JP2002266176A - 紡機における停止方法及び停止制御装置 - Google Patents

紡機における停止方法及び停止制御装置

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JP2002266176A
JP2002266176A JP2001071919A JP2001071919A JP2002266176A JP 2002266176 A JP2002266176 A JP 2002266176A JP 2001071919 A JP2001071919 A JP 2001071919A JP 2001071919 A JP2001071919 A JP 2001071919A JP 2002266176 A JP2002266176 A JP 2002266176A
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winding
ring rail
tail
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JP2001071919A
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Naoki Kojima
直樹 小島
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Toyota Industries Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 所望範囲の長さの傾斜巻及び尻糸巻を良好な
紡出状態で形成し、しかも紡出条件の変更やトップバン
チ巻を行う場合にも簡単に対応可能とする。 【解決手段】 玉揚げのための機台停止に際して、傾斜
巻を形成する際のリングレールの降下時におけるスピン
ドル回転速度で尻糸の巻付けが開始され、尻糸の巻付け
開始から所定時間tM後に所定の減速度でスピンドルの
減速が開始される。減速途中でリングレールの所定位置
への上昇が開始されて尻糸の巻付けが終了する。スピン
ドルの回転速度が所定の値NFB2に達した時点でブレ
ーキが掛けられ、リングレールが所定位置に上昇した時
点でスピンドルが停止される。リングレールの降下速度
は、紡出が良好に行われるスピンドル回転速度に対応す
る値にコンピュータにより決定される。前記減速開始時
期及び上昇開始時期は、予め設定された尻糸巻数に基づ
いてコンピュータにより決定される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はリング精紡機、リン
グ撚糸機等の紡機における停止方法及び停止制御装置に
係り、詳しくは玉揚げ時にスピンドルの尻糸巻部に所定
長の尻糸を巻き取った状態で停止するための紡機におけ
る停止方法及び停止制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】リング精紡機、リング撚糸機等の紡機に
おいては満管時に管替作業を自動的に行うため、管替後
の再起動時に糸を空ボビンに自動的に巻き取ることがで
きるように、ローラパートに連なる糸がトラベラに通っ
たままスピンドルに接続していることが要求される。こ
の要求を満たすため、従来、スピンドル基部に尻糸切断
部と、その下方に尻糸巻部を設け、満管後、リングレー
ルを急降下させて傾斜巻(胴巻とも言う)を行った後、
尻糸巻部(ボトムバンチ位置)に糸を巻き取り、満管糸
の引き抜き時に尻糸巻部から満管糸に連なる糸を尻糸切
断部で切断している。そして、リングレールがボトムバ
ンチ位置で機台を完全停止する方法と、尻糸巻を形成し
た後、所定位置までリングレールが上昇(一次上昇)し
た後、機台を完全停止する方法とがある。
【0003】また、リング精紡機は糸むらを防止するた
めに、ドラフト装置からの糸の送り出し量即ちフロント
ローラの回転速度と、スピンドルの回転速度とが一定の
関係を保持した状態で駆動される。また、次工程でのワ
インダにおける口出しを容易にするため、ボトムバンチ
巻に加えてトップバンチ巻を形成する場合がある。トッ
プバンチ巻を形成する場合は、機台停止時に先ずリング
レールを上昇させてボビンの最上部にトップバンチ巻を
形成した後、ボトムバンチ巻を形成する。いずれの場合
も、リングレールが最上昇位置からボトムバンチ位置ま
で速い速度で下降され、管糸の外周に傾斜巻が形成され
る。
【0004】尻糸巻部に巻かれる尻糸(尻巻糸とも言
う)の長さが短いと糸保持が不確実になり、長すぎる場
合は屑糸が余分に生じるため、所定の長さの尻糸を巻き
取ることが好ましい。所望の長さの尻巻糸を形成する機
台の停止方法として、従来、図7に示すように、リング
レールの昇降及びスピンドルの回転速度を制御する方法
がある。この方法では、紡出速度を通常の巻取り時の速
度より低い一定速度にした後、リングレールが最上昇位
置から一定速度でボトムバンチ位置まで降下され、その
時点から所定の尻糸巻取時間tbの間、リングレールが
同位置に保持されて尻巻糸が形成される。その後、リン
グレールが所定位置まで上昇(一次上昇)された後、停
止される。一方、スピンドルは、リングレールがボトム
バンチ位置まで降下した時点から所定の経過時間tMが
経過するまではリングレールの降下開始時と同じ所定速
