JP7188657B1 - エポキシ樹脂、硬化性樹脂組成物、硬化物、繊維強化複合材料、及び、繊維強化樹脂成形品 - Google Patents

エポキシ樹脂、硬化性樹脂組成物、硬化物、繊維強化複合材料、及び、繊維強化樹脂成形品 Download PDF

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Abstract

カテコール化合物とオルソキシリレン骨格含有化合物との反応物であり、前記カテコール化合物由来のカテコール骨格、及び、前記オルソキシリレン骨格含有化合物由来のオルソキシリレン骨格を有することを特徴とするフェノール樹脂を提供する。このフェノール樹脂を用いて得られるエポキシ樹脂を使用し得られる硬化物は、高耐熱性、及び、高曲げ特性(曲げ強度や曲げ弾性率など)を発現することができることから、繊維強化複合材料、及び、繊維強化樹脂成形品に好適に用いられる。

Description

本発明は、特定構造を有するフェノール樹脂、前記フェノール樹脂を用いて得られるエポキシ樹脂、前記エポキシ樹脂を含有する硬化性樹脂組成物、前記硬化性樹脂組成物より得られる硬化物、繊維強化複合材料、及び、繊維強化樹脂成形品に関する。
エポキシ樹脂及びその硬化剤を必須成分とする硬化性樹脂組成物は、その硬化物において優れた機械的強度、耐熱性、耐水性、耐薬品性、及び、絶縁性等を有することから、その用途は幅広く、繊維強化複合材料のマトリックス、放熱部材、塗料、半導体、プリント配線基板等、広く用いられている。
中でも、強化繊維で強化した繊維強化樹脂成形品は、軽量でありながら、機械的強度に優れる特徴が注目され、自動車や航空機、船舶等の筐体或いは各種部材をはじめ、様々な構造体用途での利用が拡大しており、特に、炭素繊維複合材料(CFRP)は、航空機や自動車分野への適用が拡大していることに伴い、そのマトリックス樹脂としてのエポキシ樹脂の使用量は増加の一途をたどっている。
現在、炭素繊維複合材料の用途で主に使用されているエポキシ樹脂としては、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルや、ジアミノジフェニルメタンのテトラグリシジルアミン(TGDDM)等が挙げられる(例えば、特許文献1参照)。これらのエポキシ樹脂は、弾性率、強度、耐熱性、耐湿熱特性等、炭素繊維複合材料の用途の要求特性を一定レベルで満たしている。
しかしながら、現在、市場から、更なる高弾性率化、高強度化、高耐熱化のニーズがあり、上記エポキシ樹脂の物性は、市場の要求を十分に満たすまでに至っていない。
特開2003-201388号公報
従って、本発明が解決しようとする課題は、低粘度でハンドリング性に優れたエポキシ樹脂を得るために用いられる特定構造を有するフェノール樹脂や、高耐熱性、及び、高曲げ特性(曲げ強度や曲げ弾性率など)を有する硬化物を得ることができる前記エポキシ樹脂、前記エポキシ樹脂を含有する硬化性樹脂組成物、前記硬化性樹脂組成物より得られる硬化物、繊維強化複合材料、及び、繊維強化樹脂成形品を提供することにある。
そこで、本発明者は、上記課題を解決すべく、鋭意検討を重ねた結果、特定構造を有するフェノール樹脂を用いて得られ、低粘度でハンドリング性に優れたエポキシ樹脂を含む硬化性樹脂組成物を用いることにより得られる硬化物が、高耐熱性、及び、高曲げ特性(曲げ強度や曲げ弾性率など)を発現することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、カテコール化合物とオルソキシリレン骨格含有化合物との反応物であり、前記カテコール化合物由来のカテコール骨格、及び、前記オルソキシリレン骨格含有化合物由来のオルソキシリレン骨格を有することを特徴とするフェノール樹脂に関する。
本発明のフェノール樹脂は、下記一般式(1)により表されることが好ましい。
Figure 0007188657000001
(式(1)中、Rは、水素原子、炭素原子数1~4の炭化水素基、または、炭素原子数1~4のアルコキシ基で表され、Rは、水素原子、メチル基で表され、mは、0~2の整数で表され、nは、0~4の整数で表され、pは、0~50の整数で表される。)
本発明は、前記フェノール樹脂のフェノール性水酸基と、エピハロヒドリンとの反応によるグリシジルエーテル基を有する反応物であることを特徴とするエポキシ樹脂に関する。
本発明のエポキシ樹脂は、下記一般式(2)により表されることが好ましい。
Figure 0007188657000002
Figure 0007188657000003
(式(2)中、Xは、式(3)で表され、Rは、水素原子、炭素原子数1~4の炭化水素基、または、炭素原子数1~4のアルコキシ基で表され、Rは、水素原子、メチル基で表され、Rは、水素原子、または、メチル基で表され、mは、0~2の整数で表され、nは、0~4の整数で表され、pは、0~50の整数で表される。)
本発明のエポキシ樹脂は、エポキシ当量が、130~250g/当量であることが好ましい。
本発明のエポキシ樹脂は、150℃における溶融粘度が、2.0dPa・s以下であることが好ましい。
本発明は、前記エポキシ樹脂を含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物に関する。
本発明は、前記硬化性樹脂組成物を硬化反応させて得られることを特徴とする硬化物に関する。
本発明は、前記硬化性樹脂組成物と、強化繊維を含有することを特徴とする繊維強化複合材料に関する。
本発明は、前記硬化物と、強化繊維を含有することを特徴とする繊維強化樹脂成形品に関する。
本発明によれば、特定構造を有するフェノール樹脂を用いて得られるエポキシ樹脂を使用し得られる硬化物は、高耐熱性、及び、高曲げ特性(曲げ強度や曲げ弾性率など)を発現することができ、有用である。
[フェノール樹脂]
本発明は、カテコール化合物とオルソキシリレン骨格含有化合物との反応物であり、前記カテコール化合物由来のカテコール骨格、及び、前記オルソキシリレン骨格含有化合物由来のオルソキシリレン骨格を有することを特徴とするフェノール樹脂に関する。
前記フェノール樹脂は、前記カテコール化合物由来のカテコール骨格(芳香環に置換基として水酸基を2個有し、2個の水酸基が互いにオルソ位の位置関係にある)が包含されることで、官能基間距離が短く、分子間の空隙が狭くなるため、得られる硬化物が高弾性率を示すと推定され、かつ、多官能となるため、得られる硬化物が高耐熱性を示すため、好ましい。
また、前記フェノール樹脂は、前記オルソキシリレン骨格含有化合物由来のオルソキシリレン骨格を包含することで、屈曲した構造となり、分子間の空隙が狭くなることで、得られるフェノール樹脂を用いたエポキシ樹脂の使用により得られる硬化物は、高弾性率化を発現できると推定される。また、分子間相互作用が適度に弱まることになり、低溶融粘度で、ハンドリング性に優れたフェノール樹脂となり、好ましい。
なお、前記「フェノール樹脂」とは、フェノール性水酸基を少なくとも含有する化合物を含む樹脂を指す。
前記「カテコール骨格」とは、「芳香環に置換基として水酸基を2個有し、2個の水酸基が互いにオルソ位の位置関係にある骨格」、もしくは、「芳香環に置換基として水酸基を2個有し、2個の水酸基が互いにオルソ位の位置関係にある骨格」から、前記水酸基を構成する水素原子を1つずつ除いた骨格を指す。
また、前記「オルソキシリレン骨格」とは、前記フェノール樹脂に含まれるフェノール性水酸基を少なくとも含有する化合物同士を連結する、芳香環に置換基として2個のメチレン基をオルソ位の位置関係に有する骨格を指す。
[カテコール化合物]
前記フェノール樹脂は、カテコール化合物とオルソキシリレン骨格含有化合物との反応物であることを特徴とする。前記カテコール化合物とは、1位と2位とに水酸基を有するジヒドロキシベンゼンであり、前記カテコール化合物の芳香環上に置換基を有さない水素原子のみの場合や、前記水素原子の代わりに、置換基として、炭素原子数1~4の炭化水素基、または、炭素原子数1~4のアルコキシ基を有し、前記置換基がメチル基やtert-ブチル基などのアルキル基などであってもよい。前記カテコール化合物を使用することにより、前記フェノール樹脂はカテコール骨格を包含(導入)することになり、官能基間距離が短く、分子間の空隙が狭くなるため、得られる硬化物が高弾性率を示すと推定され、かつ、多官能となるため、得られる硬化物が高耐熱性を示すため、有用である。
