JP3915686B2 - 自動変速機の表示装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両用の自動変速機の動作状態を表示する表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両用の自動変速機は、変速段の設定を車速やスロットル開度などの走行状態に基づいて自動的に行うことを基本的な機能とするものであるが、所定の中低速段でエンジンブレーキを効かせたり、設定可能な変速段を所定の中低速段に制限したりする変速レンジの選択は、運転者の手動操作によって行うようになっている。従来、その変速レンジの選択は、フロアーやステアリングコラムなどに設けられたシフトレバーを操作することによって行うよう構成されていたが、その操作のために一方の手をステアリングホイールから離さなければならず、また一時的に視線を前方から外さなければならないなど、操作性の点で改善すべき余地があった。
【0003】
そこで特開平5−196118号公報に記載された発明では、ハンドルにスイッチを設け、そのスイッチを適宜にON/OFFすることにより、変速レンジを切り換えるように構成している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の公報に記載されているように、変速レンジをスイッチ操作によって電気的に切り換えるように構成する場合、操作性を考慮すると、アップおよびダウンの二つのスイッチを設けるのが一般的である。これに対してスイッチ操作によって選択する変速レンジは複数ある。したがって変速レンジを選択するスイッチは、操作するごとに信号を出力するものの、特定の動作状態にとどまらない構造のものが使用される。すなわちスイッチによっては、実際に設定されている変速レンジを知ることができない構造となる。
【0005】
また一方、中低速側の変速レンジでは、所定の変速段でエンジンブレーキを効かせるので、高速側の変速レンジを設定している走行中に、中低速側の変速レンジに切り換えると、ダウンシフトと共にエンジンブレーキ状態が生じることがある。その場合、高車速であれば、エンジン回転数が高くなってしまうので、車速によっては変速レンジの切り換えが禁止される。
【0006】
このように電気的に変速レンジを切り換える場合、レンジ切り換えのためのスイッチが、実際に設定されている変速レンジを表示しないうえに、スイッチ操作しても変速レンジが切り替わらない場合もあり、したがってレバー操作による変速レンジの切り換えとは異なり、スイッチなどの操作機構からは変速レンジを知ることができない不都合があった。
【0007】
この発明は、上記の事情を背景になされたものであり、電気的に変速レンジを切り換えることのできる機構を備えた自動変速機において、その動作状態を表示することのできる表示装置を提供すること目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段およびその作用】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、変速レンジに応じた油圧を出力するマニュアルバルブを該マニュアルバルブに機械的な手段で連結されたシフトレバーによって切換動作させて変速レンジを切り換える第1レンジ操作機構と、電気的手段によって変速レンジを切り換える第2レンジ操作機構とを備えた自動変速機の表示装置において、前記第2レンジ操作機構によるエンジンブレーキレンジへの切り換えを行えないことを検出する電気的切換不許可検出手段と、該電気的切換不許可検出手段が前記第2レンジ操作機構によるエンジンブレーキレンジへの切り換えを行えないことを検出した場合に前記第2レンジ操作機構によるエンジンブレーキレンジへの切り換えを行えないことを表示する手段と、前記電気的切換不許可検出手段が前記第2レンジ操作機構によるエンジンブレーキレンジへの切り換えを行えないことを検出した場合に前記第1レンジ操作機構によるエンジンブレーキレンジへの切り換えを促す表示を行う手動切換表示手段とを備えていることを特徴とするものである。
【0009】
その電気的切換不許可検出手段は、請求項2に記載してあるように、所定の回転部材の回転数の比較に基づいて前記第2レンジ操作機構によるエンジンブレーキレンジへの切り換えを行えないことを検出するように構成することができる。
【0010】
また、その電気的切換不許可検出手段は、請求項3に記載してあるように、検出された減速度に基づいて前記第2レンジ操作機構によるエンジンブレーキレンジへの切り換えを行えないことを検出するように構成することができる。
【0011】
さらに、請求項1ないし3の発明のいずれかにおける前記第1レンジ操作機構は、請求項4に記載されているように、電気的なフェールが生じてもエンジンブレーキレンジへの切り換えを行うことができるように構成することができる。
【0012】
したがって請求項1ないし4のいずれかの発明によれば、電気的に変速レンジを切り換える第2レンジ操作機構が機能しない場合には、手動切換表示手段の表示に基づいて第1レンジ操作機構によってエンジンブレーキレンジへの切り換えが促進され、その結果、機能しない第2レンジ操作機構を操作し続けることによる変速レンジの切り換えの遅延およびそれに伴うブレーキの使用頻度の増大を未然に防止することができる。
【0015】
