JPH05231526A - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

自動変速機の変速制御装置

Info

Publication number
JPH05231526A
JPH05231526A JP4032322A JP3232292A JPH05231526A JP H05231526 A JPH05231526 A JP H05231526A JP 4032322 A JP4032322 A JP 4032322A JP 3232292 A JP3232292 A JP 3232292A JP H05231526 A JPH05231526 A JP H05231526A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hydraulic pressure
shift
speed
chamber
hydraulic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4032322A
Other languages
English (en)
Inventor
Takuji Fujiwara
卓治 藤原
Mitsutoshi Abe
充俊 安部
Kenji Okamoto
健治 岡本
Masahito Kitada
正仁 北田
Koichiro Takeuchi
浩一郎 竹内
Fumiaki Baba
文章 馬場
Kazuo Kijinami
和雄 来住南
Kenji Kurisu
健二 栗栖
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP4032322A priority Critical patent/JPH05231526A/ja
Publication of JPH05231526A publication Critical patent/JPH05231526A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 摩擦締結要素の締結室および解除室の両方か
ら油圧を排出させて変速を行うに際して、変速時におけ
る上記締結室からの油圧排出のタイミングの遅れを確実
に防止することができる自動変速機の変速制御装置を提
供すること。 【構成】 締結室S/Aと解除室S/Rとを有する2−
4ブレーキ26を備え、上記両室S/A,S/Rに対す
る油圧の給排を制御することにより、上記2−4ブレー
キ26の締結と解放とが切り換えられて変速が行なわれ
るようになっている自動変速機ATの変速制御装置にお
いて、上記締結室S/Aの油圧回路にはアキュムレータ
36が接続されており、上記両室S/A,S/Rから油
圧を排出させて変速が行なわれる変速時に上記締結室S
/Aからの油圧排出に対して上記解除室S/Rからの油
圧排出を遅延させる遅延タイマが設けられていることを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動変速機の変速制御
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車用の自動変速機には、ト
ルクコンバータと変速歯車機構とが直列に設けられ、ト
ルクコンバータはエンジン出力軸のトルクを変速してタ
ービンシャフトに伝達し、変速歯車機構はタービンシャ
フトのトルクをさらに変速して駆動輪側に伝達するよう
になっている。ここで、変速歯車機構は、通常、複数の
ギヤを備えたプラネタリギヤシステムからなり、かかる
変速歯車機構には、所定のギヤへのトルクの伝達をオン
・オフするクラッチ、あるいは所定のギヤを固定または
解放するブレーキ等の、油圧作動式の各種摩擦締結要素
が設けられる。そして、変速時には、油圧回路によって
所定の摩擦締結要素の継断状態が切り替えられ、所定の
変速動作が行なわれるようになっている(例えば、特開
平2−76968号公報参照)。
【0003】例えば前進4段・後退1段の普通の自動変
速機を例にとって説明すれば、例えば3速から2速への
変速時には、3速または4速で締結されるべきクラッチ
(3−4クラッチ)が解放される一方、2速または4速で
締結されるべきブレーキ(2−4ブレーキ)が締結され
る。尚、一般に、このとき、エンジンブレーキを効かす
際に締結しておく所謂コーストクラッチも解放される。
この場合、上記3−4クラッチは、その油室に作動油圧
が作用した締結状態から、上記油室内の作動油圧が排出
されて解放される。一方、上記2−4ブレーキは、該ブ
レーキを締結する際に油圧を作用させる締結室と、該締
結室よりも受圧面積が大きく設定された解除室とを備
え、両方の室に油圧が供給された場合を含めて上記解除
室に油圧が供給された場合、および両方の室から油圧が
排出された場合に解放されるようになっており、3速で
は上記締結室および解除室の両方に油圧を導入して、こ
の2−4ブレーキを解放するように設定されている。
【0004】ところが、上記2−4ブレーキの締結室に
油圧を供給して2速または4速に変速させる場合、該締
結室の油圧の立ち上がりが余り急激に行なわれると、変
速中にブレーキが瞬時に締結され、所謂、変速ショック
が生じることがある。このため、従来では、上記締結室
に油圧を給排する油圧回路にアキュムレータを設けるな
どして作動油圧の立ち上がりを緩慢化させ、この油圧が
緩やかに上昇している間にブレーキをつなげるようにす
るなど、2−4ブレーキの締結に伴う変速ショックの発
生を抑制する対策が講じられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な自動変速機において3速から1速にシフトダウンする
場合、上記3−4クラッチおよび2−4ブレーキは、共
にその作動油圧が全て排出されることによって解放され
る。すなわち、この場合、2−4ブレーキは、締結室と
解除室の両方から油圧が排出されて解放されることにな
る。しかしながら、上記したように締結室側の油圧回路
にはアキュムレータが介設されている関係上、該締結室
からの油圧排出のタイミングが解除室からの油圧排出に
比して遅れがちとなる。このため、この両室から作動油
圧を排出させている最中に、例えば瞬間的に2−4ブレ
ーキが締結される場合が生じ、変速時のフィーリングに
悪影響を及ぼすという問題があった。特に、3速から1
速に変速すべき変速時に2速へのシフトダウンが生じた
場合には、2段変速となり変速フィーリングへの影響が
より顕著なものとなる。また、締結室側の油圧回路に上
記のようなアキュムレータが特に介設されていない場合
であっても、両室の構造やその油圧回路の管路抵抗の相
違やバラツキなどに起因して、締結室からの油圧排出の
タイミングが解除室からの油圧排出に比して遅れること
が考えられ、この場合においても、変速中に2−4ブレ
ーキが不用意に締結される可能性がある。
【0006】本発明は、上記従来の問題点を解決するた
めになされたもので、摩擦締結要素の締結室および解除
室の両方から油圧を排出させて変速を行うに際して、変
速時における上記締結室側からの油圧排出のタイミング
の遅れを確実に防止することができる自動変速機の変速
制御装置を提供することを基本的な目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達するた
め、本願の第1の発明は、締結室と解除室とを有する摩
擦締結要素を備え、上記両室に対する油圧の給排を制御
することにより、上記摩擦締結要素の締結と解放とが切
り換えられて変速が行なわれるようになっている自動変
速機の変速制御装置において、上記摩擦締結要素の両室
から油圧を排出させて変速が行なわれる変速時に上記締
結室からの油圧排出に対して上記解除室からの油圧排出
を遅延させる遅延手段が設けられているようにしたもの
である。
【0008】また、本願の第2の発明は、上記第1の発
明に係る自動変速機の変速制御装置において、上記遅延
手段は、上記摩擦締結要素が解放されかつ他の摩擦締結
要素が締結された変速段から、これら両摩擦締結要素が
解放される変速段への変速が行なわれる変速時に、上記
締結室からの油圧排出に対して上記解除室からの油圧排
出を遅延させることを特徴としたものである。
