JP2000303270A - 紡機の巻取り運転制御装置 - Google Patents

紡機の巻取り運転制御装置

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JP2000303270A
JP2000303270A JP11109493A JP10949399A JP2000303270A JP 2000303270 A JP2000303270 A JP 2000303270A JP 11109493 A JP11109493 A JP 11109493A JP 10949399 A JP10949399 A JP 10949399A JP 2000303270 A JP2000303270 A JP 2000303270A
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聖 大森
Kazuya Murata
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能理 藤井
Kazuo Seiki
和夫 清木
Motohiro Kawai
基宏 河合
Noriaki Miyamoto
紀明 宮本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 1台の機台で種々の糸種に対して適正な状態
でかつ高速で巻き取りを行うことを可能にする。 【解決手段】 スピンドルレール4はロッドの上部に固
定され、精紡機機台の長手方向に沿って配設された駆動
軸8の回転に伴い、ロッドのスクリュー部5aが螺合し
たナット体7を介してリングレール18及びラペット昇降
系と独立して昇降される。CPU30はリングレール18を
所定のチェイス長で昇降させながら、その昇降範囲を順
次上昇させて巻取りを行うように主モータM及びサーボ
モータ24を制御する。リングレール18の昇降範囲が所定
の高さに達した後、CPU30はリングレール18の昇降範
囲を一定にして、スピンドルレール4を下降させながら
巻取りを行うようにサーボモータ9,24を制御する。ス
ピンドルレール4の下降開始時期は入力装置33により入
力された紡出条件に基づいて設定される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はリング上を走行する
トラベラを介してボビンに糸を巻き取るリング精紡機、
リング撚糸機等の紡機の巻取り運転制御装置に係り、詳
しくはスピンドルレールをリングレール及びラペット昇
降系と独立して昇降可能に構成し、巻取り運転時にリン
グレールを所定のチェイス長で昇降させながらその昇降
範囲を順次上昇させて巻取りを行い、リングレールの昇
降範囲が所定の高さに達した後、リングレールの昇降範
囲を一定にするとともにスピンドルレールを下降させな
がら巻取りを行う紡機の巻取り運転制御装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】リング精紡機においては、図11に示す
ように、フロントローラ71から送り出された糸Yが、
図示しないラペットアングルに支持されたラペット72
に固定されたスネルワイヤ73と、アンチノードリング
(バルーンコントロールリング)74と、リングレール
75に固定されたリング76上を走行するトラベラ77
とを経て、スピンドル78と一体に回転するボビンBに
巻き取られる。アンチノードリング74はスネルワイヤ
73とトラベラ77間の糸Yのバルーン79を規制す
る。アンチノードリング74がその効果をより良く発揮
するには、リング76からの高さに適正な値がある。
【0003】リングレール75は管糸形成のために機台
運転中に昇降運動を繰返しながら次第に上昇し、それと
同期してラペット72やアンチノードリング74も昇降
する。アンチノードリング74は紡出中にスネルワイヤ
73とトラベラ77との間で糸Yが外方にふくらんだ状
態(バルーン)が過剰になるのを抑制する。そして、バ
ルーン79が大きくなることにより隣接する錘間の仕切
り板であるセパレータとの干渉を防止したり、バルーン
79をトラベラ77が安定した状態でリング76上を滑
走するのに適した大きさに規制する。
【0004】糸が適正な状態でボビンBに巻き取られる
ためには、トラベラ77が適正な状態でリング76上を
滑走し、バルーン79が所定の範囲の大きさにあること
が必要になる。そして、そのためには、スネルワイヤ7
3とリング76との間の長さ(一次バルーン長)s及び
スネルワイヤ73とフロントローラ71のニップ点との
間の長さ(二次バルーン長)tが所定の範囲にあること
が必要になる。
【0005】一般のリング精紡機ではスピンドル78を
支持するスピンドルレール80は機台フレーム(スプリ
ングピース)の所定位置に固定されている。そして、図
11に示すように、リングレール75及びラペット72
の位置が巻き取りの進行に伴って上昇し、かつラペット
72の上昇量がリングレール75の上昇量より小さいた
め、一次バルーン長sが次第に小さくなる。また、二次
バルーン長tも次第に小さくなる。
【0006】一次バルーン長sが適正な範囲内にあれ
ば、図12(c)に示すようにバルーン79が適正な状
態となり、図12(d)に示すようにトラベラ77の姿
勢も適正な状態となる。一次バルーン長sが小さすぎる
と、図12(a)に示すようにバルーン79が小さくな
り、図12(b)に示すようにトラベラ77の姿勢も異
常な状態となる。また、一次バルーン長sが大きすぎる
と、図12(e)に示すようにバルーン79が大きくな
り過ぎ、空気抵抗が大きくなるとともに、糸Yがスネル
ワイヤ73やアンチノードリング74等の糸道部品を通
過する際の接触面積が増えて抵抗が大きくなる。その結
