JP3407592B2 - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

自動変速機の制御装置

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JP3407592B2
JP3407592B2 JP09016297A JP9016297A JP3407592B2 JP 3407592 B2 JP3407592 B2 JP 3407592B2 JP 09016297 A JP09016297 A JP 09016297A JP 9016297 A JP9016297 A JP 9016297A JP 3407592 B2 JP3407592 B2 JP 3407592B2
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H61/00Control functions within control units of change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion ; Control of exclusively fluid gearing, friction gearing, gearings with endless flexible members or other particular types of gearing
    • F16H61/16Inhibiting or initiating shift during unfavourable conditions, e.g. preventing forward reverse shift at high vehicle speed, preventing engine over speed
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
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  • Arrangement Or Mounting Of Control Devices For Change-Speed Gearing (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車両用の自動変
速機における変速レンジを設定するための制御を行う制
御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】車両用の自動変速機は、変速段の設定を
車速やスロットル開度などの走行状態に基づいて自動的
に行うことを基本的な機能とするものであるが、所定の
中低速段でエンジンブレーキを効かせたり、設定可能な
変速段を所定の中低速段に制限したりする変速レンジの
選択は、運転者の手動操作によって行うようになってい
る。従来、その変速レンジの選択は、フロアーやステア
リングコラムなどに設けられたシフトレバーを操作する
ことによって行うよう構成されていたが、その操作のた
めに一方の手をステアリングホイールから離さなければ
ならず、また一時的に視線を前方から外さなければなら
ないなど、操作性の点で改善すべき余地があった。
【0003】そこで特開平5−196118号公報に記
載された発明では、ハンドルにスイッチを設け、そのス
イッチを適宜にON/OFFすることにより、変速レン
ジを切り換えるように構成している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前進走行中に選択でき
る変速レンジは、設定可能な最高速段を制限すると同時
に、低中速段でエンジンブレーキを効かせることのでき
る変速レンジであり、上記の公報に記載された発明は、
アップレンジあるいはダウンレンジのためスイッチをO
N操作する都度、変速レンジを1段高速側あるいは低速
側に切り換える指示信号を出力するように構成されてい
る。しかしながら、例えば変速レンジを低速側に切り換
える操作を行った場合、変速レンジの切り換えに伴って
ダウンシフトが生じるとすれば、エンジンブレーキ用の
摩擦係合装置が係合することによってエンジン回転数が
増大するために、高車速であればエンジンのオーバーラ
ンあるいはオーバーレボリューションが生じることにな
り、したがってこのような変速レンジの切り換えはエン
ジンの保護の観点から禁止することになる。
【0005】すなわち自動変速機での変速レンジの切り
換えは、スイッチ操作に基づく電気的指示を行えば必ず
変速レンジが切り換えられる訳ではなく、車両の走行状
態などに基づいて変速レンジの切り換えの指示が拒絶さ
れ、変速レンジの切り換えが実行されない場合がある。
このような場合、上記の装置における変速レンジの切り
換えのためのスイッチが、ON操作される都度、信号を
出力するよう構成されたものであるから、その指示信号
が拒絶された場合には、再度、変速レンジの切り換えの
ための操作を行う必要があり、変速レンジの切り換え操
作の回数が増え、変速レンジの切り換えをスイッチ操作
で実行できる利点があるものの、車両の状態に応じて変
速指示が拒絶される場合には、変速レンジの切り換え操
作が面倒なものになる可能性があった。
【0006】この発明は、上記の事情を背景としてなさ
れたものであり、変速レンジの切り換え操作の繰り返し
回数を可及的に低減し、操作性を向上させた制御装置を
提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用】上記の目
的を達成するために、請求項1の発明は、電気的手段に
よって変速レンジを切り換えるレンジ操作機構を備えた
自動変速機の制御装置において、前記レンジ操作機構に
よって変速レンジを切り換える指示を行ったことを検出
する電気的レンジ切換指示検出手段と、その指示された
変速レンジの切り換えに伴って変速が生じることを判断
する変速判断手段と、その判断された変速が実行可能な
ことを判断する変速許可判断手段と、該変速許可判断手
段によって前記変速が実行可能なことが判断されない場
合に前記指示された変速レンジの切り換えを禁止するレ
ンジ切換禁止手段とを備えていることを特徴とするもの
である。
【0008】したがって請求項1の発明によれば、レン
ジ操作機構によって変速レンジを切り換える指示を行っ
たにも拘わらず、その変速レンジの切り換えに伴う変速
が実行不可能な場合には、変速レンジの切り換えが禁止
される。換言すれば、指示した変速レンジの切り換えに
伴う変速を実行可能な場合や、変速レンジの切り換えに
伴って変速が発生しない場合には、変速レンジの切り換
えが許可される。その結果、電気的な変速レンジの切り
換えの指示が拒絶される回数が少なくなり、変速レンジ
切り換えのための操作回数が少なくなって操作性が向上
する。
【0009】請求項2の発明は、電気的手段によって変
速レンジを切り換えるレンジ操作機構を備えた自動変速
機の制御装置において、前記レンジ操作機構によって変
速レンジを切り換える指示を行ったことを検出する電気
的レンジ切換指示検出手段と、その指示された変速レン
ジの切り換えに伴って変速が生じることを判断する変速
判断手段と、その判断された変速が実行可能なことを判
断する変速許可判断手段と、該変速許可判断手段によっ
て前記変速が実行可能なことが判断されない場合に前記
変速レンジの切り換えを保留する保留手段と、該保留手
段が前記変速レンジの切り換えを保留した後前記変速許
可判断手段が前記変速を実行可能なことを判断した場合
に前記保留されていた変速レンジの切り換えを実行する
変速レンジ切換実行手段とを備えていることを特徴とす
るものである。
【0010】したがって請求項2の発明によれば、レン
ジ操作機構による変速レンジの切り換え操作が、その変
速レンジの切り換えに伴う変速が実行不可能なために拒
絶されている場合、一時的に保留され、変速が許可され
ることに伴ってその保留が解除されて変速レンジの切り
換えが実行されるので、変速レンジの切り換えの指示
が、変速が許可されるまで有効に保留され、その結果、
先に行った変速レンジの切り換え指示が無効とならない
ため、変速レンジの切り換え操作の繰り返し回数が少な
くなって操作性が向上する。
【0011】さらに請求項3の発明は、請求項2の発明
の構成に加え、前記保留手段が変速レンジの切り換えを
保留していることを表示する保留表示手段を更に備えて
いることを特徴とするものである。
【0012】したがって請求項3の発明によれば、レン
