JP3419790B2 - 車両のシートに使用される単一制御ハンドルリリース機構 - Google Patents

車両のシートに使用される単一制御ハンドルリリース機構

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は、シートバックをリクライニングして水平方
向前方の押し込まれた位置に前方に折り曲げるようにす
るための2つのピボット軸を有する車両シートヒンジに
使用されるリリース機構に関し、特に、このような車両
シートヒンジで用いられる単一制御ハンドルリリース機
構に関する。
発明の背景 乗用車、特に複合車及び多用車は一般に、より機能的
な車両内部に対する増加する要求に対処するために、ユ
ーザーによって選択されて、双方ともリクライニングさ
れて実質的に水平方向に配置された前方に押し込まれた
位置に前方に折り曲げられる前部シートと後部シートと
を有している。車両シートをその前方の折り曲げられた
押し込み位置に置くことによって、車両内に大きな又は
長い物体を積載することが可能となり、また、ブリーフ
ケース、ラップトップ型コンピュータ、さらに食料や飲
料などの車両内で用いられる物品に対して便利で実質的
に水平方向に平坦な表面を提供する。
様々な先行技術による車両シートが存在するが、これ
らの車両シートは実質的に水平方向に配置された前方に
押し込まれた位置に前方に折り曲げられる。このような
車両シートは一般的には1対の車両シートヒンジを含ん
でいるが、このヒンジは各々が、車両シートクッション
に固定して取り付けられたマウンティングプレートを有
している。シートバックと結合しているセクタープレー
トはマウンティングプレートに旋回可能に搭載されて、
下方ピボット軸の周りで旋回運動するようになってい
る。回転制御プレートは上方ピボット軸の周りで旋回運
動するようにセクタープレートに旋回可能に搭載されて
いて、車両のシートバックに固定して取り付けられてい
る。
このような先行技術による車両シートでは、シートバ
ックは、一般的には複数のリクライニング位置さらに複
数の部分的に前方(縦方向に前方)に傾いた位置を含む
複数の角度位置同士間にある下方ピボット軸の周りで選
択的に旋回運動可能である。シートバックはまた、シー
トバックの後部表面が実質的に水平に位置している、設
計位置と前方に押し込まれた位置との間で上方ピボット
軸の周りで前方に折り曲げることができる。
先行技術では、車両シートバックを2つの実質的に平
行なピボット軸の周りでリクライニングして前方に折り
曲げるのを選択して制御するために、1つ以上の手動操
作可能なハンドルリリース機構を用いている。
この目的に添った1つの単一リリース機構が米国特許
第5,052,748号(フォーリー(Fourrey)ら)に開示され
ている。この特許に教示されているように、シートバッ
クが後方にリクライニングした位置にあると、爪機構が
シートバックピボット機構の1部分をロックアウトし、
これによって、シートバックがシートクッションの上に
前方に押し込まれるのを防止する。シートバックが直立
の設計位置にある場合は、シートバックをシートクッシ
ョンの上に前方に折り曲げるために、1つの手動起動可
能なレバーアームが上げられ、これによって即座にそし
て同時にシートバックが、下方ピボット軸と上方ピボッ
ト軸の双方の周りで前方に回転できるようにか又は下方
ピボット軸の周りにリクライニングできるようにする。
このような即座で同時に発生する解放は、リクライニン
グ機能を単独で制御することを妨げるので極めて望まし
くない。
別のこのようなリリース機構が米国特許第4,484,799
号(スズキ(Suzuki))に示されているが、これは、従
来型のリリース機構を用いて、車両シートクッションに
対してリクライニングするか最初に前方に折り曲げるか
するために選択的にシートバックを解放するものであ
る。最初にシートバックを前方に折り曲げた後は、シー
トクッションの単独ピンが、シートバックに回転可能に
搭載された分離したラッチによって係合される。
これら先行技術による特許の双方において、シートク
ッションとシートバックの上方ピボット軸間にはなんら
直接的なリンクも接続もないがこれは極めて望ましくは
ない。さらに、最初にシートバックを設計位置から前方
に、前方に折り曲げて移動させて、シートバックを完全
に前方に押し込まれた位置に移動させる必要がある。
本発明の1つの目的は、車両シートヒンジで用いられ
る、単一制御ハンドルを手動で操作して起動され得る単
一制御ハンドルリリース機構を提供することである。
本発明の別の目的は、車両シートヒンジで用いられ
