JP3471395B2 - 低発煙性難燃性化合物 - Google Patents

低発煙性難燃性化合物

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JP3471395B2
JP3471395B2 JP31809893A JP31809893A JP3471395B2 JP 3471395 B2 JP3471395 B2 JP 3471395B2 JP 31809893 A JP31809893 A JP 31809893A JP 31809893 A JP31809893 A JP 31809893A JP 3471395 B2 JP3471395 B2 JP 3471395B2
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久尚 山本
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旭化成エポキシ株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、難燃性、低発煙性に優
れ、積層板、半導体用封止用材料、合成樹脂用難燃剤、
各種コンポジット用材料、注型品、塗料等に好適に使用
される難燃性化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年のプラスチックの利用技術の発展は
めざましく、各種構造材料、自動車部品、事務用品、F
RP、電子部品、電気機器、各種塗料、接着剤等に広く
使用されている。しかしながら、プラスチックは一般に
燃えやすい性質があるため、電気機器、電子部品、各種
構造材料等のように難燃性が要求される用途には、プラ
スチックに難燃性を付与するために各種難燃剤を添加す
るなどさまざまな工夫がなされている。現在、プラスチ
ックの難燃化技術としては、臭素のようなハロゲン含有
物質を添加したり、あるいはプラスチックの構造中に臭
素原子を導入する方法が広く利用されている。
【0003】例えば、ポリスチレンなどの合成樹脂に難
燃性を付与する場合は、臭素系難燃剤を配合する技術が
一般的に用いられている。また、エポキシ樹脂は耐熱
性、接着性等にすぐれているので、各種コンポジット材
料に使用されている。一般的なエポキシ樹脂としてはビ
スフェノールAとエピクロルヒドリンとの重縮合物であ
るビスフェノールA型エポキシ樹脂が利用されている
が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂は燃えやすい性質
を有するため、積層板用途など難燃性が求められる用途
には、樹脂骨格中に臭素原子が結合したタイプの臭素化
エポキシ樹脂が使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、臭素化
エポキシ樹脂を合成樹脂の難燃剤として使用する場合、
その成型段階で臭素化エポキシ樹脂が分解し人体に有毒
なガスが発生したり、金型およびスクリューが腐食する
などの問題がある。また、臭素化エポキシ樹脂はその樹
脂中に腐食性の高い臭素を含むために、種々の問題点を
有している。例えば、臭素化エポキシ樹脂を製造するた
めにはガラスライニング加工を施した材質の反応器な
ど、生産ラインに耐腐食性の高い材質の設備を使用する
必要が生じたりして工業的に好ましくない。
【0005】また、臭素化エポキシ樹脂を積層版に使用
する場合、積層板をプリント配線基盤に仕上げる過程で
積層板にドリルで穴(スルーホール)をあける工程を経
るが、この時、臭素を含有する腐食性のガスが発生し、
ドリルが腐食したり、作業環境が悪化するなどの問題が
ある。さらには、臭素系化合物は難燃性に優れている反
面、燃焼時に有毒なガスおよび多量の煙を発生するとい
う欠点がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意検討し
た結果、特定の化合物が上記課題を解決することを見出
し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、 1)下記一般式(I)
【0007】
【化3】
【0008】〔式中、R1,R2
【0009】
【化4】
【0010】(Y,Zは炭素数1〜10の脂肪族または
芳香族の炭化水素で同一又は互いに異種の基であり、i
およびjは0〜5の整数で、i+jは5以下を満たす)
から選ばれた同一または異種の基であり、Aは炭素数1
または2の飽和または不飽和の炭化水素であり、X1
2,X3,X4は同一又は互いに異なる、水素、炭素数
1〜10の脂肪族または芳香族の炭化水素を示し、mは
0以上の整数である。)で示される、p−フェニレン選
択率が40%以上で、エポキシ当量が163〜8000
であり、ジオール末端基含有率500meq/kg以下
であり、重量平均分子量が250000以下の低発煙性
難燃性化合物。 2)(1)一般式(I)で示される低発煙性難燃性化合
物及び、(2)硬化剤を含有することを特徴とする低発
煙性難燃樹脂組成物。 3)(1)繊維基材及び、(2)一般式(I)で示され
る低発煙性難燃性化合物を含有することを特徴とする低
発煙性難燃複合材料。 4)(1)合成樹脂100重量部、及び(2)一般式
(I)で示される低発煙性難燃性化合物5〜50重量部
を含有することを特徴とする低発煙性難燃合成樹脂組成
物である。
【0011】本発明におけるp−フェニレン選択率と
は、一般式(I)においてベンゼン核に直接結合する炭
素原子(但し、式中のX1,X2,X3およびX4に含まれ
るものを除く)と酸素原子との位置関係について、下記
の(II)式、(III)式、(IV)式で示される全構造に
対する、(II)式で示される構造の割合(モル比)を意
味する。
【0012】
【化5】
【0013】p−フェニレン選択率は高ければ高い程、
難燃性が高いため好ましく、40%以上100%以下、
好ましくは50%以上100%以下、より好ましくは6
0%以上100%以下、更に好ましくは70%以上10
0%以下、特に好ましくは80%以上100%以下、最
も好ましくは90%以上100%以下である。本発明の
低発煙性難燃性化合物の分子量は、重量平均分子量にし
て250000以下である。
