JP3110363B2 - 荷電ビーム描画装置の調整方法 - Google Patents

荷電ビーム描画装置の調整方法

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JP3110363B2
JP3110363B2 JP09329220A JP32922097A JP3110363B2 JP 3110363 B2 JP3110363 B2 JP 3110363B2 JP 09329220 A JP09329220 A JP 09329220A JP 32922097 A JP32922097 A JP 32922097A JP 3110363 B2 JP3110363 B2 JP 3110363B2
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shaping
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体集積回路、
その他微細な素子パターンを、荷電ビームを用いて半導
体ウェハやパターン転写用のマスク等の基板上に形成す
るための荷電ビーム描画装置に係わり、特に照射系や結
像系等の光学系の調整を行うための荷電ビーム描画装置
の調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、LSI等の試料面上に所望の
微細パターンを描画するものとして、電子ビーム描画装
置が用いられている。これらのうちでビーム寸法を可変
とする可変成形ビーム方式の電子ビーム露光装置は、ビ
ーム寸法固定方式と比較して格段にスループットが高い
という特徴がある。
【0003】この可変成形ビーム方式の描画装置は、第
1成形アパーチャと第2成形アパーチャの電子光学的な
重なりにより成形ビームの形状が決定され、その成形ビ
ームが試料面上に結像される。その性質上、電子ビーム
のクロスオーバ像と成形ビーム像の分離を行わなければ
ならない。
【0004】図1は、かかる電子ビーム描画装置の基本
的な構成図である。図中101は電子銃、102は電子
ビーム、103はコンデンサレンズ、104は第1成形
アパーチャ、105は成形偏向器、106は投影レン
ズ、107は第2成形アパーチャ、108は縮小レン
ズ、109は対物偏向器、110は対物レンズ、111
は試料、112はマーク台、113はファラデーカッ
プ、114は可動ステージ、115はパターンデータデ
コーダ、116は成形偏向アンプ、117はパターンデ
ータメモリ、118はブランキング電極、119は対物
偏向アンプ、120はブランキングアンプ、121はク
ロスオーバ、122は重金属粒子、123は検出器を示
している。
【0005】ここで示した電子ビーム描画装置は、電子
銃101から放出された電子ビーム102に対し、コン
デンサレンズ103,投影レンズ106,及び縮小レン
ズ108によりクロスオーバ像121がそれぞれ結像さ
れ、最終的には対物レンズ110主面にクロスオーバ像
121が結像されるように構成される。これは、ケーラ
照明条件と称されている。
【0006】従来このような電子ビーム描画装置の照射
系を調整方法するには、可動ステージ上114の重金属
粒子122上を成形された電子ビーム102で走査し、
重金属粒子122からの反射電子を検出器123で検出
し、その反射電子信号から成形ビームのビームプロファ
イルを観察する。そして、対物レンズ110のコイルに
流す電流値を変化させ、ビームプロファイルの形状を観
察し、ビームのプロファイルにクロスオーバ像が現れな
いように調整を行っていた。
【0007】具体的には、反射電子信号から成形ビーム
のビームプロファイルをオシロスコープ上で観察し、こ
のビームプロファイルを観察しながら、コンデンサレン
ズ103及び対物レンズ110のコイルに流す電流値を
手動で変化させて、ビームプロファイルの形状を観察
し、ビームのプロファイルにクロスオーバ像が現れない
ように調整を行っていた。しかし、この調整方法は、手
動で調整を行うために調整誤差や個人誤差が大きく、正
確にケーラ照明条件に合わせることが困難であった。
【0008】そこで最近、対物レンズの主面と共役な位
置にアパーチャを設け、そのアパーチャからの反射電子
を観察し、その微分波形が最大になるように照射レンズ
のコイルに流す電流値を調整する方法が提案されている
(特開平7−254544号公報)。しかしながら、こ
の方法では、加工精度,組み立て上の問題から数十μm
程度のアパーチャの位置設定誤差は発生してしまう。図
1に示す電子光学系では、その誤差を拡大して対物レン
ズの主面へ結像するため、数十μmの誤差が数百μmへ
拡大され、精度良く調整はできない。
【0009】また、正焦点位置から同量正負に対物レン
ズのコイルに流す電流値を変化させ、その時の試料台上
の重金属からの反射電子信号のプロファイルを比較し、
プロファイルの差が最小になるように照射条件を設定す
る方法が提案されている(特願平7−220494号公
報)。
【0010】しかしながら、この方法では、正焦点位置
の設定誤差が照射系の設定に寄与する。反射電子信号の
プロファイル形状を比較し、プロファイル形状の差が最
小になるように照射条件を設定するため、プロファイル
の形状判断の画像処理が煩雑になる、ケーラ照明条件が
成立しているときの判断は可能であるが、調整時に定量
的にコンデンサレンズのコイルに流す電流値の最適な電
流値への変化量を判断することができず、調整がトライ
アンドエラーになり、調整時間が長くなる、精度良く調
整できない問題があった。
【0011】ケーラ照明条件が成立していない場合、成
形ビーム形状が劣化し正確に焦点合わせが行えない、結
像系の非点収差が大きくなる、試料(例えば半導体ウェ
ハ)の高さずれによるビームサイズ大きさが変化するな
ど、試料に対する描画精度を劣化させる要因になる。ま
た、試料面上の高さ変化に対してビーム寸法が変化する
ことからパターン寸法の精度劣化要因になる。さらに、
0.15μm以下のリソグラフィにおいては、数nm以
下のビーム寸法精度が要求されており、従来の結像系の
非点収差のみの補正でなく、照射系の非点補正(対物主
面上でのビームクロスオーバの形状)も描画精度を劣化
