JP5017203B2 - セラミックスラリー組成物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、積層圧電素子、積層セラミックコンデンサ等のセラミック電子部品の製造に用いられるセラミックスラリー組成物の製造方法に関する。
積層圧電素子や積層セラミックコンデンサ等のセラミック電子部品は、多くの場合、セラミック粉末に、分散媒、分散剤、バインダ、可塑剤等を、所定の割合で配合した原料を、分散装置を用いて混合し、セラミックスラリー組成物を得て、そのセラミックスラリー組成物を、ドクターブレード法等の手段によって、所定の厚さのセラミックグリーンシートに成形し、乾燥させた後、セラミックグリーンシートに導電材料で電極を形成し、その電極を形成したセラミックグリーンシートを積層し、グリーンシート積層成形体を得て、そのグリーンシート積層成形体を熱処理し、焼結させる、といった過程を経て、製造される。
このようなセラミック電子部品の製造において、最終製品の寸法精度や形状精度を向上させ、形状欠陥等を回避するためには、グリーンシート積層成形体を焼成する際の焼成収縮の割合を安定化させることが大切である。そして、グリーンシート積層成形体の焼成収縮の割合を安定化させるためには、セラミックスラリー組成物を均質化(同質化、ホモジナイズ)することが重要であり、中でもバインダ成分を均質化することが最も重要である、と考えられる。
尚、関連する先行技術文献として、特許文献1〜4を挙げることが出来る。この中で、例えば、特許文献1にはセラミックスラリー組成物の製造方法が開示され、特許文献2では水性複合樹脂分散液の製造方法が開示されている。
特許第3538706号公報 特許第3403828号公報 特公昭64−9045号公報 特開2000−354749号公報
しかしながら、これら従来の技術は、何れも高圧で分散させることを特徴とするものであり、特許文献1では10MPa(100kg/cm)以上、特許文献2では10〜500MPa(100〜5000kg/cm)の圧力で分散させることとしている。このような高圧処理では、強い分散効果が期待出来るものの、電気使用量は多くなり、治具磨耗によるメンテナンス頻度は増加するので、ランニングコストの点で不利である。又、処理条件が不安定であると、圧力が高いことが変動因子となるため、操作に十分な配慮が必要となる場合がある。
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その課題は、ランニングコストが低く、処理条件に厳格性を要求されない、均質化したセラミックスラリー組成物を得る手段を提供することにある。研究が重ねられた結果、以下の手段によって、上記の課題が解決されることが見出され、本発明の完成に至った。
即ち、本発明によれば、バインダを溶媒で溶解してバインダ溶液を得た後、そのバインダ溶液に対し、ホモジナイザを用いて、5MPa以上、10MPa未満の低圧で、複数回の分散処理を行い、その後、分散処理を行ったバインダ溶液に、セラミックス粉末、分散剤、可塑剤を混合して、セラミックスラリー組成物を得る過程を有する、セラミックスラリー組成物の製造方法が提供される。
分散処理の圧力は、好ましくは、7MPa以上、10MPa未満、より好ましくは、8MPa以上、10MPa未満である。この圧力は、例えば、ポンプによって押圧されることによって生じる圧力である。分散処理の回数は、好ましくは、2回以上、6回以下、より好ましくは、4回又は5回である。
分散処理を行ったバインダ溶液に、セラミックス粉末、分散剤、可塑剤を混合する手段としては、例えば、ビーズミル、ボールミル、サンドミル等の使用を挙げることが出来る。
バインダ溶液を構成するバインダとしては、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシプロポキシルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ボリビニルブチラール等が挙げられる。
溶媒は、用いるバインダによって選択することが出来るが、例えば、水、トルエン、キシレン、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等を挙げることが出来る。
