JP3417911B2 - 誘電体磁器組成物の製造方法と誘電体層含有電子部品の製造方法 - Google Patents

誘電体磁器組成物の製造方法と誘電体層含有電子部品の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、誘電体磁器組成物
の製造方法と、積層型セラミックコンデンサなどの誘電
体層含有電子部品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】積層型セラミックコンデンサは、小型、
大容量、高信頼性の電子部品として広く利用されてお
り、電気機器および電子機器の中で使用される個数も多
数にのぼる。近年、機器の小型且つ高性能化に伴い、積
層型セラミックコンデンサに対する更なる小型化、大容
量化、低価格化、高信頼性化への要求はますます厳しく
なっている。
【0003】積層型セラミックコンデンサは、通常、内
部電極のペーストと誘電体のスラリー(ペースト)と
を、シート法や印刷法等により積層し、焼成して製造さ
れる。かかる内部電極には、一般に、PdやPd合金が
用いられてきたが、Pdは高価であるため、比較的安価
なNiやNi合金が使用されつつある。ところで、内部
電極をNiやNi合金で形成する場合は、大気中で焼成
を行うと電極が酸化してしまうという問題がある。この
ため、一般に、脱バインダ後は、NiとNiOの平衡酸
素分圧よりも低い酸素分圧で焼成し、その後熱処理によ
り誘電体層を再酸化させている(特開平03−1331
16号公報、特許第2787746号)。
【0004】しかしながら、還元性雰囲気中で焼成する
と、誘電体層が還元され、比抵抗が小さくなってしま
う。そこで、還元性雰囲気中で焼成しても還元されない
耐還元性の誘電体材料が提案されている(I. Bur
n, et al., ”High Resistiv
ity BaTiO Ceramics Sint
ered in CO−CO Atmospher
es” J. Mater. Sci., 10, 6
33 (1975); Y. Sakabe,et a
l., ”High−Dielectric Cons
tant Ceramics for Base Me
tal Monolithic Capacitor
s” pn. J. Appl. Phys., 20
Suppl. 20−4, 147 (198
1))。
【0005】しかしながら、これらの耐還元性の誘電体
材料を用いた積層型セラミックコンデンサは、絶縁抵抗
(IR)の高温加速寿命が短く、信頼性が低いという問
題がある。また、誘電体の比誘電率が経時的に低下する
という問題があり、直流電界下で特に顕著である。積層
型セラミックコンデンサを、小型且つ大容量化するため
に誘電体層の厚みを薄くすると、直流電圧を印加したと
きの誘電体層にかかる電界強度が大きくなる。このため
に、比誘電率の経時変化が著しく大きくなってしまう。
【0006】ところで、EIA規格に定められたX7R
特性と呼ばれる規格では、容量の変化率が−55℃から
125℃の間で±15%以内(基準温度25℃)と定め
られている。X7R特性を満足する誘電体材料として
は、例えば特開昭61−36170号公報に示されるB
aTiO+SrTiO+MnO系の組成が知ら
れている。しかしながら、この組成は、直流電界下にお
ける容量の経時変化が大きく、例えば40℃で50Vの
直流電界を1000時間印加すると、容量の変化率が−
10〜−30%程度となってしまい、X7R特性を満足
することができなくなる。
【0007】また、容量の温度特性であるB特性(EI
AJ規格)と呼ばれる規格では、−25〜85℃の間で
±10%以内(基準温度20℃)と定められている。
【0008】また、この他、耐還元性の誘電体磁器組成
物としては、特開昭57−71866号公報に開示され
ているBaTiO+MnO+MgO、特開昭61−
250905号公報に開示されている(Ba1−x
O)Ti1−yZr+α((1−
z)MnO+zCoO)+β((1−t)A
+tL)+wSiO(ただし、A=N
b,Ta,V;L=Yまたは希土類元素)、特開平2−
83256号公報に開示されているBaCa
1−a SiOを添加したチタン酸バリウム等が挙
げられる。
【0009】しかしながら、これらのいずれの誘電体磁
器組成物も、誘電体層厚みが、たとえば4μm以下とい
う超薄層の場合には、容量の温度特性、直流電界下での
容量の経時変化、絶縁抵抗の加速寿命、直流バイアス下
の容量低下等の特性のすべてを満足することは非常に難
しい。例えば、特開昭61−250905号公報および
特開平2−832号公報にそれぞれ開示されているもの
では、絶縁抵抗の加速寿命が短いとか直流バイアス下の
容量低下が大きいという問題を生じる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情からなされたものであり、本発明の目的は、誘電体
層厚みが超薄層の場合においても、容量の温度特性であ
るX7R特性(EIA規格)およびB特性(EIAJ規
格)をいずれも満足することができ、かつ、直流電界下
での容量の経時変化が小さく、絶縁抵抗の加速寿命が長
く、また、直流バイアス下の容量低下が小さい積層型セ
ラミックコンデンサなどの誘電体層含有電子部品を得る
ための製造方法を提供することである。また、本発明
は、このように優れた特性を持つ積層型セラミックコン
デンサなどの誘電体層含有電子部品の誘電体層として好
適に用いられる誘電体磁器組成物を製造するための方法
を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の第1の観点に係る誘電体磁器組成物の製造
方法は、組成式BaTiO2+n で表され、前記
組成式中のmが0.995≦m≦1.010であり、n
が0.995≦n≦1.010であり、BaとTiとの
比が0.995≦Ba/Ti≦1.010である主成分
と、MgO,CaO,BaO,SrOおよびCr
から選択される少なくとも1種を含む第1副成分
と、SiO、MO(ただし、Mは、Ba、Ca、S
rおよびMgから選ばれる少なくとも1種の元素)、L
OおよびBから選ばれる少なくとも1
種で表される組成を有する第2副成分と、V
,MoOおよびWOから選択される
少なくとも1種を含む第3副成分と、Rの酸化物(ただ
し、RはY、Dy、Tb、GdおよびHoから選択され
る少なくとも一種)を含む第4副成分と、を少なくとも
有し、前記主成分100モルに対する各副成分の比率
が、 第1副成分:0.1〜3モル、 第2副成分:2〜12モル、 第3副成分:0.01〜3モル、 第4副成分:0.1〜10.0モル(ただし、第4副成
分のモル数は、R単独での比率である)である誘電体磁
器組成物を製造する方法であって、前記主成分と、前記
第2副成分を除いたその他の副成分のうちの少なくとも
一部とを混合し、仮焼前粉体を準備する工程と、前記仮
焼前粉体を仮焼きして仮焼済粉体を準備する工程と、前
記仮焼済粉体に、前記第2副成分を少なくとも混合し、
前記主成分に対する各副成分のモル比が前記の比率であ
る誘電体磁器組成物を得る工程と、を有する。
【0012】本発明の方法において、MnOを含む第5
副成分をさらに含み、前記主成分100モルに対する第
5副成分の比率が、0.05〜1.0モルである誘電体
磁器組成物を得ることが好ましい。
【0013】好ましくは、前記主成分100モルに対す
る前記第3副成分のモル比が、0.01〜0.1モル、
さらに好ましくは0.01以上0.1未満である誘電体
磁器組成物を得る。
【0014】本発明において、より好ましくは、前記第
2副成分が、(Ba,Ca)SiO2+x (ただ
し、x=0.7〜1.2)で表されるものである。第2
副成分は、焼結助剤として機能すると考えられる。前記
第2副成分が(Ba,Ca)SiO2+x (ただ
し、x=0.7〜1.2)で表される組成を有するもの
である場合には、該第2副成分中のBaとCaとの比率
は任意であり、一方のみを含有するものでも良い。
【0015】なお、本明細書では、主成分および各副成
分を構成する各酸化物を化学量論組成で表しているが、
各酸化物の酸化状態は、化学量論組成から外れるもので
あってもよい。ただし、各副成分の上記比率は、各副成
分を構成する酸化物に含有される金属量から上記化学量
論組成の酸化物に換算して求める。また、誘電体磁器組
成物の原料粉末としては、上記した酸化物やその混合
物、複合酸化物を用いることができるが、その他、焼成
により上記した酸化物や複合酸化物となる各種化合物、
例えば、炭酸塩、シュウ酸塩、硝酸塩、水酸化物、有機
金属化合物等から適宜選択し、混合して用いることもで
きる。本発明では、前記主成分の平均粒径は、特に限定
されないが、好ましくは0.1〜0.7μm、さらに好
ましくは0.2〜0.7μmである。
【0016】本発明では、前記仮焼前粉体中に含まれる
成分のモル比:(Ba+第1副成分の金属元素)/(T
i+第4副成分の金属元素)が1未満、または(Ba+
第4副成分の金属元素)/(Ti+第1副成分の金属元
