JP2001172076A - 誘電体磁器組成物の製造方法 - Google Patents
誘電体磁器組成物の製造方法Info
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Abstract
して好適に用いることができ、かつ、主組成以外の異相
の析出を抑制し、容量温度特性がX8R特性を満足する
誘電体磁器組成物を製造する方法を提供する。 【解決手段】 主成分であるBaTiO3 と、SiO
2 を主成分とし、MO(ただし、Mは、Ba、Ca、
SrおよびMgから選ばれる少なくとも1種の元素)、
Li2OおよびB2O3 から選ばれる少なくとも1種
を含む第2副成分と、その他の副成分とを少なくとも有
する誘電体磁器組成物を製造する方法であって、前記第
2副成分を除いて、前記主成分と、その他の副成分のう
ちの少なくとも一部とを混合し、仮焼きして仮焼済粉体
を準備し、前記仮焼済粉体に、前記第2副成分を少なく
とも混合し、主成分であるBaTiO3 に対する各副
成分の比率が所定モル比である誘電体磁器組成物を得
る。
Description
0以上を有し、容量温度特性がEIA規格のX8R特性
(−55〜150℃、ΔC=±15%以内)を満足し、
高い誘電率および絶縁抵抗を有する耐還元性の誘電体磁
器組成物を製造する方法に関する。
容量、高信頼性の電子部品として広く利用されており、
1台の電子機器の中で使用される個数も多数にのぼる。
近年、機器の小型且つ高性能化に伴い、積層セラミック
コンデンサに対する更なる小型化、大容量化、低価格
化、高信頼性化への要求はますます厳しくなっている。
る誘電体セラミックス組成物として、BaTiO3 を
主成分として、Nb2 O5 −Co3 O4 、Mg
O−Y、希土類元素(Dy,Ho等)、Bi2 O3
−TiO2 などを添加した組成が知られている。これ
らBaTiO3 を主成分とした誘電体セラミック組成
物の温度特性は、BaTiO3 のキュリー温度が約1
20付近にあるため、130℃以上の高温領域で容量温
度特性のR特性(ΔC=±15%以内)を満足する事が
非常に難しい。このため、BaTiO3 系の高誘電率
材料はEIA規格のX7R特性(−55〜125℃、Δ
C=±15%以内)を満足することしかできなかった。
るエンジン電子制御ユニット(ECU)、クランク角セ
ンサ、アンチロックブレーキシステム(ABS)モジュ
ールなどの各種電子装置に積層セラミックコンデンサが
使用されるようになってきている。これらの電子装置
は、エンジン制御、駆動制御およびブレーキ制御を安定
して行うためのものなので、回路の温度安定性が良好で
あることが要求される。
冷地の冬季には−20℃程度以下まで温度が下がり、ま
た、エンジン始動後には、夏季では+130℃程度以上
まで温度が上がることが予想される。最近では電子装置
とその制御対象機器とをつなぐワイヤハーネスを削減す
る傾向にあり、電子装置が車外に設置されることもある
ので、電子装置にとっての環境はますます厳しくなって
いる。したがって、従来のX7R特性の誘電体セラミッ
ク組成物では、これら用途には対応できない。
ンサ材料としては、(Sr,Ca)(Ti,Zr)O
3 系、Ca(Ti,Zr)O3 系、Nd2 O3
−2TiO2 系、La2 O3 −2TiO2 系等
が一般に知られているが、これらの組成物は比誘電率が
非常に低い(一般には100以下)ので、容量の大きい
コンデンサを作製することが実質的に不可能である。
体磁器組成物においてX8R特性を満足させるために、
BaTiO3 中のBaをBi,Pbなどで置換するこ
とにより、キュリー温度を高温側にシフトさせることが
提案されている(特開平10−25157号公報、同9
−40465号公報)。また、BaTiO3 +CaZ
rO3 +ZnO+Nb2 O5 系の組成を選択する
ことによりX8R特性を満足させることも提案されてい
る(特開平4−295048号公報、同4−29245
8号公報、同4−292459号公報、同5−1093
19公報、同6−243721号公報)。しかし、これ
らのいずれの組成系においても、蒸発飛散しやすいP
b,Bi,Znを使用するため、空気中等の酸化性雰囲
気での焼成が前提となる。このため、コンデンサの内部
電極に安価なNi等の卑金属を使用することができず、
Pd,Au,Ag等の高価な貴金属を使用しなければな
らないという問題がある。
するために、本出願人は、コンデンサの内部電極として
NiまたはNi合金などを使用可能とする誘電体磁器組
成物を提案している(特願平10−2206号公報、特
願平11−206291号公報、特願平11−2062
92号公報)。
m,Yb,Luなどの希土類元素を誘電体磁器組成物中
に含有させることによって、キュリー温度の高温側への
シフト、キュリー温度以上での容量温度変化率の平坦
化、および信頼性(高温負荷寿命、容量掲示変化など)
の向上を図ることができる。
土類の添加量を増大させた場合に、希土類を主成分とす
る第2相が誘電体内に析出する傾向がある。この第2相
の析出により、誘電体の強度が向上するが、誘電体層の
厚みによっては、析出した第2相が、積層コンデンサの
誘電体層の厚みと同程度になってしまい、コンデンサの
信頼性を劣化させるおそれがあることが、本発明者等に
より確認された。また、誘電体層中に析出する第2相の
量が多くなるに従って、誘電率と絶縁抵抗との積(CR
積)が低下する傾向があることも本発明者等により確認
された。
コンデンサの大容量化および小型化が進んでおり、誘電
体層の厚みは、さらに薄くなる傾向にある。このため、
特に、誘電体磁器組成物中に希土類を添加する誘電体磁
器組成物では、析出する第2相の大きさや量を制御する
技術が必要になる。
成物の信頼性向上のために、主原料としてのBaTiO
3 と添加物とを予め仮焼する方法が提案されている
(特公平7−118431号公報)。この公報に示す技
術では、最終的に合成される誘電体の組成が、(Ba,
Mg,Ca,Sr,Zn)(Ti,R)O3 +(C
a,Ba)ZrO3 +ガラスになるとしている。そし
て、R=Sc,Y,Gd,Dy,Ho,Er,Yb,T
b,Tm,Luとした時に、(Ba+Mg+Ca+Sr
+Zn)/(Ti+R)で表されるモル比が1.00〜
1.04の範囲になるように、BaTiO3 および添
加物の仮焼を行っている。
リ土類(Mg,Ca,Sr,Ba)は、Baサイトに固
溶し、希土類(R=Sc,Y,Gd,Dy,Ho,E
r,Yb,Tb,Tm,Lu)は、Tiサイトに固溶す
ることを前提としている。このため、希土類の添加量の
増大に伴い、アルカリ土類の添加量を必然的に増大させ
る必要がある。また、この組成系で、上記モル比に特定
すると、X8R特性である高温負荷寿命(IR寿命)を
劣化させてしまう。また、それに併せて、アルカリ土類
を増加させると、焼結性が悪くなるなどの課題を生じ
る。また、Znは、蒸発し易いという課題がある。
i合金等の卑金属が使用可能な積層チップコンデンサ用
誘電体磁器組成物として好適に用いることができ、か
つ、主組成以外の異相の析出を抑制し、誘電体の微細構
造を制御して、容量温度特性がX8R特性を満足しつ
つ、絶縁抵抗および比誘電率を改善し、信頼性に優れた
誘電体磁器組成物を製造することができる方法を提供す
ることである。
に、本発明に係る誘電体磁器組成物の製造方法は、組成
式Bam TiO2+m で表され、前記組成式中のm
が0.995≦m≦1.010であり、BaとTiとの
比が0.995≦Ba/Ti≦1.010である主成分
と、焼結助剤である第2副成分と、その他の副成分とを
少なくとも有する誘電体磁器組成物を製造する方法であ
って、前記第2副成分を除いて、前記主成分と、その他
の副成分のうちの少なくとも一部とを混合し、仮焼前粉
体を準備する工程と、前記仮焼前粉体を仮焼きして仮焼
済粉体を準備する工程と、前記仮焼済粉体に、前記第2
副成分を少なくとも混合し、前記主成分に対する各副成
分の比率が所定モル比である誘電体磁器組成物を得る工
程と、を有する。
が、SiO2 を主成分とし、MO(ただし、Mは、B
a、Ca、SrおよびMgから選ばれる少なくとも1種
の元素)、Li2 OおよびB 2 O3 から選ばれる
少なくとも1種を含み、前記その他の副成分が、Mg
O,CaO,BaO,SrOおよびCr2 O3 から
選択される少なくとも1種を含む第1副成分と、V2
O5 ,MoO3 およびWO3 から選択される少な
くとも1種を含む第3副成分と、R1の酸化物(ただ
し、R1はSc,Er,Tm,YbおよびLuから選択
される少なくとも1種)を含む第4副成分と、を少なく
とも有し、前記仮焼済粉体に、前記第2副成分を少なく
とも混合し、前記主成分100モルに対する各副成分の
比率が、第1副成分:0.1〜3モル、第2副成分:2
〜10モル、第3副成分:0.01〜0.5モル、第4
副成分:0.5〜7モル(ただし、第4副成分のモル数
は、R1単独での比率である)である誘電体磁器組成物
を得ることが好ましい。
が、SiO2 を主成分とし、MO(ただし、Mは、B
a、Ca、SrおよびMgから選ばれる少なくとも1種
の元素)、Li2 OおよびB 2 O3 から選ばれる
少なくとも1種を含み、前記その他の副成分が、Mg
O,CaO,BaO,SrOおよびCr2 O3 から
選択される少なくとも1種を含む第1副成分と、V2
O5 ,MoO3 およびWO3 から選択される少な
くとも1種を含む第3副成分と、R1の酸化物(ただ
し、R1はSc,Er,Tm,YbおよびLuから選択
される少なくとも1種)を含む第4副成分と、R2の酸
化物(ただし、R2はY、Dy、Ho、Tb、Gdおよ
びEuから選択される少なくとも一種)を含む第5副成
分と、を少なくとも有し、前記仮焼済粉体に、前記第2
副成分を少なくとも混合し、前記主成分100モルに対
する各副成分の比率が、第1副成分:0.1〜3モル、
第2副成分:2〜10モル、第3副成分:0.01〜
0.5モル、第4副成分:0.5〜7モル(ただし、第
4副成分のモル数は、R1単独での比率である)、第5
副成分:2〜9モル(ただし、第5副成分のモル数は、
R2単独での比率である)である誘電体磁器組成物を得
ることが好ましい。
いて、より好ましくは、前記第2副成分が、(Ba,C
a)x SiO2+x (ただし、x=0.7〜1.