セラミックス粉末としては、例えば、ジルコニア、炭化珪素、珪素−炭化珪素系複合材料、窒化珪素、コージェライト(コージェライト化材料)、ムライト、アルミナ、スピネル、炭化珪素−コージェライト系複合材料、リチウムアルミニウムシリケート、チタン酸アルミニウム、Fe−Cr−Al系金属、あるいは、ジルコン酸チタン酸鉛、マグネシウムニオブ酸鉛、ニッケルニオブ酸鉛、亜鉛ニオブ酸鉛、マンガンニオブ酸鉛、アンチモンスズ酸鉛、マンガンタングステン酸鉛、コバルトニオブ酸鉛、チタン酸バリウム、チタン酸ナトリウムビスマス、チタン酸ビスマスネオジウム、ニオブ酸カリウムナトリウム、タンタル酸ストロンチウムビスマス、更には、チタン酸バリウム、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、ニオブ酸カリウム等を挙げることが出来る。
セラミック粉末の粒径としては、例えば、平均粒子径(JIS R 1629)が0.01μm以上、10μm以下のものが挙げられる。
分散剤としては、例えば、ポリカルボン酸塩、ラウリン酸塩、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤、ステアリン酸、アクリル酸系ポリマー等を挙げることが出来る。
可塑剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、フタル酸エステル等を挙げることが出来る。
本発明に係るセラミックスラリー組成物の製造方法においては、ホモジナイザは、筒状のバルブシートと、その筒状のバルブシートの一の端面にバルブシートと間隙を開けて備わる柱状のバルブディスク(弁体)と、バルブシート及びバルブディスクの外側に、その間隙に対応した位置に備わるブレーカーリングと、を有するホモバルブを具備し、そのホモバルブの筒状のバルブシートの内部(空間)が、バルブディスクの側において、(バインダ溶液の入口側から出口側へ向けて)一旦、狭窄し、(その後、間隙に向けて)一の端面に向けてテーパー状に広がる形状を呈するものであり、(ホモジナイザを用いてバインダ溶液に対して行われる)分散処理が、バインダ溶液を、筒状のバルブシートの狭窄した部分を経て、筒状のバルブシートの内側(内部の側)から間隙に通し、外側に向けて(高速で)吐出してブレーカーリングに衝突させる処理を含むことが好ましい。
ホモバルブのバルブシートは、一旦、狭窄してから、テーパー状に広がる形状を呈するが、狭窄する部分の内径は、圧力損失が大きくなりすぎない程度に、小さい方が好ましい。又、狭窄する部分を短くすることが好ましく、そうすることによって、圧力損失を抑制することが出来る。
本発明に係るセラミックスラリー組成物の製造方法は、分散処理を行ったバインダ溶液に、セラミックス粉末、分散剤、可塑剤を混合して、セラミックスラリー組成物を得る過程を有するので、少なくとも、含有するバインダ溶液が、確実に分散され、均質化しており、その結果、セラミックスラリー組成物としても均質化している。そのため、本発明に係るセラミックスラリー組成物の製造方法によって得られたセラミックスラリー組成物を成形したセラミックグリーンシートで構成されるグリーンシート積層成形体は、焼成時に、収縮の割合が安定する。よって、最終製品であるセラミック電子部品の寸法精度や形状精度は向上し、形状欠陥等が発生し難い。又、セラミックスラリー組成物を低溶剤率化する(溶剤である溶媒を少なくする)ことが出来、それによってセラミックスラリー組成物の溶剤を除去する乾燥工程における挙動を安定させるとともに、環境への影響を改善することが可能である。
本発明に係るセラミックスラリー組成物の製造方法は、バインダ溶液に対し、5MPa以上、10MPa未満の低圧で分散処理を行うので、電気使用量が少なく、且つ、治具磨耗も進行し難いのでメンテナンス頻度も減少する。よって、ランニングコストは抑制される。
本発明に係るセラミックスラリー組成物の製造方法は、バインダ溶液に対し、低圧で複数回の分散処理を行って、所定の分散度(分散の程度)に調整する(均質化を図る)ので、確実に分散することが出来、その一方において、求める分散度に対し、処理条件を調整し易く、高圧の場合に比すれば、操作に厳格性を要求されず、簡便である。
