JP4025460B2 - 紡機の巻取り運転制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はリング上を走行するトラベラを介してボビンに糸を巻き取るリング精紡機、リング撚糸機等の紡機の巻取り運転制御装置に係り、詳しくはスピンドルレールをリングレール及びラペット昇降系と独立して昇降可能に構成し、巻取り運転時にリングレールを所定のチェイス長で昇降させながらその昇降範囲を順次上昇させて巻取りを行い、リングレールの昇降範囲が所定の高さに達した後、リングレールの昇降範囲を一定にするとともにスピンドルレールを下降させながら巻取りを行う紡機の巻取り運転制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
リング精紡機においては、図11に示すように、フロントローラ71から送り出された糸Yが、図示しないラペットアングルに支持されたラペット72に固定されたスネルワイヤ73と、アンチノードリング(バルーンコントロールリング)74と、リングレール75に固定されたリング76上を走行するトラベラ77とを経て、スピンドル78と一体に回転するボビンBに巻き取られる。アンチノードリング74はスネルワイヤ73とトラベラ77間の糸Yのバルーン79を規制する。アンチノードリング74がその効果をより良く発揮するには、リング76からの高さに適正な値がある。
【0003】
リングレール75は管糸形成のために機台運転中に昇降運動を繰返しながら次第に上昇し、それと同期してラペット72やアンチノードリング74も昇降する。アンチノードリング74は紡出中にスネルワイヤ73とトラベラ77との間で糸Yが外方にふくらんだ状態(バルーン)が過剰になるのを抑制する。そして、バルーン79が大きくなることにより隣接する錘間の仕切り板であるセパレータとの干渉を防止したり、バルーン79をトラベラ77が安定した状態でリング76上を滑走するのに適した大きさに規制する。
【0004】
糸が適正な状態でボビンBに巻き取られるためには、トラベラ77が適正な状態でリング76上を滑走し、バルーン79が所定の範囲の大きさにあることが必要になる。そして、そのためには、スネルワイヤ73とリング76との間の長さ(一次バルーン長)s及びスネルワイヤ73とフロントローラ71のニップ点との間の長さ(二次バルーン長)tが所定の範囲にあることが必要になる。
【0005】
一般のリング精紡機ではスピンドル78を支持するスピンドルレール80は機台フレーム(スプリングピース)の所定位置に固定されている。そして、図11に示すように、リングレール75及びラペット72の位置が巻き取りの進行に伴って上昇し、かつラペット72の上昇量がリングレール75の上昇量より小さいため、一次バルーン長sが次第に小さくなる。また、二次バルーン長tも次第に小さくなる。
【0006】
一次バルーン長sが適正な範囲内にあれば、図12(c)に示すようにバルーン79が適正な状態となり、図12(d)に示すようにトラベラ77の姿勢も適正な状態となる。一次バルーン長sが小さすぎると、図12(a)に示すようにバルーン79が小さくなり、図12(b)に示すようにトラベラ77の姿勢も異常な状態となる。また、一次バルーン長sが大きすぎると、図12(e)に示すようにバルーン79が大きくなり過ぎ、空気抵抗が大きくなるとともに、糸Yがスネルワイヤ73やアンチノードリング74等の糸道部品を通過する際の接触面積が増えて抵抗が大きくなる。その結果、撚がフロントローラ71側へ伝達し難くなり、糸切れが発生し易くなる。
【0007】
また、二次バルーン長tが適正な範囲内にあれば、図13(b)に示すように二次バルーン81が適正な状態となる。二次バルーン長tが小さすぎると、図13(a)に示すように二次バルーン81が小さくなり、糸張力の変動に対して弾力性が乏しくなって糸切れが発生し易くなる。二次バルーン長tが大きすぎると、図13(c)に示すように二次バルーン81が大きくなり過ぎ、フロントローラ71での糸Yのニップ点が振動して紡出安定性が低下する。
【0008】
実公昭37−17128号公報には、リングレールを上下動させながら最適位置まで上昇させ、その最適位置で上下動を繰り返させ、次いでスピンドルレールを下降させて巻き取りを完了させるようにしたリングレール及びスピンドルレール昇降装置が提案されている。この装置は図14に示すように、ブラケット82及びスプリングピース83間に上下方向に延びるように固定されたロッド84に対してスピンドルレール80が上下方向に摺動可能に支承され、スピンドルレール80の上方にスピンドルレール昇降用のバー85がスピンドルレール80と平行に配設されている。バー85に一端が連結されたチェーン86は所定位置に配設されたガイドホイール87a及びスピンドルレール80に支持されたガイドホイール87bを経て他端がブラケット82に固定され、バー85の長手方向への移動に伴ってスピンドルレール80が昇降される。
【0009】
バー85は、リングレール75を昇降させるチェーン88の一端が連結されたリングレール昇降用のバー89の位置を、巻取りの進行に伴って次第にリングレール75を上昇側へ移動させるシェーパステップ機構90によって駆動されるように構成されている。シェーパステップ機構90は、バー89の端部に設けられたガイドホイール91に巻き掛けられたチェーン92の一端が連結されたレバー93を、リングレール75を上昇させる方向へカム94を介して徐々に回動させる。