2)で表されるものである。第2副成分は、焼結助剤と
して機能すると考えられる。前記第2副成分が(Ba,
Ca)x SiO2+x (ただし、x=0.7〜1.
2)で表される組成を有するものである場合には、該第
2副成分中のBaとCaとの比率は任意であり、一方の
みを含有するものでも良い。
中に含まれる成分のモル比:(Ba+第1副成分の金属
元素)/(Ti+第4副成分の金属元素)が1未満、ま
たは(Ba+第4副成分の金属元素)/(Ti+第1副
成分の金属元素)が1を超えるように、前記仮焼前粉体
を準備し、仮焼を行うことが好ましい。
中に含まれる成分のモル比:(Ba+第1副成分の金属
元素)/(Ti+第4副成分の金属元素+第5副成分の
金属元素)が1未満、または(Ba+第4副成分の金属
元素+第5副成分の金属元素)/(Ti+第1副成分の
金属元素)が1を超えるように、前記仮焼前粉体を準備
し、仮焼を行うことが好ましい。
を準備する際には、仮焼前粉体には、第5副成分を必ず
含ませることが好ましい。また、仮焼前粉体を準備する
際には、仮焼前粉体には、第4副成分を含ませないこと
が好ましい。さらに、仮焼前粉体を準備する際には、仮
焼前粉体には、第1副成分を必ず含ませることが好まし
い。さらにまた、前記仮焼前粉体中に含まれる第1副成
分のモル数は、第4副成分および第5副成分の合計モル
数(ただし、第4副成分および第5副成分のモル数は、
それぞれR1単独およびR2単独での比率である)より
も小さいことが好ましい。
しくは、700〜1100℃、さらに好ましくは800
〜1050℃の温度で仮焼きする。なお、仮焼きは、複
数回行っても良い。
なくとも混合させれば良く、必要に応じて、主成分、第
1副成分、第3副成分、第4副成分および第5副成分の
うちの一つ以上をさらに混合し、最終的に得られる誘電
体磁器組成物の組成が上記範囲となればよい。
m TiO2+m と添加物とを一度に混合し、誘電体
磁器組成物の混合粉末、または誘電体ペーストを作製し
ている。しかしながら、この方法では、焼成後の誘電体
磁器組成物中に、添加物(第1〜第5副成分)などの偏
析が生じ、各結晶間の組成のバラツキが生じてしまう。
このような偏析により、誘電体の誘電率および絶縁抵抗
が悪化する。
成分と、第1副成分、第3副成分、第4副成分および第
5副成分のうちの少なくとも一つとを混合して仮焼する
ことで、各結晶粒子同士の組成バラツキを抑制し、その
結果、偏析相の析出を抑制すると共に、偏析相の大きさ
を制御し、X8R特性を満足しつつ絶縁抵抗および比誘
電率を改善し、信頼性に優れた誘電体磁器組成物を製造
することができる。このことは、本発明者等により初め
て見出された。
物中に、2種類以上の希土類(第4副成分と第5副成
分)を添加する場合において、仮焼前粉体中に、第5副
成分を必ず含ませることで、偏析相の析出を抑制すると
共に、偏析相の大きさを制御し、X8R特性を満足しつ
つCR積および信頼性を改善し、信頼性に優れた誘電体
磁器組成物を製造することができる。このことも、本発
明者等により初めて見出された。
れたコンデンサは、EIA規格のX8Rを満足できるた
め、自動車のエンジンルームのような高温下にさらされ
る様な環境下でも使用できる。また、本発明に係る製造
方法で得られた誘電体磁器組成物は、蒸発飛散するよう
なPb,Bi,Znのような元素を含有しないため、還
元雰囲気でも焼成可能である。このため、内部電極とし
てNiおよびNi合金などの卑金属を使用することが可
能となり、低コスト化が可能となる。
電体磁器組成物は、還元雰囲気下での焼成においても、
X8R特性を満足し、直流電界印加による容量エージン
グ特性、絶縁抵抗の劣化が小さく、信頼性にも優れてい
る。このため、積層コンデンサの薄層化に伴う高温領域
の温度変化率の悪化を抑制する手法としても効果が期待
できる。
電体磁器組成物は、Pb,Biなどの物質を含有しない
ため、使用後の廃棄、処分などによる環境への悪影響が
小さい製品を提供できる。
が析出して形成された異相が少ない均一な組織の誘電体
磁器組成物を実現することができ、誘電体磁器組成物の
誘電率、絶縁抵抗を改善できる。また、本発明に係る製
造方法では、偶発的に生じてしまう構造的な欠陥を防止
できるために、高い信頼性を有する積層セラミックコン
デンサを提供できる。
析出を抑制できるために、容量温度特性がX8R特性を
満足する誘電体磁器組成物を容易に製造することができ
る。
形態に基づき説明する。図1は積層セラミックコンデン
サの断面図、図2は図1に示すコンデンサを製造するた
めの本発明の一実施形態に係る方法のフローチャート
図、図3は本発明の実施例により得られた誘電体磁器組
成物の容量温度特性を示すグラフである。
する前に、まず、積層セラミックコンデンサについて説
明する。図1に示すように、本発明の一実施形態に係る
積層セラミックコンデンサ1は、誘電体層2と内部電極
層3とが交互に積層された構成のコンデンサ素子本体1
0を有する。このコンデンサ素子本体10の両端部に
は、素子本体10の内部で交互に配置された内部電極層
3と各々導通する一対の外部電極4が形成してある。コ
ンデンサ素子本体10の形状に特に制限はないが、通
常、直方体状とされる。また、その寸法にも特に制限は
なく、用途に応じて適当な寸法とすればよいが、通常、
(0.6〜5.6mm)×(0.3〜5.0mm)×
(0.3〜1.9mm)程度である。
本体10の対向する2端部の表面に交互に露出するよう
に積層してある。一対の外部電極4は、コンデンサ素子
本体10の両端部に形成され、交互に配置された内部電
極層3の露出端面に接続されて、コンデンサ回路を構成
する。
磁器組成物を含有する。 本発明の製造方法により得ら
れる誘電体磁器組成物は、組成式Bam TiO
2+m で表され、前記組成式中のmが0.995≦m
≦1.010であり、BaとTiとの比が0.995≦
Ba/Ti≦1.010である主成分と、MgO,Ca
O,BaO,SrOおよびCr2 O3 から選択され
る少なくとも1種を含む第1副成分と、SiO2 を主
成分とし、MO(ただし、Mは、Ba、Ca、Srおよ
びMgから選ばれる少なくとも1種の元素)、Li2
OおよびB2 O3 から選ばれる少なくとも1種を含
む第2副成分と、V2 O5 ,MoO3 およびWO
3 から選択される少なくとも1種を含む第3副成分
と、R1の酸化物(ただし、R1はSc,Er,Tm,
YbおよびLuから選択される少なくとも1種)を含む
第4副成分とを少なくとも有する誘電体磁器組成物で構
成してある。
は、前記主成分100モルに対し、 第1副成分:0.1〜3モル、 第2副成分:2〜10モル、 第3副成分:0.01〜0.5モル、 第4副成分:0.5〜7モル であり、好ましくは、 第1副成分:0.5〜2.5モル、 第2副成分:2.0〜5.0モル、 第3副成分:0.1〜0.4モル、 第4副成分:0.5〜5.0モル である。なお、第4副成分の上記比率は、R1酸化物の
モル比ではなく、R1単独のモル比である。すなわち、
例えば第4副成分としてYbの酸化物を用いた場合、第
4副成分の比率が1モルであることは、Yb2 O3
の比率が1モルなのではなく、Ybの比率が1モルであ
ることを意味する。
成する各酸化物を化学量論組成で表しているが、各酸化
物の酸化状態は、化学量論組成から外れるものであって
もよい。ただし、各副成分の上記比率は、各副成分を構
成する酸化物に含有される金属量から上記化学量論組成
の酸化物に換算して求める。また、誘電体磁器組成物の
原料粉末としては、上記した酸化物やその混合物、複合
酸化物を用いることができるが、その他、焼成により上
記した酸化物や複合酸化物となる各種化合物、例えば、
炭酸塩、シュウ酸塩、硝酸塩、水酸化物、有機金属化合
物等から適宜選択し、混合して用いることもできる。
とおりである。第1副成分(MgO,CaO,BaO,
SrOおよびCr2 O3 )の含有量が少なすぎる
と、容量温度変化率が大きくなってしまう。一方、含有
量が多すぎると、焼結性が悪化すると共に、IR寿命が
悪化する傾向にある。なお、第1副成分中における各酸
化物の構成比率は任意である。
温度特性が悪くなり、また、IR(絶縁抵抗)が低下す
る。一方、含有量が多すぎると、IR寿命が不十分とな
るほか、誘電率の急激な低下が生じてしまう。
するが、誘電体層を薄層化する際の初期絶縁抵抗の不良
率を改善する効果をも有する。
Ca)x SiO2+x (ただし、x=0.7〜1.