【0014】重量平均分子量が250000より高い
と、該低発煙性難燃性化合物を樹脂に配合して得られる
難燃性樹脂組成物の耐衝撃性や流動性が低下し、該低発
煙性難燃性化合物を難燃性複合材料や電子部品用封止材
料に適用した場合は該低発煙性難燃性化合物を硬化させ
て得られる硬化物の耐熱性が低下したり吸水率が上昇し
たりする。また、重量平均分子量が320未満の場合
は、該低発煙性難燃性化合物を合成樹脂に配合して得ら
れる難燃性樹脂組成物の耐熱性が低下することがある。
【0015】したがって、該低発煙性難燃性化合物を合
成樹脂に配合する場合の好ましい重量平均分子量の範囲
は320以上250000以下、より好ましくは100
0以上25000以下である。難燃性複合材料や半導体
封止材料に適用した場合、一般式(I)中のm=0であ
る最小単位の低発煙性難燃性化合物でも良く、好ましい
範囲は250000以下、より好ましくは100000
以下、さらに好ましくは50000以下、特に好ましく
は25000以下である。尚、本発明の低発煙性難燃性
化合物の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロ
マトグラフィーにより、ポリスチレンを標準物質とした
検量線をもとに測定して求められる。本発明の低発煙性
難燃性化合物の合成方法については特に制限されない
が、例えばp位選択率が40%以上で一般式(V)で示
されるビスフェノール化合物と、エピクロルヒドリンで
代表されるエピハロヒドリンとを重縮合反応させて得る
ことができる。
【0016】
【化6】
【0017】〔式中、Aは炭素数1または2の飽和又は
不飽和の炭化水素であり、X1,X2は同一又は互いに異
なる水素または炭素数1〜10の脂肪族または芳香族の
炭化水素〕本発明の低発煙性難燃性化合物の具体的な合
成方法は、例えば垣内弘編著、新エポキシ樹脂(昭晃
堂、昭和60年発行、第29頁第6行目〜第31頁下か
ら第7行目)などに記載された方法のように既に公知の
エポキシ樹脂の種々の合成方法のうち、いずれの方法に
準拠しても合成することができる。その一例を示すと、
p位選択率が40%以上で一般式(V)で示されるビス
フェノール化合物を、該ビスフェノール化合物中の水酸
基に対して5倍モル当量のエピクロルヒドリンに溶解
し、水の存在下あるいは不存在下40℃ないし80℃に
保持し、該ビスフェノール化合物中の水酸基と当量のア
ルカリあるいはアルカリ水溶液を一度にあるいは15分
間ないし120分間かけて徐々に添加し、アルカリの添
加終了後、5分間ないし60分間さらに反応させた後、
水洗により副生した塩を除去し、過剰のエピクロルヒド
リンを留去することにより本発明の低発煙性難燃性化合
物を得ることができる。
【0018】また、低発煙性難燃性化合物のうち末端が
エポキシ基の該低発煙性難燃性化合物に下記のような反
応をさせることにより、より高分子量の低発煙性難燃性
化合物を合成することができる。例えば上記の方法によ
って得られた低発煙性難燃性化合物に、触媒存在下また
は不存在下で、上記の該難燃剤の原料と同一または互い
に異なる、p位選択率が40%以上または40%未満の
一般式(V)で示されるビスフェノール化合物を、生成
する難燃剤中のp−フェニレン選択率が40%以上とな
る条件を満たす配合条件で、反応させて得ることができ
る。また、この時、反応させる低発煙性難燃性化合物中
のエポキシ基とビスフェノール化合物中のフェノール性
水酸基の当量比を調整することにより任意の分子量の該
低発煙性難燃性化合物を合成でき、また、末端がエポキ
シ基のもの、あるいはフェノール性水酸基のものも合成
することができる。また、本願発明の低発煙性難燃性化
合物は、p位選択率が40%未満で一般式(V)で示さ
れるビスフェノール化合物をエピクロルヒドリンと重縮
合させて得られた樹脂に、触媒存在下または不存在下
で、p位選択率が40%以上の一般式(V)で示される
ビスフェノール化合物を、生成する低発煙性難燃性化合
物中のp−フェニレン選択率が40%以上となる条件を
満たす配合条件で、反応させることによっても得ること
ができる。
【0019】あるいは、一般に固形エポキシ樹脂の一段
法と呼ばれる方法によっても合成することができる。す
なわち、p位選択率が40%以上で一般式(V)で示さ
れるビスフェノール化合物4モルと10wt%NaOH
水溶液6.43モルとを入れ、さらに、5モルのエピク
ロルヒドリンを加えて反応させても得ることができる。
本発明におけるp位選択率とは、該ビスフェノール化合
物に含まれる下記一般式(VI)、一般式(VII)、一般
式(VIII)で示される構造のものについて、ベンセン核
に直接結合する炭素原子(但し、式中のX1及びX2に含
まれるものを除く)と水酸基との位置関係について、互
いにp位にある構造の割合を示し、一般式(VI)、一般
式(VII)、一般式(VIII)のそれぞれのモル比をa,
b,cとした場合、次式により定義される。また、一般
式(VI)、一般式(VII)、一般式(VIII)のモル比
は、該ビスフェノール化合物をキャピラリーガスクロマ
トグラフィにてFID検出器を使用して分析した時の面
積比より求めることができる。
【0020】
【数1】
【0021】
【化7】
【0022】また、該低発煙性難燃性化合物を合成樹脂
の難燃剤として使用した場合などには、末端基がエポキ
シ基の本願発明の低発煙性難燃性化合物に、例えば必要
に応じて、下記一般式(IX)で示されるフェノール化合
物と反応させることにより、合成樹脂との相溶性を向上
させ、その結果アイゾット衝撃強度を向上させることが
できる。
【0023】
【化8】
【0024】〔式中、Y,Zは炭素数1〜10の脂肪族
または芳香族の炭化水素で同一又は互いに異種の基であ
り、iおよびjは0〜5の整数で、i+jは5以下を満
たす〕 また、本発明の低発煙性難燃性化合物では、その製造工
程で用いたエピクロルヒドリンより塩素が残留する可能
性があるが、その易加水分解性塩素含有量、および全塩
素含有量の好ましい範囲は用途に応じて異なる。例え
ば、積層板あるいは電子部品用封止材料に用いる場合は
易加水分解性塩素含有量、及び全塩素含有量は低ければ
低いほど配線の腐食を生じさせることがなかったり、長
期間使用時における電気特性の低下が小さいので好まし
