JP4691978B2 - 誘電体組成物の製造方法 - Google Patents

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本発明は、たとえば積層セラミックコンデンサなどの電子部品の誘電体層などとして用いられる誘電体磁器組成物およびその製造方法と、この誘電体磁器組成物を誘電体層として有する電子部品に関する。
電子部品の一例である積層セラミックコンデンサは、たとえば、所定の誘電体磁器組成物からなるセラミックグリーンシートに、所定パターンの内部電極を印刷し、それらを複数枚交互に重ね、その後一体化して得られるグリーンチップを、同時焼成して製造される。積層セラミックコンデンサの内部電極層は、焼成によりセラミック誘電体と一体化されるために、セラミック誘電体と反応しないような材料を選択する必要がある。このため、内部電極層を構成する材料として、従来では白金やパラジウムなどの高価な貴金属を用いることを余儀なくされていた。
しかしながら、近年ではニッケルや銅などの安価な卑金属を用いることができる誘電体磁器組成物が開発され、大幅なコストダウンが実現した。
また、近年、電子回路の高密度化に伴う電子部品の小型化に対する要求は高く、積層セラミックコンデンサの小型化、大容量化が急速に進んでいる。積層セラミックコンデンサを小型、大容量化するためには、一般に誘電体層を薄層化する方法や、誘電体層に含有される誘電体磁器組成物の比誘電率を増加させる方法などがとられている。しかしながら、誘電体層を薄くすると、直流電圧を印加したときに誘電体層にかかる電界が強くなるため、比誘電率の経時変化、すなわち容量の経時変化が著しく大きくなってしまうという問題があった。
直流電界下での容量の経時変化を改良するために、誘電体層に含有される誘電体粒子として、小さな平均結晶粒径を有する誘電体粒子を使用する方法が提案されている(たとえば、特許文献1)。この特許文献1には、特定組成を有し、誘電体粒子の平均結晶粒径が0.45μm以下である誘電体磁器組成物が開示されている。しかしながら、この文献記載の誘電体磁器組成物では、比誘電率が低すぎるため、小型化、大容量化に対応することは困難であった。
また、特許文献2には、希土類元素の塩基性炭酸塩を使用して、希土類元素とチタン酸バリウムとを反応させる方法が開示されている。この文献記載では、セラミックコンデンサを特性向上を目的として、誘電体層を構成する誘電体磁器組成物に、添加される副成分(たとえば、希土類元素)の分散性の向上を図っている。しかしながら、特許文献2には、比誘電率を向上させるための具体的な方法については、なんら開示がなされておらず、この文献では、比誘電率を向上させることが困難であった。さらに、特許文献2に記載の方法には、製造工程が煩雑であるという問題や、チタン酸バリウム粉末の周りの希土類濃度が高すぎるという問題があった。
特開平8−124785号公報 特開2000−281341号公報
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、他の電気特性(たとえば、静電容量の温度特性、絶縁抵抗、絶縁抵抗の加速寿命、誘電損失)を悪化させることなく、比誘電率の向上が可能な誘電体磁器組成物およびその製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、このような誘電体磁器組成物で構成してある誘電体層を有する積層セラミックコンデンサなどの電子部品を提供することも目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る誘電体磁器組成物の製造方法は、
チタン酸バリウムを含む主成分と、
Rの酸化物(ただし、RはY,Dy,Tb,GdおよびHoから選択される少なくとも1種)を含む第4副成分とを有する誘電体磁器組成物を製造する方法であって、
前記主成分の原料と、前記第4副成分の原料の少なくとも一部とを予め反応させ、反応済み原料を得る工程を有し、
前記主成分の原料と予め反応させる前記第4副成分の原料が、Rの酸化物および/または焼成によりRの酸化物となる化合物を含有するゾルであることを特徴とする。
あるいは、本発明に係る誘電体磁器組成物の製造方法は、
チタン酸バリウムを含む主成分と、
Rの酸化物(ただし、RはY,Dy,Tb,GdおよびHoから選択される少なくとも1種)を含む第4副成分とを有する誘電体磁器組成物を製造する方法であって、
前記主成分の原料と、前記第4副成分の原料の少なくとも一部とを予め反応させ、反応済み原料を得る工程を有し、
前記主成分の原料と予め反応させる前記第4副成分の原料が、アルコキシドを含有する原料であることを特徴とする。
本発明においては、前記主成分の原料と前記第4副成分の原料の少なくとも一部とを、予め反応させることにより、前記主成分に前記第4副成分を良好に固溶させることができる。そのため、焼成後の誘電体磁器組成物において、他の電気特性(たとえば、静電容量の温度特性、絶縁抵抗、絶縁抵抗の加速寿命、誘電損失)を悪化させることなく、比誘電率の向上が可能となる。
しかも、本発明においては、前記主成分の原料と予め反応させる前記第4副成分の原料として、Rの酸化物および/または焼成によりRの酸化物となる化合物を含有するゾル、あるいはアルコキシドを含有する原料を使用する。前記第4副成分の原料として、前記ゾル、あるいは前記アルコキシドを使用することにより、前記主成分の原料に対する第4副成分の原料の分散・混合を液相で行うことができる。そのため、得られる反応済み原料において、前記主成分の原料への第4副成分の原料の固溶を均一にすることができる。特に、本発明によると、前記主成分原料の表面全体に、しかも固溶部分の厚みや元素の分布が均一な状態となるように、前記第4副成分を固溶させることができる。
前記ゾルは、Rの酸化物および/または焼成によりRの酸化物となる化合物と、溶媒とから構成され、前記Rの酸化物および/または焼成によりRの酸化物となる化合物は、前記溶媒に均一に分散された状態となっている。前記ゾルに含有される前記Rの酸化物および/または焼成によりRの酸化物となる化合物の平均粒径は、好ましくは1〜100nm、より好ましくは5〜50nmである。また、前記ゾルに含有される前記溶媒としては、特に限定されないが、水、あるいは、メタノールやエタノールなどのアルコール類、キシレンやトルエンなどの芳香族溶媒、メチルエチルケトンなどのケトン類などの有機系溶媒が例示される。
前記アルコキシドは、アルコールとR元素との化合物であり、具体的には、アルコールの水酸基の水素をR元素で置換した化合物をいう。Rのアルコキシドとしては、特に限定されないが、一般式C2n+1 OR(nは、1〜9の整数)で表される各種化合物が使用でき、たとえば、CHOR、COR、n−COR、i−CORなどが挙げられる。なお、前記主成分の原料と予め反応させる前記第4副成分の原料として、前記アルコキシドを含有する原料を使用する場合には、前記アルコキシドを、水、あるいは有機溶媒に分散させ、ゾル状の原料として使用することもできる。
