JP3697494B2 - ビームエッジぼけ量測定方法及びリフォーカス量決定方法、これらの方法に用いられるステンシルマスク並びに荷電粒子ビーム露光方法及び装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、荷電粒子ビーム露光におけるビームエッジぼけ量測定方法及びリフォーカス量決定方法、これらの方法に用いられるステンシルマスク並びに荷電粒子ビーム露光方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
荷電粒子ビーム露光装置では、より微細パターンを描画するために、ビームエッジのぼけ、すなわち試料上のマスクパターン投影像のエッジ部ぼけを、できるだけ低減する必要がある。
図5は、従来の荷電粒子ビーム露光装置の概略構成を示す。
【0003】
荷電粒子銃10と露光対象物としての半導体ウェーハ11との間には、光軸に沿って成形絞り12、マスク13及び角度絞り14が配置されている。
荷電粒子銃10の一点から放射された荷電粒子ビーム、例えば電子ビーム(以下、荷電粒子ビームは電子ビームであるとする。)の縦断面を光軸と直角な方向に拡大したものが2点鎖線15のようになるように、電磁レンズ21〜25が配置されている。電磁レンズ21は、成形絞り12を上下に挟むように配置された電磁レンズ21Aと電磁レンズ21Bとからなり、電磁レンズ22は、マスク13を上下に挟むように配置された電磁レンズ22Aと電磁レンズ22Bとからなる。
【0004】
成形絞り12とマスク13との間には成形偏向器26が配置され、マスク13と角度絞り14との間にはブランキング偏向器27が配置され、対物レンズ25内には荷電粒子ビーム走査用の主偏向器28及び副偏向器29が配置されている。
荷電粒子銃10から射出された電子ビームは、成形絞り12の矩形アパーチャ12aを通ってその断面が矩形に成形され、成形偏向器26で偏向されて、この矩形の像がマスク13上に形成され、矩形像と矩形アパーチャ13aとの論理積部分が矩形アパーチャ13aを通る。これにより、電子ビーム横断面は、成形偏向器26による偏向量に応じた可変矩形にされる。電子ビームは、さらに角度絞り14の円形アパーチャ14aを通ってその角度が制限され、次いで主偏向器28及び副偏向器29で偏向されて、前記可変矩形がウェーハ11上の所望の位置に縮小投影される。
【0005】
ビーム中の電子相互間にクーロン反発力が働くために、ウェーハ11上の投影像にぼけが生ずる。これを補正するために、マスク13の下方にリフォーカスコイル30が、その軸を光軸AXに一致させて配置されている。矩形アパーチャ12aを通るビーム電流は一定であり、ぼけ補正用リフォーカス量は、矩形アパーチャ13aを通過するビームの電流にほぼ比例するので、矩形アパーチャ13aとこの位置での成形絞り12の像とが重なりあう面積に比例した電流Ir、すなわち成形偏向器26での偏向量に応じた電流Irが、リフォーカス量としてリフォーカスコイル30に供給される。
【0006】
マスク13としてステンシルマスクを用いた場合にも同様にリフォーカス補正が行われる。
リフォーカス量を決定するために、従来では次のようにしてビームエッジぼけ量を測定していた。すなわち、シリコンSiのウェーハ11上に、図6(A)に示す如く、シリコンSiよりも電子反射率及び2次電子放出率が高いタンタル膜Taのナイフエッジを形成しておく。図5の副偏向器29でビームを走査させて、投影像BSに対しタンタル膜Taのナイフエッジを横切らせ、この際、照射点からの反射電子又は/及び2次電子を電子検出器31及び32で検出する。そして、電子検出器31及び32の出力S1とS2との和である図6(B)に示すような電子検出量Sを求める。この電子検出量Sをビーム走査位置Xにつき微分して図6(C)に示すような波形DSを取得し、その最大値DS0が90%から10%まで変化する距離をビームエッジぼけ量δとして求める。ビーム走査位置Xは、副偏向器29への印加電圧との関係で定まる。
【0007】
従来では、このビームエッジぼけ量δを最小にするリフォーカス量Irを、面積の異なる投影像BSについて決定し、可変矩形の面積とリフォーカス量Irとの関係を直線近似し、これに基づき、任意形状のブロックパターンについてその面積からリフォーカス量Irを決定していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ビームエッジぼけ量δには、クーロン相互作用以外に、投影像BSのサイズが大きくなることに起因する、開口面積に比例しない成分を含んでいるため、このようにして決定されたリフォーカス量Irを用いても、ビームエッジぼけ量δを最小にすることができず、パターンの微細化を妨げる原因となっていた。
【0009】