さらに、請求項5の発明は、シフトレバーを操作することにより該シフトレバーに機械的な手段で連結されたマニュアルバルブを動作させて変速レンジを機械的に切り換えることができるとともに、電気的手段によって変速レンジを切り換えることのできる自動変速機の表示装置において、前記電気的手段によるエンジンブレーキレンジへの切り換えが拒絶された場合にその時点で設定されている変速レンジの強調表示を行う強調表示手段を備え、該強調表示手段は、前記シフトレバーを介した機械的操作で設定された変速レンジから電気的操作によって設定する変速レンジに切り換えることができない場合に、その時点で前記機械的操作によって設定されている変速レンジを表示するように構成されていることを特徴とするものである。
【0017】
あるいはその強調手段は、請求項6に記載されているように、時間あるいは回数が制御される点滅表示を行うように構成することができる。
【0018】
これに加えて、請求項7に記載されているように、前記強調表示手段が強調表示を行う場合に音声告知を行う手段を更に設けることができる。
【0019】
したがって請求項5ないし7のいずれかの発明によれば、現在の変速レンジが強調表示されることによって、電気的手段による変速レンジの切り換えを一時的に行えないことを知ることができ、その結果、自動変速機で設定されている変速レンジを知ることができると同時に次の操作に備えることができる。
【0020】
さらに、請求項8の発明は、変速レンジに応じた油圧を出力するマニュアルバルブを該マニュアルバルブに機械的な手段で連結されたシフトレバーによって切換動作させて変速レンジを切り換える第1レンジ操作機構と、電気的手段によって変速レンジを切り換える第2レンジ操作機構とを備えた自動変速機の表示装置において、前記電気的手段によって設定された変速レンジもしくはその変速レンジで設定されている変速段の少なくとも一方を、車両のフロントウィンド上に表示するヘッドアップディスプレーを備え、該ヘッドアップディスプレーは、変速レンジを前記第2レンジ操作機構によって電気的に切り換えた場合に強制的にオン状態とされ、かつ電気的操作によって設定された変速レンジもしくは変速段を表示するように構成されていることを特徴とするものである。
【0022】
また、そのヘッドアップディスプレーは、請求項9に記載されているように、電気的操作によって変速レンジが切り換えられた場合に、それ以前の表示に替えて電気的に設定された変速レンジに関する情報を表示するように構成することができる。
【0023】
あるいはまた、前記ヘッドアップディスプレーは、請求項10に記載されているように、自動変速機での手動操作に基づく変速が実行された場合に、その変速に関する情報を表示するように構成することができる。
【0024】
したがって請求項8ないし10のいずれかの発明によれば、電気的に変速レンジを切り換える手段が、ステアリングホイールなどのステアリング操作と同時に操作できる箇所に設置できることに加え、その電気的手段で設定された変速レンジや変速段が、車両の前方の視界中に現れ、そのため、変速レンジの切り換えおよびその切り換え操作によって設定された変速レンジや変速段の視認性が向上する。
【0025】
そして請求項11の発明は、変速レンジに応じた油圧を出力するマニュアルバルブを該マニュアルバルブに機械的な手段で連結されたシフトレバーによって切換動作させて変速レンジを切り換える第1レンジ操作機構と、電気的な可能化手段によって動作可能な状態になりかつ電気的手段によって変速レンジを切り換える第2レンジ操作機構とを備えた自動変速機の表示装置において、前記可能化手段は、車両のステアリングホイールに設けられるとともに、オン動作時に信号を出力するモーメンタリースイッチによって構成され、かつ前記信号に基づいて前記レンジ操作機構の可能化および不可能化の処理を行う制御手段と、該制御手段による処理結果を表示する表示手段とを備えていることを特徴とするものである。
【0030】
請求項12の発明は、変速レンジに応じた油圧を出力するマニュアルバルブを該マニュアルバルブに機械的な手段で連結されたシフトレバーによって切換動作させて変速レンジを切り換える第1レンジ操作機構と、電気的な可能化手段によって動作可能な状態になりかつ電気的手段によって変速レンジを切り換える第2レンジ操作機構とを備えた自動変速機の表示装置において、前記可能化手段は、オン動作時に信号を出力するモーメンタリースイッチによって構成され、かつ前記信号に基づいて前記レンジ操作機構の可能化および不可能化の処理を行う制御手段と、該制御手段による処理結果を表示する表示手段とを備え、さらに前記制御手段は、電源の遮断操作によって不可能化処理状態に復帰するように構成されていることを特徴とするものである。
【0031】
さらに、請求項13の発明は、変速レンジに応じた油圧を出力するマニュアルバルブを該マニュアルバルブに機械的な手段で連結されたシフトレバーによって切換動作させて変速レンジを切り換える第1レンジ操作機構と、電気的な可能化手段によって動作可能な状態になりかつ電気的手段によって変速レンジを切り換える第2レンジ操作機構とを備えた自動変速機の表示装置において、前記可能化手段は、オン動作時に信号を出力するモーメンタリースイッチによって構成され、かつ前記信号に基づいて前記レンジ操作機構の可能化および不可能化の処理を行う制御手段と、該制御手段による処理結果を表示する表示手段とを備え、前記制御手段は、シフトレバーを操作する機械的な操作で変速レンジの切り換えを行った場合でも、可能化処理状態を維持するように構成されていることを特徴とするものである。
