JP3453009B2 - 電子ビーム露光装置及びこの装置に於けるマーク位置検出方法 - Google Patents

電子ビーム露光装置及びこの装置に於けるマーク位置検出方法

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JP3453009B2
JP3453009B2 JP18423295A JP18423295A JP3453009B2 JP 3453009 B2 JP3453009 B2 JP 3453009B2 JP 18423295 A JP18423295 A JP 18423295A JP 18423295 A JP18423295 A JP 18423295A JP 3453009 B2 JP3453009 B2 JP 3453009B2
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    • H01J2237/30433System calibration
    • H01J2237/30438Registration

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子ビーム露光装
置に関し、特に電子ビーム露光装置に於ける位置合わせ
を行うためのマーク位置検出技術に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体集積回路の高集積化が進むにつれ
て、より微細な加工を行える微細加工技術が要求され
る。電子ビーム露光法は、現在LSIの生産に広く用い
られている光露光法に比べ、解像性や焦点深度の点で遙
に優れた特性を有する。解像度を比較すると、、光リソ
グラフィーによる加工の限界は0.3μm程度である
が、電子ビーム露光に於ては0.1μm以下の微細加工
が可能である。
【0003】しかしながら、電子ビーム露光法は、露光
位置精度、重ね合わせ精度、フィールドの接続精度など
が光露光法に比べて劣るため、量産現場ではあまり用い
られていない。電子ビーム露光装置は、ステッパー等の
光露光装置に比べて一度に露光できる領域(以下偏向フ
ィールド)が小さい。従って、LSIを1チップ露光す
るためには、ステージ移動を行って、偏向フィールドを
LSIチップ上で順次移動させる必要性がある。この
際、偏向フィールド間の境界に於ける偏向フィールドの
接続精度が低いと、断線やショートの原因となり歩留り
を著しく低下させる。
【0004】従って、歩留りを改善するためには、フィ
ールド境界に於ける接続精度を高くする必要があり、そ
のためには電子ビームの偏向精度を高くする必要があ
る。電子ビーム露光装置に於ては、通常、コイルが発生
する磁場で電子ビームを偏向する。コイルはx偏向用と
y偏向用の2系統を含み、各コイルに独立に電流を流す
ことによってビームをx方向及びy方向に偏向する。し
かしながらビーム偏向量は、偏向用コイルを流れる電流
に正比例せずに、電流の複雑な関数になるのが普通であ
る。
【0005】従って電子ビームを精度良く偏向するため
には、偏向器への入力電流を補正してやる必要がある。
補正には2つの種類があり、ひとつは入力値と偏向量を
比例関係にするための歪み補正であり、もうひとつは比
例係数を補正する偏向効率補正である。歪み補正はフィ
ールド内各点でのデータ測定を必要とするため時間がか
かるが、歪みの経時変化は少ないので一度データを測定
しておけばよい。これに対し偏向効率補正に於ては短時
間で補正係数を取得できるが、偏向器の熱分布の変化等
による偏向効率変化の為に、偏向効率補正係数の取得は
比較的頻繁に行われる。
【0006】偏向フィールドを校正するためには、通
常、レーザー干渉光学系によって距離及び直交性が保証
されたステージ座標系に偏向器の座標系を合わせ込むこ
とが行われる。偏向器の座標系を測定するためには、試
料上のマーク位置を電子ビームで検出して、電子ビーム
の実際の照射位置を測定しなければならない。
【0007】図15(A)乃至(B)は、電子ビーム走
査によるマーク位置検出方法を説明する図である。図1
5(A)及び(B)に示されるように、試料上のマーク
を含む範囲に対して偏向器により電子ビームを走査す
る。電子光学系の中心軸に対し対称的に配置された反射
電子検出器200、201、202、及び203によっ
て反射電子信号を検出し、各検出器の出力を加算器20
4で加算する。加算後の信号をビデオアンプ205によ
り増幅して得られる波形を、偏向器の走査と同期させて
測定する。図15(A)に示されるような位置検出マー
クを用いて上記処理を行った場合、図15(C)に示さ
れるような反射電子波形が得られる。このようにして得
られた反射電子波形を解析して、マーク中心位置を検出
する。
【0008】ここで2つの反射電子検出器200及び2
01からの出力を加算するのは、図15(C)に示され
るように、反射電子検出器200及び201からの各々
の出力は非対称なものとなるからである。この非対称性
は、図15(A)に示されるような段差マークを用いた
場合に観測されるものであり、非対称性を生じるメカニ
ズムは以下のように説明される。
【0009】図16(A)に示されるように、段差マー
クの左エッジ上を電子ビームが走査しているときは、マ
ーク側壁で反射または散乱された電子ビームが検出さ
れ、検出器201の検出出力は高くなる。このとき、検
出器200には側壁に遮られて電子が到達しないため
に、検出器200の出力は小さいものとなる。この直後
電子ビームが図中右に走査されビーム全体が段差マーク
の底に照射されると、殆どの電子は左側の側壁に遮られ
て検出器200の出力は極小値をとる。ビームが更に走
査されマーク中央に近づくにつれて、検出器200の出
力は徐々に大きくなる。電子ビームが右側のエッジを走
査するときには、左側のエッジに対するのと同一な現象
が左右対称な形で起きる。この結果、検出器200及び
201で観測される反射電子信号波形は図16(B)の
ようになる。
【0010】このような非対称な波形から、信号処理に
よりマークエッジ部分を検出することは困難である。そ
こで、図16(C)に示されるように、左右2つ(実際
には4つ)の反射電子検出器の出力を加算して対称な反
射電子波形を求め、この対称な波形に基づいてマーク位
置を検出する。
【0011】以上説明されたマーク位置検出を、試料上
のマークをステージによって移動して平面上の様々な位
置において行う。これによって、偏向器の歪みマップや
偏向効率補正係数を取得することができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上述のマ
ーク位置検出方法に於ては、検出されたマーク位置が誤
差を含んでしまうという問題がある。平面上の様々な位
置においてマーク位置検出を行う際、マークの検出器に
対する位置に依存して、マークから見た4つの検出器の
立体角や試料からの出射角が異なることになる。図17
(A)に示すような検出器配置に於ては、偏向フィール
ドの中心から±1mmの位置にマークを位置させた場
合、図17(B)に示されるように左右のマークから見
た検出器の立体角には20〜40%程度の違いがある。
【0013】検出器の検出効率は上記立体角に依存する
ので、立体角に違いがある場合には各検出器からの出力
強度が異なることになる。従って、各検出器からの出力
波形を加算しても、非対称性が加算波形に現われてしま
う。加算波形に於て非対称性が生じる他の原因として、
反射電子検出器の感度が互いに異なる、或いは反射電子
検出器の取り付け位置がズレている、等が上げられる。
【0014】以上説明された加算波形における非対称性
が、マーク位置検出における誤差の原因となる。実験的
に、立体角変化の代わりに一方の検出器の増幅率を変化
させたところ、20〜40%の増幅率変化(20〜40
%の立体角変化に等価)に対して、検出位置は0.01
〜0.02μmずれることが示された。マークの形状が
一定であるならば、マーク位置検出に於て生じる誤差の
マップを作成して誤差を補正することが可能である。し
かしながらマーク位置検出は、電子ビーム偏向効率の補
正データを測定するためだけではなく、実際の半導体プ
ロセスに於けるパターン描画の際の位置合わせのために
も行われる。半導体プロセスで用いられるマークの材料
及び形状の多様性を考えた場合、誤差のマップを用いる
補正方法は有効ではない。
【0015】従って、本発明の目的は、電子ビーム露光
装置に於ける位置合わせを行うためのマーク位置検出に
於て、高精度にマーク位置を検出する方法及び電子ビー
ム露光装置を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に於て
は、電子ビームを偏向する少なくとも一つの偏向器を有
し位置検出用マークの位置を該電子ビームで検出する電
子ビーム露光装置は、複数の反射電子検出器と、該反射
電子検出器の各々の出力を増幅するアンプと、該位置検
出用マークの位置を検出する際に該電子ビームの照射位
置に関わらず該アンプの出力強度が一定となるように該
アンプの増幅率を設定する設定手段を含む。
【0017】これによって、位置検出用マークの位置を
検出するための各反射電子検出器の信号波形が同一の出
力強度となり、位置検出誤差を取り除くことが出来る。
請求項2の発明に於ては、請求項1記載の発明に於て、
前記複数の反射電子検出器は、前記電子ビーム光学系の
中心に対し軸対称の位置に配置された4個以上の反射電
子検出器である。
【0018】これによって、4個以上の反射電子検出器
に対する信号波形を同一の出力強度に保ち、位置検出誤
差を取り除くことが出来る。請求項3の発明に於ては、
請求項2記載の発明に於て、前記複数の反射電子検出器
のうちで前記電子ビーム光学系の前記中心を挟んで対向
する対の反射電子検出器に対して、前記アンプの出力同
士を加算する。