く、易加水分解性塩素含有量は好ましくは3000pp
m以下、より好ましくは1000ppm以下、さらに好
ましくは500ppm以下、特に好ましくは200pp
mのものが使用される。また、全塩素含有量は好ましく
は5000ppm以下、より好ましくは2000ppm
以下、さらに好ましくは1200ppm以下のものが使
用される。
【0025】また、該低発煙性難燃性化合物を合成樹脂
用難燃剤として使用する場合は、易加水分解性塩素含有
量、および全塩素含有量が低いほど成形機のスクリュー
および金型に対する腐食性が低いため好ましい。従っ
て、易加水分解性塩素は5%、以下、好ましくは1%以
下、さらに好ましくは5000ppm以下、特に好まし
くは1000ppm以下、さらに特に好ましくは500
ppm以下のものが使用される。また、全塩素含有量は
5%以下、好ましくは1%以下、さらに好ましくは50
00ppm以下、特に好ましくは1000ppmのもの
が使用される。また、本発明のジオール末端基とは、下
記一般式(X)で示される構造を言い、ジオール末端基
含有量とは低発煙性難燃性化合物1kg中に含まれるジ
オール末端基の当量数で定義される。
【0026】
【化9】
【0027】本発明の低発煙性難燃性化合物のジオール
末端基含有量の好ましい範囲は該難燃剤の用途に応じて
異なるが、例えば、積層板あるいは電子部品用封止材料
に用いる場合はその含有量が低いほどエポキシ硬化物の
難燃性が高く、また、吸水性が低く、体積抵抗率、比誘
電率などの電気特性が良好になったり、弾性率、ガラス
転移温度等の機械的強度や銅箔剥離強度が向上したりす
るなどの点で好ましく、好ましくは500meq./k
g、さらに好ましくは100meq./kg以下、特に
好ましくは60meq./kg以下、さらに特に好まし
くは30meq./kgのものが使用される。また、該
低発煙性難燃性化合物を合成樹脂用難燃剤として使用す
る場合は、ジオール末端基含有量が高すぎると合成樹脂
の難燃性や耐光性が低下したり、あるいは、該難燃剤と
合成樹脂の相溶性が悪くなり、該難燃剤を配合して得ら
れる合成樹脂のアイゾット強度が低下したりするので、
好ましくは2eq./kg、さらに好ましくは0.5e
q./kg以下、特に好ましくは0.1eq./kg以
下のものが使用される。
【0028】また、本願発明の低発煙性難燃性化合物は
一般に用いられているエポキシ樹脂と混合して用いても
良い。本発明と混合して用いることのできるエポキシ樹
脂としては、例えばビスフェノールA、ビスフェノール
F、ビスフェノールS、ビスフェノールAD、テトラメ
チルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノール
F、テトラメチルビスフェノールAD、テトラメチルビ
スフェノールS、ビフェノール、テトラメチルビフェノ
ール、ジヒドロキシナフタレン、ナフトール等の2価フ
ェノール類とエピクロルヒドリン等のエピハロヒドリン
との反応により得られるエポキシ樹脂、トリスフェノー
ルメタン等の3価フェノール類とエピクロルヒドリン等
のエピハロヒドリンとの反応により得られるエポキシ樹
脂、フェノールノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノ
ボラックエポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂等
が挙げられる。本発明の低発煙性難燃性化合物は、単独
で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いても良
い。本発明の低発煙性難燃性化合物は繊維基材と併用す
ることにより低発煙性難燃複合材料用のマトリックス用
材料としても使用することができる。
【0029】繊維基材とは、連続繊維、短繊維、パルプ
状繊維等を使用することができ、使用される繊維として
は、炭素繊維、黒鉛繊維、ガラス繊維、ガラス繊布、ガ
ラス不繊布、炭化ケイ素繊維、アルミナ繊維、チタニア
繊維、セラミック繊維、芳香族ポリアミド繊維、芳香族
ポリエステル繊維、ポリベンズイミダゾール繊維等、有
機質、無機質の繊維を例示できるが、これらに限定され
るものではない。
【0030】本発明で得られる低発煙性難燃性化合物を
難燃性複合材料や電子部品用封止材料あるいは難燃性塗
料など従来のエポキシ樹脂の通常の利用分野に使用する
場合のように硬化物にして使用する場合、使用できる硬
化剤としては、アミン系硬化剤、ジシアンジアミド、ポ
リアミノアミド系硬化剤、酸及び酸無水系硬化剤、第3
アミン類、イミダゾール類、ルイス酸、ブレンステッド
酸塩、ポリメルカプタン系硬化剤、フェノール樹脂、レ
ゾール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、イソシアネー
ト化合物、およびブロックイソシアネート化合物、ノボ
ラックフェノール類等が挙げられる。
【0031】アミン系硬化剤としては、例えば、エチレ
ンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジア
ミノプロパン、ヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメ
チルヘキサメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレ
ンジアミン、ジエチレントリアミン、イミノビスプロピ
ルアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、トリエ
チレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタ
エチレンヘキサミン、アミノエチルエタノールアミン、
トリ(メチルアミノ)ヘキサン、ジメチルアミノプロピ
ルアミン、1,3,6−トリスアミノメチルヘキサン、
ポリメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジア
ミン、ジエチレングリコールビスプロピレンジアミン、
ジエチルアミノプロピルアミン、メチルイミノビスプロ
ピルアミン、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジア
