JPH0790730A - 紡機における昇降体の適位置停止方法及び適位置停止装置 - Google Patents

紡機における昇降体の適位置停止方法及び適位置停止装置

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JPH0790730A
JPH0790730A JP23183793A JP23183793A JPH0790730A JP H0790730 A JPH0790730 A JP H0790730A JP 23183793 A JP23183793 A JP 23183793A JP 23183793 A JP23183793 A JP 23183793A JP H0790730 A JPH0790730 A JP H0790730A
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stop
speed
spindle
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Naoki Kojima
直樹 小島
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誠 渋谷
Hiroshi Tsuboi
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 昇降体を予め設定した停止位置にて停止させ
る設定条件を導き出す試運転を不要とする。 【構成】 リングレールとスピンドルは共に主モータの
駆動力に基づき回転駆動される。リングレールは主モー
タの駆動力に基づきほぼチェイス長Cに等しいストロー
クで昇降動される。リングレールの運転中に停止ボタン
が押下された際には、スピンドル回転数が同図に示す所
定の減速パターンを描いて減速停止するように設定され
ている。主モータを駆動制御するCPUは停止ボタンか
らの停止信号を入力すると、プログラムメモリに記憶さ
れたプログラムデータに基づきリングレールを予め設定
した停止位置PS にて停止し得る減速開始位置PX をパ
ルス値CX として演算する。CPUはリングレールの位
置を検出するカウンタ回路の計数値がパルス値CX に達
すると、主モータを同図の減速パターンにて駆動停止さ
せる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は例えばリング精紡機に配
備されたリングレール等の昇降体の適位置停止制御に係
り、詳しくは昇降体を予め設定した目標位置にて停止さ
せる紡機における昇降体の適位置停止方法及び適位置停
止装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、紡績機械におけるリング精紡機
では、機台両側に配備されたリングレールが所定ストロ
ークで昇降駆動され、フロントローラから紡出された糸
がリングレールに装着されたトラベラに案内されること
により管糸が所定形状に形成される。リングレールはリ
ング精紡機機台に配備されたリフティング装置により駆
動制御され、リングレールの昇降速度とスピンドル回転
数とが同期するように設定されている。
【0003】リングレールは管糸形成中にトラブル等が
発生した非常時に停止される。リングレールの停止位置
は、リングレールの運転再開直後における糸の巻取り具
合を考慮して適切な位置(以下、適位置という)に設定
されている。例えば、管糸形成中にリングレールを停止
する場合には、リングレールをトップ位置から所定距離
だけ下降した位置にて停止させることが運転再開直後の
糸の巻取り具合を考慮すると都合がよい。
【0004】従来、リングレールを適位置にて停止させ
る方法として、図5に示すように停止信号Sに基づきス
ピンドル回転数を所定回転数N0 まで一旦減速させ、リ
ングレールが予め設定された減速再開位置Pに達した時
点から、所定回転数N0 にあるスピンドル回転数の減速
を所定加速度で再開させていた。即ち、停止信号に基づ
き回転数NS で回転するスピンドルを所定速度勾配(所
定加速度)D1で一旦回転数N0 まで減速して回転数N
0 に保持し、リングレールが減速再開位置Pに達した時
点からスピンドル回転数の減速を再開する。そして、ス