【0033】
したがって請求項11ないし13のいずれかの発明によれば、可能化手段としてのモーメンタリースイッチを操作した場合、その操作が有効に制御手段で受容されたか否かが、表示手段によって確認でき、操作性が向上する。
【0034】
【発明の実施の形態】
つぎにこの発明を図を参照してより具体的に説明する。先ず、全体的な制御系統について説明すると、図16は、原動機の一例としてのエンジン1および自動変速機2についての制御系統図を示しており、アクセルペダル3の踏み込み量に応じた信号がエンジン用電子制御装置4に入力されている。またエンジン1の吸気配管には、スロットルアクチュエータ5によって駆動される電子スロットルバルブ6が設けられている。そしてこの電子スロットルバルブ6は、アクセルペダル3の踏み込み量に応じて電子制御装置4からスロットルアクチュエータ5に制御信号が出力され、その制御量に応じて開度が制御されるようになっている。
【0035】
エンジン1を制御するための電子制御装置4は、中央演算処理装置(CPU)および記憶装置(RAM,ROM)ならびに入出力インターフェースを主体とするものであって、この電子制御装置4には、上記のアクセルペダル3の踏み込み量に応じた信号に加えて、エンジン回転速度Ne 、吸入空気量Q、吸入空気温度、スロットル開度、車速、エンジン水温、ブレーキスイッチの出力信号などが、制御データとして入力されている。またこのエンジン用電子制御装置4は、上記のスロットルアクチュエータ5の制御に加えて、変速時などにおけるトルク制御のために燃料噴射装置7や点火時期を変更するイグナイタ8などに信号を出力するように構成されている。
【0036】
上記のエンジン1に連結された自動変速機2は、油圧を電気的に制御して変速やロックアップクラッチの係合・解放の制御などを行ういわゆる電子制御式の自動変速機であって、その油圧を制御する油圧制御装置9は、主として変速を実行するための3つのシフトソレノイドバルブSOL1 ,SOL2 ,SOL3 と、主としてエンジンブレーキ状態を制御するソレノイドバルブSOL4 と、主としてロックアップクラッチを制御するリニアソレノイドバルブSLU、スロットル開度に応じてライン圧を制御するリニアソレノイドバルブSLT、主としてアキュームレータの背圧を制御するリニアソレノイドバルブSLNとを備えている。
【0037】
この油圧制御装置9における各ソレノイドバルブに制御信号を出力する自動変速機用電子制御装置10が設けられている。この自動変速機用電子制御装置10は、前述したエンジン用電子制御装置4と同様に、中央演算処理装置(CPU)および記憶装置(RAM,ROM)ならびに入出力インターフェースを主体とするものであり、したがって必要に応じてエンジン用電子制御装置4と統合・一体化することができる。この自動変速機用電子制御装置10は、予め記憶しているマップや演算式に従って入力データに基づく演算を行い、その演算結果に基づいた制御信号を前記各ソレノイドバルブに出力して変速やロックアップクラッチの係合・解放の制御ならびに変速時の過渡油圧の制御などを実行するように構成されている。
【0038】
そして自動変速機用電子制御装置10には、制御データとして、上記のスロットル開度、車速、エンジン水温、ブレーキスイッチの出力信号に加えて、第1レンジ操作機構としてのシフトレバーの位置を示すシフトポジション、パターンセレクトスイッチの出力信号、後述するクラッチC0 の回転数を検出するC0 センサからの出力信号、第2クラッチC2 の回転数を検出するC2 センサの出力信号、自動変速機2の油温、マニュアルシフトスイッチの出力信号、変速レンジを低速側に切り換えるカット信号、変速レンジを高速側に切り換えるカットオフ信号、車速を一定に維持するクルーズコントロール装置(図示せず)の出力するクルーズ信号などが入力されている。さらに自動変速機用電子制御装置10には、シフトレバーの位置を表示するシフトレバー位置インジケータ11と選択されている変速レンジを表示するシフトレンジインジケータ12とが接続されている。なお、これらのインジケータ11,12については後述する。また上記のカット信号やカットオフ信号が有効に出力されるように切り換えるメインスイッチを設けることもでき、その場合、そのメインスイッチの信号は自動変速機用電子制御装置10に入力される。
【0039】
上記各電子制御装置4,10は、相互にデータ通信可能に接続されており、特に自動変速機用電子制御装置10からエンジン用電子制御装置4には、各変速段を設定する信号が送信されており、またエンジン用電子制御装置4から自動変速機用電子制御装置10には、エンジン1の一回転当たりの吸入空気量(Q/Ne )が送信されている。
【0040】
上記の自動変速機2は、前進5段・後進1段の変速段を設定することができ、そのギヤトレーンの一例を図17に示してある。図17において、自動変速機2はトルクコンバータ13を介してエンジン1に連結されている。このトルクコンバータ13は、エンジン1のクランク軸14に連結されたポンプインペラ15と、自動変速機2の入力軸16に連結されたタービンランナー17と、これらポンプインペラ5とタービンランナー17との間を直結するロックアップクラッチ18と、一方向クラッチ19によって一方向の回転が阻止されているステータ20とを備えている。
【0041】
