JP2005294290A - 積層型セラミックコンデンサ - Google Patents

積層型セラミックコンデンサ Download PDF

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Abstract

【課題】 小型化大容量化を目的として誘電体層をさらに薄層化及び多層化した場合や定格電圧を向上させた場合においても、容量温度特性がEIA規格のX8R特性を満足し且つ容量の経時変化の小さい積層型セラミックコンデンサを提供する。
【解決手段】 チタン酸バリウムを含む主成分と、MgO、CaO、BaO、及びSrOから選択される少なくとも1種からなる第1副成分と、Rの酸化物(但し、RはY、Dy、Ho、及びErから選択される少なくとも1種)からなる第2副成分とを少なくとも有し、前記チタン酸バリウム100モルに対する前記各副成分の比率が、第1副成分:0モルを超え0.1モル未満、第2副成分:1モルを超え7モル未満である誘電体磁器組成物の結晶粒子で構成された焼結体からなる誘電体層と、内部電極層とが交互に積層された積層体を有する積層型セラミックコンデンサであって、その誘電体層を構成する結晶粒子の平均粒径を0.25μm以上0.42μm以下とすることにより、上記課題を解決した。
【選択図】 なし







Description

本発明は、積層型セラミックコンデンサに関し、さらに詳しくは、容量の経時変化特性に優れ、X8R特性を満たす積層型セラミックコンデンサに関するものである。
電子部品としての積層型セラミックコンデンサは、小型、大容量、高信頼性の電子部品として広く利用されている。近年、機器の小型・高性能化に伴い、積層型セラミックコンデンサに対する更なる小型化、大容量化、低価格化、高信頼性化への要求はますます厳しくなっている。
積層型セラミックコンデンサは、通常、内部電極層用のペーストと誘電体層用のペーストとをシート法や印刷法等により積層し、積層体中の内部電極層と誘電体層とを同時に焼成して製造される。
内部電極層の導電材としては、一般にPdやPd合金が用いられているが、Pdは高価であるため、比較的安価なNiやNi合金等の卑金属が使用されるようになってきている。内部電極層の導電材として卑金属を用いる場合、大気中で焼成を行うと内部電極層が酸化してしまうため、誘電体層と内部電極層との同時焼成を、還元性雰囲気中で行う必要がある。しかし、還元性雰囲気中で焼成すると、誘電体層が還元され、比抵抗が低くなってしまう。このため、非還元性の誘電体材料が開発されている。
しかし、非還元性の誘電体材料を用いた積層型セラミックコンデンサは、電界の印加によるIR(絶縁抵抗)の劣化が著しく(すなわちIR寿命が短く)、信頼性が低いという問題がある。
また、誘電体を直流電界にさらすと、比誘電率ε が経時的に低下するという問題が生じる。また、コンデンサには、直流電圧を重畳して使用する場合があり、一般に強誘電体を主成分とする誘電体層を有するコンデンサに直流電圧を印加すると、印加された直流電圧に依存して誘電率が変化する特性(DCバイアス特性という。)や、直流電圧印加時の容量温度特性(Tcバイアス特性という。)が低下するという問題もある。特に近年の要請に伴ってチップコンデンサを小型化及び大容量化するために誘電体層を薄くすると、直流電圧を印加したときの誘電体層にかかる電界が強くなるため、比誘電率ε の経時変化、すなわち容量の経時変化が著しく大きくなってしまったり、DCバイアス特性やTcバイアス特性が低下するという問題が顕著になってくる。
さらに、コンデンサには、温度特性が良好であることも要求され、特に、用途によっては、厳しい条件下で温度特性が平坦であることが求められる。近年、自動車のエンジンルーム内に搭載するエンジン電子制御ユニット(ECU)、クランク角センサ、アンチロックブレーキシステム(ABS)モジュール等の各種電子装置に積層型セラミックコンデンサが使用されるようになってきている。これらの電子装置は、エンジン制御、駆動制御及びブレーキ制御を安定して行うためのものなので、回路の温度安定性が良好であることが要求される。
これらの電子装置が使用される環境は、寒冷地の冬季には−20℃程度以下まで温度が下がり、また、エンジン始動後には、夏季では+130℃程度以上まで温度が上がることが予想される。最近では電子装置とその制御対象機器とをつなぐワイヤハーネスを削減する傾向にあり、電子装置が車外に設置されることもあるので、電子装置にとっての環境はますます厳しくなっている。したがって、これらの電子装置に用いられるコンデンサは、広い温度範囲において温度特性が平坦である必要がある。
温度特性に優れた温度補償用コンデンサ材料としては、(Sr,Ca)(Ti,Zr)O 系、Ca(Ti,Zr)O 系等が一般に知られているが、これらの組成物は比誘電率が非常に低い(一般には100以下)ので、容量の大きいコンデンサを作製することが実質的に不可能である。
誘電率が高く、平坦な容量温度特性を有する誘電体磁器組成物として、BaTiO を主成分とし、Nb−Co、MgO−Y、希土類元素(Dy、Ho等)、Bi−TiO 等を添加した組成が知られている。しかしながら、BaTiO 系の高誘電率材料は、EIA規格のX7R特性(−55〜125℃、ΔC/C=±15%以内)を満足することしかできず、上記した厳しい環境で使用される自動車の電子装置には対応できない。上記電子装置には、EIA規格のX8R特性(−55〜150℃、ΔC/C=±15%以内)を満足する誘電体磁器組成物が必要とされる。
本出願人は、比誘電率が高く、X8R特性を満足し、還元性雰囲気中での焼成を可能にすることを目的として、既に以下に示す誘電体磁器組成物を提案している(例えば、特許文献1、2を参照)。