ミン等の鎖状アミンが挙げられ、また、トリス(4−ア
ミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、メンセンジ
アミン、イソホロンジアミン、ジアミノジシクロヘキシ
ルメタン、エチルアミノピペラジン、1,3,5−トリ
ス(アミノメチル)ベンゼンの水添物、アミノエチルピ
ペラジン等の環状アミンが挙げられる。
【0032】また、テトラクロロ−p−キシレンジアミ
ン、m−キシレンジアミン、p−キシレンジアミン等の
芳香環を有する脂肪族アミンがあげられ、さらに、m−
フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フ
ェニレンジアミン、2,4−ジアミノアニゾール、2,
4−トルエンジアミン、2,4−ジアミノジフェニルメ
タン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,4−
ジアミノジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノジ
フェニルスルフォン、ジアミノジキシリルスルフォン、
3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメ
タン、2,6−ジアミノピリジン、m−アミノフェノー
ル、m−アミノベンジルアミン、4−クロロ−オルトフ
ェニレンジアミン等の芳香族アミンが挙げられる。ま
た、第2,3アミンとしては例えばトリエチルアミン、
ベンジルジメチルアミン、2−(ジメチルアミノメチ
ル)フェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノ
メチル)フェノール、テトラメチルグアニジン、トリエ
タノールアミン、N,N−ジメチルピペラジン、1,4
−ジアザジシクロ(2,2,2)オクタン(トリエチレ
ンジアミン)、ピリジン、ピコリン、ピペリジン、ピロ
リジン、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール−
トリス−エチルヘキシル酸塩等が挙げられる。
【0033】ポリアミノアミド系硬化剤としては、市販
されているものとして、トーマイド(富士化成)、バー
サミド、ジエナミド(ヘンケル白水)、ラッカーマイド
(大日本インキ)、サンマイド(三和化学)、ポリマイ
ド(三洋化成)等が挙げられる。酸および酸無水物系硬
化剤としては、ドデセニル無水コハク酸、ポリアジピン
酸無水物、ポリアゼライン酸無水物、ポリセバシン酸無
水物、ポリ(エチルオクタデカン二酸)無水物、メチル
テトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フ
タル酸、無水メチルハイミック酸、ヘキサヒドロ無水フ
タル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、トリアルキルテト
ラヒドロ無水フタル酸、メチルシクロヘキセンジカルボ
ン酸無水物、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水
ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水
物、エチレングリコールビストリメリテート、無水ヘッ
ト酸、テトラブロモ無水フタル酸等が挙げられる。
【0034】第3アミン類としては、トリス(ジメチル
アミノメチル)フェノール、ジメチルベンジルアミン、
1,8−ジアザシクロ(5,4,0)ウンデカン等が挙
げられる。イミダゾール類としては、2−メチルイミダ
ゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ウ
ンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾー
ル、2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メ
チルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミ
ダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチル
イミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミ
ダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾ
リウムトリメリテート、1−シアノエチル−2−エチル
−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フ
ェニルイミダゾリウムトリメリテート、2−メチルイミ
ダゾリウムイソシアヌレート、2−フェニルイミダゾリ
ウムイソシアヌレート、2,4−ジアミノ−6−〔2−
メチルイミダゾリル−(1)〕−エチル−S−トリアジ
ン、2,4−ジアミノ−6−〔2−エチル−4−メチル
イミダゾリル−(1)〕−エチル−S−トリアジン、
2,4−ジアミノ−6−〔2−ウンデシルイミダゾリル
−(1)〕−エチル−S−トリアジン、2−フェニル−
4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニ
ル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、
1−シアノエチル−2−フェニル−4,5−ジ(シアノ
エトキシメチル)イミダゾール、1−ドデシル−2−メ
チル−3−ベンジルイミダゾリウムクロライド、1,3
−ジベンジル−2−メチルイミダゾリウムクロライド等
が挙げられる。
【0035】ルイス酸およびブレンステッド酸塩として
は、三フッ化ホウ素−アミン錯体、五フッ化砒素−アミ
ン錯体、五フッ化アンチモン−アミン錯体等が挙げられ
る。ポリメルカプタン系硬化剤としては、市販されてい
るものとして、Capcure,Epomate〔以上
油化シェルエポキシ(株)〕、アデカハードナー〔旭電
化工業(株)〕等が挙げられる。ノボラック類として
は、フェノールノボラックやクレゾールノボラック、ビ