上記自動変速機2は、ハイおよびローの2段の切り換えを行う副変速部21と、後進段および前進4段の切り換えが可能な主変速部22とを備えている。副変速部21は、サンギヤS0 、リングギヤR0 、およびキャリヤK0 に回転可能に支持されてそれらサンギヤS0 およびリングギヤR0 に噛み合わされているピニオンP0 からなる遊星歯車装置23と、サンギヤS0 とキャリヤK0 との間に設けられたクラッチC0 および一方向クラッチF0 と、サンギヤS0 とハウジング29との間に設けられたブレーキB0 とを備えている。
【0042】
主変速部22は、サンギヤS1 、リングギヤR1 、およびキャリヤK1 に回転可能に支持されてそれらサンギヤS1 およびリングギヤR1 に噛み合わされているピニオンP1 からなる第1遊星歯車装置24と、サンギヤS2 、リングギヤR2 、およびキャリヤK2 に回転可能に支持されてそれらサンギヤS2 およびリングギヤR2 に噛み合わされているピニオンP2 からなる第2遊星歯車装置25と、サンギヤS3 、リングギヤR3 、およびキャリヤK3 に回転可能に支持されてそれらサンギヤS3 およびリングギヤR3 に噛み合わされているピニオンP3 からなる第3遊星歯車装置26とを備えている。
【0043】
上記サンギヤS1 とサンギヤS2 とは互いに一体的に連結され、リングギヤR1 とキャリヤK2 とキャリヤK3 とが一体的に連結され、そのキャリヤK3 は出力軸27に連結されている。また、リングギヤR2 がサンギヤS3 に一体的に連結されている。そして、リングギヤR2 およびサンギヤS3 と中間軸28との間に第1クラッチC1 が設けられ、サンギヤS1 およびサンギヤS2 と中間軸28との間に第2クラッチC2 が設けられている。
【0044】
またブレーキ手段として、サンギヤS1 およびサンギヤS2 の回転を止めるためのバンド形式の第1ブレーキB1 がハウジング29に設けられている。また、サンギヤS1 およびサンギヤS2 とハウジング29との間には、第1一方向クラッチF1 およびブレーキB2 が直列に設けられている。この第1一方向クラッチF1 は、サンギヤS1 およびサンギヤS2 が入力軸6と反対の方向へ逆回転しようとする際に係合させられるように構成されている。
【0045】
キャリヤK1 とハウジング29との間には第3ブレーキB3 が設けられており、リングギヤR3 とハウジング29との間には、第4ブレーキB4 と第2一方向クラッチF2 とが並列に設けられている。この第2一方向クラッチF2 は、リングギヤR3 が逆回転しようとする際に係合させられるように構成されている。上記クラッチC0 ,C1 ,C2 、ブレーキB0 ,B1 ,B2 ,B3 ,B4 は、油圧が作用することにより摩擦材が係合させられる油圧式摩擦係合装置である。
【0046】
そして副変速部23におけるクラッチC0 の回転数すなわち入力回転数を検出するC0 センサ30と、主変速部22における第2クラッチC2 の回転数を検出するC2 センサ31が設けられている。なお、これらのセンサ30,31は、前述したように自動変速機用電子制御装置10に接続されている。
【0047】
上記の自動変速機2では、前進5段と後進段とを設定することができ、これらの変速段を設定するための各摩擦係合装置の係合・解放の状態を図18の係合作動表に示してある。なお、図18において○印は係合状態、◎印は係合してもトルク伝達に関係しないことを、●印はエンジンブレーキを効かせるために係合することを、空欄は解放状態をそれぞれ示す。
【0048】
上記の図18に示す各変速レンジおよび変速段を設定するために図19に示す油圧回路が前記油圧制御装置9に設けられている。すなわちスロットル開度に応じたライン圧PL の供給を受けるマニュアルバルブ40と上述した各摩擦係合装置の油圧サーボ手段との間に、第1速エンジンブレーキ用の第4ブレーキB4 に対するコントロール圧PC の給排を制御する 1-2シフトバルブ41、第3速達成用の第2ブレーキB2 に対するドライブレンジ圧PD の給排を制御する 2-3シフトバルブ42、第3速エンジンブレーキ用の第1ブレーキB1 に対するコントロール圧PC の給排と第4速および第5速達成用の第2クラッチC2 に対するドライブレンジ圧PD の給排とを制御する 3-4シフトバルブ43、ブレーキB0 とクラッチC0 とへのライン圧PL の供給を切り換える 4-5シフトバルブ44が設けられている。
【0049】
さらに、ドライブレンジ圧(Dレンジ圧)を元圧として変速中にリニアソレノイドバルブSLNの出力する信号圧で調圧してコントロール圧PC を発生させるプレッシャーコントロールバルブ45、コントロール圧PC の 2-3シフトバルブ42に対する給排を切り換えるエンジンブレーキリレーバルブ46、クラッチC0 に対する 4-5シフトバルブ44を介したライン圧PL の給排を切り換えるC0 エキゾーストバルブ47が設けられている。
【0050】
なお、第1シフトソレノイドバルブSOL1 は 2-3シフトバルブ42の切換用の信号圧を出力し、第2シフトソレノイドバルブSOL2 は 1-2シフトバルブ41の切換用の信号圧を出力し、第3シフトソレノイドバルブSOL3 は 1-2シフトバルブ41を介してC0 エキゾーストバルブ47に切換用の信号圧を出力するようになっている。また第4ソレノイドバルブSOL4 はエンジンブレーキリレーバルブ46とC0 エキゾーストバルブ47とに切換用の信号圧を出力し、リニアソレノイドバルブSLNはプレッシャーコントロールバルブ45に調圧用の信号圧を出力するようになっている。さらに第1ブレーキB1 および第4ブレーキB4 以外の摩擦係合装置にはアキュームレータが付設されている。