【0019】これによって、4個以上の反射電子検出器
に対する信号波形を同一の出力強度に保つことができ、
加算後の波形における非対称性と共に位置検出誤差を取
り除くことが出来る。請求項4の発明に於ては、請求項
1乃至3いずれか一項の発明に於ける前記設定手段は、
前記アンプに接続され前記増幅率を格納する複数のレジ
スタと、該複数のレジスタに増幅率を設定する制御部を
含む。
【0020】これによって、複数のレジスタに設定され
た増幅率を用いて、同一の出力強度の信号波形を得るこ
とが出来る。請求項5の発明に於ては、請求項1乃至3
いずれか一項の発明に於ける前記設定手段は、前記照射
位置をアドレスとして受け取り該アドレスに格納された
前記増幅率を前記アンプの各々に出力するメモリと、予
め該照射位置に対する該増幅率を該メモリに格納する制
御部を含む。
【0021】これによって、メモリに格納された照射位
置と増幅率に関するマップを用いて、同一の出力強度の
信号波形を得ることが出来る請求項6の発明に於ては、
請求項5記載の発明は、前記照射位置が前記アドレス間
にある場合に該照射位置に対する前記増幅率を線形補間
により求める手段を更に含む。
【0022】これによって、メモリに格納されたマップ
は、可能な全ての照射位置に対する増幅率を格納する必
要がなくなる。請求項7の発明に於ては、請求項1乃至
3いずれか一項の発明に於ける前記設定手段は、前記照
射位置を入力(x,y)として受け取り前記増幅率をΣ
ij i j として前記アンプの各々に出力する演算回
路と、予め該増幅率を計算する係数Aijを該メモリに格
納する制御部を含む。
【0023】これによって、演算回路によって計算され
た増幅率を用いて、同一の出力強度の信号波形を得るこ
とが出来る請求項8の発明に於ては、請求項1乃至6い
ずれか一項の発明に於て、前記複数の検出器のうちの一
つの検出器と前記位置検出用マークの位置を検出する際
の前記電子ビームの前記照射位置との距離をrとして、
該一つの検出器に対する前記増幅率をr2 に比例する量
とする。
【0024】これによって、照射位置と反射電子検出器
との距離の関数として増幅率を計算することが出来る。
請求項9の発明に於ては、請求項8記載の発明に於て、
前記電子ビームが電子ビーム光学系の中心に偏向された
ときの前記一つの検出器の基準増幅率をαとし、該一つ
の検出器と該中心にある照射位置との距離をr0 とし
て、該一つの検出器に対する前記増幅率をαr2 /r0 2
とする。
【0025】これによって、照射位置と反射電子検出器
との距離の関数として増幅率を計算することが出来る。
請求項10の発明に於ては、請求項1乃至6いずれか一
項の発明に於て、前記複数の検出器のうちの一つの検出
器を前記位置検出用マークの位置から見込んだ立体角を
Ωとし、該一つの検出器に対する前記増幅率を1/Ωに
比例する量とする。
【0026】これによって、照射位置から見込んだ反射
電子検出器の立体角の関数として増幅率を計算すること
が出来る。請求項11の発明に於ては、請求項10記載
の発明に於て、前記電子ビームが電子ビーム光学系の中
心に偏向されたときの前記一つの検出器の基準増幅率を
αとし、該中心にある照射位置から該一つの検出器を見
込んだ立体角をΩ0 として、該一つの検出器に対する前
記増幅率をαΩ0 /Ωとする。
【0027】これによって、照射位置から見込んだ反射
電子検出器の立体角の関数として増幅率を計算すること
が出来る。請求項12の発明に於ては、請求項1乃至7
いずれか一項の発明に於て、一定のビームサイズで一定
の電流密度の前記電子ビームを平坦な試料表面上の複数
点Xj (j=1,2,・・・,n)に照射した場合の前
記複数の検出器のうちの一つの検出器の出力をV
(Xj )とし、該V(Xj )を補間した任意の照射位置
Xに対する該出力をV(X)とし、該一つの検出器に対
する前記増幅率を1/V(X)に比例する量とする。
【0028】これによって、様々な要因によって変化す
る検出器の検出効率を補正する増幅率を求めることが出
来る。請求項13の発明に於ては、請求項12の発明に
於て、前記電子ビームが電子ビーム光学系の中心に偏向
されたときの前記一つの検出器の出力をV0 として、該
一つの検出器に対する前記増幅率をV0 /V(X)とす
る。
【0029】これによって、様々な要因によって変化す
る検出器の検出効率を補正する増幅率を求めることが出
来る。請求項14の発明に於ては、電子ビームで照射さ
れた位置検出用マークからの反射電子を検出する複数の
反射電子検出器と該電子ビームを偏向する少なくとも一
つの偏向器とを有する電子ビーム露光装置に於て該位置
検出用マークの位置を検出する方法は、a)該複数の反
射電子検出器で該反射電子を検出し、b)該複数の反射
電子検出器の各々の信号出力を所定の増幅率で増幅する
ことにより該電子ビームの照射位置に依存しない一定強
度の信号出力を求め、c)該一定強度の信号出力を互い
に加算し、d)加算後の信号波形を解析する各段階を含
む。
【0030】これによって、位置検出用マークの位置を
検出するための各反射電子検出器の信号波形が同一の出
力強度となり、加算呉の信号波形における非対称性と共
に位置検出誤差を取り除くことが出来る。請求項15の
発明に於ては、請求項14の発明に於ける前記段階b)
は、前記複数の検出器のうちの一つの検出器と前記電子
ビームの前記照射位置との距離をrとしてr2 の所定倍
の値を計算し、該一つの検出器の信号出力を該r2 の所
定倍の値で増幅する各段階を含む。
【0031】これによって、照射位置と反射電子検出器
との距離の関数として増幅率を計算することが出来る。
請求項16の発明に於ては、請求項15の発明に於て、
前記電子ビームが電子ビーム光学系の中心に偏向された
ときの前記一つの検出器の基準増幅率をαとし、該一つ
の検出器と該中心にある照射位置との距離をr0 とし
て、前記r2 の所定倍はαr2 /r0 2である。
【0032】これによって、照射位置と反射電子検出器
との距離の関数として増幅率を計算することが出来る。
請求項17の発明に於ては、請求項14の発明に於ける
前記段階b)は、前記複数の検出器のうちの一つの検出
器を前記位置検出用マークの位置から見込んだ立体角Ω
を計算し、該一つの検出器の信号出力を1/Ωに比例す
る量で増幅する各段階を含む。
【0033】これによって、照射位置から見込んだ反射
電子検出器の立体角の関数として増幅率を計算すること
が出来る。請求項18の発明に於ては、請求項17の発
明に於て、前記電子ビームが電子ビーム光学系の中心に
偏向されたときの前記一つの検出器の基準増幅率をαと
し、該中心にある照射位置から該一つの検出器を見込ん
だ立体角をΩ0 として、前記1/Ωに比例する量はαΩ
0 /Ωである。
【0034】これによって、照射位置から見込んだ反射
電子検出器の立体角の関数として増幅率を計算すること
が出来る。請求項19の発明に於ては、請求項14の発
明に於て、一定のビームサイズで一定の電流密度の前記
電子ビームを平坦な試料表面上の複数点Xj (j=1,
2,・・・,n)に照射し、前記複数の検出器のうちの
一つの検出器の出力V(X j )を測定し、該V(Xj
を補間して任意の照射位置Xに対する出力V(X)を求
め、該一つの検出器に対する前記増幅率を1/V(X)
に比例する量とする各段階を更に含む。
【0035】これによって、様々な要因によって変化す
る検出器の検出効率を補正する増幅率を求めることが出
来る。請求項20の発明に於ては、請求項19の発明に
於て、前記電子ビームが電子ビーム光学系の中心に偏向
されたときの前記一つの検出器の出力をV0 として、該
一つの検出器に対する前記増幅率をV0 /V(X)とす
る。
【0036】これによって、様々な要因によって変化す
る検出器の検出効率を補正する増幅率を求めることが出
来る。請求項21の発明に於ては、電子ビームを偏向す
る少なくとも一つの偏向器を有し、位置検出用マークの
位置を該電子ビームで検出する電子ビーム露光装置は、
該位置検出用マークを該電子ビームで照射した際の反射
電子を検出する複数の反射電子検出器と、該複数の反射
電子検出器からの各々の出力信号波形に於て該位置検出
用マークの位置に依存する特徴量を抽出することにより
該位置検出用マークの該位置を検出する位置検出手段を
含む。
【0037】これによって、位置検出用マークの位置を
検出する際の誤差を取り除くことが出来る。請求項22
の発明に於ては、請求項21の発明に於て、前記位置検
出用マークは参照用チップ上に形成された溝よりなる段
差マークである。
【0038】これによって、溝よりなる段差マークの位
置を検出する際の誤差を取り除くことが出来る。請求項
23の発明に於ては、請求項22の発明に於て、前記特
徴量は、前記段差マークの一方のエッジを検出する場合
には、該エッジの段差側壁からの反射電子の影響が不在
である該複数の反射電子検出器のうちの少なくとも一つ
の反射電子検出器に於ける該エッジに対応するエッジ波
形である。
【0039】これによって、溝よりなる段差マークの位
置を検出する際の誤差を取り除くことが出来る。請求項
24の発明に於ては、請求項22の発明に於て、前記特
徴量は、前記段差マークの一方のエッジを検出する場合
には、該エッジの段差側壁からの反射電子の影響が不在
である該複数の反射電子検出器のうちの複数の反射電子
検出器の出力を加算した加算後の波形に於ける該エッジ
に対応するエッジ波形である。
【0040】これによって、溝よりなる段差マークの位
置を検出する際の誤差を取り除き、高精度で段差マーク
位置を測定することが出来る。請求項25の発明に於て
は、請求項23の発明に於て、前記段差マークは略X方
向に所定の長さで延在する第1の段差と略Y方向に所定
の長さで延在する第2の段差とを含む段差マークであ
り、前記複数の反射電子検出器は該段差マークに対して
+X方向、−X方向、+Y方向、及び−Y方向に各々配
置された4つの反射信号検出器であり、前記位置検出手