する要因となり、照射系の非点の検出方法,補正も必要
になりつつある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】このように従来、可変
成形ビーム方式の電子ビーム描画装置においては、描画
精度を向上させるために対物レンズの主面にビームクロ
スオーバ像が来るように(ケーラ照明条件を満足するよ
うに)光学系を調整する必要があるが、このような調整
を正確に行うのは極めて困難であり、さらにその調整に
多大な時間がかかるという問題があった。また、上記の
問題は電子ビーム描画装置に限らず、イオンビーム描画
装置についても同様に言えることである。
【0013】本発明は、上記事情を考慮して成されたも
ので、その目的とするところは、荷電ビーム描画装置の
光学系の調整を簡易に且つ精度良く行い、主に対物レン
ズの主面にビームクロスオーバを精度良く合わせること
ができ、描画精度の向上に寄与し得る荷電ビーム描画装
置の調整方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】 (構成)上記課題を解決するために本発明は、次のよう
な構成を採用している。
【0015】(1) 荷電ビームを用いてパターンの像を投
影する荷電ビーム描画装置であって、荷電ビーム源から
発生された荷電ビームを所望の形状に成形する2つの成
形アパーチャと、これらの成形アパーチャ間に配置さ
れ、該成形アパーチャの光学的な重なりを所望の形状に
成形する成形偏向器と、前記成形アパーチャ間に配置さ
れ、第1成形アパーチャを物面とし第2成形アパーチャ
上に像面を形成する投影レンズと、前記成形アパーチャ
で成形した荷電ビームを試料上に結像させるための縮小
レンズ及び対物レンズと、反射粒子(反射電子又は反射
イオン)又は2次粒子(2次電子又は2次イオン)を試
料面上方で検出するために配置した検出器とを備えた荷
電ビーム描画装置において、ケーラ照明条件に合わせる
ために、前記対物レンズのコイルに流す電流を変化さ
せ、成形されたビームを試料面位置に配置されたマーク
上で走査し、該マークからの反射粒子又は2次粒子を検
出して成形されたビームサイズを測定し、測定されたビ
ームサイズの変化の情報を基に前記各レンズのコイルに
流す電流値の調整を行うことを特徴とする。
【0016】(2) (1) において、前記ビームサイズを測
定する際に、前記マークとして試料面位置に配置された
重金属粒子を用い、この重金属粒子からの反射粒子又は
2次粒子の信号の最大値の半値幅をビームサイズとして
求めることを特徴とする。
【0017】(3) (1) において、前記電流値の調整を行
うに際し、前記対物レンズのコイルに流す電流を変化さ
せたときに、ビームサイズの変化が最小になるように対
物レンズより荷電ビーム源側に設けられた調整用レンズ
のコイルに流す電流値を調整することを特徴とする。
【0018】(4) (3) において、前記調整用レンズは、
第1成形アパーチャより荷電ビーム源側に設けてあるこ
とを特徴とする。
【0019】(5) (1) において、前記電流値の調整を行
うに際し、前記対物レンズより荷電ビーム源側に設けた
レンズのコイルに流す電流を変化させ、同時に対物レン
ズのコイルに流す電流を変化させたときのビームサイズ
の変化率を求め、そのビームサイズの変化率により、対
物レンズより荷電ビーム源側に設けたレンズの電流を変
化させた時のレンズ電流の変化に対するクロスオーバ位
置の変化を求めることを特徴とする。
【0020】(6) (5) において、前記対物レンズより荷
電ビーム源側に設けたレンズは、第1成形アパーチャよ
り荷電ビーム源側に設けたことを特徴とする。
【0021】(7) (5)(6)において、前記対物レンズより
荷電ビーム源側の2つ以上のレンズのレンズのコイルに
流す電流を変化させ、同時に対物レンズのコイルに流す
電流を変化させ、ビームサイズの変化が最小又は照射条
件が変わらないように、対物レンズより荷電ビーム源側
の2つ以上のレンズのコイルに流す電流値を組み合わせ
て使用することを特徴とする。
【0022】(8) (3) において、前記電流値の調整を行
うに際し、ビームサイズの一方向とそれに直交した方向
のビームサイズの変化量が最小になる前記調整用のレン
ズのコイルに流す電流値が同じになるように、前記対物
レンズより荷電ビーム源側に設けた非点補正コイルに流
す電流値を調整することを特徴とする。
【0023】(9) (8) において、前記非点補正コイル
は、第1成形アパーチャより荷電ビーム源側に設けてあ
ることを特徴とする。
【0024】(10) (1)において、前記電流値の調整を行
うに際し、前記対物レンズより荷電ビーム源側に設けた
レンズのコイルに流す電流を変化させ、同時に対物レン
ズのコイルに流す電流を変化させた時のビームサイズを
測定し、対物レンズより荷電ビーム源側に設けたレンズ
のコイルの電流値の設定値によらず、ビームサイズが同
一になる対物レンズのコイルの電流値の値を求め、その
対物レンズのコイルの電流値を基に対物レンズのコイル
に流す電流値の適切値を設定することを特徴とする。
【0025】(11) (10) において、前記対物レンズのコ
イルに流す電流値がビームサイズの一方向とそれに直交
した方向に対して対物レンズのコイルに流す電流値が同
じになるように、第2成形アパーチャより試料面側に設
けた非点補正コイルのコイルに流す電流値で調整するこ
とを特徴とする。
【0026】(12) (5)又は(7) の方法で求めたレンズの
コイルに流す電流値の組み合わせで、予め試料面上の電
流密度を測定しておき、必要に応じて任意の電流密度に
(3)を満足する条件にレンズのコイルに流す電流値の条
件を設定することを特徴とする。
【0027】(13)荷電ビームを用いてパターンの像を投
影する荷電ビーム描画装置であって、荷電ビーム源から
発生された荷電ビームを所望の形状に成形する第1及び
第2の成形アパーチャと、これらの成形アパーチャ間に
配置され、該成形アパーチャの光学的な重なりを所望の
形状に成形する成形偏向器と、前記成形アパーチャ間に
配置され、第1成形アパーチャを物面とし第2成形アパ
ーチャ上に像面を形成する投影レンズと、前記成形アパ
ーチャで成形した荷電ビームを試料上に結像させるため
