JP4095218B2 - 荷電ビーム露光方法及び露光装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体集積回路やその他の微細な素子パターンを半導体ウェハやパターン転写用マスク等の試料上に形成するための荷電ビーム露光技術に係わり、特に試料上に入射する荷電ビームの速度を制御するためのリターディング電圧を印加した場合のビーム位置の補正を行う荷電ビーム露光方法及び露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体製造工程におけるリソグラフィ技術として、光露光と電子ビーム(EB)露光を組み合わせたミックスアンドマッチ(M&M)が注目されている。このM&M露光方式では、ラフなパターンは光露光で、微細なパターンは電子ビームで露光することにより、高いスループットと共に高解像性が得られる。
【0003】
M&Mの露光方式において、光に対するレジスト感度は高すぎる傾向があり、電子ビームに対する感度のみを向上させることが望まれる。これは、レジストに入射する電子ビームのエネルギーを下げることにより達成できる。しかし、電子銃部から放出される電子のエネルギーを低く抑えた状態では、電子間でのクーロン力やレンズの色収差によりビームがぼけてしまい、高解像性を得ることが困難になる。
【0004】
そこで、電子銃から放出された電子を、色収差,クーロン反発によるビームぼけを抑えるために十分に加速し、最終段の対物レンズを通過した後に、ウェハと対物レンズ下極間に減速電圧(リターディング電圧)を印加して減速電界を形成することにより、所望のエネルギーへ減速してレジストへ入射させるようにしている。これにより、高解像性と低エネルギー電子線の入射によるEB露光時の高感度化が可能となる。
【0005】
ところで、減速電界を形成するためにリターディング電圧を印加すると、ウェハ上のビームの位置が変化する問題がある。これに対して、例えば特開平3−261057号公報のように、リターディング電圧に応じて、ビームの位置を決める偏向器に補正電圧を印加することにより、減速電界によるビームの位置ずれを補正している。
【0006】
しかしながら、この種の方法にあっては次のような問題があった。即ち、リターディング電圧に応じてビームの位置を補正する場合は、形成される電界が均一である必要性がある。ところが、実際に形成される電界は、ステージの位置や対物レンズ下面形状等により一様電界とはならない。さらに、電子ビームの入射角度も偏向位置に依存する。このように、ステージの位置,電子ビームの入射角度により電界と電子ビームの角度が異なるので、リターディング電圧に応じて偏向電圧を一様に補正するのみでは、リターディング電圧によるビームの位置ずれをウェハ全面に対して正確に補正することはできない。
【0007】
また、ウェハ全面に対して、ビームの位置を詳細に測定することにより、ウェハ上の電界の強度は測定できるが、偏向によるビームの角度までの測定はできない。さらに、ウェハの位置とビームの偏向角度は連続移動方式の露光装置では、露光するパターンやレジスト感度により異なる。従って、リターディング電圧によるビームの位置ずれをウェハ全面に対して正確に補正することは実質的に困難である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このように従来、電子ビームに対するレジストの感度を向上させるためにリターディング電圧を印加する方式にあっては、リターディング電圧の印加により試料上のビーム位置が変動する問題があった。また、リターディング電圧に応じて偏向器に補正電圧を印加する方法もあるが、試料上の全面で正確に補正することは困難であった。
【0009】
本発明は、上記事情を考慮して成されたもので、その目的とするところは、リターディング電圧を印加したときのビームの位置ずれを試料上の全面に対して正確に補正することができ、露光精度の向上をはかり得る荷電ビーム露光方法及び露光装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
(構成)
上記課題を解決するために本発明は次のような構成を採用している。
【0014】