段は、前記電子ビームをX方向に走査する場合に+X方
向及び−X方向に各々配置された該反射信号検出器の出
力を解析して該第2の段差のエッジ位置を検出する手段
と、前記電子ビームをY方向に走査する場合に+Y方向
及び−Y方向に各々配置された該反射信号検出器の出力
を解析して該第1の段差のエッジ位置を検出する手段を
含む。
【0041】これによって、段差よりなる段差マークの
位置を検出する際の誤差を取り除くことが出来る。請求
項26の発明に於ては、請求項24の発明に於て、前記
段差マークは略X方向に所定の長さで延在する第1の段
差と略Y方向に所定の長さで延在する第2の段差とを含
む段差マークであり、前記複数の反射電子検出器は該段
差マークに対して+Xかつ+Y方向に配置された第1の
反射電子検出器と、+Xかつ−Y方向に配置された第2
の反射電子検出器と、−Xかつ+Y方向に配置された第
3の反射電子検出器と、−Xかつ−Y方向に配置された
第4の反射信号検出器を含み、前記位置検出手段は、該
第1の反射電子検出器の出力と該第2の反射電子検出器
の出力とを加算する第1の加算手段と、該第3の反射電
子検出器の出力と該第4の反射電子検出器の出力とを加
算する第2の加算手段と、該第1の反射電子検出器の出
力と該第3の反射電子検出器の出力とを加算する第3の
加算手段と、該第2の反射電子検出器の出力と該第4の
反射電子検出器の出力とを加算する第4の加算手段と、
前記電子ビームをX方向に走査する場合に該第1の加算
手段の出力と該第2の加算手段の出力とを解析して該第
2の段差のエッジ位置を検出する手段と、前記電子ビー
ムをY方向に走査する場合に該第3の加算手段の出力と
該第4の加算手段の出力とを解析して該第1の段差のエ
ッジ位置を検出する手段を含む。
【0042】これによって、段差よりなる段差マークの
位置を検出する際の誤差を取り除き、高精度で段差マー
ク位置を測定することが出来る。請求項27の発明に於
ては、電子ビームで照射された位置検出用マークからの
反射電子を検出する反射電子検出器と該電子ビームを偏
向する少なくとも一つの偏向器とを有する電子ビーム露
光装置に於て、参照用チップ上の溝よりなる該位置検出
用マークの位置を検出する方法は、該電子ビームを所定
方向に走査して該位置検出用マークを該電子ビームで照
射し、該位置検出用マークの一方のエッジの段差側壁か
らの反射電子の影響が不在である該反射電子検出器の出
力を測定し、該出力に於ける該エッジに対応するエッジ
波形を解析する。
【0043】これによって、溝よりなる段差マークの位
置を検出する際の誤差を取り除くことが出来る。請求項
28の発明に於ては、電子ビームで照射された位置検出
用マークからの反射電子を検出する複数の反射電子検出
器と該電子ビームを偏向する少なくとも一つの偏向器と
を有する電子ビーム露光装置に於て、参照用チップ上の
溝よりなる該位置検出用マークの位置を検出する方法
は、該電子ビームを所定方向に走査して該位置検出用マ
ークを該電子ビームで照射し、該複数の反射電子検出器
の内で、該位置検出用マークの一方のエッジの段差側壁
からの反射電子の影響が不在である反射電子検出器の出
力を測定し、該出力を互いに加算し、加算後の信号波形
に於ける該エッジに対応するエッジ波形を解析すること
により該エッジの位置を検出する各段階を含む。
【0044】これによって、溝よりなる段差マークの位
置を検出する際の誤差を取り除き、高精度で段差マーク
位置を測定することが出来る。請求項29の発明に於て
は、電子ビームを偏向フィールド内で偏向する少なくと
も一つの偏向器を有し、位置検出用マークの位置を該電
子ビームで検出する電子ビーム露光装置は、該電子ビー
ムの位置と該偏向フィールドを構成するための位置検出
用マークを上面に有し、底面を有する参照用チップと、
該参照用チップの該底面に固定されて該参照用チップを
保持し、該底面より低い位置にステップ形状部分を有す
るチップホルダーと、該チップホルダーを格納する第1
の空洞と上面とを有する試料ホルダーであって該第1の
空洞は底面と該上面に通じる開口と該開口周囲で該上面
の下に位置した突き当て面とを有する試料ホルダーと、
該第1の空洞の該底面と該チップホルダーの底面との間
に配置されて該チップホルダーの該ステップ形状部分を
該突き当て面に付勢するバネを含み、該参照用チップの
該上面と該試料ホルダーの該上面とが同一平面上にあ
る。
【0045】これによって、参照用チップ上の位置検出
マークからの反射電子を遮るような構造物を用いること
なく、参照用チップを試料ホルダーに装着することが出
来る。請求項30の発明に於ては、電子ビームを偏向フ
ィールド内で偏向する少なくとも一つの偏向器を有し、
位置検出用マークの位置を該電子ビームで検出する電子
ビーム露光装置は、該電子ビームの位置と該偏向フィー
ルドを構成するための位置検出用マークを上面に有し、
底面を有する参照用チップと、該参照用チップの該底面
に固定されて該参照用チップを保持するチップホルダー
と、該チップホルダーを格納する第1の空洞と上面とを
有する試料ホルダーであって、該第1の空洞は底面と該
上面に通じる開口とを有する試料ホルダーと、該第1の
空洞の該底面に該チップホルダーの底面を固定するネジ
を含み、該参照用チップの該上面と該試料ホルダーの該
上面とが同一平面上にある。
【0046】これによって、参照用チップ上の位置検出
用マークからの反射電子を遮るような構造物を用いるこ
となく、参照用チップを試料ホルダーに装着することが
出来る。請求項31の発明に於ては、請求項29又は3
0の発明は、前記電子ビームによってパターンを描画す
る試料であって該電子ビームと該試料との位置合わせの
ための位置検出用マークを上面に有する試料を更に含
み、前記試料ホルダーは該試料を格納する第2の空洞を
更に有し、該上面と該試料ホルダーの該上面とが同一平
面にある。
【0047】これによって、参照用チップを用いて校正
した電子ビームを用いて、試料に対する描画を行うこと
が出来る。請求項32の発明に於ては、請求項31の発
明は、試料ホルダー上面に固定される複数の突き当て部
材を更に含み、該試料の該上面は該複数の突き当て部材
に付勢される。
【0048】これによって、参照用チップを用いて校正
した電子ビームを用いて、試料に対する描画を行うこと
が出来る。請求項33の発明に於ては、請求項32の発
明は、前記参照用チップの前記上面及び前記試料の前記
上面のいずれか一方からの反射電子を検出する複数の反
射電子検出器を更に含み、該試料の該上面にある前記位
置検出マークからの該反射電子を該複数の反射電子検出
器に対して遮らないような位置に前記複数の突き当て部
材を配置する。
【0049】これによって、試料上の位置検出用マーク
からの反射電子を遮ることなく、試料を試料ホルダーに
装着することが出来る。請求項34の発明に於ては、電
子ビームを偏向フィールド内で偏向する少なくとも一つ
の偏向器を有し、該電子ビームが照射された位置検出用
マークからの反射電子を反射電子検出器で検出する電子
ビーム露光装置に於て、試料上に所定のパターンを露光
する方法は、該電子ビームの位置と該偏向フィールドを
構成するための第1の位置検出用マークを上面に有する
参照用チップをチップホルダーと一体的に作成し、該参
照用チップの該上面が試料ホルダーの上面と同一平面上
に位置されるように該チップホルダーを該試料ホルダー
内の第1の空洞に装着し、該電子ビームを走査して該第
1の位置検出用マークからの反射電子を検出することに
よって該第1の位置検出マークの位置を測定し、該第1
の位置検出マークの測定された位置に基づいて該偏向フ
ィールドの補正を行い、該反射電子を遮らないような配
置で該試料ホルダーの該上面に固定された突き当て部材
に試料の上面を付勢することによって該試料の該上面が
該試料ホルダーの該上面と同一平面上に位置されるよう
に該試料を該試料ホルダー内の第2の空洞に装着し、該
電子ビームを走査して該試料の該上面に設けられた第2
の位置検出用マークからの反射電子を検出することによ
って該第2の位置検出マークの位置を測定し、該第2の
位置検出マークの測定された位置に基づいて該電子ビー
ムと該試料との位置合わせを行い、該試料の該上面上に
該電子ビームにより該所定のパターンを描画する各段階
を含む。
【0050】これによって、参照用チップ上の位置検出
用マークからの反射電子を遮るような構造物を用いるこ
となく参照用チップを試料ホルダーに装着し、参照用チ
ップを用いて電子ビームを校正し、試料上の位置検出用
マークからの反射電子を遮ることなく試料を試料ホルダ
ーに装着し、電子ビームと試料との位置合わせを行っ
て、試料上にパターンを描画することが出来る。
【0051】
【発明を実施する形態】本発明の第1の原理を以下に説
明する。本発明の第1の原理は、一つの検出器で得られ
る反射電子信号の大きさが変化しないように、偏向フィ
ールド内の電子ビームの偏向位置に応じて各検出器のビ
デオアンプの増幅率を独立に変化させる。このように、
各々の反射電子検出器からの信号出力の大きさを一定に
保てば、マークの位置に依存して発生する反射電子の加
算波形に於ける非対称性を防ぐことが出来る。
【0052】検出器の出力信号を一定に保つような増幅
率は、以下のようにして計算することが出来る。照射位
置から見た検出器の立体角変化に起因した、信号出力強
度Iの変化を補償する。信号出力強度Iは立体角Ωに比
例するので、 I=Ω/Ω0 ・I0 (1) である。ここで、I0 は基準となる信号の大きさ、Ω0
は基準位置での立体角である。ビデオアンプの基準位置
での増幅率をG0 とした場合、検出器の増幅率Gを、 G=Ω0 /Ω・G0 (2) とすることで、偏向フィールド内での各検出器の出力を
一定にする事が出来る。
【0053】上記立体角において角度変化を考えないな
らば、立体角Ωは1/r2 に比例する。この場合、 G=(r2 )/(r0 2)・G0 (3) とより簡単に扱うことも可能である。
