JP3538706B2 - セラミックスラリー組成物の製造方法及びセラミックグリーンシートの製造方法 - Google Patents

セラミックスラリー組成物の製造方法及びセラミックグリーンシートの製造方法

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JP3538706B2
JP3538706B2 JP32085799A JP32085799A JP3538706B2 JP 3538706 B2 JP3538706 B2 JP 3538706B2 JP 32085799 A JP32085799 A JP 32085799A JP 32085799 A JP32085799 A JP 32085799A JP 3538706 B2 JP3538706 B2 JP 3538706B2
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ceramic green
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  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、セラミックスラ
リー組成物の製造方法及びセラミックグリーンシートの
製造方法に関し、詳しくは、積層セラミックコンデンサ
やセラミック多層基板などのセラミック電子部品の製造
に用いられるセラミックスラリー組成物の製造方法及び
該セラミックスラリー組成物を用いたセラミックグリー
ンシートの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】積層セラミックコンデンサやセラミック
多層基板などの積層セラミック電子部品は、通常、セラ
ミックグリーンシートを積層、圧着し、熱処理して、セ
ラミックや電極を焼結させる工程を経て製造されてい
る。
【0003】例えば、図1に示すように、セラミック素
子1中に内部電極2が配設され、かつ、セラミック素子
1の両端部に、交互に異なる側の端面に引き出された内
部電極2と導通するように一対の外部電極3a,3bが
配設された構造を有する積層セラミックコンデンサを製
造する場合、通常は、以下のような方法で製造されてい
る。
【0004】(1)まず、セラミックグリーンシートに容
量形成用の内部電極を配設することにより、電極配設シ
ート11(図2)を形成する。(2) 次に、図2に示すように、電極配設シート11を所
定枚数積層し、さらにその上下両面側に電極の配設され
ていないセラミックグリーンシート(外層用シート)2
1を積層、圧着することにより、各内部電極2の一端側
が交互に異なる側の端面に引き出された積層体(積層圧
着体)を形成する。(3) そして、この積層圧着体を所定の条件で焼成してセ
ラミックを焼結させた後、焼成後の積層体(セラミック
素子)1(図1)の両端部に導電性ペーストを塗布、焼
付けして、内部電極2と導通する外部電極3a,3b
(図1)を形成する。これにより、図1に示すような積
層セラミックコンデンサが得られる。
【0005】また、積層セラミック多層基板などの他の
積層セラミック電子部品も、セラミックグリーンシート
を積層する工程を経て製造されている。
【0006】そして、このような積層セラミック電子部
品の製造に用いられるセラミックグリーンシートは、一
般に、セラミック粉末を、分散媒(溶媒)、分散剤、バ
インダー、可塑剤などと所定の割合で配合し、ビーズミ
ル、ボールミル、アトライタ、ペイントシェーカー、サ
ンドミルなどの媒体型分散機を用いて混合・解砕するこ
とにより製造したセラミックスラリーを、ドクターブレ
ード法などの方法により所定の厚さのシートに成形した
後、乾燥させることにより製造されている。
【0007】ところで、近年、積層セラミックコンデン
サをはじめとする種々の積層セラミック電子部品に対し
ては、他の電子素子に対するのと同様に、小型化、高性
能化が求められるようになっている。そして、そのため
には、積層セラミック電子部品の製造に用いられるセラ
ミックグリーンシートを薄くすることが必要になり、近