本発明において、好ましくは、前記主成分の原料と、前記誘電体磁器組成物に含有されることとなる前記第4副成分の原料の一部とを予め反応させ、反応済み原料を得る工程と、
前記反応済み原料に、前記誘電体磁器組成物に含有されることとなる残りの前記第4副成分の原料を添加する工程とを有する。
本発明においては、前記主成分の原料と、予め反応させる前記第4副成分の原料は、前記誘電体磁器組成物に含有されることとなる第4副成分の全部ではなく、一部とすることが好ましい。そして、得られた反応済み原料に、残りの第4副成分の原料を添加して、必要に応じて仮焼きして、その後、焼成することが好ましい。このようにすることにより、本発明の作用効果を高めることができる。
本発明において、前記反応済み原料に添加する前記第4副成分の原料として、Rの酸化物および/または焼成によりRの酸化物となる化合物を含有するゾル、あるいは、有機化合物の塩を含有する原料を使用することが好ましい。
前記反応済み原料に後添加する前記第4副成分の原料として、前記ゾル、あるいは、有機化合物の塩を含有する原料を使用することにより、誘電体磁器組成物の電気特性(特に、比誘電率および絶縁抵抗の加速寿命)を向上させることができる。なお、前記反応済み原料に後添加する前記第4副成分の原料として使用される前記ゾルは、前記主成分の原料と予め反応させる前記第4副成分の原料として使用されるものと同じものが使用できる。
また、前記反応済み原料に後添加する前記第4副成分の原料として使用される前記有機化合物の塩は、具体的には、有機酸とR元素との塩であるRの有機酸塩であることが好ましく、このRの有機酸塩としては、Rの有機脂肪酸塩やRのアルコキシドなどが例示される。
本発明においては、最終的に得られる前記誘電体磁器組成物中における前記第4副成分の含有量を、前記主成分100モルに対して、R換算で、好ましくは0.1〜10モル、より好ましくは0.2〜6モルとする。
本発明においては、誘電体磁器組成物に含有される第4副成分の含有量を上記範囲とすることにより、静電容量の温度特性を向上させることができる。第4副成分の含有量が少なすぎると、第4副成分の添加効果が得られなくなり、静電容量の温度特性が悪化してしまう傾向にあり、一方、含有量が多すぎると、焼結性が悪化する傾向にある。
本発明において、前記主成分の原料と予め反応させておく前記第4副成分を、前記主成分100モルに対して、R換算で、0〜0.5モル(ただし、0は含まない)とすることが好ましい。
あるいは、本発明において、前記主成分の原料と予め反応させておく前記第4副成分の比率を、前記誘電体磁器組成物に最終的に含有されることとなる前記第4副成分の総量100重量%に対して、0〜25重量%(ただし、0は含まない)とすることが好ましい。
前記主成分の原料と予め反応させる前記第4副成分の原料の量が多すぎると、焼成後に得られる焼結体の結晶粒径が大きくなり過ぎてしまい、温度特性が悪化したり、絶縁抵抗(IR)が低下してしまう傾向にある。
本発明において、好ましくは、前記誘電体磁器組成物は、
MgO、CaO、BaOおよびSrOから選択される少なくとも1種を含む第1副成分と、
SiOを主として含有し、MO(ただし、MはMg、Ca、BaおよびSrから選択される少なくとも1種)、LiOおよびBから選択される少なくとも1種を含む第2副成分と、
、MoOおよびWOから選択される少なくとも1種を含む第3副成分と、をさらに含有し、
前記主成分100モルに対する各副成分の比率を、
第1副成分:0.1〜5モル、
第2副成分:0.1〜12モル、
第3副成分:0〜0.3モル(ただし、0は含まない)、
とする。
本発明において、好ましくは、前記誘電体磁器組成物は、MnOおよびCrから選択される少なくとも1種を含む第5副成分を、さらに含有し、
前記主成分100モルに対する第5副成分の比率を、0.05〜1.0モルとする。
本発明においては、前記第4副成分とともに、前記第1〜第3副成分(より好ましくは、さらに第5副成分)を含有させることにより、静電容量の温度特性を向上させることができ、特に、EIA規格のX7R特性(−55〜125℃、ΔC=±15%以内)を満足させることができる。なお、前記第1〜第3、第5副成分の添加時期については、特に限定されないが、前記第1〜第3、第5副成分は、前記主成分の原料と前記第4副成分の原料の少なくとも一部とを予め反応させた後の反応済み原料に添加することが好ましい。
本発明において、好ましくは、前記第1〜第3、第5副成分の原料のうち少なくとも一部として、これらの原料を含有するゾル、あるいは有機化合物の塩を含有する原料を使用することが好ましい。
前記第1〜第3、第5副成分の原料のうち少なくとも一部として、上記ゾル、あるいは有機化合物の塩を含有する原料を使用することにより、誘電体磁器組成物の電気特性(特に、比誘電率および絶縁抵抗の加速寿命)を向上させることができる。なお、前記ゾル、あるいは有機化合物の塩としては、上述した第4副成分の原料として用いられるゾル、あるいは有機化合物の塩と同様のものが使用できる。
本発明においては、前記主成分の原料として、平均粒径が好ましくは0.05〜0.5μm、より好ましくは0.1〜0.4μmである原料を使用する。平均粒径が上記範囲である主成分の原料を使用することにより、焼結後の誘電体粒子の平均結晶粒径を、好ましくは0.1〜0.3μmと微細化することができるため、比誘電率の経時変化を低減することができる。
本発明に係る誘電体磁器組成物は、上記のいずれかに記載の方法で製造される誘電体磁器組成物である。
本発明に係る電子部品は、上記記載の誘電体磁器組成物で構成してある誘電体層を有する。電子部品としては、特に限定されないが、積層セラミックコンデンサ、圧電素子、チップインダクタ、チップバリスタ、チップサーミスタ、チップ抵抗、その他の表面実装(SMD)チップ型電子部品が例示される。
本発明によると、前記主成分の原料と前記第4副成分の原料の少なくとも一部とを予め反応させるため、他の電気特性(たとえば、静電容量の温度特性、絶縁抵抗、絶縁抵抗の加速寿命、誘電損失)を悪化させることなく、比誘電率の向上が可能な誘電体磁器組成物およびその製造方法を提供することができる。
特に、本発明においては、前記主成分の原料と予め反応させる前記第4副成分の原料として、前記ゾル、あるいは前記アルコキシドを含有する原料を使用するため、前記主成分に対して前記第4副成分を、均一に分散、固溶させることができる。そのため、焼成後の誘電体磁器組成物において、前記第4副成分の偏析、および特性のバラツキを小さくすることができる。
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る積層セラミックコンデンサの断面図、
図2は本発明の一実施形態に係る誘電体磁器組成物粉末の製造方法を示すフロー図である。
積層セラミックコンデンサ1