【0054】立体角の正確な計算は煩雑な演算を必要と
する場合が多く、また実際の検出器の出力は、立体角以
外の様々な要因によっても変化する場合がある。そのよ
うな場合、様々な要因によって変化する反射電子検出器
各々の出力の偏向フィールド内での依存性を捉える必要
性もある。
【0055】上記偏向フィールド内依存性を定量的に測
定するために、一定の形状のビームを位置Xに偏向し
て、マーク等のない平坦なウエハを照射する。i番目の
反射電子検出器で反射電子を検出し、一定の基準増幅率
に設定された増幅器で増幅した信号出力Vi (X)
(X:2次元平面上の位置を表すベクトル)を測定す
る。このとき、増幅器の基準増幅率をgi0、また様々な
要因で変化する検出効率をEi(X)として、 Vi (X)=gi0・Ei (X)・(実際の反射電子量) (4) である。ここで、実際に放射される反射電子量は、平坦
なウエハに対しては偏向位置Xによらず一定であると考
えることが出来る。式(4)から、様々な要因で変化す
る検出効率Ei (X)は、 Ei (X)=Vi (X)/(gi0・(実際の反射電子量)) (5) となる。従って、様々な位置Xに於て予めVi (X)を
測定しておけば、様々な位置における検出効率E
i (X)が得られることになる。
【0056】実際に位置測定を行う場合の可変増幅率g
i (X)は、この検出効率Ei (X)の逆数、 gi (X)=1/Ei (X) =gi0・(実際の反射電子量)/Vi (X) (6) に設定すれば、様々な要因によって変化する検出効率を
相殺することが出来る。即ち、増幅率gi (X)を用い
れば、位置Xに依存しない信号出力を得ることが出来
る。また各検出器の出力を足し合わせた波形も変化しな
い。
【0057】式(6)において、実際の反射電子量は検
出器に関わらず一定であるから、全ての検出器に対して
同一の適当な定数で置き換えればよい。また式(6)に
於ては、基準増幅率に設定された増幅器の増幅率も考慮
されているので、増幅器間の増幅率の差異も吸収するこ
とが出来る。なお、増幅器間の増幅率の差異を考慮する
必要がなければ、gi0は増幅器に依存しない適当な定数
で置き換えてもよいし、或いは測定するVi (X)は増
幅器出力でなく検出器出力としてもよい。Vi(X)を
検出器出力とした場合、基準出力をVi0として、 gi (X)=Vi0/Vi (X) (7) となる。
【0058】また、偏向位置に関わらず増幅器の出力が
一定となるように増幅率を設定するという第1の原理
は、上述のような偏向座標に基づく増幅率計算を行わな
くとも実現することが出来る。まず、マークを検出する
試料上の位置の近傍にビームを偏向して、電子反射率が
なるべく高い平坦な試料面上にビームを照射する。この
状態で、増幅器の出力がある基準電圧に等しくなるよう
に増幅率を設定する。このように増幅率を設定すること
によって、マーク位置近傍における各増幅器の出力を互
いに等しくすることが出来る。
【0059】以上に述べた本発明の第1の原理によれ
ば、増幅器の信号出力はマーク位置に依存しない。従っ
て、各々の反射電子検出器からの信号出力の大きさを一
定に保つことができ、マークの位置に依存して発生する
反射電子の加算波形に於ける非対称性を防ぐことが出来
る。
【0060】以下に本発明の第1の原理による第1実施
例について説明する。なお第1実施例に於ては、式
(2)、式(3)、式(6)、或いは式(7)の増幅率
計算を用いることが出来る。図1は、本発明の第1の原
理による第1実施例の回路構成図である。図1に於て、
電子ビーム露光装置1は、ビーム発生器11、ビーム制
御部12、補正回路13、AMP/DAC14、偏向器
15を含む。ビーム発生器11は電子ビームを発生す
る。ビーム制御部は、電子ビームを偏向するための偏向
座標データを補正回路13に送出する。補正回路13
は、偏向座標データに対して歪み補正及び偏向効率補正
を行い、偏向座標信号を生成する。AMP/DAC14
は、偏向座標信号を増幅し、偏向器15に対する印加電
流を生成する。印加電流を供給された偏向器15は電子
ビームを偏向し、電子ビームをビーム制御部12が指定
した位置に照射する。
【0061】電子ビーム露光装置1は、更に、反射電子
検出器16、増幅器17、加算器18、ディジタルメモ
リ19、CPU20、及びレジスター21を含む。反射
電子検出器16は、電子ビームの光軸を中心として対称
に配置されており、反射電子を検出する。反射電子検出
器16の検出信号は、増幅器17に供給される。
【0062】CPU20は、ビーム制御部12から偏向
座標データを受け取り、それを基に式(2)、式
(3)、式(6)、或いは式(7)を用いて増幅器17
各々の増幅率g1 、g2 、g3 、及びg4 を計算する。
CPU20は、計算された増幅率g 1 、g2 、g3 、及
びg4 を、各々のレジスタ21に格納する。レジスタに
格納された増幅率g1 、g2 、g3 、及びg4 に従っ
て、反射電子検出器16の検出信号が、増幅器17によ
って増幅される。
【0063】なお式(6)或いは式(7)を用いる場合
には、予めマークのない平坦な試料を用いてVi (X)
を測定しておく必要がある。ここで、全ての点について
i(X)を測定することは極めて困難であるので、後
述するような補間関数を用いてもよい。
【0064】増幅された信号は加算器18によって加算
され、対称加算波形となり、ディジタルメモリ19に格
納される。ディジタルメモリ19に格納された波形デー
タは、マーク位置を検出するためにCPU20によって
解析される。第1実施例においては、各増幅器17の出
力が一定となるように、CPU20が増幅器17の増幅
率を計算して、レジスタ21に格納する。このレジスタ
21に格納された増幅率を用いて、反射電子検出器16
からの検出信号を増幅して加算するので、加算後の波形
には非対称性が存在しない。従って、CPU20がマー
クの位置検出をする際に、波形の非対称性によって生じ
る誤差を防ぐことが出来る。
【0065】以下に本発明の第1の原理による第2実施
例について説明する。なお第2実施例に於ては、式
(2)、式(3)、式(6)、或いは式(7)の増幅率
計算を用いることが出来る。図2は、本発明の第1の原
理による第2実施例の回路構成図である。図2の第2実
施例は、図1の第1実施例とは、マップ22及びCPU
20Aのみが異なる。図2に於ける構成要素のうちで図
1の構成要素と同一のものは同一の参照番号で記され、
その説明は省略される。
【0066】第1実施例と同様に、反射電子検出器16
は、電子ビームの光軸を中心として対称に配置されてお
り、反射電子を検出する。反射電子検出器16の検出信
号は増幅器17に供給される。CPU20Aは、偏向座
標に対する各増幅器17の増幅率を予め計算して、メモ
リから構成されるマップ22に格納しておく。マップ2
2は、ビーム制御部12から偏向座標データを受け取
り、偏向座標データに対応するアドレスに格納された各
々の増幅率g1 、g2 、g3 、及びg4 を出力する。出
力された増幅率g 1 、g2 、g3 、及びg4 に従って、
反射電子検出器16の検出信号が、増幅器17によって
増幅される。
【0067】なお式(6)或いは式(7)を用いる場合
には、予めマークのない平坦な試料を用いてVi (X)
を測定しておく必要がある。ここで、全ての点について
i(X)を測定することは極めて困難であるので、後
述するような補間関数を用いてもよい。
【0068】またマップ22のアドレスを全ての偏向座
標データに対して用意せずに、偏向座標の代表点に対し
てアドレスを用意して増幅率を格納しておくようにして
もよい。この場合、マップ22に入力された偏向座標デ
ータに対するアドレスが存在しないときは、近傍のアド
レスに対応する増幅率を取り出して、それらの増幅率を
線形補間することによって、入力偏向座標データに対す
る増幅率を得ることが出来る。
【0069】増幅された信号は加算器18によって加算
され、対称加算波形となり、ディジタルメモリ19に格
納される。ディジタルメモリ19に格納された波形デー
タは、マーク位置を検出するためにCPU20によって
解析される。第2実施例においては、各増幅器17の出
力が一定となるように、CPU20Aが増幅器17の増
幅率を計算して、マップ22に格納する。このマップ2
2は、偏向座標データに対応するアドレスに格納された
増幅率を増幅器17に供給する。従って、増幅器17か
らの出力は一定となり、増幅後加算された波形には非対
称性が存在しない。従って、CPU20Aがマークの位
置検出をする際に、波形の非対称性により生じる誤差を
防ぐことが出来る。
【0070】以下に本発明の第1の原理による第3実施
例について説明する。なお第3実施例は、式(6)或い
は式(7)の増幅率計算を用いる場合に関するものであ
る図3は、本発明の第1の原理による第3実施例の回路
構成図である。図3の第3実施例は、図1の第1実施例
とは、増幅率補正演算回路23及びCPU20Bのみが
異なる。図3に於ける構成要素のうちで図1の構成要素
と同一のものは同一の参照番号で記され、その説明は省
略される。
【0071】まず後述されるように、マーク等の構造物
のない一様かつ平坦な試料上の位置Xj (j=1、2、
・・・、n)に、一定ビームサイズ及び一定電子量の電
子ビームを照射し、i番目の反射電子検出器16の信号
出力Vi (Xj )を測定する。なおここでは簡単のた
め、各増幅器の基準増幅率は等しいとしている。そし
て、補間関数Fi (x,y)、 によって式(7)の増幅率gi (X)を補間表現する。
つまり式(8)の値が、位置Xj に於て、測定された信
号出力Vi (Xj )から求めた増幅率gi (Xj)に等
しくなるように、補間係数Aikl を求める。このように
して、式(8)のi番目の反射電子検出器16に対する