スフェノールAノボラック等が挙げられる。
【0036】これらの硬化剤は上記に挙げられたものに
限定されるものではなく、また、硬化剤は1種単独で、
または2種以上組み合わせて使用される。硬化剤の使用
量の量としては、使用する硬化剤により、適正な量を用
いることができる、硬化剤の使用量が多すぎたり少なす
ぎたりすると硬化物の硬化が不十分となり、耐熱性や機
械的強度が低下する。また、本発明で得られる低発煙性
難燃性化合物を積層板や電子部品用封止材料として使用
する場合のように硬化物にする場合、イミダゾール類、
第三級アミン類、ホスフィン類、トリアゾール類等の硬
化促進剤を使用することができる。
【0037】本発明の低発煙性難燃性化合物を積層板や
電子部品用封止材料のように硬化物にして使用する場合
は、必要に応じて種々の添加物を添加できる。各種添加
剤としては、希釈剤、難燃助剤、熱安定剤、充填剤、補
強剤、着色剤等が挙げられる。使用できる難燃助剤とし
ては、Sb23、リン系化合物、テトラブロモビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂、低臭素化エポキシ樹脂、塩素
化ポリエチレン化合物があげられ、リン系化合物として
は、たとえば、赤リン、樹脂あるいは金属酸化物等で表
面処理された赤リン、トリフェニルホスフェート、クレ
ジルジフェニルホスフェート、トリスジクロロプロピル
ホスフェート、あるいは、ハイドロキノン、レゾルシノ
ール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェ
ニルスルホン、ジハイドロキシジフェニルオキシド、ジ
ハイドロオキシビフェニルおよびこれらのハロゲン化物
等の2価のフェノールとオキシ塩化リンを反応して得ら
れるようなポリリン酸エステルオリゴマー、下記一般式
(XI)で示されるフェノール化合物あるい該フェノール
化合物のグリシジルエーテル化物等が挙げられる。
【0038】
【化10】
【0039】〔式中、X5,X6,X7は同一かまたは異
なり、水素原子または炭素数1〜10の脂肪族基を表
す。〕 希釈剤としては、トルエン、キシレン等の有機溶媒、あ
るいはブチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエ
ーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、炭素
数12ないし13のアルコールのグリシジルエーテル、
フェニルグリシジルエーテル、多価アルコールグリシジ
ルエーテル等の反応性希釈剤があげられる。充填剤とし
ては、アルミナ、シリカ、珪酸カルシウム、酸化マグネ
シウム、酸化チタン、水酸化マグネシウム、水酸化アル
ミニウム、タルク、マイカ等があげられる。
【0040】本発明の低発煙性難燃性化合物に硬化剤な
どを混合する場合には、ニーダー、押出し機、ブラベン
ダーミキサー、ボールミル、タンブラーミキサー、スー
パーミキサー、バンバリーミキサー、ロール等を使用す
ることができ、また、溶媒に該低発煙性難燃性化合物等
を溶解することによってワニスを調製することもでき
る。この場合使用できる溶剤には、特に制限はないが、
アセトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、メ
チルイソブチルケトン、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキ
シド、キシレン、トルエン、セロソルブアセテート、P
GM等があげられ、樹脂の溶解性が優れる点で、N,N
−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミ
ド等の極性溶媒が好ましい。
【0041】本発明の低発煙性難燃性化合物が適用でき
る合成樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレ
ン樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン・ブタジエン共重
合体、スチレン・ブタジエン・アクリロニトリル共重合
体、スチレン・ブタジエン・アクリロニトリル・無水マ
レイン酸共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリ
メタクリル酸樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリブテン樹
脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボ
ネート樹脂、飽和ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステ
ル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン
樹脂、アルキッド樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、ジ
アリルフタレート樹脂、ポリブタジエン樹脂、AAS樹
脂、AES樹脂、AS樹脂、ABS・PVC系樹脂、ポ
リブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタ
レート樹脂、ACS樹脂、MBS樹脂、ケトン樹脂、フ
ェノキシ樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアリレート
樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、熱硬化性ポリイミド樹
脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケ
トン樹脂、ポリエチレンオキサイド樹脂、ポリサルホン
樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、あるいは、酢酸セ
ルロース、ビスコースレーヨン等の再生繊維、また、ア
クリロニトリル・ブタジエンラバー等の弾性体等も挙げ
られる。
【0042】本発明の低発煙性難燃性化合物は、樹脂1
00重量部に対し、1〜50重量部、好ましくは5〜4
0重量部、さらに好ましくは10〜35重量部配合され