【0009】更に、本願の第3の発明は、上記第1また
は第2の発明に係る自動変速機の変速制御装置におい
て、上記締結室に油圧を給排する油圧回路にアキュムレ
ータが接続されていることを特徴としたものである。
【0010】また、更に、本願の第4の発明は、上記第
1乃至第3の発明に係る自動変速機の変速制御装置にお
いて、上記遅延手段がタイマ装置を備え、上記解除室か
らの油圧排出を遅延させる遅延特性は上記タイマ装置に
より設定されることを特徴としたものである。
【0011】また、更に、本願の第5の発明は、上記第
1乃至第4の発明に係る自動変速機の変速制御装置にお
いて、上記遅延手段の遅延特性は、運転状態に応じて変
更されることを特徴としたものである。
【0012】
【発明の効果】本願の第1の発明によれば、上記摩擦締
結要素の両室から油圧を排出させて変速が行なわれる変
速時には、上記遅延手段により、上記締結室からの油圧
排出に対して上記解除室からの油圧排出が遅延させられ
る。従って、上記両室から油圧を排出させて変速が行な
われる際に、例えば上記両室の構造やその油圧回路の管
路抵抗の相違などに起因して、上記締結室からの油圧排
出のタイミングが上記解除室側に比べて遅れることを確
実に防止し、変速中に上記摩擦締結要素が不用意に締結
されることを有効に防止できる。
【0013】また、本願の第2の発明によれば、上記第
1の発明に係る摩擦締結要素が解放されかつ他の摩擦締
結要素が締結された変速段から、これら両摩擦締結要素
が解放される変速段への変速が行なわれる際に、上記第
1の発明と同様の効果を奏することができる。
【0014】更に、本願の第3の発明によれば、上記第
1または第2の発明において、上記締結室に油圧を給排
する油圧回路にアキュムレータが接続されているように
したので、上記第1または第2の発明と同様の効果を奏
することができる上、アキュムレータによって締結室側
における油圧の給排が緩慢化されている場合でも、この
油圧給排の緩慢化によって変速ショックの発生を抑制し
つつ、上記締結室からの油圧排出のタイミングが上記解
除室側に比べて遅れることを確実に防止することができ
る。
【0015】また、更に、本願の第4の発明によれば、
上記第1乃至第3の発明に係る自動変速機の変速制御装
置において、上記遅延手段の遅延特性が具体的には上記
タイマ装置によって設定されるようにしたので、上記第
1乃至第3の発明と同様の効果を奏することができる
上、上記遅延手段が実質的にタイマ装置でなるので、変
速制御装置の構成が簡素化されるとともに、その遅延特
性の設定を簡単に行うことができる。
【0016】また、更に、本願の第5の発明によれば、
上記第1乃至第4の発明に係る自動変速機の変速制御装
置において、上記遅延手段の遅延特性は、運転状態に応
じて変更されるようにしたので、上記第1乃至第4の発
明と同様の効果を奏することができる上、上記遅延特性
を、運転状態を表す例えば車速あるいは油圧回路の油温
などに応じて変更することにより、運転状態に応じたよ
りきめ細かな変速制御を実現することができる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を、添付図面に基づい
て詳細に説明する。図2に示すように、自動車用の自動
変速機ATには、エンジン出力軸1のトルク(エンジン
トルク)を変速してタービンシャフト2に伝達するトル
クコンバータ3と、このタービンシャフト2のトルクを
さらに変速し、また後進段が選択されているときには回
転を逆転させて出力ギヤ4から駆動輪側に出力する変速
歯車機構5とが設けられている。ここで、タービンシャ
フト2はパイプ状に形成され、その中空部にはエンジン
出力軸1に連結されたポンプシャフト6が配設され、こ
のポンプシャフト6によって、変速歯車機構5の後方
(図2では左側)に配置されたオイルポンプ7が回転駆動
されるようになっている。
【0018】トルクコンバータ3は、実質的に、連結部
材8を介してエンジン出力軸1に連結されたポンプ9
と、タービンシャフト2に連結されポンプ9から吐出さ
れる作動油によって回転駆動されるタービン10と、タ
ービン10からポンプ9に還流する作動油をポンプ9の
回転を促進する方向に整流するステータ11とで構成さ
れ、ポンプ9とタービン10の回転数差に応じた変速比
で、エンジン出力軸1のトルクを変速するようになって
いる。ここで、ステータ11はステータ用ワンウェイク
ラッチ12を介して変速機ケース13に固定されてい
る。また、所定の運転領域では、エンジン出力軸1とタ
ービンシャフト2とを直結させて、動力損失を低減する
ロックアップクラッチ14が設けられている。
【0019】変速歯車機構5は、普通のプラネタリギヤ
システムであって、この変速歯車機構5には、タービン
シャフト2に遊嵌された比較的小径のスモールサンギヤ
15と、このスモールサンギヤ15より後方でタービン
シャフト2に遊嵌された比較的大径のラージサンギヤ1
6と、スモールサンギヤ15と噛み合う複数のショート
ピニオンギヤ17(1つのみ図示)と、前部(図2では右
側)がショートピニオンギヤ17と噛み合い後部がラー
ジサンギヤ16と噛み合うロングピニオンギヤ18と、
さらにこのロングピニオンギヤ18と噛み合うリングギ
ヤ19と、ショートピニオンギヤ17とロングピニオン
ギヤ18とを回転自在に支持するキャリア20とが設け
られている。この変速歯車機構5では、変速段に応じて
スモールサンギヤ15、ラージサンギヤ16またはキャ
リア20がトルク入力部となる一方、どの変速段でもリ
ングギヤ19がトルク出力部となる。なお、リングギヤ
19は出力ギヤ4に連結されている。
【0020】そして、変速歯車機構5内でのトルク伝達
経路を切り替えるために、すなわち変速比を切り替え、
あるいは出力ギヤ4の回転方向を切り替えるために、複
数のクラッチ及びブレーキが設けられている。具体的に
は、タービンシャフト2とスモールサンギヤ15との間
には、フォワードクラッチ21と第1ワンウェイクラッ
チ22とが直列に介設されるとともに、両クラッチ2
1,22に対して並列にコーストクラッチ23が介設さ
れている。そして、タービンシャフト2とキャリア20
との間には3−4クラッチ24が介設され、タービンシ
ャフト2とラージサンギヤ16との間にはリバースクラ
ッチ25が介設されている。また、ラージサンギヤ16
とリバースクラッチ25との間には、所定の変速段でラ
ージサンギヤ16を固定するための、サーボピストンに
よって作動させられるバンドブレーキからなる2−4ブ
レーキ26が設けられている。さらに、キャリア20と
変速機ケース13'との間には、所定の変速段でキャリ
ア20を固定するローリバースブレーキ27と、キャリ
ア20の反力を受け止める第2ワンウェイクラッチ28
とが並列に介設されている。なお、2−4ブレーキ26
と3−4クラッチ24とは、夫々、請求項1あるいは請
求項2でいう「摩擦締結要素」と「他の摩擦締結要素」とに
相当する。
【0021】上記各クラッチ21,23,24,25のう
ち、フォワードクラッチ21と3−クラッチ24とリバ
ースクラッチ25とは、所定の変速段で直接的にトルク
を受け渡しをする。これに対して、コーストクラッチ2
3は、所定の変速段でエンジンブレーキを得るために設
けられたクラッチであって、直接的にはトルクの受け渡
しを行なわない。なお、以下の説明においては、適宜こ
れらのクラッチとブレーキとを 「摩擦締結要素」 と総称
する。
【0022】そして、各クラッチ21,23,24,25
と各ブレーキ26,27のオン・オフパターンを組み変
えることによって、表1に示すような各種レンジないし
変速段が得られるようになっている。なお、2レンジは
Sレンジと同義であり、1レンジがLレンジと同義であ
る。以下、表1を参照しつつ、各レンジないし変速段に
おけるトルク伝達経路とその変速特性とを説明する。
【0023】
【表1】
【0024】(1)Pレンジ(パーキングレンジ)…すべて
の摩擦締結要素がオフされる。この場合、タービンシャ
フト2のトルクは変速歯車機構5に伝達されない。 (2)Rレンジ(リバースレンジ)…リバースクラッチ25
とローリバースブレーキ27とがオンされ、他の摩擦締