前記置換基として、メチル基などのアルキル基を有する場合、その位置及び置換基の数としては特に制限されるものではないが、機械特性や、耐熱性や疎水性に優れた硬化物が得られることから、カテコールの場合には、4位に1つのメチル基やtert-ブチル基を有しても良いが、置換基を有していない水素原子の場合(カテコール)が、曲げ特性の観点から、最も好ましい。また、前記アルキル基として、立体障害の大きなアルキル基を有することで、耐吸水性の向上に寄与することができ、中でも、4-メチルカテコールや4-tert-ブチルカテコールなどを使用することができる。なお、前記置換基としてアルキル基を有する場合は、その炭素数としては、1~4が好ましい。前記炭素数が4を超えると、分子間の空隙が大きくなり、得られる硬化物の機械強度が低下するため、好ましくない。
前記カテコール化合物は、単独で用いてもよく、メチル基等のアルキル基の位置が異なる複数の化合物を併用してもよい。
[オルソキシリレン骨格含有化合物]
前記フェノール樹脂は、カテコール化合物とオルソキシリレン骨格含有化合物との反応物であることを特徴とする。前記フェノール樹脂中に、前記オルソキシリレン骨格含有化合物に由来するオルソキシリレン骨格を包含(導入)することにより、分子間相互作用が適度に弱まることになり、低溶融粘度で、ハンドリング性に優れたフェノール樹脂となり、好ましい。また、前記オルソキシリレン骨格を用いることで、前記カテコール化合物同士の距離が近接化し得ると考えられ、得られるフェノール樹脂の複数の官能基間の距離が近くなることで、機械強度や耐熱性に優れた硬化物を得ることができ、好ましい。
また、前記フェノール樹脂を合成する際に、前記オルソキシリレン骨格含有化合物を使用することで、パラキシリレン化合物などを使用する場合と比較して、硬化物の製造時(硬化時)のネットワーク形成(重合)において、分子構造が屈曲して自由体積が小さくなり、その結果、弾性率が高くなると推定される。つまりは、屈曲構造となることで、分子同士の空隙が小さくなり、しっかり密に詰まることで硬くなり、高弾性率化と相反する高強度化も発現でき、高弾性率化と高強度化の両立を図ることができ、有用である。
更に、前記フェノール樹脂は、前記カテコール骨格を包含(導入)することによる分子内の空隙を狭くする効果と、前記オルソキシリレン骨格を包含(導入)することによる分子内の空隙の狭くする効果を組み合わせることにより、高曲げ特性を発揮することができると推定される。
前記オルソキシリレン骨格含有化合物としては、例えば、オルソキシリレンジクロライド、オルソキシリレンジブロミド、オルソキシリレンジメトキシド、オルソキシリレンジエトキシド、オルソキシリレングリコールなどが挙げられる。中でも、入手性の観点から、オルソキシリレンジクロライドなどが好ましい。
前記オルソキシリレン骨格含有化合物は、単独で用いてもよく、複数の化合物を併用してもよい。
本発明のフェノール樹脂は、下記一般式(1)により表されることが好ましい。
Figure 0007188657000004
(式(1)中、Rは、水素原子、炭素原子数1~4の炭化水素基、または、炭素原子数1~4のアルコキシ基で表され、Rは、水素原子、メチル基で表され、mは、0~2の整数で表され、nは、0~4の整数で表され、pは、0~50の整数で表される。)
上記一般式(1)で表される前記フェノール樹脂は、例えば、下記一般式(A)で表されるカテコール化合物と、下記一般式(B)で表されるオルソキシリレン骨格含有化合物(以下、ハロゲン化(塩素化)したオルソキシリレン骨格含有化合物を例示)とを反応させることにより、下記一般式(1)で表されるフェノール樹脂を含むフェノール樹脂を得ることができる。
Figure 0007188657000005
Figure 0007188657000006
Figure 0007188657000007
上記一般式(A)中、置換基であるRは、水素原子、炭素原子数1~4の炭化水素基、または、炭素原子数1~4のアルコキシ基であってもよく、原料として使用する際の反応性や硬化物の曲げ特性の観点から、好ましくは、前記炭素原子数1~4の炭化水素基は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、t-ブチル基等のアルキル基が挙げられる。また、前記炭素原子数1~4のアルコキシ基は、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。中でも、前記Rが、水素原子であることで、溶融粘度が低く、ハンドリング性に優れ、曲げ特性と耐熱性のバランスに優れることとなり、好ましい態様となる。
上記一般式(A)中、mは、0~2の整数を表し、原料として使用する際の反応性や硬化物の曲げ特性の観点から、好ましくは、0~1の整数である。
上記一般式(B)中、Rは、それぞれ独立で、水素原子、メチル基であることが好ましく、硬化物の耐熱性と曲げ特性の観点から、より好ましくは、水素原子である。前記Rが、水素原子等であることにより、硬化物の耐熱性と曲げ特性のバランスがよくなるため好ましく、中でも、前記Rが水素原子であることで、曲げ特性が向上することとなり、好ましい態様となる。
上記一般式(B)中、nは、0~4の整数を表し、原料として使用する際の反応性や硬化物の曲げ特性の観点から、好ましくは、0~1の整数である。
上記一般式(1)中、pは、0~50の整数を表し、硬化物の曲げ特性向上の観点から、好ましくは、0~20の整数である。なお、pが0の場合、つまり、フェノール樹脂が2量体構造となる。
なお、上記一般式(1)中のR、R、m、及び、nの詳細については、上記一般式(A)及び(B)中と同様である。
前記カテコール化合物と前記オルソキシリレン骨格含有化合物との反応比率は、溶融粘度と硬化物における耐熱性とのバランスに優れるエポキシ樹脂が得られることから、前記カテコール化合物1モルに対し、前記オルソキシリレン骨格含有化合物が0.01~0.7モルの範囲であることが好ましく、0.05~0.5モルがより好ましい。
前記カテコール化合物と前記オルソキシリレン骨格含有化合物との反応は、効率的に反応が進むことから、酸触媒の存在下で行うことが好ましいが、前記オルソキシリレン骨格含有化合物としてオルソキシリレンジクロライドなどを使用する場合は、酸触媒なしでも反応が十分進行するため、このような場合は無触媒でも構わない。前記酸触媒は、例えば、塩酸、硫酸、リン酸などの無機酸、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、シュウ酸などの有機酸、三フッ化ホウ素、無水塩化アルミニウム、塩化亜鉛などのルイス酸などが挙げられる。このとき、酸触媒の使用量は、反応原料の総質量に対して、0.01~5質量%の範囲であることが好ましい。
前記カテコール化合物と前記オルソキシリレン骨格含有化合物(ここでは、塩素化オルソキシリレン骨格含有化合物を使用した場合)との反応は、通常、50~180℃の温度条件下で行うが、この時、発生する塩化水素ガスは、速やかに系外に放出し、アルカリ水などにより中和、無害化することが望ましい。反応時間は、実質的に塩化水素ガスの発生が無くなり、原料である前記オルソキシリレン骨格含有化合物が消失し、前記オルソキシリレン骨格含有化合物由来の塩素分が検出されなくなるまでであり、反応温度にもよるが、一般的に1~50時間程度である。また、該反応は必要に応じて有機溶剤中で行っても良い。ここで用いる有機溶剤は、前記温度条件下で使用可能な有機溶剤であれば特に限定されるものではなく、具体的には、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n-ブタノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、1-メトキシ-2-プロパノール、ジグライム、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トルエン、キシレン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。これら有機溶剤を用いる場合には反応原料の総質量に対して、5~500質量%の範囲で用いることが好ましい。
前記カテコール化合物と前記オルソキシリレン骨格含有化合物との反応終了後は、未反応の反応原料や溶媒等を留去することにより、前記フェノール樹脂が得られる。
なお、前記カテコール化合物と前記オルソキシリレン骨格含有化合物との反応終了後、前記カテコール化合物の一部が未反応のまま残留した場合、残留した前記カテコール化合物が硬化物の製造時などにおいて、揮発することで、ボイドの発生原因となったり、得られるエポキシ樹脂の曲げ特性に悪影響を及ぼす恐れがあるため、前記カテコール化合物の残留量が多くなることは好ましくない。そのため、GPC測定により算出される残留した(未反応の)前記カテコール化合物の含有割合としては、GPC面積%において、2面積%以下であることが好ましく、より好ましくは1面積%以下である。なお、ここでのGPC面積%とは、残留した(未反応の)前記カテコール化合物のGPCピーク面積値を全成分のGPCピーク面積値の合計で除した値を指す。