る、最初にシートバックを設計位置の前方に前方方向に
折り曲げる必要がなく、単一制御ハンドルを手動で操作
して起動可能な単一制御ハンドルリリース機構を提供す
ることである。
本発明の更に別の目的は車両シートヒンジで用いられ
る、製造が単純で安価な単一制御ハンドルリリース機構
を提供することである。
本発明の更に別の目的は、車両シートヒンジで用いら
れる、直感的に操作できる単一制御ハンドルリリース機
構を提供することである。
発明の概要 本発明によると、車両シートクッション手段に固定的
に取り付けられたマウンティングプレート、第1の下方
ピボット軸の周りに選択的に旋回運動できるようにする
ためのマウンティングプレートに旋回可能に搭載された
セクタープレート及び第2の上方ピボット軸の周りに選
択的に旋回運動できるように与えられ、車両シートバッ
ク手段に固定的に取り付けられたセクタープレートに旋
回可能に搭載された回転制御プレートを有する車両シー
トヒンジで用いられる単一制御ハンドルリリース機構が
開示される。車両シートヒンジが車両シートに取り付け
られると、車両シートバック手段が、複数の角度位置同
士間で第1の下方ピボット軸の周りで車両シートクッシ
ョン手段に対して旋回運動可能となり、また、設計位置
と前方押し込み位置間の第2の上方ピボット軸の周りで
車両シートクッション手段に対して前方に折り曲げ可能
となる。この単一制御ハンドルリリース機構は、マウン
ティングプレートとセクタープレートが互いに対して旋
回可能に固定されたラッチ構成とマウンティングプレー
トとセクタープレートが第1の下方ピボット軸の周りに
自由に旋回して車両シートバック手段が、前述のよう
に、複数の角度位置同士間で旋回運動可能である非ラッ
チ構成の間で選択的に移動可能であるようにマウンティ
ングプレートとセクタープレート間で動作可能に相互接
続されている一次ラッチ手段を備えている。二次ラッチ
手段は、セクタープレートと回転制御プレートが互いに
対して旋回可能に固定されているラッチ構成とセクター
プレートと回転制御プレートが、前述のように、設計位
置と前方押し込み位置間で前方に自由に折り曲げられる
非ラッチ構成の間で選択的に移動可能であるようにセク
タープレートと回転制御プレート間で動作可能に相互接
続されている。手動把持可能ハンドル手段はシートクッ
ション手段に回転可能に搭載され、一次ラッチ手段に動
作可能に接続されて、一次ラッチ手段のラッチ構成と二
次ラッチ手段のラッチ構成に対応して、初期位置から、
手動把持可能ハンドル手段が一次ラッチ手段の非ラッチ
構成を実効させ、これによって、前述のように、複数の
角度位置同士間で第1の下方ピボット軸の周りに車両シ
ートバックを旋回して折り曲げることができる第1のリ
リース位置にまで移動させるようになっている。リンク
アーム手段が第2のラッチ手段と車両シートクッション
手段間で動作可能に相互接続されていて、リンクアーム
手段と二次ラッチ手段の互いに対する相対的に運動がし
きい値位置を越えると、二次ラッチ手段をラッチ構成か
ら非ラッチ構成にまで移動させ、これによって、前述の
ように、車両シートバック手段を第2の上方ピボット軸
の周りで車両シートクッション上に前方に折り曲げるよ
うになっている。
本発明の他の利点及び特徴さらに構造物の関連部品の
操作方法と機能並びに部品の組み合わせと製造上の経済
性は、以下に簡単に述べる添付図面と請求の範囲の以下
の詳細な説明を読めば明らかであろう。
図面の簡単な説明 本発明の構造、編成、用途及び操作方法に関して、本
発明による、車両シートヒンジで用いられる単一制御ハ
ンドルリリース機構の特徴と信じられている新規な特徴
は本発明のさらなる目的と利点と共に、現在好ましいと
される本発明の実施形態が以下に例示されている次の図
面からよりよく理解されるだろう。しかしなが、図面は
図示と説明目的だけのものであり、本発明を制限する意
図はないことが明瞭に理解されよう。添付図面におい
て: 図1は、本発明による単一制御ハンドルリリース機構
の第1の実施形態の左前から見た斜視図であり; 図2は、図1の単一制御ハンドルリリース機構の実施
形態の右前から見た斜視図であり; 図3は、単一制御ハンドルリリース機構が車両シート
に取り付けられ、シートのシートバックが直立した設計
位置にある、図1の単一制御ハンドルリリース機構の実
施形態の左側立面図であり、 図4は、図3の単一制御ハンドルリリース機構の実施
形態の右側立面図であり; 図5は、シートバックがリクライニング位置にある、
図3に類似の図であり; 図6は、シートバックが最初に第1の下方ピボット軸
のまわりで前方に折り曲げられ、リンクアーム手段と二
次ラッチ手段がしきい値位置にある、図3に類似の図で
