JP3866782B2 - 電子ビーム露光装置及び露光方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
【0002】
本発明は、電子ビーム露光装置に関し、特に電子ビーム露光装置に於ける位置合わせを行うためのマーク位置検出技術に関する。
【従来の技術】
【0003】
半導体集積回路の高集積化が進むにつれて、より微細な加工を行える微細加工技術が要求される。電子ビーム露光法は、現在LSIの生産に広く用いられている光露光法に比べ、解像性や焦点深度の点で遙に優れた特性を有する。解像度を比較すると、光リソグラフィーによる加工の限界は0.3μm程度であるが、電子ビーム露光に於ては0.1μm以下の微細加工が可能である。
【0004】
しかしながら、電子ビーム露光法は、露光位置精度、重ね合わせ精度、フィールドの接続精度などが光露光法に比べて劣るため、量産現場ではあまり用いられていない。電子ビーム露光装置は、ステッパー等の光露光装置に比べて一度に露光できる領域(以下偏向フィールド)が小さい。従って、LSIを1チップ露光するためには、ステージ移動を行って、偏向フィールドをLSIチップ上で順次移動させる必要性がある。この際、偏向フィールド間の境界に於ける偏向フィールドの接続精度が低いと、断線やショートの原因となり歩留りを著しく低下させる。
【0005】
従って、歩留りを改善するためには、フィールド境界に於ける接続精度を高くする必要があり、そのためには電子ビームの偏向精度を高くする必要がある。電子ビーム露光装置に於ては、通常、コイルが発生する磁場で電子ビームを偏向する。コイルはx偏向用とy偏向用の2系統を含み、各コイルに独立に電流を流すことによってビームをx方向及びy方向に偏向する。しかしながらビーム偏向量は、偏向用コイルを流れる電流に正比例せずに、電流の複雑な関数になるのが普通である。
【0006】
従って電子ビームを精度良く偏向するためには、偏向器への入力電流を補正してやる必要がある。補正には2つの種類があり、ひとつは入力値と偏向量を比例関係にするための歪み補正であり、もうひとつは比例係数を補正する偏向効率補正である。歪み補正はフィールド内各点でのデータ測定を必要とするため時間がかかるが、歪みの経時変化は少ないので一度データを測定しておけばよい。これに対し偏向効率補正に於ては短時間で補正係数を取得できるが、偏向器の熱分布の変化等による偏向効率変化の為に、偏向効率補正係数の取得は比較的頻繁に行われる。
【0007】
偏向フィールドを校正するためには、通常、レーザー干渉光学系によって距離及び直交性が保証されたステージ座標系に偏向器の座標系を合わせ込むことが行われる。偏向器の座標系を測定するためには、試料上のマーク位置を電子ビームで検出して、電子ビームの実際の照射位置を測定しなければならない。
【0008】
図20(A)は、電子ビーム走査によるマーク位置検出方法を説明する図である。図20(A)に示されるように、試料上に段差として形成されたマー306を含む範囲に対して偏向器により電子ビームを走査する。電子光学系の中心軸に対し対称的に配置された反射電子検出器300及び301によって反射電子信号を検出し、各検出器の出力を加算器302によって加算する。加算後の信号波形を解析対象の反射電子波形として、偏向器の走査と同期させて測定する。図20(A)に示されるような位置検出マーク306を用いて上記処理を行った場合、図20(B)に示されるような反射電子波形が得られる。このようにして得られた反射電子波形を解析装置303で解析して、マーク中心位置を検出する。マークとしては一般に、試料(シリコン)上に段差を形成したものが使われる。
【0009】
以上説明されたマーク位置検出を、試料上のマークをステージによって移動して平面上の様々な位置において行う。これによって、比例係数を補正するための偏向効率補正係数や、歪み補正を行うための偏向器の歪みマップを取得することができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら上述のマーク位置検出方法に於ては、検出されたマーク位置が誤差を含んでしまうという問題がある。これは、様々な位置に於てマーク位置検出を行う場合、マークと反射電子検出器との相対的な位置関係が変化することに起因する。
【0012】
平面上の様々な位置においてマーク位置検出を行う際、マークの検出器に対する位置に依存して、マークの段差側壁から検出器方向への反射電子の出射角が異なることになる。例えば、図21(A)に示すような反射電子検出器とマークとの位置関係で反射電子波形を測定すると、図21(B)に示すような信号波形が得られる。この図に示されるように、2つの反射電子検出器の中心位置にあるマークに対しては,対称で歪みのない反射信号波形が得られる。しかしながら、中心からずれた位置にあるマークを測定した場合には、左右の反射電子検出器に対するマークからの反射電子の出射角が異なるために、非対称に歪んだ波形が得られてしまう。
【0013】
更に、上述のマーク位置検出誤差の問題点に加えて、従来の電子ビーム露光装置に於ては電子ビームのフォーカス合わせに関する問題点が存在する。まず、従来の電子ビーム露光装置に於けるフォーカス合わせ方法を図22に示す。図22に示されるように、ウエハと電子レンズとの間には、レジストが感光しない波長の光を用いる光学系310が設けられる。光学系310は、光源311と光検出器312を含む。ウエハに対する電子ビーム露光時に、光源311は光をウエハに照射し、光検出器312はウエハからの反射光を測定して露光面の高さを測定する。測定された露光面高さに基づいて、電子レンズの焦点距離を変化させる。
【0014】
このような従来の電子ビーム露光装置に於ては、a)投影レンズの焦点距離を変更する際に電子ビームの偏向軌道に影響を与え、ウエハー面上のビーム照射位置にずれが生じる;
b)デバイスの微細化により露光下地表面の構造が複雑化したことで、露光面に光を照射したときの下地表面からの散乱光の影響が増加し、高さの測定値が多くの誤差を含む;
という問題点が存在する。
【0015】
上記a)の問題に関して、以下に説明する。電子ビーム露光装置に於ては、ウエハ上の光学系の中心軸を原点とした電子ビームの偏向量X=(X,Y)を補正回路に入力し、
X’=Gx・X+Rx・Y+Dx(X,Y) (1)
Y’=Ry・X+Gy・Y+Dy(X,Y) (2)
として補正された偏向量X’を得る。ここでG=(Gx,Gy)はゲインに関する補正係数、R=(Rx,Ry)は回転に関する補正係数、そしてD=(Dx、Dy)はゲインと回転以外の高次の偏向歪み量である。電子ビーム露光装置に於ては、補正された偏向量X’に比例する電流を偏向器に加え、ウエハ上の所望の位置Xにビームを偏向する。
【0016】
ここで、上述のように投影レンズの焦点距離を変えた場合には、所望の位置Xにビームを偏向することが出来ない。従って、G、R、及び歪み量D(X)を焦点距離に応じて変化させる必要がある。任意の焦点距離(高さ)fにあるウエハ面の任意の位置Xに電子ビームを偏向するためには、ある高さにある基準マークを用いて、高さf、その高さに於ける補正係数G、補正係数R、及び歪み量D(X)を測定し、同一の測定を様々な高さに対して行わなければならない。こうして、高さを変数として持つ補正係数G(f)、補正係数R(f)、及び歪み量D(X,f)が求められる。しかしながらこのような測定を行うことは、ビーム偏向調整に要する時間の増大と補正回路の複雑化とに帰結する。
【0017】
上記b)の問題に関して、以下に説明する。上述のような光学系を用いて、露光時にリアルタイムに露光面の高さを測定する代わりに、露光するウエハのチップ毎に設けられた基準マークを用いて高さ測定することが出来る。即ち、チップ4隅にある基準マークを用いてチップ毎に高さを測定し、フォーカス合わせと補正とを行うことが出来る。基準マークはチップに関わらず同一かつ既知の構造であるので、この基準マークを用いれば、容易に高さの測定を行うことが出来る。しかしながら、この方法に於ては、露光時毎に4隅にある各基準マークを検出して高さ測定をする必要があり、処理時間の増大につながる。また、リアルタイムに高さを測定する方法と同様に、測定値のばらつきがそのまま焦点ぼけとなる。更には、何らかの原因であるチップ(露光領域)の基準マークの高さを測定できない場合、チップ表面に対して焦点を合わせることが出来ない。
【0018】
更に、上述のマーク位置検出誤差及び焦点合わせの問題点に加えて、従来の電子ビーム露光装置に於ては、露光パターンの精度に関する問題点が存在する。この問題点を明確にするために、まず、被露光ウェハへの露光方法を図23に示す。ウェハは20mm程度のエリアに分けられ、またウェハ上に露光するICチップパターン等は通常5〜20mm程度の大きさである。ICチップが小さい場合は4〜9個のチップをまとめて1エリアとし、大きい場合は1チップを1エリアとする。露光の際は、ウェハ上のゲイン、回転、及び歪み量補正を、このエリア単位で行う。露光データは一般的に、このエリア単位で設定される。
【0019】
電子ビーム露光装置は、一般に、大面積内で電子ビームを偏向可能な主偏向器と、小面積内で高速に電子ビームを偏向可能な副偏向器を有する。この主偏向器でまず電子ビームを所定の位置に偏向し、次に副偏向器で偏向可能な領域内を描画する。図23に於てエリアは、この主偏向器で偏向可能な領域であるセルに分割されている。セル領域(以下に於てはセルフィールドと呼ぶ)は、その中心をビーム光学系の中心に合わせたとき、主偏向器で偏向出来る範囲であり通常1〜2mm程度の大きさである。従ってエリアは、100程度のセルフィールドで構成される。更に、セルフィールドは、100μm程度の大きさのサブフィールドに分割され、サブフィールド内は副偏向器によってビーム偏向される。
【0020】
露光前に行う偏向器の補正用データの測定は、このセルフィールド内で行われる。この補正用データに基づいて、ステージ移動座標系に対する主偏向器の座標の補正係数の決定や、副偏向器の座標の補正係数及び歪み量の決定が行われる。通常、主偏向器の補正係数はエリア毎に設定され、副偏向器の補正係数はセル毎に設定される。
【0021】
露光を行う際は、セルフィールドを列上にならべた領域であるフレームという概念が用いられる。フレームの幅はセルフィールドの幅と同一であるので、フレーム幅の範囲内は主偏向器によって電子ビームを偏向できる。フレーム長さ方向への露光を行うために、ウェハはステージによってフレーム長さ方向に連続移動される。つまり、フレームの幅方向には、主偏向器で偏向して電子ビームを位置決めし副偏向器で露光をする。フレームの長さ方向に露光をするためにウェハがステージによって連続移動され、一つのフレームへの露光終了後、ステージ移動はUターンして逆方向へウェハを移動させる。
【0022】
一般に、露光パターンの精度は、露光パターンの10%以内である必要がある。例えば、0.15μmパターン露光時は、0.015μm以下の精度が要求される。この精度を達成するためには、上記のビーム補正を厳密に実施する必要がある。また、ウェハ露光中に於ける偏向器の熱的ドリフトの影響があるので、露光開始前に取得した主・副偏向器の補正係数を露光途中に変更することが必要になる。
【0023】
従って、高い精度を達成するためには、補正係数の変更はセル単位やそれ以下の単位で行うことが望ましい。補正演算回路に設定された補正係数の書換えは、セルとセルの間やサブフィールド間など、露光が中断されている間に行われる。しかしながら、書き換えには時間を必要とするので、頻繁に書換えをおこなうと非露光時間が多くなりスループットが低下してしまう。
【0024】
この問題解決のために、ウェハ露光開始前の補正データ取得から露光開始までの時間で、全ての補正係数を演算して補正演算回路に転送することが考えられる。しかしながら、例えばセル単位で40係数を求めるとすると、6インチウェハの場合で約4000点の位置について40係数を求めることになり、1〜5秒程度の時間を必要とする。またデータ転送も同等程度の時間を必要とする。更には、補正係数を設定するための大容量の記憶手段が、補正演算回路に於て必要になる。また、露光途中で補正係数を書き換える場合には、補正データの再収集後に使用する全ての補正係数を書き換える必要がある。
【0025】
以上に述べたように、従来の電子ビーム露光装置に於ては、マーク位置検出誤差と、焦点合わせと、露光パターン精度向上のための補正係数設定とに関する問題点が存在する。これらの問題点が複合されて、生成された露光パターンに於ける欠陥につながる、或いは露光パターンに於ける欠陥を避けるためには、調整及び露光に要する時間の増大や装置の複雑化を招くことになる。
【0026】
従って、本発明の一般的な目的は、電子ビーム露光装置に於て、正確な露光パターンを高い生産性で生成できる方法及び電子ビーム露光装置を提供することである。
【0027】
本発明の別の目的は、電子ビーム露光装置に於けるビーム補正及び位置合わせを行うためのマーク位置検出に於て、高精度にマーク位置を検出する方法及び電子ビーム露光装置を提供することである。本発明の更なる目的は、電子ビーム露光装置に於ける電子ビームの焦点合わせに於て、短時間のビーム偏向調整によって、高精度の電子ビーム焦点合わせと高精度の電子ビーム照射位置設定を可能とする方法及び電子ビーム露光装置を提供することである。
【0028】
本発明のまた更なる目的は、電子ビーム露光装置に於ける露光パターン精度向上のための補正係数設定に於て、露光処理時間を犠牲にすることなく、細かい範囲で設定された補正係数を用いる方法及び電子ビーム露光装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0029】
請求項1の発明に於ては、偏向器で電子ビームを偏向して該電子ビームを試料に照射し露光する電子ビーム露光装置に於ける露光方法は、a)高さの異なる複数の第1のマークを配置し、b)該偏向器の上段に設けられたフォーカスコイルを用いて該第1のマークの各々に該電子ビームの焦点を合わせ、c)該第1のマークの各々に対する焦点距離を求め、d)該第1のマークの各々に対して偏向効率補正係数を求め、e)該偏向効率補正係数を該焦点距離の一次関数として近似して任意の焦点距離に対する該偏向効率補正係数を求め、f)第2のマークを前記電子ビームの光学系の中心に配置し、g)前記フォーカスコイルを用いて該第2のマークに該電子ビームの焦点を合わせることによって該第2のマークの第1の位置及び該第2のマークに対する第1の焦点距離を求め、h)該焦点距離とは異なった少なくとも一つの第2の焦点距離に該フォーカスコイルを設定して、該第2のマークの少なくとも一つの第2の位置を求め、i)該第1の位置、該第2の位置、該第1の 焦点距離、及び該第2の焦点距離に基づいて、該電子ビームのオフセットずれ量を焦点距離の一次関数として近似して任意の焦点距離に対する該オフセットずれ量を求め、j)前記フォーカスコイルを用いて前記試料上に設けられた複数の基準マークに前記電子ビームの焦点を合わせることによって該基準マークに対する基準焦点距離を求め、k)該基準マークの座標値の関数として該基準焦点距離を最小2乗近似することによって任意の試料上の位置に対する露光焦点距離を求め、l)該露光焦点距離、該露光焦点距離に対する前記偏向効率補正係数、該露光焦点距離に対する前記オフセットずれ量を用いることにより、該試料の位置合わせ及び該試料の露光を行う各段階を含む。
【0030】
上記発明によれば、測定された偏向効率補正係数を焦点距離の一次関数として近似するので、偏向効率補正係数を焦点距離の関数として容易に求めることが出来る。
【0031】
上記発明によれば、測定されたオフセットずれ量を焦点距離の一次関数として近似するので、オフセットずれ量を焦点距離の関数として容易に求めることが出来る。