度NF1で回転される。所定の経過時間tMが経過した
時点から所定の減速度で減速され、スピンドル回転速度
が所定の回転速度NFB2に到達した時点でブレーキが
掛けられてスピンドルが停止される。
【0005】また、特開平9−227023号公報に
は、胴巻長と予め設定される尻巻長及びハートカムの単
位回転当たりの紡出長とに基づいて、前記胴巻長と尻巻
長との合計長を紡出したときにちようどハートカムの谷
部となるリングレール降下開始時機を求め、満管後のハ
ートカムの回転を検出してハートカムの谷部を起点とし
て前記リングレール降下開始時機と対応したハートカム
の回転位置となったときにリングレールの降下を開始
し、次のハートカムの谷部が到来したときに機台停止す
る尻巻長の制御方法が開示されている。この方法では、
図8に示すように、時間tFで満管信号出力後、リフテ
ィングレバーのカムフォロアがハートカムの谷と対応
し、その後リングレールの上昇途中の時間tDでスピン
ドルの一定減速度での減速が開始され、リングレールが
最上昇位置から下降する途中で自動降下が開始される。
そして、リングレールが尻巻位置まで下降した後、所定
長さの尻巻糸が形成された時点でスピンドルの回転が停
止される。また、スピンドルの一定減速度での減速を開
始する時のスピンドル回転速度を最高紡出回転速度より
低速とする場合についても開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前者の方法では、尻糸
巻長を所望の値にするには、尻糸巻長を直接設定するの
ではなく、尻糸が巻き取られる尻糸巻取時間tbと、ス
ピンドル減速開始時間となる所定の経過時間tMとを設
定する必要がある。そして、紡出条件の変更によりリン
グレールの降下中の紡出速度を変更すると尻糸巻の長さ
が変化し、一次上昇を伴う場合は、撚数を変更すると尻
糸巻の長さが変化するため、尻糸巻の長さを一定にする
には、尻糸巻取時間tbの設定を変更する必要がある。
さらに、細番手糸の紡出時には、同じ紡出速度でのスピ
ンドル回転速度が大きいため最適な尻糸巻数(1.5〜
2巻)より余分に巻かれる状態となるので、ブレーキ開
始回転数を大きく設定して急停止させたり、傾斜巻時の
紡出速度あるいはリングレール降下速度を変える必要が
ある。また、一次上昇動作を伴う場合、スピンドルはリ
ングレールの一次上昇完了とほぼ同時に速やかに停止す
ることが望ましいが、この調整のためにブレーキ開始時
のスピンドル回転速度NFB2やリングレール上昇タイ
ミング(尻糸巻取時間tbに相当)を変更すると、尻糸
巻長が変化し再調整が必要になる。また、尻糸巻長の調
整により、スピンドルの停止タイミングが狂うという問
題がある。即ち、紡出条件を変更する際、尻糸巻長を所
望の値とするための調整作業が面倒であった。
【0007】一方、後者の特開平9−227023号公
報に開示された方法では、尻糸巻長を直接設定できる。
しかし、この方法では胴巻長の長さは所定長に調整でき
るが胴巻回数は紡出条件によって変化するため、管替作
業やワインダでの糸の口出し作業を円滑に行うことがで
きる所定範囲の胴巻回数からずれる場合がある。また、
この方法では、トップバンチ巻を行うことができないと
ともに、一次上昇を行うこともできないという問題があ
る。また、この方法はハートカムを使用したリフティン
グ装置、即ち昇降速度がスピンドルの回転速度によって
自動的に決定されるリフティング装置でリングレールの
昇降を行うことを前提としており、リフティング駆動系
がスピンドル駆動系と別のモータで駆動される紡機に関
しては何ら配慮がなされていない。
【0008】本発明は前記の問題点に鑑みてなされたも
のであって、その第1の目的は玉揚げのための機台停止
時において、所望範囲の長さの傾斜巻及び尻糸巻を良好
な紡出状態で形成することができ、しかも紡出条件の変
更やトップバンチ巻を行う場合にも簡単に対応できる紡
機における停止方法を提供することにある。第2の目的
はリングレールの一次上昇を行う場合にも簡単に対応で
きる紡機における停止方法を提供することにある。第3
の目的はその方法を実施するのに好適な停止制御装置を
提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記第1の目的を達成す
るため、請求項1に記載の発明では、リフティング駆動
系がスピンドル駆動系と別のモータで駆動される紡機に
おける玉揚げのための停止方法であって、機台停止に際
して、傾斜巻を形成する際のリングレールの降下時にお
けるスピンドル回転速度で尻糸の巻取りを開始し、尻糸
の巻取り開始から所定時間後に所定の減速度でスピンド
ルの減速を開始し、スピンドルの回転速度が所定の値に
達した時点でブレーキを掛けてスピンドルを強制的に停
止させるようにリフティング駆動系及びスピンドル駆動
系を制御し、前記リングレール降下時の降下速度を、紡
出条件に対応した紡出が良好に行われる低速のスピンド
ル回転速度に対応する値にコンピュータにより決定し、
前記スピンドルの減速開始時期を予め設定された尻糸巻
数又は尻糸巻数と対応する所定の値に基づいてコンピュ
ータにより演算して決定する。
【0010】この発明では、リフティング駆動系がスピ
ンドル駆動系と別のモータで駆動される。玉揚げのため
の機台停止の際、尻糸巻位置での尻糸の巻取りは傾斜巻
