JP2783708B2 - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

自動変速機の制御装置

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JP2783708B2
JP2783708B2 JP3262388A JP26238891A JP2783708B2 JP 2783708 B2 JP2783708 B2 JP 2783708B2 JP 3262388 A JP3262388 A JP 3262388A JP 26238891 A JP26238891 A JP 26238891A JP 2783708 B2 JP2783708 B2 JP 2783708B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動変速機の制御装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、オーバドライブ装置付きの自動変
速機においては、前進3段後進1段の主変速ユニットに
オーバドライブプラネタリギヤユニットから成る副変速
ユニットを加えて前進4段後進1段の変速段を実現して
いる。この場合、上記副変速ユニットは、トルクコンバ
ータで得られる回転を入力する入力軸、プラネタリギヤ
ユニット、該プラネタリギヤユニットのサンギヤを自動
変速機ケースに対して係脱するオーバドライブブレー
キ、上記サンギヤとキャリヤ間を係脱するオーバドライ
ブダイレクトクラッチ、リングギヤに連結される出力軸
等から成っている。そして、上記オーバドライブブレー
キを自動変速機ケースに係合することによって増速を行
い、オーバドライブダイレクトクラッチを係合すること
によってプラネタリギヤユニットを直結状態にするよう
になっている。
【0003】また、上記主変速ユニットは、二つのプラ
ネタリギヤユニットを有しており、両プラネタリギヤユ
ニットの各要素をブレーキ及びクラッチの係脱によって
選択的に連結し、前進3段後進1段の変速段を得てい
る。そして、1速から3速までの変速段においては、上
記オーバドライブプラネタリギヤユニットを直結状態に
し、4速の変速段においては、オーバドライブプラネタ
リギヤユニットを増速状態にして前進4段後進1段の変
速段を実現している。
【0004】ここで、上記両プラネタリギヤユニットの
各要素を選択的に連結するためのブレーキ及びクラッチ
は、いずれも油圧サーボに油を給排することによって係
脱されるようになっている。そのため、油圧回路が配設
され、各種バルブを切り換えることによって調圧された
油が各油圧サーボに対して給排される。ところで、上記
自動変速機においてエンジントルクが増大するのに伴
い、変速ショックを低減するとともに変速特性を多様化
するため、上記オーバドライブプラネタリギヤユニット
による増速機能を追加して前進5段後進1段の変速段を
実現した自動変速機が提供されている(例えば、特開昭
61−55451号公報参照)。この場合、例えば従来
の1速と2速の間に新たに2速を追加し、従来の2速、
3速、4速をそれぞれ3速、4速、5速としている。上
記新しい2速においては、主変速ユニットは1速状態の
ままに維持され、副変速ユニットはオーバドライブブレ
ーキが係合されて増速状態にされる。
【0005】上記構成の自動変速機において、ある変速
段で走行中、隣接する変速段に変速が行われ、主変速ユ
ニットがアップシフトの変速を行うとともに、副変速ユ
ニットがダウンシフトの変速を行うことがある。この場
合、所定の第1の摩擦係合要素が解放されて副変速ユニ
ットが直結状態になるとともに、他の所定の第2の摩擦
係合要素が係合されて主変速ユニットが増速状態にな
る。
【0006】ここで、上述したように主変速ユニット及
び副変速ユニットのいずれか一方がアップシフトの変速
を行うとともに、他方がダウンシフトの変速を行うよう
な変速を同時変速と定義する。上記同時変速において、
主変速ユニットの第2の摩擦係合要素が係合するより副
変速ユニットの第1の摩擦係合要素の解放が遅れると、
副変速ユニットのダウンシフトの変速が遅れてしまい、
自動変速機全体では一旦アップシフトの変速を行った後
にダウンシフトの変速が行なわれ変速ショックが発生す
ることになる。
【0007】そこで、上記第1の摩擦係合要素を解放す
る際に、第1の摩擦係合要素の油圧サーボをアキュムレ
ータから切り離し、油圧サーボ内の油圧を制御しながら
第2の摩擦係合要素を係合させるようにしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の自動変速機の制御装置においては、例えば、副変速
ユニットがダウンシフトの変速を行い、主変速ユニット
がアップシフトの変速を行う同時変速が行われる際に、
適切な変速出力を設定することができない。
【0009】すなわち、上記同時変速は、例えば、低速
段の2速から中速段の3速への2→3変速時、低速段の
2速から高速段の4速への2→4変速時等に行われるよ
うになっていて、いずれの場合も、第1の摩擦係合要素
を解放して副変速ユニットでダウンシフトの変速を行
い、第2の摩擦係合要素を係合して主変速ユニットでア
ップシフトの変速を行うようになっている。
【0010】また、上記第1の摩擦係合要素を解放する
際に、第1の摩擦係合要素の油圧サーボをアキュムレー
タから切り離し、油圧サーボ内の油圧を制御しながら第
2の摩擦係合要素を係合させることができるように、油
圧回路内に同時変速のための専用油圧回路が形成され
る。
【0011】ところが、例えば、低速段から中速段への
同時変速を行うために上記専用油圧回路を使用すると、
油圧回路、ギヤトレーン等の構造上の制約から、低速段
から高速段への同時変速を上記専用油圧回路を使用して
行うことができない。そこで、低速段から高速段への同
時変速を避け、一旦低速段から中速段への同時変速を行
った後、中速段から高速段への変速を行う方法が考えら
れるが、通常、低速段から高速段への変速は、アクセル
が戻されてパワーオフ状態になっているときに必要にな
るので、エンジントルクが低下していて、低速段から中