素)が1を超えるように、前記仮焼前粉体を準備し、仮
焼を行うことが好ましい。
【0017】本発明では、前記仮焼前粉体を準備する際
には、仮焼前粉体には、第1副成分を必ず含ませること
が好ましい。
【0018】本発明では、仮焼前粉体中に、第4副成分
の原料が含まれている場合には、仮焼温度は、好ましく
は500℃以上1200℃未満であり、さらに好ましく
は600〜900℃である。また、仮焼前粉体中に、第
4副成分の原料が含まれていない場合には、仮焼温度
は、好ましくは600〜1300℃、さらに好ましくは
900〜1300℃、特に好ましくは1000〜120
0℃である。なお、仮焼きは、複数回行っても良い。
【0019】前記仮焼済粉体には、前記第2副成分を少
なくとも混合させれば良く、必要に応じて、主成分、第
1副成分、第3副成分、第4副成分および第5副成分の
うちの一つ以上をさらに混合し、最終的に得られる誘電
体磁器組成物の組成が上記範囲となればよい。
【0020】また、本発明の第2の観点では、Niまた
はNi合金からなる内部電極と誘電体層とを交互に積層
してなる積層型セラミックコンデンサであって、誘電体
層が、BaTiO:100モル、MgOまたはCa
Oの少なくとも1種:0.1〜3モル、MnO:0.0
5〜1.0モル、Y:0.1〜5モル、V
:0.01〜3モル、BaCa1−a
SiO(aは0〜1の数である):2〜12モルを
このモル比で含む積層型セラミックコンデンサの製造方
法において、BaTiOと、MgOまたはCaOま
たは熱処理によってMgOまたはCaOになる化合物の
少なくとも1種を予め混合し、900℃〜1300℃で
仮焼きした材料を、誘電体材料全体に対して70重量%
以上用いることを特徴とする積層型セラミックコンデン
サが提供される。
【0021】また、本発明の第3の観点では、Niまた
はNi合金からなる内部電極と誘電体層とを交互に積層
してなる積層型セラミックコンデンサであって、誘電体
層が、BaTiO:100モル、MgOまたはCa
Oの少なくとも1種:0.1〜3モル、MnO:0.0
5〜1.0モル、Y:0.1〜5モル、V
:0.01〜3モル、BaCa1−a
SiO(aは0〜1の数である):2〜12モルを
このモル比で含む積層型セラミックコンデンサの製造方
法において、BaTiOと、MgOまたはCaOま
たは熱処理によってMgOまたはCaOになる化合物の
少なくとも1種と、MnOまたは熱処理によってMnO
になる化合物、Yまたは熱処理によってY
になる化合物、およびVまたは熱
処理によってVになる化合物からなる群から
選ばれる少なくとも1種とを予め混合し、900℃〜1
300℃で仮焼きした材料を、誘電体材料全体に対して
70重量%以上用いることを特徴とする積層型セラミッ
クコンデンサが提供される。
【0022】本発明の第2および第3の観点において、
前記BaTiO:100モルに対するV
のモル比が、好ましくは0.01〜0.1モル、さらに
好ましくは0.01以上0.1未満である。また、本発
明の第2および第3の観点において、BaTiO
平均粒径が0.2〜0.7μmであることが好ましい。
なお、本発明の第2および第3の観点では、Y
のモル数は、Y単独でのモル数ではなく、Y
のモル数である。
【0023】
【作用】従来の誘電体磁器組成物の製造方法では、Ba
TiO2+n と添加物とを一度に混合し、誘電体
磁器組成物の混合粉末、または誘電体ペーストを作製し
ている。しかしながら、従来の方法では、焼成後の誘電
体磁器組成物中に、添加物(第1〜第5副成分)などの
偏析が生じ、各結晶間の組成のバラツキが生じてしま
う。このような偏析により、誘電体の誘電率および絶縁
抵抗が悪化する。
【0024】本発明によれば、第2副成分を除いて、主
成分と、第1副成分、第3副成分、第4副成分および第
5副成分のうちの少なくとも一つとを混合して仮焼する
ことで、各結晶粒子同士の組成バラツキを抑制すること
ができ、その結果、偏析相の析出を抑制すると共に、偏
析相の大きさを制御することができる。したがって、本
発明によれば、X7R特性およびB特性の双方を満足し
つつ、直流電界下での容量の経時変化が小さく、絶縁抵
抗の加速寿命が長く、直流電界下での容量低下が小さ
い、信頼性に優れた積層型セラミックコンデンサなどの
誘電体層含有電子部品に好適に用いられる誘電体磁器組
成物を製造することができる。このことは、本発明者等
により初めて見出された。
【0025】また、本発明に係る製造方法で得られた誘
電体磁器組成物は、蒸発飛散するようなPb,Bi,Z
nのような元素を含有しないため、還元雰囲気でも焼成
可能である。このため、内部電極としてNiおよびNi
合金などの卑金属を使用することが可能となり、低コス
ト化が可能となる。
【0026】また、本発明に係る製造方法で得られた誘
電体磁器組成物は、還元雰囲気下での焼成においても、
X7R特性およびB特性を満足し、直流電界印加による
容量エージング特性、絶縁抵抗の劣化が小さく、信頼性
にも優れている。このため、本発明の方法は、積層コン
デンサの薄層化に伴う高温領域の温度変化率の悪化を抑
制する手法としても効果が期待できる。
【0027】また、本発明に係る製造方法で得られた誘
電体磁器組成物は、Pb,Biなどの物質を含有しない
ため、使用後の廃棄、処分などによる環境への悪影響が
小さい製品を提供できる。
【0028】また、本発明に係る製造方法では、添加物
が析出して形成された異相が少ない均一な組織の誘電体
磁器組成物を実現することができ、誘電体磁器組成物の
誘電率、絶縁抵抗を改善できる。また、本発明に係る製
造方法では、偶発的に生じてしまう構造的な欠陥を防止
できるために、高い信頼性を有する積層型セラミックコ
ンデンサを提供できる。
【0029】また、添加物組成を変更することなく異相
析出を抑制できるために、容量温度特性がX7R特性お
よびB特性を満足する積層型セラミックコンデンサなど
の誘電体層含有電子部品を容易に製造することができ
る。
【0030】特に本発明において、主成分100モルに
対する第3副成分の比率を、好ましくは0.01〜0.
1モル、さらに好ましくは0.01以上0.1未満とす
ることで、絶縁抵抗(IR)、CR積(誘電率と絶縁抵
抗との積)、破壊電圧(VB)特性、直流バイアス下の
容量低下耐性(DC−Bias特性)が向上する。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、図面に示す実施
形態に基づき説明する。図1は本発明の1実施形態に係
る積層型セラミックコンデンサの断面図である。
【0032】積層型セラミックコンデンサ 本発明に係る誘電体磁器組成物の製造方法について説明
する前に、まず、積層型セラミックコンデンサについて
説明する。図1に示すように、本発明の一実施形態に係
る積層型セラミックコンデンサ1は、誘電体層2と内部
電極層3とが交互に積層された構成のコンデンサ素子本
体10を有する。このコンデンサ素子本体10の両端部
には、素子本体10の内部で交互に配置された内部電極
層3と各々導通する一対の外部電極4が形成してある。
コンデンサ素子本体10の形状に特に制限はないが、通
常、直方体状とされる。また、その寸法にも特に制限は
なく、用途に応じて適当な寸法とすればよいが、通常、
(0.6〜5.6mm、好ましくは0.6〜3.2mm)×
(0.3〜5.0mm、好ましくは0.3〜1.6mm)×
(0.3〜1.9mm、好ましくは0.3〜1.6mm)程
度である。
【0033】内部電極層3は、各端面がコンデンサ素子
本体10の対向する2端部の表面に交互に露出するよう
に積層してある。一対の外部電極4は、コンデンサ素子
本体10の両端部に形成され、交互に配置された内部電
極層3の露出端面に接続されて、コンデンサ回路を構成
する。
【0034】誘電体層2 誘電体層2は、本発明の製造方法により得られる誘電体
磁器組成物を含有する。 本発明の製造方法により得ら
れる誘電体磁器組成物は、組成式BaTiO
2+n で表され、前記組成式中のmが0.995≦m
≦1.010であり、nが0.995≦n≦1.010
であり、BaとTiとの比が0.995≦Ba/Ti≦
1.010である主成分と、MgO,CaO,BaO,
SrOおよびCrから選択される少なくとも
1種を含む第1副成分と、SiO、MO(ただし、
Mは、Ba、Ca、SrおよびMgから選ばれる少なく
とも1種の元素)、LiOおよびBから
選ばれる少なくとも1種で表される第2副成分と、V
,MoOおよびWOから選択される
少なくとも1種を含む第3副成分と、Rの酸化物(ただ
し、RはY、Dy、Tb、GdおよびHoから選択され
る少なくとも一種)を含む第4副成分ととを少なくとも
有する誘電体磁器組成物で構成してある。
【0035】前記主成分に対する上記各副成分の比率
は、前記主成分100モルに対し、 第1副成分:0.1〜3モル、 第2副成分:2〜12モル、 第3副成分:0.01〜3モル、 第4副成分:0.1〜10.0モルであり、 好ましくは、 第1副成分:0.5〜2.5モル、 第2副成分:2.0〜5.0モル、 第3副成分:0.01〜0.1モル(0.01以上0.