果、撚がフロントローラ71側へ伝達し難くなり、糸切
れが発生し易くなる。
【0007】また、二次バルーン長tが適正な範囲内に
あれば、図13(b)に示すように二次バルーン81が
適正な状態となる。二次バルーン長tが小さすぎると、
図13(a)に示すように二次バルーン81が小さくな
り、糸張力の変動に対して弾力性が乏しくなって糸切れ
が発生し易くなる。二次バルーン長tが大きすぎると、
図13(c)に示すように二次バルーン81が大きくな
り過ぎ、フロントローラ71での糸Yのニップ点が振動
して紡出安定性が低下する。
【0008】実公昭37−17128号公報には、リン
グレールを上下動させながら最適位置まで上昇させ、そ
の最適位置で上下動を繰り返させ、次いでスピンドルレ
ールを下降させて巻き取りを完了させるようにしたリン
グレール及びスピンドルレール昇降装置が提案されてい
る。この装置は図14に示すように、ブラケット82及
びスプリングピース83間に上下方向に延びるように固
定されたロッド84に対してスピンドルレール80が上
下方向に摺動可能に支承され、スピンドルレール80の
上方にスピンドルレール昇降用のバー85がスピンドル
レール80と平行に配設されている。バー85に一端が
連結されたチェーン86は所定位置に配設されたガイド
ホイール87a及びスピンドルレール80に支持された
ガイドホイール87bを経て他端がブラケット82に固
定され、バー85の長手方向への移動に伴ってスピンド
ルレール80が昇降される。
【0009】バー85は、リングレール75を昇降させ
るチェーン88の一端が連結されたリングレール昇降用
のバー89の位置を、巻取りの進行に伴って次第にリン
グレール75を上昇側へ移動させるシェーパステップ機
構90によって駆動されるように構成されている。シェ
ーパステップ機構90は、バー89の端部に設けられた
ガイドホイール91に巻き掛けられたチェーン92の一
端が連結されたレバー93を、リングレール75を上昇
させる方向へカム94を介して徐々に回動させる。
【0010】カム94が固定された駆動軸95にはドラ
ム96が固着されている。バー85の端部にはガイドホ
イール97が設けられ、一端がドラム96に連結された
チェーン98がガイドホイール97と、レバー93の先
端に設けられたガイドホイール99とに巻き掛けられる
とともに他端が所定位置に固定されたブラケット100
に固定されている。そして、カム94は駆動軸95が巻
取り開始から所定量ずつ間欠的に図14の時計回り方向
に回動されると、レバー93を所定量ずつリングレール
75を上昇させる方向に移動させる形状に形成されてい
る。また、ドラム96は、カム94の回転によるレバー
93の回動によりガイドホイール99が移動しても、バ
ー85に設けられたガイドホイール97が移動しない量
だけチェーン98を繰り出すようにその外径が設定され
ている。
【0011】また、バー89を移動させるためのチェー
ン92は、回転軸101に固着されたドラム102に他
端が連結されている。回転軸101は一方向に回転され
るカム103により駆動される駆動機構104を介して
往復回動され、カム103の1回転によりバー89が1
往復移動される。
【0012】そして、精紡機の運転時、カム94の回転
に伴ってガイドホイール91の位置が図14の左側に移
動され、リングレール75の昇降範囲が上昇される。レ
バー93に設けられたカムローラ93aがカム94のリ
フト部と当接する位置を過ぎると、カム94の回動中心
からカム面までの距離が一定になり、レバー93は図1
4に鎖線で示す位置で停止する状態となる。この状態で
はリングレール75は所定の範囲でカム103の回転に
伴って昇降される。一方、バー85に設けられたガイド
ホイール97の位置は、ドラム96の回動に伴ってチェ
ーン98が繰り出される分に対応して図14の右方向へ
移動され、スピンドルレール80が下降される。従っ
て、スピンドルレール80が固定された精紡機に比較し
て、リングレール75が最終的にフロントローラ側へ近
づく量が少なくなり、最後まで紡出中のバルーンが良好
な状態となる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】一次バルーン長sとス
ピンドル78の操業可能回転数との関係をグラフにする
と図15のようになる。図15において実線と点線とは
異なる糸種の場合を示す。図15から明らかなように、
一次バルーン長sが同じでも糸種によって操業可能回転
数が異なる。
【0014】二次バルーン長tとスピンドル78の操業
可能回転数との関係をグラフにすると図16のようにな
る。図16において実線と点線とは異なる糸種の場合を
示す。図16から明らかなように、二次バルーン長tが
同じでも糸種によって操業可能回転数が異なる。
【0015】生産性を高めるためには、精紡機の運転は
操業可能回転数が高い一次バルーン長s及び二次バルー
ン長tで行う必要がある。スピンドルレール80が一定
位置に固定された精紡機では、巻取り開始時と巻取り完
了付近とで一次バルーン長s及び二次バルーン長tの値
がかなり変化する。従って、巻取りがある程度進行した
段階でスピンドル回転数を最高回転数から減速して巻取
りを行う必要があり、その分、生産性が低下する。
【0016】また、前記のように一次バルーン長sが同
じでも糸種によって操業可能回転数が異なり、二次バル
ーン長tが同じでも糸種によって操業可能回転数が異な
る。さらに、太番手の糸を紡出する場合は細番手の糸を
紡出する場合に比較して、使用するボビンが長くなり巻
取り開始時の一次バルーン長s及び二次バルーン長tも
長くなる。スピンドルレール80が一定位置に固定され
た精紡機では、ボビンの長さが数センチ異なると、1台
の機台ではそれぞれの紡出条件に対応した所望の回転速