速段への同時変速に対して外乱が働いてしまう。すなわ
ち、低速段から中速段への同時変速においては、第1の
摩擦係合要素を徐々に解放し、エンジントルク及び主変
速ユニットのアップシフトの変速による引上げ力を発生
させて、ワンウェイクラッチをロックさせ、副変速ユニ
ットのダウンシフトの変速が進行した後、第2の摩擦係
合要素の係合を開始するようにしている。したがって、
この間、第1の摩擦係合要素の油圧サーボと第2の摩擦
係合要素の油圧サーボとはいずれも一時的にドレーン状
態になる。ところが、パワーオフ状態においては、上記
引上げ力が発生しないので、上記第2の摩擦係合要素の
係合が開始されるまでは中速段が形成されない。したが
って、低速段から中速段への同時変速を正常に行うこと
ができず、変速ショックが発生してしまう。
【0012】これに対して、上記低速段で走行中に参照
される変速マップの変速線を特殊な変速線に変更し、低
速段から高速段への同時変速を行うことができないよう
にすることが考えられる。ところが、この場合、低速段
から最高速段への変速が行われることになるので、オー
バドライブスイッチをオン・オフさせることによって通
常走行とオーバドライブ走行とを選択することができる
ようにした自動変速機には適用することができない。そ
こで、低速段から高速段への変速を最高速段を経由して
行う方法が考えられるが、オーバドライブスイッチがオ
フになると、最高速段の走行で十分な場合でも、低速段
から高速段への変速が最高速段を経由して行われてしま
う。したがって、運転状態に対応した変速出力を設定す
ることができないだけでなく、変速時間が長くなってし
まう。
【0013】本発明は、上記従来の自動変速機の制御装
置の問題点を解決して、低速段から高速段への変速を行
うことができ、運転状態に対応した変速出力を設定する
ことができ、変速時間が長くなることがない自動変速機
の制御装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】そのために、本発明の自
動変速機の制御装置においては、副変速ユニット、及び
該副変速ユニットに連結された主変速ユニットを備え、
該主変速ユニット及び副変速ユニットの一方がダウンシ
フトの変速を行い、他方がアップシフトの変速を行う同
時変速を含む各変速によって、多段の変速段を達成する
ようになっている。
【0015】また、CPUと、車両の走行条件を検出す
るセンサと、摩擦係合要素の各油圧サーボに対して選択
的に油を給排する油圧回路と、最高速段による走行を禁
止する指示を選択的に与えるオーバドライブスイッチ
と、エンジン負荷の変化に基づいてパワーオン状態及び
パワーオフ状態を検出するパワーオン・オフ検出手段と
を有する。
【0016】そして、前記油圧回路は、前記同時変速を
行うための専用油圧回路を備える。
【0017】また、前記CPUは、前記センサによって
検出された走行条件に基づいて変速判断を行う手段と、
前記変速判断に基づいて変速出力を発生させる手段と、
前記専用油圧回路の使用が必須である第1の変速段から
第2の変速段への変速が最高速段を経由して行われる変
速出力を設定する第1の変速出力設定手段と、前記パワ
ーオン・オフ検出手段がパワーオン状態を検出したとき
に、前記オーバドライブスイッチによる指示をキャンセ
ルし、最高速段への変速を行う変速出力を設定する第2
の変速出力設定手段とを備える。
【0018】
【作用及び発明の効果】本発明によれば、上記のように
自動変速機の制御装置においては、副変速ユニット、及
び該副変速ユニットに連結された主変速ユニットを備
え、該主変速ユニット及び副変速ユニットの一方がダウ
ンシフトの変速を行い、他方がアップシフトの変速を行
う同時変速を含む各変速によって、多段の変速段を達成
するようになっている。
【0019】また、CPUと、車両の走行条件を検出す
るセンサと、摩擦係合要素の各油圧サーボに対して選択
的に油を給排する油圧回路と、最高速段による走行を禁
止する指示を選択的に与えるオーバドライブスイッチ
と、エンジン負荷の変化に基づいてパワーオン状態及び
パワーオフ状態を検出するパワーオン・オフ検出手段と
を有する。
【0020】そして、前記油圧回路は、前記同時変速を
行うための専用油圧回路を備える。また、前記CPU
は、前記センサによって検出された走行条件に基づいて
変速判断を行う手段と、前記変速判断に基づいて変速出
力を発生させる手段と、前記専用油圧回路の使用が必須
である第1の変速段から第2の変速段への変速が最高速
段を経由して行われる変速出力を設定する第1の変速出
力設定手段と、前記パワーオン・オフ検出手段がパワー
オン状態を検出したときに、前記オーバドライブスイッ
チによる指示をキャンセルし、最高速段への変速を行う
変速出力を設定する第2の変速出力設定手段とを備え
る。この場合、前記センサによって走行条件が検出され
ると、該走行条件によって変速判断が行われ、該変速判
断に基づいて変速出力が発生させられる。そして、第1
の変速出力設定手段によって、前記専用油圧回路の使用
を必須とする第1の変速段から第2の変速段への変速を
最高速段を経由して行う変速出力が設定される。したが
って、第1の変速段から他の変速段への同時変速を行う
ための専用油圧回路を使用することなく、第1の変速段
から第2の変速段への変速を行うことができる。
【0021】また、前記パワーオン・オフ検出手段によ
ってパワーオン状態が検出されると、第2の変速出力設
定手段によって、前記オーバドライブスイッチによる指
示がキャンセルされ、最高速段への変速を行う変速出力
が設定される。したがって、オーバドライブスイッチの
オン・オフにかかわらず最高速段が形成されるので、運
転状態に対応した適切な変速出力を設定することがで
き、変速時間が長くなることがなくなる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
ながら詳細に説明する。図2は本発明の自動変速機の制
御装置の概略図である。この自動変速機は、そのトラン
スミッション部としてトルクコンバータ20と、副変速
ユニット40と、前進3段後進1段の主変速ユニット6