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る積層セラミックコンデンサ1は、誘電体層2と内部電極層3とが交互に積層された構成のコンデンサ素子本体10を有する。このコンデンサ素子本体10の両端部には、素子本体10の内部で交互に配置された内部電極層3と各々導通する一対の外部電極4が形成してある。コンデンサ素子本体10の形状に特に制限はないが、通常、直方体状とされる。また、その寸法にも特に制限はなく、用途に応じて適当な寸法とすればよい。
内部電極層3は、各端面がコンデンサ素子本体10の対向する2端部の表面に交互に露出するように積層してある。一対の外部電極4は、コンデンサ素子本体10の両端部に形成され、交互に配置された内部電極層3の露出端面に接続されて、コンデンサ回路を構成する。
誘電体層2
誘電体層2は、誘電体磁器組成物を含有する。
本実施形態においては、上記誘電体磁器組成物は、組成式BaTiO2+m で表され、前記組成式中のmが0.995≦m≦1.010であり、BaとTiとの比が0.995≦Ba/Ti≦1.010であるチタン酸バリウムを含む主成分と、Rの酸化物(ただし、RはY,Dy,Tb,GdおよびHoから選択される少なくとも1種)を含む第4副成分と、その他の副成分とを含有する。
第4副成分は、Rの酸化物を含有する副成分である。Rの酸化物のR元素は、Y,Dy,Tb,GdおよびHoから選択される少なくとも1種の元素であり、これらのなかでも、Y,Tb,Gdが好ましい。
第4副成分は、IR加速寿命特性を向上させる効果がある。第4副成分の含有量は、R換算で0.1〜10モルであることが好ましく、より好ましくは0.2〜6モルである。含有量が少なすぎると、第4副成分の添加効果が得られなくなり、容量温度特性が悪くなってしまう。一方、含有量が多すぎると、焼結性が悪化する傾向にある。なお、後に詳述するように、本実施形態の製造方法においては、上記第4副成分の原料のうち少なくとも一部を、主成分の原料と予め反応させる工程を採用している。
本実施形態においては、上記Rの酸化物を含む第4副成分以外の副成分として、以下の第1〜第3、第5副成分を、さらに含有することが好ましい。
すなわち、MgO、CaO、BaOおよびSrOから選択される少なくとも1種を含む第1副成分と、
SiOを主として含有し、MO(ただし、MはMg、Ca、BaおよびSrから選択される少なくとも1種)、LiOおよびBから選択される少なくとも1種を含む第2副成分と、
、MoOおよびWOから選択される少なくとも1種を含む第3副成分と、
MnOおよびCrから選択される少なくとも1種を含む第5副成分と、をさらに含有することが好ましい。
前記主成分に対する上記各副成分の比率は、各酸化物換算で、前記主成分100モルに対し、
第1副成分:0.1〜5モル、
第2副成分:0.1〜12モル、
第3副成分:0〜0.3モル(ただし、0は含まない)、
第5副成分:0.05〜1.0モル
であり、好ましくは、
第1副成分:0.2〜4モル、
第2副成分:1〜6モル、
第3副成分:0〜0.25モル(ただし、0は含まない)、
第5副成分:0.05〜0.4モル
である。
本実施形態においては、誘電体磁器組成物に、Rの酸化物を含有する第4副成分以外に、上記第1〜第3、第5副成分を含有させることにより、静電容量の温度特性を向上させることができ、好ましくはEIA規格のX7R特性(−55〜125℃、ΔC=±15%以内)を満足させることができる。
なお、本明細書では、主成分および各副成分を構成する各酸化物を化学量論組成で表しているが、各酸化物の酸化状態は、化学量論組成から外れるものであってもよい。ただし、各副成分の上記比率は、各副成分を構成する酸化物に含有される金属量から上記化学量論組成の酸化物に換算して求める。
上記各副成分の含有量の限定理由は以下のとおりである。
第1副成分(MgO、CaO、BaOおよびSrO)の含有量が少なすぎると、容量温度変化率が大きくなってしまう。一方、含有量が多すぎると、焼結性が悪化すると共に、高温負荷寿命が悪化する傾向にある。なお、第1副成分中における各酸化物の構成比率は任意である。
第2副成分は、主成分としてSiOを含み、かつ、MO(ただし、MはMg、Ca、BaおよびSrから選択される少なくとも1種)、LiOおよびBから選択される少なくとも1種を含む。この第2副成分は、主として焼結助剤として作用する。MO(ただし、MはMg、Ca、BaおよびSrから選択される少なくとも1種)は、第1副成分にも含まれるが、SiOとの複合酸化物とし、組成式MSiO2+x で表される化合物とすることにより、融点を低くすることができる。そして、融点を低くすることができるため、主成分に対する反応性を向上させることができる。なお、上記MOとして、たとえば、BaOおよびCaOを使用した場合には、上記複合酸化物は、組成式(Ba,Ca)SiO2+x で表される化合物とすることが好ましい。組成式(Ba,Ca)SiO2+x におけるxは、好ましくは0.8〜1.2であり、より好ましくは0.9〜1.1である。xが小さすぎると、すなわちSiOが多すぎると、主成分のBaTiO2+m と反応して誘電体特性を悪化させてしまう。一方、xが大きすぎると、融点が高くなって焼結性を悪化させるため、好ましくない。
第3副成分(V、MoOおよびWO)は、キュリー温度以上での容量温度特性を平坦化する効果と、高温負荷寿命を向上させる効果とを示す。第3副成分の含有量が少なすぎると、このような効果が不十分となる。一方、含有量が多すぎると、IRが著しく低下する。なお、第3副成分中における各酸化物の構成比率は任意である。
第5副成分(MnOおよびCr)は、キュリー温度を高温側にシフトさせるほか、容量温度特性の平坦化、絶縁抵抗(IR)の向上、破壊電圧の向上、焼成温度を低下させる、などの効果を有する。
誘電体磁器組成物に含まれる誘電体粒子の平均結晶粒径は、特に限定されないが、好ましくは0.1〜0.3μmである。平均結晶粒径が、小さすぎると、比誘電率が低くなってしまう傾向にあり、大きすぎると、比誘電率の経時変化が大きくなってしまう傾向にある。誘電体粒子の平均結晶粒径は、たとえば、誘電体粒子のSEM像より、誘電体粒子の形状を球と仮定して平均粒子径を測定するコード法により測定することができる。
誘電体層2の厚みは、特に限定されないが、一層あたり4.5μm以下であることが好ましく、より好ましくは3.5μm以下、さらに好ましくは3.0μm以下である。厚さの下限は、特に限定されないが、たとえば0.5μm程度である。
誘電体層2の積層数は、特に限定されないが、20以上であることが好ましく、より好ましくは50以上、特に好ましくは、100以上である。積層数の上限は、特に限定されないが、たとえば2000程度である。
内部電極層3