を形成する際のリングレールの降下時におけるスピンド
ル回転速度で開始される。尻糸の巻取り開始から所定時
間後に所定の減速度でのスピンドルの減速が開始され、
スピンドルの回転速度が所定の値に達した時点でブレー
キが掛けられてスピンドルが強制的に停止される。スピ
ンドルの減速開始時期は予め設定された尻糸巻数又は尻
糸巻数と対応する所定の値に基づいてコンピュータによ
り演算されて決定される。
【0011】前記第2の目的を達成するため、請求項2
に記載の発明では、リフティング駆動系がスピンドル駆
動系と別のモータで駆動される紡機における玉揚げのた
めの停止方法であって、機台停止に際して、傾斜巻を形
成する際のリングレールの降下時におけるスピンドル回
転速度で尻糸の巻取りを開始し、尻糸の巻取り開始から
所定時間後に所定の減速度でスピンドルの減速を開始
し、減速途中でリングレールの所定位置への上昇を開始
して尻糸の巻取りを終了し、スピンドルの回転速度が所
定の値に達した時点でブレーキを掛けてスピンドルを強
制的に停止させてリングレールが所定位置に上昇した時
点でスピンドルが停止するようにリフティング駆動系及
びスピンドル駆動系を制御し、前記リングレール降下時
の降下速度を、紡出条件に対応した紡出が良好に行われ
る低速のスピンドル回転速度に対応する値にコンピュー
タにより決定し、前記スピンドルの減速開始時期及びリ
ングレールの上昇開始時期を予め設定された尻糸巻数又
は尻糸巻数と対応する所定の値に基づいてコンピュータ
により演算して決定する。
【0012】この発明では、所定長の尻糸巻が形成され
た後、リングレールが所定位置(一次上昇位置)まで上
昇して停止される点と、スピンドル回転速度の減速途中
でリングレールが上昇されて尻糸巻が終了する点とが請
求項1に記載の発明と異なっている。リングレールの上
昇開始時期は、ブレーキを掛けてからスピンドルが停止
するまでの時間と、リングレールの上昇開始からブレー
キを掛けるまでの時間との和が上昇停止までの時間とな
るように決定される。また、スピンドル回転速度の減速
開始時期は、前記尻糸巻数又は尻糸巻数と対応する所定
の値に基づいてコンピュータにより演算される。従っ
て、この発明ではリングレールの一次上昇が行われる場
合でもリングレールの一次上昇完了時に合わせてスピン
ドルを停止させることができる。
【0013】第3の目的を達成するため、請求項3に記
載の発明では、リフティング駆動系がスピンドル駆動系
と別のモータで駆動される紡機において、リフティング
駆動系を駆動する可変速モータと、スピンドルの回転速
度を検出する検出手段と、リングレールの位置を検出す
る位置検出手段と、スピンドルの回転を停止させる制動
手段と、玉揚げ停止のための傾斜巻を形成する際のリン
グレールの降下時におけるスピンドル回転速度で尻糸の
巻取りを開始し、尻糸の巻取り開始から所定時間後に所
定の減速度でスピンドルの減速を開始し、減速途中でリ
ングレールの所定位置への上昇を開始して尻糸の巻取り
を終了し、スピンドルの回転速度が所定の値に達した時
点で前記制動手段によりブレーキを掛けてスピンドルを
強制的に停止させてリングレールが所定位置に上昇した
時点でスピンドルが停止するように前記リフティング駆
動系及びスピンドル駆動系を制御する制御手段と、前記
リングレール降下時の降下速度を、紡出条件に対応した
紡出が良好に行われる低速のスピンドル回転速度に対応
する値に決定する演算と、前記スピンドルの減速開始時
期及びリングレールの上昇開始時期とを予め設定された
尻糸巻数又は尻糸巻数と対応する所定の値に基づいて決
定する演算とを行うコンピュータとを備えた。
【0014】この発明では、検出手段によりスピンドル
の回転速度が検出され、位置検出手段によりリングレー
ルの位置が検出される。玉揚げのための機台停止の際
に、リングレールが最上昇位置から尻糸巻位置(ボトム
バンチ位置)へ降下されて傾斜巻(胴巻)が形成され
る。その後、尻糸の巻取りが開始され、巻取り途中でス
ピンドルの回転速度の減速が開始される。玉揚げ停止時
にリングレールの一次上昇を行う場合は、リングレール
の上昇開始時期及びスピンドルの減速開始時期がコンピ
ュータにより演算され、その値に基づいてスピンドル駆
動系及びリフティング駆動系が制御手段により制御され
る。一次上昇を行わない場合は、ブレーキを掛けてスピ
ンドルが停止するまでに巻取られる尻糸巻数が予め設定
された所望範囲となるように減速開始時期がコンピュー
タにより演算される。
【0015】請求項4に記載の発明では、請求項3に記
載の発明において、前記減速開始時期等の演算のための
データとして尻糸巻数を使用する。この発明では、尻糸
巻数を設定することにより、適正な傾斜巻長で所望の長
さの尻糸巻が形成される。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を玉揚げ停止の際に
リングレールが一次上昇を行う停止方法に具体化した一
実施の形態を図1〜図6に従って説明する。
【0017】図1に示すように、ドラフト装置を構成す
るフロントローラ1の回転軸1aの端部に歯車2が嵌着
されている。回転軸1aは歯車2と、スピンドル駆動用
モータとしての主モータMにより回転駆動されるドライ
ビングシャフト3との間に配設された歯車列(図示せ
ず)を介して回転駆動されるようになっている。スピン