の縮小レンズ及び対物レンズと、反射粒子又は2次粒子
を試料面上方で検出するために配置した検出器とを備え
た荷電ビーム描画装置において、前記対物レンズのコイ
ルに流す電流を変化させ、成形されたビームを試料面位
置に配置されたマーク上で走査し、該マークからの反射
粒子又は2次粒子を検出し、該検出した反射粒子又は2
次粒子の最大値の変化情報を基に前記各レンズのコイル
に流す電流値の調整を行うことを特徴とする。
【0028】(14) (13) において、前記反射粒子又は2
次粒子の最大値の変化情報を基に、前記対物レンズのコ
イルに流す電流を変化させた時に、反射粒子又は2次粒
子の変化が最小になるように対物レンズよりも荷電ビー
ム源側に設けられたレンズのコイルに流す電流値を調整
することを特徴とする。
【0029】(15) (13) において、前記コイルに流す電
流値を制御するレンズとして、第1成形アパーチャより
も荷電ビーム源側に設けられたレンズを選択することを
特徴とする。
【0030】(作用)本発明によれば、対物レンズのコ
イルに流す電流を変化させ、成形されたビームを試料面
位置に配置されたマーク上で走査し、該マークからの反
射粒子又は2次粒子を検出して成形されたビームサイズ
を測定し、測定されたビームサイズの変化の情報を基に
前記各レンズのコイルに流す電流値の調整を行うことに
より、対物レンズの主面にビームクロスオーバを合わせ
ることができる。そしてこの場合、光学系の調整を簡易
に且つ精度良く行うことができ、描画精度の向上に寄与
することが可能となる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の詳細を図示の実施
形態によって説明する。
【0032】(第1の実施形態)図1は、本発明の第1
の実施形態に用いた電子ビーム描画装置を示す概略構成
図である。
【0033】電子銃101から放射された電子ビーム1
02は、コンデンサレンズ103で電流密度が調整さ
れ、第1成形アパーチャ104を均一に照明する。この
第1成形アパーチャ104の像は、投影レンズ106に
より第2成形アパーチャ107上に結像される。この2
つのアパーチャ104,107の光学的な重なりの程度
は、成形偏向器105により制御される。このビーム成
形機構は、成形偏向器105,成形偏向アンプ116,
及び偏向アンプ116に偏向データを送るパターンデー
タデコーダ115から構成されている。
【0034】第1成形アパーチャ104と第2成形アパ
ーチャ107の光学的重なりによる像は、縮小レンズ1
08及び対物レンズ110により縮小され、試料111
上に結像される。そして、電子ビーム102の試料面上
の位置は、対物主偏向器109により試料111上に設
定される。
【0035】試料111上の成形ビームは、試料111
上の電子ビーム102の位置のデータを送るパターンデ
ータデコーダ115と、主偏向器109に電圧を印加す
る主偏向アンプ119で制御される。試料111は、フ
ァラデーカップ113及び電子ビーム寸法測定用マーク
台112と共に可動ステージ114上に設置され、可動
ステージ114を移動することで、試料111,ファラ
デーカップ113,又は測定用マーク台112を選択す
ることができるようになっている。
【0036】試料111上の電子ビーム102の位置を
移動する場合、試料111上の不必要な場所に露光され
ないように、電子ビーム102をブランキング電極11
8で偏向し、電子ビーム102をカットし、試料面上に
到達しないようにする。ブランキング電極118への偏
向電圧の制御は、ブランキングアンプ120で制御され
る。そして、これらの全てのデータは、パターンデータ
メモリ117に格納されている。
【0037】このような電子光学系の照射系は、試料面
上の電流密度の調整、又はビームのクロスオーバ像とア
パーチャの像を分離するため、対物レンズ110の主面
上にクロスオーバ像が来るように(ケーラ照明条件合わ
せ)に調整を行う必要性がある。
【0038】図1に示す描画装置の構成において、図2
に示すように、第1の成形アパーチャ104で成形され
たビーム102を第2の成形アパーチヤ107上に投影
することにより、所望のビーム形状を形成する。マーク
台112上の重金属粒子122を成形されたビームで走
査して得られる反射電子を検出器123で検出し、成形
ビームのプロファイルを得る。プロファイルの階調値の
度数分布を求めると、図3に示すように、プロファイル
の最大,最小付近に2つのピークが得られる。この2つ
のピークを最大,最小値として定義し、その50%のレ
ベルをスライスレベルとする。この50%のレベルでス
ライスされる波形の幅をビームサイズと定義する。
【0039】このように測定されたビームサイズを、対
物レンズ110のコイルに流す電流値を変化させつつ
(フォーカス変化させる)ビームサイズの大きさを測定
した結果を、図4に示す。この時の電子光学系の設定に
おいて、ビームサイズはフォーカスの変化に対して大き
さが変化する。
【0040】次に、コンデンサレンズ103のコイルに
流す電流値を変化させ、同時に対物レンズ110のフォ
ーカスを変化させつつビームサイズを測定した結果を、
図5に示す。コンデンサレンズ103のコイルに流す電
流値の設定値を変化させるということは、対物レンズ主
面近傍に結像しているクロスオーバ像121の位置を変
化させ、ケーラ照明条件からずれていくことになる。
【0041】このように測定した結果から、フォーカス
値の変化に対するビームサイズの変化量(直線の傾き)
をプロットした結果を、図6に示す。図6のフォーカス
値の変化に対するビームサイズの変化量が0になる照射
系の設定がケーラ照明条件が設定されていることにな
る。本実施形態では、コンデンサレンズ103のコイル
に流す電流値が6.985の時にケーラ照明条件が成立
していることになる。
【0042】このコンデンサレンズ103のコイルに流
す電流値を上記値に設定し、フォーカスの変化とビーム
サイズの関係を測定した結果を、図7に示す。この場
合、対物レンズ110のコイルに流す電流値の変化に対
して、ビームサイズの変化が少ないことが分り、図7に
示すように、ケーラ照明条件を簡単に合わせることがで
きる。
【0043】このように本実施形態によれば、対物レン