【0051】
上記の各部の構成および機能についてさらに詳しく説明すると、マニュアルバルブ40は、図示しない第1レンジ操作機構としてのシフトレバーにケーブルなどの機械的な手段で連結されてシフトレバーに連動するスプールバルブによって構成されており、ライン圧PL を入力ポート48から供給されて、スプール49の摺動位置に応じて入力ポート48を各出力ポートに連通させて出力するものである。具体的には、DポジションではDレンジポート50のみから出力し、“3”ポジションではこれに加えて“3”レンジポート51から出力し、“2”ポジションではさらに“2”レンジポート52から出力し、LポジションではさらにLレンジポート53から出力するようになっている。これに対してRポジションではRレンジポート54から出力し、またNポジションでは全ての出力ポートを閉じ、Pポジションでは入力ポート48をドレーンポートEXに連通させる。なお、上記の自動変速機2では“4”レンジを選択することができるが、これは、最高速段である第5速を禁止する変速レンジであり、マニュアルバルブ40ではスプール49が中心軸線を中心にして回動し、上記の“2”レンジポート52から油圧が出力される。
【0052】
つぎにプレッシャーコントロールバルブ45は、バネによって一方向に押圧されたスプールとプランジャとを有しており、Dレンジ圧PD を入力とし、これをリニアソレノイドバルブSLNの出力信号で調圧し、コントロール圧PC をエンジンブレーキリレーバルブ46を経て 2-3シフトバルブ42に供給する。
【0053】
エンジンブレーキリレーバルブ46は、バネによって一方向に押圧されたスプールとプランジャとを備えた切換弁であって、“2”レンジ圧がプランジャに印加されるとともに、リニアソレノイドバルブSLNの信号圧をスプールに印加され、いずれかの油圧による 2-3シフトバルブ42へのコントロール圧PC の供給と、その油圧の解放による 2-3シフトバルブ42からのコントロール圧PC の排出を切り換える。
【0054】
2-3シフトバルブ42は、バネによって一方向に押圧されたスプールを備えた切換弁であり、第1シフトソレノイドバルブSOL1 の信号圧およびLレンジ圧の印加により、コントロール圧PC の 3-4ソフトバルブ43と 1-2シフトバルブ41とへの供給の切り換え、およびDレンジ圧の油路L1aと油路L1bとへの連通とドレーンの切り換えとを行う。
【0055】
1-2シフトバルブ41は、バネによって一方向に押圧されたスプールを備えた切換弁であり、第2シフトソレノイドバルブSOL2 の信号圧および油路L1aからの油圧により、コントロール圧PC の第4ブレーキB4 への供給とこのブレーキB4 からの排圧との切り換え、および第3シフトソレノイドバルブSOL3 の信号圧の油路LS32 への供給とその油路LS32 からの排出との切り換えを行う。
【0056】
3-4シフトバルブ43は、ピストンを介してバネによって一方向に押圧されたスプールを備えた切換弁であり、第2シフトソレノイドバルブSOL2 の信号圧、油路L1bからの油圧および油路L3 からの油圧により、油路LS3からの第3シフトソレノイドバルブSOL3 の信号圧の油路LS34 を介した 4-5ソフトバルブ44への供給と遮断、油路L1aの油路L1eへの連通と遮断およびコントロール圧PC の第1ブレーキB1 への供給とそのブレーキB1 からの排圧とを制御する。
【0057】
4-5シフトバルブ44は、バネによって一方向に押圧されたスプールを備えた切換弁であり、油路LS34 からの信号圧と油路L2 の油圧により、ライン圧PL のC0 エキゾーストバルブ47への供給と排出との切り換え、油路LL1を介したブレーキB0 への供給とそのブレーキB0 からの排出とを制御する。
【0058】
C0 エキゾーストバルブ47は、バネによって一方向に押圧されたスプール55とプランジャ56とを備えた切換弁であり、油路LS4を経由した第4ソレノイドバルブSOL4 の信号圧、油路LS32 を経由した第3ソレノイドバルブSOL3 の信号圧および油路L1dの油圧により、 4-5シフトバルブ44を経由したライン圧PL を油路LL3を経由してクラッチC0 に供給し、またこのクラッチC0 から排出するようになっている。
【0059】
上記のように構成された油圧制御装置において、図示のニュートラルポジションでは、 4-5シフトバルブ44およびC0 エキゾーストバルブ47を経由してライン圧PL がクラッチC0 に供給されているが、マニュアルバルブ40を経由する油路が遮断されているため、第1クラッチC1 の油圧はドレーンされている。なお、図における各バルブの中心線を挟む位置のずれは、スプール変位の限界位置を示し、特に各シフトバルブについては、中心線の左右に数字の振り分けで、位置と変速段とを対応させている。
【0060】
上記の油圧制御装置によれば、シフト装置を手動操作することに伴うマニュアルバルブ40のポジションの選択に応じて、車速とエンジン負荷(例えばスロットル開度)に対応した電子制御によりレンジ圧の調圧と各シフトソレノイドバルブSOL1 ,〜SOL3 がON/OFF制御されて、各変速段が設定される。すなわち各クラッチおよびブレーキが図18に示すように制御されて一方向クラッチ(OWC)との関連で、各変速段が設定され、また第4ソレノイドバルブSOL4 のON/OFFに伴うその信号圧の出力によってエンジン(E/G)ブレーキ状態を得ることができる。
