JP3408946B2 - 田植機の昇降制御装置 - Google Patents
田植機の昇降制御装置Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、田植機の昇降制御
装置に関する。 【0002】 【従来の技術】苗植付装置の上昇速度は植付状態から上
限位置までの全上昇ストロークにおいて一定である。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】上記上昇速度が一定で
あると、ずばやく接地状態を解除するために上昇速度を
高速にするほど、上限停止位置での停止ショックが大き
かった。一方、圃面上に次工程の指標を印す線引きマー
カーを備えたものでは、格納姿勢に切り換わるラインマ
ーカーが圃面上の土を巻き上げることがあり、巻き上げ
られて飛散した土が運転者にかかることもあり何らかの
対策を必要としていた。つまり、ラインマーカーの格納
を苗植付装置の上昇に連動して行っているが、苗植付装
置が一定高さ分だけ上昇してもラインマーカーが圃面に
対する作用姿勢を維持する必要があり、そのために、苗
植付装置の上昇ストロークの一部のストロークを使用し
てラインマーカーを格納姿勢に切り換える必要があるた
めに、苗植付装置の上昇速度が高速になると、格納姿勢
への切り換わりも高速になり、巻き上げる土の飛散が激
しくなるおそれがあった。本発明の目的は、上記欠点を
解消する点にある。 【0004】 【課題を解決するための手段】 〔構成〕請求項1に かかる発明の特徴構成は、走行機体に対して
昇降自在に連結された苗植付装置に、圃面に対して次工
程の指標を印すべく張り出す作用姿勢と、折り畳み収納
される格納姿勢とに切換えられるラインマーカーを備
え、ラインマーカーを苗植付装置の上昇に連動して格納
姿勢に切換駆動する連動機構を設けるとともに格納姿勢
への切り換わりを検出する姿勢変更検出手段を設け、苗
植付装置の上昇作動に連動してラインマーカーが作用姿
勢より格納姿勢へ向う格納ストローク中において苗植付
装置が上昇作動する場合の上昇速度を、ラインマーカー
が作用姿勢を維持した状態で苗植付装置が上昇作動する
場合の上昇速度より低速に設定してある点にあり、その
作用効果は次の通りである。 【0005】〔作用効果〕苗植付装置が上昇を開始し
て、その途中よりラインマーカーが格納ストロークに入
ると、苗植付装置の上昇速度を低速に切り換えるように
する。これによって、ラインマーカーが急速に格納姿勢
に切り換わるのを抑え、土の巻上げ飛散を防止して、飛
散する土が付着することによる不快感を回避できる。 【0006】 【発明の実施の形態】〔第1実施例〕 図1に示すように、前後車輪1,2に支持された乗用機
体3に操縦部4、及びその後端に昇降シリンダ5で駆動
される昇降リンク機構6を介して苗植付装置7を取り付
けて乗用型の田植機を構成してある。乗用機体3の前部
にエンジン8、ミッションケース9を配置するととも
に、ミッションケース9より後車輪ケースを介して苗植
付装置7への動力を受け入れる植付ケース10を設け、
この植付ケース10より植付チェーンケース11に動力
伝達して、苗植付機構12を回転駆動するように構成し
てある。 【0007】苗植付装置7の昇降制御について説明す
る。図2に示すように、複数個設けた接地フロート13
の内左右中心近くに位置するセンタ接地フロート13を
接地センサとして機能させる為に、植付チェーンケース
11に対して、センタ接地フロート13を後支点X回り
で上下揺動自在に支持する。各植付チェーンケース11
の前端を連結する横向き角フレーム15に対してセンタ
接地フロート13の前端を屈折リンク14を介して連結
するとともに、横向き角フレーム15より延出されたブ
ラケット16に、センタ接地フロート13の苗植付装置
7に対する上下揺動量を検出するポテンショメータ型の
フロート昇降センサ17を設け、フロート昇降センサ1
7の回転軸を駆動する揺動アーム18と揺動アーム18
に相対揺動自在に連結した縦向きのセンサロッド19と