補間係数Aikl を、全ての反射電子検出器16に対して
求める。CPU20Bは、全ての反射電子検出器16に
対して、補間係数Aikl を増幅率補正演算回路23に設
定する。
【0072】第1実施例及び第2実施例と同様に、反射
電子検出器16は、電子ビームの光軸を中心として対称
に配置されており、反射電子を検出する。反射電子検出
器16の検出信号は、増幅器17に供給される。増幅率
補正演算回路23は、偏向座標データを受け取り、偏向
座標データ及び格納されている補間係数Aikl を用い
て、式(8)を計算して増幅器17の増幅率gi (X)
を出力する。出力された増幅率gi (X)に従って、反
射電子検出器16の検出信号が、増幅器17によって増
幅される。
【0073】増幅された信号は加算器18によって加算
され、対称加算波形となり、ディジタルメモリ19に格
納される。ディジタルメモリ19に格納された波形デー
タは、マーク位置を検出するためにCPU20によって
解析される。第3実施例においては、CPU20Bが、
増幅率gi (X)に対する補間関数の補間係数Aikl
計算し、増幅率補正演算回路23に格納する。増幅率補
正演算回路23は、偏向座標データに対応する増幅率g
i (X)を計算して、増幅器17に供給する。従って、
増幅器17の出力は一定となり、増幅後加算された波形
には非対称性が存在しない。従って、CPU20Bがマ
ークの位置検出をする際に、波形の非対称性により生じ
る誤差を防ぐことが出来る。
【0074】図4は、補間係数Aikl を求めるためのデ
ータ測定点の例を示した図である。図に示されるよう
に、4つの反射電子検出器16に囲まれた偏向フィール
ドがあり、この偏向フィールド内で電子ビームを変動す
ることが出来る。まず偏向フィールド内に、一様かつ平
坦な試料を配置して、一定形状かつ一定電流の電子ビー
ムを試料に照射する。電子ビームを照射する位置、即ち
偏向位置は、例えば、図において格子状に配置された点
の位置である。格子点の各点に電子ビームを照射し、各
々の反射電子検出器16で反射電子を検出し、反射電子
検出器16の出力の大きさVi (Xj )を測定する。
【0075】反射電子検出器16の出力は、反射電子検
出器からの距離が遠くなるほど小さくなる。従って、反
射電子検出器16の出力を一定にするための増幅率gi
(X)は反射電子検出器からの距離が遠くなるほど大き
くなる。このような増幅率g i (X)を、図4に等高線
表示されたような補間関数で表現する。この補間関数
は、図4の左の反射電子検出器16に対する補間関数を
示した例である。この場合、図に示された格子点に於け
る補間関数の値が、測定されたVi (Xj )から求めた
i (Xj )に等しくなるように、補間関数の補間係数
を求める。
【0076】以上のようにして、各反射電子検出器16
からの出力が等しくなるような増幅率gi (X)を表現
する補間関数を求めることが出来る。この補間関数から
求めた増幅率を、第1乃至第3実施例で用いることは上
述したとおりである。なお上述の説明においては、補間
関数を座標x及びyの2次元多項式としたが、この補間
関数は任意のものでよいことは明らかである。
【0077】以上の第1乃至第3実施例においては、基
本的には偏向座標に基づいて増幅率を計算していた。し
かし、偏向位置に関わらず増幅器の出力が一定となるよ
うに増幅率を設定するという第1の原理は、このような
計算を用いなくとも実現することが出来る。以下にその
ような実施例について説明する。
【0078】図5は、本発明の第1の原理による第4実
施例のブロック図であり、電子ビーム露光装置の一つの
反射電子検出器に関する信号検出部分を示す。図5の第
4実施例は、反射電子検出器16、増幅器17、CPU
20C、比較器24、コントローラ25、及びレジスタ
26を含む。
【0079】第4実施例に於ては、まず、マークを検出
する試料上の位置の近傍にビームを偏向して照射する。
このとき、電子反射率がなるべく高い平坦な試料面上に
ビームが照射されていることが必要である。この状態
で、CPU20Cは、コントローラ25の動作をオンに
する。比較器24は、増幅器17の出力と所定の基準電
圧とを受け取り、両者を比較して、比較結果をコントロ
ーラ25に出力する。コントローラ25は、比較結果に
基づいて、基準電圧が増幅器出力より大きいときにはレ
ジスタ26内の増幅率を増加させ、基準電圧が増幅器出
力より小さいときにはレジスタ26内の増幅率を減少さ
せるように動作する。基準電圧と増幅器出力電圧が等し
いことが比較結果によって示されるか或いは所定時間経
過するまで、コントローラ25はレジスタ26内の増幅
率を減少或いは増加させる。その後、CPU20Cはコ
ントローラ25の動作をオフにする。
【0080】以上の増幅率設定処理を、全ての増幅器1
7に対して実行する。これによって、マークを検出する
試料上の位置の近傍に於いては、全ての増幅器17の出
力が基準電圧に等しくなるように、増幅率が設定され
る。従って、増幅器17の出力は互いに等しく、増幅器
17の出力を加算した後の波形には非対称性が存在しな
い。
【0081】図6は、本発明の第1の原理による第5実
施例のブロック図であり、電子ビーム露光装置の反射電
子検出器に関する信号検出部分を示す。図6の第5実施
例は、反射電子検出器16、増幅器17、CPU20
C、比較器24、コントローラ25、及びレジスタ26
を含む。
【0082】第5実施例に於ては、第4実施例の一つの
反射電子検出器16に対する基準電圧として、他の反射
電子検出器16の増幅器17の出力電圧を用いる。図6
の例に於ては、対向して配置された反射電子検出器16
同士で、一方の増幅器17の出力電圧を他方の比較器2
4への基準電圧としている。なお第5実施例の増幅率の
設定方法は、第4実施例のものと同一であるので説明を
省略する。
【0083】第5実施例に於ては、対向する反射電子検
出器16同士で、互いを基準として増幅率を決定する。
従って、対向する反射電子検出器16の増幅器17の出
力は、互いに等しいものとなり、加算後の波形には非対
称性が存在しない。図7は、本発明の第1の原理による
第6実施例のブロック図であり、電子ビーム露光装置の
反射電子検出器に関する信号検出部分を示す。図7の第
6実施例は、反射電子検出器16、増幅器17、CPU
20C、比較器24、コントローラ25、レジスタ2
6、及び平均化回路27を含む。
【0084】第6実施例に於ては、第4実施例の一つの
反射電子検出器16に対する基準電圧として、全ての反
射電子検出器16の増幅器17の出力電圧の平均電圧を
用いる。図7の例に於ては、全ての増幅器17の出力が
平均化回路27に入力される。平均化回路17は、入力
電圧の平均を生成して、各比較器24に供給する。なお
第6実施例の増幅率の設定方法は、第4実施例のものと
同一であるので説明を省略する。
【0085】第6実施例に於ては、全ての増幅器17の
出力電圧の平均を基準電圧として増幅率を決定する。従
って、全ての反射電子検出器16の増幅器17の出力
は、互いに等しいものとなり、加算後の波形には非対称
性が存在しない。第1の原理による第4乃至第6実施例
に於ては、偏向座標に基づいて増幅率を計算する必要が
ない。従って、電子ビーム露光装置の増幅率決定部分の
システムを簡略化することが出来る。
【0086】本発明の第1の原理によれば、従来の方法
と比較して、偏向フィールド境界での接続誤差を大幅に
低減することが出来る。従来の方法によって偏向フィー
ルドの補正を行っていた場合には、露光パターンの偏向
フィールド間での接続誤差は約0.05μm にまで至る
ことが実験的に確認されている。本発明により検出効率
の非対称性を補正することで、偏向フィールド間の接続
誤差を約0.02μm以下にまで低減することが可能で
ある。
【0087】本発明の第2の原理を、以下に説明する。
加算後の波形の非対称性を解消するのが第1の原理であ
ったが、本発明の第2の原理は、加算前の各反射電子検
出器からの信号波形に於て、位置検出誤差を含まないよ
うな特徴を直接解析すること、或いは加算後の波形に於
て位置検出誤差を含まないような特徴を解析することよ
りなる。
【0088】加算波形からマークのエッジ位置を検出す
るためには、加算波形の微分波形を計算してそのピーク
位置をエッジの位置とすることが行われている。しかし
ながら、マークに近い側の検出器では信号強度が強く、
マークから遠い側の検出器では信号強度が弱いため、各
検出器の出力を加算した後の信号波形は非対称を有して
しまう。従って、この信号波形からマーク位置を検出し
た場合には、検出位置に誤差が生じることは前に述べた
通りである。
【0089】本発明による第2の原理に於ては、各々の
検出器からの信号波形を加算せずに、位置検出誤差を含
まないような特徴を直接解析することによって、位置検
出に於ける誤差をなくすことができる。あるマークエッ
ジ位置の検出に於ける位置検出誤差を含まない特徴とし
ては、このマークエッジの側壁からの反射電子を検出し
ない位置にある検出器からのエッジ波形が挙げられる。
【0090】一般に、マークエッジの側壁で散乱された
電子が作る波形のピークは、マークの材料、形状、及び
検出器の立体角等に依存する。従って、マークエッジの
側壁で散乱された電子を検出してマークエッジ位置を測
定したのでは、マークの材料、形状等の様々な要因に起
因する誤差を含んでしまう。それに対し、マークエッジ
の側壁を見込まない側の検出器によるエッジ波形は、電
子ビームが段差に落ち込み検出器へ反射電子が到達しな
いことによって形成されるので、マークエッジの段差位
置のみに依存した波形となる。
【0091】また、複数の検出器からの波形が、位置検
出誤差を含まない同一の特徴を含んでいる場合には、そ
れらの検出器からの波形を加算した後に、その特徴を基
にして位置検出してもよい。これによって、一般的な信
号雑音の位置検出に対する影響を軽減することが出来
る。