年は、厚みが10μm以下の極めて薄いセラミックグリ
ーンシートを用いることが必要になりつつある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、厚みの
薄いセラミックグリーンシートにはピンホールなどの欠
陥が発生しやすく、そのようなセラミックグリーンシー
トを用いて、図1に示すような積層セラミックコンデン
サを製造した場合、セラミック層を介して対向する内部
電極2間に短絡(ショート不良)が生じることがある。
そして、このようなショート不良の発生原因となるセラ
ミックグリーンシートの欠陥の主たる原因の一つが、セ
ラミックグリーンシートの製造に用いられるセラミック
スラリー中にバインダー未溶解物が存在することであ
り、バインダー未溶解物の含有量がショート不良の発生
率に大きく影響することがわかっている。
【0009】従来、上述のようなセラミックグリーンシ
ートの製造に用いられるセラミックスラリーに用いられ
るバインダーとしては、ポリビニルブチラール樹脂、セ
ルロース系樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリ
ビニルアルコール樹脂などが一般的に用いられており、
これらのバインダーと、トルエン、キシレン、エチルア
ルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール
などの溶媒をあわせて、撹拌混合することにより調製し
たバインダー溶液を用いることが一般的に行われてい
る。
【0010】しかし、バインダーと溶媒をあわせて、撹
拌混合するだけでは、バインダーを完全に溶解すること
はできず、バインダー溶液中には未溶解物が残存するこ
とになる。これらの未溶解物を分離除去するための一般
的な方法として、ろ過による方法が考えられるが、バイ
ンダー溶液は粘度が高いため、ろ過する際の抵抗が大き
く、目開きの小さいフィルターを用いてろ過するには限
界があり、完全に未溶解物を除去するのは困難であるの
が実情である。
【0011】また、未溶解物を含むバインダーを添加し
た後のセラミックスラリーをろ過する方法も考えられる
が、その場合も、フィルターにセラミック粉末が詰りや
すいため、目開きの小さいフィルターにてろ過するには
限界がある。
【0012】本願発明は、このような背景に鑑みてなさ
れたものであり、バインダー未溶解物が高精度に除去さ
れたセラミックスラリー組成物の製造方法及び該セラミ
ックスラリー組成物を用いたセラミックグリーンシー
製造方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本願発明(請求項1)のセラミックスラリー組成物
の製造方法は、セラミック粉末と分散剤とバインダーと
溶媒とを含有するセラミックスラリー組成物の製造方法
において、少なくとも、(a)セラミック粉末と、(b)分
散剤と、(c)溶媒とバインダーとを予め混合溶解し、1
00kg/cm以上の圧力で高圧分散させたバインダー溶
液とを所定の割合で配合し、分散させることを特徴とし
ている。
【0014】溶媒とバインダーとを予め混合溶解し、1
00kg/cm以上の圧力で高圧分散させることにより、
バインダーを効率よく溶媒に溶解させることが可能にな
り、得られるバインダー溶液を、セラミック粉末、分散
剤などと所定の割合で配合して、分散させることによ
り、バインダー未溶解物の含有量の少ないセラミックス
ラリー組成物を効率よく製造することが可能になる。そ
して、本願発明のセラミックスラリー組成物を用いてセ
ラミックグリーンシートを製造することにより、欠陥の
少ないセラミックグリーンシートを効率よく製造するこ
とが可能になる。
【0015】また、請求項2のセラミックスラリー組成
物の製造方法は、前記バインダー溶液として、溶媒とバ
インダーとを予め混合して溶解し、100kg/cm以上
の圧力で高圧分散させた後、ろ過することにより調製し
たバインダー溶液を用いることを特徴としている。
【0016】バインダーを高圧分散させると、粘度が低
下するため、目開きの小さいフィルターにてろ過しやす
くなり、未溶解物を効率よく除去することが可能にな