即ち本発明は、試料ステージ上に載置された試料上に荷電ビームを照射して該試料に所望パターンを露光する荷電ビーム露光方法であって、試料近傍に加減速電圧による加減速電界を形成して試料上に入射するビームの速度を加減速させた荷電ビーム露光方法において、前記加減速電圧を印加した状態と印加しない状態の各々で、前記試料ステージを移動してビームの偏向中心で前記試料上の各マークの位置を測定し、前記加減速電圧の印加の有無による試料位置に対するビーム位置ずれ量を求める工程と、前記加減速電圧を印加した状態と印加しない状態の各々で、前記試料ステージ中心付近でビームを偏向して前記試料上の各マークの位置を測定し、前記加減速電圧の印加の有無によるビーム偏向量に対するビーム位置ずれ量を求める工程と、前記求められた試料位置に対するビーム位置ずれ量とビーム偏向量に対するビーム位置ずれ量を基に、前記加減速電圧の印加の有無によるビーム位置の補正量を求める工程と、前記求めた補正量を基に、前記加減速電圧の有無によるビームの位置ずれを、試料上の位置とビーム偏向量に応じて補正する工程と、を含むことを特徴とする。
【0015】
また本発明は、試料ステージ上に載置された試料上に荷電ビームを照射して該試料に所望パターンを露光する荷電ビーム露光方法であって、試料近傍に加減速電圧による加減速電界を形成して試料上に入射するビームの速度を加減速させた荷電ビーム露光方法において、前記加減速電圧を印加しない状態で、前記試料ステージを移動してビームの偏向中心で試料上の各マークの位置を測定する第1の工程と、前記加減速電圧を印加した状態で前記試料ステージを移動してビームの偏向中心で前記試料上の各マークの位置を測定する第2の工程と、第1の工程によるマーク位置と第2の工程によるマーク位置との差から、前記加減速電圧の印加の有無による試料位置に対するビーム位置ずれ量を求める第3の工程と、前記加減速電圧を印加しない状態で、前記試料ステージ中心付近でビームを偏向して前記試料上の各マークの位置を測定する第4の工程と、前記加減速電圧を印加した状態で、前記ステージ中心付近でビームを偏向して前記試料上の各マークの位置を測定する第5の工程と、第4の工程によるマーク位置と第5の工程によるマーク位置との差から、第3の工程で求めたステージ中心付近におけるビーム位置ずれ量を減じることにより、前記加減速電圧の印加の有無によるビーム偏向量に対するビーム位置ずれ量を求める第6の工程と、第3の工程で求めた試料位置に対するビーム位置ずれ量と第6の工程で求めたビーム偏向量に対するビーム位置ずれ量を基に、ビーム位置に対して補正量を決定する第7の工程と、前記求めた補正量を基に、前記加減速電圧の有無によるビームの位置ずれを、試料上の位置とビーム偏向量に応じて補正する第8の工程と、を含むことを特徴とする。
【0016】
また本発明は、試料ステージ上に載置された試料上に荷電ビームを照射して該試料に所望パターンを露光する荷電ビーム露光方法であって、試料近傍に加減速電圧による加減速電界を形成して試料上に入射するビームの速度を加減速させた荷電ビーム露光方法において、前記加減速電圧を印加しない状態で、前記試料ステージを移動してビームの偏向中心で試料上の各マークの位置を測定する第1の工程と、前記加減速電圧を印加しない状態で、前記試料ステージ中心付近でビームを偏向して前記試料上の各マークの位置を測定する第2の工程と、前記加減速電圧を印加した状態で前記試料ステージを移動してビームの偏向中心で前記試料上の各マークの位置を測定する第3の工程と、前記加減速電圧を印加した状態で、前記試料ステージ中心付近でビームを偏向して前記試料上の各マークの位置を測定する第4の工程と、第1の工程によるマーク位置と第3の工程によるマーク位置との差から、前記加減速電圧の印加の有無による試料位置に対するビーム位置ずれ量を求める第5の工程と、第2の工程によるマーク位置と第4の工程によるマーク位置との差から、第5の工程で求めたステージ中心付近におけるビーム位置ずれ量を減じることにより、前記加減速電圧の印加の有無によるビーム偏向量に対するビーム位置ずれ量を求める第6の工程と、第5の工程で求めた試料位置に対するビーム位置ずれ量と第6の工程で求めたビーム偏向量に対するビーム位置ずれ量を基に、ビーム位置に対して補正量を決定する第7の工程と、前記求めた補正量を基に、前記加減速電圧の有無によるビームの位置ずれを、試料上の位置とビーム偏向量に応じて補正する第8の工程と、を含むことを特徴とする。
