JP3356984B2 - 農作業機 - Google Patents

農作業機

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JP3356984B2 JP35935397A JP35935397A JP3356984B2 JP 3356984 B2 JP3356984 B2 JP 3356984B2 JP 35935397 A JP35935397 A JP 35935397A JP 35935397 A JP35935397 A JP 35935397A JP 3356984 B2 JP3356984 B2 JP 3356984B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、対地作業装置を昇
降駆動装置で走行機体に対して昇降自在に取り付けると
ともに、前記対地作業装置の昇降作動を司どる昇降操作
具を設け、前記対地作業装置が上昇限位置に到ったこと
を検出する上限検出手段を設け、前記上限検出手段の検
出結果に基づいて前記昇降駆動装置の作動を停止すべく
構成してある農作業機に関する。
【0002】
【従来の技術】上記のような構成を採る農作業機におい
ては、上限検出手段が対地作業装置の上昇限位置に到っ
たことを検出しない限り、昇降駆動装置の上昇作動を停
止させることはなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】したがって、何らかの
原因によって上昇限に至った状態から対地作業装置が下
降して、上限検出手段が検出しない状態に切り替わった
場合には、再度対地作業装置が上昇作動し、上限検出手
段の検出状態が安定するまで上昇下降作動が繰り返し行
われることもある。このような場合には、制御のハンチ
ング状態となるので、何らかの対策によって回避する必
要がある。前記した原因としては、 昇降駆動装置として四連リンク機構を駆動昇降させ
るシリンダに対して衝撃緩衝用のスプリングを設けてあ
るが、このスプリングの短縮状態から伸長状態への復帰
力、 昇降制御を司る油圧制御用の制御弁におけるリーク
等、が考えられる。本発明の目的は、このような問題点
を勘案した上で、制御のハンチング現象を抑制する点に
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】〔構成〕請求項1にかか
る発明の特徴構成は、対地作業装置を昇降駆動装置で走
行機体に対して昇降自在に取り付けるとともに、前記対
地作業装置の昇降作動を司どる昇降操作具を設け、前記
対地作業装置が上昇限位置に到ったことを検出する上限
検出手段を設け、前記上限検出手段の検出結果に基づい
て前記昇降駆動装置の作動を停止し、一旦その上限検出
手段が対地作業装置の上昇限位置に到達したことを検出
した状態から非検出状態に切り換わった場合であっても
前記昇降駆動装置の作動停止状態を維持し、前記昇降操
作具からの操作指令があると対地作業装置を昇降作動さ
せる制御手段を設けてある点にあり、その作用効果は次
の通りである。
【0005】〔作用〕つまり、対地作業装置が一旦上昇
限位置に到達したならば、例え、前記した原因によって
対地作業装置が下降し上限検出手段が非検出状態に切り
換わっても、昇降駆動装置の作動停止状態を維持し、上
昇作動を阻止する。したがって、対地作業装置は上昇限
位置より下方で停止することもある。この停止状態よ
り、昇降操作があると操作指令に対応した昇降作動を行
う。
【0006】〔効果〕これによって、対地作業装置が昇
降を繰り返すハンチング現象を防止できるとともに、停
止位置に関係なく、次の操作で対地作業装置の昇降操作
を行うことができる。
【0007】〔構成〕請求項2にかかる発明の特徴構成
は、対地作業装置を昇降駆動装置で走行機体に対して昇
降自在に取り付けるとともに、前記対地作業装置が上昇
限位置に到ったことを検出する上限検出手段を設け、前
記上限検出手段が前記対地作業装置の上昇限位置に到達
していることを検出している状態においては前記昇降駆
動装置の作動を停止し、前記上限検出手段が一旦検出し
た状態から非検出状態に切り換わった場合には、前回の
上昇速度に比べて低い速度で再度上昇作動させる制御手
段を設けてある点にあり、その作用効果は次の通りであ
る。
【0008】〔作用〕前記した原因の一つによって、上
限検出手段が一旦検出した状態から非検出状態に切り換
わった場合に、再度上昇させる場合には上昇速度を落と
