JP4506138B2 - スラリーの製造方法、グリーンシートの製造方法及び積層型電子部品の製造方法 - Google Patents

スラリーの製造方法、グリーンシートの製造方法及び積層型電子部品の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、スラリーの製造方法、グリーンシートの製造方法及び積層型電子部品の製造方法に関する。
積層セラミックコンデンサ、積層型バリスタ、チップインダクタ等の積層型電子部品は、通常、セラミックスラリーを用いて形成されたセラミックグリーンシートを積層、圧着し、熱処理して、所定サイズに切断後、焼結工程を経て製造される。
例えば、積層セラミックコンデンサは、以下のような方法で製造される。図3に積層セラミックコンデンサの製造工程を示す。まず、金属酸化物等の原料を秤量して調合を行い(ステップS51)、ボールミル等で混合・粉砕し(ステップS52)、その後、乾燥(ステップS53)、仮焼き(ステップS54)を行うことにより、添加剤を完成させる(ステップS55)。次に、例えば、水を加えて再度ボールミル等で湿式粉砕(ステップS56)を行い、乾燥(ステップS57)を行った後、有機溶剤等を加えて予備粉砕を行う(ステップS58)。続いて、予備粉砕された添加剤と誘電体粉末とを秤量して調合を行い、有機溶剤、有機バインダー等を加えてボールミル等で湿式粉砕(ステップS59)を行うことにより、セラミックスラリーを製造する(ステップS60)。
次に、製造されたセラミックスラリーをドクターブレード法、ノズル法などを用いてポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等の支持体上に塗布し、溶剤を乾燥させて、セラミックグリーンシートを製造する(ステップS61)。続いて、支持体からセラミックグリーンシートを剥離し、これを複数枚積層し、圧着(ステップS62)した後、所定のサイズに切断してグリーンチップとする。これらのグリーンチップの有機バインダー、可塑剤等を熱処理等で除去した後、焼成、外部電極形成等の処理を施すことにより積層セラミックコンデンサを製造する(ステップS63)。
ところで、近年、積層型電子部品に対しては、小型化、高性能化が求められるようになっている。このため、積層型電子部品の製造に用いられるグリーンシートの層構造には、薄さとともに、高い均一性が求められるようになっている。例えば、塗膜時の塗布ムラ、成分不均一などのわずかのシート欠陥であっても、これが電子部品電気特性や信頼性に与える影響が無視できないレベルとなっている。このような状況下で誘電体層中の添加剤の分散が不均一であると、積層型電子部品の温度特性、品質、信頼性等が著しく低下してしまう。このため、誘電体粉末(主剤)に対して添加剤が均一に分散するように、添加剤の分散性を向上させる必要がある。
添加剤の分散性を向上させる方法として、例えば、セラミック主成分粉末のメジアン値を5μm以下とし、添加剤として、メジアン値が1/5以下のものを使用し、添加剤の混合方法として、セラミックスラリー中に添加剤塩の水溶液を加えて混合し、スラリーを乾燥し、セラミック粒子を析出させる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−335176号公報
特許文献1では、添加剤を溶液として主成分粉末に加えて混合し、熱処理しているため、添加する金属の溶液を液体で秤量する必要があり、スラリー製造工程における作業数が増えたり、pH制御を行ったりしなくてはならない。このため、容易にスラリーを製造することができず、グリーンシート及び積層型電子部品を容易に製造することができなかった。
また、添加する金属を溶液状態で保存することになるため、酸化などの劣化が起こりやすく、保存しにくい形態であった。また、溶液を用いるので、コストも高くなってしまう。
さらに、図3に示すような従来の製造方法では、添加剤のボールミル等での湿式粉砕、乾燥の工程が多いため、粉砕が進み細粒化が進めば、乾燥後の凝集力も大きくなり、乾燥後のボールミル等での湿式粉砕で凝集体の粉砕が進まずに、粗粒子が生じやすくなってしまう。このような粗粒子が、グリーンシート製造時に混入してしまうと、品質、信頼性等が低下する不良を引き起こす事になる。さらに、添加剤の細粒化が進んでいるので、添加剤と主剤との混合時に再凝集が生じてしまうおそれもある。