1モル未満) 第4副成分:0.5〜5.0モルである。
【0036】なお、第4副成分の上記比率は、R酸化物
のモル比ではなく、R単独のモル比である。すなわち、
例えば第4副成分としてYの酸化物を用いた場合、第4
副成分の比率が1モルであることは、Yの比
率が1モルなのではなく、Yの比率が1モルであること
を意味する。
【0037】本明細書では、主成分および各副成分を構
成する各酸化物を化学量論組成で表しているが、各酸化
物の酸化状態は、化学量論組成から外れるものであって
もよい。ただし、各副成分の上記比率は、各副成分を構
成する酸化物に含有される金属量から上記化学量論組成
の酸化物に換算して求める。また、誘電体磁器組成物の
原料粉末としては、上記した酸化物やその混合物、複合
酸化物を用いることができるが、その他、焼成により上
記した酸化物や複合酸化物となる各種化合物、例えば、
炭酸塩、シュウ酸塩、硝酸塩、水酸化物、有機金属化合
物等から適宜選択し、混合して用いることもできる。
【0038】上記各副成分の含有量の限定理由は以下の
とおりである。第1副成分(MgO,CaO,BaO,
SrOおよびCr)の含有量が少なすぎる
と、直流バイアス下の容量低下に対する抑制効果が不十
分になる傾向にある。一方、含有量が多すぎると、誘電
率の低下が著しくなる傾向にあり、且つ絶縁抵抗の加速
寿命が短くなる傾向にある。なお、第1副成分中におけ
る各酸化物の構成比率は任意である。
【0039】第2副成分の含有量が少なすぎると、焼結
性が悪く、絶縁抵抗の加速寿命が短く、容量の温度特性
がX7R特性の規格を満足しにくくなる傾向にある。一
方、含有量が多すぎると、誘電率が低く、容量が低下す
ると共に、絶縁抵抗の加速寿命も短くなる。
【0040】第2副成分は主として焼結助剤として作用
するが、誘電体層を薄層化する際の初期絶縁抵抗の不良
率を改善する効果をも有する。好ましくは、前記第2副
成分が、(Ba,Ca)SiO2+x (ただし、
x=0.7〜1.2)で表されるものである。第2副成
分のより好ましい態様としての[(Ba,Ca)
iO2+x ]中のBaOおよびCaOは第1副成分に
も含まれるが、複合酸化物である(Ba,Ca)
iO2+x は融点が低いため主成分に対する反応性が
良好なので、本発明ではBaOおよび/またはCaOを
上記複合酸化物としても添加することが好ましい。第2
副成分のより好ましい態様としての(Ba,Ca)
SiO2+x におけるxは、好ましくは0.7〜1.
2であり、より好ましくは0.8〜1.1である。xが
小さすぎると、すなわちSiOが多すぎると、主成
分のBaTiOと反応して誘電体特性を悪化させて
しまう。一方、xが大きすぎると、融点が高くなって焼
結性を悪化させるため、好ましくない。なお、BaとC
aとの比率は任意であり、一方だけを含有するものであ
ってもよい。
【0041】第3副成分(V,MoO
よびWO)の含有量が少なすぎると、直流電界下で
のIR寿命が低下すると共に、容量の温度特性がX7R
特性の規格を満足しにくくなる傾向にある。一方、含有
量が多すぎると、初期の絶縁抵抗が低くなる傾向にある
と共に、CR積も低下する傾向にある。なお、第3副成
分中における各酸化物の構成比率は任意である。
【0042】第4副成分(R酸化物)の含有量が少なす
ぎると、絶縁抵抗の加速寿命が短くなる傾向にある。一
方、含有量が多すぎると、焼結性が悪化する傾向にあ
る。これらの中でも、X7R特性を満足させる観点から
は、第4副成分の中でも、Y酸化物、Dy酸化物、およ
びHo酸化物が好ましい。特に、特性改善効果が高く、
しかも安価であることから、Y酸化物が好ましい。
【0043】本発明の誘電体磁器組成物には、必要に応
じ、第5副成分として、MnOが含有されていてもよ
い。この第5副成分は、焼結を促進する効果と、誘電損
失(tanδ)を小さくする効果とを示す。このような
効果を十分に得るためには、前記主成分100モルに対
する第5副成分の比率が0.05モル以上であることが
好ましい。ただし、第5副成分の含有量が多すぎると容
量温度特性に悪影響を与えるので、好ましくは1.0モ
ル以下とする。
【0044】また、本発明の誘電体磁器組成物中には、
上記各酸化物のほか、Al が含まれていてもよ
い。Alは容量温度特性にあまり影響を与え
ず、焼結性、絶縁抵抗および絶縁抵抗の加速寿命(IR
寿命)を改善する効果を示す。ただし、Al
の含有量が多すぎると焼結性が悪化してIRが低くなる
ため、Alは、好ましくは、主成分100モ
ルに対して1モル以下、さらに好ましくは、誘電体磁器
組成物全体の1モル以下である。
【0045】なお、Sr,ZrおよびSnの少なくとも
1種が、ペロブスカイト構造を構成する主成分中のBa
またはTiを置換している場合、キュリー温度が低温側
にシフトするため、125℃以上での容量温度特性が悪
くなる。このため、これらの元素を含むBaTiO
2+n [例えば(Ba,Sr)TiO]を主成分
として用いないことが好ましい。ただし、不純物として
含有されるレベル(誘電体磁器組成物全体の0.1モル
%程度以下)であれば、特に問題はない。
【0046】本発明の誘電体磁器組成物の平均結晶粒径
は、特に限定されず、誘電体層の厚さなどに応じて例え
ば0.1〜3.0μm、好ましくは0.1〜0.7μm
の範囲から適宜決定すればよい。容量温度特性は、誘電
体層が薄いほど悪化し、また、平均結晶粒径を小さくす
るほど悪化する傾向にある。このため、本発明の誘電体
磁器組成物は、平均結晶粒径を小さくする必要がある場
合に、具体的には、平均結晶粒径が0.1〜0.5μm
である場合に特に有効である。また、平均結晶粒径を小
さくすれば、IR寿命が長くなり、また、直流電界下で
の容量の経時変化が少なくなるため、この点からも平均
結晶粒径は上記のように小さいことが好ましい。
【0047】本発明の誘電体層2は、グレインと粒界と
粒界相とで構成されている。また、いわゆるコア−シェ
ル構造を有する組成物で構成されていても良い。
【0048】本発明の誘電体磁器組成物から構成される
誘電体層の厚さや層数などの諸条件は、目的や用途に応
じて適宜決定すれば良い。たとえば誘電体層の厚さは、
一層あたり、通常、50μm以下、特に10μm以下で
ある。厚さの下限は、通常、1μm程度である。本発明
の誘電体磁器組成物は、このような薄層化した誘電体層
を有する積層型セラミックコンデンサの容量温度特性の
改善に有効である。なお、誘電体層の積層数は、通常、
2〜400、好ましくは10〜400程度とする。
【0049】本発明の誘電体磁器組成物を用いた積層型
セラミックコンデンサは、特に−55℃〜+125℃の
環境下で使用される機器用電子部品として用いて好適で
ある。そして、このような温度範囲において、容量の温
度特性がEIA規格のX7R特性(−55〜125℃、
ΔC=±15%以内)を満足し、同時に、EIAJ規格
のB特性[−25〜85℃で容量変化率±10%以内
(基準温度20℃)]も満足することが可能である。
【0050】積層型セラミックコンデンサでは、誘電体
層に、通常、0.02V/μm以上、特に0.2V/μ
m以上、さらには0.5V/μm以上、一般に5V/μ
m程度以下の交流電界と、これに重畳して5V/μm以
下の直流電界とが加えられるが、このような電界が加わ
っても、容量の温度特性は極めて安定である。
【0051】内部電極層3 内部電極層3に含有される導電材は特に限定されない
が、誘電体層2の構成材料が耐還元性を有するため、卑
金属を用いることができる。導電材として用いる卑金属
としては、NiまたはNi合金が好ましい。Ni合金と
しては、Mn,Cr,CoおよびAlから選択される1
種以上の元素とNiとの合金が好ましく、合金中のNi
含有量は95重量%以上であることが好ましい。なお、
NiまたはNi合金中には、P等の各種微量成分が0.