る。したがって、さらに未溶解物が高精度に除去された
セラミックスラリーを確実に製造することが可能にな
り、本願発明をさらに実効あらしめることができる。な
お、本願発明においては、バインダーとして、可塑剤、
帯電防止剤を含むものを用いることが可能であり、さら
に他の添加剤を含むものを用いることも可能である。
【0017】また、本願発明においては、セラミック粉
末、分散剤、バインダー溶液を配合して分散させる際の
分散方法(分散工法)に特別の制約はなく、ビーズミ
ル、ボールミル、アトライタ、ペイントシェーカー、サ
ンドミルなどの媒体型分散機を用いる方法や、固練り
法、三本ロールを用いる方法や、高圧分散など、種々の
分散方法を用いることが可能である。また、セラミック
粉末の段階で、あるいはセラミック粉末と分散剤を配合
した段階で、上記の種々の分散方法のいずれかの方法に
よって、予め分散させるように構成することも可能であ
る。
【0018】なお、セラミックスラリー組成物を調製す
る際における、分散剤やバインダー溶液の添加順序に
は、特に制約はないが、通常は、セラミック粉末と分散
剤と溶媒を混合して分散させることにより、分散剤をセ
ラミック粉末に吸着させた後、バインダー溶液を添加
し、再度、混合・分散させることが好ましい。
【0019】また、本願発明の方法で製造したセラミッ
クスラリー組成物は、厚みの薄いセラミックグリーンシ
ートを製造するのに用いた場合に特に有意義である。す
なわち、例えば、平均粒径が0.01〜1μmの微細な
セラミック粉末を使用し、かつ、バインダー溶液とし
て、上述のような高圧分散処理を行ったバインダー溶液
を使用したセラミックスラリー組成物を用いることによ
り、厚みが薄く、欠陥の少ないセラミックグリーンシー
トを効率よく製造することが可能になる。
【0020】また、本願発明(請求項)のセラミック
グリーンシートの製造方法は、請求項1又は2記載の製
造方法によりセラミックスラリー組成物を製造する工程
と、 請求項1又は2記載の製造方法により製造された
ラミックスラリー組成物を、所定の基材上にシート状に
成形して、セラミックグリーンシートを形成する工程と
を具備することを特徴としている。
【0021】請求項1又は2記載の製造方法により製造
されたセラミックスラリー組成物は、バインダー未溶解
物が少ないか、又は、ほとんど存在しないため、これを
シート状に成形することにより、厚さが薄く、欠陥のな
い高品質のセラミックグリーンシートを確実に製造する
ことが可能になる。また、このセラミックグリーンシー
トを用いて積層セラミック電子部品を製造した場合、所
望の特性を有する高品質で信頼性の高い積層セラミック
電子部品を得ることが可能になる。
【0022】また、本願請求項3のセラミックグリーン
シートの製造方法によれば、厚さ0.1〜10μm
薄く、高品質のセラミックグリーンシートを確実に製造
することが可能で、積層セラミック電子部品の製造に用
いるのに適したセラミックグリーンシートを得ることが
可能になる。
【0023】また、請求項記載の製造方法により製造
されたセラミックグリーンシートを卑金属内部電極とと
もに積層、切断、焼成した後、外部電極を形成するよう
にした場合、欠陥の少ないセラミックグリーンシートが
用いられることになるため、ショート率が低く信頼性の
高い積層セラミック電子部品を効率よく製造することが
できるようになる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の実施の形態を示
してその特徴とするところをさらに詳しく説明する。本
願発明を実施するにあたっては、セラミック粉末の種類
や具体的な組成に特別の制約はなく、チタン酸バリウム
系、チタン酸ストロンチウム系、チタン酸鉛系などの誘
電体セラミック粉末、フェライト系などの磁性体セラミ
ック粉末、圧電体セラミック粉末、アルミナ、シリカな
どの絶縁体セラミック粉末などの種々のセラミック粉末
を用いたセラミックスラリーに広く適用することが可能
である。
【0025】また、セラミック粉末の粒径についても、
特に制約はないが、電子顕微鏡で求めた平均粒径が0.