内部電極層3に含有される導電材は特に限定されないが、誘電体層2の構成材料が耐還元性を有するため、比較的安価な卑金属を用いることができる。導電材として用いる卑金属としては、NiまたはNi合金が好ましい。Ni合金としては、Mn,Cr,CoおよびAlから選択される1種以上の元素とNiとの合金が好ましく、合金中のNi含有量は95重量%以上であることが好ましい。なお、NiまたはNi合金中には、P等の各種微量成分が0.1重量%程度以下含まれていてもよい。内部電極層3の厚さは用途等に応じて適宜決定すればよいが、通常、0.1〜3μm、特に0.2〜2.0μm程度であることが好ましい。
外部電極4
外部電極4に含有される導電材は特に限定されないが、本実施形態では安価なNi,Cuや、これらの合金を用いることができる。外部電極4の厚さは用途等に応じて適宜決定すればよいが、通常、10〜50μm程度であることが好ましい。
積層セラミックコンデンサの製造方法
本実施形態の積層セラミックコンデンサは、従来の積層セラミックコンデンサと同様に、ペーストを用いた通常の印刷法やシート法によりグリーンチップを作製し、これを焼成した後、外部電極を印刷または転写して焼成することにより製造される。以下、製造方法について具体的に説明する。
まず、誘電体層用ペーストに含まれる誘電体磁器組成物粉末を調製する。
本実施形態においては、上記誘電体磁器組成物粉末の調製は、次のように行う。すなわち、図2に示すように、まず、上記主成分の原料と、上記第4副成分の原料の一部(誘電体磁器組成物に含有されることとなる第4副成分のうち一部に相当する原料)とを、予め反応(固溶)させ、反応済み原料を得る。次いで、この反応済み原料に、残りの第4副成分の原料(誘電体磁器組成物を構成することとなる第4副成分のうち残りの原料)と、上記第1〜第3、第5副成分の原料とを添加し、必要に応じて仮焼きすることにより、誘電体磁器組成物粉末は調製される。
上記主成分の原料としては、上述のBaTiO2+m の粉末あるいは、焼成によりBaTiO2+m となる化合物の粉末が使用でき、主成分の原料の平均粒径は、好ましくは0.05〜0.5μm、より好ましくは0.1〜0.4μmである。本実施形態では、後述するように、主成分の原料と予め反応させる第4副成分の原料として、Rの酸化物および/または焼成によりRの酸化物となる化合物を含有するゾル、あるいはRのアルコキシドを含有する原料を使用する。そのため、上記主成分の原料として、微細化された原料を使用した場合においても、主成分の原料と第4副成分の原料とを、均一に分散させることができ、主成分と第4副成分とを均一に固溶させることができる。
主成分の原料の平均粒径が大きすぎると、焼結後の誘電体粒子の平均結晶粒径が大きくなりすぎてしまい、温度特性が悪化したり、絶縁抵抗(IR)が低下してしまう傾向にある。一方、平均粒径が小さすぎると、主成分原料への第4副成分の固溶が不均一となってしまうおそれがある。本実施形態において、上記平均粒径は、体積基準累積50%径(D50径)を意味し、レーザー回折法などの光散乱を利用した方法により測定することができる。
本実施形態では、上記主成分の原料と予め反応させる第4副成分の原料として、Rの酸化物および/または焼成によりRの酸化物となる化合物を含有するゾル、あるいはRのアルコキシドを含有する原料を使用する。
上記ゾルは、Rの酸化物および/または焼成によりRの酸化物となる化合物と、溶媒とから構成され、Rの酸化物および/または焼成によりRの酸化物となる化合物は、溶媒に均一に分散された状態となっている。上記ゾルに含有される上記Rの酸化物および/または焼成によりRの酸化物となる化合物の平均粒径は、好ましくは1〜100nm、より好ましくは5〜50nmである。上記焼成によりRの酸化物となる化合物としては、たとえば、Rの有機化合物の塩や、炭酸塩、シュウ酸塩、硝酸塩、水酸化物、有機金属化合物などが挙げられる。
また、上記ゾルに含有される溶媒としては、特に限定されないが、水、あるいは、メタノールやエタノールなどのアルコール類、キシレンやトルエンなどの芳香族溶媒、メチルエチルケトンなどのケトン類などの有機系溶媒が例示される。
上記Rのアルコキシは、アルコールとR元素との化合物であり、具体的には、アルコールの水酸基の水素をR元素で置換した化合物をいう。Rのアルコキシドとしては、特に限定されないが、一般式C2n+1 OR(nは、1〜9の整数)で表される各種化合物が使用でき、たとえば、CHOR、COR、n−COR、i−CORなどが挙げられる。なお、主成分の原料と予め反応させる第4副成分の原料として、Rのアルコキシドを含有する原料を使用する場合には、Rのアルコキシドを、水、あるいは有機溶媒に分散させ、ゾル状の原料として使用することもできる。
第4副成分の原料として、上記ゾル、あるいはRのアルコキシドを使用することにより、主成分の原料に対する第4副成分の原料の分散・混合を液相で行うことができる。そのため、得られる反応済み原料において、主成分の原料への第4副成分の原料の固溶を均一にすることができる。特に、本発明によると、前記主成分原料の表面全体に、しかも固溶部分の厚みや元素の分布が均一な状態となるように、前記第4副成分を固溶させることができる。
なお、本実施形態においては、上記第4副成分の原料には、少なくとも一部として上記ゾル、あるいはRのアルコキシドが含有されていればよく、たとえば、酸化物などのゾルまたはRのアルコキシド以外の原料が含有されていても良い。好ましくは、本実施形態においては、主成分の原料と予め反応させる第4副成分の原料100重量%に対する、上記ゾル、あるいはRのアルコキシドの原料の含有量は、50〜100重量%とする。
主成分の原料と予め反応させる第4副成分の原料は、上記主成分100モルに対して、R換算で、0〜0.5モル(ただし、0は含まない)とすることが好ましく、より好ましくは0.01〜0.2モルとする。
あるいは、予め反応させる第4副成分の原料の比率を、誘電体磁器組成物に最終的に含有されることとなる第4副成分の総量100重量%に対して、0〜25重量%(ただし、0は含まない)とすることが好ましく、より好ましくは0〜15重量%(ただし、0は含まない)とする。
主成分の原料と予め反応させる第4副成分の原料の量が多すぎると、焼成後に得られる焼結体の結晶粒径が大きくなり過ぎてしまい、温度特性が悪化したり、絶縁抵抗(IR)が低下してしまう傾向にある。
上記主成分の原料と上記第4副成分の原料の一部とを予め反応させて反応済み原料を得る方法としては、たとえば、次のような方法が挙げられる。
まず、主成分の原料と第4副成分の原料とを、別々に、水、あるいはアルコールなどの水溶性の有機溶媒に分散させた主成分原料スラリーと第4副成分原料スラリーを得る。次いで、この主成分原料スラリーと第4副成分原料スラリーとを混合して、混合スラリーを得る。そして、得られた混合スラリーを乾燥して、乾燥原料を得て、その後、この乾燥原料を500〜700℃程度の温度で仮焼きすることにより反応済み原料を得ることができる。
次いで、得られた反応済み原料に、残りの第4副成分の原料(誘電体磁器組成物を構成することとなる第4副成分のうち残りの原料)と、上記第1〜第3、第5副成分の原料とを添加して、その後、混合して、必要に応じて仮焼きすることにより、誘電体磁器組成物粉末を得る。