1重量%程度以下含まれていてもよい。内部電極層の厚
さは用途等に応じて適宜決定すればよいが、通常、0.
5〜5μm、好ましくは0.5〜2.5μm、さらに好
ましくは1〜2μm程度である。
【0052】外部電極4 外部電極4に含有される導電材は特に限定されないが、
本発明では安価なNi,Cuや、これらの合金を用いる
ことができる。外部電極の厚さは用途等に応じて適宜決
定されればよいが、通常、10〜100μm程度である
ことが好ましい。
【0053】積層型セラミックコンデンサの製造方法 本発明に係る誘電体磁器組成物の製造方法を用いて製造
される積層型セラミックコンデンサは、ペーストを用い
た通常の印刷法やシート法によりグリーンチップを作製
し、これを焼成した後、外部電極を印刷または転写して
焼成することにより製造される。以下、製造方法につい
て具体的に説明する。
【0054】まず、誘電体層用ペーストに含まれる誘電
体磁器組成物粉末を準備する。誘電体磁器組成物粉末中
のBaTiOの粉末としては、通常、原料を混合、
仮焼き、粉砕した、いわゆる固相法により得られる粉体
だけでなく、蓚酸塩法や水熱合成法などのいわゆる液相
法により得られる粉体であってもよい。
【0055】本発明では、前述した組成の誘電体磁器組
成物粉末を得る前に、仮焼きを行う。すなわち、第2副
成分(たとえば(Ba,Ca)SiO2+x )を
除いて、主成分(BaTiO2+n )と、第1副
成分(たとえばMgOまたはCaOまたは熱処理によっ
てMgOまたはCaOとなる化合物)、第3副成分(た
とえばVまたは熱処理によってV
となる化合物)、第4副成分(たとえばY
たは熱処理によってYとなる化合物)および
第5副成分(たとえばMnOまたは熱処理によってMn
Oとなる化合物)のうちの少なくとも一つとを混合し、
乾燥することにより、仮焼前粉体を準備する。
【0056】なお、熱処理によってMgOまたはCaO
になる化合物としては、MgCO ,MgCl,M
gSO,Mg(NO,Mg(O
H),(MgCOMg(OH),C
aCO,CaCl,CaSO,Ca(NO
、Mgアルコキシド、Caアルコキシドな
ど、またはこれらの含水物が例示される。また、熱処理
によってMnOになる化合物としては、MnCO
MnCl,MnSO,Mn(NO
ど、またはこれらの含水物が例示される。また、熱処理
によってYになる化合物としては、YCl
,Y(SO,Y(NO 、Y
(CHCOO)、Yアルコキシドなど、または
これらの含水物が例示される。さらに、熱処理によって
になる化合物としては、VCl,V
(SO,V(NOなど、また
はこれらの含水物が例示される。
【0057】仮焼前粉体は、次に仮焼される。仮焼条件
は、特に限定されないが、次に示す条件で行うことが好
ましい。 昇温速度:50〜400℃/時間、特に100〜300
℃/時間、 保持温度:500℃〜1300℃、好ましくは500℃〜1200℃未
満、 温度保持時間:0.5時間〜6時間、特に1〜3時間、 雰囲気:空気中および窒素中である。
【0058】仮焼きされた仮焼済粉末は、アルミナロー
ルなどにより粗粉砕された後、少なくとも第2副成分
(たとえば(Ba,Ca)SiO2+x )を少な
くとも添加し、さらに必要に応じて、残りの添加物を添
加して、前述した最終組成の混合粉末にする。その後、
この混合粉末を、必要に応じて、ボールミルなどによっ
て混合し、乾燥することによって、本発明の組成を持つ
誘電体磁器組成物粉末を得る。
【0059】仮焼きされた仮焼済粉末における各成分の
モル比は、特に限定されないが、好ましくは、次の関係
式を満足する。すなわち、(Ba+第1副成分の金属元
素)/(Ti+第4副成分の金属元素)が1未満、また
は(Ba+第4副成分の金属元素)/(Ti+第1副成
分の金属元素)が1を超えることが好ましい。このよう
な範囲である場合に、特に絶縁抵抗の加速寿命が向上す
る。
【0060】また、仮焼済粉末中には、第1副成分が必
ず含まれていることが好ましい。最終組成物粉末中にお
ける第1副成分の全重量を100重量%とした場合に
は、仮焼済粉末中には、好ましくは30重量%、さらに
好ましくは50重量%の第1副成分が含まれていること
が好ましい。
【0061】仮焼済粉末は、最終的に得られる誘電体磁
器組成物粉末を100重量%として、好ましくは60重
量%以上、さらに好ましくは70重量%以上、特に好ま
しくは80重量%以上の量で、後添加成分に混合され
る。仮焼済粉末の割合が小さすぎると、本発明の効果が
小さくなる傾向にある。
【0062】次に、この最終的に得られた誘電体磁器組
成物粉末を塗料化して、誘電体層用ペーストを調整す
る。誘電体層用ペーストは、誘電体磁器組成物粉末と有
機ビヒクルとを混練した有機系の塗料であってもよく、
水系の塗料であってもよい。
【0063】塗料化する前の状態で、誘電体磁器組成物
粉末の粒径は、通常、平均粒径0.1〜3μm、好まし
くは0.1〜0.7μm程度である。
【0064】有機ビヒクルとは、バインダ(結合剤)を
有機溶剤中に溶解したものである。有機ビヒクルに用い
るバインダは特に限定されず、エチルセルロース、ポリ
ビニルブチラール等の通常の各種バインダから適宜選択
すればよい。また、用いる有機溶剤も特に限定されず、
印刷法やシート法など、利用する方法に応じて、テルピ
ネオール、ブチルカルビトール、メチルエチルケトン、
アセトン、トルエン等の各種有機溶剤から適宜選択すれ
ばよい。
【0065】また、誘電体層用ペーストを水系の塗料と
する場合には、水溶性のバインダや分散剤などを水に溶
解させた水系ビヒクルと、誘電体原料とを混練すればよ
い。水系ビヒクルに用いる水溶性バインダは特に限定さ
れず、例えば、ポリビニルアルコール、セルロース、水
溶性アクリル樹脂などを用いればよい。
【0066】内部電極層用ペーストは、上記した各種誘
電性金属や合金からなる導電材、あるいは焼成後に上記
した導電材となる各種酸化物、有機金属化合物、レジネ
ート等(導電材など)と、上記した有機ビヒクルとを混
練して調製する。ペースト中の導電材などは、その形状
に特に制限はなく、球状、鱗片状などが例示され、ま
た、これらの形状のものが混合したものでも良い。外部
電極用ペーストは、上記した内部電極層用ペーストと同
様にして調製すればよい。
【0067】上記した各ペースト中の有機ビヒクルの含
有量に特に制限はなく、通常の含有量、例えば、バイン
ダは1〜5重量%程度、溶剤は10〜50重量%程度と
すればよい。また、各ペースト中には、必要に応じて各
種分散剤、可塑剤、誘電体、絶縁体等から選択される補
助添加物が含有されていてもよい。これらの補助添加物
の総含有量は、10重量%以下とすることが好ましい。
【0068】なお、可塑剤としては、たとえばポリエチ
レングリコール、フタール酸エステル(たとえばジオク
チルフタレート、ジブチルフタレート)などが用いられ
る。また、分散剤としては、たとえばオイレン酸、ロジ
ン、グリセリン、オクタデシルアミン、オイレン酸エチ
ル、メンセーデン油などが用いられる。
【0069】特に、誘電体層用ペースト(スラリー)を
調製する際には、ペースト中における誘電体磁器組成物
粉末の含有量は、ペースト全体に対し、50〜80重量
%程度とし、その他、バインダは2〜5重量%、可塑剤
は0.1〜5重量%、分散剤は0.1〜5重量%、溶剤
は20〜50重量%程度とすることが好ましい。
【0070】印刷法を用いる場合、誘電体層用ペースト
および内部電極層用ペーストを、PET等の基板上に積
層印刷し、所定形状に切断した後、基板から剥離してグ
リーンチップとする。