前記フェノール樹脂の水酸基当量は、70~110g/当量であることが好ましく、75~100g/当量であることがより好ましく、80~95g/当量であることが更に好ましい。前記水酸基当量が前記範囲内であると、得られる硬化物の耐熱性や機械強度のバランスが優れることから好ましい。ここでの前記フェノール樹脂の水酸基当量は、下記実施例における「フェノール樹脂の水酸基当量」の測定方法に基づいたものである。
前記フェノール樹脂の溶融粘度(150℃)は、5.0dPa・s以下であることが好ましく、0.1~4.0dPa・sであることがより好ましく、0.5~3.0dPa・sであることが更に好ましい。前記フェノール樹脂の溶融粘度が、前記範囲内であると、低粘度で流動性、ハンドリング性に優れるため、前記フェノール樹脂を原料に合成したエポキシ樹脂が低粘度となり、硬化物作製時のハンドリング性などにも優れることから好ましい。ここでの溶融粘度(150℃)は、ASTM D4287に準拠し、ICI粘度計にて測定されるものである。
前記フェノール樹脂の軟化点としては、50~110℃であることが好ましく、60~100℃であることがより好ましい。前記フェノール樹脂の軟化点が前記範囲内であると、ハンドリング性や貯蔵安定性に優れることから好ましい。ここでの軟化点は、JIS K7234(環球法)に基づき測定されるものである。
<エポキシ樹脂>
本発明は、前記フェノール樹脂のフェノール性水酸基と、エピハロヒドリンとの反応によるグリシジルエーテル基を有する反応物であり、下記一般式(2)により表されることを特徴とするエポキシ樹脂に関する。
Figure 0007188657000008
Figure 0007188657000009
上記一般式(2)中のR、R、m、n、及び、pの詳細については、上記一般式(1)と同様である。
上記一般式(3)中のRは、水素原子、または、メチル基で表されることが好ましく、より好ましくは、水素原子である。前記水素原子等であることで、硬化剤との硬化反応がスムーズとなり、有用である。
前記エポキシ樹脂は、前記フェノール樹脂中のフェノール性水酸基と、エピハロヒドリンとを反応させることにより、グリシジルエーテル基が導入されたエポキシ樹脂であり、前記エポキシ樹脂を用いた硬化物は、高耐熱性、及び、高曲げ特性(曲げ強度や曲げ弾性率など)に優れ、好ましい。
なお、前記「エポキシ樹脂」とは、前記グリシジルエーテル基を少なくとも含有する化合物を含む樹脂を指す。
前記フェノール樹脂と前記エピハロヒドリンとを反応させ、目的のエポキシ樹脂を得ることができるが、その反応は、例えば、前記フェノール樹脂中のフェノール性水酸基1当量に対し、エピハロヒドリンが2~10モルの範囲となる割合で用い、フェノール性水酸基1当量に対し、0.9~2.0モルの塩基性触媒を一括又は分割添加しながら、20~120℃の温度で0.5~10時間反応させる方法などが挙げられる。
なお、工業生産を行う際、エポキシ樹脂生産の初バッチでは仕込みに用いるエピハロヒドリンの全てが新しいものであるが、次バッチ以降は、粗反応生成物から回収されたエピハロヒドリンと、反応で消費される分で消失する分に相当する新しいエピハロヒドリンとを併用することが好ましい。この時、使用するエピハロヒドリンは特に限定されないが、例えば、エピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン、β-メチルエピクロルヒドリン等が挙げられる。なかでも工業的入手が容易なことからエピクロルヒドリンが好ましい。
前記塩基性触媒は、具体的には、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属水酸化物等が挙げられる。中でも、触媒活性に優れる点からアルカリ金属水酸化物が好ましく、具体的には、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等が好ましい。
反応終了後は、反応混合物を水洗した後、加熱減圧下での蒸留によって未反応のエピハロヒドリンや有機溶剤を留去する。また、加水分解性ハロゲンの一層少ないエポキシ樹脂とするために、得られたエポキシ樹脂を再び有機溶剤に溶解し、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物の水溶液を加えてさらに反応を行うこともできる。この際、反応速度の向上を目的として、4級アンモニウム塩やクラウンエーテル等の相関移動触媒を存在させてもよい。相関移動触媒を使用する場合の使用量はエポキシ樹脂100質量部に対して0.1~3.0質量部となる割合であることが好ましい。反応終了後、生成した塩を濾過や水洗等により除去し、加熱減圧下で有機溶剤を留去することにより、目的とする本発明のエポキシ樹脂を得ることができる。
前記エポキシ樹脂のエポキシ当量は、130~250g/当量であることが好ましく、135~220g/当量であることがより好ましく、140~200g/当量であることが更に好ましい。前記エポキシ樹脂のエポキシ当量が前記範囲内であると、硬化物の架橋密度が高まり、得られる硬化物の耐熱性に優れることから好ましい。ここでのエポキシ当量の測定は、JIS K7236に基づいて測定されるものである。
前記エポキシ樹脂の溶融粘度(150℃)は、2.0dPa・s以下であることが好ましく、1.0dPa・s以下であることがより好ましく、0.8dPa・s以下であることが更に好ましい。前記エポキシ樹脂の溶融粘度が前記範囲内であると、低粘度で流動性、ハンドリング性に優れるため、得られる硬化物の成形性にも優れることから好ましい。ここでの溶融粘度(150℃)は、ASTM D4287に準拠し、ICI粘度計にて測定されるものである。
<硬化性樹脂組成物>
本発明は、前記エポキシ樹脂を含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物に関する。前記硬化性樹脂組成物は、前記エポキシ樹脂を含有することにより、低粘度でハンドリング性に優れ、得られる硬化物は、高耐熱性、及び、高曲げ特性(曲げ強度や曲げ弾性率など)となり、有用である。
本発明の硬化性樹脂組成物は、前記エポキシ樹脂以外にも、本発明の効果を損なわない範囲において、他の樹脂(その他のエポキシ樹脂を含む)、硬化剤、添加剤、溶剤等をさらに含んでいてもよい。
[その他エポキシ樹脂]
前記その他のエポキシ樹脂としては、種々のエポキシ樹脂を用いることができるが、例えば、2,7-ジグリシジルオキシナフタレン、α-ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、β-ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、α-ナフトール/β-ナフトール共縮合型ノボラックのポリグリシジルエーテル、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、1,1-ビス(2,7-ジグリシジルオキシ-1-ナフチル)アルカン等のナフタレン骨格含有エポキシ樹脂;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂;ビフェニル型エポキシ樹脂、テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂等のビフェニル型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン-フェノール付加反応型エポキシ樹脂;フェノールアラルキル型エポキシ樹脂;リン原子含有エポキシ樹脂等が挙げられる。前記リン原子含有エポキシ樹脂は、9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキサイド(以下、「HCA」と略記する。)のエポキシ化物、HCAとキノン類とを反応させて得られるフェノール樹脂のエポキシ化物、フェノールノボラック型エポキシ樹脂をHCAで変性したエポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂をHCAで変性したエポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂を及びHCAとキノン類とを反応させて得られるフェノール樹脂で変成して得られるエポキシ樹脂等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。
[他の樹脂]
本発明の硬化性樹脂組成物は、前記エポキシ樹脂や、前記その他のエポキシ樹脂に加えて、他の樹脂を含んでいてもよい。なお、本明細書において、「他の樹脂」とは、エポキシ樹脂以外の樹脂を意味する。