る。該低発煙性難燃性化合物の配合量が1重量部より少
ないと十分な難燃性が発揮されず、50重量部よりも多
い場合は樹脂のアイゾット強度など機械的物性が低下し
て実用上好ましくない。本発明の低発煙性難燃性化合物
を合成樹脂用の難燃剤に使用する時にも、必要に応じて
本発明の目的を損なわない範囲で、種々の添加剤を添加
できる。各種添加剤としては、紫外線吸収剤、立体障害
アミン系耐光性安定剤、可塑剤、難燃助剤、滑剤、熱安
定剤、充填剤、補強剤、着色剤等が挙げられる。
【0043】本発明の難燃性樹脂組成物に難燃助剤とし
ては、Sb23、リン系化合物、テトラブロモビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂、塩素化ポリエチレン化合物が
あげられ、リン系化合物としては、たとえば、赤リン、
樹脂あるいは金属酸化物等で表面処理された赤リン、ト
リフェニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェ
ート、トリスジクロロプロピルホスフェート、あるい
は、ハイドロキノン、レゾルシノール、ビスフェノール
A、ビスフェノールF、ビスフェニルスルホン、ジハイ
ドロキシジフェニルオキシド、ジハイドロオキシビフェ
ニル、およびこれらのハロゲン化物等の2価のフェノー
ルとオキシ塩化リンを反応して得られるようなポリリン
酸エステルオリゴマー等が挙げられる。本発明の難燃性
樹脂組成物は、合成樹脂に本発明の低発煙性難燃性化合
物を、必要に応じて難燃助剤等の添加剤を配合すること
によって得られるが、その配合方法は特に制限がなく、
タンブラーミキサー、スーパーミキサー、バンバリーミ
キサー、ニーダー、ロール、単軸押出機、二軸押出機、
ブラベンダーミキサー等の方法がある。
【0044】
【実施例】次に実施例および比較例をあげて本発明を具
体的に説明する。なお、実施例に示す物性、性状は次の
測定法による。 <p位選択率>キャピラリーガスクロマトグラフィにて
FIDを用いて分析し、各成分の面積比より求めた。 使用カラム:ヒューレットパッカート社製、ウルトラ1 <エポキシ当量>1g当量のエポキシ基を含有する樹脂
の質量であり、JIS K−7236に準拠して求め
た。
【0045】<重量平均分子量>ゲルパーミエーション
クロマトグラフィーにより、ポリスチレンを標準物質と
した検量線をもとに測定した。 溶媒 :THF カラム :重量平均分子量が2000未満の場合 昭和電工社製KF803Lを3本直列に連結 重量平均分子量が2000以上の場合 昭和電工社製KF806Lを3本直列に連結したものを
使用した。 標準物質:ポリスチレン標準物質 分子量:560、800、2000、4200、104
00、91000、23000、230000、560
000 <軟化点>JIS K−7234(環球法)に準拠し
た。
【0046】<易加水分解性塩素含有量>試料1gを5
0mlのトルエンに溶解し、これに0.1NKOH−メ
タノール溶液20mlを加えて15分間煮沸したのち、
硝酸銀水溶液で滴定する。 <全塩素含有量>試料1gを25mlのエチレングリコ
ールモノブチルエーテルに溶解し、これに1NKOH−
プロピレングリコール溶液25mlを加えて20分間煮
沸したのち、硝酸銀水溶液で滴定する。 <ジオール末端基含有量>試料3gを25mlのクロロ
ホルムに溶解し、ベンジルトリメチル過沃素酸アンモニ
ウム溶液25mlを加え、2.5時間半反応させ、2N
硫酸水溶液5ml、20%沃化カリウム水溶液15ml
を加え、0.1Nチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定した。
【0047】<体積抵抗率、比誘電率、誘電正接> JIS C−6481に従って測定した。 <ガラス転移温度(Tg)> TMA(セイコー電子社製SSC5200 TMA/S
S120)にて測定した。 <難燃性> 米国UL規格のUL94に規定されている垂直燃焼性試
験および水平燃焼性試験に従って測定した。 <酸素指数(OI)> 該難燃剤にジシアンジアミドを配合し、ガラスクロスに
含浸して加熱硬化し積層板を作成し、JIS K720
1に準拠してA−1号試験片を用いて測定した。
【0048】<発煙性> JIS D 1201に従って測定した。
【0049】サンプルサイズ 3.1*6.0*127
(mm) <銅箔剥離強度> 引張試験機(島津製作所製、オートグラフAG−500
0D)で銅箔を積層板から垂直に引き剥がす時の強度を
測定した。 <アイゾット強度> ASTM D 256に従って測定した。 試験厚み6.4mm、ノッチ付 <加熱変形温度(HDT)> ASTM D 648に従って測定した。
【0050】試験厚み:6.4mm,アニールなし 曲げ応力:18.6kg/cm2 <メルトフローレート> ISO R 1133に従って測定した。 温度200℃、荷重5kg <金属腐食性> 樹脂製の平板(10cm×10cm×5cm)上に表面
を脱脂処理した金属片(圧延鋼板SS400、3cm×
5cm×2mm)を置き、さらに金属片をガラス製ペト
リ皿で覆い、オーブン内で250℃、8時間加熱処理
し、金属片の表面の腐食状況を観察する。
【0051】評価は、○:変化なし、△:部分腐食が認
められる、×:全面腐食が認められる。
【0052】<吸水率> 厚さ3mm、直径50mmの円盤(硬化物)の試験片を
使用し、耐湿試験後の試験片の重量増加率より求める。 耐湿試験:120℃/2気圧、200時間 <引張強度> JIS K−6911に従って測定した。 <弾性率> JIS K−6911に従って測定した。 <ハンダ耐熱性> 積層板を規定温度のハンダ浴に30秒間浸し、積層板表
面のフクレを見た。評価は、○:フクレなし、△:フク
レ面積10%未満、×:フクレ面積10%以上とした。 <耐光性> キセノンアークウエザオメーターの300時間後の試験
片の変色度合を色差計で測定し、未暴露サンプルとの差
で示す。
【0053】
【実施例】
実施例1 アルカリ水溶液を連続して滴下できる滴下ろうと、撹拌
羽根、温度計、凝縮液の水相を適時系外へ排出し、有機
相を系内にもどすラインを接続したコンデンサーを備え
た2リットルのガラス製リアクターにp位選択率が10