【0010】
カム94が固定された駆動軸95にはドラム96が固着されている。バー85の端部にはガイドホイール97が設けられ、一端がドラム96に連結されたチェーン98がガイドホイール97と、レバー93の先端に設けられたガイドホイール99とに巻き掛けられるとともに他端が所定位置に固定されたブラケット100に固定されている。そして、カム94は駆動軸95が巻取り開始から所定量ずつ間欠的に図14の時計回り方向に回動されると、レバー93を所定量ずつリングレール75を上昇させる方向に移動させる形状に形成されている。また、ドラム96は、カム94の回転によるレバー93の回動によりガイドホイール99が移動しても、バー85に設けられたガイドホイール97が移動しない量だけチェーン98を繰り出すようにその外径が設定されている。
【0011】
また、バー89を移動させるためのチェーン92は、回転軸101に固着されたドラム102に他端が連結されている。回転軸101は一方向に回転されるカム103により駆動される駆動機構104を介して往復回動され、カム103の1回転によりバー89が1往復移動される。
【0012】
そして、精紡機の運転時、カム94の回転に伴ってガイドホイール91の位置が図14の左側に移動され、リングレール75の昇降範囲が上昇される。レバー93に設けられたカムローラ93aがカム94のリフト部と当接する位置を過ぎると、カム94の回動中心からカム面までの距離が一定になり、レバー93は図14に鎖線で示す位置で停止する状態となる。この状態ではリングレール75は所定の範囲でカム103の回転に伴って昇降される。一方、バー85に設けられたガイドホイール97の位置は、ドラム96の回動に伴ってチェーン98が繰り出される分に対応して図14の右方向へ移動され、スピンドルレール80が下降される。従って、スピンドルレール80が固定された精紡機に比較して、リングレール75が最終的にフロントローラ側へ近づく量が少なくなり、最後まで紡出中のバルーンが良好な状態となる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
一次バルーン長sとスピンドル78の操業可能回転数との関係をグラフにすると図15のようになる。図15において実線と点線とは異なる糸種の場合を示す。図15から明らかなように、一次バルーン長sが同じでも糸種によって操業可能回転数が異なる。
【0014】
二次バルーン長tとスピンドル78の操業可能回転数との関係をグラフにすると図16のようになる。図16において実線と点線とは異なる糸種の場合を示す。図16から明らかなように、二次バルーン長tが同じでも糸種によって操業可能回転数が異なる。
【0015】
生産性を高めるためには、精紡機の運転は操業可能回転数が高い一次バルーン長s及び二次バルーン長tで行う必要がある。スピンドルレール80が一定位置に固定された精紡機では、巻取り開始時と巻取り完了付近とで一次バルーン長s及び二次バルーン長tの値がかなり変化する。従って、巻取りがある程度進行した段階でスピンドル回転数を最高回転数から減速して巻取りを行う必要があり、その分、生産性が低下する。
【0016】
また、前記のように一次バルーン長sが同じでも糸種によって操業可能回転数が異なり、二次バルーン長tが同じでも糸種によって操業可能回転数が異なる。さらに、太番手の糸を紡出する場合は細番手の糸を紡出する場合に比較して、使用するボビンが長くなり巻取り開始時の一次バルーン長s及び二次バルーン長tも長くなる。スピンドルレール80が一定位置に固定された精紡機では、ボビンの長さが数センチ異なると、1台の機台ではそれぞれの紡出条件に対応した所望の回転速度で紡出することができず、それぞれ別仕様の機台が必要であった。
【0017】
実公昭37−17128号公報に開示された装置を使用すると、スピンドルレール80が一定位置に固定された精紡機と異なり、巻取り完了付近まで回転速度を最高回転数に保持することが可能になる。しかし、この公報には長さが異なるボビンを使用する場合や、スピンドルレール80の下降を開始する時期を紡出条件によって変更することは何ら考慮されていない。従って、設定されたリングレール75の昇降範囲及びスピンドルレール80の巻始め位置では対応できない紡出条件、例えば、長さが異なるボビンを使用する場合等に対しては対応できない。
【0018】
この装置ではリングレール75の最高上昇位置及びスピンドルレール80の巻始め位置を変更するには、カム94の形状を変更するとともにチェーン92,98等の長さ調整が必要になり、作業に非常に手間が掛かり、実施は非常に難しい。従って、1台の機台で多くの糸種に対応することができない。
【0019】