前記他の樹脂の具体例としては、特に制限されないが、活性エステル、マレイミド樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリマレイミド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリイミド樹脂、シアネートエステル樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、トリアジン含有クレゾールノボラック樹脂、シアン酸エステル樹脂、スチレン-無水マレイン酸樹脂、ジアリルビスフェノールやトリアリルイソシアヌレート等のアリル基含有樹脂、ポリリン酸エステル、リン酸エステル-カーボネート共重合体等が挙げられる。これらの他の樹脂は単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[硬化剤]
本発明のエポキシ樹脂組成物は、前記エポキシ樹脂と共に、硬化剤を含有することができる。前記硬化剤を含むことにより、耐熱性に優れた硬化物を得ることができる。
ここで用いる硬化剤としては、アミン化合物、アミド化合物、酸無水物、フェノール樹脂等が挙げられ、これらはそれぞれ単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。なお、前記硬化剤としてのフェノール樹脂は、上記一般式(1)で表されるフェノール樹脂も使用可能である。
前記アミン化合物としては、例えば、ジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン、イミダゾ-ル、BF-アミン錯体、グアニジン誘導体等が挙げられる。
前記アミド系化合物としては、例えば、ジシアンジアミド、脂肪族二塩基酸やダイマー酸、脂肪酸のカルボン酸化合物とエチレンジアミン等のアミンとより合成されるポリアミド樹脂等が挙げられる。
前記酸無水物としては、例えば、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸等が挙げられる。
前記フェノール樹脂としては、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール付加型樹脂、フェノールアラルキル樹脂(ザイロック樹脂)、レゾルシンノボラック樹脂に代表される多価ヒドロキシ化合物とホルムアルデヒドから合成される多価フェノールノボラック樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、トリメチロールメタン樹脂、テトラフェニロールエタン樹脂、ナフトールノボラック樹脂、ナフトール-フェノール共縮ノボラック樹脂、ナフトール-クレゾール共縮ノボラック樹脂、ビフェニル変性フェノール樹脂(ビスメチレン基でフェノール核がビフェニル骨格と連結された多価フェノール化合物)、ビフェニル変性ナフトール樹脂(ビスメチレン基でフェノール核がビフェニル骨格と連結された多価ナフトール化合物)、アミノトリアジン変性フェノール樹脂(メラミン、ベンゾグアナミンなどでフェノール核が連結された多価フェノール化合物)やアルコキシ基含有芳香環変性ノボラック樹脂(ホルムアルデヒドでフェノール核及びアルコキシ基含有芳香環が連結された多価フェノール化合物)等の多価フェノール化合物等が挙げられる。
これらの硬化剤はそれぞれ単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。
本発明の硬化性樹脂組成物において、エポキシ樹脂成分と硬化剤との配合割合は、硬化性に優れ、耐熱性や靭性に優れる硬化物が得られることから、エポキシ樹脂成分中のエポキシ基の合計(エポキシ当量)1当量に対して、硬化剤中の活性基が0.7~1.5当量になる量が好ましい。
前記添加剤としては、例えば、硬化促進剤、難燃剤、無機充填剤、シランカップリング剤、離型剤、顔料、乳化剤、溶剤等の各種添加剤が挙げられ、必要に応じて、前記構成樹脂組成物に含有することができる。
[硬化促進剤]
前記硬化促進剤は、例えば、リン系化合物、第3級アミン、イミダゾール、有機酸金属塩、ルイス酸、アミン錯塩等が挙げられる。中でも、硬化性、耐熱性、電気特性、耐湿信頼性等に優れる点から、イミダゾール化合物では2-エチル-4-メチルイミダゾール、リン系化合物ではトリフェニルホスフィン、第3級アミンでは1,8-ジアザビシクロ-[5.4.0]-ウンデセン(DBU)が好ましい。
[難燃剤]
前記難燃剤は、例えば、赤リン、リン酸一アンモニウム、リン酸二アンモニウム、リン酸三アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム等のリン酸アンモニウム、リン酸アミド等の無機リン化合物;リン酸エステル化合物、ホスホン酸化合物、ホスフィン酸化合物、ホスフィンオキシド化合物、ホスホラン化合物、有機系含窒素リン化合物、9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキシド、10-(2,5-ジヒドロオキシフェニル)-10H-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキシド、10-(2,7-ジヒドロオキシナフチル)-10H-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキシド等の環状有機リン化合物、及びそれをエポキシ樹脂やフェノール樹脂等の化合物と反応させた誘導体等の有機リン化合物;トリアジン化合物、シアヌル酸化合物、イソシアヌル酸化合物、フェノチアジン等の窒素系難燃剤;シリコーンオイル、シリコーンゴム、シリコーン樹脂等のシリコーン系難燃剤;金属水酸化物、金属酸化物、金属炭酸塩化合物、金属粉、ホウ素化合物、低融点ガラス等の無機難燃剤等が挙げられる。これら難燃剤を用いる場合は、硬化性樹脂組成物中0.1~20質量%の範囲であることが好ましい。
[無機充填剤]
前記無機充填剤は、例えば、本発明の硬化性樹脂組成物を半導体封止材料用途に用いる場合などに配合される。前記無機充填剤は、例えば、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、窒化珪素、水酸化アルミ等が挙げられる。中でも、無機充填剤をより多く配合することが可能となることから、前記溶融シリカが好ましい。前記溶融シリカは破砕状、球状のいずれでも使用可能であるが、溶融シリカの配合量を高め、且つ、硬化性樹脂組成物の溶融粘度の上昇を抑制するためには、球状のものを主に用いることが好ましい。更に、球状シリカの配合量を高めるためには、球状シリカの粒度分布を適当に調整することが好ましい。その充填率は硬化性樹脂組成物100質量部中、0.5~95質量部の範囲で配合することが好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、無溶剤で調製しても構わないし、溶剤を含んでいてもよい。前記溶剤は、硬化性樹脂組成物の粘度を調整する機能等を有する。前記溶剤の具体例としては、特に制限されないが、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、カルビトールアセテート等のエステル系溶剤;セロソルブ、ブチルカルビトール等のカルビトール類、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メシチレン、1,2,3-トリメチルベンゼン、1,2,4-トリメチルベンゼン等の芳香族炭化水素、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン等のアミド系溶剤等が挙げられる。これらの溶剤は単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
この他、本発明の硬化性樹脂組成物を導電ペーストなどの用途に使用する場合は、銀粉や銅粉等の導電性充填剤を用いることができる。
<硬化物>
本発明は、前記硬化性樹脂組成物を硬化反応させて得られることを特徴とする硬化物に関する。前記硬化物は、前記エポキシ樹脂を含有する前記硬化性樹脂組成物により得られるため、高耐熱性、及び、高曲げ特性(曲げ強度や曲げ弾性率など)を発現することができ、好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、上記した各成分を均一に混合することにより得られる。エポキシ樹脂成分、硬化剤、更に必要により硬化促進剤などが配合され、これを用いて、従来公知の方法と同様の方法にて、容易に硬化物を得ることができる。得られた硬化物は、積層物、注型物、接着層、塗膜、フィルム等の成形硬化物が挙げられる。