本発明に係るセラミックスラリー組成物の製造方法は、その好ましい態様において、ホモバルブの筒状のバルブシートの内部が、バルブディスクの側において、一旦、狭窄し、テーパー状に広がる形状を呈するものであり、分散処理が、バインダ溶液を、筒状のバルブシートの狭窄した部分を経て、バルブシートの内側から間隙に通し、外側に向けて吐出してブレーカーリングに衝突させる処理を含むものである。即ち、本発明に係るセラミックスラリー組成物の製造方法においては、好ましくは、バインダ溶液は、ホモバルブの入口から出口に向けて、バルブシートの狭窄した部分を通り、その後、テーパー状に広がった形状に沿って間隙に向かい、間隙から吐出され、高速でブレーカーリングに当たる、という過程を経て、処理される。狭窄による乱流によってバインダ溶液の混合が促進され、且つ、テーパー状に広がる形状に沿った流れによって、間隙から角度をもった広い範囲に吐出されるため、急速な常圧化によって、泡の収縮が高密度に行われ、キャビテーション効果が高まり、分散能力も向上すると推測される。狭窄した部分は、バインダ溶液の混合に加え、テーパー状の部分の長さを大きく(長く)とれることにも寄与している。
本発明に係るセラミックスラリー組成物の製造方法では、バインダ溶液に対し、低圧で複数回の分散処理を行うが、好ましい態様においては、その際に、圧力の設定を変えることによって、分散処理の回数(パス回数)による到達限界粘度(分散度)を調節することが出来る。例えば、ホモバルブの間隙の寸法を調整し、それによって分散処理の圧力を変更し(=分散力を変更し)、結果として、パス回数を繰り返したときの到達限界粘度を決めることが可能である。具体的には、例えば、圧力が9.9MPa、パス回数が1回で、所望の粘度を得た場合、既述のように、処理条件の安定性に欠ける場合がある。そのような場合に、圧力をさらに低圧へ変更し、パス回数を増やすことによって、安定して所望の粘度(分散度)を得る分散処理を行うことが可能となる。
尚、本発明において、分散度や分散能力は、処理によるバインダ溶液の粘度、又は粘度低下率で測ることが出来る。粘度が低くなれば、分散された(分散度が上がった、分散能力が向上した)と判断する。又、本明細書において、分散、均質、同質等の語を用いるが、分散は、バインダ溶液に対して行う具体的な処理(分散させる)、又はバインダ溶液において起こる具体的な現象(分散する)であり、その結果、バインダ溶液が均質になる(均質化される)という関係になる。同質は、均質と同義である。
以下、本発明について、適宜、図面を参酌しながら、実施形態を説明するが、本発明はこれらに限定されて解釈されるべきものではない。本発明に係る要旨を損なわない範囲で、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良、置換を加え得るものである。例えば、図面は、好適な本発明に係る実施形態を表すものであるが、本発明は図面に表される態様や図面に示される情報により制限されない。本発明を実施し又は検証する上では、本明細書中に記述されたものと同様の手段若しくは均等な手段が適用され得るが、好適な手段は、以下に記述される手段である。
本発明に係るセラミックスラリー組成物の製造方法は、バインダを溶媒で溶解してバインダ溶液を得た後、そのバインダ溶液に対し、特徴あるホモバルブを具備するホモジナイザを用いて、5MPa以上、10MPa未満の低圧で、複数回の分散処理を行い、その後、分散処理を行ったバインダ溶液に、セラミックス粉末、分散剤、可塑剤を混合して、セラミックスラリー組成物を得る過程を有するものである。本発明に係るセラミックスラリー組成物の製造方法においては、バインダ溶液に対し、特徴あるホモバルブを具備するホモジナイザを用いて、5MPa以上、10MPa未満の低圧で、複数回の分散処理を行うところに本質があり、分散処理を行ったバインダ溶液に、セラミックス粉末、分散剤、可塑剤を混合して、セラミックスラリー組成物を得るところについては、従来知られた手段を採用して行えばよい。
そこで、以下、先ず、本発明に係るセラミックスラリー組成物の製造方法において用いられるホモジナイザについて説明する。ホモジナイザ(均質化装置、同質化装置)は、バインダ溶液に対し、低圧で、複数回の分散処理を行うための、分散装置ということが出来る。