また、上記直線近似せずに具体的なブロックパターンについてビームエッジぼけ量δを測定しても、前記と同じ理由により、前記問題が生ずる。例えば図7(A)に示すようなラインアンドスペースのブロックパターンでは、試料上でのラインパターン長手方向に直角なライン上の電流密度プロファイルが、図7(B)のようになる。図7(A)のアパーチャを通るビーム内電子は、その方向や速度にばらつきがある。同一方向であっても速度が異なれば電磁界から受ける力や通過時間が異なるので、試料上照射点が異なることになる。このため、アパーチャ132を通ったビーム内電子の一部は、クーロン相互作用と無関係にプロファイル端部E1に寄与する。したがって、プロファイル端部E1についてビームエッジぼけ量δを測定しても、クーロン相互作用のみによるビームエッジぼけ量δを正確に測定することができず、前記問題が生ずる。
【0010】
本発明の目的は、このような問題点に鑑み、より適正なリフォーカス量を決定することが可能なビームエッジぼけ量測定方法及びリフォーカス量決定方法、これらの方法に用いられるステンシルマスク並びに荷電粒子ビーム露光方法及び装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段及びその作用効果】
請求項1のステンシルマスクでは、
荷電粒子ビームのエッジぼけ量を実質的に測定するためのライン形第1開口部と、
該エッジぼけ量のクーロン相互作用以外の成分が無視できる程度に該第1開口部と離間して形成され、該第1開口部と同時に該荷電粒子ビームが通される第2開口部とが、
同時露光するためのブロックパターンとして形成されている。
【0012】
このステンシルマスクを用いて、ライン形第1開口部を通った荷電粒子ビームのエッジぼけ量を実質的に測定すれば、第1開口部と第2開口部とがエッジぼけ量のクーロン相互作用以外の成分が無視できる程度に離間しているので、エッジぼけ量はほぼクーロン相互作用のみに基づくものとなるという効果を奏する。
請求項2のビームエッジぼけ量測定方法では、請求項1のステンシルマスクを用い、上記第1開口部を通った荷電粒子ビームのエッジぼけ量を実質的に測定する。
【0013】
請求項3のビームエッジぼけ量測定方法では、請求項2において、
上記荷電粒子ビームは電子ビームであり、
試料上の電子反射率又は2次電子放出率が急変する部分を電子ビーム照射点が通るように該電子ビームを該試料上で走査させ、
該電子ビーム照射点からの反射電子又は2次電子の量を検出し、
その検出量又は該検出量の微分値に基づいて上記エッジぼけ量を実質的に測定する。
【0014】
請求項4のリフォーカス量決定方法では、請求項1のステンシルマスクを用い、上記第1開口部を通った荷電粒子ビームのエッジぼけ量を実質的に測定し、該エッジぼけ量が最小になるように、荷電粒子ビームに対するリフォーカス量を決定する。
このリフォーカス量決定方法によれば、ビームエッジぼけ量が殆どクーロン相互作用のみに基づくものであるので、マスクの任意の開口パターンに対しこの関係に基づいてクーロン相互作用補正用リフォーカス量を決定することにより、従来よりもビームエッジぼけ量を低減することが可能になるという効果を奏し、露光パターンの微細化に寄与するところが大きい。
【0015】
請求項5では、上記第1開口部と上記第2開口部との開口面積合計が異なる複数のブロックパターンが形成されている請求項1のステンシルマスクを用い、
該複数のブロックパターンの各々について、上記第1開口部を通った荷電粒子ビームのエッジぼけ量を実質的に測定し、該エッジぼけ量が最小になる、荷電粒子ビームに対するリフォーカス量を決定し、
該複数のブロックパターンの各々の該開口面積合計に対し決定された該リフォーカス量に基づいて、ステンシルマスク上の任意のブロックパターンの開口面積に対するリフォーカス量の関係を直線近似する。
【0016】
請求項6のリフォーカス量決定方法では、請求項1のステンシルマスクを用い、上記第2開口部への荷電粒子照射面積を変え、その各々の荷電粒子照射面積について、上記第1開口部を通った荷電粒子ビームのエッジぼけ量を実質的に測定し、該エッジぼけ量が最小になる、荷電粒子ビームに対するリフォーカス量を決定し、
複数の荷電粒子照射面積の各々に対し決定された該リフォーカス量に基づいて、ステンシルマスク上の任意のブロックパターンの開口面積に対するリフォーカス量の関係を決定する。
【0017】
この方法によれば、ステンシルマスク上に形成された1つのリフォーカス量決定用ブロックマスクに対する荷電粒子ビームの照射位置を変えるだけで、該ステンシルマスク上に複数のリフォーカス量決定用ブロックマスクを形成してこれらを用いた場合と同じ結果が得られるという利点を有する。
請求項7のリフォーカス量決定方法では、請求項4乃至6のいずれかにおいて、上記荷電粒子ビームは電子ビームであり、
試料上の電子反射率又は2次電子放出率が急変する部分を電子ビーム照射点が通るように該電子ビームを該試料上で走査させ、
該電子ビーム照射点からの反射電子又は2次電子の量を検出し、
その検出量又は該検出量の微分値に基づいて上記ぼけ量を実質的に測定する。
【0018】
請求項8の荷電粒子ビーム露光方法では、請求項4乃至7のいずれか1つに記載のリフォーカス量決定方法で決定したリフォーカス量で荷電粒子ビームのフォーカスを補正して露光を行う。
請求項8の荷電粒子ビーム露光装置では、
請求項1記載のステンシルマスクと、
該ステンシルマスク上のブロックパターンに荷電粒子ビームを照射させて、該ブロックパターンを試料上に縮小投影させる光学系と、