前記硬化性樹脂組成物を硬化反応させてなる硬化物を得る方法としては、例えば、加熱硬化する際の加熱温度は、特に制限されないが、100~300℃であり、加熱時間としては、1~24時間であることが好ましい。
<硬化性樹脂組成物の用途>
前記硬化性樹脂組成物が用いられる用途としては、プリント配線板材料、フレキシルブル配線基板用樹脂組成物、ビルドアップ基板用層間絶縁材料、ビルドアップ用接着フィルム等の回路基板用絶縁材料、樹脂注型材料、接着剤、半導体封止材料、半導体装置、プリプレグ、導電ペースト、ビルドアップフィルム、ビルドアップ基板、繊維強化複合材料、前記複合材料を硬化させてなる成形品等が挙げられる。これら各種用途のうち、プリント配線板材料、回路基板用絶縁材料、ビルドアップ用接着フィルム用途では、コンデンサ等の受動部品やICチップ等の能動部品を基板内に埋め込んだ所謂電子部品内蔵用基板用の絶縁材料として用いることができる。さらに、上記の中でも、硬化物が優れた高耐熱性、及び、高弾性率等を有するといった特性を生かし、本発明の硬化性樹脂組成物は、半導体封止材料、半導体装置、プリプレグ、フレキシルブル配線基板、回路基板、及び、ビルドアップフィルム、ビルドアップ基板、多層プリント配線板、繊維強化複合材料、前記複合材料を硬化させてなる成形品に用いることが好ましい。以下に、硬化性樹脂組成物から、前記繊維強化複合材料などを製造する方法について説明する。
1.半導体封止材料
上記硬化性樹脂組成物から半導体封止材料を得る方法としては、上記硬化性樹脂組成物、及び硬化促進剤、及び無機充填剤等の配合剤とを必要に応じて押出機、ニ-ダ、ロ-ル等を用いて均一になるまで充分に溶融混合する方法が挙げられる。その際、無機充填剤としては、通常、溶融シリカが用いられるが、パワートランジスタ、パワーIC用高熱伝導半導体封止材として用いる場合は、溶融シリカよりも熱伝導率の高い結晶シリカ、アルミナ、窒化ケイ素などの高充填化、又は溶融シリカ、結晶性シリカ、アルミナ、窒化ケイ素などを用いるとよい。その充填率は硬化性樹脂組成物100質量部当たり、無機充填剤を30~95質量部の範囲で用いることが好ましく、中でも、難燃性や耐湿性や耐ハンダクラック性の向上、線膨張係数の低下を図るためには、70質量部以上がより好ましく、80質量部以上であることがさらに好ましい。
2.半導体装置
上記硬化性樹脂組成物から半導体装置を得る方法としては、上記半導体封止材料を注型、或いはトランスファー成形機、射出成形機などを用いて成形し、さらに50~200℃で2~10時間の間、加熱する方法が挙げられる。
3.プリプレグ
上記硬化性樹脂組成物からプリプレグを得る方法としては、下記有機溶剤を配合してワニス化した硬化性樹脂組成物を、補強基材(紙、ガラス布、ガラス不織布、アラミド紙、アラミド布、ガラスマット、ガラスロービング布など)に含浸したのち、用いた溶剤種に応じた加熱温度、好ましくは50~170℃で加熱することによって、得る方法が挙げられる。この時用いる樹脂組成物と補強基材の質量割合としては、特に限定されないが、通常、プリプレグ中の樹脂分が20~60質量%となるように調製することが好ましい。
ここで用いる有機溶剤としては、メチルエチルケトン、アセトン、ジメチルホルムアミド、メチルイソブチルケトン、メトキシプロパノール、シクロヘキサノン、メチルセロソルブ、エチルジグリコールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が挙げられ、その選択や適正な使用量は用途によって適宜選択し得るが、例えば、下記のようにプリプレグからプリント回路基板をさらに製造する場合には、メチルエチルケトン、アセトン、ジメチルホルムアミド等の沸点が160℃以下の極性溶剤を用いることが好ましく、また、不揮発分が40~80質量%となる割合で用いることが好ましい。
4.回路基板
上記硬化性樹脂組成物からプリント回路基板を得る方法としては、上記プリプレグを、常法により積層し、適宜銅箔を重ねて、1~10MPaの加圧下に170~300℃で10分~3時間、加熱圧着させる方法が挙げられる
5.フレキシルブル配線基板
上記硬化性樹脂組成物からフレキシルブル配線基板を製造する方法としては、以下に示す3つの工程からなる方法で製造されるものが挙げられる。第1の工程は、活性エステル、エポキシ樹脂、及び有機溶剤を配合した硬化性樹脂組成物を、リバースロールコータ、コンマコータ等の塗布機を用いて、電気絶縁性フィルムに塗布する工程であり、第2の工程は、加熱機を用いて60~170℃で1~15分間の間、硬化性樹脂組成物が塗布された電気絶縁性フィルム加熱し、電気絶縁性フィルムから溶剤を揮発させて、硬化性樹脂組成物をB-ステージ化する工程であり、第3の工程は、硬化性樹脂組成物がB-ステージ化された電気絶縁性フィルムに、加熱ロール等を用いて、接着剤に金属箔を熱圧着(圧着圧力は2~200N/cm、圧着温度は40~200℃が好ましい)する工程である。なお、上記3つの工程を経ることで、十分な接着性能が得られれば、ここで終えても構わないが、完全接着性能が必要な場合は、さらに100~200℃で1~24時間の条件で後硬化させることが好ましい。最終的に硬化させた後の硬化性樹脂組成物膜の厚みは、5~100μmの範囲が好ましい。
6.ビルドアップ基板
上記硬化性樹脂組成物からビルドアップ基板を製造する方法としては、以下に示す3つの工程からなる方法で製造されるものが挙げられる。第1の工程は、ゴム、フィラーなどを適宜配合した上記硬化性樹脂組成物を、回路を形成した回路基板にスプレーコーティング法、カーテンコーティング法等を用いて塗布した後、硬化させる工程であり、第2の工程は、その後、必要に応じて所定のスルーホール部等の穴あけを行った後、粗化剤により処理し、その表面を湯洗することによって、凹凸を形成させ、銅などの金属をめっき処理する工程であり、第3の工程は、このような操作を所望に応じて順次繰り返し、樹脂絶縁層及び所定の回路パターンの導体層を交互にビルドアップして形成する工程である。なお、スルーホール部の穴あけは、最外層の樹脂絶縁層の形成後に行うことが好ましい。第一の工程は、上述の溶液塗布によるもの以外にも、あらかじめ所望の厚みに塗工して乾燥したビルドアップフィルムのラミネートによる方法でも行うことができる。また、本発明のビルドアップ基板は、銅箔上で当該樹脂組成物を半硬化させた樹脂付き銅箔を、回路を形成した配線基板上に、170~250℃で加熱圧着することで、粗化面を形成、メッキ処理の工程を省き、ビルドアップ基板を製造することも可能である。
7.ビルドアップフィルム
上記硬化性樹脂組成物からビルドアップフィルムを製造する方法としては、上記硬化性樹脂組成物を、支持フィルム上に塗布し、硬化性樹脂組成物層を形成させて多層プリント配線板用の接着フィルムとすることにより製造する方法が挙げられる。
硬化性樹脂組成物からビルドアップフィルムを製造する場合、該フィルムは、真空ラミネート法におけるラミネートの温度条件(通常70~140℃)で軟化し、回路基板のラミネートと同時に、回路基板に存在するビアホール、あるいは、スルーホール内の樹脂充填が可能な流動性(樹脂流れ)を示すことが肝要であり、このような特性を発現するよう上記各成分を配合することが好ましい。
ここで、多層プリント配線板のスルーホールの直径は、通常0.1~0.5mm、深さは通常0.1~1.2mmであり、通常この範囲で樹脂充填を可能とするのが好ましい。なお回路基板の両面をラミネートする場合はスルーホールの1/2程度充填されることが望ましい。
上記した接着フィルムを製造する方法は、具体的には、ワニス状の上記硬化性樹脂組成物を調製した後、支持フィルム(Y)の表面に、このワニス状の組成物を塗布し、更に加熱、あるいは熱風吹きつけ等により有機溶剤を乾燥させて硬化性樹脂組成物からなる組成物層(X)を形成させることにより製造することができる。
形成される組成物層(X)の厚さは、通常、導体層の厚さ以上とすることが好ましい。回路基板が有する導体層の厚さは通常5~70μmの範囲であるので、樹脂組成物層の厚さは10~100μmの厚みを有するのが好ましい。
なお、本発明における組成物層(X)は、後述する保護フィルムで保護されていてもよい。保護フィルムで保護することにより、樹脂組成物層表面へのゴミ等の付着やキズを防止することができる。
上記した支持フィルム及び保護フィルムは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート(以下「PET」と略称することがある。)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、更には離型紙や銅箔、アルミニウム箔等の金属箔などを挙げることができる。なお、支持フィルム及び保護フィルムはマッド処理、コロナ処理の他、離型処理を施してあってもよい。