あり; 図6Aは、二次ラッチ手段がラッチ構成中にある、図6
の一部分の拡大図であり; 図7は、シートバックが第1の下方ピボット軸の周り
で図6より少し前方に折り曲げられた、図6に類似の図
であり; 図7Aは、二次ラッチ手段が非ラッチ構成中にある、図
7の一部分の拡大図であり; 図8は、シートバックが第1の下方ピボット軸の周り
で実質的に水平方向前方押し込み位置に折り曲げられ
た、図7に類似の図であり; 図8Aは、二次ラッチ手段がラッチ構成中にある、図8
の一部分の拡大図であり; 図9は、本発明による単一制御ハンドルリリース機構
の第2の実施形態の左前から見た斜視図であり; 図10は、図10の単一制御ハンドルリリース機構の第2
の実施形態の右前から見た斜視図であり; 図11は、単一制御ハンドルリリース機構が車両シート
に取り付けられており、シートのシートバックが第1の
下方ピボット軸の周りで前方に部分的に折り曲げられて
おり、リンクアーム手段と二次ラッチ手段がしきい値位
置にあるところが示されている、図9の単一制御ハンド
ルリリース機構の第2の実施形態の左側立面図であり; 図11Aは、二次ラッチ手段がラッチ構成中にあるとこ
ろを示す、図11の一部分の拡大図であり; 図12は、本発明による単一制御ハンドルリリース機構
の第3の実施形態の左前から見た斜視図であり; 図13は、図12の単一制御ハンドルリリース機構の第3
の実施形態の右前から見た斜視図であり; 図14は、単一制御ハンドルリリース機構が車両シート
に取り付けられ、シートのシートバックが直立の設計位
置にある、図12の単一制御ハンドルリリース機構の第3
の実施形態の左側立面図であり; 図15は、シートバックがリクライニング位置にある、
図14に類似の図であり; 図16は、シートバックが第1の下方ピボット軸の周り
で部分的に前方に折り曲げられており、リンクアーム手
段と二次ラッチ手段がしきい値位置にある、図15に類似
の図であり; 図17は、シートバックが第1の下方ピボット軸の周り
で、図16より少し前方に折り曲げられた、図16に類似の
図である。
好ましい実施形態の詳細な説明 ここで図面の図1から図17を参照して、本発明の単一
制御ハンドルリリース機構の第1、第2、及び第3の実
施形態が示されている。これらの実施形態のそれぞれは
この明細書において別々に論じられている。図におい
て、すべての実施形態にわたって、同一の参照符号が同
様の部品を示す。
図面の図1から8Aにおいて、参照符号20によって表さ
れる本発明の単一制御ハンドルリリース機構の第1の実
施形態が示されている。図3、4、5、6、7および8
において、最もよくわかるように、単一制御ハンドルリ
リース機構20は、参照符号24によって表される車両シー
トに取り付けられ、参照符号22によって表される車両シ
ートヒンジと共に使用するためのものである。車両シー
トヒンジ22は、当技術において周知のように、従来型の
固定手段(図示せず)によって車両シートクッション手
段26(鎖線で示される)に安全に取付けられるマウンテ
ィングプレート30を有する。セクタープレート40は、第
1の下方ピボット軸Aの周りでの選択的旋回運動のため
に、ピン部材36を用いて、マウンティングプレート30に
旋回可能に取付けられる。回転制御プレート50は、ピン
部材42によって、セクタープレート40に旋回的に取付け
られ、それはまた、セクタープレート40に固定的に取付
けられたストップピン46に係合された回転制御プレート
50内の扇形スロット52によって限定されるような、第2
の上方ピボット軸Bの周りでの選択的旋回運動のため
に、マウンティングブラケット44によって所定の位置に
保持される。回転制御プレート50は、当技術において周
知のように、従来型固定手段(図示せず)によって、車
両シートバック手段28(破線で示す)に固定的に取付け
ることができる。
車両シートヒンジ22は車両シート24に取付けられる
と、車両シートバック手段28は、複数の角度位置間で
の、図3における両向き矢印「C」で示される復帰前方
折り曲げ運動及び図3における両向き矢印「D」で示さ
れる復帰リクライニング運動を含む、一次下方ピボット
軸の周りでの車両シートクッション手段26に対しての旋
回運動が可能となる。そのような角度位置は、図3及び
4において最も明確に見られるような実質的に直立した
占有位置、その1つが図5に示される様々なリクライニ
ング位置、さらに図6及び7で最も明瞭に見られるよう
に部分的に前方へ角度をつけて曲げられた位置、を含
む。そのリクライニング位置及び部分的に前方へ曲げら
れた位置は、マウンティングプレート30の扇形スロット