【0071】また、シート法を用いる場合、誘電体層用
ペーストを用いてグリーンシートを形成し、この上に内
部電極層用ペーストを印刷した後、これらを積層してグ
リーンチップとする。
【0072】焼成前に、グリーンチップに脱バインダ処
理を施す。脱バインダ処理は、通常の条件で行えばよい
が、内部電極層の導電材にNiやNi合金等の卑金属を
用いる場合、特に下記の条件で行うことが好ましい。 昇温速度:5〜300℃/時間、特に10〜100℃/
時間、 保持温度:180〜400℃、特に200〜300℃、 温度保持時間:0.5〜24時間、特に5〜20時間、 雰囲気:空気中。
【0073】グリーンチップ焼成時の雰囲気は、内部電
極層用ペースト中の導電材の種類に応じて適宜決定され
ればよいが、導電材としてNiやNi合金等の卑金属を
用いる場合、焼成雰囲気中の酸素分圧は、好ましくは1
−7〜10−13 atm、さらに好ましくは10
−10〜10−12 atmである。酸素分圧が前記範
囲未満であると、内部電極層の導電材が異常焼結を起こ
し、途切れてしまうことがある。また、酸素分圧が前記
範囲を超えると、内部電極層が酸化する傾向にある。
【0074】また、焼成時の保持温度は、好ましくは1
100〜1400℃、より好ましくは1150〜140
0℃、さらに好ましくは1200〜1300℃である。
保持温度が前記範囲未満であると緻密化が不十分とな
り、前記範囲を超えると、内部電極層の異常焼結による
電極の途切れや、内部電極層構成材料の拡散による容量
温度特性の悪化、誘電体磁器組成物の還元が生じやすく
なる。
【0075】好ましくは上記条件以外の焼成時の各種条
件は、下記範囲から選択される。 昇温速度:100〜900℃/時間、特に200〜90
0℃/時間、 温度保持時間:0.5〜8時間、特に1〜3時間、 冷却速度:50〜500℃/時間、特に200〜300
℃/時間。 なお、焼成雰囲気は還元性雰囲気とすることが好まし
く、雰囲気ガスとしては、例えば、NとHとの
混合ガスを加湿して用いることが好ましい。
【0076】還元性雰囲気中で焼成した場合、コンデン
サ素子本体にはアニールを施すことが好ましい。アニー
ルは、誘電体層を再酸化するための処理であり、これに
よりIR寿命を著しく長くすることができるので、信頼
性が向上する。
【0077】アニール雰囲気中の酸素分圧は、10−4
〜10−7atmとすることが好ましい。酸素分圧が前
記範囲未満であると誘電体層の再酸化が困難であり、前
記範囲を超えると内部電極層が酸化する傾向にある。
【0078】アニールの際の保持温度は、1200℃以
下、特に500〜1200℃とすることが好ましい。保
持温度が前記範囲未満であると誘電体層の酸化が不十分
となるので、IRが低く、また、IR寿命が短くなりや
すい。一方、保持温度が前記範囲を超えると、内部電極
層が酸化して容量が低下するだけでなく、内部電極層が
誘電体素地と反応してしまい、容量温度特性の悪化、I
Rの低下、IR寿命の低下が生じやすくなる。なお、ア
ニールは昇温過程および降温過程だけから構成してもよ
い。すなわち、温度保持時間を零としてもよい。この場
合、保持温度は最高温度と同義である。
【0079】上記条件以外のアニール時の各種条件は、
下記範囲から選択することが好ましい。 温度保持時間:0.5〜12時間、特に6〜10時間、 冷却速度:50〜600℃/時間、特に100〜300
℃/時間 なお、雰囲気用ガスには、加湿したNガス等を用い
ることが好ましい。
【0080】上記した脱バインダ処理、焼成およびアニ
ールにおいて、Nガスや混合ガス等を加湿するに
は、例えばウェッター等を使用すればよい。この場合、
水温は5〜75℃程度が好ましい。
【0081】脱バインダ処理、焼成およびアニールは、
連続して行なっても、独立に行なってもよい。これらを
連続して行なう場合、脱バインダ処理後、冷却せずに雰
囲気を変更し、続いて焼成の際の保持温度まで昇温して
焼成を行ない、次いで冷却し、アニールの保持温度に達
したときに雰囲気を変更してアニールを行なうことが好
ましい。一方、これらを独立して行なう場合、焼成に際
しては、脱バインダ処理時の保持温度までNガスあ
るいは加湿したNガス雰囲気下で昇温した後、雰囲
気を変更してさらに昇温を続けることが好ましく、アニ
ール時の保持温度まで冷却した後は、再びNガスあ
るいは加湿したNガス雰囲気に変更して冷却を続け
ることが好ましい。また、アニールに際しては、N
ガス雰囲気下で保持温度まで昇温した後、雰囲気を変更
してもよく、アニールの全過程を加湿したNガス雰
囲気としてもよい。
【0082】上記のようにして得られたコンデンサ素子
本体に、例えばバレル研磨やサンドブラストなどにより
端面研磨を施し、外部電極用ペーストを印刷または転写
して焼成し、外部電極4を形成する。外部電極用ペース
トの焼成条件は、例えば、加湿したNとHとの
混合ガス中で600〜800℃にて10分間〜1時間程
度とすることが好ましい。そして、必要に応じ、外部電
極4表面に、めっき等により被覆層を形成する。
【0083】このようにして製造された本発明の積層型
セラミックコンデンサは、誘電体層の厚みが4μm以下
という超薄層の場合でも、容量温度変化率がEIA規格
のX7R特性を満足すると共に、EIAJ規格のB特性
を満足する。また、本発明の積層型セラミックコンデン
サは、直流電界下での容量の経時変化が小さく、絶縁抵
抗の加速寿命が長く、また、直流バイアス下の容量低下
が小さいものである。
【0084】また、このようにして製造された本発明の
積層型セラミックコンデンサは、ハンダ付等によりプリ
ント基板上などに実装され、各種電子機器等に使用され
る。
【0085】なお、本発明は、上述した実施形態に限定
されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変する
ことができる。たとえば、本発明に係る製造方法により
得られる誘電体磁器組成物は、積層型セラミックコンデ
ンサのみに使用されるものではなく、誘電体層が形成さ
れるその他の電子部品に使用されても良い。
【0086】
【実施例】以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づ
き説明するが、本発明は、これら実施例に限定されな
い。
【0087】実施例1 以下に示す手順で、積層型セラミックコンデンサの試料
A1〜A10を作製した。まず、下記の各ペーストを調
製した。
【0088】誘電体層用ペースト まず、主成分原料および副成分原料を用意した。主成分
原料としては、水熱合成法により得られた粒径0.2〜
0.7μmのBaTiOを用いた。MgOおよびM
nOの原料には炭酸塩を用い、他の副成分原料には酸化
物を用いた。MgOの原料としてのマグネシウム炭酸塩
としては、(MgCOMg(OH)・5
Oを用いた。また、MnOの原料としての炭酸塩
としては、MnCOを用いた。
【0089】また、第2副成分の原料には、(Ba
0.6 Ca0.4 )SiOを用いた。なお、
(Ba0.6 Ca0.4 )SiOは、BaCO
,CaCOおよびSiOをボールミルによ
り16時間湿式混合し、乾燥後、1150℃で空気中で
焼成し、さらに、ボールミルにより100時間湿式粉砕
することにより製造した。
【0090】まず、主成分であるBaTiOと、第
1副成分の原料であるマグネシウム炭酸塩とを混合し、
乾燥することにより、仮焼前粉体を準備した。表1に示
すように、仮焼前粉体は、100モルのBaTiO
に対して、MgOに換算して2.1モルのマグネシウム