また、特許文献1には、主成分の平均粒径が2.3〜5.1μmのものが記載されており、例えば、粒径が2μmを超える主成分粒子を用いる場合、誘電体層の厚みが3μm以下の積層型電子部品を得ようとしても、ショート不良を無くし、高温負荷寿命を得る等、信頼性を確保することは困難である。
本発明は、上記実状に鑑みてなされたものであり、容易に製造可能な、スラリーの製造方法、グリーンシートの製造方法及び積層型電子部品の製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、品質、信頼性等が低下することなく、薄層化された積層型電子部品を製造可能な、スラリーの製造方法、グリーンシートの製造方法及び積層型電子部品の製造方法を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、添加剤の分散性を向上させることができるスラリーの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、この発明の第1の観点にかかるスラリーの製造方法は、
有機溶剤に誘電体粉末と添加剤とが分散されたスラリーの製造方法であって、
バリウム、カルシウム、または珪素を含む金属酸化物を所定の比率に調合し、混合・粉砕を行った後、所定温度で所定時間乾燥、仮焼きを行い、前記添加剤を作製する添加剤作製工程と、
前記添加剤作製工程で作製された添加剤を粉砕する粉砕工程と、
前記粉砕工程で湿式粉砕された添加剤にバインダーを添加するバインダー添加工程と、
少なくとも、前記バインダー添加工程でバインダーが添加された添加剤と、前記誘電体粉末と、前記有機溶剤とを混合、粉砕してスラリーを作製するスラリー作製工程と、
を備え、
前記粉砕工程では、前記スラリー作製工程で混合される有機溶剤の少なくとも1つの有機溶剤を用いて湿式粉砕を行い、
前記スラリー作製工程では、前記添加剤を乾燥することなく、少なくとも、前記誘電体粉末および前記有機溶剤と混合し、粉砕する、
ことを特徴とする。
この構成によれば、スラリー作製工程で混合される有機溶剤の少なくとも1つの有機溶剤を用いて湿式粉砕が行われるので、粉砕した添加剤を乾燥する必要が無くなり、工程の簡略化が図れる。また乾燥しないため、乾燥による凝集が抑えることができ、粗粒子の発生が無くなり、粗粒子混入の不具合がなくなる。
前記バインダー添加工程では、バインダー添加後の粘度が40mPa・s〜500mPa・sとなるように、バインダーを添加することが好ましい。
前記粉砕工程では、添加剤の平均粒径が0.4μm以下になるように、添加剤を粉砕することが好ましい。この場合、添加剤の分散性が向上し、製品の信頼性を上げることができる。
前記粉砕工程では、添加剤の平均粒径が前記誘電体粉末の平均粒径の62%以下の粒径になるように、添加剤を粉砕することが好ましい。
この発明の第2の観点にかかるグリーンシートの製造方法は、第1の観点にかかるスラリーの製造方法によりスラリーを製造する工程と、
製造されたスラリーを塗布、乾燥してグリーンシートを形成する工程と、
を有する、ことを特徴とする。
この発明の第3の観点にかかる積層型電子部品の製造方法は、第1の観点にかかるスラリーの製造方法によりスラリーを製造する工程と、
製造されたスラリーを塗布、乾燥してグリーンシートを形成する工程と、
形成されたグリーンシートを積層して積層体を形成する工程と、
形成された積層体を焼成して焼結体を形成する工程と、
を備える、ことを特徴とする。
この発明によれば、容易に製造可能な、スラリー、グリーンシート及び積層型電子部品ならびにこれらの製造方法を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態に係るスラリー、グリーンシート及び積層型電子部品ならびにこれらの製造方法について、詳細に説明する。なお、以下では、積層セラミックコンデンサを製造する場合を例として説明する。
本実施の形態に係るスラリーは、誘電体粉末と、有機バインダーと、添加剤と、溶剤と、その他必要な添加剤とを含んで構成される。
誘電体粉末としては、セラミック粉末が使用可能である。セラミック粉末は、一般的に積層型電子部品の製造に使用される材料粉末であればよく、チタン酸バリウム等のチタン酸化物の他に、アルミニウム、バリウム、鉛、ジルコニウム、ケイ素、イットリウム等の酸化物あるいはこれらの混合物が使用可能である。誘電体粉末には、所定の粒度のものが用いられる。
有機バインダーとしては、ブチラール系、アクリル系、オレフィン系等の樹脂を用いることができる。