39に係合するようにセクタープレート40に固定的に取付
けられたストップピン47によって、限定される。車両シ
ートバック手段28はまた、図3、4に最も明瞭に示され
る設計位置及び図8に最も明瞭に示される前方に押し込
まれた位置間で、第2の上方ピボット軸Bの周りに、車
両シートクッション手段26に関して前方に折り曲げるこ
とができる。
単一制御ハンドルリリース機構20は、マウンティング
プレート30及びセクタープレート40間で連動し、手動把
持可能ハンドル手段80によって起動させられる、参照符
号60で表される一次ラッチ手段を含む。図示される好ま
しい実施形態において、一次ラッチ手段60は、ハンドル
手段70の操作によって回転させることができるカム(図
示せず)を有する既知のリクライニング調節機構を含
む。このカムは、一次ラッチ手段60内の複数の歯付きラ
ッチ爪(図示せず)の急速な内向き及び外向きの運動を
もたらし、またシートクッション手段26と連携して、一
次ラッチ手段60内にありかつシートバック手段28と連携
する協調の環状リングギア(図示せず)と係合し、また
係合から抜け出る。そのような一次ラッチ手段60の現代
版の例は、米国特許第No.5、526、970号(Kienkeら)欧
州特許第No.808、742号(Rohee)において見ることがで
きる。
一次ラッチ手段60は、ラッチ構成及び非ラッチ構成の
間で選択的に運動する。ラッチ構成においては、マウン
ティングプレート30及びセクタープレート40は、互いに
対して旋回的に固定されたプレートであり、シートバッ
ク手段28は、前述のように第1の下方ピボット軸Aの周
りの旋回運動を妨げられる。非ラッチ構成においては、
マウンティングプレート30及びセクタープレート40は、
第1の下方ピボット軸Aの周りに自由に旋回できるの
で、車両シートバック手段28は、前述のように、図3、
4、5、及び7において最も明瞭に見られるように、複
数の角度位置間で旋回運動可能である。
参照符号70で示される二次ラッチ手段は、図1から図
6において最も明瞭に見られるようなラッチ構成及び図
7から8において最も明瞭に見られるような非ラッチ構
成で選択的に運動できるように、セクタープレート40及
び回転制御プレート50間において連携いて起動する。二
次ラッチ手段70がラッチ構成にあるとき、セクタープレ
ート40及び回転制御プレート50は、互いに対して旋回的
に固定されたプレートである。二次ラッチ手段70が非ラ
ッチ構成にあるとき、セクタープレート40及び回転制御
プレート50は、図1から6において最も明瞭に見られる
ような設計位置及び図8において最も明瞭に見られるよ
うな前方に押し込まれた位置間の間で、前述のように、
第2の上方ピボット軸Bの周りに、自由に前に折り曲げ
ることができる。
第1の実施形態において、二次ラッチ手段70は、図1
から6において最も明瞭に見られるようなラッチ構成及
び図7、8特に7Aにおいて最も明瞭にみられるような非
ラッチ構成間における旋回運動のために、ピン部材74に
よってセクタープレート40に回転自在に取付けられかつ
マウンティングブラケット44によって所定位置に保持さ
れるカム部材72を、原則的に含む。カム部材72は、マウ
ンティングブラケット44に形成された突出部45に取付け
られた第1の端76a及びカム部材72から外側に突出する
支柱78に取付けられた第2の端76bを有するばね部材76
によって、ラッチ構成の方へバイアスされる。カム部材
72の旋回運動は、カム部材72に固定的に取付けられたス
トップピン79によって係合された回転制御プレート50内
の扇形スロット53によって、限定される。
カム部材72のラッチ構成は二次ラッチ手段70のラッチ
構成に対応し、非ラッチ構成は、二次ラッチ手段70の非
ラッチ構成に対応する。カム部材72のラッチ構成におい
て、カム部材72上のカム表面71は、回転制御プレート50
上の連動するカム受容表面54と係合する。カム部材72の
非ラッチ構成においては、カム表面71は、カム受容表面
54との係合状態から排除される。
二次ラッチ手段70は、車両シートバック手段28を図8
に示す前方に押し込まれた位置に解除可能に係止するた
めの手段をさらに含む。第1の実施形態において、車両
シートバック手段28を前方に押し込まれた位置に解除可
能に係止するための手段は、回転制御プレート50内に配
置されたノッチ56、及び車両シートバック手段28が前方
に押し込まれた位置にあるときノッチ56と連動するため
の、カム部材72上に配置された突出歯部材77とを含む。
図8Aにおいても最も明瞭に見られるように、ノッチ56及
び歯状部材77の連動する外形は、図8の矢印「K」の方