【0017】
また本発明は、荷電ビーム源から発生された荷電ビームを所望の形状に整形するためのアパーチャと、前記アパーチャにより整形されたビームを試料ステージ上に載置された試料上に結像させるための縮小レンズ及び対物レンズと、前記試料上のビーム位置を制御する対物偏向器と、前記試料面上に入射するビームの速度を加減速するための電源と、前記電源からの加減速電圧の有無によるビーム位置ずれを、試料面上の位置とビーム偏向量を基に補正するビーム位置ずれ補正部とを具備した荷電ビーム露光装置であって、前記ビーム位置ずれ補正部は、前記加減速電圧を印加した状態と印加しない状態の各々で、前記試料ステージを移動してビームの偏向中心で前記試料上の各マークの位置を測定し、前記加減速電圧の印加の有無による試料位置に対するビーム位置ずれ量を求める手段と、前記加減速電圧を印加した状態と印加しない状態の各々で、前記試料ステージ中心付近でビームを偏向して前記試料上の各マークの位置を測定し、前記加減速電圧の印加の有無によるビーム偏向量に対するビーム位置ずれ量を求める手段と、前記求められた試料位置に対するビーム位置ずれ量とビーム偏向量に対するビーム位置ずれ量を基に、前記加減速電圧の印加の有無によるビームの位置ずれを補正するための補正量を求める手段と、前記求めた補正量を基に、前記加減速電圧の有無によるビームの位置ずれを、試料上の位置とビーム偏向量に応じて補正する手段と、を含むことを特徴とする。
【0019】
(作用)
荷電ビーム露光装置において、試料面上に形成される電界は、ステージの位置や対物レンズ下面形状等により一様とはならない。このため、リターディング電圧の有無によるビーム位置のずれ量は、試料面上の位置によって変わる。また、荷電ビームの偏向量は偏向角度で決まるが、偏向角度が変わると試料面上の電界と荷電ビームの入射角度も変わる。このため、リターディング電圧の有無によるビーム位置ずれ量は、ビーム偏向量によって変わる。なお、試料上にパターンを露光する際は、設計パターンデータに基づいて試料上のビーム位置とビーム偏向量は予め分かっている。
【0020】
従って本願発明のように、加減速電圧の有無によるビームの位置ずれを、試料上の位置とビーム偏向量に応じて補正することにより、リターディング電圧を印加したときのビームの位置ずれを試料上の全面に対して正確に補正することが可能となる。
【0021】
また、加減速電圧の印加の有無による試料位置に対するビーム位置ずれ量は、加減速電圧を印加した状態と印加しない状態の各々で、試料ステージを移動してビームの偏向中心で試料上の各マークの位置を測定することにより、これらの差から簡易に求めることができる。同様に、加減速電圧の印加の有無によるビーム偏向量に対するビーム位置ずれ量は、加減速電圧を印加した状態と印加しない状態の各々で、試料ステージ中心付近でビームを偏向して試料上の各マークの位置を測定することにより、これらの差から簡易に求めることができる。但し、ここで得られるビーム位置ずれ量には、加減速電圧の印加の有無による試料位置に対するビーム位置ずれ量が含まれているので、これを差し引く必要がある。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の詳細を図示の実施形態によって説明する。
【0023】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係わる電子ビーム露光装置を示す概略構成図である。なお、この装置は単独でLSIパターンの露光を行うものであってもよいし、光露光装置と併用してM&M方式で露光を行うものであってもよい。
【0024】
図中の11は電子銃、12はコンデンサレンズ、13はCPアパーチャを選択するためのCP選択偏向器、14はLSIの繰り返し部分に相当する複数のCPアパーチャを有するCPアパーチャマスク、15は縮小レンズ、16は対物偏向器、17は対物レンズ、18は電子ビームである。21は試料としてのウェハ、22はウェハホルダ、23は試料ステージ、24はマーク台、25はウェハ21と対物レンズ17の下面との間に減速電界を形成するためのリターディング電源である。また、30は制御コンピュータ、31はレンズ制御回路、32はCP選択回路、33はビーム偏向回路、34はステージ制御回路、35はパターンデータを示している。
