JP3474257B2 - 内燃機関用の空気フィルタ - Google Patents

内燃機関用の空気フィルタ

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JP3474257B2 JP09634594A JP9634594A JP3474257B2 JP 3474257 B2 JP3474257 B2 JP 3474257B2 JP 09634594 A JP09634594 A JP 09634594A JP 9634594 A JP9634594 A JP 9634594A JP 3474257 B2 JP3474257 B2 JP 3474257B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は，ケーシングと，このケ
ーシング内に配置されているフィルタ挿入体と，清浄空
気出口と，少なくとも１つの未清浄空気入口とを有して
いる内燃機関用の空気フィルタに関する。
【０００２】
【従来の技術】自動車用の内燃機関の空気フィルタにお
いては，未清浄空気の入口は，たいていは低温空気が支
障なく流入する範囲内に配置されている。したがって未
清浄空気入口は，通常は自動車の空調クーラのグリルの
背後あるいは泥除けの範囲に設けられている。ところ
で，降雪量の多い地方では，ドライブの際に激しい降雪
又は吹雪のために，未清浄空気と一緒に雪が吸い込ま
れ，この雪がフィルタ挿入体に付着し，場合によっては
フィルタ挿入体を詰まらせることが判明した。フィルタ
挿入体が詰まると，内燃機関が停止する。
【０００３】更に，内燃機関が停止すると，空気フィル
タ挿入体に付着している雪が溶けて，氷層を形成し，こ
の氷層が内燃機関への空気の供給を遮断し，これによっ
て内燃機関の始動を阻止するという欠点がある。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の課題
は，空気フィルタ挿入体に雪が付着することを効果的に
防止することである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に，本発明の構成によれば，最初に述べた形式の内燃機
関用の空気フィルタにおいて，未清浄空気の吸気管がふ
るいケージを備えており，未清浄空気のための別の吸気
管が設けられていて，この，別の吸気管はフラップを有
しており，このフラップは，通常は別の吸気管を閉じて
いるが，空気フィルタケーシング内に負圧が生じると，
この負圧の作用で開くようになっており、フラップとふ
るいケージとは互いに次のように、即ちフラップを介し
て流入した暖められている空気が、ふるいケージに付着
した雪を暖めて溶かし、これによって吸気管が開通し，
再び新気が吸気管を介して吸い込まれるように配置され
ている。
【０００６】
【発明の効果】本発明の重要な利点は，ふるいケージと
付加的な未清浄空気入口とを組み合わせ，ふるいケージ
に雪が付着して，空気フィルタケーシング内に特定の負
圧が生じると，付加的な未清浄空気入口が開くことであ
る。この場合，付加的な未清浄空気入口は雪のない空気
を吸い込むように配置されている。雪のない空気は通常
の場合，内燃機関の排気エルボウ管の範囲若しくは空調
クーラケーシングの背後などに存在している。この付加
的な未清浄空気入口によって，暖かい吸い込み空気が供
給されると，ふるいケージによってとどめられている雪
が溶け，第１の未清浄空気入口が再び機能し得るように
なる。
【０００７】本発明の有利な実施態様では，ばね負荷さ
れたフラップを使用する場合に，ばねは円筒コイルばね
であって，両端部に脚部を有しており，一方の脚部はケ
ーシングに不動に設けられているばね受けに支えられて
いるのに対し，他方の脚部はウェブを介してフラップ中
央部に力を作用させる。このようなばねの利点は，組み
立てが極めて簡単なことである。このばねはたんにその
保持部にはめ込めばよく，ばねを引っ掛けて取り付けた
り，付加的な取り付け手段を必要としたりすることはな
い。
【０００８】別の実施態様ではフラップの取り付けを簡