【0032】
上記発明によれば、試料表面の高さを位置座標の関数として近似して焦点距離を求め、焦点距離に対して補正された偏向補正係数及びオフセットずれ量を用いて試料の位置合わせ及び露光を行う。従って、校正のための測定に多くの手間と時間をかけることなく、正確な露光パターンを生成することが出来る。
【0033】
請求項2の発明に於ては、請求項1記載の発明に於て、前記段階j)は、j1)前記試料上に設けられた複数の基準マークの高さを光学的方法によって求め、j2)該基準マークに対する前記フォーカスコイルの焦点距離である前記基準焦点距離を該基準マークの該高さに基づいて求める各段階を含む。
【0034】
上記発明によれば、焦点合わせをすることが出来ない基準マークに対しても、光学的測定法によって試料表面の高さを測定することが出来る。従って、任意の基準マークを有する試料に対して、正確な露光パターンを生成することが出来る。
【0035】
請求項3の発明に於ては、請求項2記載の発明に於て、前記段階j2)は、前記フォーカスコイルを用いて前記基準マークの少なくとも一つに前記電子ビームの焦点を合わせることによって該基準マークの該少なくとも一つに対する焦点距離を求め、該基準マークの該少なくとも一つに対する該焦点距離と、該基準マークの該少なくとも一つに対して前記光学的方法によって求められた前記高さとの差分を求め、該基準マークの該高さと該差分とに基づいて前記基準焦点距離を求める各段階を含む。
【0036】
上記発明によれば、焦点合わせをすることが出来ない基準マークに対しても、光学的測定法によって試料表面の高さを測定することが出来る。従って、任意の基準マークを有する試料に対して、正確な露光パターンを生成することが出来る。
【0037】
請求項4の発明に於ては、偏向器で電子ビームを偏向して該電子ビームを試料に照射し露光する電子ビーム露光装置は、該偏向器の上段に設けられたフォーカスコイルと、高さの異なる複数の第1のマークを配置する手段と、該偏向器の上段に設けられたフォーカスコイルを用いて該第1のマークの各々に該電子ビームの焦点を合わせる手段と、該第1のマークの各々に対する焦点距離を求める手段と、該第1のマークの各々に対して偏向効率補正係数を求める手段と、該偏向効率補正係数を該焦点距離の一次関数として近似して任意の焦点距離に対する該偏向効率補正係数を求める手段と、第2のマークを前記電子ビームの光学系の中心に配置する手段と、前記フォーカスコイルを用いて該第2のマークに該電子ビームの焦点を合わせることによって該第2のマークの第1の位置及び該第2のマークに対する第1の焦点距離を求める手段と、該焦点距離とは異なった少なくとも一つの第 2の焦点距離に該フォーカスコイルを設定して、該第2のマークの少なくとも一つの第2の位置を求める手段と、該第1の位置、該第2の位置、該第1の焦点距離、及び該第2の焦点距離に基づいて、該電子ビームのオフセットずれ量を焦点距離の一次関数として近似して任意の焦点距離に対する該オフセットずれ量を求める手段と、前記フォーカスコイルを用いて前記試料上に設けられた複数の基準マークに前記電子ビームの焦点を合わせることによって該基準マークに対する基準焦点距離を求める基準焦点距離獲得手段と該基準マークの座標値の関数として該基準焦点距離を最小2乗近似することによって任意の試料上の位置に対する露光焦点距離を求める手段と、該露光焦点距離、該露光焦点距離に対する前記偏向効率補正係数、該露光焦点距離に対する前記オフセットずれ量を用いることにより、該試料の位置合わせ及び該試料の露光を行う手段を含む。
【0038】
上記発明によれば、測定された偏向効率補正係数を焦点距離の一次関数として近似するので、偏向効率補正係数を焦点距離の関数として容易に求めることが出来る。
【0039】
上記発明によれば、測定されたオフセットずれ量を焦点距離の一次関数として近似するので、オフセットずれ量を焦点距離の関数として容易に求めることが出来る。
【0040】
上記発明によれば、試料表面の高さを位置座標の関数として近似して焦点距離を求め、焦点距離に対して補正された偏向補正係数及びオフセットずれ量を用いて試料の位置合わせ及び露光を行う。従って、校正のための測定に多くの手間と時間をかけることなく、正確な露光パターンを生成することが出来る。
【0041】
請求項5の発明に於ては、請求項4記載の発明に於て、前記基準焦点距離獲得手段は、前記試料上に設けられた複数の基準マークの高さを光学的方法によって求める手段と、該基準マークに対する前記フォーカスコイルの焦点距離である前記基準焦点距離を該基準マークの該高さに基づいて求める高さ変換手段を含む。
【0042】
上記発明によれば、焦点合わせをすることが出来ない基準マークに対しても、光学的測定法によって試料表面の高さを測定することが出来る。従って、任意の基準マークを有する試料に対して、正確な露光パターンを生成することが出来る。
【0043】
請求項6の発明に於ては、請求項5記載の発明に於て、前記高さ変換手段は、前記フォーカスコイルを用いて前記基準マークの少なくとも一つに前記電子ビームの焦点を合わせることによって該基準マークの該少なくとも一つに対する焦点距離を求める手段と、該基準マークの該少なくとも一つに対する該焦点距離と、該基準マークの該少なくとも一つに対して前記光学的方法によって求められた前記高さとの差分を求める手段と、該基準マークの該高さと該差分とに基づいて前記基準焦点距離を求める手段を含む。
【0044】
上記発明によれば、焦点合わせをすることが出来ない基準マークに対しても、光学的測定法によって試料表面の高さを測定することが出来る。従って、任意の基準マークを有する試料に対して、正確な露光パターンを生成することが出来る。
【0045】
請求項7の発明に於ては、請求項1記載の発明に於て、前記第1のマークは、前記電子ビームを反射する反射電子量が異なる2つの異なった物質より形成される。上記発明によれば、反射電子強度の違いにより位置を検出するコントラスト検出型の位置検出マークを用いるので、マーク位置検出の際の誤差を除去することが出来る。
【0046】
請求項8の発明に於ては、請求項7記載の発明に於て、前記第1のマークは、電子反射率の低い基盤上に重金属の薄膜をパターニングして形成される。上記発明によれば、反射電子強度の違いにより位置を検出するコントラスト検出型の位置検出マークを用いるので、マーク位置検出の際の誤差を除去することが出来る。
【0047】
請求項9の発明に於ては、請求項8記載の発明に於て、前記第1のマークは、金、タンタル、及びタングステンのいずれか一つの薄膜をシリコン基盤上にパターニングして形成される。上記発明によれば、反射電子強度の違いにより位置を検出するコントラスト検出型の位置検出マークを用いるので、マーク位置検出の際の誤差を除去することが出来る。
【0048】
請求項10の発明に於ては、請求項7記載の発明に於て、前記第1のマークは、電子反射率の低い基盤に重金属を埋め込んで該基盤及び該重金属が同一の平坦な表面を有する構造である。上記発明によれば、反射電子強度の違いにより位置を検出するコントラスト検出型の位置検出マークを用いるので、マーク位置検出の際の誤差を除去することが出来る。
【0049】
請求項11の発明に於ては、請求項10記載の発明に於て、前記第1のマークは、金、タンタル、及びタングステンのいずれか一つの重金属をシリコン基盤に埋め込んで該シリコン基盤及び該重金属が同一の平坦な表面を有する構造である。
【0050】
上記発明によれば、反射電子強度の違いにより位置を検出するコントラスト検出型の位置検出マークを用いるので、マーク位置検出の際の誤差を除去することが出来る。請求項12の発明に於ては、請求項10又は11記載の発明に於て、前記第1のマークは、電子反射率の低い基盤に重金属を埋め込んで該基盤と該重金属の表面をCMP(Chemical Mechanical Polishing )法により平坦化することによって形成される。
【0051】
上記発明によれば、高精度の表面平坦度を有したコントラスト検出型の位置検出マークを用いるので、マーク位置検出の際の誤差を除去することが出来る。請求項13の発明に於ては、請求項4記載の発明に於て、前記第1のマークは、前記電子ビームを反射する反射電子量が異なる2つの異なった物質より形成された構造であることを特徴とする。
【0052】
上記発明によれば、反射電子強度の違いにより位置を検出するコントラスト検出型の位置検出マークを用いるので、マーク位置検出の際の誤差を除去することが出来る。請求項14の発明に於ては、請求項13記載の発明に於て、前記第1のマークは、電子反射率の低い基盤上に重金属の薄膜をパターニングした構造である。
【0053】
上記発明によれば、反射電子強度の違いにより位置を検出するコントラスト検出型の位置検出マークを用いるので、マーク位置検出の際の誤差を除去することが出来る。請求項15の発明に於ては、請求項14記載の発明に於て、前記第1のマークは、金、タンタル、及びタングステンのいずれか一つの薄膜をシリコン基盤上にパターニングした構造である。
【0054】
上記発明によれば、反射電子強度の違いにより位置を検出するコントラスト検出型の位置検出マークを用いるので、マーク位置検出の際の誤差を除去することが出来る。請求項16の発明に於ては、請求項13記載の発明に於て、前記第1のマークは、電子反射率の低い基盤に重金属を埋め込んで該基盤及び該重金属が同一の平坦な表面を有する構造である。
【0055】
上記発明によれば、反射電子強度の違いにより位置を検出するコントラスト検出型の位置検出マークを用いるので、マーク位置検出の際の誤差を除去することが出来る。請求項17の発明に於ては、請求項16記載の発明に於て、前記第1のマークは、金、タンタル、及びタングステンのいずれか一つの重金属をシリコン基盤に埋め込んで該シリコン基盤及び該重金属が同一の平坦な表面を有する構造である。
【0056】
上記発明によれば、反射電子強度の違いにより位置を検出するコントラスト検出型の位置検出マークを用いるので、マーク位置検出の際の誤差を除去することが出来る。請求項18の発明に於ては、請求項16又は17記載の発明に於て、前記第1のマークは、電子反射率の低い基盤に重金属を埋め込んで該基盤と該重金属の表面をCMP(Chemical Mechanical Polishing )法により平坦化することによって形成される。
【0057】
上記発明によれば、高精度の表面平坦度を有したコントラスト検出型の位置検出マークを用いるので、マーク位置検出の際の誤差を除去することが出来る。請求項19の発明に於ては、偏向器で電子ビームを偏向して該電子ビームを試料に照射し露光する電子ビーム露光装置に於ける露光方法は、a)電子反射率の低い基盤に重金属を埋め込んで該基盤及び該重金属が同一の平坦な表面を有する位置検出マークを所定位置に配置し、b)該電子ビームで該位置検出マークの位置を検出し、c)前記位置検出マークの検出された前記位置に基づいて、前記偏向器の歪み補正を行うための偏向歪みマップ及び該偏向器の比例係数補正を行うための偏向効率補正係数を取得して、前記電子ビームの偏向量を校正する段階を含む。
【0058】
上記発明によれば、反射電子強度の違いにより位置を検出するコントラスト検出型の位置検出マークを用いるので、マーク位置検出の際の誤差を除去することが出来る。
【0059】
上記発明によれば、反射電子強度の違いにより位置を検出するコントラスト検出型の位置検出マークを用いるので、誤差のない変更歪みマップ及び偏向効率補正係数を獲得することが出来る。請求項20の発明に於ては、請求項19記載の発明に於て、前記試料をステージ移動して該試料上に形成された少なくとも一つの位置合わせマークを所定の位置に配置し、前記電子ビームで該位置合わせマークの位置を検出し、該位置合わせマークの検出された該位置を参照して校正された該電子ビームで該試料を露光する各段階を更に含む。
【0060】
上記発明によれば、反射電子強度の違いにより位置を検出するコントラスト検出型の位置検出マークを用いて電子ビームを校正した後に試料を露光するので、正確な露光パターンを生成できる。請求項21の発明に於ては、請求項19記載の発明に於て、前記位置検出マークの検出された前記位置に基づいて、前記偏向器の歪み補正を行うための偏向歪みマップを取得して前記電子ビームの偏向量を校正する段階を含む。
【0061】
上記発明によれば、反射電子強度の違いにより位置を検出するコントラスト検出型の位置検出マークを用いるので、誤差のない変更歪みマップを獲得することが出来る。請求項22の発明に於ては、請求項21記載の発明に於て、前記試料をステージ移動して該試料上に形成された少なくとも一つの位置合わせマークを所定の位置に配置し、前記電子ビームで該位置合わせマークの位置を検出し、該位置合わせマークを用いて前記偏向器の比例係数補正を行うための偏向効率補正係数を取得し、該偏向効率補正係数に所定の測定ずれ量を加算して真の偏向効率補正係数を取得して該電子ビームの偏向量を校正し、該位置合わせマークの検出された該位置を参照して校正された該電子ビームで該試料を露光する各段階を更に含む。
【0062】
上記発明によれば、反射電子強度の違いにより位置を検出するコントラスト検出型の位置検出マークを用いて電子ビームの歪み量を校正し、更に試料上の位置合わせマークから求めた偏向効率補正係数から測定誤差を取り除いて電子ビームの偏向効率を補正する。従って、試料上に正確な露光パターンを生成することが出来る。
【0063】
請求項23の発明に於ては、請求項21記載の発明に於て、前記試料をステージ移動して該試料上に形成された少なくとも一つの位置合わせマークを所定の位置に配置し、前記電子ビームで該位置合わせマークの位置を検出し、該試料上に形成されたビーム調整用マークを用いて前記偏向器の比例係数補正を行うための偏向効率補正係数を取得し、該偏向効率補正係数に所定の測定ずれ量を加算して真の偏向効率補正係数を取得して該電子ビームの偏向量を校正し、該位置合わせマークの検出された該位置を参照して校正された該電子ビームで該試料を露光する各段階を更に含む。
【0064】
上記発明によれば、反射電子強度の違いにより位置を検出するコントラスト検出型の位置検出マークを用いて電子ビームの歪み量を校正し、更に試料上のビーム調整用マークから求めた偏向効率補正係数から測定誤差を取り除いて電子ビームの偏向効率を補正する。従って、試料上に正確な露光パターンを生成することが出来る。
【0065】
請求項24の発明に於ては、請求項19記載の発明に於て、前記位置検出マークは、金、タンタル、及びタングステンのいずれか一つの重金属をシリコン基盤に埋め込んで該シリコン基盤及び該重金属が同一の平坦な表面を有する構造である。
【0066】
上記発明によれば、反射電子強度の違いにより位置を検出するコントラスト検出型の位置検出マークを用いるので、マーク位置検出の際の誤差を除去することが出来る。請求項25の発明に於ては、請求項19又は24記載の発明に於て、前記位置検出マークは、電子反射率の低い基盤に重金属を埋め込んで該基盤と該重金属の表面をCMP(Chemical Mechanical Polishing )法により平坦化することによって形成される。
【0067】
上記発明によれば、高精度の表面平坦度を有したコントラスト検出型の位置検出マークを用いるので、マーク位置検出の際の誤差を除去することが出来る。請求項26の発明に於ては、請求項20、22、23いずれか一項記載の発明に於て、前記位置合わせマークが配置された前記所定の位置は、電子ビーム光学系の中心軸上である。
【0068】