図1A、図1Bは、ホモジナイザの一の実施形態を示す図であり、図1Aは、ホモジナイザの一部であるホモバルブを正面から見た断面図であり、図1Bは、ホモジナイザの一部であるホモバルブの右側面図である。図1A、図1Bに示されるホモバルブ10は、バルブシート11と、バルブディスク12と、ブレーカーリング13と、を具備する。
バルブシート11は、筒状(例えば円筒状)を呈し、バインダ溶液(被処理液)が通る空間を有する。そして、バルブディスク12は、柱状を呈し、筒状のバルブシート11の端面に、バルブシート11と間隙15を開けて備わる。即ち、筒状のバルブシート11の端面部分と、柱状のバルブディスク12の端面と、によって間隙15が形成される。そして、図1Aにおいて、左側がバインダ溶液の入口14であり、右側が出口16である。
バルブシート11において、バルブディスク12の側(図1Aでは右側)において、バルブシート11の実体部分が迫り出すことにより(厚くなることにより)、バインダ溶液の流路にあたるバルブシート11の内部空間は、一旦、狭窄し、その後、間隙15に向けて、テーパー状に広がる形状を呈している。又、ブレーカーリング13は、バルブシート11及びバルブディスク12の外側であり間隙15に対応した位置に備わる。
バルブシート11の内部空間は狭窄するが、この狭窄の程度は、圧力損失を考慮し、狭窄していない部分の内径Aに対し、狭窄している部分の内径Bが、60%以上、90%以下となるようにすることが好ましい。より好ましくは75%(A:Bが4:3)である。内径A及び内径Bは、処理すべきバインダ溶液の量(流量)によって決定されるが、例えば、内径Aを3〜10mm、内径Bを2〜9mm程度に設定することが出来る。狭窄している部分の長さCは、圧力損失を考慮し、2mm以下とすることが好ましい。
バルブシート11の内部空間は、狭窄した後に、テーパー状に広がる形状を呈するが、この広がりの角度θ(筒状のバルブシート11の軸方向に対する角度、図1Aを参照)は、35°以上、55°以下であることが好ましい。より好ましい角度θは、45°である。
間隙15の長さDは、0.5mm以下であることが好ましい。バルブシート11及びバルブディスク12と、ブレーカーリング13と、の間隔Gは、0.5mm以上、2mm以下とすることが好ましい。
バルブシート11の長さE、及び、バルブシート11(バルブディスク12)の外径Fは、バルブシート11の内径Aとの関係等に基づいて、適宜、決定される。例えば、バルブシート11の長さEを20〜50mm、バルブシート11の外径Fを5〜20mm程度に設定することが出来る。
次に、上記したホモバルブ10を有するホモジナイザを用いた場合を例にとって、バインダ溶液の1回の分散処理について説明する。本発明に係るセラミックスラリー組成物の製造方法においては、この(1回の)分散処理が、繰り返し、複数回、行われる。
バインダ溶液(被処理液)は、入口14から入り、例えば、プランジャ式ポンプによって、5MPa以上、10MPa未満の低圧で押圧され、間隙15に向けて、バルブシート11の狭窄している部分を通り抜ける。このとき、狭窄による乱流によって、バインダ溶液の混合が促進され、そして、バルブディスク12によってバルブシート11の端面の殆どが閉じられているので、バインダ溶液は、テーパー状に広がった形状に沿って間隙15に向かい、間隙15から吐出される。このとき、キャビテーション効果が生じ、バインダ溶液(バインダ)は、又、分散される。次いで、間隙15から出たバインダ溶液は、高速でブレーカーリング13に当たる。このとき、衝撃効果が生じるので、バインダ溶液(バインダ)は、更に、分散される。そして、十分に分散されたバインダ溶液(処理(済)液)は、出口16から排出される。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1、参考例1)ポリビニルブチラール(バインダ)20質量部を、トルエン/IPA=50/50混合溶媒(溶剤)100質量部に溶解して、バインダ溶液を得た。分散処理前の、そのバインダ溶液の粘度を測定したところ、2.65Pa・sであった。