ピンドルを回転数N0 から所定速度勾配D1でフロント
ローラを所定回転数NFBとするスピンドル回転数NF
まで減速し、さらに回転数NF から所定速度勾配D2で
停止するまで減速させることによりリングレールを予め
設定した適位置にて停止させていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、リングレー
ルの減速再開位置Pは、予めリングレールを試運転する
ことによるトライアンドエラーにより導き出されてい
た。そのため、リングレールの減速再開位置Pを決める
ためには、各種の設定条件毎に試運転を繰り返し行う必
要があった。例えば、異なるチェイス長C毎に減速再開
位置Pを設定する場合には、各チェイス長C毎にリング
レールの試運転を行う必要があった。そのため、減速再
開位置Pの設定作業が大変面倒であった。又、スピンド
ル回転数の減速パターンを変更したい場合や適位置を変
更したい場合には、新たに試運転を行う必要があった。
そのため、面倒な試運転を避けるため、減速パターンや
適位置の設定変更を安易に行うことができなかった。
【0006】本発明は前記の問題点に鑑みてなされたも
のであって、その目的は昇降体を予め設定した停止位置
にて停止させるための設定条件を導き出す試運転を行う
必要がない紡機における昇降体の適位置停止方法及び適
位置停止装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
め請求項1に記載の発明では、所定速度で移動する昇降
体を所定加速度で減速させることにより予め設定された
停止位置にて停止させる紡機における昇降体の適位置停
止方法において、前記昇降体を減速開始させる前に、予
め前記昇降体が所定加速度で減速された際に目標速度に
達する位置を予め設定した目標位置とし得る減速開始位
置を演算により求め、前記昇降体が前記減速開始位置に
到達した時点から前記昇降体を前記所定加速度で減速開
始させるようにした。
【0008】請求項2に記載の発明では、昇降体を昇降
駆動させる駆動手段と、前記昇降体の位置を検出する位
置検出手段と、所定速度で移動する前記昇降体が所定加
速度で減速して目標速度に達した位置を予め設定した目
標位置とし得る減速開始位置を演算するためのプログラ
ムデータを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶さ
れたプログラムデータに基づき前記減速開始位置を算出
する演算手段と、前記位置検出手段により前記昇降体が
前記減速開始位置に到達すると判断されると、前記所定
速度で移動する前記昇降体が前記所定加速度で前記目標
速度まで減速するように前記駆動手段を駆動制御する制
御手段とを備えた。
【0009】
【作用】上記構成により請求項1に記載の発明によれ
ば、所定速度で移動する昇降体が減速開始される前に、
予め昇降体が所定加速度で減速された際に目標速度に達
する位置を予め設定した目標位置とし得る減速開始位置
が演算により求められる。そして、昇降体が演算により
求められた減速開始位置に到達した時点から昇降体が所
定加速度で減速開始される。昇降体は目標速度にて目標
位置を経た後、所定加速度で減速して予め設定された停
止位置にて停止する。減速開始位置は演算によりその都
度求められるので、減速開始位置を決める試運転が不要
となる。
【0010】請求項2に記載の発明によれば、所定速度
で移動する昇降体が減速開始される前に、記憶手段に記
憶されたプログラムデータに基づき所定速度で移動する
昇降体が所定加速度で減速して目標速度に達した位置を
予め設定した目標位置とし得る減速開始位置が演算手段
により演算される。そして、位置検出手段に基づき昇降
体が演算手段により演算された減速開始位置に到達した
と判断されると、所定速度で移動する昇降体が所定加速
度で減速するるように駆動手段が制御装置により駆動制
御される。その結果、昇降体は目標速度にて目標位置を
経た後、所定加速度で減速して予め設定された停止位置
にて停止する。そのため、減速開始位置は演算手段によ
る演算によりその都度求められるので、減速開始位置を
決める試運転が不要となる。
【0011】
【実施例】以下、本発明をリング精紡機に具体化した一
実施例を図1〜図4に基づいて説明する。