ジ操作機構によって変速レンジの切り換えの指示を行
い、これが保留されている場合には、その保留状態を確
実に知ることができ、変速レンジの切り換え操作を繰り
返すことが防止され、その結果、操作性が向上する。
【0013】そして請求項4に記載した発明は、電気的
手段によって変速レンジを切り換えるレンジ操作機構を
備えた自動変速機の制御装置において、前記レンジ操作
機構によって変速レンジを切り換える指示を行ったこと
を検出する電気的レンジ切換指示検出手段と、その指示
された変速レンジの切り換えに伴って変速が生じること
を判断する変速判断手段と、その判断された変速が禁止
されていることを判断する変速禁止判断手段と、該変速
禁止判断手段によって前記変速の禁止が判断された時点
で前記レンジ操作機構によって行った変速レンジの切り
換えの指示を取り消すレンジ切換キャンセル手段とを備
えていることを特徴とするものである。
【0014】したがって請求項4の発明では、変速レン
ジの切り換えに伴う変速が禁止されている場合、その変
速レンジの切り換えのための指示が取り消され、変速レ
ンジの切り換え指示がなかった状態に戻る。そのため、
走行状態などの変化によって、禁止されていた変速が許
可された場合であっても、変速が生じない。すなわち変
速レンジの切り換えの指示からある程度時間が経過した
時点で変速が生じることが防止され、変速の遅れなどに
起因する違和感を防止できる。そしてまた、請求項5の
発明は、請求項4の構成に加えて、前記変速レンジの切
り換えの指示が前記レンジ切換キャンセル手段によって
取り消された場合に、現在のレンジ表示を所定時間もし
くは所定回数点滅させる手段と警告音を発生する手段と
の少なくともいずれかを更に備えていることを特徴とす
るものである。さらに、請求項6の発明は、動力源の出
力側に連結され、かつ電気的手段によって変速レンジを
切り換えるレンジ操作機構を備えた自動変速機の制御装
置において、前記レンジ操作機構によって変速レンジを
切り換える指示を行ったことを検出する電気的レンジ切
換指示検出手段を備え、その指示された変速レンジの切
り換えに伴って前記動力源のオーバーランが生じる変速
が発生する場合には前記指示された変速レンジの切り換
えおよびその変速を禁止するとともにその変速レンジの
切り換えを取り消し、また前記動力源のオーバーランを
生じる変速が発生しない場合には前記指示された変速レ
ンジの切り換えおよび変速を許可し、さらに前記指示さ
れた変速レンジの切り換えに伴って変速が発生しない場
合には変速レンジの切り換えを許可するように構成され
ていることを特徴とするもののである。したがって請求
項6の発明では、走行レンジの切り換えに伴って変速が
生じない場合には、その走行レンジの切り換えが許可さ
れ、また変速が生じるものの動力源がオーバーランする
ことがなければ、走行レンジの切り換えおよび変速が許
可され、走行レンジの切り換えに伴う変速により動力源
がオーバーランする場合には走行レンジの切り換えが禁
止される。そして、請求項7の発明は、請求項6の発明
において、前記変速レンジの切り換えの指示が取り消さ
れた場合に、現在のレンジ表示を所定時間もしくは所定
数点滅させる手段と警告音を発生する手段との少なく
ともいずれかを更に備えていることを特徴とするもので
ある。したがって請求項7の発明では、請求項5の発明
と同様の作用が生じる。
【0015】
【発明の実施の形態】つぎにこの発明を図を参照してよ
り具体的に説明する。先ず、全体的な制御系統について
説明すると、図6は、原動機の一例としてのエンジン1
および自動変速機2についての制御系統図を示してお
り、アクセルペダル3の踏み込み量に応じた信号がエン
ジン用電子制御装置4に入力されている。またエンジン
1の吸気配管には、スロットルアクチュエータ5によっ
て駆動される電子スロットルバルブ6が設けられてい
る。そしてこの電子スロットルバルブ6は、アクセルペ
ダル3の踏み込み量に応じて電子制御装置4からスロッ
トルアクチュエータ5に制御信号が出力され、その制御
量に応じて開度が制御されるようになっている。
【0016】エンジン1を制御するための電子制御装置
4は、中央演算処理装置(CPU)および記憶装置(R
AM,ROM)ならびに入出力インターフェースを主体
とするものであって、この電子制御装置4には、上記の
アクセルペダル3の踏み込み量に応じた信号に加えて、
エンジン回転速度Ne 、吸入空気量Q、吸入空気温度、
スロットル開度、車速、エンジン水温、ブレーキスイッ
チの出力信号などが、制御データとして入力されてい
る。またこのエンジン用電子制御装置4は、上記のスロ
ットルアクチュエータ5の制御に加えて、変速時などに
おけるトルク制御のために燃料噴射装置7や点火時期を
変更するイグナイタ8などに信号を出力するように構成
されている。
【0017】上記のエンジン1に連結された自動変速機
2は、油圧を電気的に制御して変速やロックアップクラ
ッチの係合・解放の制御などを行ういわゆる電子制御式
の自動変速機であって、その油圧を制御する油圧制御装
置9は、主として変速を実行するための3つのシフトソ
レノイドバルブSOL1 ,SOL2 ,SOL3 と、主としてエ
ンジンブレーキ状態を制御するソレノイドバルブSOL4
と、主としてロックアップクラッチを制御するリニアソ
レノイドバルブSLU、スロットル開度に応じてライン圧
を制御するリニアソレノイドバルブSLT、主としてアキ
ュームレータの背圧を制御するリニアソレノイドバルブ
SLNとを備えている。
【0018】この油圧制御装置9における各ソレノイド
バルブに制御信号を出力する自動変速機用電子制御装置
10が設けられている。この自動変速機用電子制御装置
10は、前述したエンジン用電子制御装置4と同様に、
中央演算処理装置(CPU)および記憶装置(RAM,
ROM)ならびに入出力インターフェースを主体とする
ものであり、したがって必要に応じてエンジン用電子制
御装置4と統合・一体化することができる。この自動変
速機用電子制御装置10は、予め記憶しているマップや
演算式に従って入力データに基づく演算を行い、その演
算結果に基づいた制御信号を前記各ソレノイドバルブに
出力して変速やロックアップクラッチの係合・解放の制
御ならびに変速時の過渡油圧の制御などを実行するよう
に構成されている。
【0019】そして自動変速機用電子制御装置10に
は、制御データとして、上記のスロットル開度、車速、
エンジン水温、ブレーキスイッチの出力信号に加えて、
第1レンジ操作機構としてのシフトレバーの位置を示す
シフトポジション、パターンセレクトスイッチの出力信
号、後述するクラッチC0 の回転数を検出するC0 セン
サからの出力信号、第2クラッチC2 の回転数を検出す
るC2 センサの出力信号、自動変速機2の油温、マニュ
アルシフトスイッチの出力信号、変速レンジを低速側に
切り換えるカット信号、変速レンジを高速側に切り換え
るカットオフ信号、車速を一定に維持するクルーズコン
トロール装置(図示せず)の出力するクルーズ信号など
が入力されている。さらに自動変速機用電子制御装置1
0には、シフトレバーの位置を表示するシフトレバー位
置インジケータ11と選択されている変速レンジを表示
するシフトレンジインジケータ12とが接続されてい
る。
【0020】上記各電子制御装置4,10は、相互にデ
ータ通信可能に接続されており、特に自動変速機用電子
制御装置10からエンジン用電子制御装置4には、各変
速段を設定する信号が送信されており、またエンジン用
電子制御装置4から自動変速機用電子制御装置10に
は、エンジン1の一回転当たりの吸入空気量(Q/N
e)が送信されている。
【0021】上記の自動変速機2は、前進5段・後進1
段の変速段を設定することができ、そのギヤトレーンの
一例を図7に示してある。図7において、自動変速機2
はトルクコンバータ13を介してエンジン1に連結され
ている。このトルクコンバータ13は、エンジン1のク
ランク軸14に連結されたポンプインペラ15と、自動
変速機2の入力軸16に連結されたタービンランナー1
7と、これらポンプインペラ5とタービンランナー17
との間を直結するロックアップクラッチ18と、一方向
クラッチ19によって一方向の回転が阻止されているス
テータ20とを備えている。
【0022】上記自動変速機2は、ハイおよびローの2
段の切り換えを行う副変速部21と、後進段および前進
4段の切り換えが可能な主変速部22とを備えている。
副変速部21は、サンギヤS0 、リングギヤR0 、およ