して行う。これによって、昇降装置に設けてある緩衝用
のバネも急激には短縮せず穏やかな動きを示すので、対
地作業装置が上昇限位置でバウンドするように跳ね返え
されて後戻りすることを抑えることができる。
【0009】〔効果〕したがって、対地作業装置が昇降
を繰り返すハンチング現象を防止できるとともに、対地
作業装置が一旦上昇限位置より下降して再度上昇作動を
行っても、上昇速度が低速である分緩衝バネの戻り反力
が小さく、上昇限位置で停止し易くなる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1に示すように、ステアリング
操作される駆動型の前車輪1、及び、駆動型の後車輪2
を備えた走行機体3の前部にエンジン4を搭載すると共
に、この走行機体3の前部にエンジン4からの動力が伝
えられるベルト式の無段変速装置V、ミッションケース
5夫々を配置し、又、走行機体3の中央部にステアリン
グハンドル6と運転座席7とを配置し、走行機体3の後
端部に、昇降駆動装置としてのリフトシリンダ8で駆動
昇降するリンク機構9を介し苗植付装置Aを連結して農
作業機としての田植機を構成する。リフトシリンダ8と
リンク機構9との間には、衝撃吸収用のサスペンション
スプリング29を設けてある。
【0011】苗植付装置Aは、苗載せ台10に載置した
マット条苗Wの下端から植付アームを有した植付機構1
1が1株ずつ切り出して圃場面に植えつける作動を行う
よう構成されると共に、下部には複数の整地フロート1
2を備え、左右位置には、その先端部が圃場面に突入す
る作用姿勢と、圃場面から上方に離間する非作用姿勢と
に切換自在なラインマーカ13を備えて構成されてい
る。
【0012】運転座席7の右側部に苗植付装置Aの昇降
と前記ミッションケース5に内蔵した植付クラッチCの
制御とを行う昇降レバー16を備える。昇降レバー16
は図3に示すようにガイド17に沿って切換操作され
る。ガイド17に形成された経路内の「下降」位置に設
定すると苗植付装置Aを下降させる。「上昇」位置に設
定すると苗植付装置Aを上昇させる。「中立」位置に設
定すると苗植付装置Aをその高さに維持する。「入」位
置に設定すると植付クラッチCを入り作動させるととも
に苗植付装置Aに備えた整地フロート12が接地する状
態で所定の対圃場高さを維持する自動昇降制御を行う。
「切」位置に設定すると植付クラッチCを切り操作す
る。「自動」位置に設定すると後記する強制昇降レバー
27の操作に従って苗植付装置Aの昇降を許容すると同
時に苗植付装置Aの上昇時には植付クラッチCを自動的
な切り操作する。尚、この昇降レバー16の基端部には
昇降レバー16の操作位置を計測するポテンショメータ
型のレバーセンサ18を備えている。
【0013】図1に示すように、リンク機構9の基端部
には苗植付装置Aが上限まで上昇したことを判別する上
限検出手段としての上限スイッチ21を備えている。
尚、植付クラッチCはクラッチモータ22の作動で入り
切り操作されるよう構成され、該クラッチの状態を判別
する植付クラッチセンサ23を備えている。
【0014】図2に示すように、ステアリングハンドル
6のポスト部26の右側面には苗植付装置Aを強制的に
昇降させる強制昇降レバー27を備える。強制昇降レバ
ー27は前後上下に十字揺動し、十字揺動する中心位置
で略水平姿勢となる中立位置Nに付勢されている。中立
位置Nより上方揺動で苗植付装置Aを上限まで上昇させ
る上昇位置Uに設定される。中立位置Nより下方で苗植
付装置Aを自動昇降制御させる作業高さまで下降させる
下降位置Dに設定される。中立位置Nを基準に後方側で
右側のラインマーカ13を作用姿勢に切換える右マーカ
位置に設定される。中立位置Nを基準に前方側で左側の
ラインマーカ13を作用姿勢に切換える左マーカ位置に
設定される。
【0015】強制昇降レバー27の上記した操作位置を
検出するセンサを備えている。上昇位置Uに対応する上
昇スイッチ41、下降位置Dに対応する下降スイッチ4
2を設けている。図4に示すように、マイクロプロセッ
サ(図示せず)を備えた制御装置28に対して前記レバ
ーセンサ18、上昇スイッチ41、下降スイッチ42、
植付クラッチCの状態を判別するクラッチセンサ23夫
々からの信号が入力する系が形成されると共に、リフト
シリンダ8に対する電磁弁24、クラッチモータ22を
制御するリレー回路25に対する出力系が形成されてい
る。
【0016】昇降レバー16又は強制昇降レバー27で