度で紡出することができず、それぞれ別仕様の機台が必
要であった。
【0017】実公昭37−17128号公報に開示され
た装置を使用すると、スピンドルレール80が一定位置
に固定された精紡機と異なり、巻取り完了付近まで回転
速度を最高回転数に保持することが可能になる。しか
し、この公報には長さが異なるボビンを使用する場合
や、スピンドルレール80の下降を開始する時期を紡出
条件によって変更することは何ら考慮されていない。従
って、設定されたリングレール75の昇降範囲及びスピ
ンドルレール80の巻始め位置では対応できない紡出条
件、例えば、長さが異なるボビンを使用する場合等に対
しては対応できない。
【0018】この装置ではリングレール75の最高上昇
位置及びスピンドルレール80の巻始め位置を変更する
には、カム94の形状を変更するとともにチェーン9
2,98等の長さ調整が必要になり、作業に非常に手間
が掛かり、実施は非常に難しい。従って、1台の機台で
多くの糸種に対応することができない。
【0019】本発明は前記の問題点に鑑みてなされたも
のであって、その目的は1台の機台で種々の糸種に対し
て適正な状態でかつ高速で巻き取りを行うことができる
紡機の巻取運転制御装置を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明では、スピンドルレールをリ
ングレール及びラペット昇降系と独立して昇降可能に構
成し、巻取り運転時にリングレールを所定のチェイス長
で昇降させながらその昇降範囲を順次上昇させながら巻
取りを行い、リングレールの昇降範囲が所定の高さに達
した後、リングレールの昇降範囲を一定にするとともに
スピンドルレールを下降させながら巻取りを行う紡機に
おいて、前記スピンドルレールを昇降駆動する駆動手段
と、前記スピンドルレールの下降開始時期を設定する下
降開始時期設定手段と、前記下降開始時期から前記スピ
ンドルレールが所定の下降速度で下降するように前記駆
動手段を制御する制御手段とを備えた。
【0021】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載の発明において、前記下降開始時期設定手段は前記ス
ピンドルレールの下降開始時期を、糸種及び運転時の最
高スピンドル回転速度に基づいて設定する。
【0022】請求項3に記載の発明では、請求項1又は
請求項2に記載の発明において、巻取り開始時のスピン
ドルレールの位置を設定する巻取り開始位置設定手段を
備え、制御手段はスピンドルレールを前記設定された巻
取り開始位置まで移動させるように前記駆動手段を制御
した後、巻取り運転制御を行う。
【0023】請求項4に記載の発明では、請求項1〜請
求項3のいずれか一項に記載の発明において、前記リン
グレール及びラペット昇降系はリングレールとラペット
とが独立して昇降可能に構成されている。
【0024】従って、請求項1に記載の発明では、リン
グレールは巻取り運転時に、所定のチェイス長で昇降し
ながらその昇降範囲を順次上昇するように移動され、昇
降範囲が所定の高さに達した後は一定の昇降範囲で移動
される。スピンドルレールはリングレールの昇降範囲が
前記所定の高さに達するまでは巻始め位置に保持され
る。そして、リングレールの昇降範囲が前記所定の高さ
に達した後は、駆動手段が駆動されてスピンドルレール
が所定の下降速度で下降し、リングレールの昇降範囲が
同じでもボビンに対する糸の巻付け位置は次第に上昇す
る。スピンドルレールの下降開始時期は下降開始時期設
定手段によって設定される。
【0025】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載の発明において、スピンドルレールの下降開始時期は
糸種及び運転時の最高スピンドル回転速度に基づいて設
定される。従って、糸種及びスピンドルの最高回転速度
に対応した適正な下降開始時期の設定が容易になる。糸
種とは糸の太さや繊維種を意味する。
【0026】請求項3に記載の発明では、請求項1又は
請求項2に記載の発明において、巻取り開始時のスピン
ドルレールの位置が巻取り開始位置設定手段によって設
定される。スピンドルレールが設定された巻取り開始位
置まで駆動手段により移動された後、巻取り運転が開始
される。
【0027】請求項4に記載の発明では、請求項1〜請
求項3のいずれか一項に記載の発明において、前記リン
グレールとラペットとが独立して昇降可能に構成されて
いるため、リングレールの昇降範囲とラペットの昇降範
囲を紡出条件に対応してより適正な範囲にするのが容易
になる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した一実施
の形態を図1〜図8に従って説明する。図1に示すよう
に、ドラフトパートを構成するフロントローラ1の回転
軸1aの端部に歯車2が嵌着されている。回転軸1aは
歯車2と、主モータMにより回転駆動されるドライビン
グシャフト3との間に配設された歯車列(図示せず)を
介して回転駆動されるようになっている。歯車2の近傍
にはフロントローラ1の回転に対応してパルス信号を出
力するセンサS1が配設されている。センサS1はフロ
ントローラ1の回転速度を検出する回転速度検出手段と
しての役割と、紡出量を検出する紡出量検出手段として
の役割とを果たす。
【0029】スピンドルレール4は昇降可能に構成され
ている。図2に示すように、スピンドルレール4は下部
側にスクリュー部5aが形成されたロッド5の上部に、
ブラケット4aを介して固定されている。スクリュー部
5aは機台フレーム6の所定高さ位置に図示しない支持
部材を介して回転可能に支持されたナット体(ボールナ
ット)7に螺合している。ロッド5及びナット体7は複