次いで、得られたバインダ溶液に対し、ホモジナイザを用いて、9.9MPaの圧力で、4回の分散処理を行った。使用したホモジナイザは、既述の、ホモバルブ10(図1A及び図1Bを参照)を具備するホモジナイザであり、加圧手段は、プランジャ式ポンプである。圧力は、所定流量下において、ホモバルブの間隙を微調整することによって、設定した。分散処理1回毎に、バインダ溶液の粘度を測定したところ、処理回数(パス回数)1回(実施例1(1))で2.16Pa・s(粘度低下率18.5%)、2回(実施例1(2))で1.70Pa・s、3回(実施例1(3))で1.51Pa・s、4回(実施例1(4))で1.39Pa・s(粘度低下率47.5%)であった。又、20.0MPaの圧力で、1回の分散処理を行った後のバインダ溶液の粘度を測定したところ(参考例1(2))、1.67Pa・s(粘度低下率37.0%)であった。実施例1の結果を、図2に表わす。又、実施例1のうち実施例1(1)の結果を用い、これを参考例1(1)とし、これと参考例1(2)の結果を合わせて、参考例1として図3に表わす。
(比較例1〜4)ホモジナイザとして、従来の三和機械株式会社製のホモゲナイザー(商品名)のうち低圧用標準ホモバルブを備えたものを使用し、10MPaの圧力で、4回の分散処理を行った。それ以外の条件は実施例1と同様である。分散処理1回毎に、バインダ溶液の粘度を測定したところ、処理回数(パス回数)1回(比較例1)で2.33Pa・s、2回(比較例2)で2.21Pa・s、3回(比較例3)で2.15Pa・s、4回(比較例4)で2.07Pa・sであった。比較例1〜4の結果を、図2に表わす。
(比較例5〜9)ホモジナイザとして、従来の三和機械株式会社製のホモゲナイザー(商品名)のうち高圧用標準ホモバルブを備えたものを使用し、10MPaの圧力で(比較例5)1回の分散処理を行った。それ以外の条件は実施例1と同様である。分散処理の後で、バインダ溶液の粘度を測定したところ、2.41Pa・sであった。同様にして、30MPaの圧力(比較例6)、50MPaの圧力(比較例7)、70MPaの圧力(比較例8)、90MPaの圧力(比較例9)で1回の分散処理を行い、分散処理の後で、バインダ溶液の粘度を測定したところ、それぞれ、2.12Pa・s(比較例6)、1.92Pa・s(比較例7)、1.79Pa・s(比較例8)、1.66Pa・s(比較例9)であった。比較例5〜9の結果を、図3に表わす。
(比較例10、11)ホモジナイザの代わりに、湿式ジェットミル(株式会社スギノマシン製、スターバースト)を使用し、75MPaの圧力で(比較例10)1回の分散処理を行った。それ以外の条件は実施例1と同様である。分散処理の後で、バインダ溶液の粘度を測定したところ、1.60Pa・sであった。同様にして、100MPaの圧力(比較例11)で1回の分散処理を行い、分散処理の後で、バインダ溶液の粘度を測定したところ、1.35Pa・sであった。比較例10、11の結果を、図3に表わす。
2に表わされた実施例1及び比較例1〜4の結果より、本発明に係るセラミックスラリー組成物の製造方法の分散処理によれば、複数回の分散処理を行うことによって、従来の手段であれば100MPaという高圧による分散処理と、同等か又はそれ以上に、粘度を低下させる(分散させる)ことが出来る。尚、参考までに、ホモバルブ10(図1A及び図1Bを参照)を具備するホモジナイザを使用すると、図3に表わされた参考例1及び比較例5〜11の結果より、低圧であっても、1回の分散処理で、バインダ溶液の粘度を大きく低下させる(十分に分散させる)ことが可能である。
尚、実施例1及び参考例1で使用したホモジナイザのホモバルブ10(図1A及び図1Bを参照)の寸法は、バルブシート11の内径Aが4mmであり、内径Bが3mmであり、狭窄している部分の長さCが2mmであり、バルブシート11の内部空間の狭窄した後のテーパー状に広がる角度θは45°である。又、間隙15の長さDは0.5mmである。バルブシート11及びバルブディスク12と、ブレーカーリング13と、の間隔Gは1mmである。そして、バルブシート11の長さEは30mmであり、バルブシート11(バルブディスク12)の外径Fは8mmである。