結要素はオフされる。ローリバースブレーキ27がオン
されているので、これと並列に配設された第2ワンウェ
イクラッチ28は、格別の作用を及ぼさない。第1ワン
ウェイクラッチ22は、トルク伝達経路から外れ、格別
の作用を及ぼさない。この場合、タービンシャフト2の
トルクが、リバースクラッチ25を介してラージサンギ
ヤ16に入力される。そして、ローリバースブレーキ2
7によってキャリア20が固定されているので、ラージ
サンギヤ16とロングピニオンギヤ18とリングギヤ1
9とが、この順に噛み合う固定的なギヤ列として機能す
る。したがって、ラージサンギヤ16に入力されたトル
クは、このギヤ列内を上記の順に伝わり、ラージサンギ
ヤ16の歯数とリングギヤ19の歯数とによって決定さ
れる大きな減速比で変速され、出力ギヤ4に出力され
る。このRレンジでは、リングギヤ19(出力ギヤ4)は
ラージサンギヤ16(タービンシャフト2)と反対方向に
回転し、駆動輪が後進側に駆動される。
【0025】(3)Nレンジ(ニュートラルレンジ)…Pレ
ンジの場合と同様である。 (4)Dレンジ(ドライブレンジ)1速…フォワードクラッ
チ21がオンされ、他の摩擦締結要素はオフされる。第
1,第2ワンウェイクラッチ22,28は通常ロック状態
となるが、コースティング時には空転する。この場合、
タービンシャフト2のトルクが、順にフォワードクラッ
チ21と第1ワンウェイクラッチ22とを介してスモー
ルサンギヤ15に入力される。そして、第2ワンウェイ
クラッチ28によってキャリア20が固定されるので、
スモールサンギヤ15とショートピニオンギヤ17とロ
ングピニオンギヤ18とリングギヤ19とが、この順に
噛み合う固定的なギヤ列として機能する。したがって、
スモールサンギヤ15に入力されたトルクは、このギヤ
列内を上記の順に伝わり、スモールサンギヤ15の歯数
とリングギヤ19の歯数とによって決定される大きな減
速比で変速され、出力ギヤ4に出力される。この場合、
リングギヤ19(出力ギヤ4)はスモールサンギヤ15
(タービンシャフト2)と同一方向に回転し、駆動輪が前
進側に駆動される。なお、このDレンジ1速では、第1
ワンウェイクラッチ22の作用によりエンジンブレーキ
は得られない。
【0026】(5)Dレンジ2速…フォワードクラッチ2
1と2−4ブレーキ26とがオンされ、他の摩擦締結要
素はオフされる。第1ワンウェイクラッチ22は通常ロ
ック状態となるが、コースティング時には空転する。な
お、第2ワンウェイクラッチ28は常時空転する。この
場合、ラージサンギヤ16が固定されるので、ロングピ
ニオンギヤ18が、自転しつつラージサンギヤ16まわ
りを公転する。したがって、基本的には上記Dレンジ1
速の場合と同様の経路でトルクが伝達されるが、リング
ギヤ19の回転数がロングピニオンギヤ18の公転分だ
け高くなるので、Dレンジ1速よりはやや減速比が小さ
くなる。なお、このDレンジ2速では、第1ワンウェイ
クラッチ22の作用によりエンジンブレーキは得られな
い。
【0027】(6)Dレンジ3速…フォワードクラッチ2
1とコーストクラッチ23と3−4クラッチ24とがオ
ンされ、他の摩擦締結要素はオフされる。コーストクラ
ッチ23がオンされているので、これと並列に配設され
たフォワードクラッチ21及び第1ワンウェイクラッチ
22は、格別の作用を及ぼさない。なお、第2ワンウェ
イクラッチ28は常時空転する。この場合、スモールサ
ンギヤ15とキャリア20とが、コーストクラッチ23
とタービンシャフト2と3−4クラッチ24とを介し
て、互いにロックされるので、プラネタリギヤシステム
の一般的な性質に従って、すべてのギヤ15〜19とキ
ャリア20とが固定され一体回転するようになり、ター
ビンシャフト2と出力ギヤ4とが直結され、したがって
タービンシャフト2のトルクが変速されずに(減速比1)
出力ギヤ4に伝達される。この場合、出力ギヤ4はター
ビンシャフト2と同一方向に回転し、駆動輪が前進側に
駆動される。なお、直結状態にあるこのDレンジ3速
で、エンジンブレーキが得られるのは当然である。
【0028】(7)Dレンジ4速…フォワードクラッチ2
1と3−4クラッチ24と2−4ブレーキ26とがオン
され、他の摩擦締結要素はオフされる。第1,第2ワン
ウェイクラッチ22,28は常時空転する。なお、第1
ワンウェイクラッチ22が常時空転するので、フォワー
ドクラッチ21はオンされているものの、格別の作用を
及ぼさない。この場合、タービンシャフト2のトルク
が、3−4クラッチ24を介してキャリア20に入力さ
れ、このキャリア20のトルクは、順に、ロングピニオ
ンギヤ18とリングギヤ19とを介して出力ギヤ4に伝
達される。2−4ブレーキ26によってラージサンギヤ
16が固定されているので、ロングピニオンギヤ18
は、自転しつつラージサンギヤ16まわりを公転する。
したがって、リングギヤ19の回転数は、キャリア20
の回転数すなわちタービンシャフト2の回転数より、ロ
ングピニオンギヤ18の自転分だけ高くなり、変速歯車
機構5はオーバードライブ(増速)状態となる。なお、リ
ングギヤ19(出力ギヤ4)はキャリア20(タービンシ
ャフト2)と同一方向に回転し、駆動輪が前進側に駆動
される。
【0029】(8)2レンジ1速…Dレンジ1速の場合と
同様である。 (9)2レンジ2速…フォワードクラッチ21とコースト
クラッチ23と2−4ブレーキ26とがオンされ、他の
摩擦締結要素はオフされる。コーストクラッチ23がオ
ンされているので、これと並列に配設されたフォワード
クラッチ21及び第1ワンウェイクラッチ22は、格別
の作用を及ぼさない。この場合、トルク伝達経路及び変
速特性は、基本的にはDレンジ2速の場合と同様である
が、第1ワンウェイクラッチ22が働かないので、エン
ジンブレーキが得られることになる。
【0030】(10)2レンジ3速…Dレンジ3速の場合
と同様である。 (11)1レンジ1速…フォワードクラッチ21とコース
トクラッチ23とローリバースブレーキ27とがオンさ
れ、他の摩擦締結要素はオフされる。コーストクラッチ
23がオンされているので、これと並列に配設されたフ
ォワードクラッチ21及び第1ワンウェイクラッチ22
は、格別の作用を及ぼさず、またローリバースブレーキ
27がオンされているので、これと並列に配設された第
2ワンウェイクラッチ28も、格別の作用を及ぼさな
い。この場合、トルク伝達経路及び変速特性は、基本的
にはDレンジ1速の場合と同様であるが、第1,第2ワ
ンウェイクラッチ22,28が働かないので、エンジン
ブレーキが得られることになる。 (12)1レンジ2速…2レンジ2速の場合と同様であ
る。
【0031】ここにおいて、前進走行用のレンジ、すな
わちDレンジ、2レンジまたは1レンジがセレクトされ
ているときには、後で説明するコントロールユニット3
2によって、所定の変速マップに従って、スロットル開
度(エンジン負荷)と車速(タービン回転数)とに応じて自
動的に1速〜4速のいずれかの変速段が設定されるよう
になっている。例えば、Dレンジの場合を例にとって説
明すれば、通常は、例えば図8にその一例を示すような
変速マップに従って変速段が切り替えられる。図8に示
す変速マップでは、基本的には、低速・高負荷領域では
1速が設定され、車速の上昇ないしスロットル開度の減
少に伴って、2速→3速→4速へとシフトアップされ、
逆に車速の低下ないしスロットル開度の増加に伴って低
速段側にシフトダウンされるようになっている。なお、
境界領域でシフトアップとシフトダウンの切り替えが頻
繁に起こるのを防止するため、シフトダウン用の変速ラ
イン(破線)は、シフトアップ用の変速ライン(実線)より
低速・高負荷側に設定されている。すなわち、シフトア
ップとシフトダウンとの間にヒステリシスをもたせてい
る。
【0032】次に、変速歯車機構5の各摩擦締結要素を
オン・オフ作動させる油圧機構について説明する。図3
〜図7に示すように、油圧機構FSは、実質的に、油圧
機構FSのライン圧(元圧)を制御するライン圧制御手段
Lと、夫々所定の部材に油圧を供給しまたはこれをリリ
ースする多数の油圧通路からなる油圧通路網Mと、セレ
クトレバー(図示せず)のセレクト操作に対応してシフト
され作動油圧の供給経路を切り替えるマニュアルバルブ