びキャリヤK0 に回転可能に支持されてそれらサンギヤ
S0 およびリングギヤR0 に噛み合わされているピニオ
ンP0 からなる遊星歯車装置23と、サンギヤS0 とキ
ャリヤK0 との間に設けられたクラッチC0 および一方
向クラッチF0 と、サンギヤS0 とハウジング29との
間に設けられたブレーキB0 とを備えている。
【0023】主変速部22は、サンギヤS1 、リングギ
ヤR1 、およびキャリヤK1 に回転可能に支持されてそ
れらサンギヤS1 およびリングギヤR1 に噛み合わされ
ているピニオンP1 からなる第1遊星歯車装置24と、
サンギヤS2 、リングギヤR2 、およびキャリヤK2 に
回転可能に支持されてそれらサンギヤS2 およびリング
ギヤR2 に噛み合わされているピニオンP2 からなる第
2遊星歯車装置25と、サンギヤS3 、リングギヤR3
、およびキャリヤK3 に回転可能に支持されてそれら
サンギヤS3 およびリングギヤR3 に噛み合わされてい
るピニオンP3 からなる第3遊星歯車装置26とを備え
ている。
【0024】上記サンギヤS1 とサンギヤS2 とは互い
に一体的に連結され、リングギヤR1 とキャリヤK2 と
キャリヤK3 とが一体的に連結され、そのキャリヤK3
は出力軸27に連結されている。また、リングギヤR2
がサンギヤS3 に一体的に連結されている。そして、リ
ングギヤR2 およびサンギヤS3 と中間軸28との間に
第1クラッチC1 が設けられ、サンギヤS1 およびサン
ギヤS2 と中間軸28との間に第2クラッチC2 が設け
られている。
【0025】またブレーキ手段として、サンギヤS1 お
よびサンギヤS2 の回転を止めるためのバンド形式の第
1ブレーキB1 がハウジング29に設けられている。ま
た、サンギヤS1 およびサンギヤS2 とハウジング29
との間には、第1一方向クラッチF1 およびブレーキB
2 が直列に設けられている。この第1一方向クラッチF
1 は、サンギヤS1 およびサンギヤS2 が入力軸6と反
対の方向へ逆回転しようとする際に係合させられるよう
に構成されている。
【0026】キャリヤK1 とハウジング29との間には
第3ブレーキB3 が設けられており、リングギヤR3 と
ハウジング29との間には、第4ブレーキB4 と第2一
方向クラッチF2 とが並列に設けられている。この第2
一方向クラッチF2 は、リングギヤR3 が逆回転しよう
とする際に係合させられるように構成されている。上記
クラッチC0 ,C1 ,C2 、ブレーキB0 ,B1 ,B2
,B3 ,B4 は、油圧が作用することにより摩擦材が
係合させられる油圧式摩擦係合装置である。
【0027】そして副変速部23におけるクラッチC0
の回転数すなわち入力回転数を検出するC0 センサ30
と、主変速部22における第2クラッチC2 の回転数を
検出するC2 センサ31が設けられている。なお、これ
らのセンサ30,31は、前述したように自動変速機用
電子制御装置10に接続されている。
【0028】上記の自動変速機2では、前進5段と後進
段とを設定することができ、これらの変速段を設定する
ための各摩擦係合装置の係合・解放の状態を図8の係合
作動表に示してある。なお、図8において○印は係合状
態、◎印は係合してもトルク伝達に関係しないことを、
●印はエンジンブレーキを効かせるために係合すること
を、空欄は解放状態をそれぞれ示す。
【0029】上記の図8に示す各変速レンジおよび変速
段を設定するために図9に示す油圧回路が前記油圧制御
装置9に設けられている。すなわちスロットル開度に応
じたライン圧PL の供給を受けるマニュアルバルブ40
と上述した各摩擦係合装置の油圧サーボ手段との間に、
第1速エンジンブレーキ用の第4ブレーキB4 に対する
コントロール圧PC の給排を制御する 1-2シフトバルブ
41、第3速達成用の第2ブレーキB2 に対するドライ
ブレンジ圧PD の給排を制御する 2-3シフトバルブ4
2、第3速エンジンブレーキ用の第1ブレーキB1 に対
するコントロール圧PC の給排と第4速および第5速達
成用の第2クラッチC2 に対するドライブレンジ圧PD
の給排とを制御する 3-4シフトバルブ43、ブレーキB
0 とクラッチC0 とへのライン圧PL の供給を切り換え
る 4-5シフトバルブ44が設けられている。
【0030】さらに、ドライブレンジ圧(Dレンジ圧)
を元圧として変速中にリニアソレノイドバルブSLNの出
力する信号圧で調圧してコントロール圧PC を発生させ
るプレッシャーコントロールバルブ45、コントロール
圧PC の 2-3シフトバルブ42に対する給排を切り換え
るエンジンブレーキリレーバルブ46、クラッチC0に
対する 4-5シフトバルブ44を介したライン圧PL の給
排を切り換えるC0 エキゾーストバルブ47が設けられ
ている。
【0031】なお、第1シフトソレノイドバルブSOL1
は 2-3シフトバルブ42の切換用の信号圧を出力し、第
2シフトソレノイドバルブSOL2 は 1-2シフトバルブ4
1の切換用の信号圧を出力し、第3シフトソレノイドバ
ルブSOL3 は 1-2シフトバルブ41を介してC0 エキゾ
ーストバルブ47に切換用の信号圧を出力するようにな
っている。また第4ソレノイドバルブSOL4 はエンジン
ブレーキリレーバルブ46とC0 エキゾーストバルブ4
7とに切換用の信号圧を出力し、リニアソレノイドバル
ブSLNはプレッシャーコントロールバルブ45に調圧用
の信号圧を出力するようになっている。さらに第1ブレ
ーキB1 および第4ブレーキB4 以外の摩擦係合装置に
はアキュームレータが付設されている。
【0032】上記の各部の構成および機能についてさら
に詳しく説明すると、マニュアルバルブ40は、図示し
ない第1レンジ操作機構としてのシフトレバーにケーブ
ルなどの機械的な手段で連結されてシフトレバーに連動
するスプールバルブによって構成されており、ライン圧
PL を入力ポート48から供給されて、スプール49の
摺動位置に応じて入力ポート48を各出力ポートに連通
させて出力するものである。具体的には、Dポジション
ではDレンジポート50のみから出力し、“3”ポジシ
ョンではこれに加えて“3”レンジポート51から出力
し、“2”ポジションではさらに“2”レンジポート5
2から出力し、LポジションではさらにLレンジポート
53から出力するようになっている。これに対してRポ
ジションではRレンジポート54から出力し、またNポ
ジションでは全ての出力ポートを閉じ、Pポジションで
は入力ポート48をドレーンポートEXに連通させる。
なお、上記の自動変速機2では“4”レンジを選択する
ことができるが、これは、最高速段である第5速を禁止
する変速レンジであり、マニュアルバルブ40ではスプ
ール49が中心軸線を中心にして回動し、上記の“2”
レンジポート52から油圧が出力される。
【0033】つぎにプレッシャーコントロールバルブ4
5は、バネによって一方向に押圧されたスプールとプラ
ンジャとを有しており、Dレンジ圧PD を入力とし、こ
れをリニアソレノイドバルブSLNの出力信号で調圧し、
コントロール圧PC をエンジンブレーキリレーバルブ4
6を経て 2-3シフトバルブ42に供給する。
【0034】エンジンブレーキリレーバルブ46は、バ
ネによって一方向に押圧されたスプールとプランジャと
を備えた切換弁であって、“2”レンジ圧がプランジャ
に印加されるとともに、リニアソレノイドバルブSLNの
信号圧をスプールに印加され、いずれかの油圧による 2
-3シフトバルブ42へのコントロール圧PC の供給と、
その油圧の解放による 2-3シフトバルブ42からのコン
トロール圧PC の排出を切り換える。
【0035】2-3シフトバルブ42は、バネによって一
方向に押圧されたスプールを備えた切換弁であり、第1
シフトソレノイドバルブSOL1 の信号圧およびLレンジ
圧の印加により、コントロール圧PC の 3-4ソフトバル
ブ43と 1-2シフトバルブ41とへの供給の切り換え、
およびDレンジ圧の油路L1aと油路L1bとへの連通とド
レーンの切り換えとを行う。
【0036】1-2シフトバルブ41は、バネによって一
方向に押圧されたスプールを備えた切換弁であり、第2
シフトソレノイドバルブSOL2 の信号圧および油路L1a
からの油圧により、コントロール圧PC の第4ブレーキ
B4 への供給とこのブレーキB4 からの排圧との切り換
え、および第3シフトソレノイドバルブSOL3 の信号圧
の油路LS32 への供給とその油路LS32 からの排出との