【0092】第2の原理によれば、マーク段差側壁を見
込むことのできない側に配置された検出器の信号波形、
または、マーク段差側壁を見込むことのできない側に配
置された複数の検出器の信号波形の加算値を解析してマ
ークエッジを算出する。従って、マークの材質や3次元
形状による誤差を含まないマーク位置検出が可能であ
る。
【0093】なお、マーク段差側壁からの反射電子波形
は上述のような位置ずれを含むために、第1の原理によ
り各検出波形間の出力の大きさを同一に保とうとして
も、この位置ずれによる位置検出誤差を解消できない場
合がある。このような場合においても、第2の原理によ
ってマーク位置検出を行えば、誤差を含まないマーク位
置検出が可能となる。
【0094】以下に、本発明の第2の原理による第7実
施例について説明する。図8(A)及び(B)は、本発
明の第2の原理による第7実施例を説明する図である。
図8(A)は、第7実施例による電子ビーム露光装置に
おける反射電子検出器の配置を示し、図8(B)は、第
7実施例の反射信号波形解析を模式的に示す。
【0095】図8(A)に於て、波形記憶メモリ30を
各々が有する反射電子検出器XM、XP、YM、及びY
Pが、凹型の十字段差マーク31の周囲でX方向及びY
方向に配置されている。各波形記憶メモリ30は、CP
U32に接続されており、このCPU32で波形解析を
行う。
【0096】図8(A)に示されるような反射電子検出
器XM、XP、YM、及びYPの配置に於て、凹型の十
字段差マーク31に対してビームを走査する。反射電子
検出器XM、XP、YM、及びYPから得られる反射信
号波形は、X方向走査及びY方向走査に対してそれぞれ
図8(B)に示すようになる。このとき図8(B)に示
されるように、検出器XMから得られた信号波形を解析
してX方向マイナス側のエッジ位置XM を算出し、検出
器XPから得られた信号波形を解析してX方向プラス側
のエッジ位置XP を算出し、検出器YMから得られた信
号波形を解析してY方向マイナス側のエッジ位置YM
算出し、更に検出器YMから得られた信号波形を解析し
てY方向マイナス側のエッジ位置YP を算出する。そし
て、マーク中心位置座標(XC 、YC )を、 XC =(XM +XP )/2 (9) YC =(YM +YP )/2 (10) として検出する。
【0097】なお、この検出方法を実現するためには、
必ずしも反射電子信号検出器と同数の波形記憶メモリ3
0が必要なわけではない。ビーム走査位置によって反射
電子信号検出器からの信号波形をオン・オフする機能が
あれば、波形記憶用メモリ30は1つであってもかまわ
ない。
【0098】第2の原理による第7実施例に於ては、マ
ーク段差側壁を見込むことのできない側に配置された反
射電子検出器の信号波形を解析してマークエッジを算出
する。従って、マークの材質や3次元形状による誤差を
含まないマーク位置検出が可能である。
【0099】図9は、本発明の第2の原理による第8実
施例を説明する図であり、第8実施例による電子ビーム
露光装置における反射電子検出器の配置を示す。図9に
示されるように、凹型の十字段差マーク31の周囲に配
置された反射電子検出器40、41、42、及び43
が、加算器50、51、52、及び53に接続される。
加算器50、51、52、及び53は、各々、波形記憶
メモリ60、61、62、及び63に接続される。各波
形メモリ60、61、62、及び63は、CPU32に
接続されておりCPU32で波形解析を行う。
【0100】図9に示されるような反射電子検出器4
0、41、42、及び43の配置に於て、凹型の十字段
差マーク31に対してビームを走査する。この十字段差
マーク31を検出する際、X方向のマイナス側エッジを
含む領域を走査するときは検出器40及び42の出力加
算値を波形記憶メモリ61に格納し、X方向のプラス側
エッジを含む領域を走査するときは検出器41及び43
の出力加算値を波形記憶メモリ62に格納し、Y方向の
マイナス側エッジを含む領域を走査するときは検出器4
2及び43の出力加算値を波形記憶メモリ63に格納
し、更に、Y方向のプラス側エッジを含む領域を走査す
るときは検出器40及び41の出力加算値を波形記憶メ
モリ60に格納する。
【0101】波形記憶メモリ60に記憶された反射電子
波形からY方向プラス側のエッジ位置Yp を算出し、波
形記憶メモリ61に記憶された反射電子波形からX方向
マイナス側のエッジ位置XM を算出し、波形記憶メモリ
62に記憶された反射電子波形からX方向プラス側のエ
ッジ位置Xp を算出し、更に、波形記憶メモリ63に記
憶された反射電子波形からY方向マイナス側のエッジ位
置YM を算出する。そして、第7実施例と同様の式、式
(9)及び式(10)、によってマーク中心位置を算出
する。
【0102】第2の原理による第8実施例に於ては、マ
ーク段差側壁を見込むことのできない側に配置された反
射電子検出器の信号波形を解析してマークエッジを算出
する。従って、マークの材質や3次元形状による誤差を
含まないマーク位置検出が可能である。
【0103】本発明の第3の原理について以下に説明す
る。第3の原理は、マーク位置検出の際の誤差を少なく
マークの取付け方法及び装置に関するものである。まず
第3の原理の意義を明確にするために、関連技術のマー
ク取付け方法及び装置について説明する。一般に、ビー
ム位置検出用のマークは、実際に露光する試料面と高さ
が同じであり、マーク交換時に容易に取り付け可能であ
り、更に、マーク交換時にもとの位置、高さに再現良く
取り付けできるものである必要がある。これらの条件を
満たすため、一般に、マークは図10のように構成され
たステージ上に配置されていた。図10(A)はXYス
テージの構成を示し、図10(B)は(A)の一部を拡
大して示す。
【0104】図10(A)に示されるように、XYステ
ージ70は、Xステージ71とYステージ72、Xステ
ージ71内の試料ホルダー73を含む。Xステージ71
及びYステージ72は、車輪89で各々X方向及びY方
向に移動する。試料ホルダー73は、Xステージ71内
に格納され、バネ88で上向きに付勢されて固定され
る。
【0105】試料ホルダー73はへこみ74及び75を
含み、へこみ74及び75は、各々、参照用チップ76
及び試料77を保持する。図10(B)に示されるよう
に、マーク78が形成された参照用チップ76は、下方
からバネ79によって押し上げられるチップ台80に取
付けられ、窓枠81に付勢されて固定される。窓枠81
はネジ82及び83によって試料ホルダー73上面に固
定される。一方、図10(A)に示されるように、試料
77は、試料ホルダー73上面にネジ84aによって取
り付けられたツメ84のつきあて面85に押しつけられ
る。従って、試料ホルダ−73の上面が精度良く作成さ
れていれば、実際に露光する試料77の上面と参照用チ
ップ76の上面とは高さが同じであることが保証され
る。
【0106】しかしながら図10(A)及び(B)に示
される方式に於ては、反射電子検出器から参照用チップ
76を見込んだとき、窓枠81によってマーク78が隠
されるという問題点があった。
【0107】図11は、反射電子検出器201と参照用
チップ76の上面との関係を示す。一般的に、反射電子
検出器201の大きさは十mm角であり、反射電子検出
器201と電子ビーム光軸との距離は10mmである。
参照用チップ76の窓枠81は、その平面度や強度を保
証するために1mmの厚さを必要とする。参照用チップ
76の大きさは10mm角である。参照用チップ76の
中心にあるマーク78を検出する場合には問題はない。
しかしマーク位置が参照用チップ76の周辺部になる
と、マーク78からの反射電子の一部は、窓枠81によ
って遮られて反射電子検出器201に到達しない。その
結果、マーク位置検出に際して誤差が生じる。
【0108】実験によると、マーク78が窓枠81に接
近するに従って、最大0.02μmの位置検出誤差が発生す
る。この誤差は偏向フィールド端での誤差であるので、
偏向フィールド間の接続誤差として、2倍の0.05μ
mのずれが生じることになる。また試料77との位置合
わせを行う際に、試料77を押さえるツメ84によって
反射電子が遮られることも、同様に試料上の位置検出誤
差の基になる。
【0109】上記問題点を解決するために、本発明によ
る第3の原理に於ては、参照用チップをチップホルダー
と接着することにより一体化して、チップホルダから参
照用チップ上面までの寸法を高い精度で仕上げる。そし
て参照用チップ上面ではなくて、チップホルダーを試料
ホルダーに高さ合わせする。
【0110】本発明による第3の原理に於ては、チップ
ホルダーを試料ホルダーに高さ合わせするので、参照用
チップを窓枠により押さえつける必要がない。従って、
マークからの反射電子が窓枠によって遮られることがな
く、位置検出の際に誤差が発生しない。
【0111】図12は、第3の原理による第9実施例を
示す図である。図に於て第9実施例は、大略、試料ホル
ダー90、バネ91、チップホルダー92、参照用チッ
プ93、及びネジ94を含む。試料ホルダー90は、へ
こみ95及び96を含み、へこみ95及び96は、各
々、チップホルダー92及び試料98を保持する。図に
示されるように、参照用チップ93は、チップホルダー
92に接着剤等によって取付けられて一体化されてい
る。チップホルダー92は、下方からバネ91によって
押し上げられ、チップホルダー92のステップ形状部分
99がへこみ95の突出部100に付勢されて固定され
る。一方、図に示されるように、試料98は、試料ホル
ダー90上面に取り付けられたツメ101のつきあて面
102に押しつけられる。
【0112】参照用チップ93の厚みを精度よく作成し
て、電子ビーム露光装置において要求される高さ精度を
達成することは困難である。それに対して図12に示さ
れるように参照用チップ93をチップホルダー92と一