で、フロート昇降センサ17を駆動する駆動系を構成し
てある。また、揺動アーム18には下向き付勢バネ20
を作用させてあり、センタ接地フロート13の接地付勢
力を設定できるようにしてある。 【0008】一方、操縦部においては、センタ接地フロ
ート13の接地圧を設定するつまり苗植付装置7の昇降
感度を設定する手動操作式のポテンショメータ型の昇降
感度設定器21を設けてあり、この設定器21は数値と
して1(敏感)〜7(鈍感)まで設定でき、設定器21
を鈍感側に操作すると、図2に示す間隔Hを狭めるよう
に、センタ接地フロート13が上向き傾斜状態になるよ
うに苗植付装置7を下降させて接地圧を高めることにな
る。敏感側に操作すると、図2に示す間隔Hを広げ、セ
ンタ接地フロート13が下向き傾斜状態になるように、
苗植付装置7を上昇させて接地圧を弱めることになる。
設定以後は、間隔Hを一定に維持するように、つまり、
センタ接地フロート13の接地圧を一定に維持するよう
にフロート昇降センサ17の検出値を昇降感度設定器2
1に対応するように、苗植付装置7を昇降作動させる。 【0009】苗植付装置7の横送り機構A及び縦送り機
構Bについて説明する。図7及び図8に示すように、植
付ケース10の横側面より螺旋軸22を延出するととも
に、螺旋軸22の螺旋溝に係合するコマ部材(図示せ
ず)を介して螺旋軸上を駆動移動される移動フレーム2
3を設け、この移動フレーム23を苗載せ台24に連結
固定して横送り機構Aを構成してある。一方、苗載せ台
24に複数列に苗を取り出し口に向けて一定量だけ送る
縦送りベルト25を設けてあり、縦送りベルト用の駆動
プーリに連結された駆動アーム26を、植付ケース10
より延出された駆動軸27に一体固定された回転アーム
28で接当駆動するようにして、縦送り機構Bを構成し
てある。植付ケースに属する回転アーム28と、横送り
機構Aによって横送り駆動される苗載せ台24に属する
駆動アーム26とは、苗載せ台24の横送り端で位相が
合致して、回転アーム28で駆動アーム26を駆動し
て、両アーム28,26の回転干渉角に相当する角度だ
け縦送りベルト25が回転作動する。 【0010】次に、圃面に対して次工程の指標を印すラ
インマーカーCについて説明する。図4ないし図6に示
すように、苗載せ台24より横向きフレーム29を延出
するとともに、この横向きフレーム29に上下揺動自在
に天秤式の揺動アーム30を軸支する。揺動アーム30
の先端部に、ラインマーカCの本体フレーム31を取り
付けて一体で揺動可能に構成するとともに、本体フレー
ム31の先端に揺動杆32をバネ32Aによって中立枢
支して、揺動杆32の下端に圃面に接地して遊転する回
転体33を設けてラインマーカーCを構成する。回転体
33の外周面には、圃面に入り込む突起33Aを複数個
設けてあり、圃面に指標を印すようになっている。 【0011】揺動アーム30の一端には、付勢バネ34
を設けてあり、この付勢バネ34によって本体フレーム
31を走行機体3より横側方に延出させた突出作用姿勢
に維持するようにしてある。揺動アーム30他端と、昇
降リンク機構6の後端縦リンク6Aに揺動自在に支持さ
れてある姿勢切換アーム35の一端とに亘って、ライン
マーカーCの姿勢を切換駆動する駆動ワイヤ37を掛け
渡してある。アッパリンク6Bに、駆動杆36を固着し
て姿勢切換アーム35に近接する状態に支持して、苗植
付装置7の上昇作動につれて、昇降リンク機構6の縦リ
ンク6Aがアッパリンク6Bに対して相対姿勢を変化さ
せて、その姿勢変化に基づいて駆動杆36が姿勢切換ア
ーム35の他端に接当作用して、姿勢切換アーム35を
天秤揺動式に揺動駆動して、駆動ワイヤ37を持ち上げ
ラインマーカーCを作用姿勢から格納姿勢とに切り換え
るようにしてある。図中38は姿勢切換アーム35をラ
インマーカーCの格納姿勢に対応した状態に維持するロ
ック具である。 【0012】図1に示すように、操縦部4における、運
転席39右側方には、苗植付装置7の昇降を司るととも
に植付クラッチ40を入り切りする植付昇降レバー41