該荷電粒子ビームを試料上で走査させる偏向器とを有する。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の一実施形態を説明する。
図1(A)及び(B)は、ビームエッジぼけ量測定方法に用いられるステンシルマスク40A及び40Bのブロックパターンを示す。ハッチングを施した部分は、基材部である。
【0020】
ステンシルマスク40Aは、図5の矩形マスク13の代わりに用いられ、アパーチャ41と42とを含む矩形領域に荷電粒子ビームが照射され、アパーチャ41及び42の像がウェーハ11上に同時に縮小投影される。ライン形開口部としてのアパーチャ41は、例えば配線パターンに対応している。縮小投影の倍率を1/M、例えば1/60とすると、アパーチャ41の線幅は例えば0.1Mμmである。
【0021】
アパーチャ42をアパーチャ41に接近させると、図7について上述したように、アパーチャ41を通った電子ビームのぼけに、アパーチャ42を通った電子ビームの一部の影響によるクーロン相互作用以外のものが含まれることになる。
そこで、アパーチャ41と、このような影響が無視できる距離(以下、これを不重距離と称す)以上離間して、アパーチャ42が形成されている。アパーチャ41と42の間の基材部幅は例えば0.4Mμmである。アパーチャ42の幅は、例えば4.0Mμmである。
【0022】
アパーチャ41及び42のウェーハ11上の像はそれぞれ、図2(A)に示す投影像BS1及びBS2のようになる。
図6(A)の場合と同様に、図2(A)に示す如く、シリコンSiのウェーハ11上に、シリコンSiよりも電子反射率及び2次電子放出率が高いタンタル膜Taのナイフエッジを形成しておく。図5の副偏向器29でビームを走査させて投影像BSに対し、タンタル膜Taのナイフエッジを横切らせ、この際、電子検出器31及び32の出力S1とS2との和である図2(B)に示すような電子検出量Sを求める。この電子検出量Sをビーム走査位置Xにつき微分して図2(C)に示すような波形DSを取得し、投影像BS1のエッジに対応した部分の最大値DS1が90%から10%まで変化する距離をビームエッジぼけ量δaとして求める。
【0023】
δaの測定精度を高くするために、投影像BS1の長手方向はタンタル膜Taのナイフエッジと平行にされ、投影像BS1の走査方向はその長手方向と直角な方向にされる。
微分波形DSにおいて、投影像BS2のエッジに対応した部分の最大値DS2が90%から10%まで変化する距離をδaxとすると、δa<δaxとなる。
これは、ビームエッジぼけ量δaにはアパーチャ42を通った電子ビームの一部の影響が殆ど含まれていないので、ほぼクーロン相互作用のみに基づくものとなり、これに対し、ビームエッジぼけ量δaxには、アパーチャ42が広いのでアパーチャ42のエッジ部の近くを通った電子ビームの一部の影響が含まれているからである。
【0024】
他方、電子ビーム内のクーロン相互作用は、主に図5の2点鎖線15のクロスオーバ点で生ずるので、アパーチャ41と42との離間は、クーロン相互作用によるウェーハ11上でのぼけに影響しない。すなわち、ビームエッジぼけ量δaに含まれるクーロン相互作用に基づく成分は、δaxのそれと同一であり、ブロックパターン開口面積Aa=A1+A2に依存する。
【0025】
そこで、リフォーカス量Ir決定用としてビームエッジぼけ量δaを測定する。リフォーカス量Irを変化させて、ビームエッジぼけ量δaが最小値δaminとなるIr=Ir1を求める。
次に、図1(B)に示すステンシルマスク40Bを用い、上記同様にして、ビームエッジぼけ量最小値δaminに対応したビームエッジぼけ量最小値δbminを探索し、このときのリフォーカス量IrをIr2として求める。
【0026】
ステンシルマスク40Bには、ステンシルマスク40Aのアパーチャ41と同一形状のものと、アパーチャ42と異なる面積A3のアパーチャ43とが形成されている。ブロックパターン開口面積AbはA1+A3である。アパーチャ43は、上記同様の理由で、アパーチャ41から不重距離以上離間している。
図1(C)に示す如く、2点(Aa,δamin)及び(Ab,δbmin)を通る直線で、任意のブロックパターン開口面積Aに対するリフォーカス量Irを近似する。
【0027】
ビームエッジぼけ量最小値δamin及びδbminは殆どクーロン相互作用のみに基づくものであるので、任意のブロックパターンに対しこの関係に基づいてクーロン相互作用補正用リフォーカス量Irを決定することにより、従来よりもビームエッジぼけ量δを低減することが可能となる。これにより、従来よりも微細なパターンを露光することが可能となる。
【0028】
ビームエッジぼけ量δbがブロックパターン開口面積Abにより定まることから、図1(B)のステンシルマスク40Bの替わりに、図5(A)〜(C)に示すようなブロックパターン開口面積Abのステンシルマスク40C、40D又は40Eを用いてもよい。
ステンシルマスク40Cのアパー43Aの面積はA3であり、ステンシルマスク40Dのアパーチャ431〜436の合計面積はA3あり、ステンシルマスク40Eのアパーチャ43Bの面積もA3である。また、ステンシルマスク40C、40D及び40Eにはいずれもアパーチャ41が形成され、アパーチャ43A、431及び43Bはいずれもアパーチャ41と不重距離以上離れている。