2)で表されるものである。第2副成分のより好ましい
態様としての[(Ba,Ca)x SiO2+x ]中
のBaOおよびCaOは第1副成分にも含まれるが、複
合酸化物である(Ba,Ca)x SiO2+x は融
点が低いため主成分に対する反応性が良好なので、本発
明ではBaOおよび/またはCaOを上記複合酸化物と
しても添加することが好ましい。第2副成分のより好ま
しい態様としての(Ba,Ca)x SiO2+x に
おけるxは、好ましくは0.7〜1.2であり、より好
ましくは0.8〜1.1である。xが小さすぎると、す
なわちSiO2 が多すぎると、主成分のBaTiO
3 と反応して誘電体特性を悪化させてしまう。一方、
xが大きすぎると、融点が高くなって焼結性を悪化させ
るため、好ましくない。なお、BaとCaとの比率は任
意であり、一方だけを含有するものであってもよい。
よびWO3 )は、キュリー温度以上での容量温度特性
を平坦化する効果と、IR寿命を向上させる効果とを示
す。第3副成分の含有量が少なすぎると、このような効
果が不十分となる。一方、含有量が多すぎると、IRが
著しく低下する。なお、第3副成分中における各酸化物
の構成比率は任意である。
度を高温側へシフトさせる効果と、容量温度特性を平坦
化する効果とを示す。第4副成分の含有量が少なすぎる
と、このような効果が不十分となり、容量温度特性が悪
くなってしまう。一方、含有量が多すぎると、焼結性が
悪化する傾向にある。第4副成分のうちでは、特性改善
効果が高く、しかも安価であることから、Yb酸化物が
好ましい。
じ、第5副成分として、R2酸化物(ただし、R2は
Y、Dy、Ho、Tb、GdおよびEuから選択される
少なくとも一種)が含有されていることが好ましい。こ
の第5副成分(R2酸化物)は、IRおよびIR寿命を
改善する効果を示し、容量温度特性への悪影響も少な
い。ただし、R2酸化物の含有量が多すぎると、焼結性
が悪化する傾向にある。第5副成分のうちでは、特性改
善効果が高く、しかも安価であることから、Y酸化物が
好ましい。
量は、前記主成分100モルに対し、好ましくは13モ
ル以下、さらに好ましくは10モル以下(ただし、第4
副成分および第5副成分のモル数は、R1およびR2単
独での比率である)である。焼結性を良好に保つためで
ある。
6副成分としてMnOが含有されていてもよい。この第
6副成分は、焼結を促進する効果と、IRを高くする効
果と、IR寿命を向上させる効果とを示す。このような
効果を十分に得るためには、前記主成分100モルに対
する第6副成分の比率が0.01モル以上であることが
好ましい。ただし、第6副成分の含有量が多すぎると容
量温度特性に悪影響を与えるので、好ましくは0.5モ
ル以下とする。
上記各酸化物のほか、Al2 O3 が含まれていてもよ
い。Al2 O3 は容量温度特性にあまり影響を与え
ず、焼結性、IRおよびIR寿命を改善する効果を示
す。ただし、Al2 O3の含有量が多すぎると焼結性
が悪化してIRが低くなるため、Al2 O3 は、好
ましくは、主成分100モルに対して1モル以下、さら
に好ましくは、誘電体磁器組成物全体の1モル以下であ
る。
1種が、ペロブスカイト構造を構成する主成分中のBa
またはTiを置換している場合、キュリー温度が低温側
にシフトするため、125℃以上での容量温度特性が悪
くなる。このため、これらの元素を含むBam TiO
2+m [例えば(Ba,Sr)TiO3 ]を主成分
として用いないことが好ましい。ただし、不純物として
含有されるレベル(誘電体磁器組成物全体の0.1モル
%程度以下)であれば、特に問題はない。
は、特に限定されず、誘電体層の厚さなどに応じて例え
ば0.1〜3.0μmの範囲から適宜決定すればよい。
容量温度特性は、誘電体層が薄いほど悪化し、また、平
均結晶粒径を小さくするほど悪化する傾向にある。この
ため、本発明の誘電体磁器組成物は、平均結晶粒径を小
さくする必要がある場合に、具体的には、平均結晶粒径
が0.1〜0.5μmである場合に特に有効である。ま
た、平均結晶粒径を小さくすれば、IR寿命が長くな
り、また、直流電界下での容量の経時変化が少なくなる
ため、この点からも平均結晶粒径は上記のように小さい
ことが好ましい。
(強誘電体から常誘電体への相転移温度)は、組成を選
択することにより変更することができるが、X8R特性
を満足するためには、好ましくは120℃以上、より好
ましくは123℃以上とする。なお、キュリー温度は、
DSC(示差走査熱量測定)などによって測定すること
ができる。
誘電体層の厚さは、一層あたり、通常、40μm以下、
特に30μm以下である。厚さの下限は、通常、2μm
程度である。本発明の誘電体磁器組成物は、このような
薄層化した誘電体層を有する積層セラミックコンデンサ
の容量温度特性の改善に有効である。なお、誘電体層の
積層数は、通常、2〜300程度とする。
ラミックコンデンサは、80℃以上、特に125〜15
0℃の環境下で使用される機器用電子部品として用いて
好適である。そして、このような温度範囲において、容
量の温度特性がEIA規格のR特性を満足し、さらに、
X8R特性も満足する。また、EIAJ規格のB特性
[−25〜85℃で容量変化率±10%以内(基準温度
20℃)]、EIA規格のX7R特性(−55〜125
℃、ΔC=±15%以内)も同時に満足することが可能
である。
に、通常、0.02V/μm以上、特に0.2V/μm
以上、さらには0.5V/μm以上、一般に5V/μm
程度以下の交流電界と、これに重畳して5V/μm以下
の直流電界とが加えられるが、このような電界が加わっ
ても、容量の温度特性は極めて安定である。
が、誘電体層2の構成材料が耐還元性を有するため、卑
金属を用いることができる。導電材として用いる卑金属
としては、NiまたはNi合金が好ましい。Ni合金と
しては、Mn,Cr,CoおよびAlから選択される1
種以上の元素とNiとの合金が好ましく、合金中のNi
含有量は95重量%以上であることが好ましい。なお、
NiまたはNi合金中には、P等の各種微量成分が0.
1重量%程度以下含まれていてもよい。内部電極層の厚
さは用途等に応じて適宜決定すればよいが、通常、0.