切り換えを行う。
【0037】3-4シフトバルブ43は、ピストンを介し
てバネによって一方向に押圧されたスプールを備えた切
換弁であり、第2シフトソレノイドバルブSOL2 の信号
圧、油路L1bからの油圧および油路L3 からの油圧によ
り、油路LS3からの第3シフトソレノイドバルブSOL3
の信号圧の油路LS34 を介した 4-5ソフトバルブ44へ
の供給と遮断、油路L1aの油路L1eへの連通と遮断およ
びコントロール圧PCの第1ブレーキB1 への供給とそ
のブレーキB1 からの排圧とを制御する。
【0038】4-5シフトバルブ44は、バネによって一
方向に押圧されたスプールを備えた切換弁であり、油路
LS34 からの信号圧と油路L2 の油圧により、ライン圧
PLのC0 エキゾーストバルブ47への供給と排出との
切り換え、油路LL1を介したブレーキB0 への供給とそ
のブレーキB0 からの排出とを制御する。
【0039】C0 エキゾーストバルブ47は、バネによ
って一方向に押圧されたスプール55とプランジャ56
とを備えた切換弁であり、油路LS4を経由した第4ソレ
ノイドバルブSOL4 の信号圧、油路LS32 を経由した第
3ソレノイドバルブSOL3 の信号圧および油路L1dの油
圧により、 4-5シフトバルブ44を経由したライン圧P
L を油路LL3を経由してクラッチC0 に供給し、またこ
のクラッチC0 から排出するようになっている。
【0040】上記のように構成された油圧制御装置にお
いて、図示のニュートラルポジションでは、 4-5シフト
バルブ44およびC0 エキゾーストバルブ47を経由し
てライン圧PL がクラッチC0 に供給されているが、マ
ニュアルバルブ40を経由する油路が遮断されているた
め、第1クラッチC1 の油圧はドレーンされている。な
お、図における各バルブの中心線を挟む位置のずれは、
スプール変位の限界位置を示し、特に各シフトバルブに
ついては、中心線の左右に数字の振り分けで、位置と変
速段とを対応させている。
【0041】上記の油圧制御装置によれば、シフト装置
を手動操作することに伴うマニュアルバルブ40のポジ
ションの選択に応じて、車速とエンジン負荷(例えばス
ロットル開度)に対応した電子制御によりレンジ圧の調
圧と各シフトソレノイドバルブSOL1 ,〜SOL3 がON
/OFF制御されて、各変速段が設定される。すなわち
各クラッチおよびブレーキが図8に示すように制御され
て一方向クラッチ(OWC)との関連で、各変速段が設
定され、また第4ソレノイドバルブSOL4 のON/OF
Fに伴うその信号圧の出力によってエンジン(E/G)
ブレーキ状態を得ることができる。
【0042】例えばDレンジで第3速を設定している状
態で第4ソレノイドバルブSOL4 から信号圧を出力させ
ると、エンジンブレーキリレーバルブ46のスプールが
図9の左半分に示す位置に移動させられ、その結果、D
レンジ圧を元圧としたコントロール圧PC が 2-3シフト
バルブ42を介して 3-4シフトバルブ43に供給され、
ここから第1ブレーキB1 に油圧が供給されてこれが係
合する。すなわち第3速でエンジンブレーキが効く状態
になる。
【0043】またDレンジの第2速の状態で第4ソレノ
イドバルブSOL4 が信号圧を出力すると、C0 エキゾー
ストバルブ47のスプールの一端側に油圧が供給される
ので、そのスプールが図9の左半分に示す位置に移動
し、 4-5シフトバルブ44を介して供給されたライン圧
PL が副変速部21におけるクラッチC0 に供給されて
これが係合し、第2速でエンジンブレーキを効かせるこ
とができる。
【0044】さらにDレンジの第1速で第4ソレノイド
バルブSOL4 が信号圧を出力すると、上述した第3速の
場合と同様に、エンジンブレーキリレーバルブ46から
2-3シフトバルブ42にコントロール圧PC が出力さ
れ、さらにそのコントロール圧PC が 2-3シフトバルブ
42から 1-2シフトバルブ41に供給され、ここから第
4ブレーキB4 に送られて、これが係合する。すなわち
第1速でエンジンブレーキを効かせることができる。
【0045】なお、第1速ないし第5速の各変速段は、
第1ないし第3のシフトソレノイドバルブSOL1 ,〜S
OL3 をON/OFF制御して、その出力圧によって各シ
フトバルブ41,〜44を適宜に切り換え動作させるこ
とにより設定され、これは従来の装置と同様であり、図
9の油圧回路から容易に知られるところである。
【0046】このように上記の自動変速機2では、各変
速段を電気的に制御して設定することができ、また第3
速以下の変速段でのエンジンブレーキを、第4ソレノイ
ドバルブSOL4 を電気的に制御することにより設定でき
る。このような機能を利用して、この発明にかかるレン
ジ制御装置は、前進レンジの切り換えを電気的に行うよ
うに構成されている。
【0047】この前進レンジの切り換えを電気的に行う
レンジ操作機構すなわち第2レンジ操作機構の一例を図
10に示してある。図10において符号60はステアリ
ングホイール(ハンドル)を示しており、このステアリ
ングホイール60を取り付けてあるステアリングコラム
(図示せず)に第2のシフトレバー61が取り付けられ
ている。この第2シフトレバー61は、ステアリングホ
イール60に接近した位置にステアリングコラムからそ
の半径方向に突出して配置され、その長さは、ステアリ
ングホイール60を握っている手の指で操作できる長さ
とされている。またこの第2シフトレバー61は、中立
位置に常時位置するように弾性力で保持されており、そ
の中立位置からステアリングコラムの半径方向に回動で
き、またステアリングホイール60側に引き寄せること
ができるように構成されている。
【0048】第2シフトレバー61の円周方向の回動操
作は、変速レンジのアップ・ダウンのための操作であ
り、その操作を検出するためのスイッチ62,63が設
けられている。これらのスイッチ62,63は、ON動
作させられる都度、信号を出力するいわゆるモーメンタ
リースイッチであって、それらのうち、第2シフトレバ
ー61の中立位置に対して図10の反時計方向に回転し
た位置にあるスイッチ62が、変速レンジを高速側に切
り換える(アップレンジ)ための信号を出力するカット
オフスイッチであり、これとは反対側に位置するスイッ
チ63が、変速レンジを低速側に切り換える(ダウンレ
ンジ)ための信号を出力するカットスイッチである。
【0049】これらのカットオフスイッチ62およびカ
ットスイッチ63は、前述した自動変速機用電子制御装
置10に接続されている。またこれらのスイッチ62,
63は、図示しないシフト装置のシフトレバーによって
Dレンジが設定されている場合にアクティブとなるよ
う、すなわち電気信号を出力可能な状態となるように構
成されており、これは、前述したマニュアルバルブ40
を機械的に切り換え動作させるシフトレバー(図示せ
ず)によってDレンジが選択された場合に、これらのス
イッチ62,63の回路を機能させるように構成するこ
とによって達成できる。
【0050】さらに第2シフトレバー61をステアリン
グホイール60側に引き寄せる操作は、第2シフトレバ
ー61を上記のようにステアリングコラムの円周方向に
回動操作して電気的に設定した変速レンジをキャンセル
してDレンジに復帰させるための操作であり、そのよう
な第2シフトレバー61の操作を検出するための復帰ス
イッチ65が設けられている。この復帰スイッチ65は
自動変速機用電子制御装置10に接続され、第2シフト
レバー61の復帰操作に伴う信号を自動変速機用電子制
御装置10に入力するようになっている。なお、この第
2シフトレバー61の配置位置および動作方向を図10
の(C)に拡大して示してある。
【0051】第2シフトレバー61を操作することによ
る変速レンジの切り換えは、マニュアルバルブ40がD
レンジ位置にある場合、すなわち機械的に変速レンジを
選択するシフト装置でDレンジを選択している場合に実
行可能であり、Dレンジでカットスイッチ63もしくは
カットオフスイッチ62が信号を出力することにより、
変速レンジがダウン制御もしくはアップ制御される。そ
の変速レンジのダウンあるいはアップの制御は、現状の
変速レンジに対して一段低速側もしくは高速側の変速レ
ンジに切り換えることにより実行され、具体的には、カ
ットスイッチ63が1回信号を出力するごとに、すなわ
ち第2シフトレバー61を時計方向に1回回動操作する
ごとに、Dレンジ→“4”レンジ→“3”レンジ→
“2”レンジ→Lレンジの順に切り換えられ、また反対