0を備えている。そして、上記トルクコンバータ20
は、ポンプインペラ21、タービンランナ22、ステー
タ23及びロックアップクラッチ24を備えている。上
記ポンプインペラ21は、エンジン1のクランク軸10
と連結され、タービンランナ22は副変速ユニット40
におけるプラネタリギヤユニットのキャリヤ41に入力
軸25を介して連結されている。
【0023】上記副変速ユニット40においては、この
キャリヤ41によって回転可能に支持されたプラネタリ
ピニオン42がサンギヤ43及びリングギヤ44と噛合
している。また、サンギヤ43とキャリヤ41間には、
第3クラッチC0及び第3ワンウェイクラッチF0が設
けられており、サンギヤ43とハウジングHu間には第
4ブレーキB0が設けられている。
【0024】上記主変速ユニット60には、フロント側
プラネタリギヤユニット及びリヤ側プラネタリギヤユニ
ットが備えられている。これらプラネタリギヤユニット
は、それぞれ共通のサンギヤ61、リングギヤ62,6
3、プラネタリピニオン64,65、及びキャリヤ6
6,67から成る。副変速ユニット40のリングギヤ4
4は、入力軸26及び第1クラッチC1を介して上記リ
ングギヤ62に連結されている。また、上記第1クラッ
チC1とサンギヤ61間には第2クラッチC2が設けら
れている。さらに、上記キャリヤ66は上記リングギヤ
63と連結されており、これらキャリヤ66及びリング
ギヤ63は出力軸70と連結されている。一方、上記キ
ャリヤ67とハウジングHu間には第3ブレーキB3及
び第2ワンウェイクラッチF2が設けられており、さら
に、サンギヤ61とハウジングHu間には、第1ワンウ
ェイクラッチF1を介して第2ブレーキB2が設けら
れ、また、サンギヤ61とハウジングHu間には、第1
ブレーキB1が設けられている。
【0025】この自動変速機は、上述のようにトランス
ミッション部を備え、エンジン1の負荷状態を反映して
いるスロットル開度θを検出するスロットルセンサ10
0、第3クラッチC0の図示しないクラッチドラムに対
向して配設されクラッチドラムの回転数NC0を検出する
回転数センサ、第2クラッチC2の図示しないクラッチ
ドラムに対向して配設されクラッチドラムの回転数NC2
を検出する回転数センサ58、出力軸70に対向して配
設され出力軸70の回転数N0 を検出する回転数センサ
60、車速を検出する図示しない車速センサ等の信号が
自動変速機制御装置(ECT)104に入力されるよう
になっている。該自動変速機制御装置104は、CP
U、RAM、ROM等から成り、あらかじめ設定された
変速パターンに従って油圧制御回路106内の第1〜第
3ソレノイドバルブS1〜S3及び図示しないリニアソ
レノイドバルブSLU,SLN,SLTが制御され、各
クラッチ、ブレーキが係脱されて変速制御が行われる。
【0026】また、110はシフトポジションセンサで
あり、運転者によって操作されるシフトレバー62の
N,D,3,2,L,Rのシフト位置を検出する。ま
た、上記第1ソレノイドバルブS1は主変速ユニット6
0の図示しない1−2シフトバルブを制御し、第2ソレ
ノイドバルブS2は主変速ユニット60の図示しない2
−3シフトバルブを制御し、第3ソレノイドバルブS3
は副変速ユニット40の増速状態及び直結状態を切り換
える図示しない3−4シフトバルブを制御し、また、リ
ニアソレノイドバルブSLTはスロットル開度θに対応
して図示しないプライマリレギュレータバルブを制御
し、リニアソレノイドバルブSLNは図示しないアキュ
ムレータコントロールバルブを介して第4ブレーキB0
のアキュムレータの背圧を制御し、リニアソレノイドバ
ルブSLUはロックアップクラッチ24を制御する。
【0027】次に、上記構成の自動変速機の作動につい
て説明する。図3は本発明の自動変速機の作動を示す図
である。図において、○印は係合状態を示し、×印はエ
ンジンブレーキ使用時にのみ係合状態になることを示し
ている。すなわち、D,3, 2,Lの各レンジにおける
1速時は、第1ソレノイドバルブS1がオフ状態、第2
ソレノイドバルブS2がオン状態、第3ソレノイドバル
ブS3がオン状態になって、その結果第3クラッチC0
及び第1クラッチC1が係合され、第3ワンウェイクラ
ッチF0及び第2ワンウェイクラッチF2がロックさ
れ、他は解放状態になっている。したがって、オーバド
ライブプラネタリギヤユニットは、第3クラッチC0及
び第3ワンウェイクラッチF0を介して直結状態にな
り、入力軸25の回転はそのまま主変速ユニット60の
入力軸26に伝達される。また、主変速ユニット60で
は、入力軸26の回転が第1クラッチC1を介してリヤ
側プラネタリギヤユニットのリングギヤ62に伝達さ
れ、それがキャリヤ66及び該キャリヤ66と一体的に
形成された出力軸70に伝達される。この時、サンギヤ
61を介してフロント側プラネタリギヤユニットのキャ
リヤ67に左方向の回転力を付与するが、第2ワンウェ
イクラッチF2がロックされて該回転が阻止され、プラ
ネタリピニオン64は自転して出力軸70と一体的に形
成されたリングギヤ63に減速された回転を伝達する。
【0028】また、D, 3, 2の各レンジにおける2速
時は、第1ソレノイドバルブS1がオフ状態、第2ソレ
ノイドバルブS2がオン状態、第3ソレノイドバルブS
3がオフ状態になって、第3クラッチC0が解放され、
第3ワンウェイクラッチF0がフリー状態になり、第4
ブレーキB0が係合され、第2ワンウェイクラッチF2
がロックされる。
【0029】この時、オーバドライブプラネタリギヤユ
ニットは、第3クラッチC0が解放されるとともに第4
ブレーキB0が係合されるように切り換えられる。した
がって、サンギヤ43の回転が第4ブレーキB0によっ
て阻止され、キャリヤ41が回転しながらプラネタリピ
ニオン42が自転してリングギヤ44に回転を伝達し、
直結状態の主変速ユニット60の入力軸26に増速回転
が伝達される。
【0030】また、主変速ユニット60は、入力軸26
の回転が第1クラッチC1を介してリヤ側プラネタリギ
ヤユニットのリングギヤ62に伝達され、それがキャリ
ヤ66及び該キャリヤ66と一体的に形成された出力軸