【0025】
電子銃11から放出された電子ビーム18は、コンデンサレンズ12で希望の電流密度へ調整され、CP選択偏向器13でCPアパーチャマスク14上の任意のCPアパーチャを選択することにより、CPアパーチャマスク14で希望のビーム形状へ成形される。そして、縮小レンズ15と対物レンズ16で希望とする寸法に縮小され、ウェハ21上に結像して転写される。ウェハ21上の露光位置は、対物偏向器17で偏向されて決定される。ウェハホルダ22はアースから絶縁され、リターディング電源25で必要とする電圧を印加できるようになっている。また、レンズ制御回路31,CP選択回路32,ビーム偏向回路33,ステージ制御回路34は、制御コンピュータ30により制御される。
【0026】
図2は、リターディング電圧を印加したときの電気力線の様子を示している。図2(a)は、ウェハ21が光軸の近くにあった場合で、ウェハ21の中心付近の電気力線101は光軸に対して平行に進む。図2(b)は、ウェハ21の位置が変化した場合で、ウェハ21の端付近では電気力線101は光軸に対して平行には進まない。また、ビームの位置校正用のマーク台24にはリターディング電圧は印加されていない。
【0027】
このようにステージ22の位置が変化して、ウェハ21の端近くを露光する場合は、リターディング電圧を印加することにより発生する電場によりビーム位置の変化の振る舞いがウェハ中心が光軸中心にある場合と異なる。
【0028】
次に、本実施形態におけるビーム位置補正動作を、図3のフローチャートを参照して説明する。
【0029】
まず、リターディング電圧を印加しない状態で、焦点と非点補正、対物偏向器17の偏向感度等の校正を行う。このときは、校正用のマークを用いても、ウェハ21上にあるマークを用いてもよい。この工程は公知の校正方法と同じである。次いで、マーク付きのウェハ21をホルダ22にセットする。
【0030】
これ以降が、リターディング電圧印加による位置ずれ補正ステップであり、最初にステップS1として、リターディング電圧を印加せず、偏向中心でステージを移動してウェハ各点のマークの位置を計測する。即ち、対物偏向器17でビームを偏向することなく、ステージ22を移動させることにより各マーク位置を順次計測する。
【0031】
次いで、ステップS2として、リターディング電圧を印加して、偏向中心で焦点・非点調整を行う。さらに、偏向中心でステージを移動してウェハ各点のマークの位置を計測する。
【0032】
次いで、ステップS3として、S1とS2の各ステップの同じマーク位置での検出されるマーク位置の差を求める。図4(a)にその結果を示す。マーク位置のずれが発生するのは、図4(b)に示すように、ビームの入射角度と電界の方向が平行でないために発生する。図4(a)からシフト項を求める。ビームの位置ずれのシフト項が減速電界によるビームの位置ずれを表して、長さが異なるのは電界の不均一性を表している。
【0033】
次いで、ステップS4として、リターディング電圧を印加せず、あるステージ位置(ウェハ中心が光軸付近にあるのが望ましい)で、各偏向電圧におけるマークの位置を計測する。即ち、ウエハ中心付近でビームを偏向してウェハ上のマークの位置を計測する。
【0034】
次いで、ステップS5として、リターディング電圧を印加し、偏向中心で焦点・非点調整を行う。さらに、あるステージ位置(ウェハ中心が光軸付近にあるのが望ましい)で、各偏向電圧におけるマークの位置を計測する。
【0035】
次いで、ステップS6として、S4とS5の各ステップの同じ偏向電圧における検出されるマーク位置の差(即ち、ビーム位置の差)を求める。図5(a)にその結果を示す。マーク位置のずれが発生するのは、図5(b)に示すようにビーム18の入射角度と電界101の方向が平行でないために発生する。
【0036】
ここで、上記得られるマーク位置の差は、リターディング電圧の印加の有無によるウェハ位置に対するビーム位置ずれ量が含まれているため、