01〜1μmの微細なセラミック粉末を用いてセラミッ
クスラリー組成物を製造する場合に適用したときに、厚
みが薄く、欠陥の少ないセラミックグリーンシートを効
率よく製造することが可能なセラミックスラリー組成物
を得ることが可能になり、この発明による効果が最も発
揮される。また、セラミック粉末は、添加物や夾雑物を
含有していてもよい。例えば、セラミック粉末がチタン
酸バリウムを主成分としている場合に、添加剤としてガ
ラス、酸化マグネシウム、酸化マンガン、酸化バリウ
ム、希土類酸化物、酸化カルシウム成分などを含有して
いてもよい。
【0026】また、本願発明においては、溶媒(分散
媒)の種類に特別の制約はなく、例えば、トルエン、キ
シレンのような芳香族系、あるいはエチルアルコール、
イソプロピルアルコール、ブチルアルコールのようなア
ルコール系などの種々の溶媒を用いることが可能であ
る。また、これらの溶媒のうちの1種を単独で用いても
よく、また、混合して用いてもよい。分散媒としては、
さらに他の有機溶剤を用いることも可能であり、また、
水を用いることも可能である。
【0027】また、バインダーとしては、ポリビニルブ
チラール樹脂、セルロース系樹脂、アクリル樹脂、酢酸
ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂などを用いるこ
とが可能であるが、目的とするセラミックグリーンシー
トに応じて、適宜その種類及び量が選択される。
【0028】また、本願発明のセラミックスラリー組成
物は可塑剤を含むことが可能であるが、その場合の可塑
剤としては、ポリエチレングリコール、フタル酸エステ
ルなどの種々の可塑剤が適宜用いられる。また、その量
は、目的とするセラミックグリーンシートに応じて選択
される。なお、上述のセラミック粉末、分散媒、可塑剤
などについての諸条件は、本願のすべての請求項の発明
にあてはまるものである。
【0029】以下に、具体的な実施例を示して本願発明
をさらに詳しく説明する。 [実施例1](1) まず、以下に示すような割合で、セラミック粉末、
分散剤、及び溶媒(溶剤)を配合する。 (a)平均粒径0.2μmの誘電体材料(添加成分を含む
セラミック粉末):100重量部 (b)アニオン系分散剤:2重量部 (c)溶媒(溶剤)−トルエン:35重量部,エタノー
ル:35重量部(2) 次に、この配合原料に、直径2mmのジルコニア製の
玉石500重量部を添加し、5時間ボールミルにより混
合・解砕して一次セラミックスラリーを得る。(3) また、以下に示すような割合で、バインダー、可塑
剤、及び溶媒(溶剤)を配合し、攪拌混合した後、50
0kg/cmの圧力で5回処理(高圧分散処理)してバイ
ンダー溶液を得る。 (a)バインダー(アクリル樹脂系バインダー):10重
量部 (b)可塑剤(ジオクチルフタレイト(以下、「DO
P」):1.4重量部 (c)溶媒(溶剤)−トルエン:100重量部,エタノー
ル:100重量部(4) 次に、上記一次セラミックスラリーに上記バインダ
ー溶液を添加し、16時間ボールミルにより混合・分散
してセラミックスラリー組成物を得る。
【0030】次に、このセラミックスラリー組成物を、
ドクターブレード法によりシート状に成形してセラミッ
クグリーンシートを作製した。
【0031】それから、このセラミックグリーンシート
を用いて、図1に示すように、セラミック素子1中に内
部電極2が配設され、かつ、セラミック素子1の両端部
に、交互に異なる側の端面に引き出された内部電極2と
導通するように一対の外部電極3a,3bが配設された
構造を有する積層セラミックコンデンサを製造した。
【0032】なお、積層セラミックコンデンサの製造方
法は以下の通りである。(1) まず、上述のようにして作製したセラミックグリー
ンシートに、Niペーストをスクリーン印刷することに
より、容量形成用の内部電極が配設された電極配設シー
トを形成する。(2) 次に、図2に示すように、電極配設シート11を所
定枚数積層し、さらにその上下両面側に電極の配設され
ていないセラミックグリーンシート(外層用シート)2
1を積層、圧着することにより、各内部電極2の一端側
が交互に異なる側の端面に引き出された積層体(積層圧
着体)を形成する。(3) そして、この積層圧着体を、ダイサーにより所定の
サイズにカットした後、脱バインダー及び焼成を行う。
脱バインダーは、窒素雰囲気中で熱処理することにより