添加剤としては、バリウム、カルシウム、または珪素等を含む金属酸化物を所定の比率にて混合・分散し、仮焼きしたものを用いることが可能である。ここで、添加剤は、その平均粒径を、一定粒径、例えば、0.4μm以下にして分散性を向上させることが好ましい。また、添加剤は、誘電体粉末の平均粒径の62%以下の粒径にして分散性を向上させることが好ましい。
溶剤は、トルエン等の芳香族炭化水素、メチルエチルケトン等のケトン、エチルアルコール等のアルコールといった一般的な有機溶剤が使用可能である。
以下、上記した本実施の形態に係るスラリー、グリーンシート及び積層型電子部品の製造方法について説明する。なお、本例では、積層セラミックコンデンサを製造する場合について説明する。図1に積層セラミックコンデンサの製造工程を示す。
まず、スラリーの添加剤となるバリウム、カルシウム、または珪素等を含む金属酸化物を所定の比率に調合する(ステップS1)。次に、ボールミル等の分散機で混合・粉砕を行った後(ステップS2)、所定温度で所定時間乾燥(ステップS3)、仮焼き(ステップS4)を行い、添加剤を完成させる(ステップS5)。
続いて、完成した添加剤に、後述するステップS8で用いる溶剤の少なくとも1つを含む有機溶剤を加えて湿式粉砕を行い(ステップS6)、所定のバインダーを投入(混合)する(ステップS7)。
ここで、粉砕後の添加剤は、その平均粒径を0.4μm以下にすることが好ましい。また、添加剤は、誘電体粉末の平均粒径の62%以下の粒径にすることが好ましい。平均粒径が0.4μm以下、誘電体粉末の平均粒径の62%以下の粒径であると、添加剤の分散性が向上し、製造される製品の信頼性を上げることができるためである。添加材の粒度は、混合・粉砕時間、分散機に用いるメディアの粒径、量などで変化させる。
また、ステップS6の湿式粉砕(仮焼き後の粉砕)を水で行わず、後述するステップS8で用いる溶剤の少なくとも1つを含む溶剤を用いているので、その後に乾燥(従来のステップS57)、予備粉砕(従来のステップS58)を行うことなく、そのまま誘電体粉末との混合・粉砕(ステップS8)を行うことができる。このため、製造工程の簡略化が図れる。また、乾燥工程をなくすことができるため、乾燥後の凝集が押さえられ、粗粒子の発生が無くなり、粗粒子混入の不具合がなくなる。
また、所定のバインダーを混合しているので粘度が上がり、細粒化した添加剤の再凝集や分離を防ぐことができる。バインダー添加後の粘度は、例えば、40mPa・s〜500mPa・sであることが好ましい。さらに、バインダーの分散効果により細粒化した添加剤の再凝集を防ぐことができる。このため、添加剤の分散性を向上させることができる。
次に、チタン酸バリウム等の誘電体粉末、所定の有機溶剤、所定のバインダー、その他添加剤を加えて、ボールミル等の分散機で添加剤と誘電体粉末との混合・粉砕を行う(ステップS8)。これにより、スラリーが完成する(ステップS9)。なお、得られたスラリーを攪拌することで沈降分離を防止でき、長期的保存においても安定した形態をとることができる。
続いて、このスラリーを、シリコーン等の剥離剤が塗布されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等の支持体上に、例えば、ドクターブレード法により塗布し、その後、例えば、70℃で乾燥させて溶媒をとばし、セラミックグリーンシートを形成する(ステップS10)。
次に、このセラミックグリーンシートの上に、パラジウム、銀−パラジウム、ニッケル等の内部電極となる金属と有機溶剤等とを含む電極ペーストを用い、所定の電極パターンを形成する。その後、印刷されたセラミックグリーンシートを支持体より剥離する。次いで、このように形成された複数枚のセラミックグリーンシートを積層し、厚み方向にプレスして圧着する(ステップS11)。
続いて、圧着された積層体を、個々のセラミックコンデンサを得るための積層体が得られるように切断し、有機バインダー、可塑剤等を熱処理等で除去した後、焼成して焼結体とする。最後に、内部電極と導通する外部電極を焼き付けることにより、積層セラミックコンデンサが得られる(ステップS12)。
本実施の形態によれば、添加剤の製造時において、仮焼き後の湿式粉砕に水を用いずに、誘電体粉末との調合時に使用される有機溶剤を用いて湿式粉砕を行っているので、その後の乾燥工程を行わずに、そのまま誘電体粉末との調合を行うことができる。このため、製造工程の簡略化を図ることができる。また、乾燥工程をなくすことができるため、乾燥後の凝集が押さえられ、粗粒子の発生が無くなり、粗粒子混入の不具合がなくなる。