ドル4はドライビングシャフト3に固定されたチンプー
リ5との間に巻き掛けられたスピンドルテープ(図示せ
ず)を介して回転駆動されるようになっている。主モー
タM、ドライビングシャフト3及びチンプーリ5等によ
りスピンドル駆動系が構成されている。
【0018】フロントローラ1及びスピンドル4は、フ
ロントローラ1からのフリースの送り出し量(紡出量)
と、スピンドル4の糸巻取り量とが常に同量となるよう
に回転される。両者の回転数比は紡出条件(撚数)に対
応して設定されている。主モータMにはインバータ6を
介して駆動される可変速モータが使用され、主モータM
は電磁ブレーキMB(図2に図示)を備えている。歯車
2の近傍にはフロントローラ1の回転に対応してパルス
信号を出力するセンサS1が配設されている。
【0019】リフティング駆動系はラインシャフト7を
介してリングレール8や図示しないラペットアングルを
昇降動させるようになっている。ラインシャフト7は精
紡機機台の長手方向に沿って配設され、所定間隔でねじ
歯車9(図1では1個のみ図示)が一体回転可能に嵌着
されている。リングレール8は複数のポーカピラー10
(図1では1本のみ図示)により支持されている。ポー
カピラー10は上下方向に移動可能に機台フレーム(図
示せず)に支承されるとともに、その下部にスクリュー
部10aが形成されている。スクリュー部10aは機台
フレームの所定高さ位置に回転可能に支持されたナット
体11に螺合している。ナット体11の外周にはねじ歯
車9と噛合するねじ歯車(図示せず)が一体に形成され
ている。
【0020】ラインシャフト7は可変速モータとしての
サーボモータ12の駆動軸に歯車列(図示せず)を介し
て連結されている。サーボモータ12は制御手段として
の制御装置13によりサーボドライバ14を介して駆動
制御される。サーボモータ12にはロータリエンコーダ
12aが内蔵されている。ロータリエンコーダ12aは
リングレール8の位置検出手段を構成する。ラインシャ
フト7はサーボモータ12により駆動され、回転速度及
び回転方向が自由に変更可能となっている。ラインシャ
フト7、ポーカピラー10、ナット体11及び、サーボ
モータ12によりリフティング駆動系が構成されてい
る。
【0021】フロントローラ1から送り出された糸Y
は、ラペットアングルに支持されたスネルワイヤ15
と、リング8a上を摺動するトラベラ16とを経てボビ
ンBに巻き取られるようになっている。
【0022】図2に示すように、制御装置13は、制御
手段を構成するとともに演算手段としての中央処理装置
(以下、CPUという)17を備えている。制御装置1
3は記憶手段としてのプログラムメモリ18、作業用メ
モリ19、入力装置20、入出力インタフェース21、
主モータ駆動回路22、サーボモータ駆動回路23及び
電磁ブレーキ励消磁回路24を備えている。CPU17
はプログラムメモリ18に記憶された所定のプログラム
データに基づいて動作する。プログラムメモリ18は読
出し専用メモリ(ROM)よりなり、前記プログラムデ
ータと、その実行に必要な各種データとが記憶されてい
る。作業用メモリ19は読出し及び書替え可能なメモリ
(RAM)よりなり、入力装置20により入力されたデ
ータやCPU17における演算処理結果等を一時記憶す
る。紡出条件データ及び尻糸巻の設定データ等のデータ
が入力装置20により入力される。CPU17、プログ
ラムメモリ18及び作業用メモリ19によりコンピュー
タが構成されている。
【0023】CPU17は入出力インタフェース21を
介してセンサS1に接続されている。CPU17はセン
サS1からの出力信号に基づいて紡出速度を演算すると
ともに紡出量を積算する。また、CPU17は紡出速度
に基づいてスピンドル回転速度を演算し、センサS1は
スピンドル4の回転速度を検出する検出手段を構成す
る。CPU17は入出力インタフェース21を介してロ
ータリエンコーダ12aと接続され、ロータリエンコー
ダ12aからの出力信号に基づいてリングレール8の移
動量及び位置を演算する。CPU17は電磁ブレーキ励
消磁回路24を介して電磁ブレーキMBを励消磁制御す
る。
【0024】プログラムメモリ18には、玉揚げ停止時
にリングレール降下時の降下速度を、紡出条件に対応し
た紡出が良好に行われる低速のスピンドル回転速度に対
応する値に決定する演算プログラムと、スピンドルの減
速開始時期及びリングレールの上昇開始時期とを予め設
定された尻糸巻数に基づいて決定する演算プログラム等
が記憶されている。また、プログラムメモリ18には尻
糸巻取時におけるスピンドルの減速度が記憶されてい
る。
【0025】次に前記のように構成された装置の作用を
説明する。機台の運転に先立ってまず紡出糸番手、撚
数、通常紡出運転時のスピンドル回転数、紡出長、リフ
ト長、チェイス長等の紡出条件と、尻糸巻数等のデータ
が入力装置20により入力される。尻糸巻数は例えば
1.5巻が基準値で、0.25巻単位ずつ調整可能とな
っている。そして、CPU17は前記各データに基づい
て、玉揚げ停止のための傾斜巻を形成する際のリングレ
ール8の降下速度と、尻糸巻時におけるスピンドル4の
減速開始時期(尻糸巻取り開始からの経過時間tM)
と、リングレール8の上昇開始時期(尻糸巻取り開始か
らの経過時間=尻糸巻取時間tb)とを演算する。