5〜5μm、特に0.5〜2.5μm程度であることが
好ましい。
本発明では安価なNi,Cuや、これらの合金を用いる
ことができる。外部電極の厚さは用途等に応じて適宜決
定されればよいが、通常、10〜50μm程度であるこ
とが好ましい。
される積層セラミックコンデンサは、ペーストを用いた
通常の印刷法やシート法によりグリーンチップを作製
し、これを焼成した後、外部電極を印刷または転写して
焼成することにより製造される。以下、製造方法につい
て具体的に説明する。
体磁器組成物粉末を準備する。本発明では、前述した組
成の誘電体磁器組成物粉末を得る前に、仮焼きを行う。
すなわち、図2に示すように、第2副成分を除いて、主
成分(Bam TiO2+m )と、第1副成分(たとえ
ばMgCO3 )、第3副成分(たとえばV
2 O 5 )、第4副成分(たとえばYb2 O3 )
および第5副成分(たとえばY 2 O3 )のうちの少
なくとも一つとを混合し、乾燥することにより、仮焼前
粉体を準備する。
条件は、特に限定されないが、次に示す条件で行うこと
が好ましい。 昇温速度:50〜400℃/時間、特に100〜300
℃/時間、 保持温度:700℃〜1100℃、特に700℃〜90
0℃、 温度保持時間:0.5時間〜6時間、特に1〜3時間、 雰囲気:空気中および窒素中である。
ルなどにより粗粉砕された後、図2に示すように、少な
くとも第2副成分を添加し、さらに必要に応じて、残り
の添加物を添加して、前述した最終組成にする。その
後、この混合粉末を、必要に応じて、ボールミルなどに
よって混合し、乾燥することによって、本発明の組成を
持つ誘電体磁器組成物粉末を得る。
して、誘電体層用ペーストを調整する。誘電体層用ペー
ストは、誘電体磁器組成物粉末と有機ビヒクルとを混練
した有機系の塗料であってもよく、水系の塗料であって
もよい。
酸化物やその混合物、複合酸化物を用いることができる
が、その他、焼成により上記した酸化物や複合酸化物と
なる各種化合物、例えば、炭酸塩、シュウ酸塩、硝酸
塩、水酸化物、有機金属化合物等から適宜選択し、混合
して用いることもできる。誘電体磁器組成物粉末中の各
化合物の含有量は、焼成後に上記した誘電体磁器組成物
の組成となるように決定すればよい。塗料化する前の状
態で、誘電体磁器組成物粉末の粒径は、通常、平均粒径
0.1〜3μm程度である。
に溶解したものである。有機ビヒクルに用いるバインダ
は特に限定されず、エチルセルロース、ポリビニルブチ
ラール等の通常の各種バインダから適宜選択すればよ
い。また、用いる有機溶剤も特に限定されず、印刷法や
シート法など、利用する方法に応じて、テルピネオー
ル、ブチルカルビトール、アセトン、トルエン等の各種
有機溶剤から適宜選択すればよい。
する場合には、水溶性のバインダや分散剤などを水に溶
解させた水系ビヒクルと、誘電体原料とを混練すればよ
い。水系ビヒクルに用いる水溶性バインダは特に限定さ
れず、例えば、ポリビニルアルコール、セルロース、水
溶性アクリル樹脂などを用いればよい。
電性金属や合金からなる導電材、あるいは焼成後に上記
した導電材となる各種酸化物、有機金属化合物、レジネ
ート等と、上記した有機ビヒクルとを混練して調製す
る。外部電極用ペーストは、上記した内部電極層用ペー
ストと同様にして調製すればよい。
有量に特に制限はなく、通常の含有量、例えば、バイン
ダは1〜5重量%程度、溶剤は10〜50重量%程度と
すればよい。また、各ペースト中には、必要に応じて各
種分散剤、可塑剤、誘電体、絶縁体等から選択される添
加物が含有されていてもよい。これらの総含有量は、1
0重量%以下とすることが好ましい。
および内部電極層用ペーストを、PET等の基板上に積
層印刷し、所定形状に切断した後、基板から剥離してグ
リーンチップとする。
ペーストを用いてグリーンシートを形成し、この上に内
部電極層用ペーストを印刷した後、これらを積層してグ
リーンチップとする。
理を施す。脱バインダ処理は、通常の条件で行えばよい
が、内部電極層の導電材にNiやNi合金等の卑金属を
用いる場合、特に下記の条件で行うことが好ましい。 昇温速度:5〜300℃/時間、特に10〜100℃/
時間、 保持温度:180〜400℃、特に200〜300℃、 温度保持時間:0.5〜24時間、特に5〜20時間、 雰囲気:空気中。
極層用ペースト中の導電材の種類に応じて適宜決定され
ればよいが、導電材としてNiやNi合金等の卑金属を
用いる場合、焼成雰囲気中の酸素分圧は、10−8〜1
0−12 気圧とすることが好ましい。酸素分圧が前記
範囲未満であると、内部電極層の導電材が異常焼結を起
こし、途切れてしまうことがある。また、酸素分圧が前
記範囲を超えると、内部電極層が酸化する傾向にある。
100〜1400℃、より好ましくは1200〜136
0℃、さらに好ましくは1200〜1340℃である。
保持温度が前記範囲未満であると緻密化が不十分とな
り、前記範囲を超えると、内部電極層の異常焼結による
電極の途切れや、内部電極層構成材料の拡散による容量
温度特性の悪化、誘電体磁器組成物の還元が生じやすく
なる。
選択することが好ましい。 昇温速度:50〜500℃/時間、特に200〜300
℃/時間、 温度保持時間:0.5〜8時間、特に1〜3時間、 冷却速度:50〜500℃/時間、特に200〜300
℃/時間。 なお、焼成雰囲気は還元性雰囲気とすることが好まし
く、雰囲気ガスとしては、例えば、N2 とH2 との
混合ガスを加湿して用いることが好ましい。
サ素子本体にはアニールを施すことが好ましい。アニー
ルは、誘電体層を再酸化するための処理であり、これに
よりIR寿命を著しく長くすることができるので、信頼
性が向上する。
気圧以上、好ましくは10−6気圧以上、特に10−5
〜10−4気圧とすることが好ましい。酸素分圧が前記
範囲未満であると誘電体層の再酸化が困難であり、前記
範囲を超えると内部電極層が酸化する傾向にある。
下、特に500〜1100℃とすることが好ましい。保
持温度が前記範囲未満であると誘電体層の酸化が不十分
となるので、IRが低く、また、IR寿命が短くなりや
すい。一方、保持温度が前記範囲を超えると、内部電極
層が酸化して容量が低下するだけでなく、内部電極層が
誘電体素地と反応してしまい、容量温度特性の悪化、I
Rの低下、IR寿命の低下が生じやすくなる。なお、ア
ニールは昇温過程および降温過程だけから構成してもよ
い。すなわち、温度保持時間を零としてもよい。この場
合、保持温度は最高温度と同義である。
選択することが好ましい。 温度保持時間:0〜20時間、特に6〜10時間、 冷却速度:50〜500℃/時間、特に100〜300
℃/時間 なお、雰囲気用ガスには、加湿したN2 ガス等を用い
ることが好ましい。
ールにおいて、N2 ガスや混合ガス等を加湿するに
は、例えばウェッター等を使用すればよい。この場合、
水温は5〜75℃程度が好ましい。
連続して行なっても、独立に行なってもよい。これらを
連続して行なう場合、脱バインダ処理後、冷却せずに雰
囲気を変更し、続いて焼成の際の保持温度まで昇温して
焼成を行ない、次いで冷却し、アニールの保持温度に達
したときに雰囲気を変更してアニールを行なうことが好
ましい。一方、これらを独立して行なう場合、焼成に際
しては、脱バインダ処理時の保持温度までN2 ガスあ
るいは加湿したN2 ガス雰囲気下で昇温した後、雰囲
気を変更してさらに昇温を続けることが好ましく、アニ
ール時の保持温度まで冷却した後は、再びN2 ガスあ
るいは加湿したN2 ガス雰囲気に変更して冷却を続け
ることが好ましい。また、アニールに際しては、N2
ガス雰囲気下で保持温度まで昇温した後、雰囲気を変更
してもよく、アニールの全過程を加湿したN2 ガス雰
囲気としてもよい。
本体に、例えばバレル研磨やサンドブラストなどにより
端面研磨を施し、外部電極用ペーストを印刷または転写