また、本実施の形態によれば、仮焼き後の湿式粉砕の後に、所定のバインダーを混合しているので、細粒化した添加剤の再凝集や分離を防ぐことができる。このため、添加剤の分散性を向上させることができる。
本発明は、上記実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。
上記実施の形態では、ステップS7でバインダを投入した場合を例として説明したが、例えば、バインダを投入せずに、誘電体粉末との混合・粉砕を行ってもよい。この場合にも、製造工程の簡略化を図ることができるとともに、粗粒子混入の不具合がなくなる。
上記実施の形態では、平均粒径が0.65μmの誘電体粉末を用いた場合を例として説明したが、例えば、平均粒径が2μmの誘電体粉末を用いてもよい。この場合にも、仮焼き後の湿式粉砕に誘電体粉末との調合時に使用される有機溶剤を用いて湿式粉砕を行うことにより、製造工程の簡略化を図ることができ、粗粒子の発生が無くなり、粗粒子混入の不具合がなくなる。また、誘電体粉末の平均粒径が大きくなった場合にも、添加剤の粒径を誘電体粉末の平均粒径の62%以下の粒径にすることが好ましい。この場合、添加剤の分散性がさらに向上し、製造される製品の信頼性を上げることができる。
上記実施の形態では、分散機としてボールミルを用いた場合を例として説明したが、例えば、メディアミルを用いてもよい。また、高圧型分散機を併用してもよい。
上記実施の形態では、積層セラミックコンデンサを例として説明した。しかし、勿論、上記例に限らず、本発明は、積層インダクタ、積層アクチュエータ、積層LCフィルタ等あるいはこれらの複合電子部品にも適用可能である。
以下、本実施の形態の具体的実施例を挙げ、本発明をさらに詳細に説明する。本実施例のスラリー、このスラリーを用いたセラミックグリーンシート、積層セラミックコンデンサを作製し、その特性について調べた。
本実施例では、仮焼き後の添加剤に有機溶剤等を加えて湿式粉砕を行い、バインダーを混合した後、誘電体粉末、有機溶剤、バインダー、その他添加剤を加えて、ボールミル等の分散機で混合・粉砕を行い、スラリーを作製した。
誘電体粉末と混合する前の添加剤粉砕時の組成は、表1に示すように、添加剤としてのBa,Ca,Mg,Y,Si-酸化物が31.7重量%、有機溶剤としてのエタノールが66.7重量%、バインダーとしてのブチラール樹脂が1.0重量%、分散剤・その他としての可塑剤(DOP:ジオクチルフタレート)が0.6重量%となるように作製した。
実施例1では、添加剤粉砕時の添加剤の平均粒径は、0.51μmであり、粘度は30(mPa・s)であった。また、実施例2〜5では、混合・粉砕時間、分散機に用いるメディアの粒径、量などで変化させ、添加剤の平均粒径、粘度を実施例1から変化させた。
そして、誘電体粉末としてのチタン酸バリウム100重量部に対して、添加剤が6.8重量部、バインダーが6.2重量部、有機溶剤・分散剤を115.3重量部となるように秤量し、ボールミル等の分散機で混合、分散することによりスラリーを作製した。なお、有機溶剤、バインダー等は、通常入れる量より添加剤のスラリーから入る量を引いて秤量した。また、誘電体粉末は、その平均粒径が0.65μmのものを用いた。
比較例では、仮焼き後の添加剤に水等を加えて湿式粉砕を行い、乾燥、予備粉砕を行った後、実施例と同様に、誘電体粉末、有機溶剤、バインダー、その他添加剤を加えて、ボールミル等の分散機で混合・粉砕を行い、スラリーを作製した。
なお、実施例5、比較例3では、添加剤粉砕後の添加剤スラリーに凝集(凝化)がおきているが、誘電体粉末との分散時には安定化しており、スラリー製造においては問題は生じなかった。これは、添加剤スラリーで凝集がおきても基本的に細かくなっており、誘電体スラリー分散時には再分散されるためである。なお、凝集の度合いは、実施例5では僅かであり、比較例3では多かった。
このように作製した実施例1〜5、比較例1〜3のスラリーをPETフィルムにドクターブレード法により塗布し、電極をスクリーン印刷し、積層機でPETフィルムから剥離、積層し、プレスで熱圧着し、所定の形状に切断し、セラミックグリーンチップを作成した。なお、層数は250層であり、層間は焼き上げ4μmである。