70に伝達される。この時、サンギヤ61を介してフロ
ント側プラネタリギヤユニットのキャリヤ67に左方向
の回転力を付与するが、第2ワンウェイクラッチF2が
ロックされて該回転が阻止され、プラネタリピニオン6
4は自転して出力軸70と一体的に形成されたリングギ
ヤ63に2速の回転を伝達する。
【0031】次に、D, 3, 2, Lの各レンジにおける
3速時は、第1ソレノイドバルブS1、第2ソレノイド
バルブS2、第3ソレノイドバルブS3がいずれもオン
状態になる。これにより、第3クラッチC0、第1クラ
ッチC1及び第2ブレーキB2が係合され、第3ワンウ
ェイクラッチF0及び第1ワンウェイクラッチF1がロ
ックされ、他は解放状態になる。したがって、オーバド
ライブプラネタリギヤユニットは直結状態になり、入力
軸25の回転がそのまま主変速ユニット60の入力軸2
6に伝達される。また、主変速ユニット60は、入力軸
26の回転が第1クラッチC1を介してリヤ側プラネタ
リギヤユニットのリングギヤ62に伝達され、プラネタ
リピニオン64を介してサンギヤ61に左方向の回転力
を付与するが、該サンギヤ61は第2ブレーキB2の係
合に伴い第1ワンウェイクラッチF1がロックされて該
方向の回転が阻止され、したがって、プラネタリピニオ
ン64は自転しながらキャリヤ66が回転し、リヤ側プ
ラネタリギヤユニットのみを経由して3速の回転が出力
軸70に伝達される。
【0032】また、Dレンジ及び3レンジにおける4速
時は、第1ソレノイドバルブS1がオン状態、第2ソレ
ノイドバルブS2がオフ状態、第3ソレノイドバルブS
3がオン状態になり、第3クラッチC0、第1クラッチ
C1、第2クラッチC2及び第2ブレーキB2が係合
し、第3ワンウェイクラッチF0がロックされ、他は解
放状態になる。したがって、オーバドライブプラネタリ
ギヤユニットは直結状態になり、また主変速ユニット6
0は、両クラッチC1,C2の係合によってリヤ側プラ
ネタリギヤユニットが一体的に連結されて、入力軸26
の回転はそのまま出力軸70に4速の回転として伝達さ
れる。
【0033】そして、Dレンジにおける5速時すなわち
最高速段は、第1ソレノイドバルブS1がオン状態、第
2ソレノイドバルブS2及び第3ソレノイドバルブS3
がオフ状態になり、第1クラッチC1、第2クラッチC
2及び第2ブレーキB2が係合される。したがって、主
変速ユニット60は4速時と同様に直結状態にあるが、
オーバドライブプラネタリギヤユニットは、第3クラッ
チC0が解放されるとともに第4ブレーキB0が係合さ
れるように切り換えられる。したがって、サンギヤ43
が第4ブレーキB0によってロックされ、キャリヤ41
が回転しながらプラネタリピニオン42が自転してリン
グギヤ44に回転を伝達し、直結状態にある主変速ユニ
ット60の入力軸26に増速回転が5速の回転として伝
達される。
【0034】一方、ダウンシフトの変速を行う場合は、
5→4変速時に、第3クラッチC0が係合されるととも
に第4ブレーキB0が解放され、また、4→3変速時
に、第2クラッチC2が解放され、3→2変速時に、第
3クラッチC0及び第2ブレーキB2が解放されるとと
もに第4ブレーキB0が係合され、そして、2→1変速
時に、第3クラッチC0が係合されるとともに第4ブレ
ーキB0が解放される。
【0035】一方、図示しないマニュアルバルブを3レ
ンジに操作した場合、1速時、2速時及び4速時におい
ては上記Dレンジの場合と同様である。そして、3速時
に、第1クラッチC1、第3クラッチC0及び第2ブレ
ーキB2に加えて第1ブレーキB1が係合され、主変速
ユニット60のサンギヤ61をロックし、エンジンブレ
ーキをきかせる。
【0036】また、マニュアルバルブを2レンジに操作
した場合、1速時においては上記Dレンジの場合と同様
である。そして、2速時に第1クラッチC1及び第4ブ
レーキB0に加えて第3ブレーキB3が係合され、主変
速ユニット60のフロント側プラネタリギヤユニットの
キャリヤ67をロックし、エンジンブレーキをきかせ
る。また、3速時に第3クラッチC0、第1クラッチC
1及び第2ブレーキB2に加えて第1ブレーキB1が係
合され、主変速ユニット60のサンギヤ61をロック
し、エンジンブレーキをきかせる。
【0037】そして、マニュアルバルブをLレンジに操
作した場合、1速時に第1クラッチC1及び第3クラッ
チC0に加えて第3ブレーキB3が係合され、主変速ユ
ニット60のフロント側プラネタリギヤユニットのキャ
リヤ67をロックし、エンジンブレーキをきかせる。ま
た、3速時に第3クラッチC0、第1クラッチC1及び
第2ブレーキB2に加えて第1ブレーキB1が係合さ
れ、主変速ユニット60のサンギヤ61をロックし、エ
ンジンブレーキをきかせる。
【0038】また、Rレンジ時は、第1ソレノイドバル
ブS1がオフ状態、第2ソレノイドバルブS2がオン状
態、第3ソレノイドバルブS3がオン状態になって、第
3クラッチC0、第2クラッチC2及び第3ブレーキB
3は係合され、第3ワンウェイクラッチF0がロックさ
れ、他は解放状態になる。したがって、オーバドライブ
プラネタリギヤユニットは直結状態になり、また、主変
速ユニット60は、入力軸26の回転が第2クラッチC
2によって直接サンギヤ61に伝達され、かつ、第3ブ
レーキB3によってフロント側プラネタリギヤユニット
のキャリヤ67の回転がロックされているので、サンギ
ヤ61の回転はプラネタリピニオン64の自転を介して
リングギヤ62に逆回転として伝達され、出力軸70を
逆回転させる。
【0039】また、マニュアルバルブをRレンジに操作
しても、車速が所定速度例えば9km/h以上にある場
合、第1ソレノイドバルブS1がオン状態になり、第2
クラッチC2が解放状態になって、逆回転状態にはなら
ない。図4は本発明の自動変速機の制御装置における油
圧制御回路の要部を示す第1の回路図、図5は本発明の
自動変速機の制御装置における油圧制御回路の要部を示
す第2の回路図である。
【0040】図4及び図5の油路の端部に付与されてい
る数字及びアルファベットから成る符号は、図4の油圧