偏向中心付近におけるビーム位置ずれ102を減じる。 図5(a)から偏向中心のビーム位置ずれ401を減じた値を求め、図5(a)から偏向中心付近のビームの位置ずれ(図4(a)中の103)を減じた値を、図6(a)に示す。また、ビームの位置ずれ102が偏向中心から離れるに従い大きくなっているのは、ビーム18の入射角度が偏向位置により異なるために発生している。よって、このずれは、図6(b)に示すように、偏向領域に応じたビーム18の入射角度の変化を表している。
【0037】
次いで、ステップS7として、S3で求めた減速電界によるビーム位置ずれとS5で求めたビームの入射角度によるビーム位置ずれとの関係より、S1で求めたビームの位置に対して、
(減速電界による位置ずれ+入射角度による位置ずれ)
の補正を行う。補正はベクトルを考慮して補正を行う。
【0038】
ここで、露光時のウェハの位置と偏向位置は露光データから求めることができる。即ち、ウェハの位置と偏向領域に依存したビーム位置の補正値は予め分かる。従って、偏向位置は予め露光データより算出されるので、その偏向位置のデータより、入射角度による位置ずれへ換算して補正する。これらの補正値は、リターディング電圧が一定であれば再現性良く得ることができるので、予めウェハの位置に対して補正を行えば、繰り返し良く露光を行うことができる。
【0039】
上記のS1〜S7のステップにより、リターディング電界による非均一性を求めることができ、その電界とビームの入射角度の関係から、ビームの位置ずれを補正することが可能となり、高精度な露光が可能となる。従って、例えばM&M方式のように光露光と併用する場合、リターディング電圧の印加によりレジストに対する電子ビームの感度を上げることができ、しかもリターディングによるビーム位置ずれをなくすことができ、M&M方式の利点を生かしながら、極めて高い精度で露光を行うことが可能となる。
【0040】
(第2の実施形態)
図7は、本発明の第2の実施形態に係わる電子ビーム露光方法における位置補正動作を説明するためのフローチャートである。
【0041】
本実施形態ではまず、ステップS11として、第1の実施形態のS1のステップと同様に、リターディング電圧を印加しない状態で、ステージを移動してビームの偏向中心で試料上の各マークの位置を測定する。続いて、ステップS12としてS4のステップと同様に、リターディング電圧を印加しない状態で、ステージ中心付近でビームを偏向してウェハ21上の各マークの位置を測定する(S12)。
【0042】
次いで、ステップS13としてS2のステップと同様に、リターディング電圧を印加した状態でステージ23を移動してビームの偏向中心でウェハ21上の各マークの位置を測定する。続いて、ステップS14としてS5のステップと同様に、リターディング電圧を印加した状態で、ステージ中心付近でビームを偏向してウェハ21上の各マークの位置を測定する。
【0043】
次いで、ステップS15として、S11のステップによるマーク位置とS13のステップによるマーク位置との差から、リターディング電圧の印加の有無によるウェハ位置に対するビーム位置ずれ量を求める。次いで、ステップS16として、S12のステップによるマーク位置とS14のステップによるマーク位置との差から、S15のステップで求めたステージ中心付近におけるビーム位置ずれ量を減じることにより、リターディング電圧の印加の有無によるビーム偏向量に対するビーム位置ずれ量を求める。
【0044】
そして、ステップS17として、S15のステップで求めた試料位置に対するビーム位置ずれ量とS16のステップで求めたビーム偏向量に対するビーム位置ずれ量を基に、ビーム位置に対して補正量を決定する。
【0045】
このような方法であっても、先の第1の実施形態と同様に、リターディング電圧を印加したときのビームの位置ずれを試料上の全面に対して正確に補正することができ、第1の実施形態と同様の効果が得られる。また本実施形態では、リターディング電圧の印加の有無の切り替えが1回で済むことから、補正処理に要する時間を短縮できる利点もある。