【0026】図3は紡出速度一定とした時の撚数とスピ
ンドル回転速度及び尻糸の最低巻数との関係を示すグラ
フである。尻糸の最低巻数とは所定の減速度でスピンド
ル4を減速したときに、その撚数の紡出条件で尻糸を巻
き取ったときの最低巻数である。尻糸巻数は1.5〜2
巻が尻糸の切断及び巻取開始時の尻糸把持等に適してい
るが、図3に示すように、尻糸の最低巻数は撚数が25
(40番手の糸に相当)付近では1.5〜2巻となる
が、撚数が30以上では2より大きくなる。また、リン
グレール8の降下時のスピンドル回転速度、即ち尻糸巻
取開始時のスピンドル回転速度が4000rpmを超え
る場合は、最低尻糸巻数が2より大きくなる。そこで、
CPU17は最低尻糸巻数が1.5〜2巻となるよう
に、図4に示すフローチャートに従ってリングレール8
の降下速度を演算する。
【0027】CPU17は先ずステップS1で満管時の
フロントローラ1の回転速度に対応するスピンドル回転
速度V0 が紡出を良好にできる所定回転速度Vα(例え
ば4000rpm付近)以下か否かを判断し、以下であ
ればステップS2に進んで降下速度を基準となるリング
レール降下速度RRに決定する。スピンドル回転速度V
0 が所定回転速度Vαを超える場合はステップS3に進
み、リングレール降下時のスピンドル回転速度を所定回
転速度Vαとし、そのスピンドル回転速度に対応する紡
出速度NFαを算出するとともに、傾斜巻数を変えない
ようにリングレール8の降下速度RRαをRRα=(N
Fα/NF)RRにより演算する。
【0028】次にCPU17は、図5に示すリングレー
ル8の位置及びスピンドル4の回転速度の時間変化を示
すグラフに表されるリングレール8の上昇開始時点のス
ピンドル回転速度NFB3と、尻糸巻取時間tbと、リ
ングレール8が尻糸巻位置に降下した時点からスピンド
ルの減速開始時点までの経過時間tMとを演算する。先
ず、CPU17は予め設定されているスピンドルの減速
度Dec、減速途中にブレーキを掛ける時点でのスピン
ドル回転速度NFB2及びリングレール8の一次上昇位
置への上昇速度に基づいて、リングレール8の上昇開始
時点のスピンドル回転速度NFB3を求める。この演算
は、スピンドル回転速度がNFB3からNFB2に減速
されるのに掛かる時間t1と、ブレーキが掛けられてか
らスピンドル4が停止するまでの時間t2との和の間に
リングレール8が一次上昇位置まで上昇するように時間
t1をまず設定する。そして、時間t1及び減速度De
cによりスピンドル回転速度NFB3を求める。
【0029】次にCPU17は図5のスピンドル回転速
度の時間変化を示すグラフの、尻糸巻取開始からリング
レール8の上昇開始までの間に紡出される糸の長さが設
定された尻糸巻数に対応する尻糸巻長Lbとなるよう
に、尻糸巻取時間tb及び経過時間tMを演算する。演
算は図6のフローチャートに従って行われる。CPU1
7は先ずステップS11で減速開始からスピンドル回転
速度がNFB3に到達するまでに要する時間t3を演算
する。これは減速開始時のスピンドル回転速度NF1
と、減速度Decと、尻糸巻取終了時のスピンドル回転
速度NFB3とから演算される。
【0030】次にCPU17はステップS12で減速時
に巻き取られる尻糸巻長Ldecを演算する。尻糸巻長
Ldecの演算は、時間t3間の平均紡出速度を演算
し、その平均紡出速度と時間t3とから減速時に巻き取
られる尻糸巻長Ldecを求める。次にCPU17はス
テップS13で尻糸の巻取開始からスピンドル回転速度
の減速開始までの経過時間tMを演算する。経過時間t
Mの演算は、経過時間tM間に巻き取る尻糸巻長Lmを
(Lb−Ldec)から演算し、尻糸巻長Lmとその間
の紡出速度とから経過時間tMを求める。最後にCPU
17はステップS14で尻糸巻取時間tbを経過時間t
Mと時間t3との和として求める。そして、CPU17
は後記する玉揚げ停止時に、尻糸巻取時間tb及び経過
時間tMを使用してスピンドル駆動系及びリフティング
駆動系を制御する。
【0031】紡出条件として撚数が大きな場合、図6の
フローチャートに従って経過時間tMを演算した際に、
経過時間tMが0以下になった場合は、経過時間tM=
0の時に設定した尻糸巻長Lbとなるように、尻糸の巻
取開始時の紡出速度を設定する。そして、リングレール
8の降下速度をその紡出速度に基づいて設定する。具体
的には、tM=0の時の紡出速度NFから所定量Na減
算した紡出速度(NF−Na)で尻糸巻長Laを算出
し、その尻糸巻長Laを設定された尻糸巻長Lbと比較
する。尻糸巻長Laが大きければ、該紡出速度(NF−
Na)から所定量Na減算した紡出速度(NF−2N
a)で尻糸巻長Laを算出し、尻糸巻長Lbと比較する
ことを繰り返す。尻糸巻長Laが設定された尻糸巻長L
b以下のときの紡出速度(NF−nNa)(nは自然
数)の値をリングレール8の降下時の紡出速度とする。
そして、傾斜巻数を変えないようにリングレール8の降
下速度RRαを基準となるリングレール降下速度RR
と、紡出速度NFとの速度比からRRα={(NF−n
Na)/NF}RRにより演算する。
【0032】通常運転時、制御装置13は入力装置20
により入力されて作業用メモリ19に記憶された紡出条
件に従って、サーボモータ12を主モータMと同期して
駆動制御する。サーボモータ12が駆動されると歯車列