回路部分と図5の油圧回路部分が接続されていることを
示すためのものである。図において、11は2速と3速
を切り換える1−2シフトバルブであり、上端の制御油
室11mに第1ソレノイドバルブS1からの油を受け、
1速時及び2速時で右半位置を取り、3速時〜5速時で
左半位置を取る。12は3速と4速を切り換える2−3
シフトバルブである。また、13は第4ブレーキB0の
油圧サーボB−0への油の給排を切り換えるための3−
4シフトバルブであり、第3ソレノイドバルブS3をオ
ン状態又はオフ状態にすることによって制御され、1速
時、3速時及び4速時で右半位置を、2速時及び5速時
で左半位置を取る。
【0041】31は第4ブレーキB0を解放する時の油
圧を制御するためのB−0コントロールバルブ、32は
第1リレーバルブ、33は各油圧サーボに付設されたア
キュムレータの背圧を制御するためのアキュムレータコ
ントロールバルブ、34は第4ブレーキB0を係合する
時に油圧の上昇を調整するためのB−0アキュムレー
タ、35は第2ブレーキB2を係合する時に油圧の上昇
を調整するためのB−2アキュムレータ、38は運転席
に設けられたシフトレバー62に連動して操作されるマ
ニュアルバルブ、39はソレノイドリレーバルブ、50
は第2リレーバルブ、51,71はチェックバルブ、7
2はプライマリレギュレータバルブである。
【0042】上記アキュムレータコントロールバルブ3
3は下端に制御油室33mを有しており、2→3変速時
に該制御油室33mに第2リレーバルブ50を介してB
−0アキュムレータ34の背圧が供給されるようになっ
ていて、該B−0アキュムレータ34の背圧を減圧す
る。また、第1リレーバルブ32は、2→3変速時及び
3→2変速時に上端の制御油室32mに油が供給されて
右半位置を取り、1速時、3速時及び4速時に中間部の
制御油室32kに油が供給されて制御位置を取り、4速
時及び5速時に下端の制御油室32nに油が供給されて
左半位置を取る。そして、2→3変速時においては右半
位置になって、第4ブレーキB0のドレーンコントロー
ルを容易にする。
【0043】3→2変速時においては、第2リレーバル
ブ50と油圧サーボB−0間を連通状態に置き、油圧サ
ーボB−0を急速に係合させる。そして、1速−2速間
の変速時、及び4速−5速間の変速時においては左半位
置を取り、マニュアルバルブ38からのライン圧PL
油をポート32b及びポート32aを介してB−0コン
トロールバルブ31の下端の制御油室31mに供給し、
上記B−0コントロールバルブ31を左半位置に固定さ
せる。
【0044】上記B−0コントロールバルブ31は、ポ
ート31bとポート31c間を結ぶオリフィス回路を有
していて油圧サーボB−0の油の給排の制御パターンを
切り換える。すなわち、2速時において下端の制御油室
31mに上記第1リレーバルブ32の油が供給されて左
半位置を取り、3−4シフトバルブ13からの油を油圧
サーボB−0に供給するが、2→3変速の開始時に上記
第1リレーバルブ32が切り換わり、下端の制御油室3
1mの油がドレーンされて右半位置を取り、上記オリフ
ィス回路が閉鎖され、3−4シフトバルブ13と油圧サ
ーボB−0間が遮断される。したがって、2→3変速の
開始時に油圧サーボB−0の係合油圧が保持される。
【0045】また、2→3変速時以外においては、下端
の制御油室31mに上記第1リレーバルブ32の油が供
給されて左半位置を取るため、1→2変速時及び4→5
変速時において上記オリフィス回路が開放され、該オリ
フィス回路を介して油圧サーボB−0に油を急速に供給
することができる。2→3変速時にはリニアソレノイド
バルブSLUの制御圧PSLu の油がソレノイドリレーバ
ルブ39を介して中間部の制御油室31kに供給され、
油圧サーボB−0の係合油圧をフィードバック制御して
油圧サーボB−0の油をドレーンする。
【0046】第2リレーバルブ50は、上端の制御油室
50mにライン圧PL の油が供給され、下端の制御油室
50nにリニアソレノイドバルブSLUの制御圧PSLu
の油がソレノイドリレーバルブ39を介して供給され
る。そして、2→3変速の開始と同時にリニアソレノイ
ドバルブSLUからの油が供給されて左半位置になり、
第4ブレーキB0の油圧サーボB−0とB−0アキュム
レータ34間を遮断して、油圧サーボB−0の油のドレ
ーンを独立して制御する。そのため、2→3変速時に第
3ソレノイドバルブS3はオフ状態にされる。
【0047】この時、同時に上記アキュムレータコント
ロールバルブ33からB−0アキュムレータ34、B−
2アキュムレータ35等の背圧室に供給される油を、上
記アキュムレータコントロールバルブ33の制御油室3
3mに信号油圧として供給し、背圧を通常の約75%に
減圧する。また、2→3変速時以外においては、上端の
制御油室にライン圧PL の油が供給されて右半位置を取
る。
【0048】72はプライマリレギュレータバルブであ
り、リニアソレノイドバルブSLTで調整された制御圧
SLT の油を制御油室72mに受け、ポート72a及び
ポート72bにライン圧PL を発生する。次に、第4ブ
レーキB0の油圧サーボB−0内の油をドレーンする時
(第4ブレーキB0を解放する時)の制御について説明
する。
【0049】この自動変速機においては、第4ブレーキ
B0を解放させる変速は、2→1変速、5→4変速及び
2→3変速のみである。このうち、2→1変速、及び5
→4変速はいずれも主変速ユニット60が変化しない変
速であるため、第4ブレーキB0の解放は特に配慮しな
くてもよい。これに対し、2→3変速は、同時に主変速
ユニット60が1速から2速のアップシフトの変速が行
われるため、極めて精密な調圧制御が必要となる。
【0050】そのため、第4ブレーキB0を解放する場
合に、副変速ユニット40のみが単独で変速する場合と
主変速ユニット60と副変速ユニット40が同時変速さ
れる場合とで油路が切り換えられるようになっている。
すなわち、2→3変速時においては、第2リレーバルブ
50を左半位置(制御油室50mにチェックバルブ51
からの油が供給されない状態)にして、第2リレーバル
ブ50のポート50bとポート50c間を遮断する。