を設け、ハンドルポスト42には、図3に示すように、
十字揺動式の強制昇降操作具43を設けてある。植付昇
降レバー41には、図9に示すように、揺動操作量を検
出するポテンショメータ型の植付昇降レバーセンサ41
Aを設けて、レバー操作位置を検出して制御装置46に
情報を提供して、昇降シリンダ5用の昇降バルブ47、
植付クラッチ用モータ48を駆動制御するようにしてあ
る。強制昇降操作具43は、上方操作位置で苗植付装置
7を強制的に上昇作動させ、下方操作位置で苗植付装置
7を下降させるべく、強制上昇スイッチ44と強制下降
スイッチ45とを設けてあり、中立位置より前方に向け
て操作すると、右ラインマーカーCの右ロック具38を
解除して右ラインマーカーCを作用姿勢に切り換えると
ともに、中立位置より後方に向けて操作すると、左ライ
ンマーカーCの左ロック具38を解除して左ラインマー
カーCを作用姿勢に切り換える。 【0013】苗植付装置7の昇降制御について説明す
る。図10に示すように、植付状態より植付昇降レバー
41が上昇位置または強制昇降操作具43が上昇位置に
操作されて上昇指令が発せられると苗植付装置7は高速
で上昇する(#101〜#102)。高速上昇状態でセ
ンタ接地フロート13が対地浮上状態となっていること
(図面中ではこの状態を規定値で表してある)をフロー
ト昇降センサ(図面中ではフロートセンサと称する)1
7が検出したならば、一旦上昇を停止する。停止時間は
数百ミリ秒の間である(#103〜#105)。センタ
接地フロート13が対地浮上状態となっている状態は、
センタ接地フロート13が下向きに垂れ下がり下限位置
に至ったことをいう。停止時間が所定時間経過すると、
今度は低速で上昇を行う。昇降バルブ47に対しては間
歇信号を投入して昇降シリンダ5の伸張速度を低速に
し、上昇限度に至ったならば、上限スイッチ49がその
状態を検出し、苗植付装置7は上昇作動を停止する(#
106〜#108)。上限スイッチ49は、昇降リンク
機構6のアッパリンク6Bの揺動量を検出するポテンシ
ョメータか又はリミットスイッチを使用する。 【0014】次に、作業を開始する前に苗植付装置7の
苗載せ台24にマット状苗Wを投入する場合の作業手順
について説明する。作業を開始する場合には、各苗植付
機構12がマット状苗Wの左右一端より取り出す必要が
ある為に、苗載せ台24を横送りストロークの端部に位
置させて行う。したがって、図12に示すように、ま
ず、エンジン8とミッションケース9との間のベルト式
走行変速装置用の変速操作具51を中立位置にして走行
停止状態を現出するとともに、エンジン8を始動して苗
植付装置7を上昇させる(#301〜#303)。次
に、植付昇降レバー41を植付位置に操作して植付クラ
ッチ40を入り状態にして、横送り機構Aを作動させて
苗載せ台24を左右ストロークの一端に寄せ、縦送り機
構Bが一回作動すると、植付昇降レバー41を中立位置
にして苗載せ台24の横移動を停止する。この状態で苗
供給を行う(#304〜#308)。上記した操作手順
において、植付昇降レバー41を中立位置に操作し(#
307)、植付昇降レバーセンサ41Aからの中立位置
へ操作されたことの情報が制御装置46にもたらされる
と、制御装置46は制御モードに自動的に切り換わる
(#309)。ここで制御モードとはセンタ接地フロー
ト13を利用した苗植付装置7の昇降制御、或いは、ロ
ーリングセンサを利用した苗植付装置7のローリング制
御等が該当する。このように、自動的に制御モードに切
り換わるので、エンジンキースイッチをあらためて操作
する必要がない。#301〜#306までの一連の作業
を自動的に行えるように、例えば、昇降感度設定器21
等が備えられた制御ボックス52に専用のスイッチを設
けてもよい。一連の作業を苗載せ台24の"端寄せ"作業
と呼んでいるので、その専用スイッチを"端寄せモード"
スイッチとする。そして、スイッチを操作すると、苗植
付装置7が自動的に上昇するとともに、上昇位置で苗載
せ台24が横移動し移動端に至ると縦送り機構Bが作動