炭酸塩が含有してあった。また、この仮焼前粉体中の特
定成分のモル比:(Ba+第1副成分中の金属元素M
g)/(Ti+第4副成分中の金属元素Y)を調べたと
ころ、表1に示すように、1.021であった。また、
モル比:(Ba+第4副成分中の金属元素Y)/(Ti
+第1副成分中の金属元素Mg)を調べたところ、表1
に示すように、0.9794であった。
【0091】次に、この仮焼前粉体を仮焼した。仮焼き
条件は、以下の通りであった。 昇温速度:300℃/時間、 保持温度(表1ではT1):500〜1350℃、 温度保持時間:3時間、 雰囲気:空気中。
【0092】この仮焼きによって得られた材料を、ライ
カイ機で1時間粉砕して仮焼済粉体とし、その後、この
仮焼済粉体に対して、表2に示すように、3.0モルの
(Ba0.6 Ca0.4 )SiO、0.375
モルのMnCO、0.01モルのV、お
よび2.1モルのY(Yのモル数は4.2モ
ル、以下同様)を添加し、ジルコニア製ボールミルによ
り16時湿式混合した後に乾燥し、最終組成の誘電体磁
器組成物粉体を得た。
【0093】このようにして得られた誘電体磁器組成物
粉体100重量部と、アクリル樹脂4.8重量部と、塩
化メチレン40重量部と、酢酸エチル20重量部と、ミ
ネラルスピリット6重量部と、アセトン4重量部とをボ
ールミルで16時間混合し、ペースト化した。
【0094】内部電極層用ペースト 平均粒径0.4μmのNi粒子44.6重量部と、テル
ビネオール:52.0重量部と、エチルセルロース:
3.0重量部と、ベンゾトリアゾール:0.4重量部と
を、3本ロールにより混練し、ペースト化した。
【0095】外部電極用ペースト 平均粒径2μmのCu粒子100重量部と、有機ビヒク
ル(エチルセルロース樹脂8重量部をブチルカルビトー
ル92重量部に溶解したもの)35重量部およびブチル
カルビトール7重量部とを混練し、ペースト化した。
【0096】グリーンチップの作製 上記誘電体層用ペーストを用いてPETフィルム上に、
厚さ5μmのグリーンシートを形成した。このグリーン
シートの表面に内部電極用ペーストを印刷した後、PE
Tフィルムからシートを剥離した。次いで、内部電極層
用ペーストを印刷後のグリーンシート4層を、保護用グ
リーンシート(内部電極層用ペーストを印刷しないも
の)複数枚で挟んで積層し、その後、120℃および1
5Paの条件で圧着してグリーンチップを得た。
【0097】焼成 まず、グリーンチップを所定サイズに切断し、脱バイン
ダ処理、焼成およびアニールを下記条件にて行った後、
外部電極を形成して、図1に示す構成の積層型セラミッ
クコンデンサのサンプルA1〜A10を得た。
【0098】脱バインダ処理条件 昇温速度:15℃/時間、 保持温度:280℃、 温度保持時間:8時間、 雰囲気:空気中。
【0099】焼成条件 昇温速度:200℃/時間、 保持温度:1270℃、 温度保持時間:2時間、 冷却速度:300℃/時間、 雰囲気ガス:加湿したN+H混合ガス、 酸素分圧:10−12 atm。
【0100】アニール条件 保持温度:1000℃、 温度保持時間:3時間、 冷却速度:300℃/時間、 雰囲気ガス:加湿したNガス、 酸素分圧:10−6atm。 なお、上記脱バインダ処理、焼成およびアニールの際に
おけるそれぞれの雰囲気ガスの加湿には、水温を35℃
としたウエッターを用いた。
【0101】外部電極 外部電極は、焼成体の端面をサンドブラストにて研磨し
た後、上記外部電極用ペーストを前記端面に転写し、加
湿したN+H雰囲気で800℃にて10分間焼
成することにより形成した。
【0102】このようにして得られた各サンプルのサイ
ズは、3.2mm×1.6mm×1.4mmであり、内
部電極層に挟まれた誘電体層の数は4、その厚さは3μ
mであり、内部電極層の厚さは1.3μmであった。
【0103】また、コンデンサのサンプルのほかに、円
板状サンプルも作製した。この円板状サンプルは、上記
コンデンサのサンプルの誘電体層と同組成で、かつ焼成
条件が同じであり、直径5mmのIn−Ga電極をサン
プルの両面に塗布したものである。
【0104】各サンプルについて下記特性の評価を行っ
た。比誘電率(εr) 円板状サンプルに対し、25℃において、LCRメータ
により1kHz,1Vrmsの条件下で容量を測定し
た。そして、容量、電極寸法およびサンプルの厚さか
ら、比誘電率を算出した。結果を表2に示す。比誘電率
は高いほど良い。
【0105】絶縁抵抗(IR) コンデンサのサンプルに対し、25℃における比抵抗を
測定した。比抵抗の測定は、絶縁抵抗計((株)アドバ
ンテスト社製R8340A(50V−1分値))により
行った。結果を表2に示す。絶縁抵抗は高い程良い。な
お、表2中のCR積は、誘電率と絶縁抵抗との積であ
る。また、CR積も高いほど良い。
【0106】破壊電圧(VB) 破壊電圧は、積層チップコンデンサのサンプルに対し、
100V/秒の昇圧スピードで直流電圧を印加し、10
0mAの漏洩電流が観察されたときの電圧を測定するこ
とにより求めた。結果を表2に示す。破壊電圧は、高い
程良い。
【0107】直流電界下でのIR寿命(高温加速寿命:
表ではHALT) 積層チップコンデンサのサンプルに対し、180℃にて
10V/μmの電界下で加速試験を行い、絶縁抵抗(I
R)が2×10Ω以下になるまでの時間を寿命時間
とした。結果を表2に示す。この寿命が長いほど、コン
デンサの耐久性が向上する。
【0108】容量の温度特性(表では、TCC) 積層チップコンデンサのサンプルに対し、−55〜+1
25℃の温度範囲で容量を測定し、X7R特性を満足す
るかどうかを調べた。なお、測定には、LCRメータを
用い、測定電圧は1Vとした。容量変化率が±15%以
内(基準温度25℃)を満足するかどうかを調べた。満
足する場合を○、満足しない場合を×とした。
【0109】また、B特性については、LCRメーター
により、−25〜85℃について測定電圧1Vで容量を
測定し、容量変化率が±10%以内(基準温度20℃)
を満足するかどうかを調べた。満足する場合を○、満足
しない場合を×とした。
【0110】直流電界下での容量の経時変化 積層チップコンデンサのサンプルに対し、誘電体層の厚
さ1μmあたり2.5Vの直流電界(サンプルへの印加
電圧7.5V)を40℃にて100時間印加し、次い
で、無負荷状態で室温にて24時間放置した後、容量を
測定し、直流電界印加前の容量C(初期容量)から
の変化量ΔCを求めて、変化率ΔC/C を算出した。
なお、容量は上記条件にて測定した。
【0111】直流バイアス下の容量低下耐性(DC−B
ias特性) LCRメーターにより、0〜13V/μmの直流電界を
かけながら静電容量を室温で測定し、直流電界下の容量
が−50%になる電界を求めた。少なくとも6.3V/
μm以上、できれば6.5V/μm以上であることが好
ましい。
【0112】
【表1】
【0113】
【表2】 比較例1 表1および表2に示すように、仮焼きせず、主成分であ
るBaTiO:100モルに対し、MgO換算で
2.1モルの(MgCOMg(OH)
5HO、0.375モルのMnCO、3.0モ
ルの(Ba0.6 Ca0.4 )SiO、0.01
モルのV、および2.1モルのY
を添加した混合粉体を用いて焼成を行った以外は、前記
実施例1のサンプルと同様にして、円柱状サンプルおよ
びコンデンサのサンプルA11を準備し、実施例1と同
様な試験を行った。結果を表2に示す。
【0114】実施例2 表1に示すように、第1副成分としてCaOまたはBa
Oを用い、仮焼温度を1000℃で行った以外は、実施