して焼成し、外部電極4を形成する。外部電極用ペース
トの焼成条件は、例えば、加湿したN2 とH2 との
混合ガス中で600〜800℃にて10分間〜1時間程
度とすることが好ましい。そして、必要に応じ、外部電
極4表面に、めっき等により被覆層を形成する。
ラミックコンデンサは、80℃以上、特に125℃以
上、150℃以下の温度で使用される。このような12
5℃以上150℃以下の温度においても容量温度変化率
がEIA規格のR特性を満足する。また、使用時の電界
強度が0.02V/μm以上、特に0.2V/μm以
上、0.5V/μmの交流電界、および5V/μ以下の
直流電界を重畳しても、容量温度変化率が安定してい
る。
積層セラミックコンデンサは、ハンダ付等によりプリン
ト基板上などに実装され、各種電子機器等に使用され
る。
されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変する
ことができる。たとえば、本発明に係る製造方法により
得られる誘電体磁器組成物は、積層セラミックコンデン
サのみに使用されるものではなく、誘電体層が形成され
るその他の電子部品に使用されても良い。
き説明するが、本発明は、これら実施例に限定されな
い。
ルを作製した。まず、下記の各ペーストを調製した。
原料を用意した。MgOおよびMnOの原料には炭酸塩
を用い、他の原料には酸化物を用いた。また、第2副成
分の原料には、(Ba0.6 Ca0.4 )SiO
3 を用いた。なお、(Ba0.6 Ca0.4 )S
iO3 は、BaCO3 ,CaCO3およびSiO
2 をボールミルにより16時間湿式混合し、乾燥後、
1150℃で空気中で焼成し、さらに、ボールミルによ
り100時間湿式粉砕することにより製造した。
1副成分の原料であるMgCO3とを混合し、乾燥する
ことにより、仮焼前粉体を準備した。表1に示すよう
に、仮焼前粉体は、100モルのBam TiO
2+m に対して、0.9モルのMgCO3 が含有し
てあった。また、この仮焼前粉体中の特定成分のモル
比:(Ba+Mg+Ca+Sr)/(Ti+Yb+Y)
を調べたところ、表1に示すように、1.009であっ
た。また、モル比:(Ba+Yb+Y)/(Ti+Mg
+Ca+Sr)を調べたところ、表1に示すように、
0.991であった。
条件は、以下の通りであった。 昇温速度:300℃/時間、 保持温度(表2ではT1):1000℃、 温度保持時間:2時間、 雰囲気:空気中。
ナロールで粉砕して仮焼済粉体とし、その後、この仮焼
済粉体に対して、表2に示すように、3.0モルの(B
a0 .6 Ca0.4 )SiO3 (表では、BCG
と記載してある)、0.374モルのMnCO3 、
0.1モルのV2 O5 、2.1モルのYb
2 O3 、および2.0モルのY2 O3 を添加し、
ボールミルにより16時湿式混合した後に乾燥し、最終
組成の誘電体磁器組成物粉体を得た。
粉体100重量部と、アクリル樹脂4.8重量部と、塩
化メチレン40重量部と、酢酸エチル20重量部と、ミ
ネラルスピリット6重量部と、アセトン4重量部とをボ
ールミルで混合し、ペースト化した。
と、有機ビヒクル(エチルセルロース8重量部をブチル
カルビトール92重量部に溶解したもの)40重量部
と、ブチルカルビトール10重量部とを3本ロールによ
り混練し、ペースト化した。
ヒクル(エチルセルロース樹脂8重量部をブチルカルビ
トール92重量部に溶解したもの)35重量部およびブ
チルカルビトール7重量部とを混練し、ペースト化し
た。
厚さ15μmのグリーンシートを形成した。厚さ15μ
mのグリーンシートの表面に内部電極用ペーストを印刷
した後、PETフィルムからシートを剥離した。次い
で、内部電極層用ペーストを印刷後のグリーンシート4
層を、厚さ15μmの保護用グリーンシート(内部電極
層用ペーストを印刷しないもの)で挟んで積層し、その
後、圧着してグリーンチップを得た。
ダ処理、焼成およびアニールを下記条件にて行った後、
外部電極を形成して、図1に示す構成の積層セラミック
コンデンサのサンプルを得た。
は、水温を35℃としたウエッターを用いた。
た後、上記外部電極用ペーストを前記端面に転写し、加
湿したN2 +H2 雰囲気で800℃にて10分間焼
成することにより形成した。
ズは、3.2mm×1.6mm×0.6mmであり、内
部電極層に挟まれた誘電体層の数は4、その厚さは10
μmであり、内部電極層の厚さは1.5μmであった。
板状サンプルも作製した。この円板状サンプルは、上記
コンデンサのサンプルの誘電体層と同組成で、かつ焼成
条件が同じであり、直径5mmのIn−Ga電極をサン
プルの両面に塗布したものである。
た。比誘電率(εr)、誘電損失(tanD) 円板状サンプルに対し、25℃において、LCRメータ
により1kHz,1Vrmsの条件下で容量およびta
nDを測定した。そして、容量、電極寸法およびサンプ
ルの厚さから、比誘電率を算出した。結果を表3に示
す。比誘電率は高いほど良い。誘電損失は低い程良い。
る比抵抗を測定した。比抵抗の測定は、絶縁抵抗計
((株)アドバンテスト社製R8340A(50V−1
分値))により行った。結果を表3に示す。なお、表3
中のCR積は、誘電率と絶縁抵抗との積である。絶縁抵
抗は高い程良い。
に対し、100V/秒の昇圧スピードで直流電圧を印加
し、100mAの漏洩電流が観察されたときの電圧を測
定することにより求めた。結果を表3に示す。破壊電圧
は、高い程良い。
15V/μmの電界下で加速試験を行い、絶縁抵抗が1
MΩ以下になるまでの時間を寿命時間とした。結果を表
3に示す。この寿命が長いほど、コンデンサの耐久性が
向上する。
0℃の温度範囲で容量を測定し、X8R特性を満足する
かどうかを調べた。図3に示すように、X8R特性を満
足することが確認できた。なお、図3には、X8R特性
を満足する矩形範囲を併記した。なお、測定には、LC
Rメータを用い、測定電圧は1Vとした。
るMgCO3 と、第5副成分であるY2 O3 とを
混合し、乾燥することにより、仮焼前粉体を準備した。
表1に示すように、仮焼前粉体は、100モルのBaT
iO3 に対して、0.9モルのMgCO3 と、0.
5モルのY2 O3 とが含有してあった。また、この
仮焼前粉体中の特定成分のモル比:(Ba+Mg+Ca
+Sr)/(Ti+Yb+Y)を調べたところ、表1に
示すように、0.999であった。また、モル比:(B
a+Yb+Y)/(Ti+Mg+Ca+Sr)を調べた
ところ、表1に示すように、1.001であった。
済粉体に対して、表2に示すように、3.0モルの(B
a0.6 Ca0.4 )SiO3 、0.374モル
のMnCO3 、0.1モルのV2 O5 、2.1モ
ルのYb2 O3 、および1.5モルのY2 O3
を添加した以外は、前記実施例1と同様にして、円柱状
サンプルと、コンデンサのサンプルとを準備し、実施例
1と同様な試験を行った。結果を表3および図3に示
す。
るMgCO3 と、第4副成分であるYb2 O3 と
を混合し、乾燥することにより、仮焼前粉体を準備し
た。表1に示すように、仮焼前粉体は、100モルのB
aTiO3 に対して、0.9モルのMgCO3 と、
0.5モルのYb2 O3 とが含有してあった。ま
た、この仮焼前粉体中の特定成分のモル比:(Ba+M
g+Ca+Sr)/(Ti+Yb+Y)を調べたとこ
ろ、表1に示すように、0.999であった。また、モ
ル比:(Ba+Yb+Y)/(Ti+Mg+Ca+S
r)を調べたところ、表1に示すように、1.001で
あった。
済粉体に対して、表2に示すように、3.0モルの(B
a0.6 Ca0.4 )SiO3 、0.374モル
のMnCO3 、0.1モルのV2 O5 、1.6モ
ルのYb2 O3 、および2.0モルのY2 O3
を添加した以外は、前記実施例1と同様にして、円柱状
サンプルと、コンデンサのサンプルとを準備し、実施例