【0029】
次に、図4を参照して、本発明の他の実施形態のリフォーカス量決定方法を説明する。
この方法では、1つのブロックパターンを用いて、2以上のブロックパターンを用いた場合と同じ結果を得る。
すなわち、図4(A)に示す如く、ステンシルマスク40A上に図5中のアパーチャ12aの像12Iを形成し、上記実施形態の場合と同様に、アパーチャ41を通った電子ビームのエッジぼけ量δを測定し、これが最小になるリフォーカス量を決定する。
【0030】
次に、図5の偏向器26により、ステンシルマスク40A上のアパーチャ12aの像12Iを図4(B)に示す如くずらして、アパーチャ42と像121との重なり部分の面積を前記の場合と異ならせ、前記同様に、アパーチャ41を通った電子ビームのエッジぼけ量δを測定し、これが最小になるリフォーカス量を決定する。
【0031】
これにより、図1(C)と同じ関係が得られる。
この方法によれば、ステンシルマスク上にリフォーカス量決定用ブロックマスクを1つ形成し、ステンシルマスク上の電子ビーム照射位置を変えるだけで、複数のリフォーカス量決定用ブロックマスクを形成してこれらを用いた場合と同じ結果が得られるという利点を有する。
【0032】
なお、本発明には外にも種々の変形例が含まれる。
例えば、図1(C)の近似直線を3点以上の測定点に基づいて最小2乗法により求めてもよいことは勿論である。
また、アパーチャ41はビームエッジぼけ量δへの上記影響が無視できる程度に細幅であればよく、実際の配線パターンに対応していなくてもよい。
【0033】
さらに、上記実施形態ではライン形開口部が1本のアパーチャ41である場合を説明したが、ライン形開口部は、例えば同一直線上で途切れた複数本のアパーチャで構成されていてもよい。
ビームエッジぼけ量は、リフォーカス量の決定のみではなく、露光における近接効果の計算にも用いられるので、本発明のビームエッジぼけ量測定方法はそれのみで技術的意義がある。
【0034】
また、上述のステンシルマスクを用いてビームエッジシャープネスを測定することにより、実質的に本発明に係るビームエッジぼけ量を測定する構成であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)及び(B)は本発明の一実施形態のビームエッジぼけ量測定方法に用いられるステンシルマスクのブロックパターンを示す図であり、(C)はブロックパターン開口面積とリフォーカス量との関係を示す線図である。
【図2】図1(A)のブロックパターンを用いたビームエッジぼけ量測定説明図である。
【図3】図1(B)のブロックパターンの変形例を示す図である。
【図4】本発明の他の実施形態に係り、1つのブロックパターンを用いて図1(C)の関係得る方法の説明図である。
【図5】従来の荷電粒子ビーム露光装置光学系の概略構成図である。
【図6】従来のビームエッジぼけ量測定説明図である。
【図7】従来技術の問題点説明図である。
【符号の説明】
11 ウェーハ
12a、13a 矩形アパーチャ
13 マスク
29 副偏向器
30 リフォーカスコイル
31、32 電子検出器
40A〜40E ステンシルマスク
41〜43、132、43A、43B、431〜436 アパーチャ
S 電子検出量
δa、δb ビームエッジぼけ量
δamin、δbmin ビームエッジぼけ量最小値
Si シリコン
Ta タンタル膜
BS、BS1、BS2 投影像
【発明の属する技術分野】
本発明は、荷電粒子ビーム露光におけるビームエッジぼけ量測定方法及びリフォーカス量決定方法、これらの方法に用いられるステンシルマスク並びに荷電粒子ビーム露光方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
荷電粒子ビーム露光装置では、より微細パターンを描画するために、ビームエッジのぼけ、すなわち試料上のマスクパターン投影像のエッジ部ぼけを、できるだけ低減する必要がある。
図5は、従来の荷電粒子ビーム露光装置の概略構成を示す。
【0003】
荷電粒子銃10と露光対象物としての半導体ウェーハ11との間には、光軸に沿って成形絞り12、マスク13及び角度絞り14が配置されている。
荷電粒子銃10の一点から放射された荷電粒子ビーム、例えば電子ビーム(以下、荷電粒子ビームは電子ビームであるとする。)の縦断面を光軸と直角な方向に拡大したものが2点鎖線15のようになるように、電磁レンズ21〜25が配置されている。電磁レンズ21は、成形絞り12を上下に挟むように配置された電磁レンズ21Aと電磁レンズ21Bとからなり、電磁レンズ22は、マスク13を上下に挟むように配置された電磁レンズ22Aと電磁レンズ22Bとからなる。
【0004】
成形絞り12とマスク13との間には成形偏向器26が配置され、マスク13と角度絞り14との間にはブランキング偏向器27が配置され、対物レンズ25内には荷電粒子ビーム走査用の主偏向器28及び副偏向器29が配置されている。
