり他の2つは消磁
状態となるように設定されている。歯車列15〜17は
それぞれ異なるギヤ比R1,R2,R3(本実施例では
R1=44/56、R2=56/44、R3=30/5
6)に設定されている。
【0016】切替機構12の出力すなわち中間軸14の
回転力は、歯車機構(図示せず)を介してラインシャフ
ト11に伝達されるようになっている。ラインシャフト
11は電磁クラッチ18または電磁クラッチ19の励磁
に伴い正転し、電磁クラッチ20の励磁に伴い逆転する
ようになっている。リングレール8は電磁クラッチ18
〜20が所定順序で励消磁されることによりチェイス長
Cに相当するストロークで昇降動し、電磁クラッチ1
8,19の励磁状態においてそれぞれ速度V1,V2
(V1>V2)で上昇し、電磁クラッチ20の励磁状態
において速度V3で下降するようになっている。そし
て、リングレール8は電磁クラッチ18〜20の励消磁
のタイミングで決まる所定の速度パターンで昇降動し、
その昇降動を繰り返しながら少しずつ上方へ移動するよ
うになっている。
【0017】リングレール8にはスピンドル4と対応す
る位置にリング8aが固定され、リング8aにはリング
8a上を走行するトラベラ21が配設されている。又、
フロントローラ1の前方(図2の紙面手前側)にはフロ
ントローラ1から紡出される糸yを案内するスネルワイ
ヤ22がリングレール8と同期して昇降可能に配設され
ている。フロントローラ1から紡出される糸yは、スネ
ルワイヤ22を経てリングレール8と一体に昇降動する
トラベラ21に案内されることにより、スピンドル4の
回転に伴い高速回転するボビンBにその下部から上部に
向かって巻き取られるようになっている。
【0018】ラインシャフト11の一端にはラインシャ
フト11の回転数を検出するロータリエンコーダ23が
接続されている。又、フロントローラ1の一端にはフロ
ントローラ1の回転数を検出するロータリエンコーダ2
4が接続されている。ロータリエンコーダ23,24は
それぞれラインシャフト11及びフロントローラ1の回
転数に応じたパルス信号を検出信号として制御装置CT
に出力するようになっている。
【0019】次に、管糸形成装置の電気的構成について
説明する。図3に示すように、制御装置CTはマイクロ
コンピュータ25を内蔵し、マイクロコンピュータ25
は第1及び第2の演算手段及び判定手段としての中央処
理装置(以下CPUという)26と、第1の記憶装置と
しての作業用メモリ27と第2及び第3の記憶装置とし
てのプログラムメモリ28から構成されている。作業用
メモリ27は入力データ及びCPU26における演算処
理結果等を一時記憶する読出し及び書替え可能なメモリ
(RAM)からなり、プログラムメモリ28は制御プロ
グラムを記憶した読出し専用メモリ(ROM)からなっ
ている。CPU26はプログラムメモリ28に記憶され
た制御プログラムに基づいて動作するようになってい
る。
【0020】制御装置CTは入力手段としての入力装置
29を備え、入力装置29はCPU26と接続されてい
る。入力装置29により生産糸長LB、リフト長Lt、
チェイス長C、ボビン裸径DE、番手Ne等のデータが
入力され、これらの入力データは作業用メモリ27に記
憶されるようになっている。ロータリエンコーダ23,
24は入力インターフェイス30を介してCPU26と
接続されている。又、CPU26は出力インターフェイ
ス31を介して主モータ駆動回路32と接続され、主モ
ータ駆動回路32はインバータ7を介して主モータMと
接続されている。又、CPU26は出力インターフェイ
ス31を介して電磁クラッチ励消磁回路33と接続さ
れ、電磁クラッチ励消磁回路33は電磁クラッチ18〜
20と接続されている。
【0021】CPU26はロータリエンコーダ23から
の検出信号に基づきリングレール8の位置を演算するよ
うになっている。又、CPU26はロータリエンコーダ
23,24の各検出信号に基づきリングレール8の1昇
降動すなわち1ダブルストローク当たりのフロントロー
ラ1の回転数Nrを算出するようになっている。又、C