1と同様な試験を行った。結果を表3および図3に示
す。
るMgCO3 と、第4副成分であるYb2 O
3 と、第5副成分であるY2 O3 とを混合し、乾
燥することにより、仮焼前粉体を準備した。表1に示す
ように、仮焼前粉体は、100モルのBaTiO3 に
対して、0.9モルのMgCO3 と、0.5モルのY
b2 O3 と、0.5モルのY2 O3 とが含有し
てあった。また、この仮焼前粉体中の特定成分のモル
比:(Ba+Mg+Ca+Sr)/(Ti+Yb+Y)
を調べたところ、表1に示すように、0.989であっ
た。また、モル比:(Ba+Yb+Y)/(Ti+Mg
+Ca+Sr)を調べたところ、表1に示すように、
1.011であった。
済粉体に対して、表2に示すように、3.0モルの(B
a0.6 Ca0.4 )SiO3 、0.374モル
のMnCO3 、0.1モルのV2 O5 、1.6モ
ルのYb2 O3 、および1.5モルのY2 O3
を添加した以外は、前記実施例1と同様にして、円柱状
サンプルと、コンデンサのサンプルとを準備し、実施例
1と同様な試験を行った。結果を表3および図3に示
す。
るMgCO3 と、第3副成分であるV2 O5 と、
第4副成分であるYb2 O3 と、第5副成分である
Y2 O3 と、その他の副成分の原料であるMnCO
3 とを混合し、乾燥することにより、仮焼前粉体を準
備した。表1に示すように、仮焼前粉体は、100モル
のBaTiO3 に対して、0.9モルのMgCO3
と、0.37モルのMnCO3 と、0.1モルのV
2 O5 と、0.5モルのYb2 O3 と、0.5モ
ルのY2 O3 とが含有してあった。また、この仮焼
前粉体中の特定成分のモル比:(Ba+Mg+Ca+S
r)/(Ti+Yb+Y)を調べたところ、表1に示す
ように、0.989であった。また、モル比:(Ba+
Yb+Y)/(Ti+Mg+Ca+Sr)を調べたとこ
ろ、表1に示すように、1.011であった。
済粉体に対して、表2に示すように、3.0モルの(B
a0.6 Ca0.4 )SiO3 、1.6モルのY
b2 O3 、および1.5モルのY2 O3 を添加し
た以外は、前記実施例1と同様にして、円柱状サンプル
と、コンデンサのサンプルとを準備し、実施例1と同様
な試験を行った。結果を表1および図3に示す。
るBaTiO3 :100モルに対し、0.9モルのM
gCO3 、0.374モルのMnCO3 、3.0モ
ルの(Ba0.6 Ca0.4 )SiO3 、0.1
モルのV2 O 5 、2.1モルのYb2 O3 、お
よび2.0モルのY2 O3 を添加した混合粉体を用
いて焼成を行った以外は、前記実施例1と同様にして、
円柱状サンプルと、コンデンサのサンプルとを準備し、
実施例1と同様な試験を行った。結果を表3および図3
に示す。なお、この組成物中の特定成分のモル比:(B
a+Mg+Ca+Sr)/(Ti+Yb+Y)を調べた
ところ、表1に示すように、1.000であった。ま
た、モル比:(Ba+Yb+Y)/(Ti+Mg+Ca
+Sr)を調べたところ、表1に示すように、1.00
0であった。
例1〜5と同様にして、円柱状サンプルと、コンデンサ
のサンプルとを準備し、実施例1〜5と同様な試験を行
った。結果を表3に示す。
例1と同様にして、円柱状サンプルと、コンデンサのサ
ンプルとを準備し、比較例1と同様な試験を行った。結
果を表3に示す。
るMgCO3 と、第5副成分であるY2 O3 とを
混合し、乾燥することにより、仮焼前粉体を準備した。
表1に示すように、仮焼前粉体は、100モルのBaT
iO3 に対して、0.9モルのMgCO3 と、1.
0モルのY2 O3 とが含有してあった。また、この
仮焼前粉体中の特定成分のモル比:(Ba+Mg+Ca
+Sr)/(Ti+Yb+Y)を調べたところ、表1に
示すように、0.989であった。また、モル比:(B
a+Yb+Y)/(Ti+Mg+Ca+Sr)を調べた
ところ、表1に示すように、1.011であった。
済粉体に対して、表2に示すように、3.0モルの(B
a0.6 Ca0.4 )SiO3 、0.374モル
のMnCO3 、0.1モルのV2 O5 、2.1モ
ルのYb2 O3 、および1.0モルのY2 O3
を添加した以外は、前記実施例1と同様にして、円柱状
サンプルと、コンデンサのサンプルとを準備し、実施例
1と同様な試験を行った。結果を表3に示す。
るMgCO3 と、第4副成分であるYb2 O3 と
を混合し、乾燥することにより、仮焼前粉体を準備し
た。表1に示すように、仮焼前粉体は、100モルのB
aTiO3 に対して、0.9モルのMgCO3 と、
1.0モルのYb2 O3 とが含有してあった。ま
た、この仮焼前粉体中の特定成分のモル比:(Ba+M
g+Ca+Sr)/(Ti+Yb+Y)を調べたとこ
ろ、表1に示すように、0.989であった。また、モ
ル比:(Ba+Yb+Y)/(Ti+Mg+Ca+S
r)を調べたところ、表1に示すように、1.011で
あった。
済粉体に対して、表2に示すように、3.0モルの(B
a0.6 Ca0.4 )SiO3 、0.374モル
のMnCO3 、0.1モルのV2 O5 、1.1モ
ルのYb2 O3 、および2.0モルのY2 O3
を添加した以外は、前記実施例1と同様にして、円柱状
サンプルと、コンデンサのサンプルとを準備し、実施例
1と同様な試験を行った。結果を表3に示す。
るMgCO3 と、第4副成分であるYb2 O
3 と、第5副成分であるY2 O3 とを混合し、乾
燥することにより、仮焼前粉体を準備した。表1に示す
ように、仮焼前粉体は、100モルのBaTiO3 に
対して、0.9モルのMgCO3 と、1.0モルのY
b2 O3 と、1.0モルのY2 O3 とが含有し
てあった。また、この仮焼前粉体中の特定成分のモル
比:(Ba+Mg+Ca+Sr)/(Ti+Yb+Y)
を調べたところ、表1に示すように、0.970であっ
た。また、モル比:(Ba+Yb+Y)/(Ti+Mg
+Ca+Sr)を調べたところ、表1に示すように、
1.031であった。
済粉体に対して、表2に示すように、3.0モルの(B
a0.6 Ca0.4 )SiO3 、0.374モル
のMnCO3 、0.1モルのV2 O5 、1.1モ
ルのYb2 O3 、および1.0モルのY2 O3
を添加した以外は、前記実施例1と同様にして、円柱状
サンプルと、コンデンサのサンプルとを準備し、実施例
1と同様な試験を行った。結果を表3に示す。
るMgCO3 と、第3副成分であるV2 O5 と、
第4副成分であるYb2 O3 と、第5副成分である
Y2 O3 と、その他の副成分の原料であるMnCO
3 とを混合し、乾燥することにより、仮焼前粉体を準
備した。表1に示すように、仮焼前粉体は、100モル
のBaTiO3 に対して、0.9モルのMgCO3
と、0.37モルのMnCO3 と、0.1モルのV
2 O5 と、1.0モルのYb2 O3 と、1.0モ
ルのY2 O3 とが含有してあった。また、この仮焼
前粉体中の特定成分のモル比:(Ba+Mg+Ca+S
r)/(Ti+Yb+Y)を調べたところ、表1に示す
ように、0.970であった。また、モル比:(Ba+
Yb+Y)/(Ti+Mg+Ca+Sr)を調べたとこ
ろ、表1に示すように、1.031であった。
済粉体に対して、表2に示すように、3.0モルの(B
a0.6 Ca0.4 )SiO3 、1.1モルのY
b2 O3 、および1.0モルのY2 O3 を添加し
た以外は、前記実施例1と同様にして、円柱状サンプル
と、コンデンサのサンプルとを準備し、実施例1と同様
な試験を行った。結果を表3に示す。
るMgCO3 と、第5副成分であるY2 O3 とを
混合し、乾燥することにより、仮焼前粉体を準備した。
表1に示すように、仮焼前粉体は、100モルのBaT
iO3 に対して、0.9モルのMgCO3 と、2.