ズ110のコイルに流す電流値を変化させたときのビー
ムサイズを測定することにより、ケーラ照明条件を簡単
に設定することが可能になり、その結果として、高精度
に描画をすることが可能になった。
【0044】(第2の実施形態)図8は、本発明の第2
の実施形態に用いた電子ビーム描画装置を示す概略構成
図である。なお、図1と同一部分には同一符号を付し
て、その詳しい説明は省略する。
【0045】この装置が図1の装置と異なる点は、コン
デンサレンズ系を2段にした点にある。即ち、電子銃1
01から放射された電子ビーム102は、第1コンデン
サレンズ(CL1)103及び第2コンデンサレンズ
(CL2)130で電流密度及びケーラ照明条件が調整
され、第1成形アパーチャ104を均一に照明する。
【0046】第1成形アパーチャ104の像は、図1の
装置と同様に、投影レンズ106により第2成形アパー
チャ107上に結像され、2つのアパーチャの光学的な
重なりの程度は、成形偏向器105により制御される。
さらに、アパーチャ104,107の光学的重なりによ
る像は、図1の装置と同様に、縮小レンズ108及び対
物レンズ110により縮小された試料上111に結像さ
れる。つまり、コンデンサレンズがCL1,CL2の2
段の構成になっている以外は図1の装置と全く同じ構成
である。
【0047】このような構成を持つ電子ビーム描画装置
は、試料面上の電流密度の調整、又はビームのクロスオ
ーバ像とアパーチャの像を分離するため、対物レンズ1
10の主面上にクロスオーバ像が来るように(ケーラ照
明条件合わせ)に調整を行う必要性がある。さらに、コ
ンデンサレンズ系を2段にすることによって、試料面上
の電流密度とケーラ照明条件の設定をそれぞれ独立に設
定することが可能となる。
【0048】図8に示す描画装置の構成において、前記
図2に示すように、第1の成形アパーチャ104で成形
されたビーム102を第2の成形アパーチャ107上に
投影することにより、所望のビーム形状を形成する。マ
ーク台112上の重金属粒子122を成形されたビーム
で走査して得られる反射電子を検出器123で検出し、
成形ビームのプロファイルを得る。プロファイルの階調
値の度数分布を求めると、前記図3に示すように、プロ
ファイルの最大,最小付近に2つのピークが得られる。
この2つのピークを最大,最小値として定義し、その5
0%のレベルをスライスレベルとする。この50%のレ
ベルでスライスされる波形の幅をビームサイズと定義す
る。
【0049】第1コンデンサレンズ(CL1)103の
コイルに流す電流値を変化させ、同時に対物レンズ11
0のコイルに流す電流値を変え、即ちフォーカスを変化
させつつビームサイズを測定した結果を、図9に示す。
図9から分るように、第1コンデンサレンズCL1のコ
イルに流す電流値を変化させることにより、ケーラ照明
条件からのずれが大きくなるに従い、フォーカスの変化
に対するビームサイズの変化の割合が大きくなる。即
ち、フォーカスの変化に対するビームサイズの変化量は
クロスオーバの対物レンズ110の主面位置からずれを
反映していることになる。
【0050】測定した結果から、フォーカス値の変化に
対するビームサイズの変化量と第1コンデンサレンズC
L1のコイルに流す電流値との関係をプロットした結果
を、図10に示す。第1コンデンサレンズCL1のコイ
ルに流す電流値の変化に対して、ビームサイズの変化量
から、第1コンデンサレンズCL1のコイルに流す電流
値を変化させたときのクロスオーバ位置との関係を定性
的に求めることができる。
【0051】同様に、第2コンデンサレンズ(CL2)
130のコイルに流す電流値の変化に対して、同時に対
物レンズ110のコイルに流す電流値を変え、即ちフォ
ーカスを変化させつつビームサイズの測定した結果を、
図11に示す。図11から分るように、第2コンデンサ
レンズCL2のコイルに流す電流値を変えることによ
り、ケーラ照明条件からのずれが大きくなるに従い、フ
ォーカスの変化に対するビームサイズの変化の割合が大
きくなる。即ち、フォーカスの変化に対するビームサイ
ズの変化量はクロスオーバの対物レンズ110の主面位
置からずれを反映していることになる。
【0052】測定した結果から、フォーカス値の変化に
対するビームサイズの変化量と第2コンデンサレンズC
L2のコイルに流す電流値の関係をプロットした結果
を、図12に示す。第2コンデンサレンズCL2の変化
に対して、ビームサイズの変化量から、第2コンデンサ
レンズCL2の強さを変化させたときのクロスオーバ位
置との関係を定性的に求めることができる。
【0053】これら図10、図12からそれぞれのコン
デンサレンズのコイルに流す電流値の変化に対してクロ
スオーバ位置の変化を定性的に求めることができる。即
ち、レンズのコイルに流す電流値を変化させたときの、
電子光学系内で実際に動作しているレンズの磁界強度変
化をクロスオーバの位置変化として、実測することが可
能となる。図10と図12から、各コンデンサレンズの
コイルに流す電流値の変化に対し、クロスオーバ位置の
変化をフォーカスの変化に対するビームサイズの変化量
という形で知ることができる。
【0054】本実施形態では、図10より第1コンデン
サレンズCL1の電流値の変化とフォーカスの変化に対
するビームサイズの変化量は、Y=0.0160X2
0.3009X+1.4125の割合で変化し、図12
より第2コンデンサレンズCL2の電流値の変化に対す
るフォーカスの変化に対するビームサイズの変化量は、
Y=0.026X2 −0.3827X+1.4046の
割合で変化する。このように2つのレンズCL1,CL
2のコイルに流す電流値の変化に対して、厳密に実機で
クロスオーバの位置変化を測定することにより、第1コ
ンデンサレンズCL1のコイルに流す電流値の変化に対
して第2コンデンサレンズCL2のコイルに流す電流値
を−1.625変化させることによりズームレンズの機
能を厳密に達成できる。
【0055】また、コンデンサレンズCL1,2のコイ
ルに流す電流値を上記の割合で変化させ、ズームレンズ
として使用することにより、電流密度を変化したときに
も、照射条件を一定に保つことができ、かつ試料面上の
電流密度を可変することが可能となる。