を介してラインシャフト7が回転され、ねじ歯車9を介
してナット体11が回転される。そして、ナット体11
に螺合されたポーカピラー10が上昇あるいは下降さ
れ、リングレール8等が昇降動される。サーボモータ1
2の正転時にリングレール8等が上昇され、逆転時に下
降される。また、フロントローラ1から送出された糸Y
はスネルワイヤ15及びトラベラ16を経てボビンBに
巻き取られる。
【0033】紡出、巻取運転が継続されて積算紡出量が
所定値に達すると、CPU17は玉揚げ停止動作を実行
する。CPU17は先ずインバータ6を介して主モータ
Mを所定の低速度まで減速させる。次にCPU17はリ
ングレールをトップバンチ巻位置まで急上昇させるよう
にサーボモータ12を正転駆動させた後、所定時間サー
ボモータ12の駆動を停止する。この結果、トップバン
チ巻が形成される。
【0034】次にCPU17は通常運転時のリングレー
ル8の昇降速度より速い予め設定された所定速度でトッ
プバンチ位置からリングレール8の降下を開始させる。
即ちサーボモータ12を逆転駆動させる。このとき降下
速度はリングレール8が尻糸巻位置(ボトムバンチ位
置)に到達する間にボビンBに巻き取られる傾斜巻の数
が所定値(例えば2)となるように調整される。なお、
リングレール8の降下が開始される前に主モータMは所
定の低速回転、即ち予め設定した傾斜巻形成のためのリ
ングレール8の下降時のスピンドル回転速度に対応する
回転速度となっている。傾斜巻数はリングレール8がト
ップバンチ巻位置から尻糸巻位置まで降下する間におけ
るスピンドル回転速度、フロントローラ1からのフリー
スの送り出し量(紡出量)及びリングレール8の降下速
度により決まる。CPU17はセンサS1の出力信号に
基づいてスピンドル4の回転速度を演算し、リングレー
ル8の降下速度が所定の傾斜巻数を達成する範囲となる
ようにサーボモータ12を駆動制御する。その結果、リ
ングレール8がトップバンチ巻位置から尻糸巻位置まで
降下する間に、玉揚げ及びワインダでの巻き返しに支障
を生じない所定範囲の長さの傾斜巻が形成される。
【0035】CPU17はリングレール8が尻糸巻位置
に達した後、サーボモータ12への通電を停止させる。
その結果、尻糸の巻取が開始される。CPU17は尻糸
の巻取開始からの時間をタイマ(図示せず)で計時し、
所定の経過時間tM経過すると、スピンドル4を所定の
減速度で減速させるようにインバータ6を介して主モー
タMを制御する。そして、タイマによる計時開始後、所
定の尻糸巻取時間tb経過した時点でCPU17はサー
ボモータ12を正転駆動させてリングレール8を所定速
度で上昇させる。その結果、尻糸巻の巻取が終了して、
尻糸巻位置に尻糸巻が所定数形成される。
【0036】その後、リングレール8の上昇途中で、ス
ピンドル4の回転速度がNFB2にまで減速された時点
で、CPU17は主モータMへの通電を停止するととも
に電磁ブレーキMBを掛けてスピンドル4を制動する。
そして、リングレール8が所定の一次上昇位置に達した
時点でサーボモータ12の駆動が停止され、リングレー
ル8が停止する。その結果、主モータMが完全に停止さ
れてスピンドルの回転が停止するのと、リングレール8
の上昇が完了するのとがほぼ同時となる状態で停止動作
が完了する。
【0037】この実施の形態では以下の効果を有する。 (1) 尻糸巻数を入力装置20で入力することによ
り、傾斜巻に影響を及ぼさずにその尻糸巻数となるよう
に、尻糸巻取り中でのスピンドル回転速度の減速開始時
期及びリングレール8の一次上昇時期がコンピュータに
より演算されて自動的に設定される。従って、所望の尻
糸巻数を設定(入力)するだけで、紡出糸の撚数や番手
等の紡出条件を変更したり、傾斜巻数を調整しても予め
設定された尻糸巻数となるように玉揚げ停止が行われ
る。また、尻糸巻数の調整が必要な場合でもタイマの設
定時間を変更して入力するのではなく、実際の尻糸巻数
で調整でき、尻糸巻数の調整が簡単になる。さらに、ス
ピンドル4の停止タイミング、即ち電磁ブレーキMBを
掛ける時期や回転速度を尻糸巻数に影響せずに簡単に変
更できる。
【0038】(2) 尻糸巻取時間tb及び減速開始時
期を決める経過時間tMが、リングレール8の降下時の
スピンドル回転速度に基づいて設定(演算)されるた
め、トップバンチ巻を行う場合でも、トップバンチ巻を
行わない場合と同様に尻糸巻時の制御を行うことができ
る。
【0039】(3) リングレール8の一次上昇完了時
期とスピンドルの停止時期とが対応するように一次上昇
開始時期を設定した後、尻糸巻取時間tb及び減速開始
時期を決める経過時間tMが設定(演算)される。従っ
て、尻糸巻数が変更されたり、紡出条件が変更されて
も、リングレール8の一次上昇完了時期をスピンドル4
の停止時期と対応した状態にすることができる。
【0040】(4) リングレール8が最上昇位置から
尻糸巻位置へ降下される際、スピンドル4の回転速度が
通常運転時の回転速度より低速の所定速度に保持され
る。従って、傾斜巻数を所定の値に調整するようにリン
グレール8の降下速度を制御するのが簡単になる。
【0041】(5) スピンドル4の減速途中における
所定のスピンドル回転速度になった時点で電磁ブレーキ
MBを掛けるため、スピンドル4の停止時期のばらつき
を小さくできる。
【0042】(6) 撚数及び満管時の紡出速度によっ