PU26は電磁クラッチ励消磁回路33に励消磁切換信
号S1〜S3を出力し、電磁クラッチ励消磁回路33は
励消磁切換信号S1〜S3に基づきそれぞれ電磁クラッ
チ18〜20を励磁状態とするようになっている。
【0022】プログラムメモリ28には図1にフローチ
ャートで示すルーチンがプログラムデータとして記憶さ
れている。このプログラムデータに基づき電磁クラッチ
励消磁回路33に励消磁切換信号S1〜S3を出力する
タイミングが決定されるようになっている。作業用メモ
リ27には座標値X,Y(X<Y)が設定されている。
座標値X,Yはリングレール8の1ダブルストロークの
開始点Oを原点とするリングレール8の位置(高さ)で
示され、座標値X,Yに基づき励消磁切換信号S1,S
2の出力タイミングが決定される。座標値X,Yには初
期値として(X,Y)=(C/10,8C/10)が設
定されている。この初期値により1ダブルストロークの
速度パターンが図4に鎖線で示す設定速度パターンに予
め設定されている。即ち、同図に示すように、1ダブル
ストロークの開始点Oを原点としてリングレール8はそ
の位置が原点からC/10までは速度V1、C/10か
ら8C/10までは速度V2、8C/10からチェイス
長Cまでは速度V1で上昇する。そして、チェイス長C
から次の1ダブルストロークの開始点までは速度V3で
下降するように設定されている。そして、その設定速度
パターン及び入力データに基づきリフティング回数n、
シェーパステップ量ΔS及び1ダブルストローク当たり
のフロントローラ1の回転数Ncが算出されるようにな
っている。尚、この設定速度パターンは既存のリング精
紡機に配備されるハートカム機構を備えたリフティング
装置のリングレールの速度パターンに対応させて設定さ
れている。
【0023】CPU26はリングレール8が1ダブルス
トロークの開始位置Oに達すると励消磁切換信号S1を
出力し、座標値Xに達すると励消磁切換信号S2を出力
し、座標値Yに達すると再び励消磁切換信号S1を出力
する。そして、リングレール8が座標値Cに達すると励
消磁切換信号S3を出力し、座標値Cにて下方転換した
リングレール8が次の1ダブルストロークの開始点まで
下降すると励消磁切換信号S1を出力するようになって
いる。
【0024】次に、上記のように構成された管糸形成装
置の作用を説明する。管糸形成開始前に予め入力装置2
9により生産糸長LB、リフト長Lt、チェイス長C、
ボビン裸径DE、番手Ne等のデータが入力される。こ
れらの入力データは作業用メモリ27に記憶される。
又、リングレール8が管糸形成開始位置にセットされ、
リフティング装置が作動されるばかりの状態にセットさ
れている。
【0025】以下、CPU26の処理動作を図1のフロ
ーチャートに従って説明する。ステップ1(以下、ステ
ップを単にSと記す)において、CPU26は作業用メ
モリ27から生産糸長LB、リフト長Lt、チェイス長
C等のデータを読み込む。そして、これらの読み込みデ
ータ及び図4に鎖線で示す設定速度パターンに基づき入
力データ通りの管糸形状を得るために必要となるリフテ
ィング回数n及びシェーパステップ量ΔSを算出する。
又、CPU26は設定速度パターンに基づく1ダブルス
トローク当たりのフロントローラ1の回転数(以下、設
定回転数という)Ncを算出する。
【0026】S2において、CPU26はリフティング
装置の運転を開始させる。即ち、CPU26は主モータ
駆動回路32に駆動開始信号を出力し、主モータMの駆
動を開始させる。主モータMは予め設定された所定の回
転速度で駆動する。そして、CPU26は電磁クラッチ
励消磁回路33に励消磁切換信号S1を出力する。その
結果、電磁クラッチ18が励磁され、電磁クラッチ18
の励磁に伴いリングレール8が管糸形成開始位置から速
度V1で上昇開始する。
【0027】S3において、CPU26は電磁クラッチ
18の励磁直後に作業用メモリ27から座標値X,Yを
即座に読み込む。即ち、CPU26は座標値X,Yとし
て初期値X=C/10、Y=8C/10を読み込む。
【0028】S4において、CPU26はロータリエン