本発明は前記の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は1台の機台で種々の糸種に対して適正な状態でかつ高速で巻き取りを行うことができる紡機の巻取運転制御装置を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、スピンドルレールをリングレール及びラペットと独立して昇降可能に構成し、巻取り運転時にリングレールを所定のチェイス長で昇降させながらその昇降範囲を順次上昇させながら巻取りを行い、リングレールの昇降範囲が所定の高さに達した後、リングレールの昇降範囲を一定にし、順次スピンドルレールを下降させながら巻取りを行う紡機において、前記スピンドルレールを昇降駆動する駆動手段と、前記スピンドルレールの下降開始時期を予め入力された紡出条件データの内の糸種及び運転時の最高スピンドル回転速度に基づいて設定する下降開始時期設定手段と、前記下降開始時期から前記スピンドルレールが所定の下降速度で下降するように前記駆動手段を制御する制御手段とを備えた。
【0021】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記下降開始時期設定手段は前記スピンドルレールの下降開始時期を、フロントローラから送り出された糸のトラベラによってなす角度が鈍角であるように設定する。
【0022】
請求項3に記載の発明では、請求項1又は請求項2に記載の発明において、巻取り開始時のスピンドルレールの位置を設定する巻取り開始位置設定手段を備え、制御手段はスピンドルレールを前記設定された巻取り開始位置まで移動させるように前記駆動手段を制御した後、巻取り運転制御を行う。
【0023】
請求項4に記載の発明では、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の発明において、前記リングレールと前記ラペットとが独立して昇降可能に構成されている。
【0024】
従って、請求項1に記載の発明では、リングレールは巻取り運転時に、所定のチェイス長で昇降しながらその昇降範囲を順次上昇するように移動され、昇降範囲が所定の高さに達した後は一定の昇降範囲で移動される。スピンドルレールはリングレールの昇降範囲が前記所定の高さに達するまでは巻始め位置に保持される。そして、リングレールの昇降範囲が前記所定の高さに達した後は、駆動手段が駆動されてスピンドルレールが所定の下降速度で下降し、リングレールの昇降範囲が同じでもボビンに対する糸の巻付け位置は次第に上昇する。スピンドルレールの下降開始時期は下降開始時期設定手段によって設定される。
【0025】
また、請求項1に記載の発明において、スピンドルレールの下降開始時期は糸種及び運転時の最高スピンドル回転速度に基づいて設定される。従って、糸種及びスピンドルの最高回転速度に対応した適正な下降開始時期の設定が容易になる。糸種とは糸の太さや繊維種を意味する。
【0026】
請求項3に記載の発明では、請求項1又は請求項2に記載の発明において、巻取り開始時のスピンドルレールの位置が巻取り開始位置設定手段によって設定される。スピンドルレールが設定された巻取り開始位置まで駆動手段により移動された後、巻取り運転が開始される。
【0027】
請求項4に記載の発明では、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の発明において、前記リングレールとラペットとが独立して昇降可能に構成されているため、リングレールの昇降範囲とラペットの昇降範囲を紡出条件に対応してより適正な範囲にするのが容易になる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施の形態を図1〜図8に従って説明する。図1に示すように、ドラフトパートを構成するフロントローラ1の回転軸1aの端部に歯車2が嵌着されている。回転軸1aは歯車2と、主モータMにより回転駆動されるドライビングシャフト3との間に配設された歯車列(図示せず)を介して回転駆動されるようになっている。歯車2の近傍にはフロントローラ1の回転に対応してパルス信号を出力するセンサS1が配設されている。センサS1はフロントローラ1の回転速度を検出する回転速度検出手段としての役割と、紡出量を検出する紡出量検出手段としての役割とを果たす。
【0029】
スピンドルレール4は昇降可能に構成されている。図2に示すように、スピンドルレール4は下部側にスクリュー部5aが形成されたロッド5の上部に、ブラケット4aを介して固定されている。スクリュー部5aは機台フレーム6の所定高さ位置に図示しない支持部材を介して回転可能に支持されたナット体(ボールナット)7に螺合している。ロッド5及びナット体7は複数(1個のみ図示)設けられ、ナット体7の外周にはねじ歯車7aが一体に形成されている。ねじ歯車7aは精紡機機台の長手方向に沿って配設された駆動軸8に設けられたねじ歯車8aと噛合している。駆動軸8はサーボモータ9により正逆回転駆動され、駆動軸8の正転時にスピンドルレール4がロッド5と共に上昇移動され、駆動軸8の逆転時にスピンドルレール4がロッド5と共に下降移動される。なお、ドラフトパート及びスピンドルレール4は精紡機機台の左右両側に配設されているが、図では片側のみ示している。ロッド5、ナット体7、駆動軸8及びサーボモータ9がスピンドルレール4を昇降駆動する駆動手段を構成する。
【0030】