数(1個のみ図示)設けられ、ナット体7の外周にはね
じ歯車7aが一体に形成されている。ねじ歯車7aは精
紡機機台の長手方向に沿って配設された駆動軸8に設け
られたねじ歯車8aと噛合している。駆動軸8はサーボ
モータ9により正逆回転駆動され、駆動軸8の正転時に
スピンドルレール4がロッド5と共に上昇移動され、駆
動軸8の逆転時にスピンドルレール4がロッド5と共に
下降移動される。なお、ドラフトパート及びスピンドル
レール4は精紡機機台の左右両側に配設されているが、
図では片側のみ示している。ロッド5、ナット体7、駆
動軸8及びサーボモータ9がスピンドルレール4を昇降
駆動する駆動手段を構成する。
【0030】図4に示すように、スピンドルレール4に
回転可能に所定ピッチで支持されたスピンドル10は、
ドライビングシャフト3に固定されたチンプーリ11
と、左右のスピンドルレール4間に固定された支持プレ
ート12に支持されたガイドプーリ13a,13bと、
左右2本ずつ合計4本のスピンドル10と、スピンドル
レール4より上方に配設されたテンションプーリ14と
の間に巻き掛けられたスピンドルテープ15を介して回
転駆動されるようになっている。フロントローラ1及び
スピンドル10は、フロントローラ1からのフリースの
送り出し量(紡出量)と、スピンドル10に嵌着された
ボビンBによる糸巻取り量とが常に同量となるように回
転される。両者の比は紡出条件(撚数)に対応して設定
されている。主モータMにはインバータ16を介して駆
動される可変速モータが使用されている。
【0031】フロントローラ1から送り出された糸Y
は、ラペット17に取付けられたスネルワイヤ17aを
経て、リングレール18に固定されたリング18a上を
摺動するトラベラ19に導かれるようになっている。リ
ングレール18及びラペット17をスピンドルレール4
と独立して昇降させる昇降系を構成するリフティング装
置は、ラインシャフト20を介してリングレール18及
びラペット17を昇降動させるようになっている。
【0032】ラインシャフト20は精紡機機台の長手方
向に沿って配設され、所定間隔でねじ歯車21(図3に
図示)が一体回転可能に嵌着されている。機台フレーム
6にはラインシャフト20のねじ歯車21と対応する位
置に、それぞれ一組のナット体(ボールナット)22,
23が図示しない支持部材を介して回転可能に支持され
ている。図3に示すように、一組のナット体22,23
はラインシャフト20に沿って並んで配設され、一方の
ナット体22の外周にはねじ歯車21と噛合するねじ歯
車22aが一体に形成され、他方のナット体23の外周
にはねじ歯車22aと噛合するねじ歯車23aが一体に
形成されている。ラインシャフト20はサーボモータ2
4により駆動され、回転速度及び回転方向が自由に変更
可能となっている。
【0033】リングレール18を支持する複数のピラー
25(図では1本のみ図示)は上下方向に移動可能に機
台フレームに支承されるとともに、その下部側にナット
体22に螺合するスクリュー部25aが形成されてい
る。ナット体23にはラペット17が取り付けられる支
持ロッド26を支持する複数のピラー27(図では1本
のみ図示)のスクリュー部27aが螺合されている。両
スクリュウ部25a,27aはねじの方向が互いに逆向
きに形成され、ナット体22,23が互いに逆方向に回
転する際にピラー25,27が同方向に移動する。ま
た、両スクリュウ部25a,27aのピッチと、ねじ歯
車22a,23aの歯数とはリングレール18及びラペ
ット17の移動量が所定の比となる値に設定されてい
る。この構成は特開平7−300728号公報に開示さ
れた装置と、基本的に同じである。
【0034】なお、図示の都合上、図1ではスピンドル
レール4の昇降用の駆動軸8をリングレール18等の昇
降用のラインシャフト20より下方に図示している。ま
た、ラペット17用のナット体23及びピラー27は図
示を省略している。
【0035】リングレール18はピラー25の上端に固
定された支持アーム18b(図2に図示)の上面に固定
されている。リングレール18はその後部側が上方へ直
角に折り曲げられて取付け部18cが形成され、取付け
部18cには各リング18aの上方に位置するように、
アンチノードリング28が支持部材28aを介して取り
付けられている。即ちこの実施の形態ではアンチノード
リング28はリングレール18と一体的に昇降動され
る。なお、図3では図示の都合上、取付け部18cの高
さを低く図示している。
【0036】主モータM及びサーボモータ9,24を制
御する制御装置29は、下降開始時期設定手段及び巻取
り開始位置設定手段を構成するとともに、制御手段とし
ての中央処理装置(以下、CPUという)30を備えて
いる。制御装置29はプログラムメモリ31、作業用メ
モリ32、下降開始時期設定手段及び巻取り開始位置設
定手段を構成する入力装置33、入力インタフェース3
4、出力インタフェース35、主モータ駆動回路36、
サーボモータ駆動回路37,38及びカウンタ39,4
0を備えている。
【0037】CPU30は出力インタフェース35及び
主モータ駆動回路36を介してインバータ16に接続さ
れている。CPU30は出力インタフェース35及びサ
ーボモータ駆動回路37を介してサーボモータ9の制御
用のサーボドライバ41に接続され、出力インタフェー
ス35及びサーボモータ駆動回路38を介してサーボモ
ータ24の制御用のサーボドライバ42に接続されてい
る。
【0038】サーボモータ9,24にはロータリエンコ
ーダ9a,24aが装備され、サーボドライバ41,4
2はロータリエンコーダ9aの出力信号に基づいてサー
ボモータ9,24をフィードバック制御する。カウンタ
39はロータリエンコーダ9a及びCPU30に電気的