体化してしまえば、チップホルダーのステップ形状部分
99から参照用チップ93の上面97までの距離を要求
される精度で形成することは困難ではない。
【0113】従って第9実施例に於ては、図12に示さ
れる構成とすることによって、参照用チップ93の上面
97を試料ホルダー90の上面と同一の高さに設定する
ことが出来る。なお、参照用チップ93の上面97の高
さを微調整するために、ネジ94が突出部100内に設
けられている。
【0114】図13は、本発明の第3の原理による第1
0実施例を示す図であり、参照用チップと一体化された
チップホルダー周辺のみを示す。図13の第10実施例
に於て、試料ホルダー90Aはチップホルダー92Aを
格納するためのへこみ95Aを含む。チップホルダー9
2Aの底面103から参照用チップ93の上面97まで
の距離が、要求される精度で形成されている。チップホ
ルダー92Aは、ネジ104及び105によってへこみ
95Aに固定的に装着される。
【0115】従って第10実施例に於ては、図13に示
される構成とすることによって、参照用チップ93の上
面97を試料ホルダー90Aの上面と同一の高さに設定
することが出来る。最後に図14は、図12に於いて、
試料98を押さえ付けるツメ101の配置に関する第1
1実施例を示す。第11実施例に於ては図14に示され
るように、ツメ101は反射電子検出器106の配置方
向と45゜の角度に配置される。
【0116】第11実施例に於ては、ツメ101による
反射電子の遮蔽が発生する試料上の範囲を最小化でき
る。従って、グローバルアライメント時や、ミラー補正
データの測定時に位置測定誤差が発生しない。また、反
射電子検出器106の配置方向をマーク検出時のビーム
走査方向と一致させれば、マークのエッジ位置検出の際
の誤差を最小におさえることができる。
【0117】
【発明の効果】請求項1の発明に於ては、位置検出用マ
ークの位置を検出するための各反射電子検出器の信号波
形が同一の出力強度となり、位置検出誤差を取り除くこ
とが出来る。
【0118】請求項2の発明に於ては、4個以上の反射
電子検出器に対する信号波形を同一の出力強度に保ち、
位置検出誤差を取り除くことが出来る。請求項3の発明
に於ては、4個以上の反射電子検出器に対する信号波形
を同一の出力強度に保つことができ、加算後の波形にお
ける非対称性と共に位置検出誤差を取り除くことが出来
る。
【0119】請求項4の発明に於ては、複数のレジスタ
に設定された増幅率を用いて、同一の出力強度の信号波
形を得ることが出来る。請求項5の発明に於ては、メモ
リに格納された照射位置と増幅率に関するマップを用い
て、同一の出力強度の信号波形を得ることが出来る請求
項6の発明に於ては、メモリに格納されたマップは、可
能な全ての照射位置に対する増幅率を格納する必要がな
くなる。
【0120】請求項7の発明に於ては、演算回路によっ
て計算された増幅率を用いて、同一の出力強度の信号波
形を得ることが出来る請求項8の発明に於ては、照射位
置と反射電子検出器との距離の関数として増幅率を計算
することが出来る。
【0121】請求項9の発明に於ては、照射位置と反射
電子検出器との距離の関数として増幅率を計算すること
が出来る。請求項10の発明に於ては、照射位置から見
込んだ反射電子検出器の立体角の関数として増幅率を計
算することが出来る。
【0122】請求項11の発明に於ては、照射位置から
見込んだ反射電子検出器の立体角の関数として増幅率を
計算することが出来る。請求項12の発明に於ては、様
々な要因によって変化する検出器の検出効率を補正する
増幅率を求めることが出来る。
【0123】請求項13の発明に於ては、様々な要因に
よって変化する検出器の検出効率を補正する増幅率を求
めることが出来る。請求項14の発明に於ては、位置検
出用マークの位置を検出するための各反射電子検出器の
信号波形が同一の出力強度となり、加算呉の信号波形に
おける非対称性と共に位置検出誤差を取り除くことが出
来る。
【0124】請求項15の発明に於ては、照射位置と反
射電子検出器との距離の関数として増幅率を計算するこ
とが出来る。請求項16の発明に於ては、照射位置と反
射電子検出器との距離の関数として増幅率を計算するこ
とが出来る。
【0125】請求項17の発明に於ては、照射位置から
見込んだ反射電子検出器の立体角の関数として増幅率を
計算することが出来る。請求項18の発明に於ては、照
射位置から見込んだ反射電子検出器の立体角の関数とし
て増幅率を計算することが出来る。
【0126】請求項19の発明に於ては、様々な要因に
よって変化する検出器の検出効率を補正する増幅率を求
めることが出来る。請求項20の発明に於ては、様々な
要因によって変化する検出器の検出効率を補正する増幅
率を求めることが出来る。
【0127】請求項21の発明に於ては、位置検出用マ
ークの位置を検出する際の誤差を取り除くことが出来
る。請求項22の発明に於ては、溝よりなる段差マーク
の位置を検出する際の誤差を取り除くことが出来る。
【0128】請求項23の発明に於ては、溝よりなる段
差マークの位置を検出する際の誤差を取り除くことが出
来る。請求項24の発明に於ては、溝よりなる段差マー
クの位置を検出する際の誤差を取り除き、高精度で段差
マーク位置を測定することが出来る。
【0129】請求項25の発明に於ては、段差よりなる
段差マークの位置を検出する際の誤差を取り除くことが
出来る。請求項26の発明に於ては、段差よりなる段差
マークの位置を検出する際の誤差を取り除き、高精度で
段差マーク位置を測定することが出来る。
【0130】請求項27の発明に於ては、溝よりなる段
差マークの位置を検出する際の誤差を取り除くことが出
来る。請求項28の発明に於ては、溝よりなる段差マー
クの位置を検出する際の誤差を取り除き、高精度で段差
マーク位置を測定することが出来る。
【0131】請求項29の発明に於ては、参照用チップ
上の位置検出マークからの反射電子を遮るような構造物
を用いることなく、参照用チップを試料ホルダーに装着
することが出来る。請求項30の発明に於ては、参照用
チップ上の位置検出用マークからの反射電子を遮るよう
な構造物を用いることなく、参照用チップを試料ホルダ
ーに装着することが出来る。
【0132】請求項31の発明に於ては、参照用チップ
を用いて校正した電子ビームを用いて、試料に対する描
画を行うことが出来る。請求項32の発明に於ては、参
照用チップを用いて校正した電子ビームを用いて、試料
に対する描画を行うことが出来る。
【0133】請求項33の発明に於ては、試料上の位置
検出用マークからの反射電子を遮ることなく、試料を試
料ホルダーに装着することが出来る。請求項34の発明
に於ては、参照用チップ上の位置検出用マークからの反
射電子を遮るような構造物を用いることなく参照用チッ
プを試料ホルダーに装着し、参照用チップを用いて電子
ビームを校正し、試料上の位置検出用マークからの反射
電子を遮ることなく試料を試料ホルダーに装着し、電子
ビームと試料との位置合わせを行って、試料上にパター
ンを描画することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の原理による電子ビーム露光装置
の第1実施例の構成図である。
【図2】本発明の第1の原理による電子ビーム露光装置
の第2実施例の構成図である。
【図3】本発明の第1の原理による電子ビーム露光装置
の第3実施例の構成図である。
【図4】本発明の第1の原理による電子ビーム露光装置
に於て用いられる補間関数を示す図である。
【図5】本発明の第1の原理による電子ビーム露光装置
の第4実施例の構成図である。
【図6】本発明の第1の原理による電子ビーム露光装置
の第5実施例の構成図である。
【図7】本発明の第1の原理による電子ビーム露光装置
の第6実施例の構成図である。
【図8】(A)は、本発明の第2の原理による電子ビー
ム露光装置の第7実施例の構成図であり、(B)は、第
7実施例におけるマーク位置検出を説明するための説明
図である。
【図9】本発明の第2の原理による電子ビーム露光装置
の第8実施例の構成図である。
【図10】(A)は、関連技術の電子ビーム露光装置に
於けるXYステージの断面側面図であり、(B)は、
(A)の部分拡大図である。
【図11】図10のXYステージに於ける反射電子の遮
蔽を説明するための説明図である。
【図12】本発明の第3の原理による電子ビーム露光装
置の第9実施例に於ける試料ホルダーの断面側面図であ
る。
【図13】本発明の第3の原理による電子ビーム露光装
置の第10実施例に於ける試料ホルダーの部分断面側面
図である。
【図14】本発明の第3の原理による電子ビーム露光装
置の第11実施例に於ける試料ホルダーの平面図であ
る。
【図15】(A)は従来の電子ビーム露光装置のマーク
位置検出に関連する部分の構成図であり、(B)は
(A)の電子ビーム露光装置の反射電子検出器の配置図
であり、(C)は(A)の電子ビーム露光装置に於ける
マーク位置検出を説明する説明図である。
【図16】(A)は従来の電子ビーム露光装置に於ける
マークに対する電子ビーム走査を説明する説明図であ
り、(B)は(A)の電子ビーム走査により検出された
波形を示す図であり、(C)は(B)の2つの波形の加
算波形を示す図である。
【図17】(A)は、従来の電子ビーム露光装置に於け
るマークと反射電子検出器との位置関係を示す図であ
り、(B)は、マーク位置に依存して反射電子検出器を
見込む立体角が変化することを示す図である。
【符号の説明】