0%のビスフェノールF200g、エピクロルヒドリン
925gを入れ、均一に溶解した後、60℃で162g
の48.5%NaOH水溶液を90分かけて連続して滴
下し、更に30分反応させた。その間、系内を減圧に保
ち、エピクロルヒドリンと水を共沸させエピクロルヒド
リンは常時系内へもどし、水相は適時系外へ排出した。
その後水洗により副生した食塩を除去し、過剰のエピク
ロルヒドリンを減圧留去し、加水分解性塩素含有量30
00ppmの粗レジンを得た。得られた粗レジン100
gとメチルイソブチルケトン100gを500mlのガ
ラスリアクターに加え、均一に溶解したのち50℃に設
定し、48.5%NaOH水溶液0.7gを加えて2時
間反応させた。ついで、水洗したのちメチルイソブチル
ケトンを減圧留去し化合物Aを得た。
【0054】実施例2 p位選択率が100%のビスフェノールFのかわりに、
p位選択率が75%のビスフェノールFを用いた以外は
実施例1と同様に行い、加水分解性塩素含有量2900
ppmの粗レジンを得た。得られた粗レジンを実施例1
と同様にして処理し、化合物Bを得た。 実施例3 p位選択率が100%のビスフェノールFのかわりに、
p位選択率が50%のビスフェノールFを用いた以外は
実施例1と同様に行い、加水分解性塩素含有量3100
ppmの粗レジンを得た。得られた粗レジンを実施例1
と同様にして処理し、化合物Cを得た。
【0055】実施例4 アルカリ水溶液を連続して滴下できる滴下ろうと、撹拌
羽根、温度計、凝縮液の水相を適時系外へ排出し、有機
相を系内にもどすラインを接続したコンデンサーを備え
た2リットルのガラス製リアクターにp位選択率が10
0%のビスフェノールF200g、エピクロルヒドリン
925g、グリシドール53gを入れ、均一に溶解した
後、60℃で162gの48.5%NaOH水溶液を9
0分かけて連続して滴下し、更に30分反応させた。そ
の間、系内を減圧に保ち、エピクロルヒドリンと水を共
沸させエピクロルヒドリンは常時系内へもどし、水相は
適時系外へ排出した。その後水洗により副生した食塩を
除去し、過剰のエピクロルヒドリンを減圧留去し、加水
分解性塩素含有量3100ppmの粗レジンを得た。得
られた粗レジン100gとメチルイソブチルケトン10
0gを500mlのガラスリアクターに加え、均一に溶
解したのち50℃に設定し、48.5%NaOH水溶液
0.7gを加えて2時間反応させた。ついで、水洗した
のちメチルイソブチルケトンを減圧留去し化合物Dを得
た。
【0056】実施例5(欠番) 比較例24 グリシドール53gの代りに、グリシドール200gを
使用する以外はすべて実施例4と同様に行い、加水分解
性塩素含有量3000ppmの粗レジンを得た。得られ
た粗レジンを実施例1と同様にして処理し、化合物Eを
得た。 実施例6 一段目の反応において滴下する48.5%NaOH水溶
液を165gとした以外は実施例1の粗レジンを得る方
法と同様にして、化合物Fを得た。 実施例7 一段目の反応において滴下する48.5%NaOH水溶
液を132gとした以外は実施例1の粗レジンを得る方
法と同様にして、化合物Gを得た。
【0057】実施例8 冷却管、流量調整可能な窒素流入ラインを装着した2リ
ットルのガラス製セパラブルフラスコに化合物Aを1k
g仕込み、80℃に温度設定したのち、10wt%Na
OH水溶液0.2g、およびp位選択率が100%のビ
スフェノールF330gを加え、徐々に180℃まで昇
温し、5時間反応させ化合物Hを得た。 実施例9 化合物Aのかわりに化合物B、p位選択率が100%の
ビスフェノールFのかわりに、p位選択率が75%のビ
スフェノールFを用いた以外は実施例9と同様にして化
合物Iを得た。
【0058】実施例10 化合物Aのかわりに化合物C、p位選択率が100%の
ビスフェノールFのかわりに、p位選択率が50%のビ
スフェノールFを用いた以外は実施例8と同様にして化
合物Jを得た。 実施例11 化合物Aのかわりに化合物Dを用いた以外は実施例8と
同様にして化合物Kを得た。実施例12(欠番) 比較例25 化合物Aのかわりに化合物Eを用いた以外は実施例8と
同様にして化合物Lを得た。 実施例13 化合物Aのかわりに化合物Fを用いた以外は実施例8と
同様にして化合物Mを得た。
【0059】実施例14 化合物Aのかわりに化合物Gを用いた以外は実施例8と
同様にして化合物Nを得た。 実施例15 p位選択率が100%のビスフェノールFの使用量を5
30gにし、反応時間を8時間にした以外は実施例8と
同様にして化合物Oを得た。 実施例16 化合物Aのかわりに化合物B、p位選択率が100%の
ビスフェノールFのかわりに、p位選択率が75%のビ
スフェノールFを用いた以外は実施例15と同様にして
化合物Pを得た。 実施例17 化合物Aのかわりに化合物C、p位選択率が100%の
ビスフェノールFのかわりに、p位選択率が50%のビ
スフェノールFを用いた以外は実施例15と同様にして
化合物Qを得た。 実施例18 p位選択率が100%のビスフェノールF使用量を59
2gにし、反応時間を10時間にした以外は実施例8と
同様にして化合物Rを得た。
【0060】比較例1 p位選択率が100%のビスフェノールFのかわりに、
p位選択率が75%のビスフェノールFを用いた以外は
実施例1と同様に行い、加水分解性塩素含有量2900
ppmの粗レジンを得た。得られた粗レジンを実施例1
と同様にして処理し、化合物Sを得た。 比較例2 化合物Aのかわりに化合物、p位選択率が100%のビ
スフェノールFのかわりに、p位選択率が30%のビス
フェノールFを用いた以外は実施例8と同様にして化合
物Tを得た。
【0061】比較例3 化合物Aのかわりに化合物S、p位選択率が100%の
ビスフェノールFのかわりに、p位選択率が30%のビ
スフェノールFを用いた以外は実施例15と同様にして
化合物Uを得た。 比較例4 p位選択率が100%のビスフェノールF使用量を61
0gにし、反応時間を18時間にした以外は実施例8と
同様にして化合物Vを得た。化合物A〜Vの物性、性状
を表1〜5に示す。
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】
【0064】
【表3】
【0065】
【表4】
【0066】