て、玉揚げ停止時のリングレール降下速度を設定された
所望の尻糸巻数に合わせて自動的に変更するように、コ
ンピュータが演算するため、紡出条件を考慮せずに尻糸
巻数を設定できる。
【0043】実施の形態は前記に限定されるものではな
く、例えば、次のように具体化してもよい。 ○ 尻糸巻形成後にリングレール8の一次上昇を行わな
い停止方法に適用してもよい。その場合は、スピンドル
回転速度がNFB3からNFB2に減速されるのに掛か
る時間t1を0として、尻糸巻取時間tb及び経過時間
tMを演算する。また、経過時間tMを演算する際に、
電磁ブレーキMBを掛けてからスピンドル停止までに巻
き取られる尻糸巻長も考慮される。この場合も所望の尻
糸巻数を設定(入力)するだけで、前記実施の形態と同
様に紡出条件に拘らず、所望の長さの尻糸巻が得られ
る。
【0044】○ 満管に伴う玉揚げに限らず、予め設定
された玉揚げ時間になると、管糸が満管でなくても玉揚
げを行うシステムにおける玉揚げ停止に適用してもよ
い。その場合、CPU17は満管信号ではなく、所定の
玉揚げ停止時間になると、前記満管停止時とほぼ同様に
サーボモータ12及び主モータMを駆動制御して停止動
作を行う。
【0045】○ 満管に伴う停止時及び途中玉揚げ停止
時にトップバンチ巻を形成せずに、ボトムバンチ巻(尻
糸巻)のみを形成する停止方法に適用してもよい。 ○ プログラムメモリ18に撚数、満管時のスピンドル
回転速度、紡出糸番手等の紡出条件及び尻糸巻数と、経
過時間tM及び尻糸巻取時間tbとの関係を示すデータ
を記憶させておき、そのデータから入力された尻糸巻数
に対応した適切な経過時間tM及び尻糸巻取時間tbを
設定するようにしてもよい。
【0046】○ 尻糸巻数を直接入力する代わりに、尻
糸巻数に対応する値を入力するようにしてもよい。例え
ば、尻糸巻長を入力してもよい。 ○ リングレール8の一次上昇を行う停止方法におい
て、尻糸巻数の他に、一次上昇開始からブレーキを掛け
るまでの時間t1やブレーキを掛ける際のスピンドル回
転速度NFB2を入力する構成としてもよい。この場
合、時間t1及びNFB2の値に基づいてリングレール
8の上昇速度が演算され、その速度でリングレール8が
上昇される。
【0047】○ 玉揚げ停止時におけるリングレール8
の降下時に、主モータMを所定の減速勾配で減速するよ
うに駆動制御してもよい。しかし、リングレール8の降
下を開始する前に、スピンドル4の回転速度を通常運転
時より低速の一定速度に減速し、その状態でリングレー
ル8の降下を行う方が主モータM及びサーボモータ12
の駆動制御が容易となる。
【0048】○ リフティング駆動系のモータとして、
サーボモータ12に代えてインバータを介して一定方向
回転で変速制御される可変速モータを使用するととも
に、その出力軸とラインシャフト7との間に一対の電磁
クラッチの励消磁によりラインシャフト7の回転方向を
変更する機構を設けてもよい。
【0049】○ ハートカムによる揺動を基礎としてリ
ングレール等の昇降運動を行うリフティング装置を備え
た紡機に適用してもよい。この場合、実公平6−462
号公報に開示された装置のように、満管停止時にリング
レールは揺動モータによりドラフト駆動系側と独立して
昇降動される。従って、この構成の場合はハートカムを
利用してリングレール等を昇降運動させる既設の紡機機
台にも適用できる。
【0050】○ リングレール8の位置検出手段として
ロータリエンコーダ以外のものを使用してもよい。例え
ば、リングレールの昇降範囲の近傍に多数の永久磁石が
そのN極とS極とが交互に配列されたいわゆるマグネッ
トスケールを配設するとともに、その検出部をリングレ
ールに一体移動可能に固定した構成の装置を採用しても
よい。また、ロータリエンコーダの取付け位置は、ライ
ンシャフトの回転と同期して回転される部品であれば、
適宜の位置に取付けてよい。
【0051】○ スピンドル4をチンプーリ5で駆動す
る構成に代えて、タンゼンシャルベルトにより駆動する
構成としてもよい。また、リング撚糸機に適用してもよ
い。 ○ スピンドル4の駆動方式はベルト駆動に限らず、各
錘毎にモータを設ける、所謂単錘駆動方式であってもよ
い。
【0052】前記実施の形態から把握できる発明(技術
的思想)について、以下に記載する。 (1) 請求項1又は請求項2に記載の発明において、
撚数及び満管時の紡出速度によって、玉揚げ停止時のリ
ングレール降下速度を設定された所望の尻糸巻数に合わ
せて自動的に変更するようにコンピュータが演算する。
【0053】
【発明の効果】以上詳述したように請求項1〜請求項4
に記載の発明によれば、玉揚げのための機台停止時にお
いて、所望範囲の長さの傾斜巻及び尻糸巻を良好な紡出
状態で形成することができ、しかも紡出条件の変更、ト
ップバンチ巻を行う場合にも簡単に対応できる。請求項
2及び請求項3に記載の発明によれば、リングレールの
一次上昇を行う場合にも簡単に対応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一実施の形態の駆動系の概略構成図。
【図2】 制御装置の電気的構成を示すブロック図。
【図3】 紡出速度一定とした時の撚数とスピンドル回
転速度及び尻糸の最低巻数との関係を示すグラフ。
【図4】 リングレール降下速度を決定する手順を示す