【0046】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。実施形態では、試料と対物レンズ下面との間に減速電圧を印加してビームを減速させる露光装置の例を説明したが、これとは逆に加速電圧の印加により加速電界を形成する露光装置にも、本発明は同様に適用することができる。また、電子ビーム露光に限らず、イオンビーム露光に適用することも可能である。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施することができる。
【0047】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、加減速電圧の有無によるビームの位置ずれを、試料上の位置とビーム偏向量に応じて補正することにより、リターディング電圧を印加したときのビームの位置ずれを試料上の全面に対して正確に補正することができ、露光精度の向上をはかることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係わる電子ビーム露光装置を示す概略構成図。
【図2】リターディング電圧を印加したときの電気力線の様子を示す図。
【図3】第1の実施形態における位置補正動作を説明するためのフローチャート。
【図4】リターディングの有無におけるウェハ位置に対するビームの位置ずれと、偏向中心付近でのビームの位置ずれと電界の関係を示す図。
【図5】リターディング電圧の有無における偏向位置に対するビーム位置ずれと、偏向領域でのビームの移動と電界の関係を示す図。
【図6】リターディングの有無における、ウェハ中心付近で偏向中心のビームの移動量を除いた偏向位置に対するビーム位置ずれと、偏向中心でのビームの移動量を減じた偏向領域の違いでのビームの移動量と電界との関係を示す図。
【図7】第2の実施形態における位置補正動作を説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
11…電子銃
12…コンデンサレンズ
13…CP選択偏向器
14…CPアパーチャマスク
15…縮小レンズ
16…対物偏向器
17…対物レンズ
18…電子ビーム
21…ウェハ
22…ウェハホルダ
23…ステージ
24…マーク台
25…リターディング電源
30…制御コンピュータ
31…レンズ制御回路
32…CP選択回路
33…ビーム偏向回路
34…ステージ制御回路
35…パターンデータ
101…電界
102…位置ずれ
Claims (4)
- 試料ステージ上に載置された試料上に荷電ビームを照射して該試料に所望パターンを露光する荷電ビーム露光方法であって、試料近傍に加減速電圧による加減速電界を形成して試料上に入射するビームの速度を加減速させた荷電ビーム露光方法において、
前記加減速電圧を印加した状態と印加しない状態の各々で、前記試料ステージを移動してビームの偏向中心で前記試料上の各マークの位置を測定し、前記加減速電圧の印加の有無による試料位置に対するビーム位置ずれ量を求める工程と、
前記加減速電圧を印加した状態と印加しない状態の各々で、前記試料ステージ中心付近でビームを偏向して前記試料上の各マークの位置を測定し、前記加減速電圧の印加の有無によるビーム偏向量に対するビーム位置ずれ量を求める工程と、
前記求められた試料位置に対するビーム位置ずれ量とビーム偏向量に対するビーム位置ずれ量を基に、前記加減速電圧の印加の有無によるビームの位置ずれを補正するための補正量を求める工程と、
前記求めた補正量を基に、前記加減速電圧の有無によるビームの位置ずれを、試料上の位置とビーム偏向量に応じて補正する工程と、
を含むことを特徴とする荷電ビーム露光方法。 - 試料ステージ上に載置された試料上に荷電ビームを照射して該試料に所望パターンを露光する荷電ビーム露光方法であって、試料近傍に加減速電圧による加減速電界を形成して試料上に入射するビームの速度を加減速させた荷電ビーム露光方法において、
前記加減速電圧を印加しない状態で、前記試料ステージを移動してビームの偏向中心で前記試料上の各マークの位置を測定する第1の工程と、前記加減速電圧を印加した状態で前記試料ステージを移動してビームの偏向中心で前記試料上の各マークの位置を測定する第2の工程と、第1の工程によるマーク位置と第2の工程によるマーク位置との差から、前記加減速電圧の印加の有無による試料位置に対するビーム位置ずれ量を求める第3の工程と、