【0012】図3に示すように、フロントローラ1はそ
の回転軸1aの一端に嵌着された被動歯車2と、駆動手
段を構成する主モータMにより回転駆動されるドライビ
ングシャフト3との間に配設された歯車列(図示せず)
を介して回転駆動されるようになっている。又、スピン
ドル4はドライビングシャフト3に固定されたチンプー
リ5との間に巻き掛けられたスピンドルテープ6を介し
て回転駆動されるようになっている。フロントローラ1
とスピンドル4はいずれも主モータMの回転力に基づい
て駆動され、フロントローラ1の紡出量とスピンドル4
の巻取量とが常に同量となるように各回転数が所定比に
設定されている。又、主モータMは制御装置CTにより
駆動手段を構成するインバータ7を介して予め設定され
た所定回転数で駆動されるようになっている。
【0013】昇降体としてのリングレール8は上下方向
に延びる複数のポーカピラー9(図3では1本のみ図
示)により所定間隔毎に支持されている。ポーカピラー
9の周面には雄ネジを有するスクリュー部9aが形成さ
れ、スクリュー部9aにはその雄ネジと螺合可能な雌ネ
ジを有するナット体10が螺合されている。ナット体1
0の下部には被動歯車10aが一体形成されている。ナ
ット体10と対応する高さにはラインシャフト11がリ
ングレール8と平行な状態で回転可能に配設され、ライ
ンシャフト11に嵌着された駆動歯車11aとナット体
10の被動歯車10aとが噛合されている。ラインシャ
フト11は切替機構12の出力軸13と歯車列(図示せ
ず)を介して作動連結されている。切替機構12の入力
軸14は歯車列(図示せず)を介してドライビングシャ
フト3と作動連結されている。
【0014】切替機構12には入力軸14と出力軸13
との間に2つの歯車列15,16が配設され、出力軸1
3には各歯車列15,16と対応する位置に電磁クラッ
チ17,18が配設されている。電磁クラッチ17,1
8は制御装置CTにより励消磁制御され、常にはいずれ
か一方のみが励磁されるようになっている。入力軸14
は励磁側の電磁クラッチ17(18)と対応する歯車列
15(16)を介して出力軸13と作動連結される。そ
して、ラインシャフト11は電磁クラッチ17の励磁状
態において正転し、電磁クラッチ18の励磁状態におい
て逆転するようになっている。リングレール8はライン
シャフト11の正逆転に基づきほぼチェイス長Cに等し
いストロークで昇降動し、その昇降位置が1昇降動毎に
シェーパステップ量ΔSずつ上方へ移動されるようにな
っている。
【0015】リングレール8の各スピンドル4と対応す
る位置にはトラベラ19を走行可能に装着するリング8
aが固定されている。フロントローラ1から紡出された
糸yはスネルワイヤ20を経た後、リングレール8と共
に昇降動するトラベラ19により案内される。そして、
トラベラ19により案内された糸がスピンドル4に嵌着
されて高速回転するボビンbに巻き取られることにより
ボビンbの下部から上部に向かって管糸が形成されるよ
うになっている。
【0016】ラインシャフト11の一端にはその回転数
を検出する位置検出手段を構成するロータリエンコーダ
21が接続され、フロントローラ1の一端にはその回転
数を検出する近接スイッチ22が接続されている。又、
機台の操作盤(図示せず)上には管糸形成中に機台の運
転を一時停止させる停止ボタン23及び管糸形成中に停
止された機台の運転を再開させる再起動ボタン24(い
ずれも図4に図示)が設けられている。
【0017】次に、適位置停止装置の電気的構成につい
て説明する。図4に示すように、制御装置CTはマイク
ロコンピュータ25を内蔵している。マイクロコンピュ
ータ25は演算手段及び制御手段としての中央処理装置
(以下CPUという)26と、作業用メモリ27と、記
憶手段としてのプログラムメモリ28と、位置検出手段
を構成するカウンタ回路29とから構成されている。作
業用メモリ27は入力データ及びCPU26における演
算処理結果等を一時記憶する読出し及び書替え可能なメ
モリ(RAM)からなり、プログラムメモリ28は制御
プログラムを記憶した読出し専用メモリ(ROM)から
なっている。CPU26はプログラムメモリ28に記憶
された制御プログラムに基づいて動作するようになって