向に対向する回転方向への最小の力をわずかに上回るだ
けの力を伴ったシートバック手段28の持ち上げが、ノッ
チ56及び歯状部材77の相互の係合解除をもたらし、また
シートバックが、図6に見られるように、前方折り曲げ
位置からその設計位置まで復帰するように、第2の上方
ピボット軸Bの周りの、同じ回転方向への、旋回を可能
にするように、形作られる。
手動把持可能ハンドル手段80はピン部材36を介してシ
ートクッション手段26上に取付けられて、ハンドル手段
80の回転の際のピン部材36の回転を引起こす。ピン部材
36のそのような回転は、当技術において周知のように、
一次ラッチ手段60の選択的ラッチング及びラッチング解
除を引起こす。手動把持可能ハンドル手段80は、図3、
4、8の実線及び図5の破線で示される初期位置から、
図5から7の実線及び図8の破線で示される第1の解除
位置までの、図3、4、5の矢印「E」、「F」、
「G」で示されるピン部材を伴う回転運動のために取付
けられる。手動把持可能ハンドル手段80はこうして、一
次ラッチ手段60をラッチ構成から非ラッチ構成へ選択的
に移動させるために用いられれ、図5の矢印「H」で示
すように車両シートバック手段28のリクライニングを可
能とし、又は図6、7の「I」及び「J」で示すよう
に、車両シートバック手段28の初期前方折り曲げを可能
にする。手動把持可能ハンドル手段80は、一次ラッチ手
段60内に位置する内部ばね(図示せず)によって、初期
位置の方へバイアスされるのが好ましい。
セクタープレート40上のピン部材47及びピン部材36間
に連結されるクロックばね37は、セクタープレート40
を、それゆえシートバック手段28を、前方に折り曲げら
れた位置の方向へバイアスされる。手動把持可能ハンド
ル手段80は、ピン部材36を経由して一次ラッチ手段60に
連動する。所望の場合、把持可能ハンドル手段80及び対
向する他方の車両シート24に結合された第2の車両シー
トヒンジ(図示せず)上の一次ラッチ手段(図示せず)
との間に、スレーブケーブル(図示せず)を連結して、
ハンドル手段80の運動をそのような他の一次ラッチ手段
(図示せず)に転換してもよい。起動運動を第2の車両
シートヒンジ手段に転換するそのようなスレーブケーブ
ル機構の使用は、当技術において周知である。
手動把持可能ハンドル手段80の第1のリリース位置
は、一次ラッチ手段60のラッチ構成及び二次ラッチ手段
70のラッチ構成に対応する。第1のリリース位置におい
て、手動把持可能ハンドル手段80は、一次ラッチ手段60
の非ラッチ構成に作用することによって、複数の角度位
置間における、車両シートバック手段28の、第1の下方
ピボット軸Aの周りの旋回的折り曲げを可能にする。
細長いリンクアーム手段90が、二次ラッチ手段70及び
車両シートクッション手段26の間に、効果的に連結され
る。図示された第1の実施形態において、リンクアーム
手段90は、図3、5、6、7、8に見られおよび図4に
おいて最も明瞭に見られるように、マウンティングプレ
ート30に固定されるマウンティングプレート35によっ
て、マウンティングプレートに一端91で旋回可能に接続
されており、かくして、マウンティングプレートに取付
けられた車両シートクッション手段26に対して旋回可能
となっている。リンクアーム手段90の第2の端92はさら
に、リンクアーム手段90の第1の端91方向へ配置された
近位端94a及びリンクアーム手段90の第2の端92方向へ
配置された遠位端94bを有する細長いスロット94を含
む。図4において最も明瞭に見られるように、リンクア
ーム手段90の第2の端92は、カム部材72に取付けられた
ピン部材79によって、二次ラッチ手段72に効果的に連結
され、そのピン部材79は、細長いスロット94と空転滑動
的に係合して、リンクアーム手段90及び二次ラッチ手段
70間の効果的連結に作用する。細長いスロット94は、図
6及び6Aに示すようなリンクアーム手段90及び二次ラッ
チ手段70のしきい値位置において、ピン部材79が細長い
スロット94の遠位端94bに負荷担持的に配置されて、図
7に示すように、二次ラッチ手段70の非ラッチ構成への
移動に作用するように、位置決めされかつ寸法を決めら
れる。
リンクアーム手段90及び二次ラッチ手段70のピン部材
79の、図6に示すしきい値位置を超える、相互の相対的
運動における、二次ラッチ手段70のラッチ構成から非ラ
ッチ構成への移動のために、細長いリンクアーム手段90
は、二次ラッチ手段70及び車両シートクッション手段26
間に、効果的に連結される。第1の実施形態において、
リンクアーム手段90及び二次ラッチ手段70相互の相対的