【表5】
【0067】表1〜5に示した性状の低発煙性難燃性化
合物等を用いて以下の実施例、および比較例を行った。
【0068】実施例19〜22、比較例5〜7 硬化剤としてトリエチレンテトラミンを用いて、表6に
示した割合で配合し、硬化させて得られた硬化物を評価
した。 硬化条件:室温×24時間+160℃×2時間
【0069】
【表6】
【0070】実施例23〜26、比較例8〜10 硬化剤としてフェノールノボラックを使用し、表7に示
した割合で低発煙性難燃性化合物等および硬化剤等を配
合し、トランスファー成形により得られた試験片を評価
した。 トランスファー成形条件:150℃×180秒 ポストキュア条件 :160℃×2Hr+180℃
×8Hr
【0071】
【表7】
【0072】実施例27〜43、比較例11〜15 表8〜10に示した配合でエポキシ樹脂ワニスを調製し
た。このワニスをガラスクロス(旭シュエーベル社製2
16L AS450処理厚さ0.1mm)に含浸塗布
し、160℃で乾燥させて樹脂分約40%のプリプレグ
を得た。このプリプレグ8枚を重ねた両面に35μの銅
箔を重ねて170℃×30kg/cm2の加熱加圧下で
60分間成形し、銅張り積層板を得て評価した。ただ
し、銅箔剥離強度以外は銅箔を剥離した後に評価した。
【0073】
【表8】
【0074】
【表9】
【0075】
【表10】
【0076】実施例44〜60(実施例47、54は欠
番)、比較例16〜20 ABS樹脂〔旭化成工業(株)製<登録商標>スタイラ
ック783〕に対して、表11〜14に示した割合で低
発煙性難燃性化合物等を配合し、タンブラーミキサーで
混合後、2軸押出機を用いてペレット化した。次いで、
加圧成形機で試験片を作成し物性を測定した。
【0077】
【表11】
【0078】
【表12】
【0079】
【表13】
【0080】
【表14】
【0081】実施例61〜63、比較例21〜23 耐衝撃性ポリスチレン〔旭化成工業(株)製<登録商標
>スタイロン495〕に対して、表15に示した割合で
低発煙性難燃性化合物等を配合し、タンブラーミキサー
で混合後、2軸押出機を用いてペレット化した。次い
で、加圧成形機で試験片を作成し物性を測定した。
【0082】
【表15】
【0083】表6,表7より、p−フェニレン選択率が
40%以上の本願発明の低発煙性難燃性化合物は硬化剤
を用いて硬化物とした場合、p−フェニレン選択率が4
0%未満のマトリックス用樹脂に比較して難燃性が優れ
ている。また、重量平均分子量が250000以下の該
低発煙性難燃性化合物は250000より大きい樹脂に
比較して、耐熱性が高く、吸水性が低く、また、UL9
4試験から見た難燃性も高い。また、臭素系難燃剤に比
較して発煙性、金属腐食性において格段に優れている。
【0084】表8〜10より、本願発明の低発煙性難燃
性化合物を用いて積層板を作成した場合、p−フェニレ
ン選択率が40%未満に比較して難燃性が優れている。
また、重量平均分子量が250000以下の該低発煙性
難燃性化合物は250000より大きい樹脂に比較し
て、耐熱性、電気特性が高く、吸水性が低く、また、U
L94試験から見た難燃性も高い。また、臭素系難燃剤
に比較して発煙性において格段に優れている。表11〜
15より、本願発明の低発煙性難燃性化合物を合成樹脂
用の難燃剤として使用した場合、p−フェニレン選択率
が40%未満に比較して難燃性が優れている。また、重
量平均分子量が250000以下の該低発煙性難燃性化
合物は250000より大きい樹脂に比較して、衝撃強
度、流動性が高い。また、臭素系難燃剤に比較して発煙
性、金属腐食性において格段に優れている。
【0085】
【発明の効果】以上から明らかなように、本願発明の低
発煙性難燃性化合物は難燃性、低発煙性、機械的、電気
的物性に優れているため、積層板、半導体用封止材料、
合成樹脂用難燃剤、各種コンポジット用材料、注型品、
塗料等に好適に使用することができる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−70022(JP,A) 特開 平6−239963(JP,A) 特開 平4−100851(JP,A) 特開 昭64−52768(JP,A) 特開 昭62−253612(JP,A) 特開 昭58−79024(JP,A) 特開 平5−345837(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 59/06 C08G 59/24 C08J 5/24 C08L 63/00 - 63/10

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I) 【化1】 〔式中、R1,R2は 【化2】 (Y,Zは炭素数1〜10の脂肪族または芳香族の炭化
    水素で同一又は互いに異種の基であり、iおよびjは0
    〜5の整数で、i+jは5以下を満たす)から選ばれた
    同一または異種の基であり、Aは炭素数1または2の飽
    和または不飽和の炭化水素であり、X1,X2,X3,X4
    は同一又は互いに異なる、水素、炭素数1〜10の脂肪
    族または芳香族の炭化水素を示し、mは0以上の整数で
    ある。)で示される、p−フェニレン選択率が40%以
    上で、エポキシ当量が163〜8000であり、ジオー
    ル末端基含有率500meq/kg以下であり、重量平
    均分子量が250000以下の低発煙性難燃性化合物。
  2. 【請求項2】 (1)請求項1に記載の低発煙性難燃性
    化合物及び、(2)硬化剤を含有することを特徴とする
    低発煙性難燃樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (1)繊維基材及び、(2)請求項1に
    記載の低発煙性難燃性化合物を必須の構成成分とする低
    発煙性難燃複合材料。
  4. 【請求項4】 (1)合成樹脂100重量部、及び
    (2)請求項1に記載の低発煙性難燃性化合物5〜50
    重量部を含有することを特徴とする低発煙性難燃合成樹
    脂組成物。
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