フローチャート。
【図5】 玉揚げ停止時のスピンドル速度及びリングレ
ールの位置の時間変化を示すグラフ。
【図6】 尻糸巻取時間等を求める手順を示すフローチ
ャート。
【図7】 従来装置のスピンドル速度変化等を示すグラ
フ。
【図8】 別の従来装置のスピンドル速度変化等を示す
グラフ。
【符号の説明】
4…スピンドル、7…リフティング駆動系を構成するラ
インシャフト、8…リングレール、12…リフティング
駆動系を構成する可変速モータとしてのサーボモータ、
12a…位置検出手段としてのロータリエンコーダ、1
3…制御手段としての制御装置、17…制御手段を構成
するとともに演算手段としてのCPU、MB…制動手段
としての電磁ブレーキ、M…スピンドル駆動系を構成す
る主モータ、S1…スピンドルの回転速度を検出する検
出手段を構成するセンサ。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リフティング駆動系がスピンドル駆動系
    と別のモータで駆動される紡機における玉揚げのための
    停止方法であって、 機台停止に際して、傾斜巻を形成する際のリングレール
    の降下時におけるスピンドル回転速度で尻糸の巻取りを
    開始し、尻糸の巻取り開始から所定時間後に所定の減速
    度でスピンドルの減速を開始し、スピンドルの回転速度
    が所定の値に達した時点でブレーキを掛けてスピンドル
    を強制的に停止させるようにリフティング駆動系及びス
    ピンドル駆動系を制御し、前記リングレール降下時の降
    下速度を、紡出条件に対応した紡出が良好に行われる低
    速のスピンドル回転速度に対応する値にコンピュータに
    より決定し、前記スピンドルの減速開始時期を予め設定
    された尻糸巻数又は尻糸巻数と対応する所定の値に基づ
    いてコンピュータにより演算して決定する紡機における
    停止方法。
  2. 【請求項2】 リフティング駆動系がスピンドル駆動系
    と別のモータで駆動される紡機における玉揚げのための
    停止方法であって、 機台停止に際して、傾斜巻を形成する際のリングレール
    の降下時におけるスピンドル回転速度で尻糸の巻取りを
    開始し、尻糸の巻取り開始から所定時間後に所定の減速
    度でスピンドルの減速を開始し、減速途中でリングレー
    ルの所定位置への上昇を開始して尻糸の巻取りを終了
    し、スピンドルの回転速度が所定の値に達した時点でブ
    レーキを掛けてスピンドルを強制的に停止させてリング
    レールが所定位置に上昇した時点でスピンドルが停止す
    るようにリフティング駆動系及びスピンドル駆動系を制
    御し、前記リングレール降下時の降下速度を、紡出条件
    に対応した紡出が良好に行われる低速のスピンドル回転
    速度に対応する値にコンピュータにより決定し、前記ス
    ピンドルの減速開始時期及びリングレールの上昇開始時
    期を予め設定された尻糸巻数又は尻糸巻数と対応する所
    定の値に基づいてコンピュータにより演算して決定する
    紡機における停止方法。
  3. 【請求項3】 リフティング駆動系がスピンドル駆動系
    と別のモータで駆動される紡機において、 リフティング駆動系を駆動する可変速モータと、 スピンドルの回転速度を検出する検出手段と、 リングレールの位置を検出する位置検出手段と、 スピンドルの回転を停止させる制動手段と、 玉揚げ停止のための傾斜巻を形成する際のリングレール
    の降下時におけるスピンドル回転速度で尻糸の巻取りを
    開始し、尻糸の巻取り開始から所定時間後に所定の減速
    度でスピンドルの減速を開始し、減速途中でリングレー
    ルの所定位置への上昇を開始して尻糸の巻取りを終了
    し、スピンドルの回転速度が所定の値に達した時点で前
    記制動手段によりブレーキを掛けてスピンドルを強制的
    に停止させ、リングレールが所定位置に上昇した時点で
    スピンドルが停止するように前記リフティング駆動系及
    びスピンドル駆動系を制御する制御手段と、 前記リングレール降下時の降下速度を、紡出条件に対応
    した紡出が良好に行われる低速のスピンドル回転速度に
    対応する値に決定する演算と、前記スピンドルの減速開
    始時期及びリングレールの上昇開始時期とを予め設定さ
    れた尻糸巻数又は尻糸巻数と対応する所定の値に基づい
    て決定する演算とを行う演算手段とを備えた紡機におけ
    る停止制御装置。
  4. 【請求項4】 前記減速開始時期等の演算のためのデー
    タとして尻糸巻数を使用する請求項3に記載の紡機にお
    ける停止制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007303038A (ja) * 2006-05-12 2007-11-22 Toyota Industries Corp 紡機における管糸形成方法
CN104762710A (zh) * 2013-01-29 2015-07-08 赵清滨 用于降低细纱机纺纱纱线断头的控制方法

Cited By (3)

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