コーダ23からの検出信号に基づいてリングレール8の
位置を演算し、リングレール8が座標値X(=C/1
0)に相当する位置に達すると、電磁クラッチ励消磁回
路33に励消磁切換信号S2を出力する。その結果、電
磁クラッチ19が励磁され、電磁クラッチ19の励磁に
伴いリングレール8の上昇速度がV1からV2(V1>
V2)に減速する。そして、リングレール8が座標値Y
(=8C/10)に相当する位置に達すると、CPU2
6は電磁クラッチ励消磁回路33に励消磁切換信号S1
を出力する。その結果、再び電磁クラッチ18が励磁さ
れ、電磁クラッチ18の励磁に伴いリングレール8の上
昇速度がV2からV1に加速される。リングレール8が
チェイス長に相当する座標値Cに達すると、CPU26
は電磁クラッチ励消磁回路33に励消磁切換信号S3を
出力する。その結果、電磁クラッチ20が励磁され、電
磁クラッチ20の励磁に伴いリングレール8の移動方向
が下方転換されてリングレール8は速度V3で下降す
る。そして、リングレール8が次の1ダブルストローク
の開始点まで下降すると、CPU26は電磁クラッチ励
消磁回路33に励消磁切換信号S1を出力し、当該1ダ
ブルストロークが終了し、次の1ダブルストロークが開
始される。
【0029】当該1ダブルストロークにおいて、リング
レール8の速度パターンは機械的動作遅れ等の不可避な
要因により設定速度パターンとは必ずしも一致せず図4
に実線で示すような設定速度パターンから時間的遅れを
伴う速度パターンとなる。又、CPU26は当該1ダブ
ルストローク中においてロータリエンコーダ24からの
検出信号のパルス数をカウンタ(図示せず)にて計数す
る。S5において、CPU26は当該1ダブルストロー
ク中におけるフロントローラ1の回転数(以下、実回転
数という)Nrをカウンタの計数値に基づいて算出す
る。
【0030】S6において、CPU26は実回転数Nr
と設定回転数Ncとを比較し、実回転数Nrが設定回転
数Ncと許容範囲δ以内で一致するか否かを判断する。
即ち、CPU26は実回転数Nrと設定回転数Ncとの
差|Nr−Nc|を算出し、その差|Nr−Nc|が許
容範囲δより小さいか否かを判断する。|Nr−Nc|
<δの場合にはCPU26はS9に移行する。又、|N
r−Nc|≧δの場合にはCPU26はS7に移行す
る。
【0031】S7〜S8では、実回転数Nrが設定回転
数Ncに一致するように座標値X,Yの値を補正する処
理が行われる。即ち、フロントローラ1の回転速度が一
定であることより、当該1ダブルストロークの実際の所
要時間(以下、実所要時間という)trが設定速度パタ
ーンから算出される計算上の1ダブルストロークの所要
時間(以下、設定所要時間という)tcに一致するよう
に座標値X,Yの値が補正される。そして、補正後の座
標値X,Yにより新たな設定速度パターンを決定する。
座標値X,Yの値の補正は補正計数xを用いて行われ
る。補正計数xの算出式を以下に導く。
【0032】設定速度パターンの補正処理は、リングレ
ール8の速度V1領域(以下、高速領域という)と速度
V2領域(以下、低速領域という)の比率を変更するこ
とにより行われる。即ち、2つの高速領域の領域幅をそ
れぞれx倍し、その高速領域の増加分を低速領域の元の
領域幅から減ずる。図4に実線で示す速度パターンのよ
うに設定速度パターンから時間的な遅れを伴う場合に
は、図4に鎖線で示す設定速度パターンを図5に鎖線で
示す設定速度パターンのように変更する。即ち、座標値
X,Yを初期値X=C/10,Y=8C/10からX=
xC/10,Y=(10−2x)C/10に変更する。
【0033】図4に鎖線で示す設定速度パターンによれ
ば、設定所要時間tcは次式で表される。 tc=t1+t2+t3+t4 =3C/(10V1)+7C/(10V2)+C/V3 …(1) 又、図5に鎖線で示す設定速度パターンによれば、設定
所要時間Tcは次式で表される。
【0034】 Tc=T1+T2+T3+T4 =3xC/(10V1)+(10−3x)C/(10V2) +C/V3 …(2) 本実施例では切換機構13における各歯車列15〜17