特許文献1には、チタン酸バリウムを含む主成分と、MgO、CaO、BaO、SrO及びCrから選択される少なくとも1種を含む第1副成分と、酸化シリコンを主成分として含有する第2副成分と、V、MoO 及びWO から選択される少なくとも1種を含む第3副成分と、Rの酸化物(但し、RはSc、Er、Tm、Yb及びLuから選択される少なくとも1種)を含む第4副成分と、CaZrO 又はCaO+ZrO を含む第5副成分とを少なくとも有し、主成分100モルに対する各成分の比率が、第1副成分:0.1〜3モル、第2副成分:2〜10モル、第3副成分:0.01〜0.5モル、第4副成分:0.5〜7モル(但し、第4副成分のモル数は、R単独での比率)、第5副成分:0<第5副成分≦5モルである誘電体磁器組成物が開示されている。
特許文献2には、チタン酸バリウムを含む主成分と、AEの酸化物(但し、AEはMg、Ca、Ba及びSrから選択される少なくとも1種)を含む第1副成分と、Rの酸化物(但し、RはY、Dy、Ho及びErから選択される少なくとも1種)を含む第2副成分とを有し、主成分100モルに対する各副成分の比率が、第1副成分:0モル<第1副成分<0.1モル、第2副成分:1モル<第2副成分<7モルである誘電体磁器組成物が開示されている。
特許第3348081号 特許第3341003号
上記特許文献1、2に記載の誘電体磁器組成物によれば、比誘電率が高く、容量温度特性がEIA規格のX8R特性(−55〜150℃、ΔC/C=±15%以内)を満足し、また、Pb、Bi、Zn等を含有していないために還元性雰囲気中での焼成が可能である。しかしながら、同文献1、2に記載の誘電体磁器組成物では、積層型セラミックコンデンサをより一層小型化して大容量化するために誘電体層をさらに薄層化及び多層化した場合や、定格電圧を向上させた場合に、Tcバイアス特性と容量の経時劣化とが著しく悪化するという問題が生じることがあった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、小型化大容量化を目的として誘電体層をさらに薄層化及び多層化した場合や定格電圧を向上させた場合においても、容量温度特性がEIA規格のX8R特性を満足し且つ容量の経時変化の小さい積層型セラミックコンデンサを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の積層型セラミックコンデンサは、チタン酸バリウムを含む主成分と、MgO、CaO、BaO、及びSrOから選択される少なくとも1種からなる第1副成分と、Rの酸化物(但し、RはY、Dy、Ho、及びErから選択される少なくとも1種)からなる第2副成分とを少なくとも有し、前記チタン酸バリウム100モルに対する前記第1副成分及び前記第2副成分それぞれの比率が、第1副成分:0モルを超え0.1モル未満、第2副成分:1モルを超え7モル未満である誘電体磁器組成物の結晶粒子で構成された焼結体からなる誘電体層と、内部電極層とが交互に積層された積層体を有する積層型セラミックコンデンサであって、前記誘電体層を構成する前記結晶粒子の平均粒径が0.25μm以上0.42μm以下であることを特徴とする。
誘電体層がこの平均粒径範囲の結晶粒子で構成された積層型セラミックコンデンサによれば、容量温度特性がEIA規格のX8R特性(−55〜150℃、ΔC/C=±15%以内)を満足し、且つ容量の経時変化が小さくなる。
本発明の積層型セラミックコンデンサは、上記本発明の積層型セラミックコンデンサにおいて、CaZrO 又はCaO+ZrO からなる第3副成分をさらに有し、前記チタン酸バリウム100モルに対する前記第3副成分の比率が、0モルを超え5モル未満であることがより好ましい。
誘電体層が上述の比率で第3副成分を有している積層型セラミックコンデンサによれば、キュリー温度を高温側にシフトさせることが容易になるほか、容量温度特性の平坦化、絶縁抵抗(IR)の向上、破壊電圧の向上、及び焼成温度の低下などを図ることが容易になる。
本発明の積層型セラミックコンデンサは、上記本発明の積層型セラミックコンデンサにおいて、酸化シリコンを主成分とする第4副成分をさらに有することがより好ましい。
誘電体層が上述の第4副成分を有している積層型セラミックコンデンサによれば、第4副成分を焼結助剤として利用することが可能になるほかに、薄層化した際の初期絶縁抵抗の不良率を改善することも可能になるので、所望の特性を有する積層型セラミックコンデンサを得やすくなる。
本発明の積層型セラミックコンデンサは、上記本発明の積層型セラミックコンデンサにおいて、MnO又はCrからなる第5副成分をさらに有し、前記チタン酸バリウム100モルに対する前記第5副成分の比率が、0モルを超え0.5モル以下であることがより好ましい。
誘電体層が上述の比率で第5副成分を有している積層型セラミックコンデンサによれば、誘電体層の焼結が容易になるほか、IR及びIR寿命それぞれの向上を図ることが容易になる。
本発明の積層型セラミックコンデンサは、上記本発明の積層型セラミックコンデンサにおいて、V、MoO 、及びWO から選択される少なくとも1種からなる第6副成分をさらに有し、前記チタン酸バリウム100モルに対する前記第6副成分の比率が、0.01モル以上0.5モル以下であることがより好ましい。
誘電体層が上述の比率で第6副成分を有している積層型セラミックコンデンサによれば、Tcバイアス特性及びIR特性それぞれの向上を図ることが容易になる。
本発明の積層型セラミックコンデンサは、上記本発明の積層型セラミックコンデンサにおいて、前記誘電体層を構成する前記結晶粒子の最大粒径(D100)と平均粒径(D50)との差(D100−D50)が0.07μm以下であることがより好ましい。
誘電体層を構成する結晶粒子の最大粒径(D100)と平均粒径(D50)との差(D100−D50)が上記範囲にある積層型セラミックコンデンサによれば、Tcバイアス特性に優れたものを得やすくなる。