支持フィルムの厚さは特に限定されないが、通常10~150μmであり、好ましくは25~50μmの範囲で用いられる。また保護フィルムの厚さは1~40μmとするのが好ましい。
上記した支持フィルム(Y)は、回路基板にラミネートした後に、或いは加熱硬化することにより絶縁層を形成した後に、剥離される。接着フィルムを加熱硬化した後に支持フィルム(Y)を剥離すれば、硬化工程でのゴミ等の付着を防ぐことができる。硬化後に剥離する場合、通常、支持フィルムには予め離型処理が施される。
8.多層プリント配線板
なお、上記のようして得られたフィルムを用いて多層プリント配線板を製造することもできる。そのような多層プリント配線板の製造方法は、例えば、組成物層(X)が保護フィルムで保護されている場合はこれらを剥離した後、組成物層(X)を回路基板に直接、回路基板の片面又は両面に、例えば真空ラミネート法によりラミネートする。ラミネートの方法はバッチ式であってもロールでの連続式であってもよい。またラミネートを行う前に接着フィルム及び回路基板を必要により加熱(プレヒート)しておいてもよい。
ラミネートの条件は、圧着温度(ラミネート温度)を好ましくは70~140℃、圧着圧力を好ましくは1~11kgf/cm(9.8×10~107.9×10N/m)とし、空気圧20mmHg(26.7hPa)以下の減圧下でラミネートすることが好ましい。
9.繊維強化複合材料
本発明は、前記硬化性樹脂組成物と、強化繊維を含有することを特徴とする繊維強化複合材料に関する。前記硬化性樹脂組成物から繊維強化複合材料を製造する方法としては、硬化性樹脂組成物を構成する各成分を均一に混合してワニスを調整し、次いでこれを強化繊維からなる強化基材に含浸した後、重合反応させることにより製造することができる。特に本発明のエポキシ樹脂は、低溶融粘度であるため、ハンドリング性に優れるため、前記繊維強化複合材料の製造に適しており、好ましい。
かかる重合反応を行う際の硬化温度は、具体的には、50~250℃の温度範囲であることが好ましく、特に、50~100℃で硬化させ、タックフリー状の硬化物にした後、更に、120~200℃の温度条件で処理することが好ましい。
ここで、強化繊維は、有撚糸、解撚糸、又は無撚糸などいずれでも良いが、解撚糸や無撚糸が、繊維強化プラスチック製部材の成形性と機械強度を両立することから、好ましい。さらに、強化繊維の形態は、繊維方向が一方向に引き揃えたものや、織物が使用できる。織物では、平織り、朱子織りなどから、使用する部位や用途に応じて自由に選択することができる。具体的には、機械強度や耐久性に優れることから、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維、炭化ケイ素繊維などが挙げられ、これらの2種以上を併用することもできる。これらの中でもとりわけ成形品の強度が良好なものとなる点から炭素繊維が好ましく、かかる、炭素繊維は、ポリアクリロニトリル系、ピッチ系、レーヨン系などの各種のものが使用できる。中でも、容易に高強度の炭素繊維が得られるポリアクリロニトリル系のものが好ましい。ここで、ワニスを強化繊維からなる強化基材に含浸して繊維強化複合材料とする際の強化繊維の使用量は、該繊維強化複合材料中の強化繊維の体積含有率が40~85%の範囲となる量であることが好ましい。
10.繊維強化樹脂成形品
本発明は、前記硬化物と、強化繊維を含有することを特徴とする繊維強化樹脂成形品に関する。前記硬化性樹脂組成物から繊維強化樹脂成形品を製造する方法としては、型に繊維骨材を敷き、上記ワニスを多重積層してゆくハンドレイアップ法やスプレーアップ法、オス型・メス型のいずれかを使用し、強化繊維からなる基材にワニスを含浸させながら積み重ねて成形、圧力を成形物に作用させることのできるフレキシブルな型をかぶせ、気密シールしたものを真空(減圧)成型する真空バッグ法、あらかじめ強化繊維を含有するワニスをシート状にしたものを金型で圧縮成型するSMCプレス法、繊維を敷き詰めた合わせ型に上記ワニスを注入するRTM法などにより、強化繊維に上記ワニスを含浸させたプリプレグを製造し、これを大型のオートクレーブで焼き固める方法などが挙げられる。特に本発明のエポキシ樹脂は、低溶融粘度であるため、ハンドリング性に優れるため、前記繊維強化樹脂成形品の製造に適しており、好ましい。なお、上記で得られた繊維強化樹脂成形品は、強化繊維と硬化性樹脂組成物の硬化物とを有する成形品であり、具体的には、繊維強化樹脂成形品中の強化繊維の量は、40~70質量%の範囲であることが好ましく、強度の点から50~70質量%の範囲であることが特に好ましい。
11.その他
上記で半導体封止材料や繊維強化複合材料等を製造する方法について説明したが、硬化性樹脂組成物からその他の硬化物を製造することもできる。その他の硬化物の製造方法としては、一般的な硬化性樹脂組成物の硬化方法に準拠することにより製造することができる。例えば加熱温度条件は、組み合わせる硬化剤の種類や用途等によって、適宜選択すればよい。
以下に、本発明を実施例、及び、比較例により具体的に説明するが、これらに限定解釈されるものではない。また、以下において、特に断わりのない限り、質量基準である。なお、以下に得られたフェノール樹脂やエポキシ樹脂、前記エポキシ樹脂を用いて得られる硬化物については、以下の条件等にて測定・評価を行った。
<フェノール樹脂の水酸基当量>
以下に示す手順、及び、計算式により、フェノール樹脂の水酸基当量(g/当量)を測定した。
500mL三角フラスコに、以下に得られたフェノール樹脂を試料とし、これを2.5g、トリフェニルホスフィン7.5g、ピリジン7.5g、無水酢酸2.5gを精秤し、120℃にて2.5時間処理した後、5mLの蒸留水を加え反応を停止した。その後、テトラヒドロフラン150mL、プリピレングリコールモノメチルエーテル200mLに溶解することで、試料溶液を調製した。
前記試料溶液とは別に、10mL蒸留水、2.5gの無水酢酸を精秤し、ピリジン10gを入れ、10分間攪拌し、20分静置した後、テトラヒドロフラン150mL、プリピレングリコールモノメチルエーテル200mLと混合することで、ブランク溶液を調製した。
得られた試料溶液、及び、ブランク溶液について、電位差自動滴定装置AT-510(京都電子工業社製)を使用し、0.5mol/Lエタノール性水酸化カリウム溶液(滴定液)を用いて、滴定を行った後、以下の計算式を用いて、水酸基当量を算出した。
[ブランクの計算式]
BL=(ブランク溶液の滴定量)×(2.5gの無水酢酸の理論滴定量)/(ブランク溶液の理論滴定量)
=Y×[(2.5/102.09)×2×(1000/5)]/[(W/102.09)×2×(1000/5)]
BL:ブランク値(mL)
Y:ブランク溶液の滴定量(mL)
W:ブランク測定の無水酢酸の量(g)
[試料の水酸基当量を計算するための式]
水酸基当量(g/当量)=S×1000/[{(BL×FA3/FA5)-EP1}×FA4]
S:サンプル量(g)
FA3:試料測定時の無水酢酸の量(g)
FA4:滴定液(エタノール性KOH溶液)の濃度(mol/L)
FA5:試料測定時の無水酢酸の量(g)
EP1:試料の滴定量(mL)
<フェノール樹脂の軟化点>
JIS K 7234(環球法)に準拠して、以下に得られたフェノール樹脂の軟化点(℃)を測定した。
<溶融粘度測定(150℃)>
ASTM D4287に準拠して、ICI粘度計にて、150℃における溶融粘度(dPa・s)測定した。
<粘度測定(25℃)>
E型粘度計(東機産業株式会社製 TV-22)を用いて、25℃における粘度(mPa・s)測定した。
<エポキシ樹脂のエポキシ当量>
JIS K 7236に準拠して、以下に得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量(g/当量)を測定した。
<GPCの測定>
以下の測定装置、測定条件を用いて、以下に示す合成方法で得られたフェノール樹脂、 及び、前記フェノール樹脂を用いて得られたエポキシ樹脂のGPC測定を行った。なお、 前記GPCの測定の結果(GPCチャート)については、実施例1~4についてのみ図示した。
測定装置:東ソー株式会社製「HLC-8320 GPC」、
カラム:東ソー株式会社製ガードカラム「HXL-L」
+東ソー株式会社製「TSK-GEL G2000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK-GEL G2000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK-GEL G3000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK-GEL G4000HXL」
検出器:RI(示差屈折計)
データ処理:東ソー株式会社製「GPCワークステーション EcoSEC-WorkStation」