【0056】図13はズームレンズ機能を働かせ、電流
密度を変化させた例である。コンデンサレンズCL1,
2のコイルに流す電流値を連動させて変化させ、試料面
上上の電流密度を18.7A/cm2 から21.4A/
cm2 まで変化させた。照射条件を一定に保存したま
ま、電流密度を変化させることができた。
【0057】このように本実施形態を用いることによ
り、実際のレンズのコイルに流す電流値の変化に対する
クロスオーバ位置の測定が可能となり、厳密にズームレ
ンズの設定が可能になり、照射条件を一定に維持した状
態で、電流密度の調整が可能となった。
【0058】(第3の実施形態)図14は、本発明の第
3の実施形態に用いた電子ビーム描画装置を示す概略構
成図である。なお、図8と同一部分には同一符号を付し
て、その詳しい説明は省略する。
【0059】この装置が図8の装置と異なる点は、コン
デンサレンズ103,130の間にコンデンサ非点補正
コイル140を設けた点にある。即ち、電子銃101か
ら放射された電子ビーム102は、第1コンデンサレン
ズ(CL1)103及び第2コンデンサレンズ(CL
2)130で電流密度及びケーラ照明条件が調整され、
第1成形アパーチャ104を均一に照明する。また、照
明系の非点はコンデンサ非点補正コイル140で補正さ
れる。
【0060】第1成形アパーチャ104の像は、図1、
図8の装置と同様に、投影レンズ106により第2成形
アパーチャ107上に結像され、2つのアパーチャの光
学的な重なりの程度は、成形偏向器105により制御さ
れる。さらに、アパーチャ104,107の光学的重な
りによる像は、図1、図8の装置と同様に、縮小レンズ
108及び対物レンズ110により縮小され、試料上1
1に結像される。つまり、コンデンサ非点補正コイル1
40が設けられている以外は図8の装置と全く同じ構成
である。
【0061】図14に示す描画装置の構成において、前
記図2に示すように、第1の成形アパーチャ104で成
形されたビーム102を第2の成形アパーチャ107上
に投影することにより、所望のビーム形状を形成する。
マーク台112上の重金属粒子122を成形されたビー
ムで走査して得られる反射電子を検出器123で検出
し、成形ビームのプロファイルを得る。プロファイルの
階調値の度数分布を求めると、前記図3に示すようにプ
ロファイルの最大,最小付近に2つのピークが得られ
る。この2つのピークを最大,最小値として定義し、そ
の50%のレベルをスライスレベルとする。この50%
のレベルでスライスされる波形の幅をビームサイズと定
義する。
【0062】第2コンデンサレンズ(CL2)130の
コイルに流す電流値を変化させ、同時にフォーカスを変
化させつつビームサイズを測定した結果を、図15に示
す。第2コンデンサレンズCL2のコイルに流す電流値
を変化させるということは、対物レンズ主面近傍に結像
しているクロスオーバ像121の位置を変化させ、ケー
ラ照明条件からずれていくことになる。このように測定
した結果から、フォーカス値の変化に対するX方向のビ
ームサイズの変化量をプロットした結果を、図15に示
す。同様に、フォーカス値の変化に対するY方向のビー
ムサイズの変化量をプロットした結果を、図16に示
す。
【0063】第2コンデンサレンズCL2のコイルに流
す電流値を変化させ、その時のフォーカスの変化とX方
向それに対して90度異なった方向のY方向のビームサ
イズの関係を測定した結果を、図17に示す。図17に
よれば、ケーラ照明条件の成立するコンデンサレンズC
L2のコイルに流す電流値がX方向とY方向で異なって
いる。即ち、X方向とY方向で照明系に非点収差を検出
することが可能となった。
【0064】従来は、照射系の非点収差を検出すること
は難しく補正が困難であった。しかし、本実施形態を用
いることにより、この照射系の非点収差を検出すること
が可能となり、その値を基にコンデンサ非点補正コイル
140に流す電流値を変化させることにより、収差を補
正することが可能となり、結果として高精度の描画が可
能となった。
【0065】また、コンデンサレンズに入射するビーム
の調整が不完全で発生している収差であれば、コンデン
サレンズに入射するビームの傾斜角度を変えることによ
り、上記非点収差を解消することも可能である。
【0066】(第4の実施形態)図18は、本発明の第
4の実施形態に用いた電子ビーム描画装置を示す概略構
成図である。なお、図8と同一部分には同一符号を付し
て、その詳しい説明は省略する。
【0067】この実施形態が図8の装置と異なる点は、
対物レンズ110の下方に対物非点補正コイル150を
設けたことにある。即ち、電子銃101から放射された
電子ビーム102は、図8の装置と同様に、第1コンデ
ンサレンズ(CL1)103及び第2コンデンサレンズ
(CL2)130で電流密度及びケーラ照明条件が調整
され、第1成形アパーチャ104を均一に照明する。
【0068】第1成形アパーチャ104の像は、図1、
図8の装置と同様に、投影レンズ106により第2成形
アパーチャ上107に結像され、2つのアパーチャの光
学的な重なりの程度は、成形偏向器105により制御さ
れる。さらに、アパーチャ104,107の光学的重な
りによる像は、縮小レンズ108及び対物レンズ110
により縮小され、試料上111に結像される。そして、
電子ビーム102の試料面上の位置は対物主偏向器10
9により試料上111に設定され、結像系の非点は対物
非点補正コイル150で補正される。
【0069】図18に示す描画装置の構成において、前
記図2に示すように、第1の成形アパーチャ104で成
形されたビームを第2の成形アパーチャ107上に投影
することにより、所望のビーム形状を形成する。マーク
台112上の重金属粒子122を成形されたビームで走
査して得られる反射電子を検出器123で検出し、成形
ビームのプロファイルを得る。プロファイルの階調値の
度数分布を求めると、前記図3に示すように、プロファ
イルの最大,最小付近に2つのピークが得られる。この
2つのピークを最大,最小値として定義し、その50%
のレベルでスライスレベルとする。この50%のレベル
でスライスされる波形の幅をビームサイズと定義する。
【0070】次に、第2コンデンサレンズ130のコイ