に接続され、カウンタ40はロータリエンコーダ24a
及びCPU30に電気的に接続されている。カウンタ3
9,40にはアップダウンカウンタが使用され、サーボ
モータ9,24の正転時にロータリエンコーダ9a,2
4aからの出力パルスが入力されるとカウント値が増加
し、サーボモータ9,24の逆転時にロータリエンコー
ダ9a,24aからの出力パルスが入力されるとカウン
ト値が減少するように構成されている。
【0039】CPU30はプログラムメモリ31に記憶
された所定のプログラムデータに基づいて動作する。プ
ログラムメモリ31は読出し専用メモリ(ROM)より
なり、前記プログラムデータと、その実行に必要な各種
データとが記憶されている。各種データとしては紡出糸
番手及び紡出運転時の最高スピンドル回転数等の紡出条
件と満管までのリングレール18のチェイス回数との対
応データ、糸種及び最高スピンドル回転速度と巻取り運
転時のスピンドルレール4の下降開始時期との対応デー
タ、使用ボビン長と巻取り開始時のスピンドルレール4
の位置との対応データ等がある。この実施の形態ではス
ピンドルレール4の下降開始時期は紡出糸長累積即ち紡
出量で表されている。糸種及び最高スピンドル回転速度
と、巻取り運転時のスピンドルレール4の下降開始時期
との対応データは、予め試験運転によって求められ、デ
ータベースとしてプログラムメモリ31に記憶されてい
る。なお、糸種とは紡出糸の太さ、繊維種(原料、繊維
長の違い)を意味する。
【0040】作業用メモリ32は読出し及び書替え可能
なメモリ(RAM)よりなり、入力装置33により入力
されたデータやCPU30における演算処理結果等を一
時記憶する。作業用メモリ32はバックアップ電源(図
示せず)を備えている。
【0041】入力装置33は紡出糸番手、繊維種(原
料)、紡出運転時の最高スピンドル回転数、紡出長、リ
フト長、チェイス長、使用ボビン長等の紡出条件データ
の入力に使用される。
【0042】CPU30は入力インタフェース34を介
してセンサS1及びロータリエンコーダ24aと接続さ
れている。CPU30はセンサS1からの出力信号に基
づいて紡出量を演算する。CPU30はロータリエンコ
ーダ24aの出力信号に基づいてリングレール18の移
動方向、即ち上昇か下降かを認識する。CPU30はカ
ウンタ39のカウント値に基づいてスピンドルレール4
の位置を認識し、カウンタ40のカウント値に基づいて
リングレール18の位置を認識する。
【0043】次に前記のように構成された装置の作用を
説明する。図5は巻取り開始時におけるスピンドルレー
ル4の位置が従来装置と同じ位置に設定された場合の紡
出糸長累積量とリングレール18等の位置との関係を説
明する図であり、図6は巻取り使用ボビンBを長くする
とともに、巻取り開始時の一次バルーン長s及び二次バ
ルーン長tを共に図5の場合より大きくした場合の紡出
糸長累積量とリングレール18等の位置との関係を説明
する図である。また、図7は図5に対応する紡出糸長累
積量とスピンドル回転数との関係を示す図であり、図8
は図6に対応する紡出糸長累積量とスピンドル回転数と
の関係を示す図である。
【0044】紡機機台の運転に先立って、まず、紡出糸
番手、繊維種、紡出運転時の最高スピンドル回転数、紡
出長、リフト長、チェイス長、ボビン長等の紡出条件デ
ータが入力装置33により入力される。
【0045】CPU30は入力装置33によって入力さ
れた紡出条件から、巻取り開始時のスピンドルレール4
の位置をデータベース基づいて選択あるいは演算し、巻
取り運転に先だってサーボモータ9を駆動させてスピン
ドルレール4を紡出条件に対応した所定位置に移動させ
る。また、CPU30は巻取り運転時のスピンドルレー
ル4の下降開始時期をデータベースから選択、あるいは
演算して設定し、作業用メモリ32に記憶させる。
【0046】次にCPU30は作業用メモリ32に記憶
された紡出条件に従って、サーボモータ24を主モータ
Mと同期して駆動制御する。主モータMの駆動によりド
ライビングシャフト3が回転され、フロントローラ1か
ら糸Yが送り出され、また、スピンドル10が回転され
る。サーボモータ24が駆動されると歯車列を介してラ
インシャフト20が回転され、ねじ歯車21,22a,
23aを介してナット体22,23が回転される。そし
て、ナット体22,23に螺合されたピラー25,27
がリングレール18等と共に上昇あるいは下降移動され
る。サーボモータ24の正転時にリングレール18等が
上昇移動され、逆転時に下降移動される。また、フロン
トローラ1から送出された糸Yはスネルワイヤ17a、
アンチノードリング28及びトラベラ19を経てボビン
Bに巻き取られる。
【0047】CPU30はロータリエンコーダ24aの
出力信号に基づいてリングレール18の移動方向を認識
し、カウンタ40のカウント値に基づいてリングレール
18の位置を認識する。そして、CPU30は、予め入
力された1チェイスの上昇量あるいは下降量と対応する
距離だけリングレール18が移動した時点でサーボモー
タ24の回転方向を変更するとともに、リングレール1
8の昇降範囲が所定量ずつ上昇するようにサーボモータ
24を駆動制御する。糸Yの紡出量が所定の設定値に達
するまではサーボモータ9は駆動されず、スピンドルレ
ール4は所定位置に停止した状態に保持される。
【0048】CPU30はセンサS1の出力パルスに基
づいて糸Yの紡出量を演算する。そして、紡出量がスピ
ンドルレール下降開始時期に対応する値に達すると、そ
の時点からCPU30によるサーボモータ9の制御が開
始される。そして、サーボモータ9が間欠的に逆転駆動
され、スピンドルレール4が1シェーパステップ量に対
応する量ずつ間欠的に下降移動される。
【0049】一方、紡出量がスピンドルレール下降開始