31と、マニュアルバルブ31のシフト位置と車両の運
転状態(例えば、車速とスロットル開度)とに応じて、コ
ントロールユニット32によってシフトされる3つのシ
フトバルブ33〜35と、所定の摩擦締結要素への油圧
の供給ないしリリースを緩衝させるための4つのアキュ
ムレータ36〜39と、所定の摩擦締結要素への油圧の
供給またはリリースのタイミングを調整する3つのタイ
ミングバルブ41〜43及びバイパスバルブ44と、ト
ルクコンバータ3及びロックアップクラッチ14への油
圧の供給を制御するロックアップ制御手段Uと、油圧通
路網Mの所定の部分の流動抵抗を調節するための多数の
オリフィス及びワンウェイバルブ等で構成されている。
上記オリフィス及びワンウェイバルブは、一般に用いら
れるマークで図示されているが、一部を除いて個々には
番号を付していない。なお、上記コントロールユニット
32は、自動変速機ATの総合的な制御手段である。
【0033】そして、セレクトされたレンジ(P,R,N,
D,2,1レンジ)ないしモード(通常またはホールド)と
車両の運転状態とに応じて、油圧機構FSによって、各
摩擦締結要素にかかる作動油圧が制御され、変速歯車機
構5の変速段の切り替えが行なわれるようになってい
る。ここで、2−4ブレーキ26は、アプライポート2
6aにより油圧が給排される締結室S/Aと、リリース
ポート26bにより油圧が給排される解除室S/Rとを
備えたサーボピストンタイプのバンドブレーキであっ
て、上記解除室S/R側が締結室S/A側よりも受圧面
積が大きく設定されており、アプライポート26aのみ
に油圧がかけられているときにオン(ブレーキ作動)さ
れ、両ポート26a,26bともに油圧がかけられている
ときまたはともに油圧がリリースされているときにはオ
フ(ブレーキ解放)される。また、その他の摩擦締結要素
は、すべて油圧がかけられたときにオン(締結)され、油
圧がリリースされたときにオフ(解放)されるようになっ
ている。
【0034】ライン圧制御手段Lは、基本的には、プレ
ッシャレギュレータバルブ50によって、パイロット圧
(制御圧)にほぼ比例するライン圧を、ライン圧供給通路
51内に形成するようになっている。そして、このライ
ン圧供給通路51内のライン圧はマニュアルバルブ31
等に供給されるようになっている。なお、ライン圧供給
通路51内の作動油は、プレッシャレギュレータバルブ
50から、リリーフバルブ52を備えたトルクコンバー
タ油路53を介して、トルクコンバータ3にも供給され
るようになっている。
【0035】プレッシャレギュレータバルブ50に供給
されるパイロット圧は、減圧弁54と、モジュレータバ
ルブ55と、ライン圧制御用アキュムレータ56と、コ
ントロールユニット32によってデューティ制御される
ライン圧制御用デューティソレノイドバルブ57とによ
って形成されるようになっている。具体的には、ライン
圧供給通路51内の油圧(ライン圧)が、減圧弁54によ
って減圧された後、減圧油路58を介してモジュレータ
バルブ55の入力ポート55aに入力される。また、減
圧油路58内の油圧は、デューティ圧通路59を介して
モジュレータバルブ55のコントロールポート55bに
も導入される。ここで、コントロールポート55bにか
かる油圧は、コントロールユニット32から入力される
デューティ比に応じて開閉されるライン圧制御用デュー
ティソレノイドバルブ57によって制御される。なお、
デューティ比は、コントロールユニット32によって、
スロットル開度、車速、セレクトレンジ、変速段等に応
じて所定の方法で設定される。
【0036】そして、コントロールポート55bにかか
る油圧に対応する油圧が、パイロット圧としてモジュレ
ータバルブ55からパイロット圧通路61に出力され
る。ここで、パイロット圧通路61内の油圧(パイロッ
ト圧)の脈動は、ライン圧制御用アキュムレータ56に
よって低減される。このようにして形成されたパイロッ
ト圧が、プレッシャレギュレータバルブ50に供給さ
れ、このパイロット圧に比例するライン圧がライン圧供
給通路51に形成される。なお、パイロット圧通路61
内のパイロット圧は、カットバックバルブ62にも供給
されるようになっている。
【0037】マニュアルバルブ31は、セレクトレバー
(図示せず)のセレクト操作と連動してシフトされ、セレ
クトされたレンジに応じて、ライン圧供給通路51を所
定の油圧供給通路と連通させるようになっている。具体
的には、ライン圧供給通路51を、Dレンジ及び2レン
ジでは第1,第2メイン油圧供給通路63,64と連通さ
せ、1レンジでは第1,第3メイン油圧供給通路63,6
5と連通させ、Rレンジではリバースレンジ用油圧供給
通路66と連通させ、Pレンジ及びNレンジでは上記油
圧供給通路63〜66のどれとも連通させないようにな
っている。
【0038】ここで、第1メイン油圧供給通路63は1
−2シフトバルブ用油圧通路63aとフォワードクラッ
チ用油圧通路63bとに分岐し、1−2シフトバルブ用
油圧通路63aは1−2シフトバルブ33の第1入力ポ
ート33aに接続され、フォワードクラッチ用油圧通路
63bはさらに分岐して、3−4シフトバルブ35の第
1入力ポート35aとフォワードクラッチ21とに接続
されている。第2メイン油圧供給通路64は、2−3シ
フトバルブ34の第1入力ポート34aに接続されてい
る。第3メイン油圧供給通路65は、ローレデューシン
グバルブ67(減圧弁)とボールバルブ68とを介して、
第2分岐油圧通路66bに集合された後、1−2シフト
バルブ33の第2入力ポート33bに接続されている。
リバースレンジ用油圧供給通路66は、第1分岐油圧供
給通路66aと、1−2シフトバルブ用通路66bとに分
岐し、第1分岐油圧供給通路66aはリバースクラッチ
25に接続され、1−2シフトバルブ用通路66bは上
記ボールバルブ68を介して1−2シフトバルブ33の
第2入力ポート33bに接続されている。
【0039】各シフトバルブ33〜35は、夫々、基本
的にはコントロールユニット32によって制御され、入
力ポートから入力される油圧を、セレクトされたレンジ
と変速段とに応じて、所定の出力ポートから出力して所
定の摩擦締結要素に供給し、あるいはリリースするよう
になっている。具体的には、1−2シフトバルブ33に
は、前記した第1,第2入力ポート33a,33bと、第
1,第2出力ポート33c,33dとが設けられ、第1出力
ポート33cはアプライポート用油圧通路71を介して
2−4ブレーキ26のアプライポート26aに接続さ
れ、第2出力ポート33dはローリバースブレーキ用油
圧通路72を介してローリバースブレーキ27に接続さ
れている。
【0040】2−3シフトバルブ34には、前記した第
1入力ポート34aと、第2入力ポート34bと、第1,
第2出力ポート34c,34dとが設けられ、第2入力ポ
ート34bは第1接続通路73を介して3−4シフトバ
ルブ35の第1出力ポート35cに接続され、第1出力
ポート34cは3−4クラッチ用油圧通路74を介して
3−4クラッチ24に接続され、第2出力ポート34d
は第2接続通路75とボールバルブ76と後で説明する
コーストクラッチ用油圧通路77とを介してコーストク
ラッチ23に接続されている。また、3−4クラッチ用
油圧通路74から分岐する第3接続通路78が設けら
れ、この第3接続通路78は3−4シフトバルブ35の
第2入力ポート35bに接続されている。
【0041】3−4シフトバルブ35には、前記した第
1,第2入力ポート35a,35b及び第1出力ポート35
cと、第2出力ポート35dとが設けられ、第2出力ポー
ト35dは、リリースポート用油圧通路81を介して2
−4ブレーキ26のリリースポート26bに接続される
とともに、コーストクラッチ用油圧通路77を介してコ
ーストクラッチ23に接続されている。なお、リリース
ポート用油圧通路81とコーストクラッチ用油圧通路7
7とは、第2出力ポート35d近傍では1本に集合され
ている。
【0042】各シフトバルブ33,34,35は、夫々、
バルブスプール33v,34v,35vの位置を、オン位置
またはオフ位置に切り替えることによって、シフトバル
ブ内での油圧伝達経路を切り替えられるようになってい