ルに流す電流値を変化させ、同時にフォーカスを変化さ
せ、X方向のビームサイズを測定した結果を、図19に
示す。ケーラ照射条件からずれたそれぞれの状態でビー
ムサイズを測定すると、ビームサイズの変化は照射条件
によって、ビームサイズの変化の振る舞いが異なること
が分る。また、図19から照射条件によらず、ビームサ
イズが同じになる対物レンズ110のコイルに流す電流
値を求めることができる。この時の対物レンズ110の
コイルに流す電流値を基に対物レンズ110のコイルの
最適電流値を求めることができ、焦点調整が可能となっ
た。
【0071】本実施形態によれば、図19から、本実施
形態の電子光学系の設定の場合は対物レンズ110のコ
イルに流す電流値の設定に対し、最適焦点位置が4.5
μmずれていることが分る。また、同様にY方向のビー
ムサイズを第2コンデンサレンズ130のコイルに流す
電流値を変化させ、同時にフォーカスを変化させ、測定
した結果を、図20に示す。X方向と同様に図20よ
り、最適焦点位置が4.4μmずれていることが分る。
【0072】このようにして、対物レンズ110の焦点
位置のずれを検出し、最適焦点位置からのずれ分を補正
し、調整を行うことができる。電子光学系の設定が完全
であれば、X方向とY方向の最適焦点位置は同じ点にな
るはずである。このデータでは、対物レンズ110の非
点が補正されていたことが分る。
【0073】また、本実施形態では、X方向とY方向の
最適焦点位置のずれを検出することが可能であり、本実
施形態によれば、X方向とY方向で結像系の非点収差が
0.1μm検出されている。これら値を非点コイル15
0に流す電流値を変化させて補正することにより、簡単
に結像系の非点収差の補正ができる。また、非点収差補
正後に最適焦点位置の調整を行うことも可能である。
【0074】(第5の実施形態)本実施形態では、前記
図8に示す電子ビーム描画装置の電流密度の調整方法に
関する。図21は、第2の実施形態で示したようにケー
ラ照明条件が成立した条件において、電流密度とコンデ
ンサレンズのコイルに流す電流値との関係を示してい
る。
【0075】従来より電流密度の調整は、希望とする電
流密度になるように、第1コンデンサレンズ(CL1)
103のコイルに流す電流値を調整し、その後にケーラ
照明条件が成立するように、第2コンデンサレンズ(C
L2)130のコイルに流す電流値を調整する。する
と、ケーラ照明条件を合わせるために、コンデンサレン
ズCL2のコイルに流す電流値を調整することにより、
電流密度が変化してしまう。その後、再び第1コンデン
サレンズCL1のコイルに流す電流値を調整し、その後
にケーラ照明条件が成立するように、第2コデンサレン
ズCL2のコイルに流す電流値を調整し、これらを数回
繰り返し、希望とする電流密度とケーラ照射条件が両立
するように合わせ込んでいた。
【0076】これに対し本実施形態では、第1コンデン
サレンズCL1と第2コンデンサレンズCL2がズーム
レンズになる関係を求めておき、それぞれの条件でケー
ラ照明条件を確認した後、電流密度を測定し、第1,第
2コンデンサレンズCL1,CL2と電流密度の関係を
データベース化しておく。任意の電流密度に設定したい
場合は、図21のデータを2次以上の関係にらフィッテ
ングして、第1及び第2コンデンサレンズCL1,CL
2のコイルに流す電流値を算出し設定する。
【0077】例えば、電流密度を20A/cm2 に設定
する場合、第1コンデンサレンズCL1のコイルに流す
電流値は9.02に、第2コンデンサレンズCL2のコ
イルに流す電流値は6.91の値に設定すればよい。
【0078】このように、一度厳密なケーラ照明条件に
おける電流密度の測定を設定し、第1コンデンサレンズ
CL1のコイルに流す電流値と第2コデンサレンズCL
2のコイルに流す電流値の関係を求め、それらの関係か
ら希望とする電流密度を短時間に精度良く簡単に合わせ
ることが可能となる。
【0079】(第6の実施形態)次に、本発明の第6の
実施形態を説明する。本実施形態が先の第1の実施形態
と異なる点は、測定されたビームサイズの変化の情報を
基に各レンズのコイルに流す電流値の調整を行う代わり
に、検出した反射粒子又は2次粒子の最大値の変化情報
を基に各レンズのコイルに流す電流値の調整を行うこと
にある。
【0080】電子ビーム描画装置としては、前記図1に
示すものを用いた。この装置において、前記図2に示す
ように、第1の成形アパーチャ104で成形されたビー
ム102を第2の成形アパーチヤ107上に投影するこ
とにより、所望のビーム形状を形成する。そして、マー
ク台112上の重金属粒子122を成形されたビームで
走査して得られる反射電子を検出器123で検出し、成
形ビームのプロファイルを得る。このように測定された
成形ビームプロファイルを対物レンズ110のコイルに
流す電流値を変化させつつ(フォーカス変化させる)、
成形ビームのプロファイルを測定した結果を、図22
(a)に示す。この時の電子光学系の設定において、成
形ビームのプロファイルはフォーカスの変化に対して高
さが変化する。
【0081】次いで、コンデンサレンズ103のコイル
に流す電流値を変化させ、対物レンズ110のフォーカ
スを変化させ、ビームプロファイルを測定した結果を、
図22(b)に示す。コンデンサレンズ103のコイル
に流す電流値の測定値を変化させるということは、対物
レンズ主面近傍に結像しているクロスオーバ像の位置を
変化させ、ケーラ照明条件からずれていくことになる。
このように測定した結果から、フォーカス値の変化に対
するビームプロファイルの最大値が変化する。図22の
フォーカス値の変化に対するビームプロファイルの最大
値の変化がないような照明系の調整方法によりケーラ照
明条件が設定されていることになる。
【0082】上記のようにコンデンサレンズのコイルに
流す電流値を調整し、フォーカスの変化とビームプロフ
ァイルの関係を測定した結果を、図23に示す。この場
合、対物レンズのコイルに流す電流値の変化に対して、
ビームプロファイルの最大値の変化が少なく、このよう
な方法でケーラ照明条件を簡単に合わせることができ
る。
【0083】このように本実施形態によれば、対物レン
ズのコイルに流す電流値を変化させた時のビームプロフ