にカットオフ信号が1回信号を出力するごとに、すなわ
ち第2シフトレバー61を1回反時計方向に回動操作す
るごとに、Lレンジ→“2”レンジ→“3”レンジ→
“4”レンジ→Dレンジの順に切り換えられる。
【0052】これらの各変速レンジでは、設定可能な変
速段およびエンジンブレーキの効く変速段が決められて
おり、それらの変速段がマップとして予め電子制御装置
10に記憶させられている。また併せてエンジンブレー
キを効かせるためのソレノイドバルブのON/OFFパ
ターンが記憶させられている。そして前記カットスイッ
チ63もしくはカットオフスイッチ62がON動作させ
られるごとにその変速マップおよびソレノイドパターン
が変更され、所定の変速レンジが設定される。その場
合、Dレンジの状態では、それ以上に高速側の変速レン
ジが存在しないから、カットオフスイッチ62がON動
作することによる出力信号がキャンセルされ、またLレ
ンジでは、それ以下の低速側の変速レンジが存在しない
からカットスイッチ63がON動作することによる出力
信号がキャンセルされる。
【0053】さらに変速レンジを低速側の変速レンジに
切り換えると、それに併せてダウンシフトが生じること
があり、その場合、エンジン回転数が増大する。したが
ってエンジン1の保護のために、エンジン1にオーバー
ランやオーバーレボリューションが生じるような状態で
カットスイッチ63がON動作させられた場合には、変
速(ダウンシフト)を禁止する。
【0054】さらに復帰スイッチ65がON動作させら
れた場合には、機械的にマニュアルバルブ40を移動さ
せて選択されているDレンジを設定する。これは、変速
レンジを制御するための変速マップをDレンジ用のもの
に切り換え、そのマップに従ってソレノイドバルブをO
N/OFF制御することによって実行される。
【0055】したがって上記のように構成したレンジ制
御装置によれば、前進走行のための変速レンジをステア
リングホイール60の近傍に設けた第2シフトレバー6
1を操作することによって切り換えることができるの
で、ステアリングホイール60から手を離さずに、また
視線を前方に向けたまま、変速レンジの切り換え操作が
可能になり、変速レンジの切り換えの操作性が向上す
る。また特に第2シフトレバー61によって復帰スイッ
チ65をON動作させることにより、直ちにDレンジを
設定できるので、前記カットオフスイッチ62を複数
回、ON動作させてDレンジに復帰するのと比較して、
Dレンジへの復帰を容易に行うことができ、その点でも
レンジ操作の操作性が向上する。
【0056】なお、車速を一定に維持するクルーズコン
トロールシステムを搭載している車両では、第2シフト
レバー61を操作して“4”レンジを選択している場合
には、そのクルーズコントロールシステムを機能させ、
またそれより低速側の変速レンジを第2シフトレバー6
1を操作して変速している場合には、クルーズコントロ
ールシステムの機能をキャンセルする。車速や変速段の
制御が重畳してしまうからである。
【0057】上述したようにこの発明にかかるレンジ操
作装置は、前進レンジ同士の間でのシフトを電気的な操
作装置で行い、またその電気的なレンジ操作は、マニュ
アルバルブ40がDレンジに設定されている状態で可能
である。したがって前進レンジの間でのシフトのための
スイッチは、必ずしも第2シフトレバー61によって行
うよう構成する必要はなく、またマニュアルバルブ40
を動作させるための機械的なシフト装置は、前進走行の
ためのレンジ位置としてDレンジ位置のみを備えた構成
であってもよい。図11に示す例は、これらの点を考慮
して構成されている。
【0058】すなわち図11に示す構成では、マニュア
ルバルブ40にケーブルなどの機械的な手段で連結され
た第1のシフトレバー66が、ステアリングコラムにそ
の半径方向に突出して設けられている。この第1シフト
レバー66は、いわゆる従来のコラムタイプのシフト装
置におけるレバーと同様に、ステアリングコラムの円周
方向に回動操作されてマニュアルバルブ40を切り換え
動作させるように構成されている。また図11に示す例
では、第1シフトレバー66は、パーキング(P)、リ
バース(R)、ニュートラル(N)、ドライブ(D)の
4つのレンジ位置のみを備えており、これらのレンジ位
置は図11に示すように、ここに挙げた順に反時計方向
に配列されている。なお、PレンジとRレンジとの間、
およびRレンジとNレンジとの間で、シフトボタン(図
示せず)を押圧する必要があるように構成することは任
意である。
【0059】またDレンジで電気的に変速レンジを切り
換えるためのカットオフスイッチ62とカットスイッチ
63とが、ステアリングホイール60の中心寄りの位置
に配置されている。なお、これらのスイッチ62,63
は、モーメンタリーな押しボタンスイッチによって構成
されており、ステアリングホイール60に取り付けられ
ていてもよいが、ステアリングコラムに取り付けること
により、その位置がステアリングホイール60の回転に
よって変化しないように構成することが好ましい。
【0060】この図11に示す構成では、図10に示す
構成の装置で得られる効果と同様の効果を得ることがで
きるのみならず、従来、運転者用のシートの横に配置さ
れていたシフト装置を廃止できるので、他の車載機器類
の配置の自由度が向上する。また第1シフトレバー66
がステアリングホイール60よりも前方側に位置するこ
とになるが、この第1シフトレバー66によって選択さ
れるレンジ位置は、前述した4つのレンジ位置であるか
ら、運転者のメータパネル(図示せず)やセンタークラ
スタに対する視線や前方視界を第1シフトレバー66に
よって遮られることが少なく、視認性の悪化を防止する
ことができる。また許容される範囲でその長さを短くす
ることにより、センタークラスタなどの視認性を向上さ
せることができる。
【0061】上述したように、マニュアルバルブ40を
機械的操作によって切り換えるための第1シフトレバー
66は、主として走行開始時に操作され、走行中での変
速レンジの切り換えは、主として第2シフトレバー61
やカットオフスイッチ62あるいはカットスイッチ63
を操作することによって行われる。したがってPレンジ
やRレンジなどを機械的操作によって選択するシフトレ
バーは、要は、必要最低限の変速レンジを選択できれば
よく、その配置位置は、従来一般の車両と同様に、運転
者のシートの横のフロアーであってもよく、あるいはイ
ンストルメントパネル上であってもよい。
【0062】図12は、フロアーあるいはインストルメ
ントパネルに配置されるいわゆるゲート式のシフトレバ
ーの一例を模式的に示しており、Pレンジ、Rレンジ、
Nレンジ、Dレンジ、“3”レンジ、Lレンジの各シフ
トポジションが、ここに挙げた順に車両の前方側から、
あるいは上側から図12に示すように配置されている。
なお、図12の各シフトポジションを連結している実線
は、シフトレバーを移動させるガイド溝を示している。
なお、各変速段を手動操作によって設定するいわゆるス
ポーツモードを選択できる構成とする場合には、図12
に(Sport)と記した箇所にスポーツモードのため
のシフトポジションを設定すればよい。また電気的操作
によって変速レンジを切り換える場合、第1のシフトレ
バー66をDレンジ位置に設定する必要があるので、D
レンジ位置に“D”の表示と併せて“E”(Electroni
c)の表示を予め付しておいてもよい。
【0063】また図13は、図12に示す構成から
“3”レンジポジションを廃止し、これに替えてエンジ
ンブレーキレンジであるLレンジへのシフトを選択的に
禁止するように構成した例である。すなわち前進レンジ
は、前述した第2シフトレバー61やカットオフスイッ
チ62あるいはカットスイッチ63によって選択でき、
またこれらの電気的な操作機構によるレンジ操作が容易
である。したがって機械的に変速レンジを選択するシフ
ト装置では、前進レンジとしてDレンジを選択できれば
よく、フェール対策として他の一つのエンジンブレーキ
レンジを選択できればよい。そのため図13に示す例で
は、通常はエンジンブレーキレンジ(図13の例ではL
レンジ)へシフトレバーが移動しないように、ガイド溝
にピンなどの遮断機構GS が設けられ、適宜の位置に配
置したフェールスイッチSF を操作することによってそ
の遮断機構GS を開いてシフトレバーがLレンジポジシ
ョンに移動できるように構成されている。なお、このフ
ェールスイッチSF と遮断機構GS とは電気的に連結さ