測定条件:カラム温度 40℃
展開溶剤 テトラヒドロフラン
流速 1.0ml/分
標準 :前記「GPCワークステーション EcoSEC―WorkStation」の測定マニュアルに準拠して、分子量が既知の下記の単分散ポリスチレンを用いた。
(使用ポリスチレン)
東ソー株式会社製「A-500」
東ソー株式会社製「A-1000」
東ソー株式会社製「A-2500」
東ソー株式会社製「A-5000」
東ソー株式会社製「F-1」
東ソー株式会社製「F-2」
東ソー株式会社製「F-4」
東ソー株式会社製「F-10」
東ソー株式会社製「F-20」
東ソー株式会社製「F-40」
東ソー株式会社製「F-80」
東ソー株式会社製「F-128」
試料:エポキシ樹脂固形分換算で1.0質量%であり、のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(50μl)。
なお、前記フェノール樹脂中の残留した(未反応の)カテコール化合物の含有割合(面積%)については、硬化時の揮発分を低減する観点や、得られる硬化物の曲げ特性への悪影響を回避するため、残留カテコール化合物の含有割合が、2面積%以下であることが好ましい。
13C-NMR測定>
13C-NMR:日本電子製「JNM-ECA500」
磁場強度:500MHz
積算回数:2000回
溶媒:DMSO-d6(フェノール樹脂)、クロロホルム-d1(エポキシ樹脂)
試料濃度:30質量%
前記13C―NMRチャートの結果より、目的生成物(フェノール樹脂、及び、エポキシ樹脂)由来のピークが確認でき、各反応における目的生成物が得られたことを確認した。なお、前記13C―NMR測定の結果(13C―NMRチャート)については、実施例2及び実施例4についてのみ図示した。
<FD-MSスペクトル測定>
FD-MSスペクトルは、以下の測定装置、測定条件を用いて測定した。
測定装置:日本電子製JMS-T100GC AccuTOF
測定条件
測定範囲:m/z=4.00~2000.00
変化率:51.2mA/min
最終電流値:45mA
カソード電圧:-10kV
記録間隔:0.07sec
前記FD-MSスペクトルの結果より、目的生成物(フェノール樹脂、及び、エポキシ樹脂)由来のピークが確認でき、目的生成物が得られたことを確認した。なお、前記FD-MSスペクトル測定の結果については、実施例2及び実施例4についてのみ図示した。
[実施例1]
[フェノール樹脂(a-1)の合成]
温度計、冷却管、攪拌機を取り付けた2Lフラスコにカテコール550.5g(5.00mol)、オルソキシリレンジクロライド175.2g(1.00mol)、メタノール87.6gを仕込み、溶解しながら120℃まで昇温した。その温度で2時間保持した後、メタノールを系外へ排出しつつ150℃まで昇温して3時間保持して反応させた。この際、反応で生成した塩化水素ガスは、系外に設置した水酸化ナトリウム水溶液層に吸収させ中和した。反応後、150℃減圧下で水蒸気を吹き込みながら未反応カテコールを留去することで、フェノール樹脂(a-1)280.4gを得た。前記フェノール樹脂(a-1)の水酸基当量は87g/当量であり、軟化点は76℃、150℃における溶融粘度は1.2dPa・sであった。GPC測定の結果、2量体のGPC面積%は62面積%で あり、残留カテコールは0.8面積%であった。なお、GPCチャートを図1に示した。 なお、フェノール樹脂全量中の2量体の含有量としては、前記フェノール樹脂を用いて得 られるエポキシ樹脂を合成した際のハンドリング性や硬化物の機械的特性(曲げ特性)を向上させる観点から、GPC面積%で50面積%以上が好ましく、60面積%以上がより好ましい。
[実施例2]
[フェノール樹脂(a-2)の合成]
温度計、冷却管、攪拌機を取り付けた2Lフラスコにカテコール1266.2g(11.50mol)、オルソキシリレンジクロライド201.5g(1.15mol)、メタノール100.8gを仕込み、溶解しながら120℃まで昇温した。その温度で2時間保持した後、メタノールを系外に排出しつつ、150℃まで昇温して3時間保持して反応させた。この際、反応で生成した塩化水素ガスは、系外に設置した水酸化ナトリウム水溶液層に吸収させ中和した。反応後、150℃減圧下で水蒸気を吹き込みながら未反応カテコールを留去することで、フェノール樹脂(a-2)423.6gを得た。前記フェノール樹脂(a-2)の水酸基当量は86g/当量であり、軟化点は69℃、150℃における溶融粘度は0.7dPa・sであった。GPC測定の結果、2量体のGPC面積%は79 面積%であり、残留カテコールは0.6面積%であった。なお、GPCチャートを図2に 示した。また、FD-MSスペクトル、及び、13C―NMRチャートの測定により、前記フェノール樹脂(a-2)の合成を確認した。その測定結果をそれぞれ図5、及び、図7に示した。
[実施例3]
[エポキシ樹脂(A-1)の合成]
温度計、冷却管、攪拌機を取り付けた2Lフラスコにフェノール樹脂(a-1)174.0g(水酸基として2.0mol)、エピクロルヒドリン740.0g(8.0mol)を仕込み、攪拌溶解しながら50℃に昇温した。次いで、塩化ベンジルトリメチルアンモニウムを1.70g仕込み、50℃の温度のまま24時間反応させた。さらに、49%水酸化ナトリウム水溶液179.6g(水酸基に対して1.10当量)を3時間かけて滴下し、さらに50℃で1時間反応させた。反応終了後、n-ブタノール148.0g添加し、攪拌を停止して、下層に溜まった水層を除去し、攪拌を再開し150℃減圧下で未反応エピクロルヒドリンを留去した。それで得られた粗エポキシ樹脂にメチルイソブチルケトン479.4gとn-ブタノール80.0gを加え溶解した。さらにこの溶液に10%水酸化ナトリウム水溶液18.3gを添加して80℃2時間反応させた後に洗浄液のpHが中性となるまで水141.0gで水洗を繰り返した。次いで、共沸によって系内を脱水し、精密ろ過を経た後に、溶剤を減圧下にて留去し目的のエポキシ樹脂(A-1)270.7gを得た。得られたエポキシ樹脂(A-1)のエポキシ当量は171g/当量であり、150℃における溶融粘度は0.6dPa・sであった。なお、GPCチャートを図3に示した。
[実施例4]
[エポキシ樹脂(A-2)の合成]
温度計、冷却管、攪拌機を取り付けた2Lフラスコにフェノール樹脂(a-2)301.0g(水酸基として3.5mol)、エピクロルヒドリン1295.0g(14mol)を仕込み、攪拌溶解しながら50℃に昇温した。次いで、塩化ベンジルトリメチルアンモニウムを2.87g仕込み、50℃の温度のまま24時間反応させた。さらに、49%水酸化ナトリウム水溶液314.3g(水酸基に対して1.10当量)を3時間かけて滴下し、さらに50℃で1時間反応させた。反応終了後、n-ブタノール259.0g添加し、攪拌を停止して、下層に溜まった水層を除去し、攪拌を再開し150℃減圧下で未反応エピクロルヒドリンを留去した。それで得られた粗エポキシ樹脂にメチルイソブチルケトン821.1gとn-ブタノール137.1gを加え溶解した。さらにこの溶液に10%水酸化ナトリウム水溶液24.9gを添加して80℃2時間反応させた後に洗浄液のpHが中性となるまで水241.5gで水洗を繰り返した。次いで、共沸によって系内を脱水し、精密ろ過を経た後に、溶剤を減圧下にて留去し目的のエポキシ樹脂(A-2)477.1gを得た。得られたエポキシ樹脂(A-2)のエポキシ当量は170g/当量であり、150℃における溶融粘度は0.4dPa・sであった。なお、GPCチャートを図4に示した。また、FD-MSスペクトル、及び、13C―NMRチャートの測定により、前記エポキシ樹脂(A-2)の合成を確認した。その測定結果をそれぞれ図6、及び、図8に示した。
[比較例1]
[フェノール樹脂(b-1)の合成]
温度計、冷却管、攪拌機を取り付けた2Lフラスコにカテコール660.6g(6.00mol)、パラキシリレンジクロライド105.1g(0.60mol)、メタノール52.6gを仕込み、溶解しながら120℃まで昇温した。その温度で2時間保持した後、メタノールを系外へ排出しつつ、150℃まで昇温して3時間保持して反応させた。この際、反応で生成した塩化水素ガスは、系外に設置した水酸化ナトリウム水溶液層に吸収させ中和した。反応後、150℃減圧下で水蒸気を吹き込みながら未反応カテコールを留去することで、フェノール樹脂(b-1)235.4gを得た。前記フェノール樹脂(b-1)の水酸基当量は85g/当量、軟化点は64℃、150℃における溶融粘度は1.2dPa・sであった。また、残留カテコールは、GPC面積%で0.3面積%であった。なお、比較例について、実施例と同様に、FD-MSスペクトル、及び、13C―NMR測定を行い、合成確認を行ったが、図示していない。以下の比較例についても同様である。