上記発明によれば、電子ビーム光学系の中心軸上で位置合わせマークを検出するので、位置合わせマークの検出位置に誤差が含まれない。請求項27の発明に於ては、偏向器で電子ビームを偏向して該電子ビームを試料に照射し露光する電子ビーム露光装置は、該試料を搭載して移動するための試料ステージと、電子反射率の低い基盤に重金属が埋め込まれ該基盤及び該重金属が同一の平坦な表面を有した構造であって該試料ステージ上に設けられた位置検出マークと、前記試料ステージを移動して前記位置検出マークを所定位置に配置する第1の手段と、前記電子ビームで該位置検出マークの位置を検出する第2の手段と、該位置検出マークの検出された該位置に基づいて、前記偏向器の歪み補正を行うための偏向歪みマップ及び該偏向器の比例係数補正を行うための偏向効率補正係数を取得して、該電子ビームの偏向量を校正する第3の手段を含む。
【0069】
上記発明によれば、反射電子強度の違いにより位置を検出するコントラスト検出型の位置検出マークを用いるので、マーク位置検出の際の誤差を除去することが出来る。
【0070】
上記発明によれば、反射電子強度の違いにより位置を検出するコントラスト検出型の位置検出マークを用いるので、誤差のない変更歪みマップ及び偏向効率補正係数を獲得することが出来る。請求項28の発明に於ては、請求項27記載の発明に於て、前記試料を前記試料ステージにより移動して該試料上に形成された少なくとも一つの位置合わせマークを所定の位置に配置する手段と、前記電子ビームで該位置合わせマークの位置を検出する手段と、該位置合わせマークの検出された該位置を参照して校正された該電子ビームで該試料を露光する手段を更に含む。
【0071】
上記発明によれば、反射電子強度の違いにより位置を検出するコントラスト検出型の位置検出マークを用いて電子ビームを校正した後に試料を露光するので、正確な露光パターンを生成できる。請求項29の発明に於ては、請求項27記載の発明に於て、前記試料ステージを移動して前記位置検出マークを所定位置に配置する第1の手段と、前記電子ビームで該位置検出マークの位置を検出する第2の手段と、該位置検出マークの検出された該位置に基づいて、前記偏向器の歪み補正を行うための偏向歪みマップを取得して該電子ビームの偏向量を校正する第3の手段を更に含む。
【0072】
上記発明によれば、反射電子強度の違いにより位置を検出するコントラスト検出型の位置検出マークを用いるので、誤差のない変更歪みマップを獲得することが出来る。請求項30の発明に於ては、請求項29記載の発明に於て、前記試料を前記試料ステージにより移動して該試料上に形成された少なくとも一つの位置合わせマークを所定の位置に配置する手段と、前記電子ビームで該位置合わせマークの位置を検出する手段と、該位置合わせマークを用いて前記偏向器の比例係数補正を行うための偏向効率補正係数を取得する手段と、該偏向効率補正係数に所定の測定ずれ量を加算して真の偏向効率補正係数を取得して該電子ビームの偏向量を校正する手段と、該位置合わせマークの検出された該位置を参照して校正された該電子ビームで該試料を露光する手段を更に含む。
【0073】
上記発明によれば、反射電子強度の違いにより位置を検出するコントラスト検出型の位置検出マークを用いて電子ビームの歪み量を校正し、更に試料上の位置合わせマークから求めた偏向効率補正係数から測定誤差を取り除いて電子ビームの偏向効率を補正する。従って、試料上に正確な露光パターンを生成することが出来る。
【0074】
請求項31の発明に於ては、請求項29記載の発明に於て、前記試料を前記試料ステージにより移動して該試料上に形成された少なくとも一つの位置合わせマークを所定の位置に配置する手段と、前記電子ビームで該位置合わせマークの位置を検出する手段と、該試料上に形成されたビーム調整用マークを用いて前記偏向器の比例係数補正を行うための偏向効率補正係数を取得する手段と、該偏向効率補正係数に所定の測定ずれ量を加算して真の偏向効率補正係数を取得して該電子ビームの偏向量を校正する手段と、該位置合わせマークの検出された該位置を参照して校正された該電子ビームで該試料を露光する手段を更に含む。
【0075】
上記発明によれば、反射電子強度の違いにより位置を検出するコントラスト検出型の位置検出マークを用いて電子ビームの歪み量を校正し、更に試料上のビーム調整用マークから求めた偏向効率補正係数から測定誤差を取り除いて電子ビームの偏向効率を補正する。従って、試料上に正確な露光パターンを生成することが出来る。
【0076】
請求項32の発明に於ては、請求項27記載の発明に於て、前記位置検出マークは、金、タンタル、及びタングステンのいずれか一つの重金属がシリコン基盤に埋め込まれ該シリコン基盤及び該重金属が同一の平坦な表面を有した構造である。
【0077】
上記発明によれば、反射電子強度の違いにより位置を検出するコントラスト検出型の位置検出マークを用いるので、マーク位置検出の際の誤差を除去することが出来る。請求項33の発明に於ては、請求項27又は32記載の発明に於て、前記位置検出マークは、電子反射率の低い基盤に重金属が埋め込まれ該基盤と該重金属の表面がCMP(Chemical Mechanical Polishing )法により平坦化された構造である。
【0078】
上記発明によれば、高精度の表面平坦度を有したコントラスト検出型の位置検出マークを用いるので、マーク位置検出の際の誤差を除去することが出来る。請求項34の発明に於ては、請求項28、30、31いずれか一項記載の発明に於て、前記位置合わせマークが配置された前記所定の位置は、電子ビーム光学系の中心軸上である。
【0079】
上記発明によれば、電子ビーム光学系の中心軸上で位置合わせマークを検出するので、位置合わせマークの検出位置に誤差が含まれない。請求項35の発明に於ては、偏向器により電子ビームを偏向して試料を露光する際に、ステージにより該試料を連続的に移動させることによって該試料上に定義された複数のフレームの各々を順次露光する電子ビーム露光装置は、該試料に正確に該電子ビームを露光するための該偏向器の補正に関する情報を露光開始前に取得する取得手段と、該情報を格納するデータ記憶手段と、該データ記憶手段に格納された該情報に基づいて該複数のフレームの第1番目のフレームに対する該補正に関する補正係数を露光開始前に計算し、該複数のフレームの一つのフレームを露光している間に次のフレームに対する該補正係数を該データ記憶手段に格納された該情報に基づいて計算する係数演算手段と、該補正係数を格納する係数記憶手段と、該複数のフレームの一つのフレームを露光する際に、該一つのフレームの直前のフレームを露光中に該係数記憶手段に格納された該補正係数を用いて該補正を行う補正演算手段とを含み、前記係数記憶手段は、前記複数のフレームの2フレーム分の前記補正係数を格納することを特徴とする。
【0080】
上記発明によれば、N番目のフレームを露光している間に、N+1番目のフレームに対する補正係数を計算する。従って、露光処理と補正係数演算処理を平行して行うことが可能となり、露光処理時間の増加を招くことなく、緻密な補正係数を用いて正確な露光パターンを生成することが出来る。
【0081】
上記発明によれば、補正係数は2フレーム分だけ記憶すればよいので、記憶容量の増大を招くことなく、緻密な補正係数を用いて正確な露光パターンを生成することが出来る。
【0082】
請求項36の発明に於ては、請求項35記載の発明に於て、前記係数記憶手段に対して1フレーム分に相当する前記補正係数を読み出す間は次の1フレーム分に相当する該補正係数を書き込む手段を更に含む。上記発明によれば、補正係数の書き込み読み出しを平行に円滑に行うことが出来るので、露光処理時間の増加を招くことなく、緻密な補正係数を用いて正確な露光パターンを生成することが出来る。
【0083】
請求項37の発明に於ては、請求項36記載の発明に於て、前記係数記憶手段は、バッファメモリ、FIFOメモリ、デュアルポートメモリ、及びこれらの組み合わせのいずれか一つを含む。上記発明によれば、補正係数の書き込み読み出しを平行に円滑に行うことが出来るので、露光処理時間の増加を招くことなく、緻密な補正係数を用いて正確な露光パターンを生成することが出来る。
【0084】
請求項38の発明に於ては、請求項36記載の発明に於て、前記係数記憶手段はデュアルポートメモリを含み、該デュアルポートメモリのアドレスの最上位ビットは前記複数のフレーム毎に反転するフレーム制御フラグに設定され、該デュアルポートメモリの記憶領域の半分は該複数のフレームの一つのフレームに対する前記補正係数を記憶する領域であり、他方の半分は該一つのフレームの次のフレームに対する該補正係数を記憶する領域である。
【0085】
上記発明によれば、補正係数の書き込み読み出しを平行に円滑に行うことが出来るので、露光処理時間の増加を招くことなく、緻密な補正係数を用いて正確な露光パターンを生成することが出来る。請求項39の発明に於ては、請求項35乃至38いずれか一項記載の発明に於て、露光処理を制御しながら該複数のフレーム内の露光位置を監視して、該露光位置に基づいたタイミング情報を前記補正演算手段に供給する露光制御手段を更に含み、該補正演算手段は該露光処理中に変更が必要な前記補正係数のみを該タイミング情報に基づいて前記係数記憶手段から読みだす。
【0086】
上記発明によれば、あるフレームを露光中に変更する必要のない補正係数は変更しないことにより、効率的な偏向器の補正が可能となる。従って、露光処理時間の増加を招くことなく、緻密な補正係数を用いて正確な露光パターンを生成することが出来る。
【0087】
請求項40の発明に於ては、請求項39記載の発明に於て、前記試料の露光に際して使用する前記補正係数の設定パターンを記憶し、前記露光制御手段からの前記タイミング信号に基づいて該設定パターンを前記補正演算手段に供給する係数設定パターン記憶手段を更に含み、該補正演算手段は該露光処理中に変更が必要な前記補正係数のみを該設定パターンに基づいて前記係数記憶手段から読みだす。
【0088】
上記発明によれば、あるフレームを露光中に変更する必要のない補正係数は変更しないことにより、効率的な偏向器の補正が可能となる。従って、露光処理時間の増加を招くことなく、緻密な補正係数を用いて正確な露光パターンを生成することが出来る。
【0089】
請求項41の発明に於ては、請求項40記載の発明に於て、前記係数設定パターン記憶手段は、バッファメモリ、FIFOメモリ、デュアルポートメモリ、及びこれらの組み合わせのいずれか一つを含む。上記発明によれば、あるフレームを露光中に変更する必要のない補正係数は変更しないことにより、効率的な偏向器の補正が可能となる。従って、露光処理時間の増加を招くことなく、緻密な補正係数を用いて正確な露光パターンを生成することが出来る。
【0090】
請求項42の発明に於ては、請求項39記載の発明に於て、前記係数記憶手段に格納された前記補正係数のうちで更新の必要のない補正係数に関する情報を格納する係数更新パターン記憶手段を更に含み、前記補正演算手段は前記露光処理中に変更が必要な該補正係数のみを該係数更新パターン記憶手段に格納された該情報に基づいて該係数記憶手段から読みだす。
【0091】
上記発明によれば、あるフレームを露光中に変更する必要のない補正係数は変更しないことにより、効率的な偏向器の補正が可能となる。従って、露光処理時間の増加を招くことなく、緻密な補正係数を用いて正確な露光パターンを生成することが出来る。
【0092】
請求項43の発明に於ては、請求項35乃至42いずれか一項記載の発明に於て、前記偏向器は前記電子ビームを大面積の領域内で偏向する主偏向器と小面積の領域内で偏向する副偏向器とを含み、前記係数演算手段は該主偏向器に対する第1の係数演算手段と該副偏向器に対する第2の係数演算手段とを含み、前記係数記憶手段は該主偏向器に対する第1の係数記憶手段と該副偏向器に対する第2の係数記憶手段とを含み、前記補正演算手段は該主偏向器に対する第1の補正演算手段と該副偏向器に対する第2の補正演算手段とを含む。
【0093】
上記発明によれば、主偏向器と副偏向器とに対して、露光時間の増大を招くことなく精密な補正を行うことが出来る。請求項44の発明に於ては、電子ビームを大面積の領域内で偏向する主偏向器と小面積の領域内で偏向する副偏向器とを有する電子ビーム露光装置において、該副偏向器の偏向領域に対応するサブフィールドと、1個以上の該サブフィールドからなり該主偏向器の偏向領域に対応するセルフィールドと、1個以上の該セルフィールドからなるエリアに試料上の露光領域を分類し、各々が連続した該セルフィールドの列である複数のフレームをステージにより該試料を連続的に移動させることによって順次露光する露光方法は、a)該試料に正確に該電子ビームを露光するための該主偏向器及び該副偏向器の補正に関する情報を露光開始前に取得し、b)該情報に基づいて該複数のフレームの第1番目のフレームに対する該補正に関する補正係数を露光開始前に計算し、c)該複数のフレームの一つのフレームを露光している間に次のフレームに対する該補正係数を該情報に基づいて計算し、d)該複数のフレームの一つのフレームを露光する際に、該一つのフレームの直前のフレームを露光中に計算された該補正係数を用いて該補正を行う各段階を含み、前記段階d)は、e)前記複数のフレームの一つのフレームを露光する間に、前記セルフィールド或いは前記エリアの境界で前記補正係数を変更する段階を更に含む。
【0094】
上記発明によれば、N番目のフレームを露光している間に、N+1番目のフレームに対する補正係数を計算する。従って、露光処理と補正係数演算処理を平行して行うことが可能となり、露光処理時間の増加を招くことなく、緻密な補正係数を用いて正確な露光パターンを生成することが出来る。
【0095】
上記発明によれば、あるフレームを露光している間に補正係数を変更することが出来るので、緻密な補正係数を用いて正確な露光パターンを生成することが出来る。
【0096】
請求項45の発明に於ては、請求項44記載の発明に於て、前記段階e)は、e1)前記複数のフレームの一つのフレームを露光する際に、該一つのフレーム内の新しいセルフィールド或いは新しいエリアに露光位置が移動するタイミングを管理し、e2)変更する必要のある前記補正係数のみを該タイミングに基づいて変更する各段階を含む。
【0097】
上記発明によれば、あるフレームを露光中に変更する必要のない補正係数は変更しないことにより、効率的な偏向器の補正が可能となる。従って、露光処理時間の増加を招くことなく、緻密な補正係数を用いて正確な露光パターンを生成することが出来る。
【0098】
請求項46の発明に於ては、請求項45記載の発明に於て、前記段階e2)は、前記補正係数のうちで前記タイミングで変更する必要のある補正係数に関する補正係数変更情報を記憶し、変更する必要のある該補正係数のみを該補正係数変更情報に基づいて変更する各段階を更に含む。
【0099】
上記発明によれば、あるフレームを露光中に変更する必要のない補正係数は変更しないことにより、効率的な偏向器の補正が可能となる。従って、露光処理時間の増加を招くことなく、緻密な補正係数を用いて正確な露光パターンを生成することが出来る。
【0100】
請求項47の発明に於ては、請求項44記載の発明に於て、前記主偏向器及び前記副偏向器の補正に関する前記情報を前記試料の露光中に新たに取得し、新たに計算する前記補正係数に対して新たに取得された該情報を用いる。上記発明によれば、露光中に新たな補正用データが必要になっても、メモリに格納された補正係数を書き換える必要がない。従って、露光処理時間の増加を招くことなく、緻密な補正係数を用いて正確な露光パターンを生成することが出来る。
【発明の実施の形態】
【0101】
本発明の第1の原理について以下に説明する。第1の原理は、電子ビーム露光装置に於けるビーム補正及び位置合わせを行うためのマーク位置検出に於て、高精度にマーク位置を検出する方法及び電子ビーム露光装置に関する。
【0102】