荷電粒子銃10から射出された電子ビームは、成形絞り12の矩形アパーチャ12aを通ってその断面が矩形に成形され、成形偏向器26で偏向されて、この矩形の像がマスク13上に形成され、矩形像と矩形アパーチャ13aとの論理積部分が矩形アパーチャ13aを通る。これにより、電子ビーム横断面は、成形偏向器26による偏向量に応じた可変矩形にされる。電子ビームは、さらに角度絞り14の円形アパーチャ14aを通ってその角度が制限され、次いで主偏向器28及び副偏向器29で偏向されて、前記可変矩形がウェーハ11上の所望の位置に縮小投影される。
【0005】
ビーム中の電子相互間にクーロン反発力が働くために、ウェーハ11上の投影像にぼけが生ずる。これを補正するために、マスク13の下方にリフォーカスコイル30が、その軸を光軸AXに一致させて配置されている。矩形アパーチャ12aを通るビーム電流は一定であり、ぼけ補正用リフォーカス量は、矩形アパーチャ13aを通過するビームの電流にほぼ比例するので、矩形アパーチャ13aとこの位置での成形絞り12の像とが重なりあう面積に比例した電流Ir、すなわち成形偏向器26での偏向量に応じた電流Irが、リフォーカス量としてリフォーカスコイル30に供給される。
【0006】
マスク13としてステンシルマスクを用いた場合にも同様にリフォーカス補正が行われる。
リフォーカス量を決定するために、従来では次のようにしてビームエッジぼけ量を測定していた。すなわち、シリコンSiのウェーハ11上に、図6(A)に示す如く、シリコンSiよりも電子反射率及び2次電子放出率が高いタンタル膜Taのナイフエッジを形成しておく。図5の副偏向器29でビームを走査させて、投影像BSに対しタンタル膜Taのナイフエッジを横切らせ、この際、照射点からの反射電子又は/及び2次電子を電子検出器31及び32で検出する。そして、電子検出器31及び32の出力S1とS2との和である図6(B)に示すような電子検出量Sを求める。この電子検出量Sをビーム走査位置Xにつき微分して図6(C)に示すような波形DSを取得し、その最大値DS0が90%から10%まで変化する距離をビームエッジぼけ量δとして求める。ビーム走査位置Xは、副偏向器29への印加電圧との関係で定まる。
【0007】
従来では、このビームエッジぼけ量δを最小にするリフォーカス量Irを、面積の異なる投影像BSについて決定し、可変矩形の面積とリフォーカス量Irとの関係を直線近似し、これに基づき、任意形状のブロックパターンについてその面積からリフォーカス量Irを決定していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ビームエッジぼけ量δには、クーロン相互作用以外に、投影像BSのサイズが大きくなることに起因する、開口面積に比例しない成分を含んでいるため、このようにして決定されたリフォーカス量Irを用いても、ビームエッジぼけ量δを最小にすることができず、パターンの微細化を妨げる原因となっていた。
【0009】
また、上記直線近似せずに具体的なブロックパターンについてビームエッジぼけ量δを測定しても、前記と同じ理由により、前記問題が生ずる。例えば図7(A)に示すようなラインアンドスペースのブロックパターンでは、試料上でのラインパターン長手方向に直角なライン上の電流密度プロファイルが、図7(B)のようになる。図7(A)のアパーチャを通るビーム内電子は、その方向や速度にばらつきがある。同一方向であっても速度が異なれば電磁界から受ける力や通過時間が異なるので、試料上照射点が異なることになる。このため、アパーチャ132を通ったビーム内電子の一部は、クーロン相互作用と無関係にプロファイル端部E1に寄与する。したがって、プロファイル端部E1についてビームエッジぼけ量δを測定しても、クーロン相互作用のみによるビームエッジぼけ量δを正確に測定することができず、前記問題が生ずる。
【0010】
本発明の目的は、このような問題点に鑑み、より適正なリフォーカス量を決定することが可能なビームエッジぼけ量測定方法及びリフォーカス量決定方法、これらの方法に用いられるステンシルマスク並びに荷電粒子ビーム露光方法及び装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段及びその作用効果】
請求項1のステンシルマスクでは、
荷電粒子ビームのエッジぼけ量を実質的に測定するためのライン形第1開口部と、
該エッジぼけ量のクーロン相互作用以外の成分が無視できる程度に該第1開口部と離間して形成され、該第1開口部と同時に該荷電粒子ビームが通される第2開口部とが、
同時露光するためのブロックパターンとして形成されている。
【0012】
このステンシルマスクを用いて、ライン形第1開口部を通った荷電粒子ビームのエッジぼけ量を実質的に測定すれば、第1開口部と第2開口部とがエッジぼけ量のクーロン相互作用以外の成分が無視できる程度に離間しているので、エッジぼけ量はほぼクーロン相互作用のみに基づくものとなるという効果を奏する。
請求項2のビームエッジぼけ量測定方法では、請求項1のステンシルマスクを用い、上記第1開口部を通った荷電粒子ビームのエッジぼけ量を実質的に測定する。
【0013】
請求項3のビームエッジぼけ量測定方法では、請求項2において、
上記荷電粒子ビームは電子ビームであり、