以上説明したように、本発明の積層型セラミックコンデンサによれば、誘電体層を構成する結晶粒子の平均粒径等の範囲で特定したので、そうした結晶粒子で構成された誘電体層を有する積層型セラミックコンデンサは、容量温度特性がEIA規格のX8R特性(−55〜150℃、ΔC/C=±15%以内)を満足すると共に、容量の経時変化が小さくなり、Tcバイアス特性に優れたものとなる。そのため、小型化・大容量化を目的として誘電体層をさらに薄層化した場合や、定格電圧を向上させた場合において、その有用性は顕著となり、特に厳しい使用環境下で使用される自動車用途においては有効である。また、本発明の積層型セラミックコンデンサは、使用する誘電体磁器組成物がPb、Bi、Zn等を含有していないので、還元性雰囲気中での焼成が可能であり、直流電界下での容量の経時変化が小さいという効果もある。
以下、本発明の積層型セラミックコンデンサについて、図面を参照しつつ説明する。なお、以下に説明する実施形態により本発明の範囲は制限されない。
(積層型セラミックコンデンサ)
図1は、本発明の積層型セラミックコンデンサの一例を模式的に示す断面図である。本発明の積層型セラミックコンデンサは、図1に示されるように、誘電体層2と内部電極層3とが交互に積層された積層体(以下、積層誘電体素子本体10という。)を有している。積層誘電体素子本体10の両端部には、この積層誘電体素子本体10の内部で交互に配置された内部電極層3と各々導通する一対の外部電極4が形成されている。積層誘電体素子本体10の形状は、通常、直方体状であるが特に制限されない。また、その寸法も特に制限はないが、通常、長辺が0.6〜5.6mm程度、短辺が0.3〜5.0mm程度、高さが0.3〜1.9mm程度である。
誘電体層2は、チタン酸バリウムを含む主成分と、MgO、CaO、BaO、及びSrOから選択される少なくとも1種からなる第1副成分と、Rの酸化物(但し、RはY、Dy、Ho、及びErから選択される少なくとも1種)からなる第2副成分とを少なくとも有する焼結体からなる。
チタン酸バリウム(BaTiO) に対する上記各副成分の比率は、チタン酸バリウム100モルに対し、第1副成分:0モルを超え0.1モル未満、第2副成分:1モルを超え7モル未満である。
本明細書では、チタン酸バリウム及び各副成分を構成する各酸化物を化学量論組成で表しているが、各酸化物の酸化状態は、化学量論組成から外れるものであってもよい。但し、各副成分の上記比率は、各副成分を構成する酸化物に含有される金属量から上記化学量論組成の酸化物に換算して求める。
上記各副成分の含有量の限定理由は以下のとおりである。
第1副成分は、MgO、CaO、BaO、及びSrOから選択される少なくとも1種からなるものである。この第1副成分は、容量温度特性を平坦化させる効果を示す。第1副成分の含有量が少なすぎると、この効果が不十分となり、容量温度特性は全般的に悪化する。一方、第1副成分の含有量が本発明の範囲を超えて多くなると、高温側の容量温度特性が再び悪化する傾向がある。なお、第1副成分中における各酸化物の構成比率は任意である。
第2副成分は、Rの酸化物(但し、RはY、Dy、Ho、及びErから選択される少なくとも1種)からなるものである。この第2副成分は、キュリー温度を高温側へシフトさせる効果と、容量温度特性を平坦化させる効果とを示す。第2副成分の含有量が少なすぎると、このような効果が不十分となり、容量温度特性が悪くなってしまう。一方、含有量が多すぎると、焼結性が急激に悪化する傾向にある。なお、第2副成分中における各酸化物の構成比率は任意である。
上記の誘電体磁器組成物には、必要に応じて、以下に説明する第3〜6副成分を添加することができる。
第3副成分は、CaZrO 又はCaO+ZrO からなるものであり、キュリー温度を高温側にシフトさせるほか、容量温度特性の平坦化、絶縁抵抗(IR)の向上、破壊電圧の向上、焼成温度を低下させる、などの効果を有する。チタン酸バリウム100モルに対する第3副成分の比率は、0モルを超え5モル未満であることが好ましく、0モルを超え3モル以下であることがより好ましい。第3副成分の添加量が多すぎると、IR寿命が著しく低下し、容量温度特性が悪化する傾向がある。第3副成分におけるCaとZrの比率は特に限定されず、チタン酸バリウムに固溶させない程度に決定すればよいが、Zrに対するCaのモル比(Ca/Zr)は、好ましくは0.5〜1.5、より好ましくは0.8〜1.5、特に好ましくは0.9〜1.1である。
第4副成分は、酸化シリコンを主成分とするものであり、この第4副成分は、主として焼結助剤としての利用を図るためのものではあるが、薄層化した際の初期絶縁抵抗の不良率を改善する成分として利用することも可能である。こうした第4副成分としては、MSiO(但し、Mは、Ba、Ca、Sr、Li、及びBから選ばれる少なくとも1種の元素)を用いることができる。第4副成分を表す上記の式において、M=Baの場合にはx=1、M=Caの場合にはx=1、M=Srの場合にはx=1、M=Liの場合にはx=2、M=Bの場合にはx=2/3である。
チタン酸バリウム100モルに対する第4副成分(MSiO)の比率は、2モル以上10モル以下であることが好ましく、2モル以上6モル以下であることがより好ましい。第4副成分(MSiO)の含有量が少なすぎると、容量温度特性を満足できない傾向があり、また絶縁抵抗(IR)が悪化する傾向があり、特に焼結性が著しく悪くなる傾向がある。一方、含有量が多すぎると、絶縁抵抗の寿命特性が不十分となり、誘電率の急激な低下が起こる傾向がある。なお、第4副成分中における各酸化物の構成比率は任意である。
第5副成分は、MnO又はCrからなるものであり、焼結を促進する効果と、IRを高くする効果と、IR寿命を向上させる効果とを示す。チタン酸バリウム100モルに対する第5副成分の比率は、0モルを超え≦0.5モル以下であることが好ましく、0.1モル以上0.5モル以下であることがより好ましい。第5副成分の含有量が多すぎると、容量温度特性に悪影響を与え、IR寿命を悪化させるおそれがある。なお、第5副成分中における各酸化物の構成比率は任意である。