いる。
【0018】制御装置CTは入力装置30を備え、入力
装置30により糸重量W、糸番手Ne、リフト長Lt、
チェイス長C等のデータが入力され、これらの入力デー
タは作業用メモリ27に記憶されるようになっている。
作業用メモリ27に記憶された入力データW,Ne,L
t,C等に基づきリングレール8の各昇降動におけるト
ップ位置に対応するパルス値CU と、ボトム位置に対応
するパルス値CL と、管糸の全巻取糸長に相当する生産
糸長LBとがCPU26により演算され、機台運転開始
前に予めカウンタ回路29にプリセットされるようにな
っている。
【0019】エンコーダ21及び近接スイッチ22は入
力インターフェイス31を介してカウンタ回路29と接
続され、それぞれラインシャフト11、フロントローラ
1の回転数に応じたパルス数を持つパルス信号が検出信
号としてカウンタ回路29に出力されるようになってい
る。カウンタ回路29はエンコーダ21からのパルス信
号のパルス数を計数値C1として計数するとともに、近
接スイッチ22からのパルス信号のパルス数及びその単
位時間当たりのパルス数をそれぞれ計数値C2,C3と
して計数するようになっている。計数値C1はリングレ
ール8の1昇降動すなわち1ダブルストロークが完了す
る度にリセットされ、計数値C3は所定時間毎に逐次更
新されるようになっている。カウンタ回路29は計数値
C1がパルス値CU またはパルス値CL に達する度にそ
れぞれ反転信号RS1,RS2をCPU26に出力し、
計数値C2が生産糸長LBと対応する値に達するとCP
U26に満管信号FSを出力するようになっている。
又、停止ボタン23及び再起動ボタン24は入力インタ
ーフェイス31を介してCPU26と接続され、停止ボ
タン23の押下に基づく停止信号SSと再起動ボタン2
4の押下に基づく再起動信号MSとがCPU26に出力
されるようになっている。
【0020】又、CPU26は出力インターフェイス3
2を介して主モータ駆動回路33及び電磁クラッチ励消
磁回路34と接続されている。CPU26はカウンタ回
路29からの反転信号RS1,RS2に基づき電磁クラ
ッチ励消磁回路34に励消磁切換信号S1,S2を出力
して電磁クラッチ17,18を励消磁制御するようにな
っている。即ち、CPU26は励消磁切換信号S1を出
力することにより電磁クラッチ励消磁回路34を介して
電磁クラッチ17を励磁状態とし、励消磁切換信号S2
を出力することにより電磁クラッチ励消磁回路34を介
して電磁クラッチ18を励磁状態とするようになってい
る。
【0021】停止ボタン23が押下された際のリングレ
ール8の停止位置PS は、図1に示すようにリングレー
ル8がトップ位置から所定距離L0 だけ下降した位置に
設定されている。CPU26は停止ボタン23からの停
止信号SSを入力すると、プログラムメモリ28に記憶
されたプログラムデータに基づきリングレール8を停止
位置PS にて停止し得るリングレール8の減速開始位置
X をパルス値CX として演算する。そして、カウンタ
回路29の計数値C1がパルス値CX に達すると、CP
U26は主モータ駆動回路33にモータ停止信号TS1
を出力してスピンドル回転数が図1に示す減速パターン
を描くように主モータMを駆動停止させるようになって
いる。即ち、スピンドル回転数は、図1に示すように停
止ボタン23の押下時のスピンドル回転数NS からフロ
ントローラ1の回転数NFBに対応するスピンドル回転
数NF まで加速度α1で減速され、さらにスピンドル回
転数NF から停止まで加速度α2で減速される。又、再
起動ボタン24の押下に基づきCPU26に再起動信号
MSが出力されると、CPU26から主モータ駆動回路
33にモータ駆動信号KSが出力されて主モータMの駆
動が再開されるようになっている。
【0022】一方、満管時におけるリングレール8の停
止位置は、図2に示すように管糸の巻取開始位置より所
定距離だけ下方に位置するボトムバンチ形成位置Dに設
定されている。CPU26は満管信号FSが入力される
と、プログラムメモリ28に記憶されたプログラムデー
タに基づきリングレール8をトップ位置にて目標速度V
F とし得る減速開始位置PY をパルス値CY として演算
する。目標速度VF はスピンドル回転数NF におけるリ