例1と同様にして、円柱状サンプルおよびコンデンサの
サンプルB1およびB2を準備し、実施例1と同様な試
験を行った。結果を表2に示す。
【0115】なお、仮焼前粉体中の特定成分のモル比:
(Ba+Ca)/(Ti+Y)を調べたところ、表1に
示すように、1.021であった。また、モル比:(B
a+Y)/(Ti+Ca)を調べたところ、表1に示す
ように、0.9794であった。
【0116】実施例3 表1に示すように、仮焼前粉体中に、2.1モルのMg
Oと2.1モルのY 、またはそれらに加えて
0.375モルのMnCOとを、さらに添加し、仮
焼温度を700〜1100℃とした以外は、実施例1と
同様にして、円柱状サンプルおよびコンデンサのサンプ
ルC1〜C10を準備し、実施例1と同様な試験を行っ
た。結果を表2に示す。
【0117】なお、仮焼前粉体中の特定成分のモル比:
(Ba+Mg)/(Ti+Y)を調べたところ、表1に
示すように、0.9798であった。また、モル比:
(Ba+Y)/(Ti+Mg)を調べたところ、表1に
示すように、1.0206であった。
【0118】実施例4 表1に示すように、仮焼前粉体中に、第3成分として
0.01モルのV 、第4成分として2.1モ
ルのY、第5成分として0.375モルのM
nCOとを、さらに添加し、仮焼温度を500〜1
300℃とした以外は、実施例1と同様にして、円柱状
サンプルおよびコンデンサのサンプルD1〜D9を準備
し、実施例1と同様な試験を行った。結果を表2に示
す。
【0119】なお、仮焼前粉体中の特定成分のモル比:
(Ba+Mg)/(Ti+Y)を調べたところ、表1に
示すように、0.9798であった。また、モル比:
(Ba+Y)/(Ti+Mg)を調べたところ、表1に
示すように、1.0206であった。
【0120】実施例5 表1に示すように、第4成分としてのYに代
えて、DyまたはHoを、2.1モ
ル(DyまたはHoのモル数は4.2モル、以下同様)
の含有量で仮焼前粉体中に含有させ、仮焼温度を800
℃にした以外は、前記実施例4と同様にして、円柱状サ
ンプルおよびコンデンサのサンプルE1およびE2を準
備し、実施例1と同様な試験を行った。結果を表2に示
す。
【0121】なお、仮焼前粉体中の特定成分のモル比:
(Ba+Mg)/(Ti+DyまたはHo)を調べたと
ころ、表1に示すように、0.9798であった。ま
た、モル比:(Ba+DyまたはHo)/(Ti+M
g)を調べたところ、表1に示すように、1.0206
であった。
【0122】実施例6 表1に示すように、第4成分としてのYに代
えて、Euを、1.5モル(Euのモル数は
3.0モル、以下同様)仮焼前粉体中に含有させ、仮焼
温度を800℃にした以外は、前記実施例4と同様にし
て、円柱状サンプルおよびコンデンサのサンプルE3を
準備し、実施例1と同様な試験を行った。結果を表2に
示す。
【0123】なお、仮焼前粉体中の特定成分のモル比:
(Ba+Mg)/(Ti+Eu)を調べたところ、表1
に示すように、0.9951であった。また、モル比:
(Ba+Eu)/(Ti+Mg)を調べたところ、表1
に示すように、1.0049であった。
【0124】実施例7 表1に示すように、第4成分としてのYに代
えて、Gdを、1.5モル(Gdのモル数は
3.0モル、以下同様)の含有量で仮焼前粉体中に含有
させ、仮焼温度を800℃にした以外は、前記実施例4
と同様にして、円柱状サンプルおよびコンデンサのサン
プルE5を準備し、実施例4と同様な試験を行った。結
果を表2に示す。
【0125】なお、仮焼前粉体中の特定成分のモル比:
(Ba+Mg)/(Ti+Gd)を調べたところ、表1
に示すように、0.9951であった。また、モル比:
(Ba+Gd)/(Ti+Mg)を調べたところ、表1
に示すように、1.0049であった。
【0126】比較例2 表1および表2に示すように、仮焼きせず、主成分であ
るBaTiO:100モルに対し、MgO換算で
2.5モルの(MgCOMg(OH)
5HO、0.375モルのMnCO、3.0モ
ルの(Ba0.6 Ca0.4 )SiO、0.1モ
ルのV、および1.5モルのGd
を添加した混合粉体を用いて焼成を行った以外は、前記
実施例7のサンプルと同様にして、円柱状サンプルおよ
びコンデンサのサンプルE4を準備し、実施例7と同様
な試験を行った。結果を表2に示す。
【0127】実施例8 表1に示すように、第4成分としてのYに代
えて、Tbを、0.7モル(Tbのモル数は
2.8モル、以下同様)の含有量で仮焼前粉体中に含有
させ、仮焼温度を800℃にした以外は、前記実施例4
と同様にして、円柱状サンプルおよびコンデンサのサン
プルE7を準備し、実施例4と同様な試験を行った。結
果を表2に示す。
【0128】なお、仮焼前粉体中の特定成分のモル比:
(Ba+Mg)/(Ti+Tb)を調べたところ、表1
に示すように、0.9971であった。また、モル比:
(Ba+Tb)/(Ti+Mg)を調べたところ、表1
に示すように、1.0029であった。
【0129】比較例3 表1および表2に示すように、仮焼きせず、主成分であ
るBaTiO:100モルに対し、MgO換算で
2.5モルの(MgCOMg(OH)
5HO、0.375モルのMnCO、3.0モ
ルの(Ba0.6 Ca0.4 )SiO、0.1モ
ルのV、および0.7モルのTb
を添加した混合粉体を用いて焼成を行った以外は、前記
実施例8のサンプルと同様にして、円柱状サンプルおよ
びコンデンサのサンプルE6を準備し、実施例8と同様
な試験を行った。結果を表2に示す。
【0130】実施例9 仮焼前粉体には、60〜80モルのBaTiOに対
して、MgOに換算して表3に示すモルのマグネシウム
炭酸塩を含有させ、仮焼済粉体には、表4に示すよう
に、仮焼済成分の重量%が60〜80重量%となるよう
に、仮焼しない主成分および副成分を追加添加した以外
は、実施例1と同様にして、円柱状サンプルおよびコン
デンサのサンプルF1〜F3を準備し、実施例1と同様
な試験を行った。結果を表4に示す。
【0131】なお、仮焼前粉体中の特定成分のモル比:
(Ba+Mg)/(Ti+Y)を調べたところ、表1に
示すように、1.021であった。また、モル比:(B
a+Y)/(Ti+Mg)を調べたところ、表1に示す
ように、0.9794であった。
【0132】
【表3】
【0133】
【表4】 実施例10 表3に示すように、仮焼前粉体中の第3副成分としての
のモル数を、0.05〜0.5の範囲で変
化させた以外は、実施例4のサンプル番号D5と同様に
して、円柱状サンプルおよびコンデンサのサンプルG1
〜G4を準備し、実施例4と同様な試験を行った。結果
を表4に示す。
【0134】なお、仮焼前粉体中の特定成分のモル比:
(Ba+Mg)/(Ti+Y)を調べたところ、表3に
示すように、0.9798であった。また、モル比:
(Ba+Y)/(Ti+Mg)を調べたところ、表3に
示すように、1.0206であった。
【0135】実施例11 表3に示すように、仮焼前粉体中の第3副成分としての
のモル数を、0.01または0.1とし、
仮焼後に追加添加する第2副成分として、下記に示す組
成のものを用いた以外は、実施例4のサンプル番号D5
と同様にして、円柱状サンプルおよびコンデンサのサン
プルH1〜H3を準備し、実施例4と同様な試験を行っ
た。サンプルH1およびH3では、第2副成分として、
3.0モルのLiO−BaO−SiO混合粉末
(モル比2:4:4または4:2:4)を用いた。サン
プルH2では、第2副成分として、3.0モルのB
−BaO−SiO混合粉末(モル比1:4.