試料上の電子反射率又は2次電子放出率が急変する部分を電子ビーム照射点が通るように該電子ビームを該試料上で走査させ、
該電子ビーム照射点からの反射電子又は2次電子の量を検出し、
その検出量又は該検出量の微分値に基づいて上記エッジぼけ量を実質的に測定する。
【0014】
請求項4のリフォーカス量決定方法では、請求項1のステンシルマスクを用い、上記第1開口部を通った荷電粒子ビームのエッジぼけ量を実質的に測定し、該エッジぼけ量が最小になるように、荷電粒子ビームに対するリフォーカス量を決定する。
このリフォーカス量決定方法によれば、ビームエッジぼけ量が殆どクーロン相互作用のみに基づくものであるので、マスクの任意の開口パターンに対しこの関係に基づいてクーロン相互作用補正用リフォーカス量を決定することにより、従来よりもビームエッジぼけ量を低減することが可能になるという効果を奏し、露光パターンの微細化に寄与するところが大きい。
【0015】
請求項5では、上記第1開口部と上記第2開口部との開口面積合計が異なる複数のブロックパターンが形成されている請求項1のステンシルマスクを用い、
該複数のブロックパターンの各々について、上記第1開口部を通った荷電粒子ビームのエッジぼけ量を実質的に測定し、該エッジぼけ量が最小になる、荷電粒子ビームに対するリフォーカス量を決定し、
該複数のブロックパターンの各々の該開口面積合計に対し決定された該リフォーカス量に基づいて、ステンシルマスク上の任意のブロックパターンの開口面積に対するリフォーカス量の関係を直線近似する。
【0016】
請求項6のリフォーカス量決定方法では、請求項1のステンシルマスクを用い、上記第2開口部への荷電粒子照射面積を変え、その各々の荷電粒子照射面積について、上記第1開口部を通った荷電粒子ビームのエッジぼけ量を実質的に測定し、該エッジぼけ量が最小になる、荷電粒子ビームに対するリフォーカス量を決定し、
複数の荷電粒子照射面積の各々に対し決定された該リフォーカス量に基づいて、ステンシルマスク上の任意のブロックパターンの開口面積に対するリフォーカス量の関係を決定する。
【0017】
この方法によれば、ステンシルマスク上に形成された1つのリフォーカス量決定用ブロックマスクに対する荷電粒子ビームの照射位置を変えるだけで、該ステンシルマスク上に複数のリフォーカス量決定用ブロックマスクを形成してこれらを用いた場合と同じ結果が得られるという利点を有する。
請求項7のリフォーカス量決定方法では、請求項4乃至6のいずれかにおいて、上記荷電粒子ビームは電子ビームであり、
試料上の電子反射率又は2次電子放出率が急変する部分を電子ビーム照射点が通るように該電子ビームを該試料上で走査させ、
該電子ビーム照射点からの反射電子又は2次電子の量を検出し、
その検出量又は該検出量の微分値に基づいて上記ぼけ量を実質的に測定する。
【0018】
請求項8の荷電粒子ビーム露光方法では、請求項4乃至7のいずれか1つに記載のリフォーカス量決定方法で決定したリフォーカス量で荷電粒子ビームのフォーカスを補正して露光を行う。
請求項8の荷電粒子ビーム露光装置では、
請求項1記載のステンシルマスクと、
該ステンシルマスク上のブロックパターンに荷電粒子ビームを照射させて、該ブロックパターンを試料上に縮小投影させる光学系と、
該荷電粒子ビームを試料上で走査させる偏向器とを有する。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の一実施形態を説明する。
図1(A)及び(B)は、ビームエッジぼけ量測定方法に用いられるステンシルマスク40A及び40Bのブロックパターンを示す。ハッチングを施した部分は、基材部である。
【0020】
ステンシルマスク40Aは、図5の矩形マスク13の代わりに用いられ、アパーチャ41と42とを含む矩形領域に荷電粒子ビームが照射され、アパーチャ41及び42の像がウェーハ11上に同時に縮小投影される。ライン形開口部としてのアパーチャ41は、例えば配線パターンに対応している。縮小投影の倍率を1/M、例えば1/60とすると、アパーチャ41の線幅は例えば0.1Mμmである。
【0021】
アパーチャ42をアパーチャ41に接近させると、図7について上述したように、アパーチャ41を通った電子ビームのぼけに、アパーチャ42を通った電子ビームの一部の影響によるクーロン相互作用以外のものが含まれることになる。
そこで、アパーチャ41と、このような影響が無視できる距離(以下、これを不重距離と称す)以上離間して、アパーチャ42が形成されている。アパーチャ41と42の間の基材部幅は例えば0.4Mμmである。アパーチャ42の幅は、例えば4.0Mμmである。
【0022】
アパーチャ41及び42のウェーハ11上の像はそれぞれ、図2(A)に示す投影像BS1及びBS2のようになる。
図6(A)の場合と同様に、図2(A)に示す如く、シリコンSiのウェーハ11上に、シリコンSiよりも電子反射率及び2次電子放出率が高いタンタル膜Taのナイフエッジを形成しておく。図5の副偏向器29でビームを走査させて投影像BSに対し、タンタル膜Taのナイフエッジを横切らせ、この際、電子検出器31及び32の出力S1とS2との和である図2(B)に示すような電子検出量Sを求める。この電子検出量Sをビーム走査位置Xにつき微分して図2(C)に示すような波形DSを取得し、投影像BS1のエッジに対応した部分の最大値DS1が90%から10%まで変化する距離をビームエッジぼけ量δaとして求める。