運動は、ハンドル手段80の第1のリリース位置への移動
に引きつづく、第1の下方ピボット軸「A」の周りの車
両シートバック手段28の前方への折り曲げ旋回運動にお
いて発生する。こうして、車両シートバック手段28は解
放されて、前記のように、第2の上方ピボット軸「B」
の周りに、車両シートクッション手段26にかぶさるよう
に前方に折り曲げられ、図8において最も明瞭にみられ
るように、前方へ押し込まれた位置に至る。
使用において、図8において最も明瞭に見られるよう
に車両シートバック手段28を前方へ押し込まれた位置に
置くためには、矢印「E」及び「F」に示すように手動
で持ち上げることによって、ハンドル手段80が、図3、
4に最も明瞭に見られるような初期位置から、図6、7
に最も明瞭に見られるような第1のリリース位置まで回
転させられて、それにより一次ラッチ手段60のラッチを
解除する。車両シートバック手段28はそれから、最初に
手動で、図6の矢印「I」で示す位置まで前方へ折り曲
げられる。車両シートバック手段28のこの最初の前方へ
の折り曲げの間、前記のように及び図6、6Aに最も明瞭
に示すように、ピン部材79は、しきい値位置に達するま
で、細長いスロット94に空転滑動的に係合うる。それか
ら車両シートバック手段28は、使用者によってさらに前
へ、図7の矢印「J」で示す位置まで折り曲げられ、リ
ンクアーム手段90及び二次ラッチ手段70間に効果的に連
結され、こうして二次ラッチ手段70のラッチを解除す
る。車両シートバック手段28はそれから更に、図8の矢
印「K」で示すように、扇形スロット52に係合するスト
ップピン46によって規定される、実質的に水平な前方押
し込み位置まで、折り曲げられてもよい。車両シートバ
ック手段28は、ノッチ56のついた突出歯部材77との協調
連結によって、実質的に水平な前方押し込み位置にロッ
クされる。ハンドル手段80はそれから、解放されて、一
次ラッチ手段60の前記内部ばねによるバイアス(図示せ
ず)の影響下で、図8の矢印「L」に示す初期位置に戻
る。車両シートバック手段28は、ノッチ56及び歯状部材
77の協調的形状により、前記のように、最小の力をわず
かに上回るだけの力でシートバック手段28を用いて持ち
上げることによって、前方押し込み位置への固定から解
放されてもよい。
図面の内、図9、10、11を参照すると、参照符号20'
で示される、本発明による単一制御ハンドルリリース機
構の第2の実施形態が示されている。この第2の実施形
態の単一制御ハンドルリリース機構20'の構造と機能性
は、リンクアーム手段90'の具体的な相互接続と動作以
外は第1の好ましい実施形態の単一制御ハンドルリリー
ス機構20と類似している。リンクアーム手段90'の第1
の端91'は、第1の下方ピボット軸「A」の前方で、マ
ウンティングプレート30に固定されているマウンティン
グピン35によってマウンティングプレートに旋回可能に
接続されており、かくして、リンクアーム手段は、マウ
ンティングプレートに取付けられた車両シートクッショ
ン手段26に対して旋回可能となっている。リンクアーム
手段90'の第2の端92'はカム部材72'に搭載されている
ピン部材79に動作可能に接続されており、このピン部材
79は空転滑動関係で細長いスロット94'と係合し、これ
によってリンクアーム手段90'と二次ラッチ手段70間で
の動作可能接続を実効させている。細長いスロット94'
の位置とディメンジョンは、リンクアーム手段90'と二
次ラッチ手段70のしきい値位置において、図11と図11A
に示すように、ピン部材79が負荷担持関係で細長いスロ
ット94の近位端94a'のところに配置され、これによっ
て、車両シートバック手段28が引き続いて前方に折り曲
げられると、非ラッチ構成に二次ラッチ手段70が移動す
るようになっている。
図面の内、図12から図16を参照すると、参照符号20''
で示される、本発明による単一制御ハンドルリリース機
構の第3の実施形態が示されている。この第3の実施形
態の単一制御ハンドルリリース機構20''は構造と機能性
は、リンクアーム手段90''の具体的な相互接続と動作を
除けば、第2の好ましい実施形態の単一制御ハンドルリ
リース機構と類似している。リンクアーム手段90''の第
1の端91''は、ハンドル手段80に固定されたマウンティ
ングピン35によって、手動把持可能ハンドル手段80を介
して車両シートクッション手段26に旋回可能に接続され
ているので、リンクアーム手段90''は手動把持可能ハン
ドル手段80の運動と協調して移動する。リンクアーム手
段90''の第2の端92''はカム部材72'に搭載されたピン