ングレール移動速度である。そして、カウンタ回路29
の計数値C1がパルス値CY に達すると、CPU26は
主モータ駆動回路33にモータ停止信号TS2を出力し
てスピンドル回転数が図2に示す減速パターンを描くよ
うに主モータMを駆動停止させるようになっている。即
ち、スピンドル回転数は、図2に示すように満管時のス
ピンドル回転数NS からフロントローラ1の回転数NF
Bに対応するスピンドル回転数NF まで加速度α1で減
速される。そして、リングレール8がトップバンチ形成
位置Uとボトムバンチ形成位置Dとを経由して各位置
U,Dにて所定時間ずつ保持されている間はスピンドル
回転数NF の状態で保持され、その後にスピンドル回転
数NF から加速度α2で減速されて停止されるようにな
っている。尚、トップバンチ形成位置Uからボトムバン
チ形成位置Dまで下降する間は、リングレール8はスピ
ンドル回転数N F と対応する速度VF より速い速度で移
動するようになっている。又、スピンドル回転数NS
カウンタ回路29の計数値C3を用いてCPU26によ
り演算されるようになっている。
【0023】パルス値CX ,CY は、例えば以下の演算
方法により導くことができる。まずパルス値CX につい
て説明する。減速開始位置PX は、スピンドル回転数が
図1に示す減速パターンを描いて減速した際にリングレ
ール8が停止位置PSにて速度0となるように定義され
たリングレール位置であり、パルス値CX は減速開始位
置PX を一義的に決める値である。
【0024】図1において、スピンドル回転数がNS
ら加速度α1でNF に至るまでの所要時間T1は、T1
=(NS −NF )/α1で表される。又、スピンドル回
転数がNF から加速度α2で停止するまでの所要時間T
2は、T2=NF /α2で表される。
【0025】リングレール8の上昇ストロークをL(≒
C)、下降ストロークを(L−ΔS)とすると、リング
レール上昇過程におけるスピンドル回転量nU とリング
レール下降過程におけるスピンドル回転量nD は、それ
ぞれnU =L/mU ,nD =(L−ΔS)mD となる。
ここで、mU ,mD はリングレールとスピンドル間のギ
ヤ比等で決まる比例係数である。よって、1ダブルスト
ローク中に回転するスピンドル回転量n0 は、次のよう
に表される。
【0026】 n0 =nU +nD =L/mU +(L−ΔS)mD スピンドル回転数の減速開始時から停止までの全回転量
T は、図1の斜線部の全面積に等しく次のように表さ
れる。
【0027】 nT =(NS +NF )T1/2+NF ・T2/2 =(NS +NF )(NS −NF )/2α1+NF 2
(2α2) 又、リングレール8が最後のボトム位置PB から停止位
置PS まで移動する間のスピンドル回転量ΔnE は、Δ
E =L/mU +L0 /mD であるので、減速開始時か
らリングレール8が最後のボトム位置PB に達するまで
のスピンドル回転量nB は、次のように表される。
【0028】nB =nT −ΔnE =(NS +NF )(NS −NF )/2α1+NF 2
(2α2)−L/mU −L0 /mD リングレール8は減速開始後の最初のボトム位置からス
ピンドル回転量n0 毎に1昇降動する。従って、減速開
始時から最初のボトム位置に到達するまでのスピンドル
回転量ΔnX は、スピンドル回転量nB をスピンドル回
転量n0 で割った値(nB /n0 )の小数点以下をn0
倍した値として算出される。減速開始位置PX に対応す
るパルス値CX は次のように表される。
【0029】 CX =[CL ・(n0 −ΔnX )/n0 ] …(1) 但し、記号[ ]はガウス記号で[ ]内の数値の整数
化を意味する。図1の減速条件ではΔnX =nB (∵n
B <n0 )となる。尚、(1)を導くにあたり、リング
レール8が減速開始位置PX から停止位置PS に至る間
にボトム位置を経由するとしたが、ボトム位置を経由し
ない場合、例えば減速開始位置が図1の点PX1に位置す
る場合(nT <ΔnE )には、パルス値CX は次のよう
に表される。
【0030】 CX =[CL ・(−nB )/n0 ] …(2) この(1),(2)式をプログラムメモリ28に記憶す