1、1A、1B 電子ビーム露光装置 11 ビーム発生器 12 ビーム制御部 13 補正回路 14 AMP/DAC 15 偏向器 16 反射電子検出器 17 アンプ 18 加算器 19 ディジタルメモリ 20、20A、20B、20C CPU 21 レジスタ 22 マップメモリ 23 増幅率補正演算回路 24 比較器 25 コントローラ 26 レジスタ 27 平均化回路 30 波形メモリ 31 マーク 32 CPU 40 検出器 41 検出器 42 検出器 43 検出器 50 加算器 51 加算器 52 加算器 53 加算器 60 波形メモリ 61 波形メモリ 62 波形メモリ 63 波形メモリ 70 XYステージ 71 Xステージ 72 Yステージ 73 試料ホルダー 74 へこみ 75 へこみ 76 参照用チップ 77 試料 78 マーク 79 バネ 80 チップ台 81 窓枠 82 ネジ 83 ネジ 84 ツメ 84a ネジ 85 突き当て面 86 静電チャンク 87 バネ 88 バネ 89 車輪 90 試料ホルダー 91 バネ 92 チップホルダー 92A チップホルダー 93 参照用チップ 94 ネジ 95 へこみ 95A へこみ 96 へこみ 97 参照用チップ上面 98 試料 99 ステップ形状部 100 突出部 101 ツメ 102 突き当て面 103 チップホルダー底面 104 ネジ 105 ネジ 200 反射電子検出器 201 反射電子検出器 202 反射電子検出器 203 反射電子検出器 204 加算器 205 ビデオアンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池田 徹 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (72)発明者 石田 和司 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−105312(JP,A) 特開 昭62−29136(JP,A) 特開 昭58−67027(JP,A) 特開 平1−268122(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/027 G01B 15/00 G03F 7/20 H01J 37/305

Claims (20)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子ビームを偏向する少なくとも一つの
    偏向器を有し、位置検出用マークの位置を該電子ビーム
    で検出する電子ビーム露光装置であって、 複数の反射電子検出器と、 該反射電子検出器の各々の出力を増幅するアンプと、 該位置検出用マークの位置を検出する際に該電子ビーム
    の照射位置に関わらず該アンプの出力強度が一定となる
    ように該照射位置の変化に応じて該アンプの増幅率を調
    整して設定する設定手段を含む電子ビーム露光装置。
  2. 【請求項2】 前記複数の反射電子検出器は、前記電子
    ビーム光学系の中心に対し軸対称の位置に配置された4
    個以上の反射電子検出器であることを特徴とする請求項
    1記載の電子ビーム露光装置。
  3. 【請求項3】 前記複数の反射電子検出器のうちで前記
    電子ビーム光学系の前記中心を挟んで対向する対の反射
    電子検出器に対して、前記アンプの出力同士を加算する
    ことを特徴とする請求項2記載の電子ビーム露光装置。
  4. 【請求項4】 前記設定手段は、前記アンプに接続され
    前記増幅率を格納する複数のレジスタと、該複数のレジ
    スタに増幅率を設定する制御部を含むことを特徴とする
    請求項1乃至3いずれか一項記載の電子ビーム露光装
    置。
  5. 【請求項5】 前記設定手段は、前記照射位置をアドレ
    スとして受け取り該アドレスに格納された前記増幅率を
    前記アンプの各々に出力するメモリと、予め該照射位置
    に対する該増幅率を該メモリに格納する制御部を含むこ
    とを特徴とする請求項1乃至3いずれか一項記載の電子
    ビーム露光装置。
  6. 【請求項6】 前記照射位置が前記アドレス間にある場
    合に該照射位置に対する前記増幅率を線形補間により求
    める手段を更に含むことを特徴とする請求項5記載の電
    子ビーム露光装置。
  7. 【請求項7】 前記設定手段は、前記照射位置を入力
    (x,y)として受け取り前記増幅率をΣAiji j
    として前記アンプの各々に出力する演算回路と、予め該
    増幅率を計算する係数Aijを該メモリに格納する制御部
    を含むことを特徴とする請求項1乃至3いずれか一項記
    載の電子ビーム露光装置。
  8. 【請求項8】 前記複数の検出器のうちの一つの検出器
    と前記位置検出用マークの位置を検出する際の前記電子
    ビームの前記照射位置との距離をrとして、該一つの検
    出器に対する前記増幅率をr2 に比例する量とすること
    を特徴とする請求項1乃至6いずれか一項記載の電子ビ
    ーム露光装置。
  9. 【請求項9】 前記電子ビームが電子ビーム光学系の中
    心に偏向されたときの前記一つの検出器の基準増幅率を
    αとし、該一つの検出器と該中心にある照射位置との距
    離をr0 として、該一つの検出器に対する前記増幅率を
    αr2 /r0 2とすることを特徴とする請求項8記載の電
    子ビーム露光装置。
  10. 【請求項10】 前記複数の検出器のうちの一つの検出
    器を前記位置検出用マークの位置から見込んだ立体角を
    Ωとし、該一つの検出器に対する前記増幅率を1/Ωに
    比例する量とすることを特徴とする請求項1乃至6いず
    れか一項記載の電子ビーム露光装置。
  11. 【請求項11】 前記電子ビームが電子ビーム光学系の
    中心に偏向されたときの前記一つの検出器の基準増幅率
    をαとし、該中心にある照射位置から該一つの検出器を
    見込んだ立体角をΩ0 として、該一つの検出器に対する
    前記増幅率をαΩ0 /Ωとすることを特徴とする請求項
    10記載の電子ビーム露光装置。
  12. 【請求項12】 一定のビームサイズで一定の電流密度
    の前記電子ビームを平坦な試料表面上の複数点Xj (j
    =1,2,・・・,n)に照射した場合の前記複数の検
    出器のうちの一つの検出器の出力をV(Xj )とし、該
    V(Xj )を補間した任意の照射位置Xに対する該出力
    をV(X)とし、該一つの検出器に対する前記増幅率を
    1/V(X)に比例する量とすることを特徴とする請求
    項1乃至7いずれか一項記載の電子ビーム露光装置。
  13. 【請求項13】 前記電子ビームが電子ビーム光学系の
    中心に偏向されたときの前記一つの検出器の出力をV0
    として、該一つの検出器に対する前記増幅率をV0 /V
    (X)とすることを特徴とする請求項12記載の電子ビ
    ーム露光装置。
  14. 【請求項14】 電子ビームで照射された位置検出用マ
    ークからの反射電子を検出する複数の反射電子検出器と
    該電子ビームを偏向する少なくとも一つの偏向器とを有
    する電子ビーム露光装置に於て該位置検出用マークの位
    置を検出する方法であって、 a)該複数の反射電子検出器で該反射電子を検出し、 b)該複数の反射電子検出器の各々の信号出力を、該電
    子ビームの照射位置の変化に応じて調整した増幅率で増
    幅することにより該電子ビームの照射位置に依存しな
    い一定強度の信号出力を求め、 c)該一定強度の信号出力を互いに加算し、 d)加算後の信号波形を解析する各段階を含む方法。
  15. 【請求項15】 前記段階b)は、前記複数の検出器の
    うちの一つの検出器と前記電子ビームの前記照射位置と
    の距離をrとして、r2 の所定倍の値を計算し、該一つ
    の検出器の信号出力を該r2 の所定倍の値で増幅する各
    段階を含むことを特徴とする請求項14記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記電子ビームが電子ビーム光学系の
    中心に偏向されたときの前記一つの検出器の基準増幅率
    をαとし、該一つの検出器と該中心にある照射位置との
    距離をr0 として、前記r2 の所定倍はαr2 /r0 2
    あることを特徴とする請求項15記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記段階b)は、前記複数の検出器の
    うちの一つの検出器を前記位置検出用マークの位置から
    見込んだ立体角Ωを計算し、該一つの検出器の信号出力
    を1/Ωに比例する量で増幅する各段階を含むことを特
    徴とする請求項14記載の方法。
  18. 【請求項18】 前記電子ビームが電子ビーム光学系の
    中心に偏向されたときの前記一つの検出器の基準増幅率
    をαとし、該中心にある照射位置から該一つの検出器を
    見込んだ立体角をΩ0 として、前記1/Ωに比例する量
    はαΩ0 /Ωであることを特徴とする請求項17記載の
    方法。
  19. 【請求項19】 一定のビームサイズで一定の電流密度
    の前記電子ビームを平坦な試料表面上の複数点Xj (j
    =1,2,・・・,n)に照射し、前記複数の検出器の
    うちの一つの検出器の出力V(Xj )を測定し、該V
    (Xj )を補間して任意の照射位置Xに対する出力V
    (X)を求め、該一つの検出器に対する前記増幅率を1
    /V(X)に比例する量とする各段階を更に含むことを
    特徴とする請求項14記載の方法。
  20. 【請求項20】 前記電子ビームが電子ビーム光学系の
    中心に偏向されたときの前記一つの検出器の出力をV0
    として、該一つの検出器に対する前記増幅率をV0 /V
    (X)とすることを特徴とする請求項19記載の方法。
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