図4に示すように、スピンドルレール4に回転可能に所定ピッチで支持されたスピンドル10は、ドライビングシャフト3に固定されたチンプーリ11と、左右のスピンドルレール4間に固定された支持プレート12に支持されたガイドプーリ13a,13bと、左右2本ずつ合計4本のスピンドル10と、スピンドルレール4より上方に配設されたテンションプーリ14との間に巻き掛けられたスピンドルテープ15を介して回転駆動されるようになっている。フロントローラ1及びスピンドル10は、フロントローラ1からのフリースの送り出し量(紡出量)と、スピンドル10に嵌着されたボビンBによる糸巻取り量とが常に同量となるように回転される。両者の比は紡出条件(撚数)に対応して設定されている。主モータMにはインバータ16を介して駆動される可変速モータが使用されている。
【0031】
フロントローラ1から送り出された糸Yは、ラペット17に取付けられたスネルワイヤ17aを経て、リングレール18に固定されたリング18a上を摺動するトラベラ19に導かれるようになっている。リングレール18及びラペット17をスピンドルレール4と独立して昇降させる昇降系を構成するリフティング装置は、ラインシャフト20を介してリングレール18及びラペット17を昇降動させるようになっている。
【0032】
ラインシャフト20は精紡機機台の長手方向に沿って配設され、所定間隔でねじ歯車21(図3に図示)が一体回転可能に嵌着されている。機台フレーム6にはラインシャフト20のねじ歯車21と対応する位置に、それぞれ一組のナット体(ボールナット)22,23が図示しない支持部材を介して回転可能に支持されている。図3に示すように、一組のナット体22,23はラインシャフト20に沿って並んで配設され、一方のナット体22の外周にはねじ歯車21と噛合するねじ歯車22aが一体に形成され、他方のナット体23の外周にはねじ歯車22aと噛合するねじ歯車23aが一体に形成されている。ラインシャフト20はサーボモータ24により駆動され、回転速度及び回転方向が自由に変更可能となっている。
【0033】
リングレール18を支持する複数のピラー25(図では1本のみ図示)は上下方向に移動可能に機台フレームに支承されるとともに、その下部側にナット体22に螺合するスクリュー部25aが形成されている。ナット体23にはラペット17が取り付けられる支持ロッド26を支持する複数のピラー27(図では1本のみ図示)のスクリュー部27aが螺合されている。両スクリュウ部25a,27aはねじの方向が互いに逆向きに形成され、ナット体22,23が互いに逆方向に回転する際にピラー25,27が同方向に移動する。また、両スクリュウ部25a,27aのピッチと、ねじ歯車22a,23aの歯数とはリングレール18及びラペット17の移動量が所定の比となる値に設定されている。この構成は特開平7−300728号公報に開示された装置と、基本的に同じである。
【0034】
なお、図示の都合上、図1ではスピンドルレール4の昇降用の駆動軸8をリングレール18等の昇降用のラインシャフト20より下方に図示している。また、ラペット17用のナット体23及びピラー27は図示を省略している。
【0035】
リングレール18はピラー25の上端に固定された支持アーム18b(図2に図示)の上面に固定されている。リングレール18はその後部側が上方へ直角に折り曲げられて取付け部18cが形成され、取付け部18cには各リング18aの上方に位置するように、アンチノードリング28が支持部材28aを介して取り付けられている。即ちこの実施の形態ではアンチノードリング28はリングレール18と一体的に昇降動される。なお、図3では図示の都合上、取付け部18cの高さを低く図示している。
【0036】
主モータM及びサーボモータ9,24を制御する制御装置29は、下降開始時期設定手段及び巻取り開始位置設定手段を構成するとともに、制御手段としての中央処理装置(以下、CPUという)30を備えている。制御装置29はプログラムメモリ31、作業用メモリ32、下降開始時期設定手段及び巻取り開始位置設定手段を構成する入力装置33、入力インタフェース34、出力インタフェース35、主モータ駆動回路36、サーボモータ駆動回路37,38及びカウンタ39,40を備えている。
【0037】
CPU30は出力インタフェース35及び主モータ駆動回路36を介してインバータ16に接続されている。CPU30は出力インタフェース35及びサーボモータ駆動回路37を介してサーボモータ9の制御用のサーボドライバ41に接続され、出力インタフェース35及びサーボモータ駆動回路38を介してサーボモータ24の制御用のサーボドライバ42に接続されている。
【0038】
サーボモータ9,24にはロータリエンコーダ9a,24aが装備され、サーボドライバ41,42はロータリエンコーダ9aの出力信号に基づいてサーボモータ9,24をフィードバック制御する。カウンタ39はロータリエンコーダ9a及びCPU30に電気的に接続され、カウンタ40はロータリエンコーダ24a及びCPU30に電気的に接続されている。カウンタ39,40にはアップダウンカウンタが使用され、サーボモータ9,24の正転時にロータリエンコーダ9a,24aからの出力パルスが入力されるとカウント値が増加し、サーボモータ9,24の逆転時にロータリエンコーダ9a,24aからの出力パルスが入力されるとカウント値が減少するように構成されている。
【0039】