【0051】その結果、B−0アキュムレータ34と第
4ブレーキB0の油圧サーボB−0間の油路が遮断され
るため、主変速ユニット60の変速段を達成するための
第2ブレーキB2に付設されているB−2アキュムレー
タ35をリニアソレノイドバルブSLN及びアキュムレ
ータコントロールバルブ33によって自由に制御するこ
とができ、しかもその影響が油圧サーボB−0に全く及
ばないようにすることができるようになる。
【0052】一方、第1リレーバルブ32が右半位置に
なるため、B−0コントロールバルブ31の制御油室3
1mのDレンジ圧PD の油がドレーンされ、B−0コン
トロールバルブ31が調圧可能な状態になる。すなわ
ち、B−0コントロールバルブ31が右半位置(上記制
御油室31mのDレンジ圧PD の油をドレーンした状
態)では、ポート31dに供給される制御圧PSLU とス
プリング荷重FS2によってライン圧PL が調圧され、調
圧された油がポート31cから吐出される。なお、ポー
ト31dに供給される制御圧PSLU の油は、リニアソレ
ノイドバルブSLUによって発生させられ、これがソレ
ノイドリレーバルブ39を介して供給されるようになっ
ている。
【0053】したがって、第4ブレーキB0の油圧サー
ボB−0の油をドレーンする場合は、リニアソレノイド
バルブSLUによって調圧された制御圧PSLU の油をB
−0コントロールバルブ31に供給し、該B−0コント
ロールバルブ31によって調圧して、その解放時の油圧
をきめ細かく制御することができるようになっている。
【0054】ところで、上記自動変速機においては、2
速時において第4ブレーキB0が係合され、3速時及び
4速時において第4ブレーキB0が解放されるとともに
第2ブレーキB2が係合され、5速時において第4ブレ
ーキB0が再び係合されるようになっている。そこで、
第4ブレーキB0を係脱する場合の動作について説明す
る。
【0055】第4ブレーキB0が係合する変速には、主
変速ユニット60はそのままで、副変速ユニット40の
みが単独で変速する場合(例えば1→2変速、及び4→
5変速)と、主変速ユニット60がダウンシフトの変速
を行うとともに副変速ユニット40がアップシフトの変
速を行うような同時変速(例えば3→2変速)とがあ
る。この場合、主変速ユニット60と副変速ユニット4
0が同時変速することによって変速段を達成するような
後者の場合は、変速のシーケンス制御上第4ブレーキB
0が係合するまでのタイムラグはできるだけ小さくする
ことが望まれる。一方、副変速ユニット40のみが単独
で変速するような前者の場合は、特にそのような必要性
はない。むしろ比較的ゆっくりと係合した方が変速特性
上好ましい。
【0056】すなわち、第4ブレーキB0を係合する場
合には、第3ソレノイドバルブS3がオフ状態にされ、
3−4シフトバルブ13が左半位置になり、ポート13
aに供給されるライン圧PL の油がポート13bから吐
出される。一方、上記B−0コントロールバルブ31は
左半位置(第1リレーバルブ32のポート32aとポー
ト32bとが接続され、B−0コントロールバルブ31
の制御油室31mにDレンジ圧PD の油を供給した状
態)になり、ポート31bに供給されるライン圧PL
油が調圧されないでそのままポート31cから吐出され
る。
【0057】上記第1リレーバルブ32は、制御油室3
2mに第2ブレーキB2の係合油圧の油が供給され、ポ
ート32cに第4クラッチC0の係合油圧の油が供給さ
れ、制御油室32nに第2クラッチC2の係合油圧の油
が供給され、これら各係合油圧とスプリング荷重Fs3
のバランスによってポート32dとポート32e間、ポ
ート32aとポート32b間が接続、遮断されるように
なっている。そして、上記第1リレーバルブ32は、3
→2変速時に制御油室32mに第2ブレーキB2の係合
油圧の油が供給され右半位置になり、第4ブレーキB0
に供給する油を増加する。
【0058】したがって、3→2変速の判断が発生する
と、第4ブレーキB0の油圧サーボB−0に油を供給す
るための油路は、小オリフィス52の油路及び大オリフ
ィス53の油路の2系統となり油路抵抗が小さくなっ
て、第4ブレーキB0は速やかに係合される。なお、3
→2変速以外で第4ブレーキB0を解放状態から係合状
態とする1→2変速時及び4→5変速時において、上記
第1リレーバルブ32は左半位置になり、第4ブレーキ
B0の油圧サーボB−0に油を供給するための油路は、
小オリフィス52側のみになる。
【0059】ここで、第4ブレーキB0の油圧サーボB
−0に油が供給される場合は、小オリフィス52側のみ
から供給される場合であっても、これに加えて大オリフ
ィス53側からも油が供給される場合であっても、いず
れもB−0アキュムレータ34が接続されていて、該B
−0アキュムレータ34が機能する。そのため、第2リ
レーバルブ50は、その制御油室50mにチェックバル
ブ51から油が供給されており、2→3変速時以外はす
べて右半位置になるように構成されている。また、チェ
ックバルブ51においては、第4クラッチC0の係合油
圧及びLレンジ圧、2レンジ圧が発生したときにそれぞ
れの圧力の油を吐出するようになっている。
【0060】すなわち、第4ブレーキB0の油圧サーボ
B−0に油が供給される時(第4ブレーキB0が係合さ
れる時)は、基本的にB−0アキュムレータ34によっ
てその過渡特性が制御される。該B−0アキュムレータ
34は、リニアソレノイドバルブSLN及びアキュムレ
ータコントロールバルブ33によって制御される。一
方、上記B−0コントロールバルブ31は、第4ブレー
キB0が係合される時には第1リレーバルブ32から制
御油室31mに油が供給されて左半位置になり、調圧機
能は有しない。
【0061】このように、第4ブレーキB0の係合時は
専らB−0アキュムレータ34の調圧機能によって制御
される。ここで、主変速ユニット60と副変速ユニット
40が同時変速中に第2の変速判断が行われた時の動作
について説明する。上述したように2→3変速時におい
ては、B−0アキュムレータ34と油圧サーボB−0間
の油路を遮断し、一方、B−0コントロールバルブ31