る。ここで、オン位置とは図5,図6において右寄りの
位置であり、オフ位置とは左寄りの位置である。なお、
図5,図6中において、各バルブスプール33v,34v,
35vの中心線より上側の部分はオン位置をとった状態
を示し、中心線より下側の部分はオフ位置をとった状態
を示している。そして、各バルブスプール33v,34v,
35vは、各シフトバルブ33,34,35の右側端部に
設けられたコントロール油室33s,34s,35sに油圧
(パイロット圧)がかけられたときにはオフ位置をとり、
このパイロット圧がリリースされたときにはオン位置を
とるようになっている。
【0043】1−2シフトバルブ33のコントロール油
室33sには、ライン圧供給通路51から分岐する第1
コントロール用油圧通路82が接続され、この第1コン
トロール用油圧通路82には、コントロールユニット3
2によってオン・オフされる第1ソレノイドバルブ83
が介設されている。そして、第1ソレノイドバルブ83
がオンされたときには、第1コントロール用油圧通路8
2内のパイロット圧がリリースされ、これに伴ってコン
トロール油室33s内のパイロット圧がリリースされ、
バルブスプール33vがオン位置をとる。このとき、第
1出力ポート33cは第1入力ポート33aと連通し、第
2出力ポート33dは、ドレンポート(×印がつけられて
いる)と連通して開放される。他方、第1ソレノイドバ
ルブ83がオフされたときには、コントロール油室33
sにパイロット圧がかけられ、バルブスプール33vはオ
フ位置をとる。このとき、第1出力ポート33cは開放
され、第2出力ポート33dは第2入力ポート33bと連
通する。
【0044】2−3シフトバルブ34のコントロール油
室34sには、フォワードクラッチ用油圧通路63bから
分岐する第2コントロール用油圧通路84が接続され、
この第2コントロール用油圧通路84に、コントロール
ユニット32によってオン・オフされる第2ソレノイド
バルブ85が介設されている。この場合も、1−2シフ
トバルブ33の場合と同様に、第2ソレノイドバルブ8
5のオン・オフに対応して、バルブスプール34vがオ
ン位置またはオフ位置をとる。ここで、バルブスプール
34vがオン位置をとったときには、第1出力ポート3
4cは開放され、第2出力ポート34dは第2入力ポート
34bと連通する。他方、バルブスプール34vがオフ位
置をとったときには、第1出力ポート34cは第1入力
ポート34aと連通し、第2出力ポート34dは開放され
る。
【0045】3−4シフトバルブ35のコントロール油
室35sには、第2コントロール用油圧通路84から分
岐する第3コントロール用油圧通路86が接続され、こ
の第3コントロール用油圧通路86に、コントロールユ
ニット32によってオン・オフされる第3ソレノイドバ
ルブ87が介設されている。この場合も、1−2シフト
バルブ33の場合と同様に、第3ソレノイドバルブ87
のオン・オフに対応して、バルブスプール35vがオン
位置またはオフ位置をとる。ここで、バルブスプール3
5vがオン位置をとったときには、第1,第2出力ポート
35c,35dはともに開放される。他方、バルブスプー
ル35vがオフ位置をとったときには、第1出力ポート
35cは第1入力ポート35aと連通し、第2出力ポート
35dは第2入力ポート35bと連通する。
【0046】そして、摩擦締結要素に急激に作動油圧が
供給されあるいはリリースされると変速ショックが生じ
るので、作動油圧の立ち上がりないしリリースを緩慢化
するために、所定の油圧通路にはアキュムレータが設け
られている。具体的には、アプライポート用油圧通路7
1に対して1−2アキュムレータ36が設けられ、1−
2シフトバルブ用通路66bに対してN−Rアキュムレ
ータ37が設けられ、フォワードクラッチ用油圧通路6
3bに対してN−Dアキュムレータ38が設けられ、3
−4クラッチ用油圧通路74に対して2−3アキュムレ
ータ39が設けられている。なお、各アキュムレータ3
6〜39には、夫々、ライン圧供給通路51から分岐す
る背圧通路89を介して、ライン圧が背圧として供給さ
れるようになっている。
【0047】また、レンジないし変速段の切り替え時に
おいて、変速歯車機構5に内部ロック(ダブルロック)等
が生じないように、所定の摩擦締結要素のオン・オフタ
イミングを調整する3−2タイミングバルブ41と2−
3タイミングバルブ42とコーストタイミングバルブ4
3とバイパスバルブ44とが設けられている。
【0048】ロックアップ制御手段Uは、ロックアップ
シフトバルブ91とロックアップコントロールバルブ9
2と、第1,第2ロックアップ制御用ソレノイドバルブ
93,94とを備えた普通のロックアップ機構であっ
て、作動油供給通路95を介してトルクコンバータ3に
作動油を供給するとともにトルクコンバータ3内の作動
油を作動油戻り通路96を介してオイルクーラ97に案
内し、かつ必要に応じてロックアップクラッチ用油圧通
路98を介してロックアップクラッチ14に油圧を供給
するようになっている。
【0049】かかる油圧機構FSによって、マニュアル
バルブ31のレンジ位置と、第1〜第3ソレノイドバル
ブ83,85,87のオン・オフ状態とに応じて、各摩擦
締結要素への油圧のオン・オフが制御され、前記表1に
示すような各種レンジないし変速段が得られるようにな
っている。表2に、各レンジ(P,R,N,D,2,1レン
ジ)ないし変速段に対応する第1〜第3ソレノイドバル
ブ83,85,87のオン・オフパターンを示す。なお、
PレンジまたはNレンジでは、マニュアルバルブ31か
ら、第1〜第3メイン油圧供給通路63〜65及びリバ
ースレンジ用油圧供給通路66のいずれにも油圧が供給
されないので、第1〜第3ソレノイドバルブ83,85,
87のオン・オフ状態にかかわりなく、どの摩擦締結要
素にも油圧が供給されない。したがって、すべての摩擦
締結要素がオフされ、変速歯車機構5は中立状態とな
り、トルクを伝達しない。
【0050】以下、表2を参照しつつ、各走行レンジ
(R,D,2,1レンジ)ないし変速段における、油圧機構
FS内での油圧の伝達経路を説明する。
【0051】
【表2】
【0052】(1)Rレンジ…マニュアルバルブ31はR
レンジ位置をとり、第1,第2ソレノイドバルブ83,8
5はオフされ、第3ソレノイドバルブ87はオンされ
る。この場合、リバースレンジ用油圧供給通路66に油
圧が供給され、この油圧が第1分岐油圧供給通路66a
を介してリバースクラッチ25に供給され、リバースク
ラッチ25がオンされる。また、リバースレンジ用油圧
供給通路66内の油圧は、順に、1−2シフトバルブ用
通路66bと、1−2シフトバルブ33の第2入力ポー
ト33bと、第2出力ポート33dと、ローリバースブレ
ーキ用油圧通路72とを介してローリバースブレーキ2
7に供給され、ローリバースブレーキ27がオンされ
る。他の摩擦締結要素は油圧が供給されないのでオフさ
れる。 (2)Dレンジ1速…マニュアルバルブ31はDレンジ位
置(図5はこの状態を示す)をとり、第1,第2メイン油
圧供給通路63,64に油圧が供給される。なお、これ
は以下のDレンジ2〜4速でも同様である。そして、第
1ソレノイドバルブ83はオフされ、第2,第3ソレノ
イドバルブ85,87はオンされる。この場合、第1メ
イン油圧供給通路63内の油圧が、フォワードクラッチ
用油圧通路63bを介してフォワードクラッチ21に供
給され、フォワードクラッチ21がオンされる。また、
各シフトバルブ33〜35のどの出力ポートからも油圧
が出力されないので、他の摩擦締結要素はオフされる。
【0053】(3)Dレンジ2速…第1〜第3ソレノイド
バルブ83,85,87はすべてオンされる。この場合、
Dレンジ1速の場合と同様にフォワードクラッチ21が
オンされる。さらに、第1メイン油圧供給通路63内の
油圧が、順に、1−2シフトバルブ用油圧通路63a
と、1−2シフトバルブ33の第1入力ポート33a
と、第1出力ポート33cと、アプライポート用油圧通
路71とを介して2−4ブレーキ26のアプライポート
26aに供給される。このとき、リリースポート26bに
油圧が供給されないので、2−4ブレーキ26がオンさ
れる。他の摩擦締結要素は油圧が供給されないのでオフ