単に行うことができる。この場合フラップは軸を有して
おり，この軸は一方の端部を，互いに軸方向でずらされ
ている軸受け半部を有する軸受け内に押し込むことがで
き，かつ他方の端部を，半径方向に開いた軸受け内には
め込むことができる。この場合においても，別の取り付
け手段は必要でない。フラップ機構全体は未清浄空気入
口内に取り付けておくことができ，あるいは未清浄空気
入口の一部とすることができる。この場合においても，
適当な係止手段あるいはスナップ結合手段があれば，付
加的な組み立て補助手段は必要でない。
【０００９】本発明の別の実施態様では，ふるいケージ
はプラスチックリングを備えていて，このプラスチック
リングが未清浄空気入口に係止されて固定される。
【００１０】別の未清浄空気入口を閉じるフラップは，
ばね負荷されていてもよいし，重りで負荷されていても
よい。重要なことは，重りの重量若しくはばね力を空気
フィルタケーシング内に生ずる最大負圧に調和させ，フ
ラップが確実に開かれるようにすることである。
【００１１】ふるいケージのふるいのメッシュの大きさ
はほぼ０.２mm にするのが有利であると判明した。この
メッシュの大きさによって，もっとも細かい雪粒子若し
くは雪結晶でも効果的に通過を阻止することができる。
【００１２】これらの特徴及び別の特徴は請求項２〜１
２及び以下の記載並びに図面から明らかである。本発明
の個々の特徴は任意に組み合わせることもできる。
【００１３】
【実施例】以下においては，図面に示した実施例に基づ
いて，本発明の構成を具体的に説明する。
【００１４】図１において，空気フィルタケーシング１
０内に空気フィルタ挿入体１１が配置されており，この
空気フィルタ挿入体はジグザグ形に折り畳まれたフィル
タ紙から成っており，シール部材１２によってシールさ
れて，空気フィルタケーシング１０内の取り付け箇所に
取り付けられている。
【００１５】空気フィルタ挿入体１１は清浄空気室１３
を未清浄空気室１４から分離している。清浄空気室１３
は接続短管１５を備えている。この接続短管１５を経
て，清浄にされた空気が図示していない内燃機関に流れ
る。未清浄空気室１４内には第１の吸気管１６があり，
この吸気管を通って燃焼空気（低温空気）がフィルタ装
置に供給される。
【００１６】吸気管１６は，未清浄空気室に向いた開放
端部にふるいケージ１７を備えている。このふるいケー
ジ１７のふるいは，０.２〜０.３mm の大きさのメッシ
ュを有しており，雪若しくは氷結晶の通過を阻止する。
このふるいケージの内面に多量の雪が付着すると，ふる
いは必然的に詰まる。したがって，この吸気管１６から
空気を吸い込むことはもはやできない。
【００１７】したがって，別の吸気管１８が設けられて
いる。この吸気管の入口は自動車のエンジンルーム内の
雪のない箇所にある。この箇所は，例えば排気エルボウ
管の範囲あるいは空調クーラケーシングのすぐ背後その
他の雪のない箇所であり，空調クーラケーシングの背後
に配置する場合には，入口面がクーラ面に対して直角に
なるようにする。この，別の吸気管１８は，未清浄空気
室の方の開口をフラップ１９によって閉じられている。
フラップ１９はばね負荷されていてもよいし，重りで負
荷されていてもよいし，あるいは適当な電子工学手段に
よって負荷されていてもよい。図１においては，このフ
ラップは重り２０を備えており，ちょう番２１によって
旋回可能に支承されている。ばね負荷されているフラッ
プの場合には，ばねはちょう番２１の中にある。ふるい
ケージ１７が雪あるいは雪結晶によって詰まると直ち
に，内燃機関の吸い込み作用によって清浄空気側の吸気
管内に負圧が生じ，この負圧は未清浄空気側若しくは未
清浄空気室１４に伝わる。したがってこの負圧によって
フラップ１９が開き，今や別の吸気管１８を通って燃焼
空気が流入することができる。この燃焼空気が暖められ
ていれば，ふるいケージ内に付着している雪が溶けて，
吸気管１６が開通し，再び吸気管１６を経て新気を吸い
込むことができる。これによって未清浄空気室内の負圧
がなくなり，フラップ１９は再び閉じる。重り２０若し