時期に対応する値に達すると、サーボモータ24は、ラ
ペット17及びリングレール18の下降量が上昇量より
1シェーパステップ量ずつ少なくなるように昇降制御さ
れていたそれまでの制御と異なり、下降量と上昇量とが
同じになるように制御される。
【0050】即ち、図5又は図6に示すように、ラペッ
ト17、リングレール18及びアンチノードリング28
は巻取り開始からの紡出糸長の累積がm1又はm2にな
るまでは、次第に上昇を続けるが、紡出糸長の累積がm
1又はm2を過ぎると同じ範囲で昇降を継続する。リン
グレール18が同じ範囲で昇降を繰り返しても、スピン
ドルレール4が順次下降されることにより、ボビンBに
対する糸Yの巻取り位置は1シェーパステップずつ次第
に上昇する。
【0051】図7及び図8に実線で示すように、スピン
ドル10の回転速度(回転数)は最高回転速度に達した
後、満管まで最高回転速度に保持される。なお、点線は
スピンドルレール4が所定位置に固定された従来装置の
場合を示し、満管に達する前に最高回転速度から減速さ
れる。リングレール18がシェーパステップを行わずに
昇降する所定位置は、スピンドル10が高速回転を行っ
ても、一次バルーン長s及び二次バルーン長tが糸Yの
巻取りに適した長さとなる位置である。その結果、満管
までスピンドル10が最高回転数で回転されても巻取り
が良好に行われる。
【0052】また、図6に示す一次バルーン長s及び二
次バルーン長tが共に図5の場合より長くなった場合
は、図8に示すように、巻取り初期からスピンドル10
の回転速度を図5に対応する場合より大きくでき、スピ
ンドル10の最高回転速度も大きくなる。その結果、同
じ巻取り量に要する時間が短縮される。
【0053】この実施の形態では以下の効果を有する。 (1) スピンドルレール4の下降開始時期を設定する
下降開始時期設定手段(入力装置33、CPU30等)
により設定された下降開始時期からスピンドルレール4
が所定の下降速度で下降するように、スピンドルレール
4の駆動手段(サーボモータ9)を制御する制御手段
(CPU30)を備えている。従って、1台の精紡機機
台で種々の糸種に対して適正な状態でかつ高速で巻き取
りを行うことができる。
【0054】(2) 最高回転速度に達した巻取り回転
速度を満管時まで保持することができ、満管までの運転
時間を短縮できる。 (3) 下降開始時期設定手段はスピンドルレール4の
下降開始時期を、糸種及び運転時の最高スピンドル回転
速度に基づいて設定するため、糸種及びスピンドル10
の最高回転速度に対応した適正な下降開始時期の設定が
容易になる。
【0055】(4) 巻取り開始時のスピンドルレール
4の位置を設定する巻取り開始位置設定手段(入力装置
33、CPU30等)を備え、制御手段(CPU30)
はスピンドルレール4を設定された巻取り開始位置まで
移動させるように駆動手段(サーボモータ9)を制御し
た後、巻取り運転制御を行う。従って、使用するボビン
Bの長さを変更しても、スピンドルレール4が適正な巻
取り開始位置に移動された後、巻取り運転が開始され
る。また、巻取り開始位置の変更と下降開始時期との変
更の組み合わせで、より多くの糸種に対して適正なバル
ーン状態での巻取りが可能になる。
【0056】(5) 入力装置33により入力された紡
出条件に基づいて、スピンドルレール4の適正な巻取り
開始位置及び下降開始時期がデータベースに基づいてC
PU30により設定される。従って、スピンドルレール
4の適正な巻取り開始位置及び下降開始時期の設定が容
易になる。
【0057】(6) スピンドルレール4を昇降する駆
動手段が、モータ(サーボモータ9)により駆動される
駆動軸8と、駆動軸8に一体回転可能に設けられたねじ
歯車8aと噛合するねじ歯車7aを外周に有するナット
体7と、ナット体7に螺合するスクリュー部5aを備え
たロッド5とから構成され、リングレール18及びラペ
ット17の昇降系と完全に独立している。従って、実公
昭37−17128号公報に開示された従来装置と異な
り、スピンドルレール4の下降開始時期や巻取り開始位
置の変更が容易になる。また、スピンドルレール4をチ
ェーンとそれを案内するプーリとを使用して吊り下げ、
チェーンの端部をモータで移動させる構成に比較して、
スピンドルレール4を所定量ずつ正確に下降させること
ができる。
【0058】なお、実施の形態は前記に限定されるもの
でなく、例えば、次のように具体化してもよい。 ○ アンチノードリング28をリングレール18と一体
に昇降する構成に代えて、例えば特開平7−25892
6号公報に開示された昇降装置のように、アンチノード
リング28をリングレール18と独立して昇降させる構
成としてもよい。図9に示すように、アンチノードリン
グ28の昇降範囲及びその上昇割合はリングレール18
の昇降範囲及びそ上昇割合より小さく設定される。この
場合、リングレール18が、その昇降範囲が一定となる
所定高さまで上昇された状態において、アンチノードリ
ング28とラペット17との距離を大きくでき、より適
正なバルーン状態にコントロールできる。
【0059】○ リングレール18等の昇降装置は前記
実施の形態と同様にラインシャフト20及びナット体2
2,23等を使用する構成とし、スピンドルレール4の
昇降を実公昭37−17128号公報に開示された装置
のように、チェーン又はベルト等を使用する巻き掛け伝
動機構を介して行う構成としてもよい。例えば、スピン
ドルレール4を実公昭37−17128号公報に開示さ
れた装置のように上下方向に延びるロッドに沿って昇降
可能に支承するとともに、スピンドルレール4に支持状
態プーリを介してスピンドルレール4を支持するチェー
ン又はベルトの一端を巻取りドラムに固定する。そし