反応済み原料に添加する各副成分(第1〜第5副成分)の原料としては、上記した酸化物やその混合物、複合酸化物や、焼成により上記した酸化物や複合酸化物となる各種化合物が使用できるが、本実施形態では、反応済み原料に添加する各副成分原料のうち少なくとも一部として、これらの副成分の原料を含有するゾル、あるいは焼成により上記各副成分となる有機化合物の塩を含有する原料を使用することが好ましい。
反応済み原料に添加する各副成分の原料として、上記ゾル、あるいは有機化合物の塩を含有する原料を使用することにより、誘電体磁器組成物の電気特性(特に、比誘電率および絶縁抵抗の加速寿命)を向上させることができる。なお、上記各副成分のうち、1種あるいは2種の副成分の原料として上記ゾル、あるいは有機化合物の塩を含有する原料を使用することも可能であるが、可能な限り、各副成分の原料として上記ゾル、あるいは有機化合物の塩を含有する原料を使用することが好ましい。このようにすることにより、電気特性の向上効果をさらに高めることができるからである。
上記ゾルとしては、上述した第4副成分の原料として使用するゾルと同様のゾルを使用することができる。
上記有機化合物の塩としては、たとえば、有機脂肪酸塩やアルコキシドなどの有機酸塩、特に、酢酸塩、蓚酸塩、ステアリン酸塩、アルコキシドなどが好適に使用できる。
具体的には、第1副成分の原料としては、酢酸マグネシウム、蓚酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、マグネシウムアルコキシドなどが例示され、第2副成分の原料としては、酢酸バリウム、ステアリン酸バリウム、バリウムアルコキシド、酢酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、カルシウムアルコキシド、シリカアルコキシドなどが例示され、第3副成分の原料としては、バナジウムアルコキシドなどが例示され、第4副成分の原料としては、イットリウムアルコキシド、酢酸イットリウム、蓚酸イットリウムなどが例示され、第5副成分の原料としては、酢酸マンガン、マンガンアルコキシドなどが例示される。
なお、上記各副成分の原料のうち少なくとも一部として、上記ゾル、あるいは有機化合物の塩を含有する原料を使用した場合においては、各副成分の原料を添加した後に、500〜700℃で仮焼きすることが好ましい。また、仮焼きは、上記各副成分全てを添加した後に行っても良いし、また、上記各副成分のうち一部を添加して、仮焼きするという工程を繰り返す方法を採用しても良い。
次いで、得られた誘電体磁器組成物粉末を用いて 誘電体層用ペーストを製造する。誘電体層用ペーストは、誘電体磁器組成物粉末と有機ビヒクルとを混練した有機系の塗料であってもよく、水系の塗料であってもよい。
有機ビヒクルとは、バインダを有機溶剤中に溶解したものである。有機ビヒクルに用いるバインダは特に限定されず、エチルセルロース、ポリビニルブチラール等の通常の各種バインダから適宜選択すればよい。また、用いる有機溶剤も特に限定されず、印刷法やシート法など、利用する方法に応じて、テルピネオール、ブチルカルビトール、アセトン、トルエン等の各種有機溶剤から適宜選択すればよい。
誘電体層用ペーストを水系の塗料とする場合には、水溶性のバインダや分散剤などを水に溶解させた水系ビヒクルと、誘電体原料とを混練すればよい。水系ビヒクルに用いる水溶性バインダは特に限定されず、例えば、ポリビニルアルコール、セルロース、水溶性アクリル樹脂などを用いればよい。
内部電極層用ペーストは、上記した各種導電性金属や合金からなる導電材、あるいは焼成後に上記した導電材となる各種酸化物、有機金属化合物、レジネート等と、上記した有機ビヒクルとを混練して調製する。
外部電極用ペーストは、上記した内部電極層用ペーストと同様にして調製すればよい。
上記した各ペースト中の有機ビヒクルの含有量に特に制限はなく、通常の含有量、たとえば、バインダは1〜5重量%程度、溶剤は10〜50重量%程度とすればよい。また、各ペースト中には、必要に応じて各種分散剤、可塑剤、誘電体、絶縁体等から選択される添加物が含有されていてもよい。これらの総含有量は、10重量%以下とすることが好ましい。
印刷法を用いる場合、誘電体層用ペーストおよび内部電極層用ペーストを、PET等の基板上に積層印刷し、所定形状に切断した後、基板から剥離してグリーンチップとする。
また、シート法を用いる場合、誘電体層用ペーストを用いてグリーンシートを形成し、この上に内部電極層用ペーストを印刷した後、これらを積層してグリーンチップとする。
焼成前に、グリーンチップに脱バインダ処理を施す。脱バインダ条件としては、昇温速度を好ましくは5〜300℃/時間、より好ましくは10〜100℃/時間、保持温度を好ましくは180〜400℃、より好ましくは200〜300℃、温度保持時間を好ましくは0.5〜24時間、より好ましくは5〜20時間とする。また、脱バインダ雰囲気は、空気中とすることが好ましい。
次いで、脱バインダ処理を施したグリーンチップを焼成する。グリーンチップ焼成時の雰囲気は、内部電極層用ペースト中の導電材の種類に応じて適宜決定されればよいが、導電材としてNiやNi合金等の卑金属を用いる場合、焼成雰囲気中の酸素分圧は、10−9〜10−4Paとすることが好ましい。酸素分圧が上記範囲未満であると、内部電極層の導電材が異常焼結を起こし、途切れてしまうことがある。また、酸素分圧が前記範囲を超えると、内部電極層が酸化する傾向にある。
また、焼成時の保持温度は、好ましくは1000〜1400℃、より好ましくは1100〜1350℃である。保持温度が上記範囲未満であると緻密化が不十分となり、前記範囲を超えると、内部電極層の異常焼結による電極の途切れや、内部電極層構成材料の拡散による容量温度特性の悪化、誘電体磁器組成物の還元が生じやすくなる。
これ以外の焼成条件としては、昇温速度を好ましくは100〜900℃/時間、より好ましくは200〜900℃/時間、温度保持時間を好ましくは0.5〜8時間、より好ましくは1〜3時間、冷却速度を好ましくは50〜500℃/時間、より好ましくは200〜300℃/時間とする。また、焼成雰囲気は還元性雰囲気とすることが好ましく、雰囲気ガスとしてはたとえば、NとHとの混合ガスを加湿して用いることが好ましい。
還元性雰囲気中で焼成した場合、コンデンサ素子本体にはアニールを施すことが好ましい。アニールは、誘電体層を再酸化するための処理であり、これによりIR寿命を著しく長くすることができるので、信頼性が向上する。
アニール雰囲気中の酸素分圧は、10−3Pa以上、特に10−2〜10Paとすることが好ましい。酸素分圧が前記範囲未満であると誘電体層の再酸化が困難であり、前記範囲を超えると内部電極層が酸化する傾向にある。