第6副成分は、V、MoO、及びWO から選択される少なくとも1種からなるものであり、キュリー温度以上での容量温度特性を平坦化する効果と、IR寿命を向上させる効果とを示す。チタン酸バリウム100モルに対する第6副成分の比率は、0.01モル以上0.5モル以下であることが好ましく、0.01モル以上0.2モル以下であることがより好ましい。第6副成分の含有量が少なすぎると、上述した効果が不十分となる傾向がある。一方、含有量が多すぎると、IRが著しく低下する。なお、第6副成分中における各酸化物の構成比率は任意である。
誘電体磁器組成物中には、以上説明した主成分及び第1〜6副成分のほかに、Alを含む第7副成分がさらに添加してあってもよい。Alは容量温度特性にあまり影響を与えず、焼結性、IR及びIR寿命を改善する効果を示す。但し、Alの含有量が多すぎると焼結性が悪化してIRが低くなる。このため、第7副成分の比率は、チタン酸バリウム100モルに対して1モル以下であることが好ましく、誘電体磁器組成物全体の1モル以下であることがより好ましい。
上述した組成を有する誘電体磁器組成物のキュリー温度(強誘電体から常誘電体への相転移温度)は、誘電体磁器組成物の組成を選択することにより変更することができるが、X8R特性を満足するためには、好ましくは120℃以上、より好ましくは123℃以上とする。キュリー温度は、DSC(示差走査熱量測定)等によって測定することができる。なお、Sr、Zr及びSnの少なくとも1種が、ペロブスカイト構造を構成するチタン酸バリウム中のBa又はTiを置換している場合には、キュリー温度が低温側にシフトするため、125℃以上での容量温度特性が悪くなる。このため、これらの元素を含むチタン酸バリウム系複合酸化物[例えば(Ba,Sr)TiO] は主成分として用いないことが好ましい。但し、Sr、Zr及びSnの少なくとも1種が不純物として含有されるレベル(例えば誘電体磁器組成物全体の0.1モル%程度以下)であれば、特に問題はない。
次に、誘電体層2を構成する結晶粒子(以下、「誘電体粒子」という。)について説明する。
誘電体粒子は、上述した誘電体層2を構成するものであり、本発明においては、その誘電体粒子の平均粒径が0.25μm以上0.42μm以下であることに特徴がある。誘電体粒子の平均粒径がこの範囲内にあることにより、製造された積層型セラミックコンデンサは、その容量温度特性がEIA規格のX8R特性(−55〜150℃、ΔC/C=±15%以内)を満足し、且つ容量の経時変化が小さいという効果を奏する。
誘電体粒子の平均粒径が0.25μm未満では、誘電体層2を薄層化したとき(例えば層間での厚さを3.5μmより小さくしたとき)や、積層誘電体素子本体10を多層化したとき(例えば誘電体層2の層数を100以上にしたとき)に、X8R特性を満たさなくなることがある。また、誘電体粒子の平均粒径が0.42μmを超えると、容量の経時変化が大きくなって安定したコンデンサとして使用することができなくなることがある。
誘電体粒子の平均粒径は0.25μm以上0.34μm以下であることがより好ましい。誘電体粒子の平均粒径がこの範囲内にあることにより、製造された積層型セラミックコンデンサは、その容量温度特性がEIA規格のX8R特性を満足すると共に容量の経時変化が小さいという上記の特性に加え、Tcバイアス特性に優れるという効果を奏する。特に、この態様においては、誘電体粒子の平均粒径が0.34μm以下であることにより、Tcバイアス特性の優れた積層型セラミックコンデンサを得ることができる。
また、本発明においては、その誘電体粒子の最大粒径(D100)と平均粒径(D50)との差(D100−D50値)が0.07μm以下であることが好ましい。誘電体粒子がD100−D50値で0.07μm以下であることにより、製造された積層型セラミックコンデンサは、その容量温度特性がEIA規格のX8R特性を満足すると共に容量の経時変化が小さいという上記の特性に加え、Tcバイアス特性に優れるという効果を奏する。
なお、本発明において、誘電体粒子の平均粒径は、コード法により決定される。また、D100−D50値は、誘電体粒子の最大粒径(D100)と平均粒径(D50)との差を表しているが、その最大粒径と平均粒径とは、誘電体層2を構成する誘電体粒子の粒度分布を予め求め、その粒度分布から得られた最大粒径と平均粒径とを用いて算出される。D100−D50値が小さいということは、誘電体層2を構成する誘電体粒子の大きさのバラツキが少ないことを意味している。
また、容量温度特性がEIA規格のX8R特性を満足するとは、製造された積層型セラミックコンデンサが、80℃以上、特に125〜150℃の環境下で使用される機器用電子部品として好ましく用いることができることを示すものである。そして、このような温度範囲において、容量の温度特性がEIAJ規格のR特性を満足し、さらにX8R特性(−55〜150℃、ΔC/C=±15%以内)も満足することを意味している。また、JIS規格のB特性[−25〜85℃で容量変化率±10%以内(基準温度20℃)]、EIA規格のX7R特性(−55〜125℃、ΔC=±15%以内)も同時に満足することが可能である。
また、容量の経時変化に優れるとは、製造された積層型セラミックコンデンサを例えば85℃の温度環境下で例えば7V/μmの直流電圧を印加した場合等において、1000時間後における容量の変化率が−10%以内であることを意味している。
また、Tcバイアス特性に優れるとは、製造された積層型セラミックコンデンサに、通常0.02V/μm以上、特に0.2V/μm以上、さらには0.5V/μm以上、一般に5V/μm程度以下の交流電界と、これに重畳して5V/μm以下の直流電界とが加えられた場合においても、容量の温度特性が安定であり、Tcバイアス時の容量変化率が例えば−40%以内であることを意味している。