のギヤ比がそれぞれR1=44/56、R2=56/4
4、R3=30/56に設定されている。よって、リン
グレール8の速度V1,V2,V3はそれぞれV1=
(56/44)β・γ・Nm、V2=(44/56)β
・γ・Nm、V3=(56/30)β・γ・Nmで表さ
れる。ここで、βはリングレール8の移動速度と中間軸
14の回転速度との速度比で決まる比例係数、γは駆動
軸13の回転速度と主モータMの回転数との速度比で決
まる比例係数、Nmは主モータMの回転数である。よっ
て、(1)及び(2)式から各設定所要時間tc,Tc
は以下のようになる。
【0035】 tc=4096C/(2464β・γ・Nm) …(3) Tc=(4456−360x)C/(2464β・γ・Nm) …(4) 次に、設定所要時間tcと実所要時間trとの比(tr
/tc)をαと置くと、tr=α・tc(但し、α>
1)と書ける。ここで、係数αは設定所要時間tcに対
する実所要時間trの遅れ度合を表している。又、設定
所要時間tcと実所要時間trとの比(tr/tc)は
設定回転数Ncと実回転数Nrとの比(Nr/Nc)に
等しいので、係数αはα=Nr/Ncで表される。そし
て、図5に鎖線で示す設定速度パターンに基づき実際に
1ダブルストロークを行うことにより図5に実線で示す
速度パターンとなり、その速度パターンの実所要時間T
rが設定所要時間Tcに対して前回の1ダブルストロー
クと同等の遅れ度合で遅れたと仮定する。即ち、Tr=
α・Tcと仮定する。そして、実所要時間Trを設定所
要時間tcに等しくするxを補正係数xとして定義す
る。即ち、Tr=tcを満たすxを補正係数xとする。
【0036】Tr=α・Tc=tcより、α=tc/T
cであるので、(3)及び(4)式から、 α=4096/(4456−360x) …(5) よって、補正係数xは、 x=(4456α−4096)/(360α) …(6) で表される。
【0037】こうしてS7において、CPU26は設定
回転数Ncと実回転数Nrとからα(=Nr/Nc)を
算出し、算出したαから(6)式に基づき補正係数xを
算出する。そして、S8においてCPU26はS7で算
出した補正係数xにより新たな座標値X,Yを算出す
る。即ち、新たな座標値X,Yを(X,Y)=(Xn
n )、前回の座標値X,Yを(X,Y)=(Xn-1
n-1 )と置くと、新たな座標値X,YはXn =x・X
n-1 、Yn =C−2x・Xn-1 としてそれぞれ算出され
る。そして、CPU26は算出した座標値(Xn
n )を作業用メモリ27に設定された座標値X,Yに
セットする。
【0038】S9において、CPU26はロータリエン
コーダ24からの検出信号に基づき全紡出量Lを算出
し、全紡出量Lが生産糸長LBに達したか否かを判断す
る。CPU26は全紡出量Lが生産糸長LBに達しない
場合にはS3に移行し、全紡出量Lが生産糸長LBに達
した場合にはS10に移行する。最初の1ダブルストロ
ークが終了した時点では全紡出量LがL<<LBである
ことから、CPU26はS3に移行する。
【0039】以下、S9において全紡出量Lが生産糸長
LBに達するまで、CPU26はS3からS9までの処
理を繰り返し行う。そのため、管糸形成中において、1
ダブルストロークの実所要時間trは設定所要時間tc
にほぼ許容範囲δ以内で一致し、1ダブルストローク当
たりの巻上げ量が入力データLB,Lt通りの管糸を形
成するうえで適正量となる。又、リングレール8の昇降
位置が1ダブルストローク毎にシェーパステップ量ΔS
ずつ上方へ変位される。そして、S9において全紡出量
Lが生産糸長LBに達した場合にはS11に移行し、S
11においてCPU26はリフティング装置の運転を停
止させる。
【0040】以上詳述したように本実施例によれば、リ
ングレール8が1昇降動する度にリングレール8の1昇
降動当たりのフロントローラ1の実回転数Nrを計測
し、その実回転数Nrが設定回転数Ncと許容範囲δ以
内で一致しない場合には、次の1昇降動におけるリング
レール8の設定速度パターンがその実回転数Nrが設定