部材79に動作可能に接続されているが、このピン部材79
は空転滑動関係で細長いスロット97''と係合し、これに
よって、リンクアーム手段90''と二次ラッチ手段70''と
の間の動作可能接続を実効する。
本発明による単一制御ハンドルリリース機構20'の第
2の実施形態におけるように、手動把持可能ハンドル手
段80は図14と15にそれぞれ示すように、初期位置から、
図14に実線で示すように、そして図15に実線で示すよう
に、図15で実線でそして図16に鎖線で示すように第1の
リリース位置に、矢印「M」と「N」で示すような回転
運動をするように搭載されている。手動把持可能ハンド
ル手段80は(前述したように)、ラッチ構成から非ラッ
チ構成に一次ラッチ手段60を選択的に移動させ、これに
よって、図15の矢印「H」で示すように、車両シートバ
ック手段28を、図示のリクライニング位置にリクライニ
ングするか、又は、図16の矢印「P」で示すように、車
両シートバック手段28を初期に前方に折り曲げることを
可能とするために用いられる。
図16から最もよく分かるように、手動把持可能ハンド
ル手段80は、矢印「Q」で示すように第1のリリース位
置から、実線で示すように、リンクアーム手段890''が
ハンドル手段80の移動によってリンクアーム手段90''と
二次ラッチ手段70''のしきい値位置まで移動された、実
線で示すようなしきい値ハンドル位置にまでさらに移動
可能である。リンクアーム手段90''と二次ラッチ手段7
0''のしきい値位置では、ピン部材79が、負荷担持関係
で細長いスロット94''の近位端94a''に配置されてい
て、二次ラッチ手段70''を非ラッチ構成まで移動させる
ようになっている。
手動把持可能ハンドル手段80は、図17の矢印「R」で
示すように、第2のリリース位置まで、図17の実線で示
すように、リンクアーム手段90''と二次ラッチ手段70''
のしきい値位置を越えてさらに移動可能であり、これに
よって、前述のように、二次ラッチ手段70''を、非ラッ
チ構成まで移動させる。
上記の原理が別様に変更できることは本発明の分野に
知識を持つ者には明らかであり、このような変更例は本
発明の範囲内にあるものと見なされる。さらに、他の修
正例や変更例も、請求の範囲のから逸脱することなく本
発明による装置の設計と製造に用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60N 2/20

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両シートクッションに装着され得るマウ
    ンティングプレートと、第1の下方ピボット軸の周りで
    選択的に旋回運動するように前記マウンティングプレー
    トに旋回可能に搭載されたセクタープレートと、第2の
    上方ピボット軸の周りで選択的に旋回運動するために前
    記セクタープレートに旋回可能に搭載され車両シートバ
    ックに固定的に取り付け可能な回転制御プレートと、を
    有する車両シートヒンジに用いられ、前記車両シートヒ
    ンジが車両シートに取り付けられたとき、前記車両シー
    トバッグが、複数の角度位置間で前記第1の下方ピボッ
    ト軸の周りで前記車両シートクッションに対して旋回可
    能であり、設計位置と先方押し込み位置間で前記第2の
    上方ピボット軸の周りで前記車両シートクッションに対
    して前方に折り曲げ可能である、単一制御ハンドルリリ
    ース機構であり、この機構は、 前記マウンティングプレートと前記セクタープレート間
    に動作可能に相互接続されて、前記マウンティングプレ
    ートと前記セクタープレートとの互いの旋回に対して固
    定されるラッチ構成と前記マウンティングプレートと前
    記セクタープレートが、前記車両シートバッグが前述の
    ように前記複数の角度位置間で旋回移動可能となるよう
    に前記第1の下方ピボット軸の周りでの旋回が自由とな
    る非ラッチ構成との間で選択的に移動可能である一次ラ
    ッチ手段と、 前記セクタープレートと前記回転制御プレート間に相互
    接続されていて、前記セクタープレートと前記回転制御
    プレートとの互いの旋回に対して固定されたラッチ構成
    と前記セクタープレートと前記回転制御プレートが前述
    のように前記設計位置と前記前方押し込み位置間で前方
    への折り曲げが自由となる非ラッチ構成との間で選択的
    に移動する二次ラッチ手段と、 前記シートクッションに回転可能に搭載され、前記一次
    ラッチ手段に動作可能に接続されて、前記一次ラッチ手