0モルのY2 O3 とが含有してあった。また、この
仮焼前粉体中の特定成分のモル比:(Ba+Mg+Ca
+Sr)/(Ti+Yb+Y)を調べたところ、表1に
示すように、0.970であった。また、モル比:(B
a+Yb+Y)/(Ti+Mg+Ca+Sr)を調べた
ところ、表1に示すように、1.031であった。
済粉体に対して、表2に示すように、3.0モルの(B
a0.6 Ca0.4 )SiO3 、0.374モル
のMnCO3 、0.1モルのV2 O5 、および
2.1モルのYb2 O3 を添加した以外は、前記実
施例1と同様にして、円柱状サンプルと、コンデンサの
サンプルとを準備し、実施例1と同様な試験を行った。
結果を表3に示す。
るMgCO3 と、第4副成分であるYb2 O3 と
を混合し、乾燥することにより、仮焼前粉体を準備し
た。表1に示すように、仮焼前粉体は、100モルのB
aTiO3 に対して、0.9モルのMgCO3 と、
2.1モルのYb2 O3 とが含有してあった。ま
た、この仮焼前粉体中の特定成分のモル比:(Ba+M
g+Ca+Sr)/(Ti+Yb+Y)を調べたとこ
ろ、表1に示すように、0.968であった。また、モ
ル比:(Ba+Yb+Y)/(Ti+Mg+Ca+S
r)を調べたところ、表1に示すように、1.033で
あった。
済粉体に対して、表2に示すように、3.0モルの(B
a0.6 Ca0.4 )SiO3 、0.374モル
のMnCO3 、0.1モルのV2 O5 、および
2.0モルのY2 O3 を添加した以外は、前記実施
例1と同様にして、円柱状サンプルと、コンデンサのサ
ンプルとを準備し、実施例1と同様な試験を行った。結
果を表3に示す。
るMgCO3 と、第4副成分であるYb2 O
3 と、第5副成分であるY2 O3 とを混合し、乾
燥することにより、仮焼前粉体を準備した。表1に示す
ように、仮焼前粉体は、100モルのBaTiO3 に
対して、0.9モルのMgCO3 と、2.1モルのY
b2 O3 と、2.0モルのY2 O3 とが含有し
てあった。また、この仮焼前粉体中の特定成分のモル
比:(Ba+Mg+Ca+Sr)/(Ti+Yb+Y)
を調べたところ、表1に示すように、0.932であっ
た。また、モル比:(Ba+Yb+Y)/(Ti+Mg
+Ca+Sr)を調べたところ、表1に示すように、
1.073であった。
済粉体に対して、表2に示すように、3.0モルの(B
a0.6 Ca0.4 )SiO3 、0.374モル
のMnCO3 、および0.1モルのV2 O5 を添
加した以外は、前記実施例1と同様にして、円柱状サン
プルと、コンデンサのサンプルとを準備し、実施例1と
同様な試験を行った。結果を表3に示す。
るMgCO3 と、第3副成分であるV2 O5 と、
第4副成分であるYb2 O3 と、第5副成分である
Y2 O3 と、その他の副成分の原料であるMnCO
3 とを混合し、乾燥することにより、仮焼前粉体を準
備した。表1に示すように、仮焼前粉体は、100モル
のBaTiO3 に対して、0.9モルのMgCO3
と、0.37モルのMnCO3 と、0.1モルのV
2 O5 と、2.1モルのYb2 O3 と、2.0モ
ルのY2 O3 とが含有してあった。また、この仮焼
前粉体中の特定成分のモル比:(Ba+Mg+Ca+S
r)/(Ti+Yb+Y)を調べたところ、表1に示す
ように、0.932であった。また、モル比:(Ba+
Yb+Y)/(Ti+Mg+Ca+Sr)を調べたとこ
ろ、表1に示すように、1.073であった。
済粉体に対して、表2に示すように、3.0モルの(B
a0.6 Ca0.4 )SiO3 を添加した以外
は、前記実施例1と同様にして、円柱状サンプルと、コ
ンデンサのサンプルとを準備し、実施例1と同様な試験
を行った。結果を表3に示す。
例18と同様にして、円柱状サンプルと、コンデンサの
サンプルとを準備し、実施例1と同様な試験を行った。
結果を表3に示す。
例18と同様にして、円柱状サンプルと、コンデンサの
サンプルとを準備し、実施例1と同様な試験を行った。
結果を表3に示す。
例18と同様にして、円柱状サンプルと、コンデンサの
サンプルとを準備し、実施例1と同様な試験を行った。
結果を表3に示す。
例18と同様にして、円柱状サンプルと、コンデンサの
サンプルとを準備し、実施例1と同様な試験を行った。
結果を表3に示す。
施例18と同様にして、円柱状サンプルと、コンデンサ
のサンプルとを準備し、実施例1と同様な試験を行っ
た。結果を表3に示す。
施例18と同様にして、円柱状サンプルと、コンデンサ
のサンプルとを準備し、実施例1と同様な試験を行っ
た。結果を表3に示す。
るMgCO3 と、第3副成分であるV2 O5 と、
第4副成分であるYb2 O3 と、その他の副成分の
原料であるMnCO3 とを混合し、乾燥することによ
り、仮焼前粉体を準備した。表1に示すように、仮焼前
粉体は、100モルのBaTiO3 に対して、3.5
モルのMgCO3 と、0.37モルのMnCO
3 と、0.1モルのV2 O5 と、1.0モルのY
b2 O3 とが含有してあった。また、この仮焼前粉
体中の特定成分のモル比:(Ba+Mg+Ca+Sr)
/(Ti+Yb+Y)を調べたところ、表1に示すよう
に、1.015であった。また、モル比:(Ba+Yb
+Y)/(Ti+Mg+Ca+Sr)を調べたところ、
表1に示すように、0.986であった。
済粉体に対して、表2に示すように、3.0モルの(B
a0.6 Ca0.4 )SiO3 を添加し、128
0℃で焼成した以外は、前記実施例1と同様にして、円
柱状サンプルと、コンデンサのサンプルとを準備し、実
施例1と同様な試験を行った。結果を表3に示す。
るMgCO3 と、第3副成分であるV2 O5 と、
第4副成分であるYb2 O3 と、その他の副成分の
原料であるMnCO3 とを混合し、乾燥することによ
り、仮焼前粉体を準備した。表1に示すように、仮焼前
粉体は、100モルのBaTiO3 に対して、3.0
モルのMgCO3 と、0.37モルのMnCO
3 と、0.1モルのV2 O5 と、0.5モルのY
b2 O3 とが含有してあった。また、この仮焼前粉
体中の特定成分のモル比:(Ba+Mg+Ca+Sr)
/(Ti+Yb+Y)を調べたところ、表1に示すよう
に、1.020であった。また、モル比:(Ba+Yb
+Y)/(Ti+Mg+Ca+Sr)を調べたところ、
表1に示すように、0.981であった。
済粉体に対して、表2に示すように、3.0モルの(B
a0.6 Ca0.4 )SiO3 を添加した以外
は、前記実施例1と同様にして、円柱状サンプルと、コ
ンデンサのサンプルとを準備し、実施例1と同様な試験
を行った。結果を表3に示す。
るMgCO3 と、第3副成分であるV2 O5 と、
第4副成分であるYb2 O3 と、第5副成分である
Y2 O3 と、その他の副成分の原料であるMnCO
3 とを混合し、乾燥することにより、仮焼前粉体を準
備した。表1に示すように、仮焼前粉体は、100モル
のBaTiO3 に対して、3.0モルのMgCO3
と、0.37モルのMnCO3 と、0.1モルのV
2 O5 と、0.5モルのYb2 O3 と、0.5モ
ルのY2 O3 とが含有してあった。また、この仮焼
前粉体中の特定成分のモル比:(Ba+Mg+Ca+S
r)/(Ti+Yb+Y)を調べたところ、表1に示す
ように、1.010であった。また、モル比:(Ba+
Yb+Y)/(Ti+Mg+Ca+Sr)を調べたとこ
ろ、表1に示すように、0.990であった。
済粉体に対して、表2に示すように、3.0モルの(B
a0.6 Ca0.4 )SiO3 を添加した以外
は、前記実施例1と同様にして、円柱状サンプルと、コ
ンデンサのサンプルとを準備し、実施例1と同様な試験
を行った。結果を表3に示す。
3.0モルのLi2 O−BaO−SiO2 混合粉末
(モル比2:4:4)を用いた以外は、前記実施例21
と同様にして、円柱状サンプルと、コンデンサのサンプ
ルとを準備し、実施例21と同様な試験を行った。結果
を表4に示す。
3.0モルのLi2 O−BaO−SiO2 混合粉末
(モル比2:4:4)を用いた以外は、前記比較例1と
同様にして、円柱状サンプルと、コンデンサのサンプル
とを準備し、比較例1と同様な試験を行った。結果を表
4に示す。
3.0モルのB2 O3 −BaO−SiO2 混合粉末
(モル比1:4.5:4.5)を用いた以外は、前記実
施例21と同様にして、円柱状サンプルと、コンデンサ
のサンプルとを準備し、実施例21と同様な試験を行っ
た。結果を表4に示す。
3.0モルのB2 O3 −BaO−SiO2 混合粉末
(モル比1:4.5:4.5)を用いた以外は、前記比
較例1と同様にして、円柱状サンプルと、コンデンサの