ればよい。次に、パルス値CY について説明する。減速
開始位置PY は、スピンドル回転数が図2に示す減速パ
ターンを描いて減速した際にリングレール8がトップ位
置PT にてスピンドル回転数NF となるように定義され
たリングレール位置であり、パルス値CY は減速開始位
置PY を一義的に決める値である。
【0031】図2において、スピンドル回転数がNS
ら加速度α1でNF に至るまでのスピンドル回転量nA
は、図2の斜線部の全面積に等しく次のように表され
る。 nA =(NS +NF )(NS −NF )/2α1 リングレール8が最後のボトム位置PB からトップ位置
T まで移動する間のスピンドル回転量ΔnG は、Δn
G =L/mU であるので、減速開始時からリングレール
8が最後のボトム位置PB に達するまでのスピンドル回
転量nC は、次のようになる。
【0032】nC =nA −ΔnG =(NS +NF )(NS −NF )/2α1−L/mU 減速開始後に最初のボトム位置に到達するまでのスピン
ドル回転量ΔnY は、スピンドル回転量nC をスピンド
ル回転量n0 で割った値(nC /n0 )の小数点以下を
0 倍した値として算出される。減速開始位置PY に対
応するパルス値C Y は次のように表される。
【0033】 CY =[CL ・(n0 −ΔnY )/n0 ] …(3) 図2の減速条件ではΔnY =nC (∵nC <n0 )とな
る。尚、(3)式を導くにあたり、リングレール8が減
速開始位置PY からトップ位置PT に至る間にボトム位
置を経由するとしたが、ボトム位置を経由しない場合、
例えば減速開始位置が図2の点PY1に位置する場合(n
A <ΔnG )には、パルス値CY は次のように表され
る。
【0034】 CY =[CL ・(−nC )/n0 ] …(4) この(3),(4)式をプログラムメモリ28に記憶す
ればよい。又、スピンドル回転数NS とパルス値CX
Y との関係を示すマップをプログラムメモリ28に記
憶し、マップを用いてパルス値CX ,CY を演算する構
成としてもよい。
【0035】次に、上記のように構成された適位置停止
装置の作用を説明する。管糸形成開始前に予め糸重量
W、糸番手Ne、リフト長Lt、チェイス長C等のデー
タが入力装置30により入力され、これらの入力データ
は作業用メモリ27に記憶される。機台運転開始前に
は、カウンタ回路29の各計数値C1〜C3はいずれも
リセットされている。又、リングレール8は巻取開始位
置にセットされている。
【0036】まず、機台運転開始に先立ちCPU26は
作業用メモリ27から糸重量W、糸番手Ne、リフト長
Lt、チェイス長C等の入力データを読み込み、これら
の入力データに基づきパルス値CU ,CL 、生産糸長L
B、シェーパステップ量ΔS等を算出する。パルス値C
U ,CL 及び生産糸長LBはカウンタ回路29にプリセ
ットされる。
【0037】その後、主モータMが駆動開始されて所定
回転数で回転する。主モータMの駆動開始に伴いリング
レール8が上昇開始するとともに、フロントローラ1及
びスピンドル4が回転を開始する。カウンタ回路29で
は計数値C1〜C3の計数が開始される。そして、計数
値C1がパルス値CU に達すると、カウンタ回路29か
らCPU26に反転信号RS1が出力され、CPU26
は反転信号RS1に基づき電磁クラッチ励消磁回路34
に励消磁切換信号S1を出力して電磁クラッチ17を励
磁させる。その結果、リングレール8はトップ位置にて
反転されて上昇運動から下降運動にする。又、計数値C
1がパルス値CL に達すると、カウンタ回路29からC
PU26に反転信号RS2が出力され、CPU26は反
転信号RS2に基づき電磁クラッチ励消磁回路34に励
消磁切換信号S2を出力して電磁クラッチ18を励磁さ
せる。その結果、リングレール8はボトム位置にて反転
されて下降運動から上昇運動に移行する。こうして電磁
クラッチ17,18が交互に励消磁されることによりリ
ングレール8はほぼチェイス長Cに等しいストロークで
昇降動し、1昇降動毎にその上昇開始位置をシェーパス
テップ量ΔSずつ上方に移動する。
【0038】例えば、機台運転中に停止ボタン23が押
下されると、CPU26は停止ボタン23からの停止信
号SSに基づきカウンタ回路29の計数値C3を読み込