ァイルの最大値を測定することにより、ケーラ照明条件
を簡単に設定することが可能になり、その結果として、
高精度に描画することが可能となった。
【0084】なお、本発明は上述した各実施形態に限定
されるものではない。実施形態では、ビームサイズを測
定するために反射電子を検出したが、この代りに2次電
子を検出するようにしてもよい。また、本発明は必ずし
も電子ビーム描画装置に限るものではなく、イオンビー
ムを用いたイオンビーム描画装置に適用することも可能
である。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種
々変形して実施することができる。
【0085】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、荷
電ビーム描画装置の照射系の調整(ケーラ照射条件,電
流密度調整,非点補正)、及び結像系の調整(非点補
正,焦点調整)を簡単に精度良く行うことが可能とな
り、描画精度の向上をはかり得る荷電ビーム描画装置を
実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に用いた電子ビーム描画装置を
示す概略構成図。
【図2】ビーム成形の原理及び成形ビームによる走査を
示す図。
【図3】反射電子強度とビームサイズとの関係を示す
図。
【図4】第1の実施形態において、対物レンズの強度変
化に対するビームサイズの変化を示す図。
【図5】第1の実施形態において、コンデンサレンズを
変えたときの、対物レンズの変化とビームサイズの変化
の関係を示す図。
【図6】第1の実施形態において、コンデンサレンズと
ビームサイズの変化の関係を示す図。
【図7】第1の実施形態において、対物レンズの強度変
化に対するビームサイズの変化を示す図。
【図8】第2の実施形態に用いた電子ビーム描画装置を
示す概略構成図。
【図9】第2の実施形態において、第1コンデンサレン
ズCL1を変えたときの、対物レンズの変化とビームサ
イズの変化の関係を示す図。
【図10】第2の実施形態において、第1コンデンサレ
ンズCL1とビームサイズの変化量の関係を示す図。
【図11】第2の実施形態において、第2コンデンサレ
ンズCL2を変えたときの対物レンズとビームサイズの
変化の関係を示す図。
【図12】第2の実施形態において、第2コンデンサレ
ンズCL2とビームサイズの変化量の関係を示す図。
【図13】第2の実施形態において、第1及び第2コン
デンサレンズCL1,2を連動し変化させた時の対物レ
ンズの変化とビームサイズの変化の関係を示す図。
【図14】第3の実施形態に用いた電子ビーム描画装置
を示す概略構成図。
【図15】第3の実施形態において、コンデンサレンズ
を変化したときの、対物レンズの変化に対するビームサ
イズの変化の関係〈X方向〉を示す図。
【図16】第3の実施形態において、コンデンサレンズ
を変化させた時の、対物レンズとビームサイズの関係
〈Y方向〉を示す図。
【図17】第3の実施形態において、照射系の非点収差
を検出した例を示す図。
【図18】第4の実施形態に用いた電子ビーム描画装置
を示す概略構成図。
【図19】第4の実施形態において、コンデンサレンズ
を変化させ、対物レンズとビームサイズの関係〈X方
向〉より、正焦点位置を求めることを示す図。
【図20】第4の実施形態において、コンデンサレンズ
を変化させ、対物レンズとビームサイズの関係〈Y方
向〉より、正焦点位置を求めることを示す図。
【図21】第5の実施形態を説明するためもので、ケー
ラ照明条件を満足した状態で電流密度を変化させた例を
示す図。
【図22】第6の実施形態を説明するためのもので、ケ
ーラ照明条件を満足しない場合の対物レンズ測定値とビ
ームプロファイルとの関係を示す図。
【図23】第6の実施形態を説明するためのもので、ケ
ーラ照明条件を満足する場合の対物レンズ測定値とビー
ムプロファイルとの関係を示す図。
【符号の説明】
101…電子銃 102…電子ビーム 103…コンデンサレンズ 104…第1成形アパーチャ 105…成形偏向器 106…投影レンズ 107…第2成形アパーチャ 108…縮小レンズ 109…対物偏向器 110…対物レンズ 111…試料 112…マーク台 113…ファラデーカップ 114…可動ステージ 115…パターンデータデコーダ 116…成形偏向アンプ 117…パターンデータメモリ 118…ブランキング電極 119…対物偏向アンプ 120…ブランキングアンプ 121…クロスオーバ 122…重金属粒子 123…検出器 130…コンデンサレンズ2 140…コンデンサ非点補正コイル 150…対物非点補正コイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−63937(JP,A) 特開 平6−216016(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/027 G03F 7/20

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】荷電ビームを用いてパターンの像を投影す
    る荷電ビーム描画装置であって、荷電ビーム源から発生
    された荷電ビームを所望の形状に成形する第1及び第2
    の成形アパーチャと、これらの成形アパーチャ間に配置
    され、該成形アパーチャの光学的な重なりを所望の形状
    に成形する成形偏向器と、前記成形アパーチャ間に配置
    され、第1成形アパーチャを物面とし第2成形アパーチ
    ャ上に像面を形成する投影レンズと、前記成形アパーチ
    ャで成形した荷電ビームを試料上に結像させるための縮
    小レンズ及び対物レンズと、反射粒子又は2次粒子を試
    料面上方で検出するために配置した検出器とを備えた荷
    電ビーム描画装置において、前記成形されたビームを試料面位置に配置されたマーク
    上で走査すると共に、該マークからの反射粒子又は2次
    粒子を検出し、この検出により得られるビーム強度信号
    の最大値の半値幅をビームサイズとして測定することと
    し、 前記対物レンズのコイルに流す電流を変化させたときに
    得られるビームサイズの変化が最小となるように、前記