て、そのドラムをサーボモータで正逆回転駆動する構成
とする。この場合もスピンドルレール4をリングレール
18等と完全に独立して昇降できるため、スピンドルレ
ール4の下降開始時期や巻取り開始位置の変更が容易に
なる。
【0060】○ スピンドルレール4の昇降手段及びリ
ングレール18の昇降手段として、実公昭37−171
28号公報に開示された装置のように、チェーンを介し
てスピンドルレール及びリングレールを昇降させる構成
を採用してもよい。実公昭37−17128号公報に開
示された装置では、巻取り開始時のスピンドルレールの
位置を自由に設定することが実質的にできない。そこ
で、図10に示すように、スピンドルレール4を昇降さ
せるチェーン86の一端をバー85に固定する代わり
に、バー85に電動シリンダ43を固定し、そのプラン
ジャ43aにチェーン86の一端を固定する。その他の
構成は従来装置と同じである。この構成では、図10に
示す状態から電動シリンダ43を駆動させて、プランジ
ャ43aを突出させるとスピンドルレール4が下降され
る。従って、プランジャ43aの突出量の調整によりス
ピンドルレール4の巻始め位置をリングレール18と独
立して設定できる。また、下降開始時期の変更も電動シ
リンダ43を駆動することにより可能になる。
【0061】○ リングレール18とラペット17とを
独立して駆動可能に構成する。例えば、ラペット17を
支持するピラー27が螺合されるナット体23をリング
レール18用のピラー25が螺合されるナット体22と
噛合させずに、独立して回転可能に配設し、ナット体2
3を回転させるための別のラインシャフトを設ける。そ
して、そのラインシャフトを駆動するためのモータをラ
インシャフト20を駆動するサーボモータ24と別に設
けるこの場合、リングレール18の昇降範囲とラペット
17の昇降範囲を紡出条件に対応してより適正な範囲に
するのが容易になる。
【0062】○ スピンドルレール4の下降開始時期を
紡出糸長の累積で表す代わりに、巻取り開始からの精紡
機の運転時間で表したり、リングレール18やラペット
17の位置で表してもよい。運転時間で表す場合、CP
U30は巻取り開始からの運転時間が所定時間に達した
らスピンドルレール4の下降を開始させる。また、リン
グレール18やラペット17の位置で表す場合は、リン
グレール18が所定の高さに達したことをカウンタ40
のカウント値に基づいて確認した時点でスピンドルレー
ル4の下降を開始させる。
【0063】○ 入力装置33によって入力された巻取
り運転時の最高スピンドル回転速度及び糸種等から、C
PU30がスピンドルレール4の下降開始時期や巻取り
開始位置を演算する構成に代えて、それらを入力装置3
3で直接入力してもよい。この場合は入力装置33が下
降開始時期設定手段及び巻取り開始位置設定手段として
機能し、プログラムメモリ31に紡出条件とスピンドル
レール4の下降開始時期や巻取り開始位置との関係を示
すデータベースを記憶させる必要がない。
【0064】○ 巻取り運転時の最高スピンドル回転速
度及び糸種等の紡出条件と、スピンドルレール4の下降
開始時期や巻取り開始位置との関係を示すデータベース
をプログラムメモリ31に記憶させる代わりに、電池で
バックアップされたRAMに記憶させてもよい。この場
合、紡出条件とスピンドルレール4の下降開始時期や巻
取り開始位置との関係を示すデータの追加や変更が容易
となる。
【0065】○ スピンドルレール4の下降開始時期及
び下降開始時のリングレール18の昇降範囲を変更可能
に構成し、巻取り開始位置は同じとしてもよい。この場
合も従来装置に比較して1台の精紡機で種々の糸種に対
して適正な状態でかつ高速で巻き取りを行うことができ
る。
【0066】○ スピンドルレール4あるいはリフティ
ング装置の駆動用モータとして正逆回転可能なサーボモ
ータ9,24に代えて、インバータを介して変速制御さ
れる可変速モータを使用するとともに、その出力軸と駆
動軸8又はラインシャフト20との間に一対の電磁クラ
ッチの励消磁により駆動軸8又はラインシャフト20の
回転方向を変更する機構を設けてもよい。
【0067】○ ロータリエンコーダ9a,24aをサ
ーボモータ9,24や前記可変速モータに装備する代わ
りに、前記モータの回転に同期して回転する回転部であ
る駆動軸8又はラインシャフト20、あるいはモータと
駆動軸8又はラインシャフト20との間に設けられた歯
車列の回転軸に設けてもよい。
【0068】○ ドラフトパートをスピンドル駆動系と
独立して駆動する構成としてもよい。また、スピンドル
10をチンプーリ11に巻き掛けられたスピンドルテー
プ15で駆動する構成に代えて、各錘毎にスピンドル駆
動用モータを設けてもよい。この場合、スピンドルテー
プ15を使用するものより構成が簡単になる。
【0069】○ リング精紡機に限らずリング撚糸機に
適用してもよい。前記実施の形態から把握できる請求項
記載以外の発明(技術思想)について、以下にその効果
とともに記載する。
【0070】(1) 請求項1〜請求項4のいずれか一
項に記載の発明において、前記駆動手段はモータにより
駆動される駆動軸と、駆動軸に一体回転可能に設けられ
たねじ歯車と噛合するねじ歯車を外周に有するナット体
と、ナット体に螺合するスクリュー部を備えたロッドと
から構成されている。この場合、スピンドルレールをチ
ェーンとそれを案内するプーリとを使用して吊り下げ、
チェーンの端部をモータで移動させる構成に比較して、
スピンドルレールを所定量ずつ正確に下降させることが
できる。
【0071】(2) 請求項1〜請求項4のいずれか一
項に記載の発明において、アンチノードリングをリング
レールの昇降量より所定の割合で少なくなるように昇降
可能に構成する。この場合、リングレールが、その昇降