して、苗載せ台24の移動が自動的に停止する。この場
合には、苗載せ台24の横移動端を検出するセンサが必
要となる。 【0015】〔第2実施例〕 第1実施例とは異なる形態の苗植付装置7の上昇制御に
ついて説明する。図11に示すように、上昇指令から高
速で上昇させる形態は第1実施例と同様であるが(#2
01〜#202)、ラインマーカーCが格納姿勢に向け
て作動を開始して格納ストローク中にあるかいなかを姿
勢切換アーム35の回転角度をポテンショメータ型のセ
ンサ、つまり、姿勢変更検出手段としてのラインマーカ
ー姿勢センサ50で検出して行う。ラインマーカー姿勢
センサ50としては、アッパリンク6Bの揺動量を検出
する上限スイッチ49がポテンショメータ型のものであ
れば、これで兼用してもよい。この制御によって緩速状
態でラインマーカーCを格納できて、泥の撥ね上げ等が
少ない。 【0016】〔別実施形態〕 ラインマーカーCとしては、回転体方式のマーカー
を使用した例について説明したが、通常の棒状マーカー
であってもよい。 フロート昇降センサ17として
は、接地センサ13の揺動量を検出するポテンショメー
タ型を採用しているが、接地フロート13としては単に
接地するだけのものであって、その接地フロート13の
接地圧を検出するように圧電センサ等を使用したセンサ
構造を採用してもよい。
装置に関する。 【0002】 【従来の技術】苗植付装置の上昇速度は植付状態から上
限位置までの全上昇ストロークにおいて一定である。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】上記上昇速度が一定で
あると、ずばやく接地状態を解除するために上昇速度を
高速にするほど、上限停止位置での停止ショックが大き
かった。一方、圃面上に次工程の指標を印す線引きマー
カーを備えたものでは、格納姿勢に切り換わるラインマ
ーカーが圃面上の土を巻き上げることがあり、巻き上げ
られて飛散した土が運転者にかかることもあり何らかの
対策を必要としていた。つまり、ラインマーカーの格納
を苗植付装置の上昇に連動して行っているが、苗植付装
置が一定高さ分だけ上昇してもラインマーカーが圃面に
対する作用姿勢を維持する必要があり、そのために、苗
植付装置の上昇ストロークの一部のストロークを使用し
てラインマーカーを格納姿勢に切り換える必要があるた
めに、苗植付装置の上昇速度が高速になると、格納姿勢
への切り換わりも高速になり、巻き上げる土の飛散が激
しくなるおそれがあった。本発明の目的は、上記欠点を
解消する点にある。 【0004】 【課題を解決するための手段】 〔構成〕請求項1に かかる発明の特徴構成は、走行機体に対して
昇降自在に連結された苗植付装置に、圃面に対して次工
程の指標を印すべく張り出す作用姿勢と、折り畳み収納
される格納姿勢とに切換えられるラインマーカーを備
え、ラインマーカーを苗植付装置の上昇に連動して格納
姿勢に切換駆動する連動機構を設けるとともに格納姿勢
への切り換わりを検出する姿勢変更検出手段を設け、苗
植付装置の上昇作動に連動してラインマーカーが作用姿
勢より格納姿勢へ向う格納ストローク中において苗植付
装置が上昇作動する場合の上昇速度を、ラインマーカー
が作用姿勢を維持した状態で苗植付装置が上昇作動する
場合の上昇速度より低速に設定してある点にあり、その
作用効果は次の通りである。 【0005】〔作用効果〕苗植付装置が上昇を開始し
て、その途中よりラインマーカーが格納ストロークに入
ると、苗植付装置の上昇速度を低速に切り換えるように
する。これによって、ラインマーカーが急速に格納姿勢
に切り換わるのを抑え、土の巻上げ飛散を防止して、飛
散する土が付着することによる不快感を回避できる。 【0006】 【発明の実施の形態】〔第1実施例〕 図1に示すように、前後車輪1,2に支持された乗用機
体3に操縦部4、及びその後端に昇降シリンダ5で駆動
される昇降リンク機構6を介して苗植付装置7を取り付
けて乗用型の田植機を構成してある。乗用機体3の前部
にエンジン8、ミッションケース9を配置するととも