回転数Ncと許容範囲δ以内で一致するように補正され
る。その結果、リングレール8の1昇降動当たりのフロ
ントローラ1からの紡出量が入力データに対応する適正
量となり、入力データ通りの生産糸長LBをボビンBに
巻き終えた時点において、その管糸のリフト長はほぼ入
力データのリフト長Ltと一致する。そのため、生産糸
長とリフト長が入力データLB,Lt通りである所望形
状に管糸を形成することができる。その結果、設定通り
の生産糸長及びリフト長に形成された形状の均一な管糸
を提供することができる。
【0041】尚、本発明は上記実施例に限定されるもの
ではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で例えば次のよ
うに構成することもできる。 (1)予め入力するデータ中、生産糸長に代えて糸番手
と糸重量としてもよい。この場合、生産糸長は糸番手と
糸重量とから算出されて設定される。
【0042】(2)上記実施例では、リングレールの1
昇降毎に速度パターンが適正であるか否かを判定処理し
て逐次補正する構成としたが、判定処理回数は適宜に設
定できる。例えば毎回でなく所定回数毎に判定処理を行
ってもよい。
【0043】(3)上記実施例では1ダブルストローク
の所要時間が適正であるか否かの判定をフロントローラ
1の1ダブルストローク当たりの回転数Nc,Nrを比
較することにより間接的に行ったが、1ダブルストロー
クの所要時間tc,trを直接比較することに判定を行
ってもよい。
【0044】(4)設定速度パターンの補正式は他の適
宜な補正式に変更してもよい。 (5)リングレール8の昇降駆動変速を歯車比の異なる
複数の歯車列を用いる代わりに、特開昭62−2060
34号公報に開示されたリフティング装置のように差動
機構と差動入力を行うモータを備えた構成としてもよ
い。又、リングレール8の昇降駆動変速を正逆転可能な
可変速モータを用いて行ってもよい。
【0045】(6)上記実施例では、管糸の形成方法を
フィリングビルディングとしたが、コンビネーションビ
ルディングとしてもよい。 (7)フロントローラ12とラインシャフト1を別々の
モータにより駆動させてもよい。
【0046】(8)本発明をリング精紡機以外の紡機、
例えばリング撚糸機に適用してもよい。
【0047】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、生
産糸長とリフト長が設定通りとなる所望形状に管糸を形
成することができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した一実施例においてCPUが
行う処理動作を示すフローチャートである。
【図2】リフティング装置の構成を示す模式図である。
【図3】管糸形成装置の電気的構成を示すブロック図で
ある。
【図4】1ダブルストロークの速度パターンを示すグラ
フである。
【図5】補正後の1ダブルストロークの速度パターンを
示すグラフである。
【図6】従来技術において管糸形成過程におけるリング
レールの移動軌跡を示すグラフである。
【図7】従来技術において1ダブルストロークの速度パ
ターンを示すグラフである。
【符号の説明】
1…フロントローラ、7…制御手段を構成するインバー
タ、8…リングレール、12…駆動手段を構成する切替
機構、21…トラベラ、23,24…計測手段としての
ロータリエンコーダ、26…第1及び第2の演算手段及
び判定手段としてのCPU、27…第1の記憶装置とし
て作業用メモリ、28…第2及び第3の記憶装置として
プログラムメモリ、29…入力手段としての入力装置、
CT…制御手段を構成する制御装置、B…ボビン、y…
糸、LB…生産糸長、Lt…リフト長、C…チェイス
長、M…駆動手段を構成する主モータ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D01H 1/36

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リングレールの昇降動に基づくトラベラ