CPU30はプログラムメモリ31に記憶された所定のプログラムデータに基づいて動作する。プログラムメモリ31は読出し専用メモリ(ROM)よりなり、前記プログラムデータと、その実行に必要な各種データとが記憶されている。各種データとしては紡出糸番手及び紡出運転時の最高スピンドル回転数等の紡出条件と満管までのリングレール18のチェイス回数との対応データ、糸種及び最高スピンドル回転速度と巻取り運転時のスピンドルレール4の下降開始時期との対応データ、使用ボビン長と巻取り開始時のスピンドルレール4の位置との対応データ等がある。この実施の形態ではスピンドルレール4の下降開始時期は紡出糸長累積即ち紡出量で表されている。糸種及び最高スピンドル回転速度と、巻取り運転時のスピンドルレール4の下降開始時期との対応データは、予め試験運転によって求められ、データベースとしてプログラムメモリ31に記憶されている。なお、糸種とは紡出糸の太さ、繊維種(原料、繊維長の違い)を意味する。
【0040】
作業用メモリ32は読出し及び書替え可能なメモリ(RAM)よりなり、入力装置33により入力されたデータやCPU30における演算処理結果等を一時記憶する。作業用メモリ32はバックアップ電源(図示せず)を備えている。
【0041】
入力装置33は紡出糸番手、繊維種(原料)、紡出運転時の最高スピンドル回転数、紡出長、リフト長、チェイス長、使用ボビン長等の紡出条件データの入力に使用される。
【0042】
CPU30は入力インタフェース34を介してセンサS1及びロータリエンコーダ24aと接続されている。CPU30はセンサS1からの出力信号に基づいて紡出量を演算する。CPU30はロータリエンコーダ24aの出力信号に基づいてリングレール18の移動方向、即ち上昇か下降かを認識する。CPU30はカウンタ39のカウント値に基づいてスピンドルレール4の位置を認識し、カウンタ40のカウント値に基づいてリングレール18の位置を認識する。
【0043】
次に前記のように構成された装置の作用を説明する。図5は巻取り開始時におけるスピンドルレール4の位置が従来装置と同じ位置に設定された場合の紡出糸長累積量とリングレール18等の位置との関係を説明する図であり、図6は巻取り使用ボビンBを長くするとともに、巻取り開始時の一次バルーン長s及び二次バルーン長tを共に図5の場合より大きくした場合の紡出糸長累積量とリングレール18等の位置との関係を説明する図である。また、図7は図5に対応する紡出糸長累積量とスピンドル回転数との関係を示す図であり、図8は図6に対応する紡出糸長累積量とスピンドル回転数との関係を示す図である。
【0044】
紡機機台の運転に先立って、まず、紡出糸番手、繊維種、紡出運転時の最高スピンドル回転数、紡出長、リフト長、チェイス長、ボビン長等の紡出条件データが入力装置33により入力される。
【0045】
CPU30は入力装置33によって入力された紡出条件から、巻取り開始時のスピンドルレール4の位置をデータベース基づいて選択あるいは演算し、巻取り運転に先だってサーボモータ9を駆動させてスピンドルレール4を紡出条件に対応した所定位置に移動させる。また、CPU30は巻取り運転時のスピンドルレール4の下降開始時期をデータベースから選択、あるいは演算して設定し、作業用メモリ32に記憶させる。
【0046】
次にCPU30は作業用メモリ32に記憶された紡出条件に従って、サーボモータ24を主モータMと同期して駆動制御する。主モータMの駆動によりドライビングシャフト3が回転され、フロントローラ1から糸Yが送り出され、また、スピンドル10が回転される。サーボモータ24が駆動されると歯車列を介してラインシャフト20が回転され、ねじ歯車21,22a,23aを介してナット体22,23が回転される。そして、ナット体22,23に螺合されたピラー25,27がリングレール18等と共に上昇あるいは下降移動される。サーボモータ24の正転時にリングレール18等が上昇移動され、逆転時に下降移動される。また、フロントローラ1から送出された糸Yはスネルワイヤ17a、アンチノードリング28及びトラベラ19を経てボビンBに巻き取られる。
【0047】
CPU30はロータリエンコーダ24aの出力信号に基づいてリングレール18の移動方向を認識し、カウンタ40のカウント値に基づいてリングレール18の位置を認識する。そして、CPU30は、予め入力された1チェイスの上昇量あるいは下降量と対応する距離だけリングレール18が移動した時点でサーボモータ24の回転方向を変更するとともに、リングレール18の昇降範囲が所定量ずつ上昇するようにサーボモータ24を駆動制御する。糸Yの紡出量が所定の設定値に達するまではサーボモータ9は駆動されず、スピンドルレール4は所定位置に停止した状態に保持される。
【0048】
CPU30はセンサS1の出力パルスに基づいて糸Yの紡出量を演算する。そして、紡出量がスピンドルレール下降開始時期に対応する値に達すると、その時点からCPU30によるサーボモータ9の制御が開始される。そして、サーボモータ9が間欠的に逆転駆動され、スピンドルレール4が1シェーパステップ量に対応する量ずつ間欠的に下降移動される。
【0049】