れた構成であってもよく、あるいはリンクなどの機械的
手段で連結された構成であってもよい。
【0064】前述したように変速レンジを切り換えるこ
とに伴って変速が生じることがあり、その変速によって
駆動力が変化するために、車両の挙動が変化する。した
がって車両の挙動の変化の状態によっては変速もしくは
変速レンジの切り換え自体を禁止する必要がある。そこ
でこの発明の制御装置では、変速レンジの切り換えを以
下のように制御する。
【0065】図1は、その制御ルーチンの一例を示すフ
ローチャートであって、先ず、データの読み込みを主と
する入力信号の処理(ステップ1)を行う。ついで機械
的操作によって変速レンジを切り換えるシフト装置にお
けるシフトレバー66を操作することによってDレンジ
が設定されているか否かが判断される(ステップ2)。
第2のシフトレバー61やカットオフスイッチ62ある
いはカットスイッチ63による電気的な操作での変速レ
ンジの切り換えは、マニュアルバルブ40がDレンジ位
置に設定されていることにより可能となるよう構成され
ているからである。
【0066】したがってDレンジが設定されていないこ
とによりステップ2で否定判断された場合には、特に制
御を行うことなくこのルーチンから抜ける。これに対し
てDレンジが設定されていることにより、ステップ2で
肯定判断された場合には、カット制御あるいはカットオ
フ制御が行われたか否かが判断される(ステップ3)。
すなわち前述したカットオフスイッチ62あるいはカッ
トスイッチ63がON操作されたか否かが判断される。
これは、前述したスイッチ62,63のいずれかから信
号が出力されていることにより判断することができ、こ
のステップ3が請求項1の発明における電気的レンジ切
換指示検出手段に相当する。
【0067】このステップ3で否定判断された場合に
は、特に制御を行うことなくこのルーチンを抜け、また
ステップ3で肯定判断された場合には、変速が発生する
か否かが判断される(ステップ4)。このステップ4が
請求項1の発明における変速判断手段に相当し、カット
オフスイッチ62もしくはカットスイッチ63を操作す
ることによる変速レンジの切り換えに伴って変速が発生
するか否かが判断される。
【0068】電気的操作に伴う変速レンジの切り換えに
よって変速が発生することが、ステップ4で判断された
場合、エンジンのオーバーランが生じるか否かが判断さ
れる(ステップ5)。すなわち前記の変速がダウンシフ
トであって変速比の増大によってエンジン回転数が予め
定めてある上限回転数を超えるか否かが判断される。し
たがってこのステップ5の判断は、前記ステップ4で判
断された変速がダウンシフトの場合に限って実行され
る。
【0069】エンジンのオーバーランが生じないと判断
された場合には、車両安定化制御システム(VSC)に
よるダウンシフトの禁止が成立しているか否かが判断さ
れる(ステップ6)。この車両安定化制御システムは、
車両が旋回走行する際のオーバーステアー傾向やアンダ
ーステアー傾向を感知してエンジン出力や各車輪の駆動
力を個別に制御することにより、車両の挙動を安定化さ
せるためのシステムであり、その制御中にはダウンシフ
トなどによる駆動力の変化を禁止する。そこでステップ
6ではこのような変速禁止が実行されているか否かを判
断する。
【0070】上記のステップ5およびステップ6が請求
項1の発明における変速許可判断手段であって、ステッ
プ5で肯定判断された場合あるいはステップ6で肯定判
断された場合には、変速を実行する状況にないことにな
り、この場合は、カットオフスイッチ62もしくはカッ
トスイッチ63をON操作することによって指示された
変速レンジの切り換えを禁止する(ステップ7)。すな
わち電気的エンジンブレーキレンジ切換禁止制御を実行
する。したがってこのステップ7が請求項1の発明にお
けるレンジ切換禁止手段に相当する。
【0071】一方、カットオフスイッチ62あるいはカ
ットスイッチ63をON操作することによる変速レンジ
の切換指示に伴って変速が発生しないことによりステッ
プ4で否定判断された場合、あるいは車両安定化制御シ
ステムによりダウンシフトが禁止されていないことによ
りステップ6で否定判断された場合には、カットオフス
イッチ62あるいはカットスイッチ63をON操作する
ことによって指示された変速レンジの切り換えを実行す
る(ステップ8)。すなわち電気的エンジンブレーキレ
ンジ切換実行制御を行う。
【0072】したがって図1に示す制御によれば、変速
レンジの切り換え禁止の判断と変速禁止の判断とを区別
して行い、たとえ変速が禁止されていても変速レンジの
切り換えがその変速禁止に関係しない場合には、その変
速レンジの切り換えを実行することになる。したがって
電気的操作によって指示された変速レンジの切り換えが
禁止されることが少なくなり、カットオフスイッチ62
やカットスイッチ63を繰り返しON操作するなどの煩
わしい操作が回避され、操作性が向上する。
【0073】図2は、操作性を更に向上させるよう構成
した例を示しており、入力信号の処理(ステップ11)
を行った後、機械的操作によってDレンジが設定されて
いるか否かが判断される(ステップ12)。このステッ
プ12で肯定判断された場合には、前記カットオフスイ
ッチ62あるいはカットスイッチ63による変速レンジ
の切換制御がなされたか否かが判断される(ステップ1
3)。このステップ12の判断は図1に示すステップ2
と同じ制御プロセスであり、またステップ13の判断
は、図1に示すステップ3と同一の制御プロセスであ
る。
【0074】電気的な操作による変速レンジの切り換え
指示がなされることによりステップ13で肯定判断され
た場合には、フラグFが“1”か否かが判断される(ス
テップ14)。このフラグFは電気的操作による変速レ
ンジの切り換え指示を保留状態にしておくことにより
“1”に設定され、それ以外の場合には“0”に設定さ
れるフラグであり、このフラグFが“0”であることに
より、ステップ14で否定判断された場合には、電気的
な操作による変速レンジの切り換えに伴って変速が発生
するか否かが判断される(ステップ15)。このステッ
プ15の判断は、図1に示すステップ4と同様の判断で
あって、肯定判断された場合にはエンジンのオーバーラ
ンが生じるか否かが判断される(ステップ16)。この
ステップ16の判断は図1に示すステップ5と同様の制
御プロセスであり、このステップ16で否定判断された
場合には、車両安定化制御システムによるダウンシフト
の禁止が実行されているか否かが判断される(ステップ
17)。このステップ17の判断は、図1に示すステッ
プ6と同様な制御プロセスである。
【0075】したがってステップ16で肯定判断された
場合、あるいはステップ17で肯定判断された場合に
は、電気的手段による変速レンジの切り換えに伴う変速
が実行不能な状態にあることになるから、電気的エンジ
ンブレーキレンジの切り換えを保留する(ステップ1
8)。すなわちカットオフスイッチ62やカットスイッ
チ63を操作することによって指示されている変速レン
ジの切り換えを実行せずに、保留状態とする。そしてこ
の状態をインジケート(ステップ19)するとともに、
フラグFを“1”に設定する(ステップ20)。
【0076】このステップ19による保留状態のインジ
ケートは、適宜の表示手段によって行うことができ、例
えばインストルメントパネル(図示せず)の内部に文字
表示し、あるいは機械的操作により設定されている現在
の変速レンジもしくは電気的操作によって設定されてい
る現在の変速レンジを、インストルメントパネルやメー
タパネル(図示せず)の内部に表示するとともに点滅さ
せるなどの種々の手段を採用することができる。また音
声表示を併用することもできる。
【0077】一方、電気的手段による変速レンジの切り
換えに伴って変速が発生しないことによりステップ15
で否定判断された場合、あるいは車両安定化制御システ
ムによるダウンシフトの禁止が行われていないことによ
りステップ17で否定判断された場合には、電気的エン
ジンブレーキレンジの切り換えを許可する(ステップ2
1)。このステップ21の制御は図1におけるステップ
8の制御プロセスと同じである。すなわちカットオフス
イッチ62あるいはカットスイッチ63をON操作する
ことにより指示されている変速レンジの切り換えを実行
する。
【0078】上述のようにして電気的手段による変速レ
ンジの切り換えが保留されている場合には、フラグFが
“1”に設定されていることによりステップ14で肯定