【0023】
δaの測定精度を高くするために、投影像BS1の長手方向はタンタル膜Taのナイフエッジと平行にされ、投影像BS1の走査方向はその長手方向と直角な方向にされる。
微分波形DSにおいて、投影像BS2のエッジに対応した部分の最大値DS2が90%から10%まで変化する距離をδaxとすると、δa<δaxとなる。
これは、ビームエッジぼけ量δaにはアパーチャ42を通った電子ビームの一部の影響が殆ど含まれていないので、ほぼクーロン相互作用のみに基づくものとなり、これに対し、ビームエッジぼけ量δaxには、アパーチャ42が広いのでアパーチャ42のエッジ部の近くを通った電子ビームの一部の影響が含まれているからである。
【0024】
他方、電子ビーム内のクーロン相互作用は、主に図5の2点鎖線15のクロスオーバ点で生ずるので、アパーチャ41と42との離間は、クーロン相互作用によるウェーハ11上でのぼけに影響しない。すなわち、ビームエッジぼけ量δaに含まれるクーロン相互作用に基づく成分は、δaxのそれと同一であり、ブロックパターン開口面積Aa=A1+A2に依存する。
【0025】
そこで、リフォーカス量Ir決定用としてビームエッジぼけ量δaを測定する。リフォーカス量Irを変化させて、ビームエッジぼけ量δaが最小値δaminとなるIr=Ir1を求める。
次に、図1(B)に示すステンシルマスク40Bを用い、上記同様にして、ビームエッジぼけ量最小値δaminに対応したビームエッジぼけ量最小値δbminを探索し、このときのリフォーカス量IrをIr2として求める。
【0026】
ステンシルマスク40Bには、ステンシルマスク40Aのアパーチャ41と同一形状のものと、アパーチャ42と異なる面積A3のアパーチャ43とが形成されている。ブロックパターン開口面積AbはA1+A3である。アパーチャ43は、上記同様の理由で、アパーチャ41から不重距離以上離間している。
図1(C)に示す如く、2点(Aa,δamin)及び(Ab,δbmin)を通る直線で、任意のブロックパターン開口面積Aに対するリフォーカス量Irを近似する。
【0027】
ビームエッジぼけ量最小値δamin及びδbminは殆どクーロン相互作用のみに基づくものであるので、任意のブロックパターンに対しこの関係に基づいてクーロン相互作用補正用リフォーカス量Irを決定することにより、従来よりもビームエッジぼけ量δを低減することが可能となる。これにより、従来よりも微細なパターンを露光することが可能となる。
【0028】
ビームエッジぼけ量δbがブロックパターン開口面積Abにより定まることから、図1(B)のステンシルマスク40Bの替わりに、図5(A)〜(C)に示すようなブロックパターン開口面積Abのステンシルマスク40C、40D又は40Eを用いてもよい。
ステンシルマスク40Cのアパー43Aの面積はA3であり、ステンシルマスク40Dのアパーチャ431〜436の合計面積はA3あり、ステンシルマスク40Eのアパーチャ43Bの面積もA3である。また、ステンシルマスク40C、40D及び40Eにはいずれもアパーチャ41が形成され、アパーチャ43A、431及び43Bはいずれもアパーチャ41と不重距離以上離れている。
【0029】
次に、図4を参照して、本発明の他の実施形態のリフォーカス量決定方法を説明する。
この方法では、1つのブロックパターンを用いて、2以上のブロックパターンを用いた場合と同じ結果を得る。
すなわち、図4(A)に示す如く、ステンシルマスク40A上に図5中のアパーチャ12aの像12Iを形成し、上記実施形態の場合と同様に、アパーチャ41を通った電子ビームのエッジぼけ量δを測定し、これが最小になるリフォーカス量を決定する。
【0030】
次に、図5の偏向器26により、ステンシルマスク40A上のアパーチャ12aの像12Iを図4(B)に示す如くずらして、アパーチャ42と像121との重なり部分の面積を前記の場合と異ならせ、前記同様に、アパーチャ41を通った電子ビームのエッジぼけ量δを測定し、これが最小になるリフォーカス量を決定する。
【0031】
これにより、図1(C)と同じ関係が得られる。
この方法によれば、ステンシルマスク上にリフォーカス量決定用ブロックマスクを1つ形成し、ステンシルマスク上の電子ビーム照射位置を変えるだけで、複数のリフォーカス量決定用ブロックマスクを形成してこれらを用いた場合と同じ結果が得られるという利点を有する。
【0032】
なお、本発明には外にも種々の変形例が含まれる。
例えば、図1(C)の近似直線を3点以上の測定点に基づいて最小2乗法により求めてもよいことは勿論である。
また、アパーチャ41はビームエッジぼけ量δへの上記影響が無視できる程度に細幅であればよく、実際の配線パターンに対応していなくてもよい。
【0033】
さらに、上記実施形態ではライン形開口部が1本のアパーチャ41である場合を説明したが、ライン形開口部は、例えば同一直線上で途切れた複数本のアパーチャで構成されていてもよい。