一方、紡出量がスピンドルレール下降開始時期に対応する値に達すると、サーボモータ24は、ラペット17及びリングレール18の下降量が上昇量より1シェーパステップ量ずつ少なくなるように昇降制御されていたそれまでの制御と異なり、下降量と上昇量とが同じになるように制御される。
【0050】
即ち、図5又は図6に示すように、ラペット17、リングレール18及びアンチノードリング28は巻取り開始からの紡出糸長の累積がm1又はm2になるまでは、次第に上昇を続けるが、紡出糸長の累積がm1又はm2を過ぎると同じ範囲で昇降を継続する。リングレール18が同じ範囲で昇降を繰り返しても、スピンドルレール4が順次下降されることにより、ボビンBに対する糸Yの巻取り位置は1シェーパステップずつ次第に上昇する。
【0051】
図7及び図8に実線で示すように、スピンドル10の回転速度(回転数)は最高回転速度に達した後、満管まで最高回転速度に保持される。なお、点線はスピンドルレール4が所定位置に固定された従来装置の場合を示し、満管に達する前に最高回転速度から減速される。リングレール18がシェーパステップを行わずに昇降する所定位置は、スピンドル10が高速回転を行っても、一次バルーン長s及び二次バルーン長tが糸Yの巻取りに適した長さとなる位置である。その結果、満管までスピンドル10が最高回転数で回転されても巻取りが良好に行われる。
【0052】
また、図6に示す一次バルーン長s及び二次バルーン長tが共に図5の場合より長くなった場合は、図8に示すように、巻取り初期からスピンドル10の回転速度を図5に対応する場合より大きくでき、スピンドル10の最高回転速度も大きくなる。その結果、同じ巻取り量に要する時間が短縮される。
【0053】
この実施の形態では以下の効果を有する。
(1) スピンドルレール4の下降開始時期を設定する下降開始時期設定手段(入力装置33、CPU30等)により設定された下降開始時期からスピンドルレール4が所定の下降速度で下降するように、スピンドルレール4の駆動手段(サーボモータ9)を制御する制御手段(CPU30)を備えている。従って、1台の精紡機機台で種々の糸種に対して適正な状態でかつ高速で巻き取りを行うことができる。
【0054】
(2) 最高回転速度に達した巻取り回転速度を満管時まで保持することができ、満管までの運転時間を短縮できる。
(3) 下降開始時期設定手段はスピンドルレール4の下降開始時期を、糸種及び運転時の最高スピンドル回転速度に基づいて設定するため、糸種及びスピンドル10の最高回転速度に対応した適正な下降開始時期の設定が容易になる。
【0055】
(4) 巻取り開始時のスピンドルレール4の位置を設定する巻取り開始位置設定手段(入力装置33、CPU30等)を備え、制御手段(CPU30)はスピンドルレール4を設定された巻取り開始位置まで移動させるように駆動手段(サーボモータ9)を制御した後、巻取り運転制御を行う。従って、使用するボビンBの長さを変更しても、スピンドルレール4が適正な巻取り開始位置に移動された後、巻取り運転が開始される。また、巻取り開始位置の変更と下降開始時期との変更の組み合わせで、より多くの糸種に対して適正なバルーン状態での巻取りが可能になる。
【0056】
(5) 入力装置33により入力された紡出条件に基づいて、スピンドルレール4の適正な巻取り開始位置及び下降開始時期がデータベースに基づいてCPU30により設定される。従って、スピンドルレール4の適正な巻取り開始位置及び下降開始時期の設定が容易になる。
【0057】
(6) スピンドルレール4を昇降する駆動手段が、モータ(サーボモータ9)により駆動される駆動軸8と、駆動軸8に一体回転可能に設けられたねじ歯車8aと噛合するねじ歯車7aを外周に有するナット体7と、ナット体7に螺合するスクリュー部5aを備えたロッド5とから構成され、リングレール18及びラペット17の昇降系と完全に独立している。従って、実公昭37−17128号公報に開示された従来装置と異なり、スピンドルレール4の下降開始時期や巻取り開始位置の変更が容易になる。また、スピンドルレール4をチェーンとそれを案内するプーリとを使用して吊り下げ、チェーンの端部をモータで移動させる構成に比較して、スピンドルレール4を所定量ずつ正確に下降させることができる。
【0058】
なお、実施の形態は前記に限定されるものでなく、例えば、次のように具体化してもよい。
○ アンチノードリング28をリングレール18と一体に昇降する構成に代えて、例えば特開平7−258926号公報に開示された昇降装置のように、アンチノードリング28をリングレール18と独立して昇降させる構成としてもよい。図9に示すように、アンチノードリング28の昇降範囲及びその上昇割合はリングレール18の昇降範囲及びそ上昇割合より小さく設定される。この場合、リングレール18が、その昇降範囲が一定となる所定高さまで上昇された状態において、アンチノードリング28とラペット17との距離を大きくでき、より適正なバルーン状態にコントロールできる。
【0059】