んでパルス値CX を演算する。即ち、CPU26はカウ
ンタ回路29から読み込んだ計数値C3からその時点に
おけるスピンドル回転数NS を演算し、スピンドル回転
数NS を用いてプログラムメモリ28に記憶されたプロ
グラムデータに基づきリングレール8を停止位置PS
て停止し得るパルス値CX を演算する。そして、カウン
タ回路29の計数値C1がパルス値CX に達すると、C
PU26から主モータ駆動回路33にモータ停止信号T
S1が出力される。その結果、リングレール8が減速開
始位置PX に位置する時点から、スピンドル回転数が図
1に示す減速パターンを描くように主モータMが減速さ
れる。その結果、リングレール8は図1に示すように減
速開始位置PX から所定加速度で減速しながら昇降動し
てトップ位置から所定距離L0 だけ下降した停止位置P
S にて停止する。
【0039】その後、再起動ボタン24が押下される
と、CPU26に再起動ボタン24からの再起動信号M
Sに基づき主モータ駆動回路33にモータ駆動信号MS
を出力して主モータMの駆動を再開させる。その際、リ
ングレール8はトップ位置から所定距離L0 だけ下降し
た停止位置PS から運転再開されるので、停止ボタン2
3による運転停止が管糸の形成において支障とならな
い。
【0040】そして、カウンタ回路29の計数値C2が
生産糸長LBに対応する値に達すると、カウンタ回路2
9からCPU26に満管信号FSが出力される。CPU
26は満管信号FSに基づきカウンタ回路29から計数
値C3を読み込んでパルス値CY を演算する。即ち、C
PU26はカウンタ回路29から読み込んだ計数値C3
からその時点におけるスピンドル回転数NS を演算し、
スピンドル回転数NSを用いてプログラムメモリ28に
記憶されたプログラムデータに基づきリングレール8を
トップ位置にて目標速度VF とし得るパルス値CY を演
算する。CPU26はカウンタ回路29の計数値C1が
パルス値CY に達すると、主モータ駆動回路33にモー
タ停止信号TS2を出力してスピンドル回転数が図2に
示す減速パターンを描くように主モータMを減速させ
る。その結果、リングレール8は図2に示すように減速
開始位置PY から所定加速度で減速しながら昇降動して
トップ位置PT にてスピンドル回転数NF に対応する目
標速度VF に達する。その後、リングレール8はトップ
バンチ形成位置Uとボトムバンチ形成位置Dとを経由
し、各位置U,Dにて所定時間保持されることによりト
ップバンチ及びボトムバンチが形成される。その間、ス
ピンドル4はスピンドル回転数NF で回転され、ボトム
バンチ形成後にスピンドル回転数NF から加速度α2で
減速される。そして、リングレール8はボトムバンチ形
成位置Dにて停止する。こうして管糸の形成が終了す
る。
【0041】以上詳述したように本実施例によれば、C
PU26はカウンタ29回路からの停止信号SSまたは
満管信号FSに基づきその時点におけるスピンドル回転
数N S を演算し、そのスピンドル回転数NS に対応する
減速開始位置PX ,PY をパルスCX ,CY として演算
した。そして、計数値C1がパルスCX ,CY に達する
と、主モータMを所定の減速パターンで減速させること
によりリングレール8を予め設定した停止位置PS ,D
にて停止させることを可能とした。そのため、従来装置
において、リングレールを所定の停止位置にて停止可能
な減速開始位置を求めるために行われていたリングレー
ル8の試運転を完全に無くすことができる。又、減速パ
ターンや停止位置の設定を変更しても、設定変更後の減
速開始位置は演算により簡単に求められるので、変更後
の減速開始位置を求めるために新たに試運転を行う必要
がない。そのため、必要に応じて減速パターンや停止位
置の設定をリングレールの面倒な試運転に制限されるこ
となく適宜に変更することができる。
【0042】尚、本発明は上記実施例に限定されるもの
ではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で例えば次のよ
うに変更することができる。 (1)リングレールの停止位置は停止位置PS やボトム
バンチ形成位置Dに限定されることなく適宜設定するこ
とができる。