判断される。この場合は、ステップ22に進んでカット
信号をキャンセルする。すなわち既にカットスイッチ6
3をON操作してカット信号が出力されている場合に
は、これが保留されているのであるから、それに続くカ
ット信号は先行の指示と同一の指示が繰り返されている
ことになるので、後続のカット信号をすべてキャンセル
する。また上記の保留状態でカットオフスイッチ62が
操作された場合には、ダウンレンジとは反対のアップレ
ンジが指示されたことになるので、先行のカット信号を
キャンセルする。またこの場合、保留状態もキャンセル
する。
【0079】ついで電気的手段による変速レンジの切り
換えに伴う変速によってエンジンのオーバーランが生じ
るか否かが判断される(ステップ23)。このステップ
23で否定判断された場合には、車両安定化制御システ
ムによるダウンシフトの禁止が実行されているか否かが
判断される(ステップ24)。このステップ23は、前
記のステップ16と同様の制御プロセスであり、またス
テップ24は前記ステップ17と同様の制御プロセスで
ある。したがってこれらステップ23もしくはステップ
24で肯定判断された場合には、前述と同様にステップ
18に進む。
【0080】これに対してステップ24で否定判断され
た場合には、変速を実行可能な状態にあることになるか
ら、電気的エンジンブレーキレンジの切り換えを実行す
る(ステップ25)。これは前記ステップ21と同様な
制御である。そして変速レンジの切り換えが実行されて
保留状態が解消されたのであるから、インジケートを中
止し(ステップ26)、かつフラグFをゼロリセットす
る(ステップ27)。
【0081】また一方、カットオフスイッチ62やカッ
トスイッチ63がON操作されていずにステップ13で
否定判断された場合には、ステップ28に進んでフラグ
Fが“1”か否かが判断される。すなわち電気的手段に
よる変速レンジの切り換えが保留されているか否かが判
断される。このステップ28で肯定判断された場合に
は、直ちに前記ステップ23に進む。またステップ28
で否定判断された場合には、特に制御を行うことなくこ
のルーチンから抜ける。
【0082】そしてDレンジが設定されていないことに
よりステップ12で否定判断された場合にはフラグFを
ゼロリセット(ステップ29)した後にこのルーチンか
ら抜ける。
【0083】なおここで、図2に示す各ステップと請求
項2および請求項3の発明における各手段との対応関係
を説明すると、前記ステップ13が請求項2の発明にお
ける電気的レンジ切換指示検出手段に相当し、またステ
ップ15が請求項2の発明における変速判断手段に相当
し、さらにステップ16,17,23,24が請求項2
の発明における変速許可判断手段に相当し、ステップ1
8が請求項2の発明における保留手段に相当し、そして
ステップ21,25が請求項2の発明における変速レン
ジ切換実行手段に相当する。またステップ19が請求項
3の発明における保留表示手段に相当する。
【0084】したがって図2に示すように構成した場合
には、電気的手段により変速レンジの切り換えを指示
し、その指示が変速不能の状態のために実行されない場
合であっても、その変速レンジの切り換え指示がキャン
セルされずに保留状態にされるため、変速が許可される
など変速レンジの切り換えを実行可能な状態になれば、
電気的手段による変速レンジの切り換えが実行される。
すなわち再度の電気的な変速レンジの切り換え指示操作
が不要になる。そのため変速レンジの切り換え指示操作
の繰り返し回数が少なくなり、操作性が向上する。また
保留状態を表示手段によって運転者が知ることができる
ので、この点でも無用な操作を繰り返すことが回避さ
れ、操作性が向上する。
【0085】さらにこの発明の他の制御例を説明する
と、図3に示す例は、変速が禁止されている場合の電気
的な操作による変速レンジの切り換えを保留することに
替えて、変速レンジの指示を取り消すように構成した例
である。すなわちステップ16やステップ23において
エンジンのオーバーランが判断された場合や、ステップ
17,24において車両安定化制御システムによってダ
ウンシフトが禁止されていることが判断された場合、カ
ットスイッチ63をON操作することによる電気的エン
ジンブレーキレンジへの切り換え指示が取り消される
(キャンセルされる)(ステップ18A)。そしてこの
取り消し制御が実行されたことを示す表示(インジケー
ト)が行われる(ステップ19A)。
【0086】このステップ19Aによる表示は、視覚的
な表示や音声による表示あるいはこれらを併用したもの
であってよく、その視覚的な表示は、車両のインストル
メントパネルやメータパネルなどに文字によって行うこ
とができる。図4は、その視覚的な表示の一例を示して
おり、電気的な変速レンジを意味する“ESR”と現在
設定されている変速レンジを示す“D”などの表示を行
うことができる。そして電気的な操作に基づく変速レン
ジの切り換えが、変速が禁止されていることに伴って取
り消された場合には、図5に示すように、変速レンジの
文字表示を複数回点滅させる。なお、図5は、変速レン
ジの文字を点滅させるオン・オフ信号を示しており、変
速レンジの切り換え指示の取り消しが行われたt0 時点
から複数回、一定時間毎にオフ信号となる。このオン・
オフ信号は、警告音のオン・オフ信号としてもよい。
【0087】なお、図3における他のステップは、図2
に示すフローチャートと同じであり、その説明を省略す
る。また図3示す各ステップと請求項4の発明における
各手段との対応関係を説明すると、前記ステップ13が
請求項4の発明における電気的レンジ切換指示検出手段
に相当し、またステップ15が請求項4の発明における
変速判断手段に相当し、さらにステップ16,17,2
3,24が請求項4の発明における変速許可判断手段に
相当し、ステップ18Aが請求項4の発明におけるレン
ジ切換キャンセル手段に相当する。
【0088】したがって図3に示す制御によれば、電気
的な操作によって変速レンジの切り換え操作を行い、そ
の変速レンジの切り換えに伴う変速が禁止されているこ
とによって変速レンジの切り換えが実行されない場合、
その変速レンジの切り換え指示自体が取り消される。そ
のため、変速レンジの切り換え指示が存在しない状態に
戻るので、その後にたとえ変速が許可される状態が生じ
ても、変速レンジの切り換えやそれに伴う変速が発生す
ることがない。すなわち変速レンジの切り換え操作から
ある程度の時間が経過した時点での変速レンジの変更や
変速が生じることがなく、変速の遅れ感などによる違和
感が防止される。
【0089】以上、この発明を具体例に基づいて説明し
たが、この発明は図7に示すギヤトレーンや図9に示す
油圧回路以外のギヤトレーンあるいは油圧回路を備えた
自動変速機を対象として実施できる。また上記の例で
は、変速を実行できない条件としてエンジンのオーバー
ランおよび車両安定化制御システムでのダウンシフトの
禁止制御を挙げたが、この発明では、これらの条件以外
に例えばナビゲーションシステムでの変速禁止判断など
他の適宜の変速禁止条件を取り込んで変速禁止および変
速レンジの切り換え禁止を判断することとしてもよい。
【0090】
【発明の効果】以上説明したように請求項1の発明によ
れば、電気的手段によって変速レンジを切り換える場
合、その変速レンジの切り換えに伴って変速が生じ、か
つその変速が車両の状態に基づいて実行できない場合に
限って変速レンジの切り換えを禁止することとしたの
で、変速レンジの切り換えに伴って変速が発生しないな
どの場合には電気的操作に伴って変速レンジを切り換え
ることが可能になり、その結果、電気的手段により変速
レンジを切り換えることのできる頻度が高くなり、変速
レンジの電気的手段による切り換え操作性が向上する。
【0091】また請求項2の発明によれば、車両の状態
によって変速レンジの切り換えが、変速不能のために一
時的に禁止された場合には、その変速レンジの切り換え
指示を保留し、変速可能な状態になることにより、保留
されている変速レンジの切り換えを実行するので、電気
的手段による変速レンジの切り換え指示を繰り返す必要
が少なくなり、変速レンジの電気的手段による切り換え
操作性が向上する。
【0092】特に請求項3の発明によれば、変速レンジ
の切り換え指示が保留されていることを表示手段で知る
ことができるので、不必要に変速レンジの切り換え指示
操作を繰り返すことが回避され、操作性あるいは利便性
が一層向上する。
【0093】そして請求項4の発明によれば、変速が禁