される。
【0054】(4)Dレンジ3速…第1ソレノイドバルブ
83はオンされ、第2,第3ソレノイドバルブ85,87
はオフされる。この場合、Dレンジ2速の場合と同様
に、フォワードクラッチ21がオンされ、かつアプライ
ポート26aに油圧が供給される。しかしながら、後で
説明するように、リリースポート26bにも油圧が供給
されるので、2−4ブレーキ26はオフされる。そし
て、第2メイン油圧供給通路64内の油圧が、順に、2
−3シフトバルブ34の第1入力ポート34aと、第1
出力ポート34cと、3−4クラッチ用油圧通路74と
を介して3−4クラッチ24に供給され、3−4クラッ
チ24がオンされる。また、3−4クラッチ用油圧通路
74内の油圧が、順に、第3接続通路78と、3−4シ
フトバルブ35の第2入力ポート35bと、第2出力ポ
ート35dと、コーストクラッチ用油圧通路77とを介
してコーストクラッチ23に供給され、コーストクラッ
チ23がオンされる。さらに、上記第2出力ポート35
dの油圧が、リリースポート用油圧通路81を介して2
−4ブレーキ26のリリースポート26bに供給され、
前記したとおり、2−4ブレーキ26がオフされる。な
お、リバースクラッチ25とローリバースブレーキ27
とは、油圧が供給されないのでオフされる。
【0055】(5)Dレンジ4速…第1,第3ソレノイド
バルブ83,87はオンされ、第2ソレノイドバルブ8
5はオフされる。この場合、Dレンジ2速の場合と同様
に、フォワードクラッチ21と2−4ブレーキ26とが
オンされる。また、Dレンジ3速の場合と同様に、3−
4クラッチがオンされる。他の摩擦締結要素は油圧が供
給されないのでオフされる。 (6)2レンジ1速…マニュアルバルブ31は2レンジ位
置をとるが、摩擦締結要素への油圧の伝達経路はDレン
ジ1速の場合と同様である。
【0056】(7)2レンジ2速…第1,第2ソレノイド
バルブ83,85はオンされ、第3ソレノイドバルブ8
7はオフされる。この場合、Dレンジ2速の場合と同様
に、フォワードクラッチ21と2−4ブレーキ26とが
オンされる。さらに、フォワードクラッチ用油圧通路6
3b内の油圧が、順に、3−4シフトバルブ35の第1
入力ポート35aと、第1出力ポート35cと、第1接続
通路73と、2−3シフトバルブ34の第2入力ポート
34bと、第2出力ポート34dと、第2接続通路75
と、ボールバルブ76と、コーストクラッチ用油圧通路
77とを介してコーストクラッチ23に供給され、コー
ストクラッチ23がオンされる。他の摩擦締結要素は、
油圧が供給されないのでオフされる。 (8)2レンジ3速…Dレンジ3速の場合と同様である。
【0057】(9)1レンジ1速…マニュアルバルブ31
は1レンジ位置をとり、第1,第3メイン油圧供給通路
63,65に油圧が供給される。第1,第3ソレノイドバ
ルブ83,87はオフされ、第2ソレノイドバルブ85
はオンされる。この場合、Dレンジ1速の場合と同様に
フォワードクラッチ21がオンされ、また2レンジ2速
の場合と同様にコーストクラッチ23がオンされる。さ
らに、第3メイン油圧供給通路65内の油圧が、順に、
ローレデューシングバルブ67と、ボールバルブ68
と、1−2シフトバルブ用通路66bと、1−2シフト
バルブ33の第2入力ポート33bと、第2出力ポート
33dと、ローリバースブレーキ用油圧通路72とを介
してローリバースブレーキ27に供給され、ローリバー
スブレーキ27がオンされる。他の摩擦締結要素は、油
圧が供給されないのでオフされる。 (10)1レンジ2速…マニュアルバルブ31は1レンジ
位置をとるが、摩擦締結要素への油圧伝達経路は2レン
ジ2速の場合と同様である。
【0058】このように、表2に示すようなソレノイド
バルブのオン・オフパターンに対応して、表1に示すよ
うな摩擦締結要素のオン・オフパターンが得られ、所定
のレンジないし変速段が得られる。
【0059】尚、前記したとおり、油圧機構FSには、
各種タイミングバルブ41〜43が設けられ、所定の変
速時において、所定の摩擦締結要素のオン・オフタイミ
ングをより微妙に調整して、内部ロックないし変速ショ
ックの発生防止を図るようにしている。例えば、3−2
タイミングバルブ41について説明すれば、該3−2タ
イミングバルブ41の入力ポート41cは、アプライポ
ート26aへの油圧供給時の油圧の立ち上がりを緩慢化
するオリフィス101よりは1−2シフトバルブ33側
(油圧供給側)で、アプライポート用油圧通路71から分
岐する上流側バイパス油圧通路102に接続されてい
る。一方、3−2タイミングバルブ41の出力ポート4
1dは、オリフィス101よりはアプライポート26a側
で、アプライポート用油圧通路71から分岐する下流側
バイパス油圧通路103に接続されている。
【0060】そして、3−2タイミングバルブ41は、
バルブスプール41vがオン位置をとったときには、上
流側バイパス油圧通路102と下流側バイパス油圧通路
103とを連通させる一方、バルブスプール41vがオ
フ位置をとったときには上流側バイパス油圧通路102
と下流側バイパス油圧通路103とを遮断するようにな
っている。ここで、オン位置とは図5において右寄りの
位置であり、オフ位置とは左寄りの位置である。なお、
図5中において、バルブスプール41vの中心線より上
側の部分はオン位置をとった状態を示し、中心線より下
側の部分はオフ位置をとった状態を示している。
【0061】ここで、バルブスプール41vは、3−2
タイミングバルブ41の右側端部に設けられたコントロ
ール油室41sに油圧(パイロット圧)がかけられたとき
にはオフ位置をとり、このパイロット圧がリリースされ
たときにはオン位置をとるようになっている。そして、
3−2タイミングバルブ41のコントロール油室41s
には、ライン圧供給通路51から分岐する第4コントロ
ール用油圧通路104が接続され、この第4コントロー
ル用油圧通路104には、コントロールユニット32に
よってオン・オフされる3−2ソレノイドバルブ105
が介設されている。
【0062】そして、コントロールユニット32によっ
て3−2ソレノイドバルブ105がオンされたときに
は、第4コントロール用油圧通路104内のパイロット
圧がリリースされ、これに伴ってコントロール油室41
s内のパイロット圧がリリースされ、バルブスプール4
1vはオン位置をとるようになっている。この場合、両
バイパス油圧通路102,103が連通し、アプライポ
ート26aへの油圧供給時には、オリフィス101をバ
イパスする両バイパス油圧通路102,103を通して
アプライポート26aに作動油圧が急速に供給される。
他方、コントロールユニット32によって3−2ソレノ
イドバルブ105がオフされたときには、コントロール
油室41sにパイロット圧がかけられ、バルブスプール
41vはオフ位置をとるようになっている。この場合、
両バイパス油圧通路102,103が遮断され、アプラ
イポート26aへはオリフィス101を介して作動油圧
が供給される。
【0063】ところで、前記したとおり、アプライポー
ト用油圧通路71に対しては、作動油圧供給時の油圧の
立ち上がりを緩慢化して変速ショックの発生を防止する
ために、1−2アキュムレータ36と、より好ましくは
オリフィス101とが設けられている。従って、このま
までは、3速から1速にシフトダウンされる場合、上記
3−4クラッチ24および2−4ブレーキ26が共にそ
の作動油圧が全て排出される際に、該2−4ブレーキ2
6では、締結室S/Aからの油圧排出のタイミングが解
除室S/Rからの油圧排出よりも遅れがちとなり、変速
中に2−4ブレーキ26が不用意に締結されて変速フィ
ーリングに悪影響を及ぼすことが考えられる。特に、図
8の変速マップ上で3速から2速領域を飛び越して1速
に変速すべき変速時に2速へのシフトダウンが経由され
たような場合には、2段変速となり変速フィーリングへ
の影響がより顕著なものとなる。
【0064】そこで、本実施例では、上記2−4ブレー
キ26の両室から油圧を排出させて変速が行なわれる場
合には、例えばコントロールユニット32に付設された
タイマTmにより、上記締結室S/Aからの油圧排出に
対して上記解除室S/Rからの油圧排出を遅延させるよ