誘電体層2の積層数や厚さ等の諸条件は、目的や用途に応じ適宜決定すればよいが、誘電体層2の厚さとしては、通常30μm以下であり、小型大容量化の観点からは、誘電体層2の厚さを10μm以下とすることが好ましい。このように薄層化した誘電体層2を有する積層型セラミックコンデンサは、小型化大容量化を実現できると共に、その誘電体層2を構成する誘電体粒子の平均粒径等が特定されることにより、容量温度特性等の改善に有効である。なお、誘電体層2の厚さの下限は特に制限されないが、強いて挙げれば0.5μm程度である。また、誘電体層2の積層数は、通常、50〜1000程度である。
内部電極層3は、以上説明した誘電体層2と交互に設けられ、各端面が積層誘電体素子本体10の対向する2つの端部の表面に交互に露出するように積層されている。また、一対の外部電極4は、積層誘電体素子本体10の両端部に形成され、交互に配置されたニッケル内部電極層3の露出端面に接続されて、積層型セラミックコンデンサを構成している。
内部電極層3は、実質的に電極として作用する卑金属の導電材から構成される。具体的には、Ni又はNi合金が好ましい。Ni合金としては、Mn、Cr、Co、Al、W等の1種又は2種以上と、Niとの合金が好ましく、合金中のNi含有量が95重量%以上であることが好ましい。また、Ni又はNi合金中には、P、C、Nb、Fe、Cl、B、Li、Na、K、F、S等の各種微量成分が0.1重量%以下含有されていてもよい。内部電極層3の積層数や厚さ等の諸条件は、目的や用途に応じ適宜決定すればよいが、厚さとしては、通常0.1μm〜3.0μm程度が好ましく、0.2μm〜2.0μmがより好ましい。
外部電極4は、積層誘電体素子本体10の内部で交互に配置された内部電極層3と各々導通する電極であり、積層誘電体素子本体10の両端部に一対形成されている。外部電極4としては、通常、Ni、Pd、Ag、Au、Cu、Pt、Rh、Ru、Ir等の少なくとも1種又はそれらの合金を用いることができる。通常は、Cu、Cu合金、Ni又はNi合金等や、Ag、Ag−Pd合金、In−Ga合金等が使用される。外部電極4の厚さは用途等に応じて適宜決定されればよいが、通常、10〜200μm程度であることが好ましい。
(積層型セラミックコンデンサの製造方法)
本発明の積層型セラミックコンデンサは、従来の積層型セラミックコンデンサと同様に、ペーストを用いた通常の印刷法やシート法によりグリーンチップを作製し、これを焼成した後、外部電極を印刷又は転写して焼成することにより製造される。以下、製造方法について具体的に説明する。
誘電体層用ペーストは、誘電体原料と有機ビヒクルとを混練した有機系の塗料であってもよく、水系の塗料であってもよい。
誘電体原料には、上記した酸化物やその混合物、複合酸化物を用いることができるが、その他、焼成により上記した酸化物や複合酸化物となる各種化合物、例えば炭酸塩、シュウ酸塩、硝酸塩、水酸化物、有機金属化合物等から適宜選択し、混合して用いることができる。誘電体原料中の各化合物の含有量は、焼成後に上記した誘電体磁器組成物の組成となるように決定すればよい。この誘電体原料は、通常、平均粒径0.1〜3.0μm程度の粉末が用いられる。
有機ビヒクルとは、バインダを有機溶剤中に溶解したものである。有機ビヒクルに用いるバインダは特に限定されず、エチルセルロース、ポリビニルブチラール等の通常の各種バインダから適宜選択すればよい。また、用いる有機溶剤も特に限定されず、印刷法やシート法等、利用する方法に応じて、テルピネオール、ブチルカルビトール、アセトン、トルエン等の各種有機溶剤から適宜選択すればよい。
また、誘電体層用ペーストを水系の塗料とする場合には、水溶性のバインダや分散剤等を水に溶解させた水系ビヒクルと、誘電体原料とを混練すればよい。水系ビヒクルに用いる水溶性バインダは特に限定されず、例えばポリビニルアルコール、セルロース、水溶性アクリル樹脂等を用いればよい。
内部電極層用ペーストは、上記した各種誘電性金属や合金からなる導電材、あるいは焼成後に上記した導電材となる各種酸化物、有機金属化合物、レジネート等と、上記した有機ビヒクルとを混練して調製する。外部電極用ペーストは、上記した内部電極層用ペーストと同様にして調製すればよい。
上記した各ペースト中の有機ビヒクルの含有量に特に制限はなく、通常の含有量、例えば、バインダは1〜5重量%程度、溶剤は10〜50重量%程度とすればよい。また、各ペースト中には、必要に応じて各種分散剤、可塑剤、誘電体、絶縁体等から選択される添加物が含有されていてもよい。これらの総含有量は、10重量%以下とすることが好ましい。
印刷法を用いる場合、誘電体層用ペースト及び内部電極層用ペーストを、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等の基板上に積層印刷し、所定形状に切断した後、基板から剥離してグリーンチップとする。また、シート法を用いる場合、誘電体層用ペーストを用いてグリーンシートを形成し、この上に内部電極層用ペーストを印刷した後、これらを積層してグリーンチップとする。
焼成前に、グリーンチップに脱バインダ処理を施す。脱バインダ処理は、通常の条件で行えばよいが、内部電極層の導電材にNiやNi合金等の卑金属を用いる場合には、空気雰囲気において、昇温速度を好ましくは5〜300℃/時間、より好ましくは10〜100℃/時間、保持温度を好ましくは180〜400℃、より好ましくは200〜300℃、温度保持時間を好ましくは0.5〜24時間、より好ましくは5〜20時間とする。
グリーンチップ焼成時の雰囲気は、内部電極層用ペースト中の導電材の種類に応じて適宜決定されればよいが、導電材としてNiやNi合金等の卑金属を用いる場合、焼成雰囲気中の酸素分圧は、10−8〜10−12気圧とすることが好ましい。酸素分圧が前記範囲未満であると、内部電極層の導電材が異常焼結を起こし、途切れてしまうことがある。また、酸素分圧が前記範囲を超えると、内部電極層が酸化する傾向にある。