を調圧可能な状態にして、リニアソレノイドバルブSL
Uによって調圧された制御圧PSLU の油をB−0コント
ロールバルブ31に供給して、油圧サーボB−0の油を
細かく制御してドレーンすることができるようになって
いる。
【0062】このように、油圧サーボB−0の油を細か
く制御してドレーンしている時に5速の変速判断が行わ
れると、再び第4ブレーキB0を係合する必要が生じ、
一旦切り離されたB−0アキュムレータ34が再び接続
されることになる。その際、油路内の油が作動開始後の
B−0アキュムレータ34に供給されるため、油圧サー
ボB−0内の油圧が一時的ではあるが急激に低下し、自
動変速機全体で同時変速におけるダウンシフトの変速が
急速に進行し、変速ショックが大きくなってしまう。
【0063】そこで、5速への変速を遅らせ、一旦増速
状態を形成し、2→3.5→5変速とすることによって
変速ショックの発生を防止している。上記構成の自動変
速機の制御装置において、自動変速機制御装置104は
変速判断手段を有しており、該変速判断手段は車速信
号、スロットル開度信号等の車両の走行条件に基づい
て、変速マップを参照し、変速の種類ごとに設定された
変速点に達したか否かで変速判断を行うようになってい
る。
【0064】上記変速判断手段によって行われた変速判
断は、変速設定手段に送られ、該変速設定手段が変速出
力を行い変速信号を油圧回路の第1〜第3ソレノイドバ
ルブS1〜S3、リニアソレノイドバルブSLT,SL
U,SLN等に送る。油圧回路には、各摩擦係合要素ご
とに油圧サーボが設けられていて、上記第1〜第3ソレ
ノイドバルブS1〜S3、リニアソレノイドバルブSL
T,SLU,SLN等に送られた変速信号に基づいて油
圧が調整されるとともに1−2シフトバルブ11、2−
3シフトバルブ12及び3−4シフトバルブ13が切り
換えられ、調整された油圧の油が各油圧サーボに選択的
に供給されるようになっている。
【0065】ところで、上記構成の自動変速機の制御装
置においては、上記油圧回路及びギヤトレーンの構成
上、パワーオン状態で走行中は2→4変速を直接行うこ
とができないようになっている。すなわち、2→3変速
を行う場合、第4ブレーキB0を解放して副変速ユニッ
ト40でダウンシフトの変速を行うとともに、第2ブレ
ーキB2を係合して主変速ユニット60でアップシフト
の変速を行う。したがって、この複雑な変速を行うため
に、上述したようなB−0コントロールバルブ31、第
1リレーバルブ32、第2リレーバルブ50等から成る
2→3変速のための専用油圧回路が設けられている。
【0066】一方、2→4変速は、図3の作動表上は上
記2→3変速と同様に副変速ユニット40でダウンシフ
トの変速を行うとともに、主変速ユニット60でアップ
シフトの変速を行うことになるが、油圧回路の構成上の
問題から上記2→3変速のための専用油圧回路を2→4
変速(同時変速)用として使用することができない。し
たがって、上記自動変速機制御装置104内のROMに
は2→4変速を禁止した変速マップが用意されている。
すなわち、該変速マップは、2速からのアップシフトの
変速については4速領域のない特殊な変速線で構成さ
れ、2→4変速を直接行えないようになっている。
【0067】ところで、この種の多段の自動変速機にお
いては、通常走行とオーバドライブ走行を選択可能とす
るオーバドライブスイッチが設けられていて、運転者が
該オーバドライブスイッチをオン・オフすることによっ
て最高速段の走行を可能としたり、禁止したりすること
ができるようになっている。したがって、上記オーバド
ライブスイッチをオフさせた状態においては5速の走行
が禁止され、2→5変速を行うことができなくなってし
まう。
【0068】したがって、上記自動変速機制御装置10
4内の図示しない第1の変速出力設定手段は、第1の変
速段としての2速から第2の変速段としての4速への変
速、すなわち、上記2→4変速を行うために、一旦最高
速段5速を形成し、その後5→4変速を行うようにして
いる。すなわち、2→5→4変速又は2→3.5→5→
4変速が行われる。この間、最高速段の走行が禁止され
ているが一時的に5速が形成される。すなわち、2→
3.5→5→4変速においては、図3に示すように、2
速の状態から副変速ユニット40をハイ状態(増速状
態)のままにして第2ブレーキB2だけを係合し、主変
速ユニット60を2速状態として3.5速を形成し、そ
の後、第2クラッチC2を係合して5速を形成する。そ
して、最後に第3クラッチC0を係合するとともに第4
ブレーキB0を解放して4速を達成する。
【0069】ところが、上記2→3.5→5→4変速に
よって変速を行うと、変速時間が長くなってしまう。す
なわち、2→3.5→5変速を行った後に、更に5→4
変速を行うことになり、単一の変速の3倍程度の変速時
間が必要になり、変速フィーリングが悪化してしまう。
そこで、所定の条件が成立したときに2→5変速を行う
ことができるようになっている。この場合、エンジン負
荷に対応するスロットル開度θの変化率、すなわち、ス
ロットル開度変化速度が検出される。そして、アクセル
を戻したとき等、上記スロットル開度変化速度が設定値
より大きい場合には、5速の変速判断が行われることが
予測されるので、上記自動変速機制御装置104内の図
示しない第2の変速出力設定手段は、2→5変速の変速
出力を行う。
【0070】この場合、5速が達成されると上記最高速
段の走行を禁止する指示がキャンセルされ、5速をその
まま維持する。上記2→5変速は、副変速ユニット40
をハイ状態のままにして主変速ユニット60を1速から
2速へ、2速から3速へとアップシフトの変速を2回繰
り返す多重変速にすぎないので、変速時間が短くなる。
【0071】次に、上記2→3.5→5→4変速におい
ては、5速が形成された後、アクセルを戻してパワーオ
フ状態にした場合には、エンジンブレーキによる制動が
期待されていると判断して、それをトリガに5→4変速
を行う。この場合、パワーオン状態とパワーオフ状態の
判断はパワーオン・オフ検出手段例えばアイドリングス
イッチのオン・オフあるいはスロットル開度θが15%
以内の場合にはパワーオフ状態とする。