又、図4は、比較例1〜9で使用したホモジナイザ(三和機械株式会社製のホモゲナイザー(商品名))を示す図であり、ホモジナイザの一部であるホモバルブを正面から見た断面図であり、図1Aに対応する図である。この三和機械株式会社製のホモゲナイザー(商品名)は、ホモバルブにおいて、筒状のバルブシートの内部が、狭窄しておらず、テーパー状に広がる形状を呈してはいないものである。三和機械株式会社製のホモゲナイザー(商品名)においては、各部材の名称は、実際には本明細書における名称と異なるが、本明細書においては、比較の便宜上、各部材の名称は、本明細書における名称(ホモバルブ10及びそれを構成する部材の名称)を用いるものとする。図4に示されるホモバルブ20は、バルブシート21と、バルブディスク22と、ブレーカーリング23と、を具備する。バルブシート21は、筒状を呈し、バインダ溶液(被処理液)が通る空間を有する。そして、バルブディスク22は、柱状を呈し、筒状のバルブシート21の端面に、バルブシート21と間隙25を開けて備わる。図4において、左側がバインダ溶液の入口24であり、右側が出口26である。ブレーカーリング23は、バルブシート21及びバルブディスク22の外側であり間隙25に対応した位置に備わる。比較例1〜4で使用した低圧用標準ホモバルブも、比較例5〜9で使用した高圧用標準ホモバルブも、同じ図4に示される形態を呈するものであるが、寸法は異なる。比較例1〜4で使用した低圧用ホモバルブの寸法は、バルブシート21の内径Aが7mmであり、バルブシート21の実体部分の厚さに相当する間隙25の長さDは2.5mmである。バルブシート21及びバルブディスク22と、ブレーカーリング23と、の間隔Gは1mmである。そして、バルブシート21の長さEは30mmであり、バルブシート21(バルブディスク22)の外径Fは12mmである。一方、比較例5〜9で使用した高圧用ホモバルブの寸法は、バルブシート21の内径Aが4mmであり、バルブシート21の実体部分の厚さに相当する間隙25の長さDは2.0mmである。バルブシート21及びバルブディスク22と、ブレーカーリング23と、の間隔Gは1mmである。そして、バルブシート21の長さEは30mmであり、バルブシート21(バルブディスク22)の外径Fは8mmである。
実施例における粘度は、粘度計(パーフィジカ社製 MC−1、せん断率(ShearRate) 100(1/s))で測定した。又、粘度低下率は、次の式で求めた。
粘度低下率=(分散処理前の粘度−分散処理後の粘度)/分散処理前の粘度
(せん断率(ShearRate)は100(1/s)とする)
本発明に係るセラミックスラリー組成物の製造方法は、あらゆるセラミックスラリー組成物を製造する手段として、利用される。特に、積層圧電素子、積層セラミックコンデンサ等のセラミック電子部品の製造に用いられるセラミックスラリー組成物を製造する手段として、好適に利用することが出来る。
本発明に係るセラミックスラリー組成物の製造方法において用いられるホモジナイザの一の実施形態を示す図であり、ホモバルブを正面から見た断面図である。 本発明に係るセラミックスラリー組成物の製造方法において用いられるホモジナイザの一の実施形態を示す図であり、ホモバルブの右側面図である。 実施例の結果を表わすグラフである。 実施例の結果を表わすグラフである。 実施例のうち比較例1〜9で使用されたホモジナイザを示す図であり、ホモバルブを正面から見た断面図である。
符号の説明
10:ホモバルブ、11:バルブシート、12:バルブディスク、13:ブレーカーリング、14:入口、15:間隙、16:出口。

Claims (1)

  1. バインダを溶媒で溶解してバインダ溶液を得た後、
    そのバインダ溶液に対し、ホモジナイザを用いて、5MPa以上、10MPa未満の低圧で、複数回の分散処理を行い、
    その後、前記分散処理を行ったバインダ溶液に、セラミックス粉末、分散剤、可塑剤を混合して、セラミックスラリー組成物を得る過程を有し、
    前記ホモジナイザは、
    筒状のバルブシートと、その筒状のバルブシートの一の端面にバルブシートと間隙を開けて備わる柱状のバルブディスクと、前記バルブシート及びバルブディスクの外側であり前記間隙に対応した位置に備わるブレーカーリングと、を有するホモバルブを具備し、そのホモバルブの筒状のバルブシートの内部が、前記バルブディスクの側において、一旦、狭窄し、前記一の端面に向けてテーパー状に広がる形状を呈するものであり、
    前記分散処理が、
    バインダ溶液を、前記筒状のバルブシートの狭窄した部分を経て、前記筒状のバルブシートの内側から前記間隙に通し、外側に向けて吐出して前記ブレーカーリングに衝突させる処理を含むセラミックスラリー組成物の製造方法。
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