に、ミッションケース9より後車輪ケースを介して苗植
付装置7への動力を受け入れる植付ケース10を設け、
この植付ケース10より植付チェーンケース11に動力
伝達して、苗植付機構12を回転駆動するように構成し
てある。 【0007】苗植付装置7の昇降制御について説明す
る。図2に示すように、複数個設けた接地フロート13
の内左右中心近くに位置するセンタ接地フロート13を
接地センサとして機能させる為に、植付チェーンケース
11に対して、センタ接地フロート13を後支点X回り
で上下揺動自在に支持する。各植付チェーンケース11
の前端を連結する横向き角フレーム15に対してセンタ
接地フロート13の前端を屈折リンク14を介して連結
するとともに、横向き角フレーム15より延出されたブ
ラケット16に、センタ接地フロート13の苗植付装置
7に対する上下揺動量を検出するポテンショメータ型の
フロート昇降センサ17を設け、フロート昇降センサ1
7の回転軸を駆動する揺動アーム18と揺動アーム18
に相対揺動自在に連結した縦向きのセンサロッド19と
で、フロート昇降センサ17を駆動する駆動系を構成し
てある。また、揺動アーム18には下向き付勢バネ20
を作用させてあり、センタ接地フロート13の接地付勢
力を設定できるようにしてある。 【0008】一方、操縦部においては、センタ接地フロ
ート13の接地圧を設定するつまり苗植付装置7の昇降
感度を設定する手動操作式のポテンショメータ型の昇降
感度設定器21を設けてあり、この設定器21は数値と
して1(敏感)〜7(鈍感)まで設定でき、設定器21
を鈍感側に操作すると、図2に示す間隔Hを狭めるよう
に、センタ接地フロート13が上向き傾斜状態になるよ
うに苗植付装置7を下降させて接地圧を高めることにな
る。敏感側に操作すると、図2に示す間隔Hを広げ、セ
ンタ接地フロート13が下向き傾斜状態になるように、
苗植付装置7を上昇させて接地圧を弱めることになる。
設定以後は、間隔Hを一定に維持するように、つまり、
センタ接地フロート13の接地圧を一定に維持するよう
にフロート昇降センサ17の検出値を昇降感度設定器2
1に対応するように、苗植付装置7を昇降作動させる。 【0009】苗植付装置7の横送り機構A及び縦送り機
構Bについて説明する。図7及び図8に示すように、植
付ケース10の横側面より螺旋軸22を延出するととも
に、螺旋軸22の螺旋溝に係合するコマ部材(図示せ
ず)を介して螺旋軸上を駆動移動される移動フレーム2
3を設け、この移動フレーム23を苗載せ台24に連結
固定して横送り機構Aを構成してある。一方、苗載せ台
24に複数列に苗を取り出し口に向けて一定量だけ送る
縦送りベルト25を設けてあり、縦送りベルト用の駆動
プーリに連結された駆動アーム26を、植付ケース10
より延出された駆動軸27に一体固定された回転アーム
28で接当駆動するようにして、縦送り機構Bを構成し
てある。植付ケースに属する回転アーム28と、横送り
機構Aによって横送り駆動される苗載せ台24に属する
駆動アーム26とは、苗載せ台24の横送り端で位相が
合致して、回転アーム28で駆動アーム26を駆動し
て、両アーム28,26の回転干渉角に相当する角度だ
け縦送りベルト25が回転作動する。 【0010】次に、圃面に対して次工程の指標を印すラ
インマーカーCについて説明する。図4ないし図6に示
すように、苗載せ台24より横向きフレーム29を延出
するとともに、この横向きフレーム29に上下揺動自在
に天秤式の揺動アーム30を軸支する。揺動アーム30
の先端部に、ラインマーカCの本体フレーム31を取り
付けて一体で揺動可能に構成するとともに、本体フレー
ム31の先端に揺動杆32をバネ32Aによって中立枢
支して、揺動杆32の下端に圃面に接地して遊転する回
転体33を設けてラインマーカーCを構成する。回転体
33の外周面には、圃面に入り込む突起33Aを複数個
設けてあり、圃面に指標を印すようになっている。 【0011】揺動アーム30の一端には、付勢バネ34
を設けてあり、この付勢バネ34によって本体フレーム
31を走行機体3より横側方に延出させた突出作用姿勢