うにしている。すなわち、車速やエンジンのスロットル
開度の変化量などが所定の領域にある場合には、上記タ
イマTmをセットすることにより、図9のグラフに示す
ように、3速から2速への変速を所定期間だけ遅延させ
て3速を維持するとともに、上記タイマTmの設定タイ
マ値t(s)で規定されるこの遅延期間については、第1,
第2,第3の各ソレノイドバルブ83,85,87の制御
パターンを、全てのソレノイドバルブ83,85,87が
OFFされるパターンに変更することにより、2−4ブ
レーキ26の解除室S/Rは油圧が作用した状態に維持
される。尚、このとき、3−4クラッチ24の圧力およ
びコーストクラッチ23の圧力も3速状態に維持され
る。
【0065】一方、ソレノイドバルブ83のON/OF
F状態が上記制御パターンに従って変更されてOFFさ
れることにより、2−4ブレーキ26の締結室S/A側
では油圧の排出が開始され、1−2アキュムレータ36
の作用によって比較的緩やかに油圧の排出が行なわれ
る。しかし、このとき、上記解除室S/R側は油圧が作
用した状態に維持されているので、少なくともこの遅延
期間t(s)中は、該解除室S/R内の圧力(S/R圧)は上
記締結室S/A内の圧力(S/A圧)よりも常に高く保た
れる。すなわち、1速へのシフトダウンが生じた場合
に、上記締結室S/Aからの油圧排出のタイミングが上
記解除室S/R側に比べて遅れることを確実に防止し、
変速中に上記2−4ブレーキ26が不用意に締結される
ことを有効に防止できるようになっている。尚、図1
に、かかる3速から1速への変速動作にかかわる摩擦締
結要素への油圧供給経路を簡略化して示す。
【0066】以下、上記自動変速機ATにおいて、3速
から1速に変速すべき変速時に2速へのシフトダウンが
生じた場合におけるトルクショックを緩和させる変速制
御について、図10及び図11のフローチャートを参照
しながら説明する。システムがスタートすると、まず、
ステップ#1で、コントロールユニット32からの変速
命令が、前回(所定時間前)3速でかつ今回は3速でない
か否かが判定される。尚、本実施例では、所定時間(例
えば25msec.)刻みで制御が行なわれるようになって
おり、従って、上記「前回」とは、この制御実行の時間間
隔の最小単位である例えば25msec.前の状態を示して
いる。上記ステップ#1での判定結果がYESの場合、
つまり前回3速であったものが今回他の変速段への変速
命令が出力されている場合には、ステップ#2で、3−
2変速を遅延させる上記タイマTmのタイマ値t(s)を、
予め定められた所定値に設定する。
【0067】次に、上記変速命令による変速段が1速あ
るいは4速であるか否かが判定され(ステップ#4及び
ステップ#5)、この判定結果が共にNOの場合、つま
り2速である場合には、ステップ#6で、スロットルバ
ルブ(不図示)の所定時間当たりの開度変化量が設定値よ
りも小さいか否かが比較判定される。本実施例では、例
えば、50msec.当たりの変化量がバルブ全開度の1/
32よりも小さいか否かを比較判定の基準値(設定値)と
した。上記ステップ#6での判定結果がNOの場合に
は、ステップ#7で、タービン回転数Ntが設定値(例え
ば1700rpm)よりも高いか否かが比較判定され、この
判定結果がNOの場合には、ステップ#8で、タイマ値
t(s)を1だけ減少させるタイマカウントが実行される。
尚、上記ステップ#4,#5,#6又は#7での各判定結
果がいずれか一つでもYESである場合には、いずれの
場合についても、ステップ#9でタイマがリセットされ
る。
【0068】ここで、本実施例において、変速命令によ
る変速段が1速である場合(ステップ#4でYESの場
合)に、タイマTmがリセットされるようにしたのは、3
速から(2速を経ることなく)直接に1速へ変速させる変
速命令が出力されるのは、通常、例えば図8において矢
印(1←3)で示されるように、エンジン負荷がかなり低
い領域であり、かかる低負荷領域の場合には、3速から
1速へのシフトダウン時にトルクショックが生じても、
そのレベルが極めて低いのでほとんど気にならず、変速
フィーリングに悪影響を及ぼすことがないからである。
また、スロットルバルブの開度変化量が設定値よりも小
さい場合(ステップ#6でYESの場合)に、タイマTm
がリセットされるようにしたのは、この場合、アクセル
踏み込み速度が十分に遅くなっており、1速にシフトダ
ウンされる心配がないと考えられるからである。尚、ス
テップ#7において、タービン回転数Ntが上記設定値
よりも高い場合(ステップ#7:YES)に、タイマTmが
リセットされるようにしているが、車速が高くても、ア
クセル踏み込み量が大きいと1速へのシフトダウンが生
じる可能性がある。しかし、この場合にはトルクショッ
クが小さいのでほとんど気にならず、変速フィーリング
に悪影響を及ぼすことはない。
【0069】そして、ステップ#10で、タイマ値t(s)
が0(零)になっているか否かが判定され、この判定結果
がYESの場合には、ステップ#12乃至ステップ#1
5に従って、目標ギヤ位置に応じた変速が実行される。
また、上記ステップ#10での判定結果がNOの場合に
は、ステップ#11で、2速への変速が遅延させられて
3速に維持され、第1乃至第3のソレノイドバルブ8
3,85,87の制御パターンが、図9に示されたタイマ
Tmによる遅延期間t(s)のパターンに変更されるように
なっている。このステップ#11が実行された後、再び
ステップ#1に戻って該ステップ#1以降の各ステップ
が順次実行される。
【0070】すなわち、3速から他の変速段への変速命
令が出力された後に上記ステップ#1が再び実行される
場合、前回が3速ではないので、その判定結果はNOと
なり、ステップ#3でタイマ値t(s)が0になっているか
否かが判定される。この判定結果がNOの場合には、タ
イマTmによる遅延期間中であり、ステップ#4以降の
各ステップが実行される。このようにしてステップ#1
乃至ステップ#11の各ステップの実行を繰り返した結
果、ステップ#10での判定結果が最終的にYESとな
った際には、上記ステップ#12乃至ステップ#15に
従って、目標ギヤ位置に応じた変速が実行されるように
なっている。
【0071】以上、説明したように、本実施例によれ
ば、上記2−4ブレーキ26の締結室S/Aおよび解除
室S/Rの両室から油圧を排出させて変速が行なわれる
変速時、特に、3速から2速に変速すべき変速時に1速
へのシフトダウンが生じた場合には、上記タイマTmが
ONされることにより、上記締結室S/Aからの油圧排
出に対して上記解除室S/Rからの油圧排出のタイミン
グが遅延させられる。すなわち、1速へのシフトダウン
が生じた場合に、上記締結室S/Aからの油圧排出のタ
イミングが上記解除室S/R側に比べて遅れることを確
実に防止することができる。この結果、変速中に上記2
−4ブレーキ26が不用意に締結されることを有効に防
止し、変速フィーリングに悪影響を及ぼすことを防止で
きるのである。
【0072】また、上記締結室S/Aに油圧を給排する
油圧回路71にアキュムレータ36が接続されており、
このアキュムレータ36によって締結室S/A側におけ
る油圧の給排が緩慢化されている場合でも、この油圧給
排の緩慢化によって2−4ブレーキ26が締結された際
の変速ショックの発生を抑制しつつ、上記締結室S/A
からの油圧排出のタイミングが上記解除室S/R側に比
べて遅れることを確実に防止することができる。尚、上
記アキュムレータ36が設けられていない場合でも、例
えば上記両室の構造やその油圧回路の管路抵抗の相違な
どに起因して、上記締結室S/Aからの油圧排出のタイ
ミングが上記解除室S/R側に比べて遅れることを確実
に防止し、変速中に上記2−4ブレーキ26が不用意に
締結されることを有効に防止することができる。更に、
上記解除室S/Rからの油圧排出のタイミングを遅延さ
せる際の遅延特性(遅延期間t(s))が、具体的には、コン
トロールユニット32に付設された上記タイマTmによ
って設定され、遅延手段が実質的にこのタイマTmでな
るので、変速制御装置の構成が簡素化されるとともに、
その遅延特性の設定を簡単に行うことができる。
【0073】尚、上記実施例は、上記解除室S/Rから