【0061】
例えばDレンジで第3速を設定している状態で第4ソレノイドバルブSOL4 から信号圧を出力させると、エンジンブレーキリレーバルブ46のスプールが図19の左半分に示す位置に移動させられ、その結果、Dレンジ圧を元圧としたコントロール圧PC が 2-3シフトバルブ42を介して 3-4シフトバルブ43に供給され、ここから第1ブレーキB1 に油圧が供給されてこれが係合する。すなわち第3速でエンジンブレーキが効く状態になる。
【0062】
またDレンジの第2速の状態で第4ソレノイドバルブSOL4 が信号圧を出力すると、C0 エキゾーストバルブ47のスプールの一端側に油圧が供給されるので、そのスプールが図19の左半分に示す位置に移動し、 4-5シフトバルブ44を介して供給されたライン圧PL が副変速部21におけるクラッチC0 に供給されてこれが係合し、第2速でエンジンブレーキを効かせることができる。
【0063】
さらにDレンジの第1速で第4ソレノイドバルブSOL4 が信号圧を出力すると、上述した第3速の場合と同様に、エンジンブレーキリレーバルブ46から 2-3シフトバルブ42にコントロール圧PC が出力され、さらにそのコントロール圧PC が 2-3シフトバルブ42から 1-2シフトバルブ41に供給され、ここから第4ブレーキB4 に送られて、これが係合する。すなわち第1速でエンジンブレーキを効かせることができる。
【0064】
なお、第1速ないし第5速の各変速段は、第1ないし第3のシフトソレノイドバルブSOL1 ,〜SOL3 をON/OFF制御して、その出力圧によって各シフトバルブ41,〜44を適宜に切り換え動作させることにより設定され、これは従来の装置と同様であり、図19の油圧回路から容易に知られるところである。
【0065】
このように上記の自動変速機2では、各変速段を電気的に制御して設定することができ、また第3速以下の変速段でのエンジンブレーキを、第4ソレノイドバルブSOL4 を電気的に制御することにより設定できる。このような機能を利用して、この発明にかかるレンジ制御装置は、前進レンジの切り換えを電気的に行うように構成されている。
【0066】
この前進レンジの切り換えを電気的に行うレンジ操作機構すなわち第2レンジ操作機構の一例を図20に示してある。図20において符号60はステアリングホイール(ハンドル)を示しており、このステアリングホイール60を取り付けてあるステアリングコラム(図示せず)に第2のシフトレバー61が取り付けられている。この第2シフトレバー61は、ステアリングホイール60に接近した位置にステアリングコラムからその半径方向に突出して配置され、その長さは、ステアリングホイール60を握っている手の指で操作できる長さとされている。またこの第2シフトレバー61は、中立位置に常時位置するように弾性力で保持されており、その中立位置からステアリングコラムを中心とした円周方向に回動でき、またステアリングホイール60側に引き寄せることができるように構成されている。
【0067】
第2シフトレバー61の円周方向の回動操作は、変速レンジのアップ・ダウンのための操作であり、その操作を検出するためのスイッチ62,63が設けられている。これらのスイッチ62,63は、ON動作させられる都度、信号を出力するいわゆるモーメンタリースイッチであって、それらのうち、第2シフトレバー61の中立位置に対して図20の反時計方向に回転した位置にあるスイッチ62が、変速レンジを高速側に切り換える(アップレンジ)ための信号を出力するカットオフスイッチであり、これとは反対側に位置するスイッチ63が、変速レンジを低速側に切り換える(ダウンレンジ)ための信号を出力するカットスイッチである。
【0068】
これらのカットオフスイッチ62およびカットスイッチ63は、前述した自動変速機用電子制御装置10に接続されている。またこれらのスイッチ62,63は、図示しないシフト装置のシフトレバーによってDレンジが設定されている場合にアクティブとなるよう、すなわち電気信号を出力可能な状態となるように構成されており、これは、前述したマニュアルバルブ40を機械的に切り換え動作させるシフトレバー(図示せず)によってDレンジが選択された場合に、これらのスイッチ62,63の回路を機能させるように構成することによって達成できる。あるいはこれに替えて、シフト装置やインストルメントパネルあるいは第2シフトレバー61などの適宜の位置に、メインスイッチ64を設け、このメインスイッチ64をON操作することによって各スイッチ62,63をアクティブにするように構成してもよい。このメインスイッチ64としては、ON操作している間のみ、あるいはON操作からその直後の僅かな時間の間のみ信号を出力するモーメンタリースイッチを使用でき、またこのメインスイッチ64がこの発明における可能化手段に相当する。また図示しないシフト装置およびそれによって切換動作させられマニュアルバルブ40がこの発明の第1レンジ操作機構に相当する。
【0069】
さらに第2シフトレバー61をステアリングホイール60側に引き寄せる操作は、第2シフトレバー61を上記のようにステアリングコラムの円周方向に回動操作して電気的に設定した変速レンジをキャンセルしてDレンジに復帰させるための操作であり、そのような第2シフトレバー61の操作を検出するための復帰スイッチ65が設けられている。この復帰スイッチ65は自動変速機用電子制御装置10に接続され、第2シフトレバー61の復帰操作に伴う信号を自動変速機用電子制御装置10に入力するようになっている。なお、この第2シフトレバー61の配置位置および動作方向を図20の(C)に拡大して示してある。