【0072】また、上記5速が形成された後、パワーオ
ン状態であればエンジンブレーキによる制動は期待され
ていないと判断されるため、上記5速の走行を禁止する
指示がキャンセルされ、5速をそのまま維持する。そし
て、運転者がアクセルを踏み込めば、5速で出力軸トル
クが不足していることになり、走行条件が変速線の5→
4線を切った時に5→4変速の変速判断を行い、変速信
号を出力する。
【0073】なお、上記2→3.5→5変速時において
第4ブレーキB0は係合状態を維持し、油圧サーボB−
0内の油はドレーンされない。また、第2ブレーキB2
及び第2クラッチC2のそれぞれの油圧サーボB−2、
油圧サーボC−2への油の供給は、それぞれのアキュム
レータの過渡特性によって制御される。また、5→4変
速時において第4ブレーキB0の油圧サーボB−0内の
油のドレーン及び第3クラッチC0の油圧サーボC−0
への油の供給も、アキュムレータの過渡特性によって制
御される。
【0074】図1は本発明の自動変速機の制御装置のフ
ローチャートである。本発明の自動変速機の制御装置に
おいて、オーバドライブスイッチが押下されてオフにな
ると、上記変速設定手段のプログラムにフラグが立てら
れ、このフローチャートに示すような処理が行われる。 ステップS1 2速又は5速の変速出力中か否かを判断
する。変速出力中であればステップS2に進み、2→4
変速を禁止した変速マップが参照される。変速出力中で
なければステップS8に進み、5速の走行を禁止する。 ステップS2 2→5変速の変速中か否かを判断する。
スロットル開度変化速度が設定値より大きい場合には2
→5変速が行われるため、ステップS3に進み、変速中
でなければステップS4に進む。 ステップS3 5速の走行を禁止する指示をキャンセル
し、5速の変速出力を行う。 ステップS4 2→3.5→5変速の変速中か否かを判
断する。スロットル開度変化速度が設定値以下であれば
2→3.5→5変速が行われるため、ステップS6に進
み、変速中でなければステップS5に進む。 ステップS5 2→5変速又は2→3.5→5変速の変
速後の5速の変速出力中か否かを判断する。5速の変速
出力中であればステップS7に進み、変速出力中でなけ
ればステップS8に進む。 ステップS6 3.5速が形成されているか否かを判断
する。形成されている場合はステップS7に進み、形成
されていない場合はステップS3に進む。 ステップS7 パワーオフ状態か否かを判断する。アク
セルが戻され、パワーオフ状態の場合はステップS8に
進み、5速を形成した後に4速の変速出力を行い、パワ
ーオン状態である場合はステップS3に進み、5速の走
行を禁止する指示をキャンセルして5速の変速出力を行
う。 ステップS8 5速の走行を禁止する。
【0075】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形すること
が可能であり、それらを本発明の範囲から排除するもの
ではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自動変速機の制御装置のフローチャー
トである。
【図2】本発明の自動変速機の制御装置の概略図であ
る。
【図3】本発明の自動変速機の作動を示す図である。
【図4】本発明の自動変速機の制御装置における油圧制
御回路の要部を示す第1の回路図である。
【図5】本発明の自動変速機の制御装置における油圧制
御回路の要部を示す第2の回路図である。
【符号の説明】
31 B−0コントロールバルブ 32 第1リレーバルブ 40 副変速ユニット 50 第2リレーバルブ 60 主変速ユニット 100 スロットルセンサ 104 自動変速機制御装置 106 油圧制御回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大坪 秀顕 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 大庭 秀洋 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 木村 弘道 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 岩月 邦裕 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16H 59/00 - 63/48

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 副変速ユニット及び該副変速ユニット
    に連結された主変速ユニットを備え主変速ユニット
    及び副変速ユニットの一方がダウンシフトの変速を行
    い、他方がアップシフトの変速を行う同時変速を含む各
    変速によって、多段の変速段を達成する自動変速機の制
    御装置において、CPUと、車両の走行条件を検出する
    センサと、摩擦係合要素の各油圧サーボに対して選択的
    に油を給排する油圧回路と、最高速段による走行を禁止
    する指示を選択的に与えるオーバドライブスイッチと、
    エンジン負荷の変化に基づいてパワーオン状態及びパワ
    ーオフ状態を検出するパワーオン・オフ検出手段とを有
    するとともに、前記油圧回路は、前記同時変速を行う
    めの専用油圧回路を備え、前記CPUは、前記センサ
    よって検出された走行条件に基づいて変速判断を行う手
    段と、前記変速判断に基づいて変速出力を発生させる
    段と、前記専用油圧回路の使用必須である第1の変速
    段から第2の変速段への変速最高速段を経由して行
    れる変速出力を設定する第1の変速出力設定手段と、前
    記パワーオン・オフ検出手段がパワーオン状態を検出し
    ときに、前記オーバドライブスイッチによる指示をキ
    ャンセルし、最高速段への変速を行う変速出力を設定
    第2の変速出力設定手段備えることを特徴とする
    自動変速機の制御装置。
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