また、焼成時の保持温度は、好ましくは1100〜1400℃、より好ましくは1200〜1360℃、さらに好ましくは1200〜1340℃である。保持温度が前記範囲未満であると緻密化が不十分となり、前記範囲を超えると、内部電極層の異常焼結による電極の途切れや、内部電極層構成材料の拡散による容量温度特性の悪化、誘電体磁器組成物の還元が生じやすくなる。
これ以外の焼成条件としては、昇温速度を好ましくは50〜500℃/時間、より好ましくは200〜300℃/時間、温度保持時間を好ましくは0.5〜8時間、より好ましくは1〜3時間、冷却速度を好ましくは50〜500℃/時間、より好ましくは200〜300℃/時間とする。また、焼成雰囲気は還元性雰囲気とすることが好ましく、雰囲気ガスとしては、例えばN とH との混合ガスを加湿して用いることが好ましい。
還元性雰囲気中で焼成した場合、積層誘電体素子本体にはアニールを施すことが好ましい。アニールは、誘電体層を再酸化するための処理であり、これによりIR寿命を著しく長くすることができるので、信頼性が向上する。
アニール雰囲気中の酸素分圧は、10−10気圧以上、特に10−7〜10−6気圧とすることが好ましい。酸素分圧が前記範囲未満であると誘電体層の再酸化が困難であり、前記範囲を超えると内部電極層が酸化する傾向にある。
アニールの際の保持温度は、1100℃以下、特に500〜1100℃とすることが好ましい。保持温度が前記範囲未満であると誘電体層の酸化が不十分となるので、IRが低く、また、IR寿命が短くなりやすい。一方、保持温度が前記範囲を超えると、内部電極層が酸化して容量が低下するだけでなく、内部電極層が誘電体素地と反応してしまい、容量温度特性の悪化、IRの低下、IR寿命の低下が生じやすくなる。なお、アニールは昇温過程及び降温過程だけから構成してもよい。すなわち、温度保持時間を零としてもよい。この場合、保持温度は最高温度と同義である。
これ以外のアニール条件としては、温度保持時間を好ましくは0〜20時間、より好ましくは6〜10時間、冷却速度を好ましくは50〜500℃/時間、より好ましくは100〜300℃/時間とする。また、アニールの雰囲気ガスとしては、例えば、加湿したN ガス等を用いることが好ましい。
上記した脱バインダ処理、焼成及びアニールにおいて、N ガスや混合ガス等を加湿するには、例えばウェッター等を使用すればよい。この場合、水温は5〜75℃程度が好ましい。
脱バインダ処理、焼成及びアニールは、連続して行っても、独立に行ってもよい。これらを連続して行う場合、脱バインダ処理後、冷却せずに雰囲気を変更し、続いて焼成の際の保持温度まで昇温して焼成を行い、次いで冷却し、アニールの保持温度に達したときに雰囲気を変更してアニールを行うことが好ましい。一方、これらを独立して行う場合、焼成に際しては、脱バインダ処理時の保持温度までN ガスあるいは加湿したN ガス雰囲気下で昇温した後、雰囲気を変更してさらに昇温を続けることが好ましく、アニール時の保持温度まで冷却した後は、再びN ガスあるいは加湿したN ガス雰囲気に変更して冷却を続けることが好ましい。また、アニールに際しては、N ガス雰囲気下で保持温度まで昇温した後、雰囲気を変更してもよく、アニールの全過程を加湿したN ガス雰囲気としてもよい。
上記のようにして得られた積層誘電体素子本体に、例えばバレル研磨やサンドブラスト等により端面研磨を施し、外部電極用ペーストを印刷又は転写して焼成し、外部電極4を形成する。外部電極用ペーストの焼成条件は、例えば、加湿したN とH との混合ガス中で600〜800℃にて10分間〜1時間程度とすることが好ましい。そして、必要に応じ、外部電極4表面に、めっき等により被覆層を形成する。このようにして製造された本発明の積層型セラミックコンデンサは、ハンダ付等によりプリント基板上等に実装され、各種電子機器等に使用される。
以上本発明の積層型セラミックコンデンサ及びその製造方法について説明してきたが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
以下の実験例により本発明を詳細に説明する。但し、本発明は、以下の記載内容に限定されるものではない。
(実験1)
先ず、誘電体材料を作製するための出発原料として、それぞれの平均粒径が0.1〜1μmに含まれる主成分原料(BaTiO) 及び第1〜第6副成分原料を用意した。特にBaTiO については、原料粉末の平均粒径が約0.1〜0.33μmであり且つN 吸着法を用いて測定された比表面積が3〜8.5の範囲のもの、具体的には固相法で合成した比表面積が3.0、4.1、4.4、5.0、5.4、6.0、7.0、8.5の8種類のBaTiO 粉末を使用した。なお、比表面積が前記範囲となるBaTiO は、固相法に限らず、一般的な液相合成によっても得ることができる。
第1副成分の出発原料としてはMgCO を用い、第2副成分の出発原料としてはYを用いた。また、第3副成分の出発原料としてはCaZrO を用い、第4副成分の出発原料としては(BaO0.6,Ca0.4)SiO を用いた。そして、第5副成分の出発原料としてはMnCO を用い、第6副成分の出発原料としてはVを用いた。なお、第3副成分の出発原料であるCaZrO は、CaCO 及びZrO をボールミルにより16時間湿式混合し、乾燥後、1150℃で空気中で焼成し、さらに、ボールミルにより24時間湿式粉砕することにより製造した。また、第4副成分の出発原料である(BaO0.6,Ca0.4)SiO は、BaCO 、CaCO 及びSiO をボールミルにより16時間湿式混合し、乾燥後、1150℃で空気中で焼成し、さらに、ボールミルにより100時間湿式粉砕することにより製造した。