【0070】
第2シフトレバー61を操作することによる変速レンジの切り換えは、マニュアルバルブ40がDレンジ位置にある場合、すなわち機械的に変速レンジを選択するシフト装置でDレンジを選択している場合に実行可能であり、Dレンジでカットスイッチ63もしくはカットオフスイッチ62が信号を出力することにより、変速レンジがダウン制御もしくはアップ制御される。その変速レンジのダウンあるいはアップの制御は、現状の変速レンジに対して一段低速側もしくは高速側の変速レンジに切り換えることにより実行され、具体的には、カットスイッチ63が1回信号を出力するごとに、すなわち第2シフトレバー61を時計方向に1回回動操作するごとに、Dレンジ→“4”レンジ→“3”レンジ→“2”レンジ→Lレンジの順に切り換えられ、また反対にカットオフ信号が1回信号を出力するごとに、すなわち第2シフトレバー61を1回反時計方向に回動操作するごとに、Lレンジ→“2”レンジ→“3”レンジ→“4”レンジ→Dレンジの順に切り換えられる。
【0071】
これらの各変速レンジでは、設定可能な変速段およびエンジンブレーキの効く変速段が決められており、それらの変速段がマップとして予め電子制御装置10に記憶させられている。また併せてエンジンブレーキを効かせるためのソレノイドバルブのON/OFFパターンが記憶させられている。そして前記カットスイッチ63もしくはカットオフスイッチ62がON動作させられるごとにその変速マップおよびソレノイドパターンが変更され、所定の変速レンジが設定される。その場合、Dレンジの状態では、それ以上に高速側の変速レンジが存在しないから、カットオフスイッチ62がON動作することによる出力信号がキャンセルされ、またLレンジでは、それ以下の低速側の変速レンジが存在しないからカットスイッチ63がON動作することによる出力信号がキャンセルされる。
【0072】
さらに変速レンジを低速側の変速レンジに切り換えると、それに併せてダウンシフトが生じることがあり、その場合、エンジン回転数が増大する。したがってエンジン1の保護のために、エンジン1がオーバーランするような状態でカットスイッチ63がON動作させられた場合には、その出力信号をキャンセルし、現状の変速レンジを維持する。これは、従来のシフト装置におけるダウンレンジの禁止制御と同様な制御である。
【0073】
さらに復帰スイッチ65がON動作させられた場合には、機械的にマニュアルバルブ40を移動させて選択されているDレンジを設定する。これは、変速レンジを制御するための変速マップをDレンジ用のものに切り換え、そのマップに従ってソレノイドバルブをON/OFF制御することによって実行される。
【0074】
したがって上記のように構成したレンジ制御装置によれば、前進走行のための変速レンジをステアリングホイール60の近傍に設けた第2シフトレバー61を操作することによって切り換えることができるので、ステアリングホイール60から手を離さずに、また視線を前方に向けたまま、変速レンジの切り換え操作が可能になり、変速レンジの切り換えの操作性が向上する。また特に第2シフトレバー61によって復帰スイッチ65をON動作させることにより、直ちにDレンジを設定できるので、前記カットオフスイッチ62を複数回、ON動作させてDレンジに復帰するのと比較して、Dレンジへの復帰を容易に行うことができ、その点でもレンジ操作の操作性が向上する。
【0075】
なお、車速を一定に維持するクルーズコントロールシステムを搭載している車両では、第2シフトレバー61を操作して“4”レンジを選択している場合には、そのクルーズコントロールシステムを機能させ、またそれより低速側の変速レンジを第2シフトレバー61を操作して変速している場合には、クルーズコントロールシステムの機能をキャンセルする。車速や変速段の制御が重畳してしまうからである。
【0076】
上述したようにこの発明にかかるレンジ操作装置は、前進レンジ同士の間でのシフトを電気的な操作装置で行い、またその電気的なレンジ操作は、マニュアルバルブ40がDレンジに設定されている状態で可能である。したがって前進レンジの間でのシフトのためのスイッチは、必ずしも第2シフトレバー61によって行うよう構成する必要はなく、またマニュアルバルブ40を動作させるための機械的なシフト装置は、前進走行のためのレンジ位置としてDレンジ位置のみを備えた構成であってもよい。図21に示す例は、これらの点を考慮して構成されている。
【0077】
すなわち図21に示す構成では、マニュアルバルブ40にケーブルなどの機械的な手段で連結された第1のシフトレバー66が、ステアリングコラムにその半径方向に突出して設けられている。この第1シフトレバー66は、いわゆる従来のコラムタイプのシフト装置におけるレバーと同様に、ステアリングコラムの円周方向に回動操作されてマニュアルバルブ40を切り換え動作させるように構成されている。また図21に示す例では、第1シフトレバー66は、パーキング(P)、リバース(R)、ニュートラル(N)、ドライブ(D)の4つのレンジ位置のみを備えており、これらのレンジ位置は図21に示すように、ここに挙げた順に反時計方向に配列されている。なお、PレンジとRレンジとの間、およびRレンジとNレンジとの間で、シフトボタン(図示せず)を押圧する必要があるように構成することは任意である。したがってこの第1シフトレバー66がこの発明の第1レンジ操作機構に相当する。