に維持するようにしてある。揺動アーム30他端と、昇
降リンク機構6の後端縦リンク6Aに揺動自在に支持さ
れてある姿勢切換アーム35の一端とに亘って、ライン
マーカーCの姿勢を切換駆動する駆動ワイヤ37を掛け
渡してある。アッパリンク6Bに、駆動杆36を固着し
て姿勢切換アーム35に近接する状態に支持して、苗植
付装置7の上昇作動につれて、昇降リンク機構6の縦リ
ンク6Aがアッパリンク6Bに対して相対姿勢を変化さ
せて、その姿勢変化に基づいて駆動杆36が姿勢切換ア
ーム35の他端に接当作用して、姿勢切換アーム35を
天秤揺動式に揺動駆動して、駆動ワイヤ37を持ち上げ
ラインマーカーCを作用姿勢から格納姿勢とに切り換え
るようにしてある。図中38は姿勢切換アーム35をラ
インマーカーCの格納姿勢に対応した状態に維持するロ
ック具である。 【0012】図1に示すように、操縦部4における、運
転席39右側方には、苗植付装置7の昇降を司るととも
に植付クラッチ40を入り切りする植付昇降レバー41
を設け、ハンドルポスト42には、図3に示すように、
十字揺動式の強制昇降操作具43を設けてある。植付昇
降レバー41には、図9に示すように、揺動操作量を検
出するポテンショメータ型の植付昇降レバーセンサ41
Aを設けて、レバー操作位置を検出して制御装置46に
情報を提供して、昇降シリンダ5用の昇降バルブ47、
植付クラッチ用モータ48を駆動制御するようにしてあ
る。強制昇降操作具43は、上方操作位置で苗植付装置
7を強制的に上昇作動させ、下方操作位置で苗植付装置
7を下降させるべく、強制上昇スイッチ44と強制下降
スイッチ45とを設けてあり、中立位置より前方に向け
て操作すると、右ラインマーカーCの右ロック具38を
解除して右ラインマーカーCを作用姿勢に切り換えると
ともに、中立位置より後方に向けて操作すると、左ライ
ンマーカーCの左ロック具38を解除して左ラインマー
カーCを作用姿勢に切り換える。 【0013】苗植付装置7の昇降制御について説明す
る。図10に示すように、植付状態より植付昇降レバー
41が上昇位置または強制昇降操作具43が上昇位置に
操作されて上昇指令が発せられると苗植付装置7は高速
で上昇する(#101〜#102)。高速上昇状態でセ
ンタ接地フロート13が対地浮上状態となっていること
(図面中ではこの状態を規定値で表してある)をフロー
ト昇降センサ(図面中ではフロートセンサと称する)1
7が検出したならば、一旦上昇を停止する。停止時間は
数百ミリ秒の間である(#103〜#105)。センタ
接地フロート13が対地浮上状態となっている状態は、
センタ接地フロート13が下向きに垂れ下がり下限位置
に至ったことをいう。停止時間が所定時間経過すると、
今度は低速で上昇を行う。昇降バルブ47に対しては間
歇信号を投入して昇降シリンダ5の伸張速度を低速に
し、上昇限度に至ったならば、上限スイッチ49がその
状態を検出し、苗植付装置7は上昇作動を停止する(#
106〜#108)。上限スイッチ49は、昇降リンク
機構6のアッパリンク6Bの揺動量を検出するポテンシ
ョメータか又はリミットスイッチを使用する。 【0014】次に、作業を開始する前に苗植付装置7の
苗載せ台24にマット状苗Wを投入する場合の作業手順
について説明する。作業を開始する場合には、各苗植付
機構12がマット状苗Wの左右一端より取り出す必要が
ある為に、苗載せ台24を横送りストロークの端部に位
置させて行う。したがって、図12に示すように、ま
ず、エンジン8とミッションケース9との間のベルト式
走行変速装置用の変速操作具51を中立位置にして走行
停止状態を現出するとともに、エンジン8を始動して苗
植付装置7を上昇させる(#301〜#303)。次
に、植付昇降レバー41を植付位置に操作して植付クラ
ッチ40を入り状態にして、横送り機構Aを作動させて
苗載せ台24を左右ストロークの一端に寄せ、縦送り機
構Bが一回作動すると、植付昇降レバー41を中立位置
にして苗載せ台24の横移動を停止する。この状態で苗
供給を行う(#304〜#308)。上記した操作手順