本発明の第1の原理は、段差型のマークではなく、重金属のパターンを埋め込み構造にしたマークを用いる。マーク検出の原理として、段差マークを用いた場合には、段差によって一方向に強く反射された反射電子を検出する。従って、段差マークに対する検出器の位置(角度)によって、検出器は非常に強い反射電子に曝される場合もあれば、比較的弱い反射電子強度に曝される場合もある。これによって、マークに対して検出器の配置された角度が異なると、検出器の出力強度だけではなく、波形のプロファイルも異なってしまう。その結果、段差型のマークを用いた場合には、マークに対して反射電子検出器が対称に配置されていないと、検出された反射電子波形が非対称に歪んでしまうことになる。
【0103】
本発明の第1の原理による重金属のパターンを埋め込み構造にしたマークに於ては、マーク検出の原理が段差マーク(以降エッジ検出型マークと呼ぶ)のものとは根本的に異なる。第1の原理のマークに於ては、重金属部分の反射電子強度と下地(シリコン)部分の反射電子強度との違いが検出される。つまり第1の原理のマークにおいては、反射電子強度のコントラストを検出しているのである。ここでは、このように反射電子強度の違いを利用したマークのことをコントラスト検出型マークと呼ぶ。
【0104】
本発明の第1の原理によれば、コントラスト検出型マークを用いることによって、マーク位置検出に於ける誤差を解消することが出来る。図1は本発明の第1の原理による電子ビーム露光装置の第1実施例を示す図である。
【0105】
図1は、コントラスト検出型マークを用いた電子ビーム露光装置10を示す図である。電子ビーム露光装置10は、電子ビーム発生器11、偏向器12、反射電子検出器13及び14、加算器15、信号解析部16、XYステージ17、及び試料ホルダー18を含む。試料ホルダー18は、参照用チップ19及び試料20を含み、参照用チップ19及び試料20は各々、コントラスト検出型マーク21及び位置合わせマーク22を含む。
【0106】
図2(A)及び(B)は、参照用チップ19上に形成されたコントラスト検出型マーク21の別の例を示す。図2(A)及び(B)に示されるように、シリコン等の基盤23上にAu、Ta、及びW等の重金属24をパターニングして埋め込み構造にすることよって、コントラスト検出型マーク21が形成される。このような構造を有する参照用チップ19Aの表面は、CMP(Chemical Mechanical Polishing )等の方法を用いて約0.1μmの範囲内で精度高く平坦化することが出来る。CMPは、化学研磨材を用いて機械研磨を行うものであり、この技術分野では公知の技術であるので説明を省略する。
【0107】
図1に示されるように、電子ビーム発生器11から発射された電子ビームを偏向器12で偏向し、参照用チップ19或いは試料20上に照射する。歪みマップ及び偏向補正係数の取得の際は、参照用チップ19上のコントラスト検出型マーク21を含む範囲に対して電子ビームを走査する。電子光学系の中心軸に対し対称的に配置された反射電子検出器13及び14によって反射電子信号を検出し、各検出器の出力を加算器15によって加算する。加算後の信号波形を解析対象の反射電子波形として、偏向器の走査と同期させて測定する。このようにして得られた反射電子波形を信号解析装置16で解析して、マーク中心位置を検出する。この際、コントラスト検出型マーク21は、XYステージ17によって所定の位置に配置されている。従って、XYステージ17の座標系を基にして、偏向器12による電子ビームの位置決め誤差を知ることが出来る。
【0108】
以上説明されたマーク位置検出を、コントラスト型マーク21をXYステージ17によって移動して、平面上の様々な位置において行う。これによって、偏向器12の歪みマップや偏向効率補正係数を取得することができる。LSIプロセスでは、パターニングすべき膜を成膜した直後が露光工程であるため、試料20上の位置合わせマーク22の殆どはエッジ検出型マークである。従って、試料の位置合わせに関しては、エッジ検出型の位置合わせマーク22を電子ビーム光学系の中心に位置させて、マーク位置検出を行う。電子ビーム光学系の中心ではエッジ検出型マークを用いても位置検出誤差は生じないので、これによって試料20上の下地パターンの位置や回転を正確に知ることが出来る。
【0109】
図3は、電子ビーム露光装置10によって試料20の露光を行う処理のフローチャートである。ステップS1に於て、参照用チップ上のコントラスト検出型マークを用いて偏向歪みマップを取得し、電子ビームを校正する。
【0110】
ステップS2に於て、試料上のマークをスキャンして、試料上に電子ビームの焦点を結ぶ。ステップS3に於て、XYステージにより試料上複数個の位置合わせマークを順次フィールド中央に移動し、マーク位置検出を行う。これによって試料上の下地パターンの位置や回転等を正確に知ることができる。
【0111】
ステップS4に於て、コントラスト検出型マークを用いて、偏向効率補正係数を取得する。ステップS5に於て、試料上へのパターンの露光を行う。以上で処理を終了する。
【0112】
なお、長時間露光を行う場合には、ステップS4の偏向効率補正係数取得を一定時間毎に行って、偏向効率補正係数を更新してもよい。以上の処理によれば、コントラスト検出型マークで歪みマップ及び偏向効率補正係数を取得するので、電子ビーム偏向器の正確な校正が出来る。更に、フィールド中央、即ち電子ビーム光学系の中心に於て位置合わせマークの位置を検出するので、下地パターンの位置や回転を正確に知ることが出来る。従って、フィールド境界が精度よくつながった露光パターンを生成することが出来る。
【0113】
図4は、電子ビーム露光装置10によって試料20の露光を行う処理の第2実施例のフローチャートである。第2実施例の処理においては、試料上のエッジ検出型の位置合わせマークを用いて偏向効率補正係数を取得する。エッジ検出型マークによる補正係数のずれ量は、マーク構造が同一であれば同一の装置では再現性がある。従って、予め測定しておいたずれ量を取得された補正係数に加算することによって、正しい補正係数を得ることが出来る。
【0114】
ステップS11に於て、参照チップ上のコントラスト検出型マークを用いて偏向歪みマップを取得し、電子ビームを校正する。ステップS12に於て、試料上のマークをスキャンして、試料上に電子ビームの焦点を結ぶ。
【0115】
ステップS13に於て、XYステージにより試料上複数個の位置合わせマークを順次フィールド中央に移動し、マーク位置検出を行う。これによって試料上の下地パターンの位置や回転等を正確に知ることができる。ステップS14に於て、試料上の位置合わせマークを用いて偏向効率補正係数を取得する。更に、取得された偏向効率補正係数に、予め測定しておいた補正係数のずれ量を加算して正しい補正係数を得る。
【0116】
ステップS15に於て、試料上へのパターンの露光を行う。以上で処理を終了する。なお、長時間露光を行う場合には、ステップS14の偏向効率補正係数取得を一定時間毎に行って、偏向効率補正係数を更新してもよい。
【0117】
以上の処理によれば、コントラスト検出型マークを用いることで正確な歪みマップを取得することが出来る。また、試料上の位置合わせマークを用いて偏向効率補正係数を取得して、これに予め測定しておいた補正係数のずれ量を加算することで、正しい補正係数を得ることが出来る。更に、フィールド中央、即ち電子ビーム光学系の中心に於て位置合わせマークの位置を検出するので、下地パターンの位置や回転を正確に知ることが出来る。従って、フィールド境界が精度よくつながった露光パターンを生成することが出来る。
【0118】
本発明の第1の原理による第1実施例及び第2実施例によれば、半導体集積回路のパターニングの際に用いるようなエッジ検出型の位置合わせマークを有する下地パターンに対しても、フィールド境界が精度よくつながった露光パターンを生成することが出来る。
【0119】
本発明の第2の原理について以下に説明する。第2の原理は、電子ビーム露光装置に於ける電子ビームの焦点合わせに於て、短時間のビーム偏向調整によって、高精度の電子ビーム焦点合わせと高精度の電子ビーム照射位置設定を可能とする方法及び電子ビーム露光装置に関する。
【0120】
本発明の第2の原理は、偏向器上段に設置された電子レンズ(フォーカスコイル)で焦点を合わせ、焦点距離に応じて焦点距離に比例する偏向補正係数を用いる。高さの異なるウエハ面に対して偏向軌道を大きく変えずに焦点を合わせるためには、投影レンズではなく、主偏向器及び副偏向器より上段の電子レンズ(フォーカスコイル)で焦点を合わせる必要性がある。このようにして焦点を合わせた場合には、偏向軌道自体は焦点合わせによって変化を受けないが、偏向された電子ビームはウエハ面に対して垂直に入射しない。従って、試料面の高さが異なる場合には同一の偏向軌道でもビームの照射位置が変化することになる。
【0121】
この場合、位置ずれ量は高さ変化量と偏向量に比例するので、係数G及びRのみを高さfに比例して変化させればよい。つまり、
G(f)=g0 +g1 ・f (3)
R(f)=r0 +r1 ・f (4)
である。なおここで歪み量D(X)はfには依存しない。
【0122】
フォーカスコイルの中心軸と電子ビームの軸がずれている場合には、フォーカスコイルの励磁によって電子ビームが偏向を受け、ウエハ面上の偏向フィールドが全体的にずれる。しかしながら、軸ずれが小さい場合には、電子ビームがフォーカスコイルで偏向を受ける角度はフォーカス値に比例する。従って、オフセットずれ量δはフォーカス値に比例していると考えることができ、
δ(f)=δ0 +δ1 ・f (5)
となる。
【0123】
本発明の第2の原理によれば、高さに応じた偏向の高次歪み量の測定が不要となり、調整時間などを含めたシステム全体の調整時間が短縮出来る。また露光時の焦点合わせの失敗や焦点ずれによるパターンのボケを大幅に低減できる。図5は本発明の第2の原理による電子ビーム露光装置の第1実施例を示す図である。
【0124】
図5の電子ビーム露光装置30は、電子ビーム発生器11、偏向器12、反射電子検出器13及び14、加算器15、信号解析部16、投影レンズ31、及びフォーカスコイル32を含む。図5の構成要素のうちで図1の構成要素と同一のものは同一の参照番号で参照され、説明は省略される。電子ビーム発生器11から発射された電子ビームは、試料33(ウエハ)上に所定のパターンを露光する。試料33上には、基準マーク34が設けられている。
【0125】
焦点合わせは、最下段にある投影レンズ31によってではなく、フォーカスコイル32によって行われる。フォーカスコイル32は、図5に示されるように、偏向器12の電子ビーム偏向場と分離して設けられる。フォーカスコイル32の励磁電流値を変化させることで、電子ビームの偏向軌道を変えることなく、焦点を試料上に合わせることができる。
【0126】
図6は、偏向効率補正係数G(f)及びR(f)並びにオフセットずれ量δ(f)を求めるための処理を示すフローチャートである。ステップS21に於て、高さfi (i=1,2,3)にある3点の基準マークMi (i=1,2,3)を用いて、フォーカス値(ジャストフォーカス値)fi及び補正係数G(fi )とR(fi )を測定する。ここで基準マークMi としては、図7(A)に示されるように、試料ホルダー35内に保持される傾斜したチップ36上に設けられたマーク37を用いることが出来る。またフォーカス値fi を求める際の焦点合わせの方法については後述する。
【0127】
またここで用いられる基準マークとしては、段差型マークを用いてもよいが、本発明の第1の原理による重金属が埋め込み構造になったコントラスト検出型マーク、或いは図7(B)及び7(C)に示されるようなコントラスト検出型マークを用いてもよい。図7(B)及び(C)に於て、シリコン等の基盤23A上にAu、Ta、及びW等の重金属の薄膜24Aをパターニングすることよって、コントラスト検出型マーク21Aが形成される。コントラスト検出型マーク21Aを形成するための薄膜24Aは、厚さ約0.2μmである。
【0128】
ステップS22に於て、上で求めた3点のG(fi )(i=1,2,3)に対してG(f)=g0 +g1 ・fを最小2乗近似法でフィットさせ、係数g0 及びg1 を求める。更に、3点のR(fi )(i=1,2,3)に対してR(f)=r0 +r1 ・fを最小2乗近似法でフィットさせ、係数r0 及びr1 を求める。
【0129】
ステップS23に於て、基準マークMを偏向フィールドの中心位置に移動する。ステップS24に於て、ジャストフォーカス値f、フォーカス値f+Δf、及びフォーカス値f−Δfで基準マークMの位置検出を行うことにより、フォーカス値に依存する偏向フィールド全体のオフセットずれ量δ(f)、δ(f+Δf)、及びδ(f−Δf)を測定する。
【0130】
ステップS25に於て、上で求めた3点のδ(f)、δ(f+Δf)、及びδ(f−Δf)に対してδ(f)=δ0 +δ1 ・fを最小2乗近似法でフィットさせ、係数δ0 及びδ1 を求める。以上で処理を終了する。以上の処理によって、異なる焦点距離fに対する偏向補正係数G(f)及びR(f)、並びにオフセットずれ量δ(f)を、短時間で容易に求めることが出来る。更にこれらの値を用いて露光を行うことによって、正確な露光パターンを生成することが出来る。
【0131】
図8は、試料33上に露光を行う処理のフローチャートを示す。ステップS31に於て、試料33上のチップ配置情報に基づき、フォーカスを合わせるチップを複数個(m個)選択する。ステップS32に於て、試料33上の一点のマーク(中心付近に配置されたビーム調整用マーク)に移動を行い、フォーカス値f0 を測定する。
【0132】
ステップS33に於て、選択したm個のチップの座標(Xi ,Yi )に位置された基準マーク34へ移動してフォーカス値f(Xi ,Yi )を測定する。ステップS34に於て、補間関数F(X,Y)
を、上で測定されたフォーカス値f(Xi ,Yi )に対して最小2乗近似によってフィットさせ、係数Aklを求める。なおここで、補間関数の最大次数nは、試料33の平坦度やそり具合により予め決定しておく。
【0133】
ステップS35に於て、補間関数から求めた焦点距離及び焦点距離から求めた偏向効率補正係数を用いて、試料33上で位置合わせ及び露光を行う。即ち、位置合わせ或いは露光を行う試料33上の座標(X,Y)を用いて、フォーカス値F(X,Y)を計算する。更に、フォーカスコイル32のフォーカス値をf=F(X,Y)に設定し、偏向器12の偏向効率補正係数R(f)及びG(f)を各々式(3)及び式(4)によって設定する。更に、式(5)で計算されるオフセットずれ量を相殺する分の偏向データを偏向器12に加える。
【0134】
図9(A)及び(B)は、電子ビームのジャストフォーカス値の測定方法を概念的に示す図である。図9(A)に示されるような、レジスト41で覆われたチップ42上の段差マーク43に対して、電子ビームを走査して反射電子を検出する。検出された反射電子波形は、図9(B)に示されるようになる。ジャストフォーカス値を求めるためには、まず、電子ビームのフォーカスを様々に変化させて、図9(B)の反射電子波形を測定する。様々なフォーカスに対する反射電子波形において、図9(B)の矢印で示されたエッジ部分に於ける変化率が最大となるようなフォーカスが、ジャストフォーカス値となる。またコントラスト検出型マークに対するジャストフォーカス値も、同一の方法によって求めることが出来る。
【0135】