○ リングレール18等の昇降装置は前記実施の形態と同様にラインシャフト20及びナット体22,23等を使用する構成とし、スピンドルレール4の昇降を実公昭37−17128号公報に開示された装置のように、チェーン又はベルト等を使用する巻き掛け伝動機構を介して行う構成としてもよい。例えば、スピンドルレール4を実公昭37−17128号公報に開示された装置のように上下方向に延びるロッドに沿って昇降可能に支承するとともに、スピンドルレール4に支持状態プーリを介してスピンドルレール4を支持するチェーン又はベルトの一端を巻取りドラムに固定する。そして、そのドラムをサーボモータで正逆回転駆動する構成とする。この場合もスピンドルレール4をリングレール18等と完全に独立して昇降できるため、スピンドルレール4の下降開始時期や巻取り開始位置の変更が容易になる。
【0060】
○ スピンドルレール4の昇降手段及びリングレール18の昇降手段として、実公昭37−17128号公報に開示された装置のように、チェーンを介してスピンドルレール及びリングレールを昇降させる構成を採用してもよい。実公昭37−17128号公報に開示された装置では、巻取り開始時のスピンドルレールの位置を自由に設定することが実質的にできない。そこで、図10に示すように、スピンドルレール4を昇降させるチェーン86の一端をバー85に固定する代わりに、バー85に電動シリンダ43を固定し、そのプランジャ43aにチェーン86の一端を固定する。その他の構成は従来装置と同じである。この構成では、図10に示す状態から電動シリンダ43を駆動させて、プランジャ43aを突出させるとスピンドルレール4が下降される。従って、プランジャ43aの突出量の調整によりスピンドルレール4の巻始め位置をリングレール18と独立して設定できる。また、下降開始時期の変更も電動シリンダ43を駆動することにより可能になる。
【0061】
○ リングレール18とラペット17とを独立して駆動可能に構成する。例えば、ラペット17を支持するピラー27が螺合されるナット体23をリングレール18用のピラー25が螺合されるナット体22と噛合させずに、独立して回転可能に配設し、ナット体23を回転させるための別のラインシャフトを設ける。そして、そのラインシャフトを駆動するためのモータをラインシャフト20を駆動するサーボモータ24と別に設けるこの場合、リングレール18の昇降範囲とラペット17の昇降範囲を紡出条件に対応してより適正な範囲にするのが容易になる。
【0062】
○ スピンドルレール4の下降開始時期を紡出糸長の累積で表す代わりに、巻取り開始からの精紡機の運転時間で表したり、リングレール18やラペット17の位置で表してもよい。運転時間で表す場合、CPU30は巻取り開始からの運転時間が所定時間に達したらスピンドルレール4の下降を開始させる。また、リングレール18やラペット17の位置で表す場合は、リングレール18が所定の高さに達したことをカウンタ40のカウント値に基づいて確認した時点でスピンドルレール4の下降を開始させる。
【0063】
○ 入力装置33によって入力された巻取り運転時の最高スピンドル回転速度及び糸種等から、CPU30がスピンドルレール4の下降開始時期や巻取り開始位置を演算する構成に代えて、それらを入力装置33で直接入力してもよい。この場合は入力装置33が下降開始時期設定手段及び巻取り開始位置設定手段として機能し、プログラムメモリ31に紡出条件とスピンドルレール4の下降開始時期や巻取り開始位置との関係を示すデータベースを記憶させる必要がない。
【0064】
○ 巻取り運転時の最高スピンドル回転速度及び糸種等の紡出条件と、スピンドルレール4の下降開始時期や巻取り開始位置との関係を示すデータベースをプログラムメモリ31に記憶させる代わりに、電池でバックアップされたRAMに記憶させてもよい。この場合、紡出条件とスピンドルレール4の下降開始時期や巻取り開始位置との関係を示すデータの追加や変更が容易となる。
【0065】
○ スピンドルレール4の下降開始時期及び下降開始時のリングレール18の昇降範囲を変更可能に構成し、巻取り開始位置は同じとしてもよい。この場合も従来装置に比較して1台の精紡機で種々の糸種に対して適正な状態でかつ高速で巻き取りを行うことができる。
【0066】
○ スピンドルレール4あるいはリフティング装置の駆動用モータとして正逆回転可能なサーボモータ9,24に代えて、インバータを介して変速制御される可変速モータを使用するとともに、その出力軸と駆動軸8又はラインシャフト20との間に一対の電磁クラッチの励消磁により駆動軸8又はラインシャフト20の回転方向を変更する機構を設けてもよい。
【0067】
○ ロータリエンコーダ9a,24aをサーボモータ9,24や前記可変速モータに装備する代わりに、前記モータの回転に同期して回転する回転部である駆動軸8又はラインシャフト20、あるいはモータと駆動軸8又はラインシャフト20との間に設けられた歯車列の回転軸に設けてもよい。
【0068】
○ ドラフトパートをスピンドル駆動系と独立して駆動する構成としてもよい。また、スピンドル10をチンプーリ11に巻き掛けられたスピンドルテープ15で駆動する構成に代えて、各錘毎にスピンドル駆動用モータを設けてもよい。この場合、スピンドルテープ15を使用するものより構成が簡単になる。
【0069】
○ リング精紡機に限らずリング撚糸機に適用してもよい。
前記実施の形態から把握できる請求項記載以外の発明(技術思想)について、以下にその効果とともに記載する。
【0070】