止されていることによって電気的な操作による変速レン
ジの切り換えが禁止された場合には、その変速レンジの
切り換えが禁止された時点で変速レンジの切り換え指示
が取り消されるので、事後的に変速が許可されても変速
レンジの切り換えやそれに伴う変速が生じることがな
く、その結果、変速の遅れなどによる違和感を防止する
ことができる。さらにまた請求項5の発明によれば、変
速レンジの切り換え指示が取り消された場合、視覚的あ
るいは音声によって告知される。そしてさらに、請求項
6の発明にれば、走行レンジの切り換えに伴って変速が
生じない場合には、その走行レンジの切り換えを許可
し、また変速が生じるものの動力源がオーバーランする
ことがなければ、走行レンジの切り換えおよび変速を許
可し、走行レンジの切り換えに伴う変速により動力源が
オーバーランする場合には走行レンジの切り換えを禁止
できるので、変速レンジの電気的手段による切り換え操
作性を向上させることができる。そして、請求項7の発
明によれば、変速レンジの切り換え指示が取り消された
場合、視覚的あるいは音声によって告知される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる制御装置による制御例を説明
するためのフローチャートである。
【図2】この発明にかかる制御装置による他の制御例を
説明するためのフローチャートである。
【図3】変速レンジの切り換えの禁止に伴って変速レン
ジの指示を取り消す制御例を説明するためのフローチャ
ートである。
【図4】その制御で実施される変速レンジの一例を模式
的に示す図である。
【図5】変速レンジの切り換え指示が取り消された場合
の表示の点滅を説明するための図である。
【図6】この発明で対象とする自動変速機の全体的な制
御系統を模式的に示す図である。
【図7】この発明で対象とする自動変速機のギヤトレー
ンの一例を示すスケルトン図である。
【図8】各変速段を設定するための摩擦係合装置の係合
・解放状態を示す図表である。
【図9】この発明で対象とする自動変速機の油圧回路の
一部を示す部分油圧回路図である。
【図10】この発明による第2レンジ操作機構である第
2シフトレバーの配置を示す図であり、(A)はステア
リングホイールの正面から見た図、(B)は第2シフト
レバーの部分拡大図、(C)はステアリングホイールの
側方から見た図である。
【図11】この発明による第1レンジ操作機構である第
1シフトレバーをステアリングコラムに配置し、かつカ
ットオフスイッチとカットスイッチとをステアリングホ
イールの正面側に設けた例の正面図である。
【図12】フロアーあるいはインストルメントパネルに
設けられ、機械的に変速レンジを切り換える第1シフト
レバーのシフトポジションの配列を示す図である。
【図13】フロアーあるいはインストルメントパネルに
設けられ、機械的に変速レンジを切り換える他の第1シ
フトレバーのシフトポジションの配列を示す図である。
【符号の説明】
1 エンジン 2 自動変速機 4 エンジン用電子制御装置 10 自動変速機用電子制御装置 61 第2シフトレバー 62 カットオフスイッチ 63 カットスイッチ 66 第1シフトレバー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷口 浩司 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−248523(JP,A) 特開 平8−210495(JP,A) 特開 平6−341520(JP,A) 特開 平8−152059(JP,A) 特開 平5−240345(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 59/00 - 61/12 F16H 61/16 - 61/24 F16H 63/40 - 63/48

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気的手段によって変速レンジを切り換
    えるレンジ操作機構を備えた自動変速機の制御装置にお
    いて、 前記レンジ操作機構によって変速レンジを切り換える指
    示を行ったことを検出する電気的レンジ切換指示検出手
    段と、 その指示された変速レンジの切り換えに伴って変速が生
    じることを判断する変速判断手段と、 その判断された変速が実行可能なことを判断する変速許
    可判断手段と、 該変速許可判断手段によって前記変速が実行可能なこと
    が判断されない場合に前記指示された変速レンジの切り
    換えを禁止するレンジ切換禁止手段とを備えていること
    を特徴とする自動変速機の制御装置。
  2. 【請求項2】 電気的手段によって変速レンジを切り換
    えるレンジ操作機構を備えた自動変速機の制御装置にお
    いて、 前記レンジ操作機構によって変速レンジを切り換える指
    示を行ったことを検出する電気的レンジ切換指示検出手
    段と、 その指示された変速レンジの切り換えに伴って変速が生
    じることを判断する変速判断手段と、 その判断された変速が実行可能なことを判断する変速許
    可判断手段と、 該変速許可判断手段によって前記変速が実行可能なこと
    が判断されない場合に前記変速レンジの切り換えを保留
    する保留手段と、 該保留手段が前記変速レンジの切り換えを保留した後前
    記変速許可判断手段が前記変速を実行可能なことを判断
    した場合に前記保留されていた変速レンジの切り換えを
    実行する変速レンジ切換実行手段とを備えていることを
    特徴とする自動変速機の制御装置。
  3. 【請求項3】 前記保留手段が変速レンジの切り換えを
    保留していることを表示する保留表示手段を更に備えて
    いることを特徴とする請求項2に記載の自動変速機の制
    御装置。
  4. 【請求項4】 電気的手段によって変速レンジを切り換
    えるレンジ操作機構を備えた自動変速機の制御装置にお
    いて、 前記レンジ操作機構によって変速レンジを切り換える指
    示を行ったことを検出する電気的レンジ切換指示検出手
    段と、 その指示された変速レンジの切り換えに伴って変速が生
    じることを判断する変速判断手段と、 その判断された変速が禁止されていることを判断する変
    速禁止判断手段と、 該変速禁止判断手段によって前記変速の禁止が判断され
    た時点で前記レンジ操作機構によって行った変速レンジ
    の切り換えの指示を取り消すレンジ切換キャンセル手段
    とを備えていることを特徴とする自動変速機の制御装
    置。
  5. 【請求項5】 前記変速レンジの切り換えの指示が前記
    レンジ切換キャンセル手段によって取り消された場合
    に、現在のレンジ表示を所定時間もしくは所定回数点滅
    させる手段と警告音を発生する手段との少なくともいず
    れかを更に備えていることを特徴とする請求項4に記載
    の自動変速機の制御装置。
  6. 【請求項6】 動力源の出力側に連結され、かつ電気的
    手段によって変速レンジを切り換えるレンジ操作機構を
    備えた自動変速機の制御装置において、 前記レンジ操作機構によって変速レンジを切り換える指
    示を行ったことを検出する電気的レンジ切換指示検出手
    段を備え、 その指示された変速レンジの切り換えに伴って前記動力
    源のオーバーランが生じる変速が発生する場合には前記
    指示された変速レンジの切り換えおよびその変速を禁止
    するとともにその変速レンジの切り換えを取り消し、ま
    た前記動力源のオーバーランを生じる変速が発生しない
    場合には前記指示された変速レンジの切り換えおよび変
    速を許可し、さらに前記指示された変速レンジの切り換
    えに伴って変速が発生しない場合には変速レンジの切り
    換えを許可するように構成されていることを特徴とする
    自動変速機の制御装置。
  7. 【請求項7】 前記変速レンジの切り換えの指示が取り
    消された場合に、現在のレンジ表示を所定時間もしくは
    所定回数点滅させる手段と警告音を発生する手段との少
    なくともいずれかを更に備えていることを特徴とする請
    求項6に記載の自動変速機の制御装置。
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