行う。また、焼成は、弱還元性雰囲気で所定の温度に加
熱することにより行う。(4) それから、焼成後の積層体(セラミック素子)1の
両端部にAgを導電成分とする導電性ペーストを塗布、
焼付けすることにより、内部電極2と導通する外部電極
3a,3b(図1)を形成する。これにより、図1に示
すような、Niを内部電極2とする積層セラミックコン
デンサが得られる。
【0033】上記のようにして製造した積層セラミック
コンデンサのショート率(ショート発生率)を測定した
結果、13%と良好であった。また、静電容量の温度特
性は、X7Rを満足するものであった。
【0034】[実施例2] バインダーをアクリル樹脂系バインダーから、ポリビニ
ルブチラール樹脂系バインダーに変更したこと以外は、
上記実施例1と同じ条件でセラミックスラリー組成物を
製造した。そして、このセラミックスラリー組成物から
セラミックグリーンシートを製造し、さらに得られたセ
ラミックグリーンシートを用いて、積層セラミックコン
デンサを製造した。なお、セラミックグリーンシート及
び積層セラミックコンデンサの製造方法は、上記実施例
1の場合と同様である。
【0035】得られた積層セラミックコンデンサのショ
ート率を測定した結果、9%と良好であった。また、静
電容量の温度特性は、X7Rを満足するものであった。
【0036】[実施例3] 分散剤を水溶性のアニオン系分散剤に、バインダーを水
溶性のアクリル樹脂系バインダーに変更するとともに、
溶媒を水に変更したこと以外は、上記実施例1と同じ条
件でセラミックスラリー組成物を製造した。そして、こ
のセラミックスラリー組成物からセラミックグリーンシ
ートを製造し、さらに得られたセラミックグリーンシー
トを用いて、積層セラミックコンデンサを製造した。な
お、セラミックグリーンシート及び積層セラミックコン
デンサの製造方法は、上記実施例1の場合と同様であ
る。
【0037】得られた積層セラミックコンデンサのショ
ート率を測定した結果、16%と良好であった。また、
静電容量の温度特性は、X7Rを満足するものであっ
た。
【0038】[実施例4] バインダー溶液として、99%カットろ過精度で、目開
きが0.1μm以下のフィルターにてろ過したバインダ
ー溶液(ろ過バインダー溶液)を用いたこと以外は、上
記実施例1と同じ条件でセラミックスラリー組成物を製
造した。そして、このセラミックスラリー組成物からセ
ラミックグリーンシートを製造し、さらに得られたセラ
ミックグリーンシートを用いて、積層セラミックコンデ
ンサを製造した。なお、セラミックグリーンシート及び
積層セラミックコンデンサの製造方法は、上記実施例1
の場合と同様である。
【0039】得られた積層セラミックコンデンサのショ
ート率を測定した結果、6%と良好であった。また、静
電容量の温度特性は、X7Rを満足するものであった。
【0040】[実施例5] 高圧分散処理を行う際の圧力を1000kg/cmとし、
さらにバインダー溶液として、99%カットろ過精度
で、目開きが0.1μm以下のフィルターにてろ過した
ろ過バインダー溶液を用いたこと以外は、上記実施例2
と同じ条件で、セラミックスラリー組成物を製造した。
そして、このセラミックスラリー組成物からセラミック
グリーンシートを製造し、さらに得られたセラミックグ
リーンシートを用いて、積層セラミックコンデンサを製
造した。なお、セラミックグリーンシート及び積層セラ
ミックコンデンサの製造方法は、上記実施例1の場合と
同様である。
【0041】得られたセラミックコンデンサのショート
率を測定した結果、4%と良好であった。また、静電容
量の温度特性は、X7Rを満足するものであった。
【0042】[比較例1] バインダーを攪拌混合しただけで、高圧分散処理を行っ
ていないものを用いたこと以外は、上記実施例1と同じ
条件でセラミックスラリー組成物を製造した。そして、
このセラミックスラリー組成物からセラミックグリーン
シートを製造し、さらに得られたセラミックグリーンシ
ートを用いて、積層セラミックコンデンサを製造した。
なお、セラミックグリーンシート及び積層セラミックコ
ンデンサの製造方法は、上記実施例1の場合と同様であ
る。
【0043】得られた積層セラミックコンデンサのショ
ート率を測定した結果、ショート率は49%と高かっ
た。また、静電容量の温度特性は、X7Rを満足するも
のであった。
【0044】[比較例2] 高圧分散処理を行う際の圧力を50kg/cmとしたこと