の油圧排出のタイミングを遅延させるタイマTmのタイ
マ値t(s)を、予め定められた一定の値に設定するように
したものであったが、この代わりに、車両の運転状態を
表す状態量に応じて変化するように設定することもでき
る。すなわち、上記タイマ値t(s)を、例えば図12に示
すように車速に応じて、あるいは、例えば図13に示す
ように油圧回路の油温に応じて変化するように設定する
ことにより、運転状態に応じたよりきめ細かな変速制御
を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 3−4クラッチと2−4ブレーキへの油圧供
給経路を示す模式図である。
【図2】 自動変速機のシステム構成図である。
【図3】 油圧機構の、変速機まわりのシステム構成図
である。
【図4】 油圧機構の、ライン圧制御手段まわりのシス
テム構成図である。
【図5】 油圧機構の、マニュアルバルブ及び1−2シ
フトバルブまわりのシステム構成図である。
【図6】 油圧機構の、2−3シフトバルブ及び3−4
シフトバルブまわりのシステム構成図である。
【図7】 油圧機構の、ロックアップ制御手段まわりの
システム構成図である。
【図8】 通常のDレンジ用の変速マップの一例を示す
グラフである。
【図9】 3速から1速への変速時における各ソレノイ
ドバルブの制御パターンの変化および各摩擦締結要素の
油圧変化を示すグラフである。
【図10】 3速から1速への変速制御を説明するため
のフローチャートの一部である。
【図11】 3速から1速への変速制御を説明するため
のフローチャートの一部である。
【図12】 タイマ値の車速変化に応じた変更パターン
の一例を示すグラフである。
【図13】 タイマ値の油温変化に応じた変更パターン
の一例を示すグラフである。
【符号の説明】
24…3−4クラッチ 26…2−4ブレーキ 32…コントロールユニット 36…1−2アキュムレータ AT…自動変速機 S/A…締結室 S/R…解除室 Tm…タイマ t(s)…タイマ値
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北田 正仁 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 竹内 浩一郎 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 馬場 文章 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 来住南 和雄 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 栗栖 健二 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 締結室と解除室とを有する摩擦締結要素
    を備え、上記両室に対する油圧の給排を制御することに
    より、上記摩擦締結要素の締結と解放とが切り換えられ
    て変速が行なわれるようになっている自動変速機の変速
    制御装置において、 上記摩擦締結要素の両室から油圧を排出させて変速が行
    なわれる変速時に上記締結室からの油圧排出に対して上
    記解除室からの油圧排出を遅延させる遅延手段が設けら
    れていることを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載された自動変速機の変速
    制御装置において、 上記遅延手段は、上記摩擦締結要
    素が解放されかつ他の摩擦締結要素が締結された変速段
    から、これら両摩擦締結要素が解放される変速段への変
    速が行なわれる変速時に、上記締結室からの油圧排出に
    対して上記解除室からの油圧排出を遅延させることを特
    徴とする自動変速機の変速制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載された自
    動変速機の変速制御装置において、 上記締結室に油圧を給排する油圧回路にアキュムレータ
    が接続されていることを特徴とする自動変速機の変速制
    御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜請求項3のいずれか1に記載
    された自動変速機の変速制御装置において、 上記遅延手段がタイマ装置を備え、上記解除室からの油
    圧排出を遅延させる遅延特性は上記タイマ装置により設
    定されることを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜請求項4のいずれか1に記載
    された自動変速機の変速制御装置において、 上記遅延手段の遅延特性は、運転状態に応じて変更され
    ることを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
JP4032322A 1992-02-19 1992-02-19 自動変速機の変速制御装置 Pending JPH05231526A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4032322A JPH05231526A (ja) 1992-02-19 1992-02-19 自動変速機の変速制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4032322A JPH05231526A (ja) 1992-02-19 1992-02-19 自動変速機の変速制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05231526A true JPH05231526A (ja) 1993-09-07

Family

ID=12355706

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4032322A Pending JPH05231526A (ja) 1992-02-19 1992-02-19 自動変速機の変速制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05231526A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1744084B1 (en) Control apparatus for automatic transmission
KR100344664B1 (ko) 자동변속기의변속제어장치
JPH06341535A (ja) 自動変速機の変速制御装置
JPH0674842B2 (ja) 自動変速機の制御装置
KR960005977B1 (ko) 자동변속기의 유압제어장치
KR950007264B1 (ko) 자동변속기의 라인압제어장치
JPH0730832B2 (ja) 自動変速機の制御装置
JPH06341525A (ja) 自動変速機の油圧制御装置
JPH05231526A (ja) 自動変速機の変速制御装置
JPH02229960A (ja) 自動変速機の液圧制御装置
JP3005826B2 (ja) 自動変速機の変速制御装置
JP3001352B2 (ja) 自動変速機の変速制御装置
JP2918175B2 (ja) 自動変速機の変速制御装置
JP2783708B2 (ja) 自動変速機の制御装置
JP2884989B2 (ja) 自動変速機の変速制御装置
JP2981793B2 (ja) 自動変速機の変速制御装置
JP3073050B2 (ja) 自動変速機の油圧制御装置
JP3034108B2 (ja) 自動変速機の変速制御装置
JP3299814B2 (ja) 自動変速機の制御装置
JPH05172234A (ja) 自動変速機の変速制御装置
JPH05141520A (ja) 自動変速機の油圧制御装置
JPH06174069A (ja) 自動変速機の制御装置
JPH0560215A (ja) 自動変速機の油圧制御装置
JPH051765A (ja) 自動変速機の制御装置
JPH05141517A (ja) 自動変速機の油圧制御装置