アニールの際の保持温度は、1200℃以下、特に500〜1200℃とすることが好ましい。保持温度が上記範囲未満であると誘電体層の酸化が不十分となるので、IRが低く、また、高温負荷寿命が短くなりやすい。一方、保持温度が前記範囲を超えると、内部電極層が酸化して容量が低下するだけでなく、内部電極層が誘電体素地と反応してしまい、容量温度特性の悪化、IRの低下、高温負荷寿命の低下が生じやすくなる。
これ以外のアニール条件としては、昇温速度を好ましくは100〜900℃/時間、より好ましくは200〜900℃/時間、温度保持時間を好ましくは0.5〜12時間、より好ましくは1〜10時間、冷却速度を好ましくは50〜600℃/時間、より好ましくは100〜300℃/時間とする。また、アニールの雰囲気ガスとしては、たとえば、加湿したNガス等を用いることが好ましい。
上記した脱バインダ処理、焼成およびアニールにおいて、Nガスや混合ガス等を加湿するには、例えばウェッター等を使用すればよい。この場合、水温は5〜75℃程度が好ましい。
脱バインダ処理、焼成およびアニールは、連続して行なっても、独立に行なってもよい。
上記のようにして得られたコンデンサ素子本体に、例えばバレル研磨やサンドブラストなどにより端面研磨を施し、外部電極用ペーストを印刷または転写して焼成し、外部電極4を形成する。外部電極用ペーストの焼成条件は、例えば、加湿したNとHとの混合ガス中で600〜800℃にて10分間〜1時間程度とすることが好ましい。そして、必要に応じ、外部電極4表面に、めっき等により被覆層を形成する。
このようにして製造された本発明の積層セラミックコンデンサは、ハンダ付等によりプリント基板上などに実装され、各種電子機器等に使用される。
本実施形態においては、誘電体磁器組成物粉末として、主成分の原料と、第4副成分の原料の一部(誘電体磁器組成物に含有されることとなる第4副成分のうち一部に相当する原料)とを、予め反応(固溶)させ、反応済み原料を得る工程を採用する。そのため、焼成後の誘電体磁器組成物において、他の電気特性(たとえば、静電容量の温度特性、絶縁抵抗、絶縁抵抗の加速寿命、誘電損失)を悪化させることなく、比誘電率の向上が可能となる。
しかも、本実施形態では、主成分の原料と予め反応させる第4副成分の原料として、Rの酸化物および/または焼成によりRの酸化物となる化合物を含有するゾル、あるいはRのアルコキシドを含有する原料を使用する。第4副成分の原料として、上記ゾル、あるいはRのアルコキシドを使用することにより、主成分の原料に対する第4副成分の原料の分散・混合を液相で行うことができる。そのため、得られる反応済み原料において、主成分の原料への第4副成分の原料の固溶を均一にすることができる。特に、本実施形態によると、主成分原料の表面全体に、しかも固溶部分の厚みや元素の分布が均一な状態となるように、第4副成分を固溶させることができる。
さらに、本実施形態では、上記反応済み原料に添加する各副成分の原料のうち少なくとも一部として、上記各副成分の原料を含有するゾル、あるいは焼成により上記各副成分となる有機化合物の塩を含有する原料を使用する。そのため、焼成後の誘電体磁器組成物において、さらなる電気特性(特に、比誘電率および絶縁抵抗の加速寿命)の向上を図ることができる。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々に改変することができる。
たとえば、上述した実施形態では、本発明に係る電子部品として積層セラミックコンデンサを例示したが、本発明に係る電子部品としては、積層セラミックコンデンサに限定されず、上記組成の誘電体磁器組成物で構成してある誘電体層を有するものであれば何でも良い。
また、上述した実施形態では、主成分原料と予め反応させる第4副成分としては、誘電体磁器組成物に含有されることとなる第4副成分のうち一部としたが、誘電体磁器組成物に含有されることとなる第4副成分の全部とすることもできる。
以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。
実施例1
まず、平均粒径0.35μmの主成分原料(BaTiO)を準備し、このBaTiO15モルを9Lの水に加え、撹拌・分散させて、主成分原料スラリーを調製した。
次いで、平均粒子径が10nmのY粒子を、水に分散させてYゾルを調整した。なお、Yゾル中のY粒子の含有量は、Yゾル全体100重量%に対して、15重量%とした。
次いで、上記にて調整したYゾル0.3モルを、BaTiOの分散した主成分原料スラリーに、0.5ml/min.の速度で滴下した。なお、滴下は、主成分原料スラリーを撹拌しながら行った。そして、Yゾルの全量を主成分原料スラリーに滴下した後に、2時間撹拌を行うことにより混合スラリーを得た。なお、上記にて滴下したYゾルのモル数は、Y原子換算のモル数である。
次いで、上記にて得られた混合スラリーを、ロータリーエバポレータを使用して、温度35℃、35mmHgの減圧条件で、溶媒を除去することにより、乾燥粉体を得た。そして、得られた乾燥粉体をメッシュ番号#300を使用して、篩いに掛け、その後、磁器坩堝に入れて、仮焼きすることにより反応済み原料を得た。なお、反応済み原料を得る際の仮焼き条件は、昇温速度:200℃/時間、保持温度:600℃、温度保持時間:2時間、雰囲気:空気中とした。
そして、得られた反応済み原料に対して、以下に示す第1〜第5副成分を、添加して、ボールミルにより湿式混合粉砕してスラリー化し、このスラリーを乾燥後、仮焼・粉砕し、メッシュ番号#300を使用して、篩いに掛け、誘電体磁器組成物粉末を得た。
MgCO (第1副成分):0.18モル
(Ba,Ca)SiO
(第2副成分):0.1125モル
(第3副成分):0.0045モル
(第4副成分):0.0525モル
MnCO (第5副成分):0.03モル
なお、第4副成分であるYの添加量は、Y原子換算でのモル数とした。すなわち、Y換算での添加量は、0.02625モルである。また、第4副成分以外の各副成分の添加量は、各化合物換算の添加量とした。
上記にて得られた誘電体磁器組成物粉末100重量部と、アクリル樹脂4.8重量部と、酢酸エチル100重量部と、ミネラルスピリット6重量部と、トルエン4重量部とをボールミルで混合してペースト化し、誘電体層用ペーストを得た。
次に、Ni粒子44.6重量部と、テルピネオール52重量部と、エチルセルロース3重量部と、ベンゾトリアゾール0.4重量部とを、3本ロールにより混練し、スラリー化して内部電極層用ペーストを得た。
これらのペーストを用い、以下のようにして、図1に示される積層セラミックチップコンデンサ1を製造した。
まず、得られた誘電体層用ペーストを用いてPETフィルム上にグリーンシートを形成した。この上に内部電極用ペーストを印刷した後、PETフィルムからシートを剥離した。次いで、これらのグリーンシートと保護用グリーンシート(内部電極層用ペーストを印刷しないもの)とを積層、圧着して、グリーンチップを得た。
次いで、グリーンチップを所定サイズに切断し、脱バインダ処理、焼成およびアニールを下記条件にて行って、積層セラミック焼成体を得た。