以外は、上記実施例2と同じ条件で、セラミックスラリ
ー組成物を製造した。そして、このセラミックスラリー
組成物からセラミックグリーンシートを製造し、さらに
得られたセラミックグリーンシートを用いて、積層セラ
ミックコンデンサを製造した。なお、セラミックグリー
ンシート及び積層セラミックコンデンサの製造方法は、
上記実施例1の場合と同様である。
【0045】得られた積層セラミックコンデンサのショ
ート率を測定した結果、ショート率は37%と高かっ
た。また、静電容量の温度特性は、X7Rを満足するも
のであった。
【0046】なお、本願発明は、上記の発明の実施の形
態及び実施例に限定されるものではなく、セラミック粉
末や溶媒の種類、具体的な分散方法や条件その他に関
し、発明の要旨の範囲内において、種々の応用、変形を
加えることが可能である。
【0047】
【発明の効果】上述のように、本願発明(請求項1)の
セラミックスラリー組成物の製造方法は、セラミック粉
末と分散剤とバインダーと溶媒とを含有するセラミック
スラリー組成物を製造する場合において、バインダー
として、溶媒とバインダーとを予め混合溶解し、10
0kg/cm以上の圧力で高圧分散させたバインダー溶液
を用いるようにしているので、バインダー未溶解物の含
有量の少ないセラミックスラリー組成物を効率よく製造
することが可能になる。
【0048】また、バインダーを高圧分散させると、粘
度が低下するため、目開きの小さいフィルターにてろ過
しやすくなるので、請求項2のように、バインダー溶液
をろ過することにより、未溶解物を効率よく除去するこ
とが可能になる。したがって、さらに未溶解物が高精度
に除去されたセラミックスラリーを確実に製造すること
が可能になり、本願発明をさらに実効あらしめることが
できる。
【0049】また、請求項1又は2記載の製造方法によ
り製造されたセラミックスラリー組成物は、バインダー
未溶解物が少ないか、又は、ほとんど存在しないため、
請求項のように、これをシート状に成形することによ
り、厚さが薄く、欠陥のない高品質のセラミックグリー
ンシートを確実に製造することが可能になる。また、こ
のセラミックグリーンシートを用いて積層セラミック電
子部品を製造した場合、所望の特性を有する高品質で信
頼性の高い積層セラミック電子部品を得ることが可能に
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】セラミックグリーンシートを積層して製造され
る積層セラミックコンデンサの構造を示す断面図であ
る。
【図2】積層セラミックコンデンサの製造方法を示す図
である。
【符号の説明】
1 セラミック素子 2 内部電極 3a,3b 外部電極 11 電極配設シート 21 外層用シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B28C 1/04 C04B 35/622 H01G 4/12

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セラミック粉末と分散剤とバインダーと溶
    媒とを含有するセラミックスラリー組成物の製造方法に
    おいて、 少なくとも、 (a)セラミック粉末と、 (b)分散剤と、 (c)溶媒とバインダーとを予め混合溶解し、100kg/
    cm以上の圧力で高圧分散させたバインダー溶液とを配
    合し、分散させることを特徴とするセラミックスラリー
    組成物の製造方法。
  2. 【請求項2】前記バインダー溶液として、溶媒とバイン
    ダーとを予め混合して溶解し、100kg/cm以上の圧
    力で高圧分散させた後、ろ過することにより調製したバ
    インダー溶液を用いることを特徴とする請求項1記載の
    セラミックスラリー組成物の製造方法。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載の製造方法によりセラ
    ミックスラリー組成物を製造する工程と、 請求項1又は2記載の製造方法により製造された セラミ
    ックスラリー組成物を、所定の基材上にシート状に成形
    して、セラミックグリーンシートを形成する工程と を具
    備することを特徴とするセラミックグリーンシートの製
    造方法。
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