[比較例2]
[エポキシ樹脂(B-1)の合成]
温度計、冷却管、攪拌機を取り付けた2Lフラスコにフェノール樹脂(b-1)186.3g(水酸基として2.3mol)、エピクロルヒドリン851.0g(9.2mol)を仕込み、攪拌溶解しながら50℃に昇温した。次いで、塩化ベンジルトリメチルアンモニウムを1.86g仕込み、50℃の温度のまま24時間反応させた。さらに、49%水酸化ナトリウム水溶液216.0g(水酸基に対して1.10当量)を3時間かけて滴下し、さらに50℃で1時間反応させた。反応終了後、n-ブタノール259.0g添加し、攪拌を停止して、下層に溜まった水層を除去し、攪拌を再開し150℃減圧下で未反応エピクロルヒドリンを留去した。それで得られた粗エポキシ樹脂にメチルイソブチルケトン821.1gとn-ブタノール170.4gを加え溶解した。さらにこの溶液に10%水酸化ナトリウム水溶液31.2gを添加して80℃2時間反応させた後に洗浄液のpHが中性となるまで水157.6gで水洗を繰り返した。次いで、共沸によって系内を脱水し、精密ろ過を経た後に、溶剤を減圧下にて留去し、エポキシ樹脂(B-1)299.3gを得た。得られたエポキシ樹脂(B-1)のエポキシ当量は166g/当量であり、150℃における溶融粘度は0.4dPa・sであった。
[比較例3]
[エポキシ樹脂(B-2)の合成]
温度計、冷却管、攪拌機を取り付けた2Lフラスコにカテコール165.0g(1.5mol)、エピクロルヒドリン1110g(12mol)を仕込み、攪拌溶解しながら50℃に昇温した。次いで、塩化ベンジルトリメチルアンモニウムを11.2g仕込み、50℃の温度のまま24時間反応させた。さらに49%水酸化ナトリウム水溶液269.4g(水酸基に対して1.10mol)を3時間かけて滴下し、さらに50℃で1時間反応させた。反応終了後、n-ブタノール222.0g添加し、攪拌を停止して、下層に溜まった水層を除去し、攪拌を再開し150℃減圧下で未反応エピクロルヒドリンを留去した。それで得られた粗エポキシ樹脂にメチルイソブチルケトン566.1gとn-ブタノール94.5gを加え溶解した。さらにこの溶液に10%水酸化ナトリウム水溶液14.2gを添加して80℃2時間反応させ
た後に洗浄液のpHが中性となるまで水185.0gで水洗を繰り返した。次いで、共沸によって系内を脱水し、精密ろ過を経た後に、溶剤を減圧下にて留去し、エポキシ樹脂(B-2)323.0gを得た。得られたエポキシ樹脂(B-2)のエポキシ当量は139g/当量であり、25℃における粘度は190mPa・sであった。
[比較例4]
[エポキシ樹脂(B-3)]
ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(DIC社製、EPICLON850S、エポキシ当量:188g/当量、25℃での粘度:13,000mPa・s)をエポキシ樹脂(B-3)とした。
[実施例5~6、比較例5~7]
実施例3~4、比較例2~4のエポキシ樹脂および硬化剤として4,4’-ジアミノジフェニルスルホンをエポキシ当量/活性水素当量=1/1となるように配合し、120℃で溶融混合してエポキシ樹脂組成物(硬化性樹脂組成物)を得た。さらに、エポキシ樹脂組成物を、2mmおよび4mmのスペーサーを挟んだガラス板の間に流し込み、150℃で1 時間、次いで180℃で3時間硬化反応を行い、硬化物を作成した。
<ガラス転移温度(Tg)>
得られた厚さ2mmの硬化物を幅5mm、長さ20mmのサイズに切り出し、これを試験片とした。この試験片を粘弾性測定装置(DMA:日立ハイテクサイエンス社製固体粘弾性測定装置「DMS6100」、変形モード:両持ち曲げ、測定モード:正弦波振動、周波数1Hz、昇温速度3℃/分)を用いて、弾性率変化が最大となる(tanδ変化率が最も大きい)温度をガラス転移温度として評価した。
なお、前記ガラス転移温度(Tg)としては、好ましくは、240℃以上であり、より好ましくは、245℃以上である。前記範囲内にあれば、高耐熱性を発現できており、有用である。
<曲げ強度、曲げ弾性率、曲げ歪の測定>
得られた硬化物を、JIS K7171に従って、4mm厚の硬化物の曲げ強度、曲げ弾性率、曲げ歪みを測定した。
前記曲げ弾性率としては、好ましくは3200MPa以上であり、より好ましくは、3500MPa以上であり、更に好ましくは、3700MPa以上である。
前記曲げ強度としては、好ましくは、110MPa以上であり、より好ましくは、125MPa以上であり、更に好ましくは、140MPa以上である。
前記曲げ歪みとしては、好ましくは、3%以上であり、より好ましくは、4%以上であり、更に好ましくは、5%以上である。
前記範囲内にあれば、高曲げ特性を発現できており、有用である。
Figure 0007188657000010
上記表1の評価結果より、実施例5及び6は、実施例1及び2の所望のフェノール樹脂を使用して得られた実施例3及び4のエポキシ樹脂を使用したことで、高耐熱性で高曲げ特性を有する硬化物を得ることができた。
一方、比較例5はオルソキシリレン骨格ではなく、パラキシリレン骨格を含有する化合物を使用したフェノール樹脂を用いたエポキシ樹脂を使用したため、耐熱性及び曲げ特性が全体を通して、実施例よりも劣る結果となった。また、比較例6は、オルソキシリレン骨格含有化合物自体を使用しない比較例3のエポキシ樹脂を使用したため、耐熱性が実施例と比較して非常に劣り、比較例7は、市販のビスフェノールA型の液状エポキシ樹脂を使用したため、耐熱性及び曲げ特性を満足するものではなく、実施例よりも劣る結果となった。
実施例1で得られたフェノール樹脂(a-1)のGPCチャートである。 実施例2で得られたフェノール樹脂(a-2)のGPCチャートである。 実施例3で得られたエポキシ樹脂(A-1)のGPCチャートである。 実施例4で得られたエポキシ樹脂(A-2)のGPCチャートである。 実施例2で得られたフェノール樹脂(a-2)のFD-MSスペクトルチャートである。 実施例4で得られたエポキシ樹脂(A-2)のFD-MSスペクトルチャートである。 実施例2で得られたフェノール樹脂(a-2)の13C-NMRチャートである。 実施例4で得られたエポキシ樹脂(A-2)の13C-NMRチャートである。

Claims (9)

  1. カテコール化合物とオルソキシリレン骨格含有化合物との反応物であり、
    前記カテコール化合物由来のカテコール骨格、及び、前記オルソキシリレン骨格含有化合物由来のオルソキシリレン骨格を有することを特徴とするフェノール樹脂のフェノール性水酸基と、エピハロヒドリンとの反応によるグリシジルエーテル基を有する反応物であることを特徴とするエポキシ樹脂
  2. 前記フェノール樹脂が、下記一般式(1)により表されるものである請求項1に記載のエポキシ樹脂。
    Figure 0007188657000011
    (式(1)中、
    は、水素原子、炭素原子数1~4の炭化水素基、または、炭素原子数1~4のアルコキシ基で表され、
    は、水素原子、メチル基で表され、
    mは、0~2の整数で表され、
    nは、0~4の整数で表され、
    pは、0~50の整数で表される。)
  3. 下記一般式(2)により表されることを特徴とする請求項1又は2に記載のエポキシ樹脂。
    Figure 0007188657000012
    Figure 0007188657000013
    (式(2)中、
    Xは、式(3)で表され、
    は、水素原子、炭素原子数1~4の炭化水素基、または、炭素原子数1~4のアルコキシ基で表され、
    は、水素原子、メチル基で表され、
    は、水素原子、または、メチル基で表され、
    mは、0~2の整数で表され、
    nは、0~4の整数で表され、
    pは、0~50の整数で表される。)
  4. エポキシ当量が、130~250g/当量であることを特徴とする請求項1~3のいずれか一つに記載のエポキシ樹脂。
  5. 150℃における溶融粘度が、2.0dPa・s以下であることを特徴とする請求項1~4のいずれか一つに記載のエポキシ樹脂。
  6. 請求項のいずれかに記載のエポキシ樹脂を含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物。
  7. 請求項に記載の硬化性樹脂組成物を硬化反応させて得られることを特徴とする硬化物。
  8. 請求項に記載の硬化性樹脂組成物と、強化繊維を含有することを特徴とする繊維強化複合材料。
  9. 請求項7に記載の硬化物と、強化繊維を含有することを特徴とする繊維強化樹脂成形品。
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