において、植付昇降レバー41を中立位置に操作し(#
307)、植付昇降レバーセンサ41Aからの中立位置
へ操作されたことの情報が制御装置46にもたらされる
と、制御装置46は制御モードに自動的に切り換わる
(#309)。ここで制御モードとはセンタ接地フロー
ト13を利用した苗植付装置7の昇降制御、或いは、ロ
ーリングセンサを利用した苗植付装置7のローリング制
御等が該当する。このように、自動的に制御モードに切
り換わるので、エンジンキースイッチをあらためて操作
する必要がない。#301〜#306までの一連の作業
を自動的に行えるように、例えば、昇降感度設定器21
等が備えられた制御ボックス52に専用のスイッチを設
けてもよい。一連の作業を苗載せ台24の"端寄せ"作業
と呼んでいるので、その専用スイッチを"端寄せモード"
スイッチとする。そして、スイッチを操作すると、苗植
付装置7が自動的に上昇するとともに、上昇位置で苗載
せ台24が横移動し移動端に至ると縦送り機構Bが作動
して、苗載せ台24の移動が自動的に停止する。この場
合には、苗載せ台24の横移動端を検出するセンサが必
要となる。 【0015】〔第2実施例〕 第1実施例とは異なる形態の苗植付装置7の上昇制御に
ついて説明する。図11に示すように、上昇指令から高
速で上昇させる形態は第1実施例と同様であるが(#2
01〜#202)、ラインマーカーCが格納姿勢に向け
て作動を開始して格納ストローク中にあるかいなかを姿
勢切換アーム35の回転角度をポテンショメータ型のセ
ンサ、つまり、姿勢変更検出手段としてのラインマーカ
ー姿勢センサ50で検出して行う。ラインマーカー姿勢
センサ50としては、アッパリンク6Bの揺動量を検出
する上限スイッチ49がポテンショメータ型のものであ
れば、これで兼用してもよい。この制御によって緩速状
態でラインマーカーCを格納できて、泥の撥ね上げ等が
少ない。 【0016】〔別実施形態〕 ラインマーカーCとしては、回転体方式のマーカー
を使用した例について説明したが、通常の棒状マーカー
であってもよい。 フロート昇降センサ17として
は、接地センサ13の揺動量を検出するポテンショメー
タ型を採用しているが、接地フロート13としては単に
接地するだけのものであって、その接地フロート13の
接地圧を検出するように圧電センサ等を使用したセンサ
構造を採用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】乗用型田植機を示す全体側面図
【図2】センタ接地フロートとフロート昇降センサとの
取付状態を示す側面図 【図3】強制昇降操作具の取付状態を示す側面図 【図4】回転式ラインマーカーの側面図 【図5】ラインマーカーの作用姿勢と格納姿勢との切換
構造を示す背面図 【図6】苗植付装置の上昇作動に連動してラインマーカ
ーを格納姿勢に引き上げる連係機構を示す側面図 【図7】マット状苗に対する縦送り機構と横送り機構を
示す側面図 【図8】マット状苗に対する縦送り機構と横送り機構を
示す背面図 【図9】制御ブロック図 【図10】接地フロートが対地浮上状態に切り換わると
苗植付装置の上昇速度を低速にする制御を示すフロー図 【図11】ラインマーカーの格納ストロークでは苗植付
装置の上昇速度を低速にする制御を示すフロー図 【図12】端寄せモードでの作業手順を示す図 【符号の説明】 3 走行機体 7 苗植付装置 13 接地フロート 17 フロート昇降センサ 37 連係機構 46 制御手段 50 姿勢変更検出手段 C ラインマーカー
取付状態を示す側面図 【図3】強制昇降操作具の取付状態を示す側面図 【図4】回転式ラインマーカーの側面図 【図5】ラインマーカーの作用姿勢と格納姿勢との切換
構造を示す背面図 【図6】苗植付装置の上昇作動に連動してラインマーカ
ーを格納姿勢に引き上げる連係機構を示す側面図 【図7】マット状苗に対する縦送り機構と横送り機構を
示す側面図 【図8】マット状苗に対する縦送り機構と横送り機構を
示す背面図 【図9】制御ブロック図 【図10】接地フロートが対地浮上状態に切り換わると