図10は、本発明の第2の原理による電子ビーム露光装置の第2実施例を示す図である。図10において図5と同一の構成要素は同一の参照番号によって参照され、その説明は省略される。図10において、電子ビーム露光装置50は、光センサ51と高さ検出器52とを含む。光センサ51は、試料33が感光しない波長の光を試料33上に照射して反射光を検出し、出力を高さ検出器52に供給する。高さ検出器52は、光センサ51からの出力に基づいて試料33表面の高さを測定する。従って、試料33上の基準マーク34の構造が、電子ビーム走査で高さ測定を行うことが出来ないものであるときには、高さ検出器52によりウエハ上のマークの高さを光学的に測定する。光学的に測定した高さfo は、電子ビーム走査での測定値fe (=fo −Δf)に換算し、焦点合わせ及び電子ビーム補正を行う。
【0136】
本発明の第2の原理による第1実施例及び第2実施例によれば、補間関数F(X,Y)を用いて、試料上の任意の位置(X,Y)でのフォーカス値F(X,Y)を短時間で得る事が出来る。そして求められたフォーカス値を用いて、フォーカス値に依存した偏向効率補正係数及びオフセットずれ量を、容易にかつ短時間で求めることが出来る。ある基準マークに対して焦点合わせが出来ない場合や測定されたフォーカス値が誤差を含む場合でも、補間関数によってフォーカス値が平滑化されるために、高い精度の焦点合わせを実現することが出来る。また、試料上の基準マークの構造が、電子ビ−ムでは焦点合わせ不可能な構造である場合がある。その場合は、光学的な高さ検出器によりマークの高さを測定し、フォーカスコイルのフォーカス値を決定することが出来る。
【0137】
また、フォーカス値測定を露光と同時に或いは露光チップ毎に行う代わりに、光ステッパーの位置合わせ方法で用いられているグローバルアライメントの方式を、フォーカス合わせに使用することが出来る。この場合は、測定値のばらつきや焦点ぼけを解消することが出来る。
【0138】
本発明の第3の原理を以下に説明する。第3の原理は、電子ビーム露光装置に於ける露光パターン精度向上のための補正係数設定に於て、露光処理時間を犠牲にすることなく、細かい範囲で設定された補正係数を用いる方法及び電子ビーム露光装置に関する。
【0139】
本発明の第3の原理に於ては、露光開始前に補正係数を求めるためのデータを測定して記憶領域に格納し、最初のフレームの露光開始前に最初のフレームで使用する補正係数を前記データより計算して記憶し、それ以降は第N番目のフレームを露光している間に、第N+1番目のフレームで使用する補正係数を前記データより計算して記憶する。
【0140】
補正係数を記憶する手段は、十分な容量を有していれば普通のメモリでよい。しかしながら、2列のフレームに対する全ての補正係数を記憶する領域を有し、1列分の補正係数を読み出している間は、他方1列分の補正係数を書き込めるように構成された記憶手段を用いてもよい。この場合は、補正係数の読み出し書き込みを円滑に実現することが出来る。このような記憶手段は、バッファメモリ、FIFOメモリ,デュアルポートメモリの内の一種、又はこれらの組み合わせを含む。
【0141】
本発明の第3の原理に於ては、露光精度向上のために複雑かつ細かな補正係数を設定する際に、補正係数の演算及び設定を、露光に必要な他の処理と並行に処理する。従って、膨大な量の演算や補正係数設定を露光処理時間の増大なく実行することができ、従来と同一の高速な処理を維持出来る。更に、膨大な容量のメモリも不要であり、フレーム2列分の補正係数を保持するだけであるので、露光中のセル補正係数の変更等を容易かつ高速に行うことが出来る。
【0142】
図11は、本発明の第3の原理に従って露光処理を行うための一般的な電子ビーム露光装置の一例を示す。図11において、電子ビーム露光装置100は、大略、露光コラム部110と制御部150とを含む。露光コラム部110は、カソード電極111、グリッド電極112およびアノード113を有する電子ビーム発生源114を含む。露光コラム部110は更に、電子ビームを例えば矩形状に整形する第1のスリット115と、整形されたビームを収束させる第1電子レンズ116と、偏向信号S1に応じて整形されたビームを透過マスク120上に照射する位置を偏向する為のスリットデフレクタ117を含む。露光コラム部110は更に、対向して設けられた第2及び第3のレンズ118及び119と、この第2レンズと第3レンズの間に水平方向に移動可能に装着された透過マスク120と、透過マスク120の上下方向に配置されて各々位置情報P1〜P4に応じて第2レンズ及び第3レンズの間でビームを偏向し、透過マスク120上の複数の透過孔の1つを選択する第1〜第4の偏向器121、122、123、及び124を含む。露光コラム部110は更に、ブランキング信号に応じてビームを遮断或いは通過させるブランキング125と、ビームを縮小させる為の第4のレンズ126と、アパーチャ127と、リフォーカスコイル128と、第5のレンズ129を含む。露光コラム部110は更に、ダイナミックフォーカスコイル130と、ダイナミックスティグコイル131と、ビームを試料上に投影する為の第6の対物レンズ132と、露光位置決定信号S2及びS3の各々に応じてウェハ上のビーム位置決めをする主偏向器(主偏向コイル)133及び副偏向器134を含む。露光コラム部110は更に、ウェハを搭載してX−Y方向に移動可能なステージ135と、第1 〜第4のアライメントコイルを含む。
【0143】
制御部150は、集積回路装置の設計データを記憶するディスクやMTレコーダからなる記憶媒体151と、荷電粒子ビーム全体を制御するCPU152を含む。制御部150は更に、CPU152のデータバス(たとえば、VMEなど)を介して接続されたデータ管理部153、露光管理部159、マスクステージ制御部160、主偏向器用偏向量設定部161、ステージ制御部162を含む。露光するデータは、主に主偏向データと副偏向データからなり、露光開始前に予めデータ管理部153を介してバッファメモリ154に記憶される。このバッファメモリ154は、記憶媒体151からのデータ読み出しが比較的低速であるので、露光データを高速に読み出すためのバッファとして用いられる。
【0144】
主偏向データは、露光管理部159を介して主偏向器用偏向量設定部161にセットされる。偏向量が補正演算された後に偏向量S2が出力され、その値がDAC/AMP170を介して主偏向器133へ出力される。次に、設定されたフィールドを露光するための副偏向データがバッファメモリ153から読み出され、パターン発生部156でショットデータに分解され、パターン補正部157で補正演算が実行される。これらの回路は、クロック設定部158で作成されるクロックでパイプライン処理される。
【0145】
このパターン補正部157での演算の結果、スリットサイズを設定するS1信号と、第1スリット115を通過してS1信号で偏向されたビームを透過マスク120上のどの位置に偏向するかを定めるマスク偏向信号P1〜P4 と、透過マスク120によって成形されたビームを試料上のどの位置に露光するかを定めるS3信号と、ビームの歪みやボケを補正する為のS4信号が出力される。またクロック設定部158は、ブランキング制御用のB信号を、ブランキング制御部165に供給する。
【0146】
ウェハの露光位置はステージ制御部162によって制御される。この際、レーザー干渉計163によって検出された座標位置がステージ制御部162に入力される。ステージ制御部162は、検出された座標位置を参照しながら、モーター164を駆動してステージ135を移動させる。
【0147】
このように制御部150が露光コラム110を制御して、電子銃より放出された電子ビームは、第1スリットで矩形形状に整形され、レンズ116及び118で収束され、マスク偏向器121及び122によって偏向されて透過マスク120上に照射される。透過マスク120を通過した電子ビームは、ブランキング125を通過し、第4レンズ126で縮小され、主偏向器133により100μm程度のサブフィールド領域中心に偏向され、更に副偏向器134によってこのサブフィールド領域内で偏向される。
【0148】
なお、電子ビーム補正や露光試料の位置合わせに必要な反射電子検出及び反射電子波形解析に関する部分は、例えば図1に示されたものと同一であるので、図11に於ては省略されている。図12は、本発明の第3の原理による補正係数演算設定部の第1実施例を示す。この補正係数演算設定部は、図11の電子ビーム露光装置100に於て実現される図12において、補正係数演算設定部200は、位置合わせ情報測定部201、高さ変動情報測定部202、データ記憶部203、第1の係数演算部204、第2の係数演算部205、第1の係数記憶部206、第2の係数記憶部207、第1の補正演算部208、及び第2の補正演算部209を含む。
【0149】
位置合わせ情報測定部201は、被露光試料の位置合わせのためのデータを取得する。このデータは、実際に偏向しようとした位置に対するマークのズレ量や、これらの縮率情報を含む。高さ変動情報測定部202は、非露光試料の高さ変動に関するデータを取得する。位置合わせ情報測定部201及び高さ変動情報測定部202が測定したデータは、データ記憶部203に格納される。これらのデータ測定やデータ格納は、露光が開始される前までに実行される。なお、位置合わせ情報測定部201及び高さ変動情報測定部202は、例えば図1の反射電子検出器13及び14、加算器15、及び信号解析部16によって実現される。また、データ記憶部203は、図11の記憶媒体151及びバッファメモリ154によって実現される。
【0150】
露光が開始される直前にはビーム調整が行われる。その後、ビーム調整を実行した位置から露光を開始する位置、即ち、最初のフレームの書き始め位置までステージ移動により露光試料を移動する。このステージ移動の制御は、ステージ制御部162で行う。
【0151】
第1の係数演算部204及び第2の係数演算部205は、フレームの位置に関する情報をステージ制御部162を制御するCPU152から受け取る。この情報に基づいて、第1の係数演算部204及び第2の係数演算部205は、第1のフレーム露光を行う際にその中にあるセルフィールドで必要となる補正係数の演算を行い、各々、第1の係数記憶部206及び第2の係数記憶部207に補正係数を設定する。露光開始直前のビーム調整及び、その後のステージ移動には、最低でも2秒かかる。上述の補正係数演算はこの時間内に十分に達成することが出来る。
【0152】
第1の係数演算部204、第1の係数記憶206、及び第1の補正演算部208は、図11の主偏向器用偏向量設定部161によって実現され、第2の係数演算部205、第2の係数記憶207、及び第2の補正演算部209は、図11の副偏向器用偏向量設定部155によって実現される。
【0153】
第1のフレーム露光の開始後、第1の係数演算部204及び第2の係数演算部205は、直ちに第2のフレーム露光に必要な補正演算を行い、補正係数を第1及び第2の係数記憶部206及び207に設定する。同様に、N番目のフレームを露光している間に、N+1番目のフレームで使用する複数個の補正係数を計算する。第N番目のフレーム露光が終わる前に第N+1番目のフレーム露光の補正係数演算及び設定が終了しても、その次のフレーム演算(N+2番目)で用いる補正係数を求める演算は行わない。
【0154】
第1の係数記憶部206及び第2の係数記憶部207には、2列のフレーム内の各セルフィールドに対応したアドレスが必要である。直径8インチのウェハを想定してセルフィールドを1mm×1mmとした場合、1フレーム分に必要なアドレス数は約200である。2列分に対しても400アドレスあれば十分であり、少ないメモリ容量で済む。ここで、各補正係数ともデータ容量は32ビット必要である。
【0155】
露光途中に書き替えの必要がある補正係数は、例えば、エリア領域内を補正するための補正係数(G、R、D、及びオフセットずれ量)がXとYに対して全部で8係数、ステージ移動方向に対する主偏向器の座標変換のためのセル補正係数が8係数,連続的にステージを移動させる時にステージ移動方向をウェハ座標に合わせるためのステージ補正係数が8係数、その他に、各セルに於ける電子ビームフォーカス値を定める係数などがある。エリア補正係数については、ステージ移動最中に電子ビームがエリア境界を横切る瞬間にだけ変更すればよいが、それ以外の補正係数については、セル単位での書換えが必要となる。以降、セル単位での書換えが必要な補正係数をセル補正係数と呼ぶ。
【0156】
第1及び第2の補正演算部208及び209は、各々、第1及び第2の係数記憶部206及び207に格納された補正係数を読み出す。読み出された補正係数は、主偏向器及び副偏向器に格納される。図13は本発明の第3の原理による第2実施例を示す。第2実施例に於ては、1列分の補正係数が読み出される間はもう1列分の補正係数が書き込まれるように、第1実施例の第1及び第2の係数記憶部206及び207が制御される。
【0157】
図12の第1及び第2の係数記憶部206及び207は、例えば、2列のフレーム内のセルフィールドで設定する全ての補正係数を記憶する。ここで、1列分の補正係数が読み出される間は別の1列分の補正係数が書き込まれるように制御されることが、補正係数の読み出し書き込みを円滑に実現するために必要である。
【0158】
図13において、第1の係数記憶部206或いは第2の係数記憶部207は、インバータ210と、列分係数記憶部211及び212を含む。モード選択信号は、1或いは0の値により、書き込みモードか読み出しモードかのいずれかを選択するものである。列分係数記憶部211は、モード選択信号をそのまま受け取り、列分係数記憶部212は、インバータ210によって反転されたモード選択信号を受け取る。従って、モード選択信号が書き込みを指示している場合、列分係数記憶部211には補正係数が書き込まれ、列分係数記憶部212からは補正係数が読み出される。逆に、モード選択信号が読み出しを指示している場合、列分係数記憶部211からは補正係数が読み出され、列分係数記憶部212へは補正係数が書き込まれる。
【0159】
ここでモード選択信号は、あるフレームから次のフレームに露光処理が移るときに反転するような信号であればよい。以降、このモード選択信号のことをフレーム制御フラグと呼ぶ。このフレーム制御フラグを、例えば、図11のCPU152から供給することで、1列分の補正係数が読み出される間は別の1列分の補正係数が書き込まれるような制御を実現することが出来る。
【0160】
図13の列分係数記憶部211及び212としては、バッファメモリ、FIFOメモリ、デュアルポートメモリの内の一種、又はこれらの組み合わせを用いることが望ましい。バッファメモリの場合には、読み出しアドレスと書き込みアドレスとの制御が必要である。FIFOメモリは、書き込み順に補正係数を読み出すことが出来るので、バッファメモリのようなアドレス制御を必要としないが、補正係数を繰り返し使用すること等は出来ない。
【0161】
図13の列分係数記憶部211及び212として、デュアルポートメモリを使用した場合の例を図14に示す。。図14のようにデュアルポートメモリ220を使用した場合、メモリのMSB(最上位ビット)をフレーム制御フラグとする。フレーム制御フラグはデータ書き込み側とデータ読み出し側とでは、インバータ223によって反転されている。そしてフレームが変わるタイミング(ステージ移動方法の変更時に一致する)で、このフレーム制御フラグを反転する。MSBを除いたアドレスを、係数演算部221(204或いは205)は補正係数格納のためのアドレスとして使用する。同様に、MSBを除いたアドレスを、補正演算部222(208或いは209)は補正係数読み出しのためのアドレスとして使用する。従ってフレーム位置において、メモリ空間の下半分或いは上半分の一方に補正係数が書き込まれている間に、残りの半分からは補正係数が読み出される。
【0162】
図14のようにデュアルポートメモリ220を使用することによって、補正係数書換えのタイミングや読み取りのタイミングを気にする事なく、補正係数の演算処理と補正係数の設定処理を独立して平行に処理することが出来る。また、ウェハ座標位置に対しての補正係数アドレスを読み取り時と書き込み時においても一致させる事が出来るメリットがある。