これらの原料を、焼成後の組成が、主成分であるBaTiO 100モルに対して、MgCO が0.07モル、Yが4.0モル、CaZrO が2.00モル、(BaO0.6,Ca0.4)SiO が3.0モル、MnCO が0.3モル、Vが0.06モルとなるように秤量し、ボールミルにより16時間湿式混合してから乾燥させて、誘電体原料とした。
このようにして得られた乾燥後の誘電体原料100重量部と、アクリル樹脂4.8重量部と、塩化メチレン40重量部と、酢酸エチル20重量部と、ミネラルスピリット6重量部と、アセトン4重量部とをボールミルで混合してペースト化し、誘電体層用ペーストを得た。
次いで、平均粒径0.4μmのNi粒子100重量部と、有機ビヒクル(エチルセルロース8重量部をブチルカルビトール92重量部に溶解したもの)40重量部と、ブチルカルビトール10重量部とを3本ロールにより混練してペースト化し、内部電極層用ペーストを得た。
次いで、平均粒径0.5μmのCu粒子100重量部と、有機ビヒクル(エチルセルロース樹脂8重量部をブチルカルビトール92重量部に溶解したもの)35重量部及びブチルカルビトール7重量部とを混練してペースト化し、外部電極用ペーストを得た。
次いで、上記誘電体層用ペーストを用いてPETフィルム上に、厚さ4.5μmのグリーンシートを形成し、この上に内部電極層用ペーストを印刷したのち、PETフィルムからグリーンシートを剥離した。次いで、これらのグリーンシートと保護用グリーンシート(内部電極層用ペーストを印刷しないもの)とを積層、圧着して、グリーンチップを得た。内部電極を有するシートの積層数は4層とした。
次いで、グリーンチップを所定サイズに切断し、脱バインダ処理、焼成及びアニールを行って、積層セラミック焼成体を得た。脱バインダ処理は、昇温時間15℃/時間、保持温度280℃、保持時間8時間、空気雰囲気の条件で行った。また、焼成は、昇温速度200℃/時間、保持温度1270〜1320℃、保持時間2時間、冷却速度300℃/時間、加湿したN +H 混合ガス雰囲気(酸素分圧は10−11気圧)の条件で行った。アニールは、保持温度900℃、温度保持時間9時間、冷却速度300℃/時間、加湿したN ガス雰囲気(酸素分圧は10−7気圧)の条件で行った。なお、焼成の際の雰囲気ガスの加湿には、水温を20℃としたウェッターを用い、アニールの際の雰囲気ガスの加湿には、水温を30℃としたウェッターを用いた。
次いで、積層セラミック焼成体の端面をサンドブラストにて研磨したのち、外部電極用ペーストを端面に転写し、加湿したN +H 雰囲気中において、800℃にて10分間焼成して外部電極を形成して積層型セラミックコンデンサのサンプルを得た。
このようにして、誘電体層を構成する誘電体粒子の平均粒径が表1に記載のものとなった積層型セラミックコンデンサのサンプルを作製した。このときの誘電体粒子の平均粒径は、本願においてはコード法により求めたコード長を1.5倍したものを粒径と定義し、測定された相当数(例えば300個)の粒径データの平均値で表した。また、誘電体粒子のD100−D50値は、積層セラミック焼成体を研磨して厚さ方向の断面をとり、この断面を化学エッチングもしくは熱エッチングして結晶粒子が観察できるようにしてからSEM(走査型電子顕微鏡)写真を撮り、この写真を画像処理して300個の結晶粒子についての円相当径を算出し、これらの円相当径の累積度数分布から求めた最大粒径(D100)と平均粒径(D50)との差で表した。なお、この実験例においては、300個の結晶粒子についての粒径データから平均粒径や誘電体粒子のD100−D50値を求めているが、求める粒径データの数は必ずしも300個である必要はなく、それ以外の数であっても構わない。
得られた各サンプルのサイズは、3.2mm×1.6mm×0.6mmであり、内部電極層に挟まれた誘電体層の数は4、誘電体層の1層当たりの厚さは3.5μmであり、内部電極層の1層当たりの厚さは1.0μmであった。また、得られた積層型セラミックコンデンサのサンプルは、還元雰囲気での焼成においても還元されることがなく、また内部電極として使用したニッケルもIR不良が生じる程度の酸化はみられなかった。
(各特性の評価方法と結果)
作製された積層型セラミックコンデンサのサンプルについて、容量温度特性、容量の経時変化特性、Tcバイアス特性、及び平均寿命を評価した。
(i) 容量温度特性は、得られたコンデンサのサンプルに対し、−55〜150℃の温度範囲で最も容量温度特性が悪くなる150℃の温度環境下での静電容量の変化率(%)を測定することにより評価した。静電容量の測定にはLCRメータを用い、周波数1kHz・入力信号レベル1Vrmsの条件下で測定した。測定結果に対しては、X8R特性(−55〜150℃、ΔC=±15%以内)を満足するか否かで評価し、満足するものを○、満足しないものを×とした。その結果を表1と図2に示した。
表1及び図2の結果から明らかなように、誘電体粒子(焼結後の誘電体粒子)の平均粒径が0.25μm〜0.45μmの範囲内で静電容量の変化率が15%以内になっており、X8R特性を満たしているのが確認された。
(ii)容量の経時変化特性は、得られたコンデンサのサンプルに対し、85℃の温度環境下で7.0V/μmの直流電圧を印加した際の、1000時間経過前後の静電容量の変化率(%)を測定することにより評価した。静電容量の測定にはLCRメータを用い、1000時間前後のサンプルを周波数1kHz・入力信号レベル1Vrmsの条件下で測定し、その結果を表1及び図3に示した。測定結果に対しては、1000時間前後の静電容量の変化率が−10%以内となるか否かで評価した。
表1及び図3の結果から明らかなように、誘電体粒子(焼結後の誘電体粒子)の平均粒径が0.18μm〜0.42μmの範囲内で容量変化率(1000時間前後)が−10%以内になっているのが確認された。