サンプルとを準備し、比較例1と同様な試験を行った。
結果を表4に示す。
3.0モルのLi2 O−BaO−SiO2 混合粉末
(モル比4:2:4)を用いた以外は、前記実施例21
と同様にして、円柱状サンプルと、コンデンサのサンプ
ルとを準備し、実施例21と同様な試験を行った。結果
を表4に示す。
3.0モルのLi2 O−BaO−SiO2 混合粉末
(モル比4:2:4)を用いた以外は、前記比較例1と
同様にして、円柱状サンプルと、コンデンサのサンプル
とを準備し、比較例1と同様な試験を行った。結果を表
4に示す。
8R特性を満足できることが確認できた。また、表1に
示すように、本発明の実施例1〜5および比較例1とを
比較することで、本発明の方法によれば、破壊電圧特性
およびIR寿命が向上することが確認できた。
を比較して分かるように、仮焼き時に希土類元素(Yま
たはYbなど)の添加量を増大させることで、絶縁抵
抗、破壊電圧特性、IR寿命特性が向上することが確認
できた。
3,14とを比較して分かるように、仮焼き時に第5副
成分であるY2 O3 を必須とすることで、CR積、
破壊電圧特性およびIR寿命特性が向上することが確認
できた。
1および2とを比較して分かるように、仮焼成温度が7
00〜1100℃の場合に、破壊電圧特性およびIR寿
命特性が向上することが確認できた。
て分かるように、仮焼前粉体中に含まれる成分のモル
比:(Ba+Mg+Ca+Sr)/(Ti+Yb+Y)
が、1未満、またはモル比:(Ti+Yb+Y)/(B
a+Mg+Ca+Sr)が1を超える場合に、IR寿命
が特に向上することが確認できた。
して分かるように、仮焼前粉体中に含まれる第1副成分
のモル数が、第4副成分および第5副成分の合計モル数
(ただし、第4副成分および第5副成分のモル数は、そ
れぞれR1単独およびR2単独での比率である)よりも
小さい場合に、IR寿命が特に向上することが確認でき
た。
ら、本実施例のサンプルは、X8R特性を満足し、しか
も、比誘電率および絶縁抵抗が十分に高く、かつ、誘電
損失も問題ないことが判明した。なお、本実施例のサン
プルは、X8R特性のほか、前記したEIAJ規格のB
特性およびEIA規格のX7R特性も満足していた。ま
た、表4に示す結果から、第2副成分として、BCG以
外の酸化シリコンを主成分とする焼結助剤を用いた場合
にも、本発明の効果が得られることが確認できた。
ば、内部電極にNiおよびNi合金等の卑金属が使用可
能な積層チップコンデンサ用誘電体磁器組成物として好
適に用いることができ、かつ、主組成以外の異相の析出
を抑制し、誘電体の微細構造を制御して、容量温度特性
がX8R特性を満足しつつ、絶縁抵抗、比誘電率および
IR寿命を改善し、信頼性に優れた誘電体磁器組成物を
製造することができる。
ある。
の本発明の一実施形態に係る方法のフローチャート図で
ある。
磁器組成物の容量温度特性を示すグラフである。
20)
Claims (11)
- 【請求項1】 組成式Bam TiO2+m で表さ
れ、前記組成式中のmが0.995≦m≦1.010で
あり、BaとTiとの比が0.995≦Ba/Ti≦
1.010である主成分と、 焼結助剤である第2副成分と、 その他の副成分とを少なくとも有する誘電体磁器組成物
を製造する方法であって、 前記第2副成分を除いて、前記主成分と、その他の副成
分のうちの少なくとも一部とを混合し、仮焼前粉体を準
備する工程と、 前記仮焼前粉体を仮焼きして仮焼済粉体を準備する工程
と、 前記仮焼済粉体に、前記第2副成分を少なくとも混合
し、前記主成分に対する各副成分の比率が所定モル比で
ある誘電体磁器組成物を得る工程と、 を有する誘電体磁器組成物の製造方法。 - 【請求項2】 前記第2副成分が、SiO2 を主成分
とし、MO(ただし、Mは、Ba、Ca、SrおよびM
gから選ばれる少なくとも1種の元素)、Li2 Oお
よびB2 O3 から選ばれる少なくとも1種を含み、 前記その他の副成分が、 MgO,CaO,BaO,SrOおよびCr2 O3
から選択される少なくとも1種を含む第1副成分と、 V2 O5 ,MoO3 およびWO3 から選択され
る少なくとも1種を含む第3副成分と、 R1の酸化物(ただし、R1はSc,Er,Tm,Yb
およびLuから選択される少なくとも1種)を含む第4
副成分と、を少なくとも有し、 前記仮焼済粉体に、前記第2副成分を少なくとも混合
し、前記主成分100モルに対する各副成分の比率が、 第1副成分:0.1〜3モル、 第2副成分:2〜10モル、 第3副成分:0.01〜0.5モル、 第4副成分:0.5〜7モル(ただし、第4副成分のモ
ル数は、R1単独での比率である)である誘電体磁器組
成物を得ることを特徴とする請求項1に記載の誘電体磁
器組成物の製造方法。 - 【請求項3】 前記仮焼前粉体中に含まれる成分のモル
比:(Ba+第1副成分の金属元素)/(Ti+第4副
成分の金属元素)が1未満、または(Ba+第4副成分
の金属元素)/(Ti+第1副成分の金属元素)が1を
超えるように、前記仮焼前粉体を準備し、仮焼を行うこ
とを特徴とする請求項2に記載の誘電体磁器組成物の製
造方法。 - 【請求項4】 前記第2副成分が、SiO2 を主成分
とし、MO(ただし、Mは、Ba、Ca、SrおよびM
gから選ばれる少なくとも1種の元素)、Li2 Oお
よびB2 O3 から選ばれる少なくとも1種を含み、 前記その他の副成分が、 MgO,CaO,BaO,SrOおよびCr2 O3
から選択される少なくとも1種を含む第1副成分と、 V2 O5 ,MoO3 およびWO3 から選択され
る少なくとも1種を含む第3副成分と、 R1の酸化物(ただし、R1はSc,Er,Tm,Yb
およびLuから選択される少なくとも1種)を含む第4
副成分と、 R2の酸化物(ただし、R2はY、Dy、Ho、Tb、
GdおよびEuから選択される少なくとも一種)を含む
第5副成分と、を少なくとも有し、 前記仮焼済粉体に、前記第2副成分を少なくとも混合
し、前記主成分100モルに対する各副成分の比率が、 第1副成分:0.1〜3モル、 第2副成分:2〜10モル、 第3副成分:0.01〜0.5モル、 第4副成分:0.5〜7モル(ただし、第4副成分のモ
ル数は、R1単独での比率である)、 第5副成分:2〜9モル(ただし、第5副成分のモル数
は、R2単独での比率である)である誘電体磁器組成物
を得ることを特徴とする請求項1に記載の誘電体磁器組
成物の製造方法。 - 【請求項5】 前記仮焼前粉体中に含まれる成分のモル
比:(Ba+第1副成分の金属元素)/(Ti+第4副
成分の金属元素+第5副成分の金属元素)が1未満、ま
たは(Ba+第4副成分の金属元素+第5副成分の金属
元素)/(Ti+第1副成分の金属元素)が1を超える
ように、前記仮焼前粉体を準備し、仮焼を行うことを特
徴とする請求項4に記載の誘電体磁器組成物の製造方
法。 - 【請求項6】 前記第2副成分を除いて、前記主成分
と、前記第1副成分、第3副成分、第4副成分および第
5副成分のうちの少なくとも一つとを混合し、仮焼前粉
体を準備する際には、仮焼前粉体には、第5副成分を必
ず含ませることを特徴とする請求項4または5に記載の
誘電体磁器組成物の製造方法。 - 【請求項7】 前記第2副成分を除いて、前記主成分
と、前記第1副成分、第3副成分、第4副成分および第
5副成分のうちの少なくとも一つとを混合し、仮焼前粉
体を準備する際には、仮焼前粉体には、第4副成分を含
ませないことを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記
載の誘電体磁器組成物の製造方法。 - 【請求項8】 前記第2副成分を除いて、前記主成分
と、前記第1副成分、第3副成分、第4副成分および第
5副成分のうちの少なくとも一つとを混合し、仮焼前粉
体を準備する際には、仮焼前粉体には、第1副成分を必
ず含ませることを特徴とする請求項4〜7のいずれかに
記載の誘電体磁器組成物の製造方法。 - 【請求項9】 前記仮焼前粉体中に含まれる第1副成分
のモル数は、第4副成分および第5副成分の合計モル数
(ただし、第4副成分および第5副成分のモル数は、そ
れぞれR1単独およびR2単独での比率である)よりも
小さいことを特徴とする請求項8に記載の誘電体磁器組
成物の製造方法。 - 【請求項10】 前記仮焼前粉体を、700〜1100
℃の温度で仮焼きすることを特徴とする請求項1〜9の
いずれかに記載の誘電体磁器組成物の製造方法。 - 【請求項11】 前記仮焼きを複数回行うことを特徴と
する請求項1〜10のいずれかに記載の誘電体磁器組成
物の製造方法。
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