【0043】(2)主モータMの減速パターンは、図
1,2に示した減速パターンに限定されず適宜設定する
ことができる。例えば、スピンドル回転数を時間の関数
となる加速度α(t)で曲線的に減速させる構成として
もよい。
【0044】(3)リングレール8をスピンドル4やフ
ロントローラ1を駆動する主モータMにて駆動させる構
成でなく、リングレール8をリングレール専用のリフテ
ィングモータによりスピンドル4やフロントローラ1と
同期するように駆動させる構成としてもよい。さらに、
リフティングモータを正逆転可能な可変速モータとし、
切替機構12を省いた構成としてもよい。
【0045】(4)減速開始位置PX ,PY に対応する
パルス値CX ,CY の演算方法は、上記実施例に限定さ
れず、他の適宜な演算方法に変更してもよい。 (5)上記実施例では停止ボタン23からの停止信号に
基づきリングレール8を適位置PX にて停止させたが、
例えばトラブル等を検出するセンサからの非常停止信号
に基づきリングレール8を適位置にて停止させる構成と
してもよい。
【0046】(6)上記実施例ではパルス値CX ,CY
の演算においてシェーパステップ量ΔSを考慮したが、
パルス値CX ,CY の精度が確保されれば、シェーパス
テップ量ΔSを考慮しなくてもよい。
【0047】(7)本発明をリング精紡機以外の例えば
リング撚糸機等の紡機に適用してもよい。
【0048】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、昇
降体を予め設定した停止位置にて停止させるための設定
条件を導き出す試運転を行う必要がないという優れた効
果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した一実施例において途中停止
時の機台運転停止過程におけるリングレールの位置とス
ピンドル回転数との時間的変化を示すグラフである。
【図2】満管停止時の機台運転停止過程におけるリング
レールの位置とスピンドル回転数との時間的変化を示す
グラフである。
【図3】リフティング装置の構成を示す模式図である。
【図4】適位置停止装置の電気的構成を示すブロック図
である。
【図5】従来技術において機台運転停止過程におけるリ
ングレールの位置とスピンドル回転数との時間的変化を
示すグラフである。
【符号の説明】
8…昇降体としてのリングレール、7…駆動手段を構成
するインバータ、21…位置検出手段を構成するロータ
リエンコーダ、26…演算手段及び制御手段としてのC
PU、28…記憶手段としてのプログラムメモリ、29
…位置検出手段を構成するカウンタ回路、M…駆動手段
を構成する主モータ。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定速度で移動する昇降体を所定加速度
    で減速させることにより予め設定された停止位置にて停
    止させる紡機における昇降体の適位置停止方法におい
    て、 前記昇降体を減速開始させる前に、予め前記昇降体が所
    定加速度で減速された際に目標速度に達する位置を予め
    設定した目標位置とし得る減速開始位置を演算により求
    め、前記昇降体が前記減速開始位置に到達した時点から
    前記昇降体を前記所定加速度で減速開始させる紡機にお
    ける昇降体の適位置停止方法。
  2. 【請求項2】 昇降体を昇降駆動させる駆動手段と、 前記昇降体の位置を検出する位置検出手段と、 所定速度で移動する前記昇降体が所定加速度で減速して
    目標速度に達した位置を予め設定した目標位置とし得る
    減速開始位置を演算するためのプログラムデータを記憶
    する記憶手段と、 前記記憶手段に記憶されたプログラムデータに基づき前
    記減速開始位置を算出する演算手段と、 前記位置検出手段により前記昇降体が前記減速開始位置
    に到達したと判断されると、前記所定速度で移動する前
    記昇降体が前記所定加速度で前記目標速度まで減速する
    ように前記駆動手段を駆動制御する制御手段とを備えた
    紡機における昇降体の適位置停止装置。
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