(iii) Tcバイアス特性は、得られたコンデンサのサンプルに対し、−55〜+150℃の温度条件下で、7.0V/μmの直流電圧を印加した際の静電容量の変化率(%)を測定することにより評価した。静電容量の測定にはLCRメータを用い、周波数1kHz・入力信号レベル1Vrmsの条件下で測定した。測定結果に対しては、静電容量の変化率が−40%以内となるか否かで評価した。
表1及び図4の結果から明らかなように、誘電体粒子(焼結後の誘電体粒子)の平均粒径が0.18μm〜0.34μmの範囲内で変化率が−40%以内になっているのが確認された。また、このTcバイアス特性について、D100−D50値との関係について調べた結果を図5に示した。図5の結果から明らかなように、D100−D50値が0.07μm以下の場合に、変化率が−40%以内になっているのが確認された。
なお、こうした結果は、誘電体粒子が小さくそのバラツキが小さいほどTcバイアス特性に優れることを示しているが、その理由については、粒子径の揃った小さい誘電体粒子で誘電体層が構成されることにより強誘電性が低減することに依存したものであると考えられる。
(iv)平均寿命は、得られたコンデンサのサンプル計10個に対し、200℃の温度条件下で、15.0V/μmの直流電圧を印加した際に、抵抗が1桁変化するまでの時間で評価する加速試験を行い、その平均値(平均寿命時間)を基に評価した。抵抗値は、コンデンサの漏れ電流から計算して求めた。なお、この加速試験の結果は、得られた平均寿命時間が1.5時間以上であれば、積層型セラミックコンデンサとして十分な信頼性を有するものとして評価される。
表1及び図6の結果から明らかなように、この実験で得られたサンプルはいずれも1.5時間以上の平均寿命を示しており、積層型セラミックコンデンサとして十分な信頼性を有している。
Figure 2005294290
(v) 以上の結果から明らかなように、誘電体層を構成する誘電体粒子の平均粒子径が異なるサンプルで各特性を評価した結果、誘電体粒子(焼結後の誘電体粒子)の平均粒径が0.25〜0.42μmの範囲で、150℃の温度環境下での静電容量の変化率(%)が15%以内になると共に1000時間後の容量の経時変化率が−10%以内となり、且つX8R特性を満たした。また、誘電体粒子(焼結後の誘電体粒子)の平均粒径が0.25〜0.34μmの範囲で、150℃の温度環境下での静電容量の変化率(%)が15%以内になると共にTcバイアス時の容量変化率が−40%以内となり、且つX8R特性を満たした。また、誘電体層を構成する誘電体粒子(焼結後の誘電体粒子)のD100−D50値が0.07μm以下で、Tcバイアス時の容量の変化率が−40%以内となった。
本発明の積層型セラミックコンデンサの一例を示す模式断面図である。 誘電体層を構成する誘電体粒子(焼結後の誘電体粒子)の平均粒径と容量温度特性(静電容量の変化率)との関係を示すグラフである。 誘電体層を構成する誘電体粒子(焼結後の誘電体粒子)の平均粒径と容量の経時変化特性(静電容量の変化率)との関係を示すグラフである。 誘電体層を構成する誘電体粒子(焼結後の誘電体粒子)の平均粒径とTcバイアス特性(静電容量の変化率)との関係を示すグラフである。 誘電体層を構成する誘電体粒子(焼結後の誘電体粒子)のD100−D50値とTcバイアス特性(静電容量の変化率)との関係を示すグラフである。 誘電体層を構成する誘電体粒子(焼結後の誘電体粒子)の平均粒径と平均寿命(平均寿命時間)との関係を示すグラフである。
符号の説明
1…積層型セラミックコンデンサ
2…誘電体層
3…内部電極層
4…外部電極
10…積層誘電体素子本体

Claims (6)

  1. チタン酸バリウムを含む主成分と、MgO、CaO、BaO、及びSrOから選択される少なくとも1種からなる第1副成分と、Rの酸化物(但し、RはY、Dy、Ho、及びErから選択される少なくとも1種)からなる第2副成分とを少なくとも有し、前記チタン酸バリウム100モルに対する前記第1副成分及び前記第2副成分それぞれの比率が、第1副成分:0モルを超え0.1モル未満、第2副成分:1モルを超え7モル未満である誘電体磁器組成物の結晶粒子で構成された焼結体からなる誘電体層と、内部電極層とが交互に積層された積層体を有する積層型セラミックコンデンサであって、
    前記誘電体層を構成する前記結晶粒子の平均粒径が0.25μm以上0.42μm以下であることを特徴とする積層型セラミックコンデンサ。
  2. CaZrO 又はCaO+ZrO からなる第3副成分をさらに有し、前記チタン酸バリウム100モルに対する前記第3副成分の比率が、0モルを超え5モル未満であることを特徴とする請求項1に記載の積層型セラミックコンデンサ。
  3. 酸化シリコンを主成分とする第4副成分をさらに有することを特徴とする請求項1又は2に記載の積層型セラミックコンデンサ。
  4. MnO又はCrからなる第5副成分をさらに有し、前記チタン酸バリウム100モルに対する前記第5副成分の比率が、0モルを超え0.5モル以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層型セラミックコンデンサ。
  5. 、MoO、及びWO から選択される少なくとも1種からなる第6副成分をさらに有し、前記チタン酸バリウム100モルに対する前記第6副成分の比率が、0.01モル以上0.5モル以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層型セラミックコンデンサ。
  6. 前記誘電体層を構成する前記結晶粒子の最大粒径(D100)と平均粒径(D50)との差(D100−D50)が0.07μm以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の積層型セラミックコンデンサ。
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