ビームエッジぼけ量は、リフォーカス量の決定のみではなく、露光における近接効果の計算にも用いられるので、本発明のビームエッジぼけ量測定方法はそれのみで技術的意義がある。
【0034】
また、上述のステンシルマスクを用いてビームエッジシャープネスを測定することにより、実質的に本発明に係るビームエッジぼけ量を測定する構成であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)及び(B)は本発明の一実施形態のビームエッジぼけ量測定方法に用いられるステンシルマスクのブロックパターンを示す図であり、(C)はブロックパターン開口面積とリフォーカス量との関係を示す線図である。
【図2】図1(A)のブロックパターンを用いたビームエッジぼけ量測定説明図である。
【図3】図1(B)のブロックパターンの変形例を示す図である。
【図4】本発明の他の実施形態に係り、1つのブロックパターンを用いて図1(C)の関係得る方法の説明図である。
【図5】従来の荷電粒子ビーム露光装置光学系の概略構成図である。
【図6】従来のビームエッジぼけ量測定説明図である。
【図7】従来技術の問題点説明図である。
【符号の説明】
11 ウェーハ
12a、13a 矩形アパーチャ
13 マスク
29 副偏向器
30 リフォーカスコイル
31、32 電子検出器
40A〜40E ステンシルマスク
41〜43、132、43A、43B、431〜436 アパーチャ
S 電子検出量
δa、δb ビームエッジぼけ量
δamin、δbmin ビームエッジぼけ量最小値
Si シリコン
Ta タンタル膜
BS、BS1、BS2 投影像
Claims (9)
- 荷電粒子ビームのエッジぼけ量を実質的に測定するためのライン形第1開口部と、
該エッジぼけ量のクーロン相互作用以外の成分が無視できる程度に該第1開口部と離間して形成され、該第1開口部と同時に該荷電粒子ビームが通される第2開口部とが、
同時露光するためのブロックパターンとして形成されていることを特徴とするステンシルマスク。 - 請求項1のステンシルマスクを用い、上記第1開口部を通った荷電粒子ビームのエッジぼけ量を実質的に測定することを特徴とするビームエッジぼけ量測定方法。
- 上記荷電粒子ビームは電子ビームであり、
試料上の電子反射率又は2次電子放出率が急変する部分を電子ビーム照射点が通るように該電子ビームを該試料上で走査させ、
該電子ビーム照射点からの反射電子又は2次電子の量を検出し、
その検出量又は該検出量の微分値に基づいて上記エッジぼけ量を実質的に測定する、
ことを特徴とする請求項2記載のビームエッジぼけ量測定方法。 - 請求項1のステンシルマスクを用い、上記第1開口部を通った荷電粒子ビームのエッジぼけ量を実質的に測定し、該エッジぼけ量が最小になるように、荷電粒子ビームに対するリフォーカス量を決定することを特徴とするリフォーカス量決定方法。
- 上記第1開口部と上記第2開口部との開口面積合計が異なる複数のブロックパターンが形成されている請求項1のステンシルマスクを用い、
該複数のブロックパターンの各々について、上記第1開口部を通った荷電粒子ビームのエッジぼけ量を実質的に測定し、該エッジぼけ量が最小になる、荷電粒子ビームに対するリフォーカス量を決定し、
該複数のブロックパターンの各々の該開口面積合計に対し決定された該リフォーカス量に基づいて、ステンシルマスク上の任意のブロックパターンの開口面積に対するリフォーカス量の関係を直線近似する、
ことを特徴とするリフォーカス量決定方法。 - 請求項1のステンシルマスクを用い、上記第2開口部への荷電粒子照射面積を変え、その各々の荷電粒子照射面積について、上記第1開口部を通った荷電粒子ビームのエッジぼけ量を実質的に測定し、該エッジぼけ量が最小になる、荷電粒子ビームに対するリフォーカス量を決定し、
複数の荷電粒子照射面積の各々に対し決定された該リフォーカス量に基づいて、ステンシルマスク上の任意のブロックパターンの開口面積に対するリフォーカス量の関係を決定する、
ことを特徴とするリフォーカス量決定方法。 - 上記荷電粒子ビームは電子ビームであり、
試料上の電子反射率又は2次電子放出率が急変する部分を電子ビーム照射点が通るように該電子ビームを該試料上で走査させ、
該電子ビーム照射点からの反射電子又は2次電子の量を検出し、
その検出量又は該検出量の微分値に基づいて上記ぼけ量を実質的に測定する、
ことを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1つに記載のリフォーカス量決定方法。 - 請求項4乃至7のいずれか1つに記載のリフォーカス量決定方法で決定したリフォーカス量で荷電粒子ビームのフォーカスを補正して露光を行うことを特徴とする荷電粒子ビーム露光方法。
- 請求項1記載のステンシルマスクと、
該ステンシルマスク上のブロックパターンに荷電粒子ビームを照射させて、該ブロックパターンを試料上に縮小投影させる光学系と、
該荷電粒子ビームを試料上で走査させる偏向器と、
を有することを特徴とする荷電粒子ビーム露光装置。
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