5:4.5)を用いた。結果を表4に示す。
【0136】なお、仮焼前粉体中の特定成分のモル比:
(Ba+Mg)/(Ti+Y)を調べたところ、表3に
示すように、0.9798であった。また、モル比:
(Ba+Y)/(Ti+Mg)を調べたところ、表3に
示すように、1.0206であった。
【0137】評価 表1〜4に示すように、本発明の実施例では、全てX7
R特性およびB特性を満足できることが確認できた。ま
た、比較例1であるサンプル番号A11と、実施例であ
るサンプル番号A1〜A10、B1,B2、C1〜C1
0、D1〜D9とを比較することで、実施例の方が、H
ALT(IR寿命)が長く、CR積が高く、直流電界下
での静電容量の経時変化が少なく、直流電界下での静電
容量半減電界が高いことが確認できた。
【0138】また、たとえば比較例であるサンプル番号
A11と、実施例であるサンプル番号D2〜D5とを比
較することで、仮焼前粉体の組成と仮焼温度を適切に選
択することで、破壊電圧も向上できることが確認でき
た。
【0139】また、サンプル番号C1〜C10およびD
1〜D9の結果を観察することで、仮焼前粉体に第4副
成分が含まれる場合には、仮焼温度は、500℃以上1
200℃未満、好ましくは600〜900℃が好ましい
ことが確認できた。また、サンプル番号A1〜A10の
結果を観察することで、仮焼前粉体中に、第4副成分の
原料が含まれていない場合には、仮焼温度は、好ましく
は600〜1300℃、さらに好ましくは900〜13
00℃、特に好ましくは1000〜1200℃であるこ
とが確認できた。これらの温度範囲の時に、特にHAL
T(IR寿命)が向上する。
【0140】さらに、サンプル番号A1〜A10とD1
〜D9とを比較することで、仮焼前粉体中に含まれる成
分のモル比:(Ba+第1成分の金属元素)/(Ti+
第4成分の金属元素)が、1未満、またはモル比:(T
i+第4成分の金属元素)/(Ba+第1成分の金属元
素)が1を超える場合に、HALT(IR寿命)および
破壊電圧特性が特に向上することが確認できた。
【0141】さらにまた、サンプル番号F1〜F3を比
較することで、仮焼済粉体を、誘電体材料の全体を10
0重量%として、60重量%以上、70重量%以上、で
きれば80重量%以上用いることが好ましいことが確認
できた。仮焼済粉体の割合が多くなるほど、諸特性が向
上することが確認できた。
【0142】また、サンプル番号E3〜E7の結果を観
察することで、第4副成分として、Tb酸化物またはG
d酸化物を用いた場合でも、本発明に係る仮焼方法によ
り、X7R特性は満足しないものの、他の諸特性(特に
IR寿命)が向上することが確認できた。
【0143】また、サンプル番号G1〜G4などを観察
することで、第3副成分の比率を、好ましくは0.01
〜0.1モル、さらに好ましくは0.01以上0.1未
満とすることで、絶縁抵抗(IR)、CR積、破壊電圧
(VB)特性、直流バイアス下の容量低下耐性(DC−
Bias特性)が向上することが確認できた。
【0144】また、サンプル番号H1〜H3などを観察
することで、第2成分として、SiO、Li
およびBaOなどを用いた場合でも、本発明の効果が得
られることが確認できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は積層型セラミックコンデンサの断面図
である。
【符号の説明】
1…積層型セラミックコンデンサ 2…誘電体層 3…内部電極層 4…外部電極 10…コンデンサ素子本体
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−215979(JP,A) 特開 平6−5460(JP,A) 特開2000−143341(JP,A) 特開2000−103668(JP,A) 特開2000−327414(JP,A) 特開2001−135544(JP,A) 特開2001−17970(JP,A) 特開2001−220225(JP,A) 特開2001−39765(JP,A) 特開 平9−255420(JP,A) 特開2000−154057(JP,A) 特開 平11−278926(JP,A) 特開 平5−109319(JP,A) 特開 平5−36308(JP,A) 特開2000−311828(JP,A) 特公 平7−118431(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 35/42 - 35/50 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 組成式BaTiO2+n で表さ
    れ、前記組成式中のmが0.995≦m≦1.010で
    あり、nが0.995≦n≦1.010であり、Baと
    Tiとの比が0.995≦Ba/Ti≦1.010であ
    る主成分と、 MgO,CaO,BaO,SrOおよびCr
    から選択される少なくとも1種を含む第1副成分と、 SiO、MO(ただし、Mは、Ba、Ca、Srお
    よびMgから選ばれる少なくとも1種の元素)、Li
    OおよびBから選ばれる少なくとも1種
    を含む第2副成分と、 V,MoOおよびWOから選択され
    る少なくとも1種を含む第3副成分と、 Rの酸化物(ただし、RはY、Dy、Tb、Gdおよび
    Hoから選択される少なくとも一種)を含む第4副成分
    と、を少なくとも有し、 前記主成分100モルに対する各副成分の比率が、 第1副成分:0.1〜3モル、 第2副成分:2〜12モル、 第3副成分:0.01モル以上0.1モル未満、 第4副成分:0.1〜10.0モル(ただし、第4副成
    分のモル数は、R単独での比率である)である誘電体磁
    器組成物を製造する方法であって、 前記主成分と、前記第2副成分を除いたその他の副成分
    のうちの少なくとも一部とを混合し、仮焼前粉体を準備
    する工程と、 前記仮焼前粉体を仮焼きして仮焼済粉体を準備する工程
    と、 前記仮焼済粉体に、前記第2副成分を少なくとも混合
    し、前記主成分に対する各副成分のモル比が前記の比率
    である誘電体磁器組成物を得る工程と、 を有し、 前記仮焼前粉体中に含まれる成分のモル比:(Ba+第
    1副成分の金属元素)/(Ti+第4副成分の金属元
    素)が1未満、または(Ba+第4副成分の金属元素)
    /(Ti+第1副成分の金属元素)が1を超えるよう
    に、前記仮焼前粉体を準備し、仮焼を行うことを特徴と
    する 誘電体磁器組成物の製造方法。
  2. 【請求項2】 MnOを含む第5副成分をさらに含み、
    前記主成分100モルに対する第5副成分の比率が、
    0.05〜1.0モルである誘電体磁器組成物を得るこ
    とを特徴とする請求項1に記載の誘電体磁器組成物の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 前記主成分100モルに対する前記第3
    副成分のモル比が0.01〜0.1モルである誘電体磁
    器組成物を得ることを特徴とする請求項1または2に記
    載の誘電体磁器組成物の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記仮焼前粉体を準備する際には、仮焼
    前粉体には、第1副成分を必ず含ませることを特徴とす
    請求項1〜3のいずれかに記載の誘電体磁器組成物の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 前記仮焼前粉体を、500℃以上120
    0℃未満の温度で仮焼きすることを特徴とする請求項1
    〜4のいずれかに記載の誘電体磁器組成物の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記仮焼きを複数回行うことを特徴とす
    請求項5に記載の誘電体磁器組成物の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記主成分の平均粒径が0.1〜0.7
    μmである請求項1〜6のいずれかに記載の誘電体磁器
    組成物の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記仮焼済粉体を、誘電体材料の全体を
    100重量%として、70重量%以上用いることを特徴
    とする請求項1〜7のいずれかに記載の誘電体磁器組成
    物の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれかの方法により得
    られた誘電体磁器組成物を用いて、誘電体層を形成する
    ことを特徴とする誘電体層含有電子部品の製造方法。
  10. 【請求項10】 NiまたはNi合金からなる内部電極
    と誘電体層とを交互に積層してなる積層型セラミックコ
    ンデンサであって、前記誘電体層が、BaTiO
    100モル、MgOまたはCaOの少なくとも1種:
    0.1〜3モル、MnO:0.05〜1.0モル、Y
    :0.1〜5モル、V0.01モ
    ル以上0.1モル未満、BaCa1−a SiO
    (aは0〜1の数である):2〜12モルをこのモ
    ル比で含む積層型セラミックコンデンサの製造方法にお
    いて、 BaTiOと、MgOまたはCaOまたは熱処理に
    よってMgOまたはCaOになる化合物の少なくとも1
    種を予め混合し、900℃〜1300℃で仮焼きした材
    料を、誘電体材料全体に対して70重量%以上用い、 前記仮焼前粉体中に含まれる成分のモル比:(Ba+M
    g+Ca)/(Ti+Y)が1未満、または(Ba+
    Y)/(Ti+Mg+Ca)が1を超えるように、前記
    仮焼前粉体を準備し、仮焼を行うことを特徴とする 積層
    型セラミックコンデンサの製造方法。
  11. 【請求項11】 NiまたはNi合金からなる内部電極
    と誘電体層とを交互に積層してなる積層型セラミックコ
    ンデンサであって、誘電体層が、BaTiO:10
    0モル、MgOまたはCaOの少なくとも1種:0.1
    〜3モル、MnO:0.05〜1.0モル、Y
    :0.1〜5モル、V0.01モル以
    上0.1モル未満、BaCa1−a SiO
    (aは0〜1の数である):2〜12モルをこのモ
    ル比で含む積層型セラミックコンデンサの製造方法にお
    いて、 BaTiOと、MgOまたはCaOまたは熱処理に
    よってMgOまたはCaOになる化合物の少なくとも1
    種と、MnOまたは熱処理によってMnOになる化合
    物、Yまたは熱処理によってY
    なる化合物、およびVまたは熱処理によって
    になる化合物からなる群から選ばれる少な
    くとも1種とを予め混合し、900℃〜1300℃で仮
    焼きした材料を、誘電体材料全体に対して70重量%以
    上用い、 前記仮焼前粉体中に含まれる成分のモル比:(Ba+M
    g+Ca)/(Ti+Y)が1未満、または(Ba+
    Y)/(Ti+Mg+Ca)が1を超えるように、前記
    仮焼前粉体を準備し、仮焼を行うことを特徴とする 積層
    型セラミックコンデンサの製造方法。
  12. 【請求項12】 BaTiOの平均粒径が0.2〜
    0.7μmであることを特徴とする請求項10または1
    に記載の積層型セラミックコンデンサの製造方法。
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