前記加減速電圧を印加しない状態で、前記試料ステージ中心付近でビームを偏向して前記試料上の各マークの位置を測定する第4の工程と、前記加減速電圧を印加した状態で、前記試料ステージ中心付近でビームを偏向して前記試料上の各マークの位置を測定する第5の工程と、第4の工程によるマーク位置と第5の工程によるマーク位置との差から、第3の工程で求めた試料ステージ中心付近におけるビーム位置ずれ量を減じることにより、前記加減速電圧の印加の有無によるビーム偏向量に対するビーム位置ずれ量を求める第6の工程と、
第3の工程で求めた試料位置に対するビーム位置ずれ量と第6の工程で求めたビーム偏向量に対するビーム位置ずれ量を基に、前記加減速電圧の印加の有無によるビームの位置ずれを補正するための補正量を決定する第7の工程と、
前記求めた補正量を基に、前記加減速電圧の有無によるビームの位置ずれを、試料上の位置とビーム偏向量に応じて補正する第8の工程と、
を含むことを特徴とする荷電ビーム露光方法。 - 試料ステージ上に載置された試料上に荷電ビームを照射して該試料に所望パターンを露光する荷電ビーム露光方法であって、試料近傍に加減速電圧による加減速電界を形成して試料上に入射するビームの速度を加減速させた荷電ビーム露光方法において、
前記加減速電圧を印加しない状態で、前記試料ステージを移動してビームの偏向中心で前記試料上の各マークの位置を測定する第1の工程と、前記加減速電圧を印加しない状態で、前記試料ステージ中心付近でビームを偏向して前記試料上の各マークの位置を測定する第2の工程と、前記加減速電圧を印加した状態で前記試料ステージを移動してビームの偏向中心で前記試料上の各マークの位置を測定する第3の工程と、前記加減速電圧を印加した状態で、前記試料ステージ中心付近でビームを偏向して前記試料上の各マークの位置 を測定する第4の工程と、
第1の工程によるマーク位置と第3の工程によるマーク位置との差から、前記加減速電圧の印加の有無による試料位置に対するビーム位置ずれ量を求める第5の工程と、
第2の工程によるマーク位置と第4の工程によるマーク位置との差から、第5の工程で求めたステージ中心付近におけるビーム位置ずれ量を減じることにより、前記加減速電圧の印加の有無によるビーム偏向量に対するビーム位置ずれ量を求める第6の工程と、
第5の工程で求めた試料位置に対するビーム位置ずれ量と第6の工程で求めたビーム偏向量に対するビーム位置ずれ量を基に、前記加減速電圧の印加の有無によるビームの位置ずれを補正するための補正量を決定する第7の工程と、
前記求めた補正量を基に、前記加減速電圧の有無によるビームの位置ずれを、試料上の位置とビーム偏向量に応じて補正する第8の工程と、
を含むことを特徴とする荷電ビーム露光方法。 - 荷電ビーム源から発生された荷電ビームを所望の形状に整形するためのアパーチャと、前記アパーチャにより整形されたビームを試料ステージ上に載置された試料上に結像させるための縮小レンズ及び対物レンズと、前記試料上のビーム位置を制御する対物偏向器と、前記試料面上に入射するビームの速度を加減速するための電源と、前記電源からの加減速電圧の有無によるビーム位置ずれを、試料面上の位置とビーム偏向量を基に補正するビーム位置ずれ補正部とを具備した荷電ビーム露光装置であって、
前記ビーム位置ずれ補正部は、
前記加減速電圧を印加した状態と印加しない状態の各々で、前記試料ステージを移動してビームの偏向中心で前記試料上の各マークの位置を測定し、前記加減速電圧の印加の有無による試料位置に対するビーム位置ずれ量を求める手段と、
前記加減速電圧を印加した状態と印加しない状態の各々で、前記試料ステージ中心付近でビームを偏向して前記試料上の各マークの位置を測定し、前記加減速電圧の印加の有無によるビーム偏向量に対するビーム位置ずれ量を求める手段と、
前記求められた試料位置に対するビーム位置ずれ量とビーム偏向量に対するビーム位置ずれ量を基に、前記加減速電圧の印加の有無によるビームの位置ずれを補正するための補正量を求める手段と、
前記求めた補正量を基に、前記加減速電圧の有無によるビームの位置ずれを、試料上の位置とビーム偏向量に応じて補正する手段と、
を含むことを特徴とする荷電ビーム露光装置。
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