脱バインダ処理条件は、昇温速度:32.5℃/時間、保持温度:260℃、温度保持時間:8時間、雰囲気:空気中とした。
焼成条件は、昇温速度:200℃/時間、保持温度:1250℃、温度保持時間:2時間、冷却速度:200℃/時間、雰囲気ガス:加湿したN+H混合ガス(酸素分圧:10−7Pa)とした。
アニール条件は、昇温速度:200℃/時間、保持温度:1050℃、温度保持時間:2時間、冷却速度:200℃/時間、雰囲気ガス:加湿したNガス(酸素分圧:1.01Pa)とした。
なお、焼成およびアニールの際の雰囲気ガスの加湿には、水温を20℃としたウエッターを用いた。
次いで、得られた積層セラミック焼成体の端面をサンドブラストにて研磨した後、外部電極としてIn−Gaを塗布し、図1に示す実施例1の積層セラミックコンデンサの試料を得た。
得られたコンデンサ試料のサイズは、3.2mm×1.6mm×0.6mmであり、内部電極層に挟まれた誘電体層の数は4とし、1層あたりの誘電体層の厚み(層間厚み)は4.5μm、内部電極層の厚みは1.2μmとした。次いで、得られたコンデンサ試料について、以下に示す方法により、比誘電率ε、誘電損失tanδ、絶縁抵抗IR、静電容量の温度特性およびIR加速寿命の評価を行った。また、上記反応済み原料については、XPS測定により、Y元素の分布度を測定した。
比誘電率ε
コンデンサの試料に対し、基準温度20℃において、デジタルLCRメータ(横河電機(株)製 YHP4274A)にて、周波数120Hz,入力信号レベル(測定電圧)0.625Vrms/μmの条件下で、静電容量Cを測定した。そして、得られた静電容量、積層セラミックコンデンサの誘電体厚みおよび内部電極同士の重なり面積から、比誘電率(単位なし)を算出した。比誘電率は、高いほど好ましい。結果を表1に示す。
誘電損失tanδ
コンデンサの試料に対し、基準温度20℃において、デジタルLCRメータ(横河電機(株)製 YHP4274A)にて、周波数120Hz,入力信号レベル(測定電圧)0.625Vrms/μmの条件下で、誘電損失tanδを測定した。誘電損失は、小さいほど好ましい。結果を表1に示す。
絶縁抵抗IR
コンデンサ試料に対し、絶縁抵抗計(アドバンテスト社製R8340A)を用いて、20℃において4V/μmの直流電圧を、コンデンササンプルに1分間印加した後の絶縁抵抗IRを測定した。結果を表1に示す。
静電容量の温度特性
コンデンサ試料に対し、−55〜125℃における静電容量を測定し、静電容量の変化率ΔCを算出し、EIA規格のX7R特性を満足するか否かについて評価した。すなわち、−55〜125℃において、変化率ΔCが、±15%以内であるか否かを評価した。結果を表1に示す。なお、表1中、X7R特性を満足した試料は「○」とし、満足しなかった試料は「×」とした。
IR加速寿命
コンデンサ試料に対し、180℃にて20V/μmの電界下で加速試験を行い、絶縁抵抗IRが10Ω以下になるまでの時間(単位は時間)を算出した。IR加速寿命は、長いほうが好ましい。結果を表1に示す。
反応済み原料のY原子の分布度の測定
BaTiO粉末とY粉末とを予め反応させることにより得られた反応済み原料について、XPS測定により、表面深さ方向のBa、Ti、Yの各元素の分布状態を測定した。XPS測定の結果、Ba、Ti、Yの各元素は、反応済み原料の表面近傍付近から内部に至るまで、ほぼ同じ濃度で分布しており、固溶反応が均一に進行していることが確認できた。
実施例2
誘電体磁器組成物粉末を作製する際に、以下のようにして反応済み原料を作製した以外は、実施例1と同様にして、誘電体磁器組成物粉末を得て、実施例2のコンデンサ試料を得た。
まず、平均粒径0.35μmの主成分原料(BaTiO)を準備し、このBaTiO15モルを9Lのプロパノールに加え、撹拌・分散させて、主成分原料スラリーを調製した。
同様に、第4副成分の原料としてY(CO)を準備し、このY(CO)0.6モルを1.5Lのプロパノール中に加え、撹拌・分散させて、第4副成分原料スラリーを調製した。
次いで、BaTiOの分散した主成分原料スラリーに、Y(CO)の分散した第4副成分原料スラリーを0.5ml/min.の速度で滴下した。なお、滴下は、主成分原料スラリーを撹拌しながら行った。そして、上記にて調製した第4副成分原料スラリーの全量を主成分原料スラリーに滴下した後に、2時間撹拌を行うことにより混合スラリーを得た。
次いで、上記にて得られた混合スラリーを、ロータリーエバポレータを使用して、温度35℃、35mmHgの減圧条件で、プロパノールを除去することにより、乾燥粉体を得た。そして、得られた乾燥粉体をメッシュ番号#300を使用して、篩いに掛け、その後、磁器坩堝に入れて、仮焼きすることにより反応済み原料を得た。なお、反応済み原料を得る際の仮焼き条件は、昇温速度:200℃/時間、保持温度:500℃、温度保持時間:2時間、雰囲気:空気中とした。
得られたコンデンサ試料について、実施例1と同様にして、比誘電率ε、誘電損失tanδ、絶縁抵抗IR、静電容量の温度特性およびIR加速寿命の評価を行った。結果を表1に示す。
比較例1
誘電体磁器組成物粉末を作製する際に、以下のようにした以外は、実施例1と同様にして、誘電体磁器組成物粉末を得て、比較例1のコンデンサ試料を得た。
すなわち、比較例1では、主成分原料(BaTiO)と予め反応させる第4副成分として、Yゾルの代わりに、Y粉末を用い、BaTiO粉末とY粉末とをボールミルにより湿式混合粉砕してスラリー化し、このスラリーを乾燥後、仮焼・粉砕して、反応済み原料を得た以外は、実施例1と同様にして誘電体磁器組成物粉末を作製した。
得られたコンデンサ試料について、実施例1と同様にして、比誘電率ε、誘電損失tanδ、絶縁抵抗IR、静電容量の温度特性およびIR加速寿命の評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 0004691978
評価1
表1に、実施例1,2および比較例1の比誘電率ε、誘電損失tanδ、絶縁抵抗IR、静電容量の温度特性およびIR加速寿命を示す。なお、表1中、絶縁抵抗IRの「mE+n」は「m×10+n」を意味する。
表1より、主成分と予め反応させる第4副成分の原料として、Yゾルを使用した実施例1、およびY(CO)を使用した実施例2は、それぞれ、比誘電率を4950、5080と高くすることができ、かつ、その他の電気特性(誘電損失tanδ、絶縁抵抗IR、静電容量の温度特性およびIR加速寿命)も良好となることが確認できた。
一方、主成分と予め反応させる第4副成分の原料として、Y粉末を使用した比較例1では、比誘電率およびIR加速寿命に劣る結果となった。
この結果より、主成分と予め反応させる第4副成分の原料として、ゾルであるYゾル、あるいはアルコキシドであるY(CO)を使用することにより、その他の電気特性(誘電損失tanδ、絶縁抵抗IR、静電容量の温度特性およびIR加速寿命)を低下させることなく、比誘電率を向上させることが可能であることが確認できた。