苗植付装置の上昇速度を低速にする制御を示すフロー図 【図11】ラインマーカーの格納ストロークでは苗植付
装置の上昇速度を低速にする制御を示すフロー図 【図12】端寄せモードでの作業手順を示す図 【符号の説明】 3 走行機体 7 苗植付装置 13 接地フロート 17 フロート昇降センサ 37 連係機構 46 制御手段 50 姿勢変更検出手段 C ラインマーカー
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 走行機体に対して昇降自在に連結された
苗植付装置に、圃面に対して次工程の指標を印すべく張
り出す作用姿勢と、折り畳み収納される格納姿勢とに切
換えられるラインマーカーを備え、ラインマーカーを苗
植付装置の上昇に連動して格納姿勢に切換駆動する連動
機構を設けるとともに格納姿勢への切り換わりを検出す
る姿勢変更検出手段を設け、苗植付装置の上昇作動に連
動してラインマーカーが作用姿勢より格納姿勢へ向う格
納ストローク中において苗植付装置が上昇作動する場合
の上昇速度を、ラインマーカーが作用姿勢を維持した状
態で苗植付装置が上昇作動する場合の上昇速度より低速
に設定してある田植機の昇降制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12681197A JP3408946B2 (ja) | 1997-05-16 | 1997-05-16 | 田植機の昇降制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12681197A JP3408946B2 (ja) | 1997-05-16 | 1997-05-16 | 田植機の昇降制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10313629A JPH10313629A (ja) | 1998-12-02 |
JP3408946B2 true JP3408946B2 (ja) | 2003-05-19 |
Family
ID=14944554
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12681197A Expired - Fee Related JP3408946B2 (ja) | 1997-05-16 | 1997-05-16 | 田植機の昇降制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3408946B2 (ja) |
Families Citing this family (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP5788708B2 (ja) * | 2011-05-09 | 2015-10-07 | ヤンマー株式会社 | 田植機 |
CN102771234B (zh) * | 2011-05-09 | 2016-01-06 | 洋马株式会社 | 插秧机 |
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JP6143813B2 (ja) * | 2015-07-29 | 2017-06-07 | ヤンマー株式会社 | 田植機 |
JP6143812B2 (ja) * | 2015-07-29 | 2017-06-07 | ヤンマー株式会社 | 田植機 |
JP6551201B2 (ja) * | 2015-12-04 | 2019-07-31 | 井関農機株式会社 | 苗移植機 |
-
1997
- 1997-05-16 JP JP12681197A patent/JP3408946B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH10313629A (ja) | 1998-12-02 |
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