    各レンズのコイルに流す電流値の調整を行うことを特徴
    とする荷電ビーム描画装置の調整方法。
  2. 【請求項2】前記ビームサイズを測定する際に、前記マ
    ークとして試料面位置に配置された重金属粒子を用い、
    この重金属粒子からの反射粒子又は2次粒子を検出する
    ことを特徴とする請求項1記載の荷電ビーム描画装置の
    調整方法。
  3. 【請求項3】前記電流値の調整を行うに際し、前記対物
    レンズより荷電ビーム源側に設けられた調整用レンズの
    コイルに流す電流値を調整することを特徴とする請求項
    1記載の荷電ビーム描画装置の調整方法。
  4. 【請求項4】前記調整用レンズは、第1成形アパーチャ
    より荷電ビーム源側に設けてあることを特徴とする請求
    項3記載の荷電ビーム描画装置の調整方法。
  5. 【請求項5】前記電流値の調整を行うに際し、前記対物
    レンズより荷電ビーム源側に設けたレンズのコイルに流
    す電流を変化させ、同時に対物レンズのコイルに流す電
    流を変化させたときのビームサイズの変化率を求め、そ
    のビームサイズの変化率により、対物レンズより荷電ビ
    ーム源側に設けたレンズの電流を変化させた時のレンズ
    電流の変化に対するクロスオーバ位置の変化を求めるこ
    とを特徴とする請求項1記載の荷電ビーム描画装置の調
    整方法。
  6. 【請求項6】前記対物レンズより荷電ビーム源側に設け
    たレンズは、第1成形アパーチャより荷電ビーム源側に
    設けたことを特徴とする請求項5記載の荷電ビーム描画
    装置の調整方法。
  7. 【請求項7】前記対物レンズより荷電ビーム源側の2つ
    以上のレンズのコイルに流す電流を変化させ、同時に対
    物レンズのコイルに流す電流を変化させ、ビームサイズ
    の変化が最小又は照射条件が変わらないように、対物レ
    ンズより荷電ビーム源側の2つ以上のレンズのコイルに
    流す電流値を組み合わせて使用することを特徴とする請
    求項5又は6記載の荷電ビーム描画装置の調整方法。
  8. 【請求項8】前記電流値の調整を行うに際し、ビームサ
    イズの一方向とそれに直交した方向のビームサイズの変
    化量が最小になる前記調整用のレンズのコイルに流す電
    流値が同じになるように、前記対物レンズより荷電ビー
    ム源側に設けた非点補正コイルに流す電流値を調整する
    ことを特徴とする請求項3記載の荷電ビーム描画装置の
    調整方法。
  9. 【請求項9】前記非点補正コイルは、第1成形アパーチ
    ャより荷電ビーム源側に設けてあることを特徴とする請
    求項8記載の荷電ビーム描画装置の調整方法。
  10. 【請求項10】前記電流値の調整を行うに際し、前記対
    物レンズより荷電ビーム源側に設けたレンズのコイルに
    流す電流を変化させ、同時に対物レンズのコイルに流す
    電流を変化させた時のビームサイズを測定し、対物レン
    ズより荷電ビーム源側に設けたレンズのコイルの電流値
    の設定値によらず、ビームサイズが同一になる対物レン
    ズのコイルの電流値の値を求め、その対物レンズのコイ
    ルの電流値を基に対物レンズのコイルに流す電流値の適
    切値を設定することを特徴とする請求項1記載の荷電ビ
    ーム描画装置の調整方法。
  11. 【請求項11】前記対物レンズのコイルに流す電流値が
    ビームサイズの一方向とそれに直交した方向に対して対
    物レンズのコイルに流す電流値が同じになるように、第
    2成形アパーチャより試料面側に設けた非点補正コイル
    のコイルに流す電流値で調整することを特徴とする請求
    項10記載の荷電ビーム描画装置の調整方法。
  12. 【請求項12】請求項5又は請求項7記載の方法で求め
    たレンズのコイルに流す電流値の組み合わせで、予め試
    料面上の電流密度を測定しておき、必要に応じて任意の
    電流密度に請求項3を満足する条件にレンズのコイルに
    流す電流値の条件を設定することを特徴とする荷電ビー
    ム描画装置の調整方法。
  13. 【請求項13】荷電ビームを用いてパターンの像を投影
    する荷電ビーム描画装置であって、荷電ビーム源から発
    生された荷電ビームを所望の形状に成形する第1及び第
    2の成形アパーチャと、これらの成形アパーチャ間に配
    置され、該成形アパーチャの光学的な重なりを所望の形
    状に成形する成形偏向器と、前記成形アパーチャ間に配
    置され、第1成形アパーチャを物面とし第2成形アパー
    チャ上に像面を形成する投影レンズと、前記成形アパー
    チャで成形した荷電ビームを試料上に結像させるための
    縮小レンズ及び対物レンズと、反射粒子又は2次粒子を
    試料面上方で検出するために配置した検出器とを備えた
    荷電ビーム描画装置において、 前記対物レンズのコイルに流す電流を変化させ、成形さ
    れたビームを試料面位置に配置されたマーク上で走査
    し、該マークからの反射粒子又は2次粒子を検出し、該
    検出した反射粒子又は2次粒子の最大値の変化情報を基
    に前記各レンズのコイルに流す電流値の調整を行うこと
    を特徴とする荷電ビーム描画装置の調整方法。
  14. 【請求項14】前記反射粒子又は2次粒子の最大値の変
    化情報を基に、前記対物レンズのコイルに流す電流を変
    化させた時に、反射粒子又は2次粒子の変化が最小にな
    るように対物レンズよりも荷電ビーム源側に設けられた
    レンズのコイルに流す電流値を調整することを特徴とす
    る請求項13記載の荷電ビーム描画装置の調整方法。
  15. 【請求項15】前記コイルに流す電流値を制御するレン
    ズとして、第2成形アパーチャよりも荷電ビーム源側に
    設けられたレンズを選択することを特徴とする請求項1
    3記載の荷電ビーム描画装置の調整方法。
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