実施例3
反応済み原料に第1〜第5副成分を添加する際に、第1、第2、第4、第5副成分の原料として、以下に示すゾル、あるいは有機化合物の塩を使用した以外は、実施例2と同様にして、誘電体磁器組成物粉末を製造し、実施例2と同様にして、実施例3のコンデンサ試料を得た。
第1副成分:Mg(CH(CH16 COO)
第2副成分:Ba(CHCOO)、Ca(CHCOO)・2HO、SiOゾル
第4副成分:Yゾル
第5副成分:Mn(CHCOO)・4H
なお、第3副成分の原料は、実施例2と同様に、Vを使用した。また、各副成分の添加量についても実施例2と同様とした。
得られたコンデンサ試料について、実施例1と同様にして、比誘電率ε、誘電損失tanδ、絶縁抵抗IR、静電容量の温度特性およびIR加速寿命の評価を行った。結果を表3に示す。
実施例4
誘電体磁器組成物粉末を作製する際に、予め主成分原料と反応させる第4副成分の原料として、Gd(CO)を使用した以外は、実施例2と同様にして、誘電体磁器組成物粉末を得て、実施例4のコンデンサ試料を得た。得られたコンデンサ試料について、実施例1と同様にして、比誘電率ε、誘電損失tanδ、絶縁抵抗IR、静電容量の温度特性およびIR加速寿命の評価を行った。結果を表3に示す。
Figure 0004691978
Figure 0004691978
評価2
表2に実施例2,3および4を製造する際に使用した各副成分の原料を、表3に、実施例2,3および4の比誘電率ε、誘電損失tanδ、絶縁抵抗IR、静電容量の温度特性およびIR加速寿命を示す。
表3より、反応済み原料に添加する第1、第2、第4、第5副成分の原料として、表2に示すようなゾル、あるいは有機化合物の塩を使用した実施例3のコンデンサ試料は、これらの副成分の原料として、ゾル、あるいは有機化合物の塩を使用しなかった実施例2と比較して、比誘電率を高くすることができ、またIR加速寿命特性を改善することができることが確認できた。
また、実施例4の結果より、主成分原料と予め反応させる第4副成分の原料として、Y(CO)の代わりに、Gd(CO)を使用した場合にも、同様の結果が得られることが確認できた。
図1は本発明の一実施形態に係る積層セラミックコンデンサの断面図である。 図2は本発明の一実施形態に係る誘電体磁器組成物粉末の製造方法を示すフロー図である。
符号の説明
1… 積層セラミックコンデンサ
10… コンデンサ素子本体
2… 誘電体層
3… 内部電極層
4… 外部電極

Claims (11)

  1. チタン酸バリウムを含む主成分と、
    MgO、CaO、BaOおよびSrOから選択される少なくとも1種を含む第1副成分と、
    SiO を主として含有し、MO(ただし、MはMg、Ca、BaおよびSrから選択される少なくとも1種)、Li OおよびB から選択される少なくとも1種を含む第2副成分と、
    、MoO およびWO から選択される少なくとも1種を含む第3副成分と、
    Rの酸化物(ただし、RはY,Dy,Tb,GdおよびHoから選択される少なくとも1種)を含む第4副成分とを有する誘電体磁器組成物を製造する方法であって、
    前記主成分の原料と、前記誘電体磁器組成物に含有されることとなる前記第4副成分の原料の一部とを予め反応させ、反応済み原料を得る工程と、
    前記反応済み原料に、前記誘電体磁器組成物に含有されることとなる残りの前記第4副成分と第1〜第3副成分の原料を添加する工程とを有し、
    前記主成分の原料と予め反応させる前記第4副成分の原料が、Rの酸化物および/または焼成によりRの酸化物となる化合物と、溶媒とから構成されるゾルであることを特徴とする誘電体磁器組成物の製造方法。
  2. チタン酸バリウムを含む主成分と、
    MgO、CaO、BaOおよびSrOから選択される少なくとも1種を含む第1副成分と、
    SiO を主として含有し、MO(ただし、MはMg、Ca、BaおよびSrから選択される少なくとも1種)、Li OおよびB から選択される少なくとも1種を含む第2副成分と、
    、MoO およびWO から選択される少なくとも1種を含む第3副成分と、
    Rの酸化物(ただし、RはY,Dy,Tb,GdおよびHoから選択される少なくとも1種)を含む第4副成分とを有する誘電体磁器組成物を製造する方法であって、
    前記主成分の原料と、前記誘電体磁器組成物に含有されることとなる前記第4副成分の原料の一部とを予め反応させ、反応済み原料を得る工程と、
    前記反応済み原料に、前記誘電体磁器組成物に含有されることとなる残りの前記第4副成分と第1〜第3副成分の原料を添加する工程とを有し、
    前記主成分の原料と予め反応させる前記第4副成分の原料が、アルコキシドを含有する原料であることを特徴とする誘電体磁器組成物の製造方法。
  3. 前記反応済み原料に添加する前記第4副成分の原料が、Rの酸化物および/または焼成によりRの酸化物となる化合物と、溶媒とから構成されるゾルである請求項1に記載の誘電体磁器組成物の製造方法
  4. 前記反応済み原料に添加する前記第4副成分の原料が、有機化合物の塩を含有する原料である請求項に記載の誘電体磁器組成物の製造方法。
  5. 前記誘電体磁器組成物は
    記主成分100モルに対する各副成分の比率を、
    第1副成分:0.1〜5モル、
    第2副成分:0.1〜12モル、
    第3副成分:0〜0.3モル(ただし、0は含まない)、
    第4副成分:0.1〜10モル(ただし、第4副成分のモル数はR単独での比率)、
    とする請求項1〜のいずれかに記載の誘電体磁器組成物の製造方法。
  6. 前記誘電体磁器組成物は、MnOおよびCrから選択される少なくとも1種を含む第5副成分を、さらに含有し、
    前記主成分100モルに対する第5副成分の比率を、0.05〜1.0モルとする請求項1〜5のいずれかに記載の誘電体磁器組成物の製造方法。
  7. 前記第1〜第3副成分の原料のうち少なくとも一部として、前記第1〜第3副成分の原料と、溶媒とから構成されるゾルを使用する請求項1〜6のいずれかに記載の誘電体磁器組成物の製造方法。
  8. 前記第1〜第3副成分の原料のうち少なくとも一部として、有機化合物の塩を含有する原料を使用する請求項1〜6のいずれかに記載の誘電体磁器組成物の製造方法。
  9. 前記第5副成分の原料として、前記第5副成分の原料と、溶媒とから構成されるゾルを使用する請求項6〜8のいずれかに記載の誘電体磁器組成物の製造方法。
  10. 前記第5副成分の原料として、有機化合物の塩を含有する原料を使用する請求項6〜8のいずれかに記載の誘電体磁器組成物の製造方法。
  11. 前記主成分の原料として、平均粒径が0.05〜0.5μmである原料を使用する請求項1〜10のいずれかに記載の誘電体磁器組成物の製造方法。
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