【0163】
図15は、あるエリア内でのフレーム露光終了部分及び/露光開始部分を示している。ここで、l−1、l−2、m−1、m−2、n−1、及びn−2はセルである。各々のセルに対するセル補正係数は、当然セル毎に異なった値であるが、各々のエリアに対するエリア補正係数は、図中の全てのセルに対して同一の値となる。m列を露光中にn列の補正係数を演算し、その補正係数を係数記憶部に書き込むが、m列とn列のエリア係数は同一値であるので、この同一のエリア係数の書換えは不要に出来る。
【0164】
図16は、本発明の第3の原理による第3実施例を示し、セル補正係数の書き換え及びエリア補正係数の書き換えを制御するための構成図である。本発明の第3の原理による第3実施例においては、セル補正係数の書き換え及びエリア補正係数の書き換えを露光制御部によって制御する。この露光制御部は図11の露光管理部159内に設ければよい。
【0165】
図16に於て、露光制御部230が、補正演算部231に対して、セルからセルへの移動のタイミング及びエリアからエリアへの移動のタイミングを供給する。補正演算部231は、これらのタイミングに基づいて、係数記憶部232から必要な補正係数を読みだす。即ち、セルからセルへの移動のタイミングにおいては、補正演算部231は係数記憶部232からセル補正係数のみを読みだし、セエリア間の移動のタイミングにおいては、補正演算部231は係数記憶部232からセル補正係数及びエリア補正係数を読み出す。
【0166】
セル間の移動のタイミングやエリア間の移動のタイミングを供給するためには、露光制御部230は、現在露光している位置を監視しておく必要がある。これは、カウンター等を用いてセル数及びエリア数をカウントすることにより実現できる。
【0167】
図17は、第3実施例の変形例を示す。この変形例においては、設定された係数パターンを記憶する。この係数パターン情報が、タイミング信号に基づいて補正演算部231に供給される。図17に於て、露光制御部230Aが、補正演算部231A及び係数設定パターン記憶部233にタイミング信号を供給する。係数設定パターン記憶部233は、設定された補正係数のパターンを予め記憶しており、タイミング信号に基づいて、エリア間の移動であるか或いはセル間の移動であるかを含んだ情報を補正演算部231Aに供給する。このような構成とすることによって、メモリ(233)の出力を用いるだけで、補正係数書換えを制御できる。この場合の補正係数のパターンは、例えば、図18に示されるようなものである。図18に於て、最初のデータ(00、AREA)の「00」は次に露光するセルが第1番目のセルであることを示し、「AREA」はそのセルが新しいエリアに属することを示す。2番目のデータ(01、CELL)の「01」は、次に露光するセルが2番目のセルであることを示し、「CELL」はエリア変化がないことを示す。図18の例においては、第5番目のデータ(04、AREA)によって、第5番目のセルは新しいエリアに属することが示される。即ち、図18において、第1のエリアは4つのセルを含んでいることになる。
【0168】
図17の係数設定パターン記憶部233は、バッファメモリ、FIFOメモリ、デュアルポートメモリの内のいずれかで構成されることが望ましい。これらのメモリの内では、FIFOメモリが最適である。係数パターン情報は露光配置情報によって定まるものであるので、露光開始時には露光終了までの係数パターン情報が全て求まる。従って、連続して値を書き込み、かつ、読み出せる構造の記憶媒体、即ちFIFOメモリ、を用いたほうが、取り扱いの利便性の上で好ましい。
【0169】
図19(A)は、図17の構成で制御されるデュアルポートメモリの一例を示す。図19(A)においては、デュアルポートメモリのアドレスラインに対して、フレーム制御フラグをMSBに割付け、MSB以外のビットには図18に示されるFIFOの出力のうちの左側部分、00、01、02、・・・が入力される。なおここで補正演算部231AとしてDSP(Digital Signal Processor)が用いられている。
【0170】
図19(A)においては2つのデュアルポートメモリ251及び252が用いられる。書き込み側から供給されるアドレス信号の最下位ビットは、デュアルポートメモリ251のチップ選択端子CSに入力される。また、最下位ビットをインバータ253で反転した信号が、デュアルポートメモリ252のチップ選択端子CSに入力される。これによって、書き込み側から供給されるデータは、アドレスの一つおきにデュアルポートメモリ251及び252に振り分けられる。このように2つのデュアルポートメモリ251及び252が設けられているのは、メモリ容量を拡大して数多くの補正係数を格納するためである。また、図19(A)に於ては、書き込み側のアドレス入力のうちのビット11からビット4には、アドレスバス上のアドレスデータではなくデータバス上のデータを入力している。これは高速化のためであり、データバス上のデータをデコーダ254でデコードしてアドレスを決定するようにしている。
【0171】
図19(B)には、例えば、デュアルポートメモリ251に格納されるデータを示す。図19(B)に示されるように、アドレスの下位4ビット(ビット3からビット0)は各補正係数に対応し、その上の8ビット(ビット11からビット4)は、セル番号に対応する。従って、下位4ビットが16進数3には補正係数Racが格納されているとすると、003番地には1番目のセルに対するRac、FF3番地には256番目のセルに対するRacが格納されることになる。
【0172】
図18に示されるようにFIFOからデータが出力されたとする。第1番目のデータ(00、AREA)によって、デュアルポートメモリ251或いはデュアルポートメモリ252の上位アドレスが指定される。例えば、デュアルポートメモリ251が補正演算部231Aによってチップ選択されているとする。このとき補正演算部231Aは「AREA」と言う情報から、デュアルポートメモリ251の0番地から9番地の全てのデータを読みだして電子ビーム補正に使用する。次に1番目のセルの露光が終了すると、FIFOから2番目のデータ(01、CELL)が供給され、デュアルポートメモリ251の上位アドレスが指定される。一方、補正演算部231Aは「CELL」と言う情報から、0番地から5番地のデータを読みだして電子ビーム補正に使用する。
【0173】
図19(A)のデュアルポートメモリ251及び252には、係数更新パターンレジスタ255が並列に接続されている。この係数更新パターンレジスタ255は、エリア補正係数及びセル補正係数のレベルではなくて更に細かいレベルで、エリア補正係数のうちのある補正係数については更新しないというような場合に用いられる。この係数更新パターンレジスタ255の情報を用いることにより、補正演算部231Aは、更新すべき補正係数を知り必要のない補正係数の読み取りを防ぐことが出来る。例えば、露光を行う際に、全ての補正係数を常に変更する必要がない場合もある。露光パターンに対する精度要求がそれほど厳しくない場合等には、細かな範囲で補正係数を変更しなくても所望の精度を満たすことが出来る。このような場合に、予めどの補正係数を更新しなくともよいのかに関する情報を、係数更新パターンレジスタ255に格納しておく。そして露光開始前に、DSP(補正演算部)231Aのデータ入力ポートから、この情報をDSP231Aに入力しておく。この情報を基にして、DSP231Aは、実際の露光時に、必要な補正係数だけをデュアルポートメモリ251及び252から読み出して更新することが可能となる。
【0174】
本発明の第3の原理に於ては、露光精度向上のために複雑かつ細かな補正係数を設定する際に、補正係数の演算及び設定を、露光に必要な他の処理と並行に処理する。従って、膨大な量の演算や補正係数設定を露光処理時間の増大なく実行することができ、従来と同一の高速な処理を維持出来る。更に、膨大な容量のメモリも不要であり、フレーム2列分の補正係数を保持するだけであるので、露光中のセル補正係数の変更等を容易かつ高速に行うことが出来る。この結果、要求される精度を維持しながら従来と同等の処理時間で露光パターンを生成することが可能となり、微細パターンを持つULSIの製造技術に大きく貢献することが出来る。
【発明の効果】
【0175】
請求項1の発明に於ては、測定された偏向効率補正係数を焦点距離の一次関数として近似するので、偏向効率補正係数を焦点距離の関数として容易に求めることが出来る。
【0176】
また、測定されたオフセットずれ量を焦点距離の一次関数として近似するので、オフセットずれ量を焦点距離の関数として容易に求めることが出来る。また、試料表面の高さを位置座標の関数として近似して焦点距離を求め、焦点距離に対して補正された偏向補正係数及びオフセットずれ量を用いて試料の位置合わせ及び露光を行う。従って、校正のための測定に多くの手間と時間をかけることなく、正確な露光パターンを生成することが出来る。
【0177】
請求項2の発明に於ては、焦点合わせをすることが出来ない基準マークに対しても、光学的測定法によって試料表面の高さを測定することが出来る。従って、任意の基準マークを有する試料に対して、正確な露光パターンを生成することが出来る。
【0178】
請求項3の発明に於ては、焦点合わせをすることが出来ない基準マークに対しても、光学的測定法によって試料表面の高さを測定することが出来る。従って、任意の基準マークを有する試料に対して、正確な露光パターンを生成することが出来る。
【0179】
請求項4の発明に於ては、測定された偏向効率補正係数を焦点距離の一次関数として近似するので、偏向効率補正係数を焦点距離の関数として容易に求めることが出来る。また、測定されたオフセットずれ量を焦点距離の一次関数として近似するので、オフセットずれ量を焦点距離の関数として容易に求めることが出来る。
【0180】
また、試料表面の高さを位置座標の関数として近似して焦点距離を求め、焦点距離に対して補正された偏向補正係数及びオフセットずれ量を用いて試料の位置合わせ及び露光を行う。従って、校正のための測定に多くの手間と時間をかけることなく、正確な露光パターンを生成することが出来る。
【0181】
請求項5の発明に於ては、焦点合わせをすることが出来ない基準マークに対しても、光学的測定法によって試料表面の高さを測定することが出来る。従って、任意の基準マークを有する試料に対して、正確な露光パターンを生成することが出来る。
【0182】
請求項6の発明に於ては、焦点合わせをすることが出来ない基準マークに対しても、光学的測定法によって試料表面の高さを測定することが出来る。従って、任意の基準マークを有する試料に対して、正確な露光パターンを生成することが出来る。
【0183】
請求項7の発明に於ては、反射電子強度の違いにより位置を検出するコントラスト検出型の位置検出マークを用いるので、マーク位置検出の際の誤差を除去することが出来る。請求項8の発明に於ては、反射電子強度の違いにより位置を検出するコントラスト検出型の位置検出マークを用いるので、マーク位置検出の際の誤差を除去することが出来る。
【0184】
請求項9の発明に於ては、反射電子強度の違いにより位置を検出するコントラスト検出型の位置検出マークを用いるので、マーク位置検出の際の誤差を除去することが出来る。請求項10の発明に於ては、反射電子強度の違いにより位置を検出するコントラスト検出型の位置検出マークを用いるので、マーク位置検出の際の誤差を除去することが出来る。
【0185】
請求項11の発明に於ては、反射電子強度の違いにより位置を検出するコントラスト検出型の位置検出マークを用いるので、マーク位置検出の際の誤差を除去することが出来る。請求項12の発明に於ては、高精度の表面平坦度を有したコントラスト検出型の位置検出マークを用いるので、マーク位置検出の際の誤差を除去することが出来る。
【0186】
請求項13の発明に於ては、反射電子強度の違いにより位置を検出するコントラスト検出型の位置検出マークを用いるので、マーク位置検出の際の誤差を除去することが出来る。請求項14の発明に於ては、反射電子強度の違いにより位置を検出するコントラスト検出型の位置検出マークを用いるので、マーク位置検出の際の誤差を除去することが出来る。
【0187】
請求項15の発明に於ては、反射電子強度の違いにより位置を検出するコントラスト検出型の位置検出マークを用いるので、マーク位置検出の際の誤差を除去することが出来る。請求項16の発明に於ては、反射電子強度の違いにより位置を検出するコントラスト検出型の位置検出マークを用いるので、マーク位置検出の際の誤差を除去することが出来る。
【0188】
請求項17の発明に於ては、反射電子強度の違いにより位置を検出するコントラスト検出型の位置検出マークを用いるので、マーク位置検出の際の誤差を除去することが出来る。請求項18の発明に於ては、高精度の表面平坦度を有したコントラスト検出型の位置検出マークを用いるので、マーク位置検出の際の誤差を除去することが出来る。
【0189】
請求項19の発明に於ては、反射電子強度の違いにより位置を検出するコントラスト検出型の位置検出マークを用いるので、マーク位置検出の際の誤差を除去することが出来る。また、反射電子強度の違いにより位置を検出するコントラスト検出型の位置検出マークを用いるので、誤差のない変更歪みマップ及び偏向効率補正係数を獲得することが出来る。
【0190】
請求項20の発明に於ては、反射電子強度の違いにより位置を検出するコントラスト検出型の位置検出マークを用いて電子ビームを校正した後に試料を露光するので、正確な露光パターンを生成できる。請求項21の発明に於ては、反射電子強度の違いにより位置を検出するコントラスト検出型の位置検出マークを用いるので、誤差のない変更歪みマップを獲得することが出来る。
【0191】
請求項22の発明に於ては、反射電子強度の違いにより位置を検出するコントラスト検出型の位置検出マークを用いて電子ビームの歪み量を校正し、更に試料上の位置合わせマークから求めた偏向効率補正係数から測定誤差を取り除いて電子ビームの偏向効率を補正する。従って、試料上に正確な露光パターンを生成することが出来る。
【0192】
請求項23の発明に於ては、反射電子強度の違いにより位置を検出するコントラスト検出型の位置検出マークを用いて電子ビームの歪み量を校正し、更に試料上のビーム調整用マークから求めた偏向効率補正係数から測定誤差を取り除いて電子ビームの偏向効率を補正する。従って、試料上に正確な露光パターンを生成することが出来る。
【0193】
請求項24の発明に於ては、反射電子強度の違いにより位置を検出するコントラスト検出型の位置検出マークを用いるので、マーク位置検出の際の誤差を除去することが出来る。請求項25の発明に於ては、高精度の表面平坦度を有したコントラスト検出型の位置検出マークを用いるので、マーク位置検出の際の誤差を除去することが出来る。
【0194】
請求項26の発明に於ては、電子ビーム光学系の中心軸上で位置合わせマークを検出するので、位置合わせマークの検出位置に誤差が含まれない。
【0195】
請求項27の発明に於ては、反射電子強度の違いにより位置を検出するコントラスト検出型の位置検出マークを用いるので、マーク位置検出の際の誤差を除去することが出来る。
【0196】
また、反射電子強度の違いにより位置を検出するコントラスト検出型の位置検出マークを用いるので、誤差のない変更歪みマップ及び偏向効率補正係数を獲得することが出来る。請求項28の発明に於ては、反射電子強度の違いにより位置を検出するコントラスト検出型の位置検出マークを用いて電子ビームを校正した後に試料を露光するので、正確な露光パターンを生成できる。