    とボビンとの相対移動に基づいて、フロントローラから
    所定速度で紡出される糸を前記トラベラを介して前記ボ
    ビンに所定の管糸形状となるように巻き取る紡機におい
    て、 管糸形成開始前に、管糸の生産糸長、リフト長及びチェ
    イス長をデータとして設定し、当該データに基づく管糸
    形状に糸を巻き取るために必要となるリングレールの1
    往復の速度パターンを前記データに基づいて求め、当該
    速度パターンに基づいて前記リングレールを昇降動させ
    た際に、前記リングレールの1往復動に実際にかかった
    所要時間を直接または間接的に計測し、その実際の所要
    時間と前記速度パターンに基づく計算上の設定所要時間
    とを比較して実際の所要時間が前記設定所要時間と所定
    範囲内で一致しない場合には、予測される実際の所要時
    間が前記設定所要時間と所定範囲内で一致するように前
    記速度パターンを補正し、補正した新たな速度パターン
    に基づいて前記リングレールを昇降動させる紡機におけ
    る管糸形成方法。
  2. 【請求項2】 フロントローラから所定速度で紡出され
    る糸をボビンに案内するトラベラを備えるとともに、該
    トラベラを前記ボビンに対して所定の管糸形状が得られ
    るように前記ボビンの軸方向に昇降案内するリングレー
    ルを備えた紡機において、 リングレールを昇降駆動させる駆動手段と、 生産糸長、リフト長及びチェイス長をデータとして入力
    する入力手段と、 前記入力手段からの入力データを記憶する第1の記憶手
    段と、 前記第1の記憶手段に記憶された入力データに基づき当
    該入力データに対応する管糸形状を得るために必要とな
    るリングレールの1往復の速度パターンを求めるプログ
    ラムデータを記憶する第2の記憶手段と、 前記第2の記憶手段に記憶されたプログラムデータに基
    づき前記速度パターンを算出する第1の演算手段と、 前記第1の演算手段により算出された前記速度パターン
    に基づいて昇降動する前記リングレールの1往復動にお
    いて実際にかかった所要時間を直接または間接的に計測
    する計測手段と、 前記計測手段により計測された実際の所要時間と前記速
    度パターンに基づく計算上の設定所要時間とを比較し、
    実際の所要時間が前記設定所要時間と所定範囲内で一致
    するか否かを判断する判定手段と、 予測される実際の所要時間が前記設定所要時間と所定範
    囲内で一致するように前記速度パターンを補正する補正
    式をプログラムデータとして記憶する第3の記憶手段
    と、 前記判定手段の判定結果に基づき、実際の所要時間が前
    記設定所要時間と所定範囲内で一致しない場合には、前
    記第3の記憶手段に記憶されたプログラムデータに基づ
    いて予測される実際の所要時間が前記設定所要時間と所
    定範囲内で一致するように前記速度パターンを補正する
    第2の演算手段と、 前記第2の演算手段により補正された新たな速度パター
    ンとなるように前記リングレールの駆動手段を駆動する
    制御手段とを備えた紡機における管糸形成装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の紡機における管糸形成
    方法において、 前記リングレールのn回目の昇降動におけるn回目の実
    際の所要時間を直接または間接的に計測し、n回目の実
    際の所要時間と前記設定所要時間とを比較し、n回目の
    実際の所要時間が前記設定所要時間と所定範囲内におい
    て一致しない場合には、予測される(n+1)回目の実
    際の所要時間が前記設定所要時間と所定範囲内において
    一致するように(n+1)回目の速度パターンを補正す
    る処理をn=1から順次に行う紡機における管糸形成方
    法。
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