苗植付装置Aを上昇作動させた場合の制御について説明
する。二つの制御形態について説明する。 (第1制御形態)図5のフローチャートに示すように、
昇降レバー16又は強制昇降レバー27で苗植付装置A
の「上昇」操作があれば、苗植付装置Aが上昇作動し、
苗植付装置Aの上昇限を検出する上限スイッチ21がO
N作動すると停止する(#101〜#104)。一旦苗
植付装置Aが上昇限で停止した後に、上限スイッチ21
がOFF状態に切り換わることがある。この場合に、苗
植付装置Aを再び上昇作動させないように、昇降操作が
行われない場合には苗植付装置Aの停止状態を維持する
(#105、#108)。一旦苗植付装置Aが上昇限で
停止した後に、昇降操作があると、上限スイッチ21が
ONしている場合を除いて、操作状態に対応した苗植付
装置Aの昇降作動を行う(#106〜#110)。 (第2制御形態)図6のフローチャートに示すように、
昇降レバー16又は強制昇降レバー27で苗植付装置A
の「上昇」操作があれば、苗植付装置Aが上昇作動し、
苗植付装置Aの上昇限を検出する上限スイッチ21がO
N作動すると停止する(#201〜#204)。一旦苗
植付装置Aが上昇限で停止した後に、上限スイッチ21
がOFF状態に切り換わることがある。この場合を考慮
して次のような制御を行う。つまり、再び上限スイッチ
21がON状態を維持している場合には、所定の短時間
毎に上限スイッチ21の状態を観察し(#205〜#2
07)、上限スイッチ21がOFF状態になると、上昇
作動を行わせる(#208,#202)。この場合は、
上昇速度Vを前回の上昇速度に減衰係数Kを掛けて、速
度を落とした状態で上昇作動を行わせる。
【0017】〔別実施の形態〕 (1) 本発明は上記実施の形態以外に、例えば、第1
制御形態を採る場合に、一旦苗植付装置Aが上昇限で停
止した後に、上限スイッチ21がOFF状態に切り換わ
った場合には、作業者にその状態を知らせる為に、ブザ
ーやランプ等の報知手段を作動させるようにしてもよ
い。上限スイッチ21がON状態を維持しているにも拘
らず、上昇操作を行う無駄な点を回避できる。 (2) 上限スイッチの代わりにポテンショメータ等の
センサ、又は、光等を利用して非接触式のものが利用で
き、これらを総称して上限検出手段という。 (3) 苗植付装置以外に直播装置等に使用でき、これ
らを対地作業装置と総称する。 (4) 昇降操作具としては、昇降レバー16と強制昇
降レバー27とを挙げて説明した。
【図面の簡単な説明】
【図1】田植機の全体側面図
【図2】強制昇降レバーとスイッチとの連係を示す側面
【図3】昇降レバーの操作経路の平面図
【図4】制御系のブロック回路図
【図5】第1制御形態に対するフローチャート
【図6】第2制御形態に対するフローチャート
【符号の説明】
3 走行機体 8 昇降駆動装置 16,27 昇降操作具 21 上限検出手段 28 制御手段 A 作業装置

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対地作業装置を昇降駆動装置で走行機体
    に対して昇降自在に取り付けるとともに、前記対地作業
    装置の昇降作動を司どる昇降操作具を設け、前記対地作
    業装置が上昇限位置に到ったことを検出する上限検出手
    段を設け、前記上限検出手段の検出結果に基づいて前記
    昇降駆動装置の作動を停止し、一旦その上限検出手段が
    対地作業装置の上昇限位置に到達したことを検出した状
    態から非検出状態に切り換わった場合であっても前記昇
    降駆動装置の作動停止状態を維持し、前記昇降操作具か
    らの操作指令があると対地作業装置を昇降作動させる制
    御手段を設けてある農作業機。
  2. 【請求項2】 対地作業装置を昇降駆動装置で走行機体
    に対して昇降自在に取り付けるとともに、前記対地作業
    装置が上昇限位置に到ったことを検出する上限検出手段
    を設け、前記上限検出手段が前記対地作業装置の上昇限
    位置に到達していることを検出している状態においては
    前記昇降駆動装置の作動を停止し、前記上限検出手段が
    一旦検出した状態から非検出状態に切り換わった場合に
    は、前回の上昇速度に比べて低い速度で再度上昇作動さ
    せる制御手段を設けてある農作業機。
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