作製した実施例および比較例にかかるセラミックグリーンチップの諸特性は、信頼性、ショート不良、および耐圧不良について調べた。信頼性(加速試験)は、電圧を定格の3倍、温度200℃とし、実施例1の故障時間の平均値を1としたときの、それぞれの故障時間の平均値の比で示した。また、ショート不良および耐圧不良は、コンデンサチップについて一般的な評価方法でその不良率を調べた。表1に実施例及び比較例にかかる信頼性、ショート不良及び耐圧不良の結果を示す。また、図2に実施例1〜5にかかる信頼性、ショート不良及び耐圧不良の結果を示す。
Figure 0004506138
添加剤の平均粒径の等しい実施例1と比較例1、実施例3と比較例2、実施例5と比較例3を比較すると、表1に示すように、仮焼き後の添加剤に有機溶剤等を加えた本発明の製造方法で製造したスラリーを用いることにより、ショート不良及び耐圧不良となる割合を低下させることができるとともに、信頼性を向上させることができることがわかる。これは、添加剤仮焼き後の乾燥工程をなくすことができるため、乾燥後の凝集が押さえられ、粗粒子の発生が無くなり、粗粒子混入の不具合がなくなるためであると考えられる。また、本発明の製造方法で製造したスラリーを用いることにより、乾燥工程をなくすことができるため、製造工程の簡略化を図ることができる。
添加剤の平均粒径の異なる実施例1〜5を比較すると、図2に示すように、添加剤の平均粒径を0.4μm以下(誘電体粉末の平均粒径の62%以下の粒径)とすることにより、ショート不良及び耐圧不良となる割合をさらに低下させることができるとともに、信頼性をさらに向上させることができることがわかる。これは、添加剤の平均粒径を0.4μm以下のように小さくすることにより、添加剤の分散性が向上し、製造される製品の信頼性を上げることができるためである。このため、添加剤は、その平均粒径を0.4μm以下にすることが好ましい。
本発明の実施の形態の積層セラミックコンデンサの製造工程を示す図である。 添加剤の平均粒径と積層セラミックコンデンサの諸特性との関係を示すグラフである。 従来の積層セラミックコンデンサの製造工程を示す図である。

Claims (6)

  1. 有機溶剤に誘電体粉末と添加剤とが分散されたスラリーの製造方法であって、
    バリウム、カルシウム、または珪素を含む金属酸化物を所定の比率に調合し、混合・粉砕を行った後、所定温度で所定時間乾燥、仮焼きを行い、前記添加剤を作製する添加剤作製工程と、
    前記添加剤作製工程で作製された添加剤を粉砕する粉砕工程と、
    前記粉砕工程で湿式粉砕された添加剤にバインダーを添加するバインダー添加工程と、
    少なくとも、前記バインダー添加工程でバインダーが添加された添加剤と、前記誘電体粉末と、前記有機溶剤とを混合、粉砕してスラリーを作製するスラリー作製工程と、
    を備え、
    前記粉砕工程では、前記スラリー作製工程で混合される有機溶剤の少なくとも1つの有機溶剤を用いて湿式粉砕を行い、
    前記スラリー作製工程では、前記添加剤を乾燥することなく、少なくとも、前記誘電体粉末および前記有機溶剤と混合し、粉砕する、
    ことを特徴とするスラリーの製造方法。
  2. 前記バインダー添加工程では、バインダー添加後の粘度が40mPa・s〜500mPa・sとなるように、バインダーを添加する、ことを特徴とする請求項に記載のスラリーの製造方法。
  3. 前記粉砕工程では、添加剤の平均粒径が0.4μm以下になるように、添加剤を粉砕する、ことを特徴とする請求項1または2に記載のスラリーの製造方法。
  4. 前記粉砕工程では、添加剤の平均粒径が前記誘電体粉末の平均粒径の62%以下の粒径になるように、添加剤を粉砕する、ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のスラリーの製造方法。
  5. 請求項1乃至のいずれか1項に記載のスラリーの製造方法によりスラリーを製造する工程と、
    製造されたスラリーを塗布、乾燥してグリーンシートを形成する工程と、
    を有する、ことを特徴とするグリーンシートの製造方法。
  6. 請求項1乃至のいずれか1項に記載のスラリーの製造方法によりスラリーを製造する工程と、
    製造されたスラリーを塗布、乾燥してグリーンシートを形成する工程と、
    形成されたグリーンシートを積層して積層体を形成する工程と、
    形成された積層体を焼成して焼結体を形成する工程と、
    を備える、ことを特徴とする積層型電子部品の製造方法。
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