くは，ばね負荷されているフラップのばね力は，フラッ
プを開くのに必要な負圧が許容可能な特定の値を越える
ことがないように，選定される。
【００１８】吸気系統の変化例は図２に示されている。
図２においては空気フィルタケーシング１０は平面図で
示されている。空気フィルタケーシングは清浄空気のた
めの接続短管１５と，未清浄空気のための接続管２２と
を備えている。未清浄空気の接続管２２は分岐してい
て，ふるいケージ１７を備えている吸気管１６と，別の
吸気管１８とに通じている。
【００１９】別の吸気管１８は，自動車の空調クーラ２
３のすぐ背後に配置されている。この吸気管１８はばね
負荷されたフラップ２４によって通常は閉じられてい
る。雪結晶又は氷結晶がふるいケージ１７を詰まらせる
と直ちに，空気フィルタケーシング内に生ずる負圧によ
ってフラップ２４が開き，暖かい空気が吸気管１８を通
って吸い込まれる。
【００２０】図３の詳細図に示されているフラップ２４
は，図示していない吸気管を閉じている。このフラップ
２４は軸２５を介して空気フィルタケーシングに取り付
けられている。軸２５は左側端部を，互いに軸方向でず
らされている軸受け半部を有する軸受け２６内に差し込
まれており，かつ右側端部を，半径方向上方に向かって
開いている軸受け２７内に上方からはめ込まれている。
下方の軸受け半部が右側に，かつ上方の軸受け半部が左
側にある軸受け２６は，軸を取り付け状態の軸線から傾
斜した方向に差し込むことができるという利点を有して
いる。フラップ２４はプラスチック射出成形品であり，
中央にリブ３５を有している。
【００２１】図４に示すように，円筒コイルばね２８の
一方のばね脚部２９はリブ３５に支えられており，フラ
ップ２４に閉鎖力を作用させている。円筒コイルばね２
８の他方のばね脚部２９はケーシングに不動に設けられ
ている保持部分３０に支えられている。円筒コイルばね
２８は組み立ての際に，両方の支承脚部の間に挿入さ
れ，突起３１及び３２によって挿入位置に保持される。
フラップ機構全体は独立部品として取り付けることがで
き，図示していない未清浄空気入口に適合可能である。
円筒コイルばねは，図３に示すように，両方の軸受け半
部が軸方向でずらされている軸受け２６の近くに配置さ
れている。これによって，軸受け２７へのてこ腕が長く
なり，軸受け２７にはばね作用に基づくわずかな横方向
力が作用せしめられる。軸２５内の円筒コイルばねの受
容箇所は開いたＵ字形である。この受容箇所はリブで補
強しておくことができ，若しくは図４に示すように，底
３４によって閉じておくことができる。これによって軸
２５の安定性が増大し，円筒コイルばねの取り付け室が
確定される。
【図面の簡単な説明】
【図１】複式の吸気系統を有する空気フィルタを示した
図である。
【図２】吸気系統の変化例を示した図である。
【図３】ばね負荷されたフラップの詳細図である。
【図４】図３の，ばね負荷されたフラップの側面図であ
る。
【符号の説明】
１０ 空気フィルタケーシング， １１ 空気フィルタ
挿入体， １２ シール部材， １３ 清浄空気室，
１４ 未清浄空気室， １５ 接続短管， １６ 吸気
管， １７ ふるいケージ， １８ 吸気管， １９
フラップ， ２０ 重り， ２１ ちょう番， ２２
接続管， ２３ 空調クーラ， ２４フラップ， ２５
軸， ２６及び２７ 軸受け， ２８ 円筒コイルば
ね，２９ ばね脚部， ３０ 保持部分， ３１及び３
２ 突起， ３３ フラップ機構， ３４ 底， ３５
リブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ハインツ ミュラー ドイツ連邦共和国 レムゼック コンブ ルクヴェーク ４ (72)発明者 マリオ リーガー ドイツ連邦共和国 フライベルク マル バッハー シュトラーセ 12 (56)参考文献 特開 昭51−105515（ＪＰ，Ａ) 実開 昭55−172648（ＪＰ，Ｕ) 特公 昭36−15493（ＪＰ，Ｂ１) 米国特許1853496（ＵＳ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) F02M 35/08 F02M 35/024