(1) 請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の発明において、前記駆動手段はモータにより駆動される駆動軸と、駆動軸に一体回転可能に設けられたねじ歯車と噛合するねじ歯車を外周に有するナット体と、ナット体に螺合するスクリュー部を備えたロッドとから構成されている。この場合、スピンドルレールをチェーンとそれを案内するプーリとを使用して吊り下げ、チェーンの端部をモータで移動させる構成に比較して、スピンドルレールを所定量ずつ正確に下降させることができる。
【0071】
(2) 請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の発明において、アンチノードリングをリングレールの昇降量より所定の割合で少なくなるように昇降可能に構成する。この場合、リングレールが、その昇降範囲が一定となる所定高さまで上昇された状態において、アンチノードリングとラペットとの距離を大きくでき、より適正なバルーン状態にコントロールできる。
【0072】
【発明の効果】
以上詳述したように請求項1〜請求項4に記載の発明によれば、1台の機台で種々の糸種に対して適正な状態でかつ高速で巻き取りを行うことができる。
【0073】
また、糸種及びスピンドルの最高回転速度に対応した適正な下降開始時期の設定が容易になる。
請求項3に記載の発明によれば、使用するボビンの長さを変更しても、スピンドルレールが適正な巻取り開始位置に移動された後、巻取り運転が開始される。
また、巻取り開始位置の変更と下降開始時期との変更の組み合わせで、より多くの糸種に対して適正なバルーン状態での巻取りが可能になる。
【0074】
請求項4に記載の発明によれば、リングレールの昇降範囲とラペットの昇降範囲を紡出条件に対応してより適正な範囲にするのが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一実施の形態の概略構成図。
【図2】 精紡機の部分概略正面図。
【図3】 リフティング装置の部分概略斜視図。
【図4】 スピンドル駆動部の部分概略斜視図。
【図5】 リングレール等の紡出糸長に対する位置変化を示す説明図。
【図6】 同じくボビンが長い場合の説明図。
【図7】 図5に対応するスピンドル回転数と紡出糸長の関係を示す線図。
【図8】 同じく図6に対応する線図。
【図9】 別の実施の形態のリングレール等の位置変化を示す説明図。
【図10】 別の実施の形態の駆動系の側面図。
【図11】 リングレール等の位置変化を示す説明図。
【図12】 (a),(e)は一次バルーン異常時の巻取り状態を示す模式図、(b)は(a)の部分拡大図、(c)は一次バルーン正常時の巻取り状態を示す模式図、(d)は(c)の部分拡大図。
【図13】 (a),(c)は二次バルーン異常時の巻取り状態を示す模式図、(b)は二次バルーン正常時の巻取り状態を示す模式図。
【図14】 従来装置の駆動系の側面図。
【図15】 一次バルーン長と操業可能回転数との関係を示す線図。
【図16】 二次バルーン長と操業可能回転数との関係を示す線図。
【符号の説明】
4…スピンドルレール、5…スピンドルレールの駆動手段を構成するロッド、7…同じくナット体、8…同じく駆動軸、9…同じくサーボモータ、17…ラペット、18…リングレール、30…下降開始時期設定手段及び巻取り開始位置設定手段を構成するとともに制御手段としてのCPU、31…下降開始時期設定手段及び巻取り開始位置設定手段を構成するプログラムメモリ、33…同じく入力装置。

Claims (4)

  1. スピンドルレールをリングレール及びラペットと独立して昇降可能に構成し、巻取り運転時にリングレールを所定のチェイス長で昇降させながらその昇降範囲を順次上昇させて巻取りを行い、リングレールの昇降範囲が所定の高さに達した後、リングレールの昇降範囲を一定にし、順次スピンドルレールを下降させながら巻取りを行う紡機において、
    前記スピンドルレールを昇降駆動する駆動手段と、
    前記スピンドルレールの下降開始時期を予め入力された紡出条件データの内の糸種及び運転時の最高スピンドル回転速度に基づいて設定する下降開始時期設定手段と、
    前記下降開始時期から前記スピンドルレールが所定の下降速度で下降するように前記駆動手段を制御する制御手段と
    を備えた紡機の巻取り運転制御装置。
  2. 前記下降開始時期設定手段は前記スピンドルレールの下降開始時期を、フロントローラから送り出された糸のトラベラによってなす角度が鈍角であるように設定する請求項1に記載の紡機の巻取り運転制御装置。
  3. 巻取り開始時のスピンドルレールの位置を設定する巻取り開始位置設定手段を備え、制御手段はスピンドルレールを前記設定された巻取り開始位置まで移動させるように前記駆動手段を制御した後、巻取り運転制御を行う請求項1又は請求項2に記載の紡機の巻取り運転制御装置。
  4. 記リングレールと前記ラペットとが独立して昇降可能に構成されている請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の紡機の巻取り運転制御装置。
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