【0197】
請求項29の発明に於ては、反射電子強度の違いにより位置を検出するコントラスト検出型の位置検出マークを用いるので、誤差のない変更歪みマップを獲得することが出来る。請求項30の発明に於ては、反射電子強度の違いにより位置を検出するコントラスト検出型の位置検出マークを用いて電子ビームの歪み量を校正し、更に試料上の位置合わせマークから求めた偏向効率補正係数から測定誤差を取り除いて電子ビームの偏向効率を補正する。従って、試料上に正確な露光パターンを生成することが出来る。
【0198】
請求項31の発明に於ては、反射電子強度の違いにより位置を検出するコントラスト検出型の位置検出マークを用いて電子ビームの歪み量を校正し、更に試料上のビーム調整用マークから求めた偏向効率補正係数から測定誤差を取り除いて電子ビームの偏向効率を補正する。従って、試料上に正確な露光パターンを生成することが出来る。
【0199】
請求項32の発明に於ては、反射電子強度の違いにより位置を検出するコントラスト検出型の位置検出マークを用いるので、マーク位置検出の際の誤差を除去することが出来る。請求項33の発明に於ては、高精度の表面平坦度を有したコントラスト検出型の位置検出マークを用いるので、マーク位置検出の際の誤差を除去することが出来る。
【0200】
請求項34の発明に於ては、電子ビーム光学系の中心軸上で位置合わせマークを検出するので、位置合わせマークの検出位置に誤差が含まれない。請求項35の発明に於ては、N番目のフレームを露光している間に、N+1番目のフレームに対する補正係数を計算する。従って、露光処理と補正係数演算処理を平行して行うことが可能となり、露光処理時間の増加を招くことなく、緻密な補正係数を用いて正確な露光パターンを生成することが出来る。
【0201】
また、補正係数は2フレーム分だけ記憶すればよいので、記憶容量の増大を招くことなく、緻密な補正係数を用いて正確な露光パターンを生成することが出来る。請求項36の発明に於ては、補正係数の書き込み読み出しを平行に円滑に行うことが出来るので、露光処理時間の増加を招くことなく、緻密な補正係数を用いて正確な露光パターンを生成することが出来る。
【0202】
請求項37の発明に於ては、補正係数の書き込み読み出しを平行に円滑に行うことが出来るので、露光処理時間の増加を招くことなく、緻密な補正係数を用いて正確な露光パターンを生成することが出来る。請求項38の発明に於ては、補正係数の書き込み読み出しを平行に円滑に行うことが出来るので、露光処理時間の増加を招くことなく、緻密な補正係数を用いて正確な露光パターンを生成することが出来る。
【0203】
請求項39の発明に於ては、あるフレームを露光中に変更する必要のない補正係数は変更しないことにより、効率的な偏向器の補正が可能となる。従って、露光処理時間の増加を招くことなく、緻密な補正係数を用いて正確な露光パターンを生成することが出来る。
【0204】
請求項40の発明に於ては、あるフレームを露光中に変更する必要のない補正係数は変更しないことにより、効率的な偏向器の補正が可能となる。従って、露光処理時間の増加を招くことなく、緻密な補正係数を用いて正確な露光パターンを生成することが出来る。
【0205】
請求項41の発明に於ては、あるフレームを露光中に変更する必要のない補正係数は変更しないことにより、効率的な偏向器の補正が可能となる。従って、露光処理時間の増加を招くことなく、緻密な補正係数を用いて正確な露光パターンを生成することが出来る。
【0206】
請求項42の発明に於ては、あるフレームを露光中に変更する必要のない補正係数は変更しないことにより、効率的な偏向器の補正が可能となる。従って、露光処理時間の増加を招くことなく、緻密な補正係数を用いて正確な露光パターンを生成することが出来る。
【0207】
請求項43の発明に於ては、主偏向器と副偏向器とに対して、露光時間の増大を招くことなく精密な補正を行うことが出来る。請求項44の発明に於ては、N番目のフレームを露光している間に、N+1番目のフレームに対する補正係数を計算する。従って、露光処理と補正係数演算処理を平行して行うことが可能となり、露光処理時間の増加を招くことなく、緻密な補正係数を用いて正確な露光パターンを生成することが出来る。
【0208】
また、あるフレームを露光している間に補正係数を変更することが出来るので、緻密な補正係数を用いて正確な露光パターンを生成することが出来る。請求項45の発明に於ては、あるフレームを露光中に変更する必要のない補正係数は変更しないことにより、効率的な偏向器の補正が可能となる。従って、露光処理時間の増加を招くことなく、緻密な補正係数を用いて正確な露光パターンを生成することが出来る。
【0209】
請求項46の発明に於ては、あるフレームを露光中に変更する必要のない補正係数は変更しないことにより、効率的な偏向器の補正が可能となる。従って、露光処理時間の増加を招くことなく、緻密な補正係数を用いて正確な露光パターンを生成することが出来る。
【0210】
請求項47の発明に於ては、露光中に新たな補正用データが必要になっても、メモリに格納された補正係数を書き換える必要がない。従って、露光処理時間の増加を招くことなく、緻密な補正係数を用いて正確な露光パターンを生成することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の原理による第1実施例である電子ビーム露光装置の構成図である。
【図2】(A)及び(B)は、図1のコントラスト検出型マークの例の側面断面図である。
【図3】図1の電子ビーム露光装置による電子ビーム露光方法のフローチャートである。
【図4】本発明の第1原理による第2実施例である電子ビーム露光方法のフローチャートである。
【図5】本発明の第2の原理による第1実施例である電子ビーム露光装置の構成図である。
【図6】図5の電子ビーム露光装置による偏向効率補正係数及びオフセットずれ量の獲得方法を示すフローチャートである。
【図7】(A)は図6の処理に於て偏向効率補正係数測定のために用いられるチップを示す図であり、(B)及び(C)は偏向効率補正係数測定に用いられる基準マークの一例を示す図である。
【図8】図5の電子ビーム露光装置による試料位置合わせ処理及び試料露光処理を示すフローチャートである。
【図9】(A)及び(B)は、図5の電子ビーム露光装置に於ける電子ビームの焦点合わせを説明するための説明図である。
【図10】本発明の第2の原理による第2実施例である電子ビーム露光装置の構成図である。
【図11】本発明の第3の原理に従って露光処理を行うための一般的な電子ビーム露光装置の構成図である。
【図12】本発明の第3の原理による第1実施例の構成図である。
【図13】本発明の第3の原理による第2実施例であり、図12の係数記憶部の構成図である。
【図14】図12の係数記憶部をデュアルポートメモリで実現した例の構成図である。
【図15】本発明の第3の原理における補正係数の書き換えを説明するための説明図である。
【図16】本発明の第3の原理による第3実施例の構成図である。
【図17】本発明の第3の原理による第3実施例の変形例の構成図である。
【図18】図17の係数設定パターン記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【図19】(A)は図17の変形例をデュアルポートメモリで実現した例の構成図であり、(B)は(A)のデュアルポートメモリに格納された補正係数の例を示す図である。
【図20】(A)は、従来の電子ビーム露光装置に於ける位置検出マーク検出部分の構成図であり、(B)は位置検出マークから反射された反射電子波形の例を示す図である。
【図21】従来の電子ビーム露光装置に於ける位置検出マークの位置と反射電子波形の歪みとの関連を示す説明図である。
【図22】従来の電子ビーム露光装置に於いて、ウエハに焦点合わせを行う際に用いられる光学系の構成図である。
【図23】従来の電子ビーム露光装置でパターンを露光する際のウエハ上のエリア、セル、サブフィールド、及びフレームの関係を示す図である。
【符号の説明】
10 電子ビーム露光装置
11 電子ビーム発生器
12 偏向器
13 反射電子検出器
14 反射電子検出器
15 加算器
16 信号解析部
17 XYステージ
18 試料ホルダー
19 参照用チップ
19A 参照用チップ
20 試料
21 コントラスト検出型マーク
21A コントラスト検出型マーク
22 位置合わせマーク
23 基盤
23A 基盤
24 重金属
24A 重金属薄膜
30 電子ビーム露光装置
31 投影レンズ
32 フォーカスコイル
33 試料
34 基準マーク
35 試料ホルダー
36 チップ
37 マーク
41 レジスト
42 チップ
43 段差マーク
51 光センサ
52 高さ検出器
110 露光コラム部
111 カソード電極
112 グリッド電極
113 アノード
114 電子ビーム発生原
115 第1のスリット
116 第1電子レンズ
117 スリットデフレクタ
118 第2のレンズ
119 第3のレンズ
120 透過マスク
121 第1の偏向器
122 第2の偏向器
123 第3の偏向器
124 第4の偏向器
125 ブランキング
126 第4のレンズ
127 アパーチャ
128 リフォーカスコイル
129 第5のレンズ
130 ダイナミックフォーカスコイル
131 ダイナミックスティグコイル
132 第6の対物レンズ
133 主偏向器
134 復偏向器
135 ステージ
150 制御部
151 記憶媒体
152 CPU
153 データ管理部
154 バッファメモリ
155 副偏向器用偏向量設定部
156 パターン制御部
157 パターン補正部
158 クロック設定部
159 露光管理部
160 マスクステージ制御部
161 主偏向器用偏向量設定部
162 ステージ制御部
163 レーザー干渉計
164 モータ
165 ブランキング制御部
166 DAC/AMP
167 DAC/AMP
168 AMP
169 DAC/AMP
170 DAC/AMP
171 DAC/AMP
201 位置合わせ情報測定部
202 高さ情報測定部
203 データ記憶部
204 第1の係数演算部
205 第2の係数演算部
206 第1の係数記憶部
207 第2の係数記憶部
208 第1の補正演算部
209 第2の補正演算部
210 インバータ
211 列分係数記憶部
212 列分係数記憶部
220 デュアルポートメモリ
221 係数演算部
222 補正演算部
223 インバータ
230 露光制御部
230A 露光制御部
231 補正演算部
231A 補正演算部
232 係数記憶部
233 係数設定パターン記憶部
251 デュアルポートメモリ
252 デュアルポートメモリ
253 インバータ
254 デコーダ
255 係数更新パターンレジスタ
256 デコーダ
257 インバータ
258 インバータ
300 反射電子検出器
301 反射電子検出器
302 加算器
303 信号解析装置
304 制御用計算機
305 参照用チップ
306 位置検出マーク
310 光学系
311 光源
312 光検出器
Claims (47)
- 偏向器で電子ビームを偏向して該電子ビームを試料に照射し露光する電子ビーム露光装置に於ける露光方法であって、a)高さの異なる複数の第1のマークを配置し、b)該偏向器の上段に設けられたフォーカスコイルを用いて該第1のマークの各々に該電子ビームの焦点を合わせ、c)該第1のマークの各々に対する焦点距離を求め、d)該第1のマークの各々に対して偏向効率補正係数を求め、e)該偏向効率補正係数を該焦点距離の一次関数として近似して任意の焦点距離に対する該偏向効率補正係数を求め、f)第2のマークを前記電子ビームの光学系の中心に配置し、g)前記フォーカスコイルを用いて該第2のマークに該電子ビームの焦点を合わせることによって該第2のマークの第1の位置及び該第2のマークに対する第1の焦点距離を求め、h)該焦点距離とは異なった少なくとも一つの第2の焦点距離に該フォーカスコイルを設定して、該第2のマークの少なくとも一つの第2の位置を求め、i)該第1の位置、該第2の位置、該第1の焦点距離、及び該第2の焦点距離に基づいて、該電子ビームのオフセットずれ量を焦点距離の一次関数として近似して任意の焦点距離に対する該オフセットずれ量を求め、j)前記フォーカスコイルを用いて前記試料上に設けられた複数の基準マークに前記電子ビームの焦点を合わせることによって該基準マークに対する基準焦点距離を求め、k)該基準マークの座標値の関数として該基準焦点距離を最小2乗近似することによって任意の試料上の位置に対する露光焦点距離を求め、l)該露光焦点距離、該露光焦点距離に対する前記偏向効率補正係数、該露光焦点距離に対する前記オフセットずれ量を用いることにより、該試料の位置合わせ及び該試料の露光を行う各段階を含むことを特徴とする露光方法。
- 前記段階j)は、j1)前記試料上に設けられた複数の基準マークの高さを光学的方法によって求め、j2)該基準マークに対する前記フォーカスコイルの焦点距離である前記基準焦点距離を該基準マークの該高さに基づいて求める各段階を含むことを特徴とする請求項1記載の露光方法。
- 前記段階j2)は、前記フォーカスコイルを用いて前記基準マークの少なくとも一つに前記電子ビームの焦点を合わせることによって該基準マークの該少なくとも一つに対する焦点距離を求め、該基準マークの該少なくとも一つに対する該焦点距離と、該基準マークの該少なくとも一つに対して前記光学的方法によって求められた前記高さとの差分を求め、該基準マークの該高さと該差分とに基づいて前記基準焦点距離を求める各段階を含むことを特徴とする請求項2記載の露光方法。
- 偏向器で電子ビームを偏向して該電子ビームを試料に照射し露光する電子ビーム露光装置であって、該偏向器の上段に設けられたフォーカスコイルと、高さの異なる複数の第1のマークを配置する手段と、該偏向器の上段に設けられたフォーカスコイルを用いて該第1のマークの各々に該電子ビームの焦点を合わせる手段と、該第1のマークの各々に対する焦点距離を求める手段と、該第1のマークの各々に対して偏向効率補正係数を求める手段と、該偏向効率補正係数を該焦点距離の一次関数として近似して任意の焦点距離に対する該偏向効率補正係数を求める手段と、第2のマークを前記電子ビームの光学系の中心に配置する手段と、前記フォーカスコイルを用いて該第2のマークに該電子ビームの焦点を合わせることによって該第2のマークの第1の位置及び該第2のマークに対する第1の焦点距離を求める手段と、該焦点距離とは異なった少なくとも一つの第2の焦点距離に該フォーカスコイルを設定して、該第2のマークの少なくとも一つの第2の位置を求める手段と、該第1の位置、該第2の位置、該第1の焦点距離、及び該第2の焦点距離に基づいて、該電子ビームのオフセットずれ量を焦点距離の一次関数として近似して任意の焦点距離に対する該オフセットずれ量を求める手段と、前記フォーカスコイルを用いて前記試料上に設けられた複数の基準マークに前記電子ビームの焦点を合わせることによって該基準マークに対する基準焦点距離を求める基準焦点距離獲得手段と、該基準マークの座標値の関数として該基準焦点距離を最小2乗近似することによって任意の試料上の位置に対する露光焦点距離を求める手段と、該露光焦点距離、該露光焦点距離に対する前記偏向効率補正係数、該露光焦点距離に対する前記オフセットずれ量を用いることにより、該試料の位置合わせ及び該試料の露光を行う手段を含むことを特徴とする電子ビーム露光 装置。
- 前記基準焦点距離獲得手段は、前記試料上に設けられた複数の基準マークの高さを光学的方法によって求める手段と、該基準マークに対する前記フォーカスコイルの焦点距離である前記基準焦点距離を該基準マークの該高さに基づいて求める高さ変換手段を含むことを特徴とする請求項4記載の電子ビーム露光装置。