    段の前記ラッチ構成と前記二次ラッチ手段の前記ラッチ
    構成とに対応する初期位置から、前記一次ラッチ手段の
    前記非ラッチ構成を果たす第1のリリース位置まで移動
    して、前述のように、前記複数の角度位置間で前記第1
    の下方ピボット軸の周りで前記車両シートバックを旋回
    して折り曲げることができるようにする手動把持可能ハ
    ンドル手段とを具備し、 さらに、前記マウンティングプレートに旋回可能に装着
    された第1の端と、前記二次ラッチ手段に動作接続され
    た第2の端とを有し、前記二次ラッチ手段との互いの相
    対的な移動がしきい値位置を越えると、前記二次ラッチ
    手段を前記ラッチ構成から前記非ラッチ構成へと移動さ
    せて、前記車両シートバックを解放し、前述のように、
    前記第2の上方ピボット軸の周りで前記車両シートクッ
    ション上へと前方に折り曲げ可能とする細長いリンクア
    ームを有し、また、 前記ハンドル手段の前記第1のリリース位置に対する移
    動に続いて、前記第1の下方ピボット軸の周りで前記車
    両シートバックが前方に折り曲げられて旋回運動する
    と、前記リンクアームと前記二次ラッチ手段の互いに対
    する前記相対的運動が発生するようになっている、単一
    制御ハンドルリリース機構。
  2. 【請求項2】前記リンクアームの前記第2の端は、この
    リンクアームの前記第1の端に向かって配置された近位
    端と前記リンクアームの前記第2の端に向かって配置さ
    れた遠位端とを有する細長いスロットをさらに備え、ま
    た、前記二次ラッチ手段は、ピン部材を有し、このピン
    部材は、空転滑動関係で前記細長いスロットと係合し
    て、前記リンクアームと前記二次ラッチ手段間での動作
    可能接続を果たすことを特徴とする請求項1に記載の単
    一制御ハンドルリリース機構。
  3. 【請求項3】前記細長いスロットは、これの位置とディ
    メンジョンが、前記リンクアームと前記二次ラッチ手段
    の前記しきい値位置において、前記ピン部材が負荷担持
    関係で前記細長いスロットの前記近位端のところに位置
    され、これによって前記二次ラッチを前記非ラッチ構成
    に至る前記移動を果たすように設定されている請求項2
    に記載の単一制御ハンドルリリース機構。
  4. 【請求項4】前記細長いスロットは、これの位置と寸法
    が、前記リンクアームと前記二次ラッチ手段の前記しき
    い値位置において、前記ピン部材が負荷担持関係で前記
    細長いスロットの前記遠位端に位置され、これによって
    前記二次ラッチ手段の前記非ラッチ構成に至る移動を果
    たすように設定されている請求項2記載の単一制御ハン
    ドルリリース機構。
  5. 【請求項5】前記二次ラッチ手段は、カム動作表面を有
    するカム部材を有し、このカム部材は、前記セクタープ
    レートに搭載されて、前記カム動作表面が前記回転制御
    プレートでカム受容表面とラッチして係合する前記二次
    ラッチ手段の前記ラッチ構成に対応するラッチ構成と前
    記カム動作表面が前記カム受容表面とラッチして係合し
    ている状態から外される前記二次ラッチ手段の前記非ラ
    ッチ構成に対応する非ラッチ構成との間で旋回運動する
    請求項3もしくは4に記載の単一制御ハンドルリリー機
    構。
  6. 【請求項6】前記カム部材は、前記ラッチ構成に向かっ
    てバネでバイアスされている請求項5に記載の単一制御
    ハンドルリリース機構。
  7. 【請求項7】前記一次ラッチ手段は、周知のリクライニ
    ング調整機構を有する請求項6に記載の単一制御ハンド
    ルリリース機構。
  8. 【請求項8】前記二次ラッチ手段は、前記車両シートバ
    ックを前記前方押し込み位置に解放可能に固定する手段
    をさらに有する請求項7に記載の単一制御ハンドルリリ
    ース機構。
  9. 【請求項9】前記車両シートバックを前記前方押し込み
    位置に解放可能に固定する前記手段は、前記回転制御プ
    レート中に配置されたノッチと、前記車両シートバック
    が前記前方押し込み位置にあるときに前記ノッチと協調
    連結するように前記カム部材上に配置された突出歯部材
    とを有する請求項8に記載の単一制御ハンドルリリース
    機構。
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