範囲が一定となる所定高さまで上昇された状態におい
て、アンチノードリングとラペットとの距離を大きくで
き、より適正なバルーン状態にコントロールできる。
【0072】
【発明の効果】以上詳述したように請求項1〜請求項4
に記載の発明によれば、1台の機台で種々の糸種に対し
て適正な状態でかつ高速で巻き取りを行うことができ
る。
【0073】請求項2に記載の発明によれば、糸種及び
スピンドルの最高回転速度に対応した適正な下降開始時
期の設定が容易になる。請求項3に記載の発明によれ
ば、使用するボビンの長さを変更しても、スピンドルレ
ールが適正な巻取り開始位置に移動された後、巻取り運
転が開始される。また、巻取り開始位置の変更と下降開
始時期との変更の組み合わせで、より多くの糸種に対し
て適正なバルーン状態での巻取りが可能になる。
【0074】請求項4に記載の発明によれば、リングレ
ールの昇降範囲とラペットの昇降範囲を紡出条件に対応
してより適正な範囲にするのが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一実施の形態の概略構成図。
【図2】 精紡機の部分概略正面図。
【図3】 リフティング装置の部分概略斜視図。
【図4】 スピンドル駆動部の部分概略斜視図。
【図5】 リングレール等の紡出糸長に対する位置変化
を示す説明図。
【図6】 同じくボビンが長い場合の説明図。
【図7】 図5に対応するスピンドル回転数と紡出糸長
の関係を示す線図。
【図8】 同じく図6に対応する線図。
【図9】 別の実施の形態のリングレール等の位置変化
を示す説明図。
【図10】 別の実施の形態の駆動系の側面図。
【図11】 リングレール等の位置変化を示す説明図。
【図12】 (a),(e)は一次バルーン異常時の巻
取り状態を示す模式図、(b)は(a)の部分拡大図、
(c)は一次バルーン正常時の巻取り状態を示す模式
図、(d)は(c)の部分拡大図。
【図13】 (a),(c)は二次バルーン異常時の巻
取り状態を示す模式図、(b)は二次バルーン正常時の
巻取り状態を示す模式図。
【図14】 従来装置の駆動系の側面図。
【図15】 一次バルーン長と操業可能回転数との関係
を示す線図。
【図16】 二次バルーン長と操業可能回転数との関係
を示す線図。
【符号の説明】
4…スピンドルレール、5…スピンドルレールの駆動手
段を構成するロッド、7…同じくナット体、8…同じく
駆動軸、9…同じくサーボモータ、17…ラペット、1
8…リングレール、30…下降開始時期設定手段及び巻
取り開始位置設定手段を構成するとともに制御手段とし
てのCPU、31…下降開始時期設定手段及び巻取り開
始位置設定手段を構成するプログラムメモリ、33…同
じく入力装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大森 聖 滋賀県大津市大江1丁目1番1号 東レ株 式会社瀬田工場内 (72)発明者 村田 和也 滋賀県大津市大江1丁目1番1号 東レ株 式会社瀬田工場内 (72)発明者 藤井 能理 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 清木 和夫 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 河合 基宏 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 宮本 紀明 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 Fターム(参考) 3F056 AA05 AB01 AC06 4L056 AA02 AA32 BE06 BE23 DA42 DA52 EB13 EB30 EC18 EC65 EC85

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スピンドルレールをリングレール及びラ
    ペット昇降系と独立して昇降可能に構成し、巻取り運転
    時にリングレールを所定のチェイス長で昇降させながら
    その昇降範囲を順次上昇させて巻取りを行い、リングレ
    ールの昇降範囲が所定の高さに達した後、リングレール
    の昇降範囲を一定にするとともにスピンドルレールを下
    降させながら巻取りを行う紡機において、 前記スピンドルレールを昇降駆動する駆動手段と、 前記スピンドルレールの下降開始時期を設定する下降開
    始時期設定手段と、 前記下降開始時期から前記スピンドルレールが所定の下
    降速度で下降するように前記駆動手段を制御する制御手
    段とを備えた紡機の巻取り運転制御装置。
  2. 【請求項2】 前記下降開始時期設定手段は前記スピン
    ドルレールの下降開始時期を、糸種及び運転時の最高ス
    ピンドル回転速度に基づいて設定する請求項1に記載の
    紡機の巻取り運転制御装置。
  3. 【請求項3】 巻取り開始時のスピンドルレールの位置
    を設定する巻取り開始位置設定手段を備え、制御手段は
    スピンドルレールを前記設定された巻取り開始位置まで
    移動させるように前記駆動手段を制御した後、巻取り運
    転制御を行う請求項1又は請求項2に記載の紡機の巻取
    り運転制御装置。
  4. 【請求項4】 前記リングレール及びラペット昇降系は
    リングレールとラペットとが独立して昇降可能に構成さ
    れている請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の紡
    機の巻取り運転制御装置。
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