- 前記高さ変換手段は、前記フォーカスコイルを用いて前記基準マークの少なくとも一つに前記電子ビームの焦点を合わせることによって該基準マークの該少なくとも一つに対する焦点距離を求める手段と、該基準マークの該少なくとも一つに対する該焦点距離と、該基準マークの該少なくとも一つに対して前記光学的方法によって求められた前記高さとの差分を求める手段と、該基準マークの該高さと該差分とに基づいて前記基準焦点距離を求める手段を含むことを特徴とする請求項5記載の電子ビーム露光装置。
- 前記第1のマークは、前記電子ビームを反射する反射電子量が異なる2つの異なった物質より形成されることを特徴とする請求項1記載の露光方法。
- 前記第1のマークは、電子反射率の低い基盤上に重金属の薄膜をパターニングして形成されることを特徴とする請求項7記載の露光方法。
- 前記第1のマークは、金、タンタル、及びタングステンのいずれか一つの薄膜をシリコン基盤上にパターニングして形成されることを特徴とする請求項8記載の露光方法。
- 前記第1のマークは、電子反射率の低い基盤に重金属を埋め込んで該基盤及び該重金属が同一の平坦な表面を有する構造であることを特徴とする請求項7記載の露光方法。
- 前記第1のマークは、金、タンタル、及びタングステンのいずれか一つの重金属をシリコン基盤に埋め込んで該シリコン基盤及び該重金属が同一の平坦な表面を有する構造であることを特徴とする請求項10記載の露光方法。
- 前記第1のマークは、電子反射率の低い基盤に重金属を埋め込んで該基盤と該重金属の表面をCMP( Chemical Mechanical Polishing )法により平坦化することによって形成されることを特徴とする請求項10又は11記載の露光方法。
- 前記第1のマークは、前記電子ビームを反射する反射電子量が異なる2つの異なった物質より形成された構造であることを特徴とする請求項4記載の電子ビーム露光装置。
- 前記第1のマークは、電子反射率の低い基盤上に重金属の薄膜をパターニングした構造であることを特徴とする請求項13記載の電子ビーム露光装置。
- 前記第1のマークは、金、タンタル、及びタングステンのいずれか一つの薄膜をシリコン基盤上にパターニングした構造であることを特徴とする請求項14記載の電子ビーム露光装置。
- 前記第1のマークは、電子反射率の低い基盤に重金属を埋め込んで該基盤及び該重金属が同一の平坦な表面を有する構造であることを特徴とする請求項13記載の電子ビーム露光装置。
- 前記第1のマークは、金、タンタル、及びタングステンのいずれか一つの重金属をシリコン基盤に埋め込んで該シリコン基盤及び該重金属が同一の平坦な表面を有する構造であることを特徴とする請求項16記載の電子ビーム露光装置。
- 前記第1のマークは、電子反射率の低い基盤に重金属を埋め込んで該基盤と該重金属の表面をCMP( Chemical Mechanical Polishing )法により平坦化することによって形成されることを特徴とする請求項16又は17記載の電子ビーム露光装置。
- 偏向器で電子ビームを偏向して該電子ビームを試料に照射し露光する電子ビーム露光装置に於ける露光方法であって、a)電子反射率の低い基盤に重金属を埋め込んで該基盤及び該重金属が同一の平坦な表面を有する位置検出マークを所定位置に配置し、b)該電子ビームで該位置検出マークの位置を検出し、c)前記位置検出マークの検出された前記位置に基づいて、前記偏向器の歪み補正を行うための偏向歪みマップ及び該偏向器の比例係数補正を行うための偏向効率補正係数を取得して、前記電子ビームの偏向 量を校正する各段階を含むことを特徴とする露光方法。
- 前記試料をステージ移動して該試料上に形成された少なくとも一つの位置合わせマークを所定の位置に配置し、前記電子ビームで該位置合わせマークの位置を検出し、該位置合わせマークの検出された該位置を参照して校正された該電子ビームで該試料を露光する各段階を更に含むことを特徴とする請求項19記載の露光方法。
- 前記位置検出マークの検出された前記位置に基づいて、前記偏向器の歪み補正を行うための偏向歪みマップを取得して前記電子ビームの偏向量を校正する段階を更に含むことを特徴とする請求項19記載の露光方法。
- 前記試料をステージ移動して該試料上に形成された少なくとも一つの位置合わせマークを所定の位置に配置し、前記電子ビームで該位置合わせマークの位置を検出し、該位置合わせマークを用いて前記偏向器の比例係数補正を行うための偏向効率補正係数を取得し、該偏向効率補正係数に所定の測定ずれ量を加算して真の偏向効率補正係数を取得して該電子ビームの偏向量を校正し、該位置合わせマークの検出された該位置を参照して校正された該電子ビームで該試料を露光する各段階を更に含むことを特徴とする請求項21記載の露光方法。
- 前記試料をステージ移動して該試料上に形成された少なくとも一つの位置合わせマークを所定の位置に配置し、前記電子ビームで該位置合わせマークの位置を検出し、該試料上に形成されたビーム調整用マークを用いて前記偏向器の比例係数補正を行うための偏向効率補正係数を取得し、該偏向効率補正係数に所定の測定ずれ量を加算して真の偏向効率補正係数を取得して該電子ビームの偏向量を校正し、該位置合わせマークの検出された該位置を参照して校正された該電子ビームで該試料を露光する各段階を更に含むことを特徴とする請求項21記載の露光方法。
- 前記位置検出マークは、金、タンタル、及びタングステンのいずれか一つの重金属をシリコン基盤に埋め込んで該シリコン基盤及び該重金属が同一の平坦な表面を有する構造であることを特徴とする請求項19記載の露光方法。
- 前記位置検出マークは、電子反射率の低い基盤に重金属を埋め込んで該基盤と該重金属の表面をCMP( Chemical Mechanical Polishing )法により平坦化することによって形成されることを特徴とする請求項19又は24記載の露光方法。
- 前記位置合わせマークが配置された前記所定の位置は、電子ビーム光学系の中心軸上であることを特徴とする請求項20、22、23いずれか一項記載の露光方法。
- 偏向器で電子ビームを偏向して該電子ビームを試料に照射し露光する電子ビーム露光装置であって、該試料を搭載して移動するための試料ステージと、電子反射率の低い基盤に重金属が埋め込まれ該基盤及び該重金属が同一の平坦な表面を有した構造であって該試料ステージ上に設けられた位置検出マークと、前記試料ステージを移動して前記位置検出マークを所定位置に配置する第1の手段と、前記電子ビームで該位置検出マークの位置を検出する第2の手段と、該位置検出マークの検出された該位置に基づいて、前記偏向器の歪み補正を行うための偏向歪みマップ及び該偏向器の比例係数補正を行うための偏向効率補正係数を取得して、該電子ビームの偏向量を校正する第3の手段を含むことを特徴とする電子ビーム露光装置。
- 前記試料を前記試料ステージにより移動して該試料上に形成された少なくとも一つの位置合わせマークを所定の位置に配置する手段と、前記電子ビームで該位置合わせマークの位置を検出する手段と、該位置合わせマークの検出された該位置を参照して校正された該電子ビームで該試料を露光する手段を更に含むことを特徴とする請求項27記載の電子ビーム露光装置。
- 前記試料ステージを移動して前記位置検出マークを所定位置に配置する第1の手段と、前記電子ビームで該位置検出マークの位置を検出する第2の手段と、該位置検出マークの検出された該位置に基づいて、前記偏向器の歪み補正を行うための偏向歪みマップを取得して該電子ビームの偏向量を校正する第3の手段を更に含むことを特徴とする請求項27記載の電子ビーム露光装置。
- 前記試料を前記試料ステージにより移動して該試料上に形成された少なくとも一つの位置合わせマークを所定の位置に配置する手段と、前記電子ビームで該位置合わせマークの位置を検出する手段と、該位置合わせマークを用いて前記偏向器の比例係数補正を行うための偏向効率補正係数を取得する手段と、該偏向効率補正係数に所定の測定ずれ量を加算して真の偏向効率補正係数を取得して該電子ビームの偏向量を校正する手段と、該位置合わせマークの検出された該位置を参照して校正された該電子ビームで該試料を露光する手段を更に含むことを特徴とする請求項29記載の電子ビーム露光装置。
- 前記試料を前記試料ステージにより移動して該試料上に形成された少なくとも一つの位置合わせマークを所定の位置に配置する手段と、前記電子ビームで該位置合わせマークの位置を検出する手段と、該試料上に形成されたビーム調整用マークを用いて前記偏向器の比例係数補正を行うための偏向効率補正係数を取得する手段と、該偏向効率補正係数に所定の測定ずれ量を加算して真の偏向効率補正係数を取得して該電子ビームの偏向量を校正する手段と、該位置合わせマークの検出された該位置を参照して校正された該電子ビームで該試料を露光する手段を更に含むことを特徴とする請求項29記載の電子ビーム露光装置。
- 前記位置検出マークは、金、タンタル、及びタングステンのいずれか一つの重金属がシリコン基盤に埋め込まれ該シリコン基盤及び該重金属が同一の平坦な表面を有した構造であることを特徴とする請求項27記載の電子ビーム露光装置。
- 前記位置検出マークは、電子反射率の低い基盤に重金属が埋め込まれ該基盤と該重金属の表面がCMP( Chemical Mechanical Polishing )法により平坦化された構造であることを特徴とする請求項27又は32記載の電子ビーム露光装置。
- 前記位置合わせマークが配置された前記所定の位置は、電子ビーム光学系の中心軸上であることを特徴とする請求項28、30、31いずれか一項記載の電子ビーム露光装置。
- 偏向器により電子ビームを偏向して試料を露光する際に、ステージにより該試料を連続的に移動させることによって該試料上に定義された複数のフレームの各々を順次露光する電子ビーム露光装置であって、該試料に正確に該電子ビームを露光するための該偏向器の補正に関する情報を露光開始前に取得する取得手段と、該情報を格納するデータ記憶手段と、該データ記憶手段に格納された該情報に基づいて該複数のフレームの第1番目のフレームに対する該補正に関する補正係数を露光開始前に計算し、該複数のフレームの一つのフレームを露光している間に次のフレームに対する該補正係数を該データ記憶手段に格納された該情報に基づいて計算する係数演算手段と、該補正係数を格納する係数記憶手段と、該複数のフレームの一つのフレームを露光する際に、該一つのフレームの直前のフレームを露光中に該係数記憶手段に格納された該補正係数を用いて該補正を行う補正演算手段とを含み、前記係数記憶手段は、前記複数のフレームの2フレーム分の前記補正係数を格納することを特徴とする電子ビーム露光装置。
- 前記係数記憶手段に対して1フレーム分に相当する前記補正係数を読み出す間は次の1フレーム分に相当する該補正係数を書き込む手段を更に含むことを特徴とする請求項35記載の電子ビーム露光装置。
- 前記係数記憶手段は、バッファメモリ、FIFOメモリ、デュアルポートメモリ、及びこれらの組み合わせのいずれか一つを含むことを特徴とする請求項36記載の電子ビーム露光装置。
- 前記係数記憶手段はデュアルポートメモリを含み、該デュアルポートメモリのアドレスの最上位ビットは前記複数のフレーム毎に反転するフレーム制御フラグに設定され、該デュアルポートメモリの記憶領域の半分は該複数のフレームの一つのフレームに対する前記補正係数を記憶する領域であり、他方の半分は該一つのフレームの次のフレームに対する該補正係数を記憶する領域であることを特徴とする請求項36記載の電子ビーム露光装置。
- 露光処理を制御しながら該複数のフレーム内の露光位置を監視して、該露光位置に基づいたタイミング情報を前記補正演算手段に供給する露光制御手段を更に含 み、該補正演算手段は該露光処理中に変更が必要な前記補正係数のみを該タイミング情報に基づいて前記係数記憶手段から読みだすことを特徴とする請求項35乃至38いずれか一項記載の電子ビーム露光装置。
- 前記試料の露光に際して使用する前記補正係数の設定パターンを記憶し、前記露光制御手段からの前記タイミング信号に基づいて該設定パターンを前記補正演算手段に供給する係数設定パターン記憶手段を更に含み、該補正演算手段は該露光処理中に変更が必要な前記補正係数のみを該設定パターンに基づいて前記係数記憶手段から読みだすことを特徴とする請求項39記載の電子ビーム露光装置。
- 前記係数設定パターン記憶手段は、バッファメモリ、FIFOメモリ、デュアルポートメモリ、及びこれらの組み合わせのいずれか一つを含むことを特徴とする請求項40記載の電子ビーム露光装置。
- 前記係数記憶手段に格納された前記補正係数のうちで更新の必要のない補正係数に関する情報を格納する係数更新パターン記憶手段を更に含み、前記補正演算手段は前記露光処理中に変更が必要な該補正係数のみを該係数更新パターン記憶手段に格納された該情報に基づいて該係数記憶手段から読みだすことを特徴とする請求項39記載の電子ビーム露光装置。
- 前記偏向器は前記電子ビームを大面積の領域内で偏向する主偏向器と小面積の領域内で偏向する副偏向器とを含み、前記係数演算手段は該主偏向器に対する第1の係数演算手段と該副偏向器に対する第2の係数演算手段とを含み、前記係数記憶手段は該主偏向器に対する第1の係数記憶手段と該副偏向器に対する第2の係数記憶手段とを含み、前記補正演算手段は該主偏向器に対する第1の補正演算手段と該副偏向器に対する第2の補正演算手段とを含むことを特徴とする請求項35乃至42いずれか一項記載の電子ビーム露光装置。
- 電子ビームを大面積の領域内で偏向する主偏向器と小面積の領域内で偏向する副偏向器とを有する電子ビーム露光装置において、該副偏向器の偏向領域に対応するサブフィールドと、1個以上の該サブフィールドからなり該主偏向器の偏向領域に対応するセルフィールドと、1個以上の該セルフィールドからなるエリアに試料上の露光領域を分類し、各々が連続した該セルフィールドの列である複数のフレームをステージにより該試料を連続的に移動させることによって順次露光する露光方法において、a)該試料に正確に該電子ビームを露光するための該主偏向器及び該副偏向器の補正に関する情報を露光開始前に取得し、b)該情報に基づいて該複数のフレームの第1番目のフレームに対する該補正に関する補正係数を露光開始前に計算し、c)該複数のフレームの一つのフレームを露光している間に次のフレームに対する該補正係数を該情報に基づいて計算し、d)該複数のフレームの一つのフレームを露光する際に、該一つのフレームの直前のフレームを露光中に計算された該補正係数を用いて該補正を行う各段階を含み、前記段階d)は、e)前記複数のフレームの一つのフレームを露光する間に、前記セルフィールド或いは前記エリアの境界で前記補正係数を変更する段階を更に含むことを特徴とする露光方法。
- 前記段階e)は、e1)前記複数のフレームの一つのフレームを露光する際に、該一つのフレーム内の新しいセルフィールド或いは新しいエリアに露光位置が移動するタイミングを管理し、e2)変更する必要のある前記補正係数のみを該タイミングに基づいて変更する各段階を含むことを特徴とする請求項44記載の露光方法。
- 前記段階e2)は、前記補正係数のうちで前記タイミングで変更する必要のある補正係数に関する補正係数変更情報を記憶し、変更する必要のある該補正係数のみを該補正係数変更情報に基づいて変更する各段階を更に含むことを特徴とする請求項45記載の露光方法。
- 前記主偏向器及び前記副偏向器の補正に関する前記情報を前記試料の露光中に新たに取得し、新たに計算する前記補正係数に対して新たに取得された該情報を用いることを特徴とする請求項44記載の露光方法。
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