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 ケーシングと，このケーシング内に配置
    されているフィルタ挿入体と，清浄空気出口と，少なく
    とも１つの未清浄空気入口とを有している内燃機関用の
    空気フィルタにおいて，未清浄空気の吸気管（１６）が
    ふるいケージ（１７）を備えており，未清浄空気のため
    の別の吸気管（１８）が設けられていて，この，別の吸
    気管はフラップ（１９）を有しており，このフラップ
    は，通常は別の吸気管（１８）を閉じているが，空気フ
    ィルタケーシング（１０）内に負圧が生じると，この負
    圧の作用で開くようになっており、フラップ（１９）と
    ふるいケージ（１７）とは互いに次のように、即ちフラ
    ップ（１９）を介して流入した暖められている空気が、
    ふるいケージ（１７）に付着した雪を暖めて溶かし、こ
    れによって吸気管（１６）が開通し，再び新気が吸気管
    （１６）を介して吸い込まれるように配置されているこ
    とを特徴とする，内燃機関用の空気フィルタ。
  2. 【請求項２】 フラップ（１９）が重りで負荷されたフ
    ラップであることを特徴とする，請求項１記載の空気フ
    ィルタ。
  3. 【請求項３】 フラップ（１９）がばね負荷されている
    ことを特徴とする，請求項１記載の空気フィルタ。
  4. 【請求項４】 ふるいケージ（１７）のふるいのメッシ
    ュの大きさが０.２〜０.５mm であることを特徴とす
    る，請求項１から３までのいずれか１項に記載の空気フ
    ィルタ。
  5. 【請求項５】 別の吸気管（１８）が自動車のエンジン
    ルーム内に入口を有していることを特徴とする，請求項
    １から４までのいずれか１項に記載の空気フィルタ。
  6. 【請求項６】 ばねが円筒コイルばねであって，少なく
    とも１つのコイル巻き条を有しており，かつ両端部に接
    線方向に延びる脚部を有しており，これらの脚部は，ケ
    ーシングに不動に設けられているばね受けと，フラップ
    の中央に作用するウェブとによって支えられていること
    を特徴とする，請求項３記載の空気フィルタ。
  7. 【請求項７】 フラップ軸受けの少なくとも一方が，半
    径方向に開いた軸受けであって，この半径方向に開いた
    軸受け内にフラップ軸を接線方向又は半径方向に挿入可
    能であることを特徴とする，請求項６記載の空気フィル
    タ。
  8. 【請求項８】 フラップ軸受けの少なくとも一方が，互
    いに軸方向でずらされている軸受け半部を有する軸受け
    であって，この軸受け内に，フラップ軸を軸方向で斜め
    に挿入可能であることを特徴とする，請求項６記載の空
    気フィルタ。
  9. 【請求項９】 ばねによって及ぼされる力が，フラップ
    の中央に配置された補強リブによって，フラップに作用
    することを特徴とする，請求項３から８までのいずれか
    １項に記載の空気フィルタ。
  10. 【請求項１０】 軸受け装置及びフラップを強制的に閉
    じる装置を含めたフラップ機構全体がコンパクトな構造
    ユニットであり，この構造ユニットは吸気範囲に接続さ
    れているか，吸気範囲の近くに取り付けられていること
    を特徴とする，請求項１から９までのいずれか１項に記
    載の空気フィルタ。
  11. 【請求項１１】 ふるいケージが未清浄空気入口内には
    め込まれていることを特徴とする，請求項４記載の空気
    フィルタ。
  12. 【請求項１２】 ふるいケージがプラスチックリングを
    備えており，このプラスチックリングと未清浄空気入口
    とが係止部材を有していることを特徴とする，請求項１
    １記載の空気フィルタ。
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