【0078】
またDレンジで電気的に変速レンジを切り換えるためのカットオフスイッチ62とカットスイッチ63とが、ステアリングホイール60の中心寄りの位置に配置されている。なお、これらのスイッチ62,63は、モーメンタリーな押しボタンスイッチによって構成されており、ステアリングホイール60に取り付けられていてもよいが、ステアリングコラムに取り付けることにより、その位置がステアリングホイール60の回転によって変化しないように構成することが好ましい。
【0079】
この図21に示す構成では、図20に示す構成の装置で得られる効果と同様の効果を得ることができるのみならず、従来、運転者用のシートの横に配置されていたシフト装置を廃止できるので、他の車載機器類の配置の自由度が向上する。また第1シフトレバー66がステアリングホイール60よりも前方側に位置することになるが、この第1シフトレバー66によって選択されるレンジ位置は、前述した4つのレンジ位置であるから、運転者のメータパネル(図示せず)やセンタークラスタに対する視線や前方視界を第1シフトレバー66によって遮られることが少なく、視認性の悪化を防止することができる。また許容される範囲でその長さを短くすることにより、センタークラスタなどの視認性を向上させることができる。
【0080】
上述した復帰スイッチ65は、Dレンジより低速側の変速レンジからDレンジに戻すために制御を行うためのものであるが、これと同様に二段以上の変速レンジの切り換えを一動作で実行する機構を設けることもできる。その一例を図22に示してあり、ここに示す例では、第2シフトレバー61をステアリングホイール60から遠ざかる方向(図22の右方向)にその中立位置から移動可能に構成され、これに併せてダブルカットスイッチ67が設けられている。このダブルカットスイッチ67は自動変速機用電子制御装置10に接続され、第2シフトレバー61によってON動作させられることにより信号を出力し、その出力信号に基づいて現状の変速レンジより二段低速側の変速レンジに切り換えるよう構成されている。
【0081】
上述したように、マニュアルバルブ40を機械的操作によって切り換えるための第1シフトレバー66は、主として走行開始時に操作され、走行中での変速レンジの切り換えは、主として第2シフトレバー61やカットオフスイッチ62あるいはカットスイッチ63を操作することによって行われる。したがってPレンジやRレンジなどを機械的操作によって選択するシフトレバーは、要は、必要最低限の変速レンジを選択できればよく、その配置位置は、従来一般の車両と同様に、運転者のシートの横のフロアーであってもよく、あるいはインストルメントパネル上であってもよい。
【0082】
図23は、フロアーあるいはインストルメントパネルに配置されるいわゆるゲート式のシフトレバーの一例を模式的に示しており、Pレンジ、Rレンジ、Nレンジ、Dレンジ、“3”レンジ、Lレンジの各シフトポジションが、ここに挙げた順に車両の前方側から、あるいは上側から図23に示すように配置されている。なお、図23の各シフトポジションを連結している実線は、シフトレバーを移動させるガイド溝を示している。なお、各変速段を手動操作によって設定するいわゆるスポーツモードを選択できる構成とする場合には、図23に(Sport)と記した箇所にスポーツモードのためのシフトポジションを設定すればよい。また電気的操作によって変速レンジを切り換える場合、第1のシフトレバー66をDレンジ位置に設定する必要があるので、Dレンジ位置に“D”の表示と併せて“E”(Electronic)の表示を予め付しておいてもよい。
【0083】
また図24は、図23に示す構成から“3”レンジポジションを廃止し、これに替えてエンジンブレーキレンジであるLレンジへのシフトを選択的に禁止するように構成した例である。すなわち前進レンジは、前述した第2シフトレバー61やカットオフスイッチ62あるいはカットスイッチ63によって選択でき、またこれらの電気的な操作機構によるレンジ操作が容易である。したがって機械的に変速レンジを選択するシフト装置では、前進レンジとしてDレンジを選択できればよく、フェール対策として他の一つのエンジンブレーキレンジを選択できればよい。そのため図24に示す例では、通常はエンジンブレーキレンジ(図24の例ではLレンジ)へシフトレバーが移動しないように、ガイド溝にピンなどの遮断機構GS が設けられ、適宜の位置に配置したフェールスイッチSF を操作することによってその遮断機構GS を開いてシフトレバーがLレンジポジションに移動できるように構成されている。なお、このフェールスイッチSF と遮断機構GS とは電気的に連結された構成であってもよく、あるいはリンクなどの機械的手段で連結された構成であってもよい。
【0084】
ここで前述したインジケータ11,12について説明する。上記のようにカットオフスイッチ62もしくはカットスイッチ63をON動作させて変速レンジを切り換えた場合、マニュアルバルブ40はDレンジ位置に固定されたままとなり、また第2シフトレバー61は中立位置に復帰しており、さらにカットオフスイッチ62やカットスイッチ63を押しボタンスイッチで構成した場合にもこれらのスイッチは動作前の状態に戻っている。したがってカットスイッチ63やカットオフスイッチ62を動作させた場合、変速レンジが切り替わるものの、その切り換え操作を行った操作機構の変化がなく、実際に設定されている変速レンジを視覚的に知ることができない。そこで、シフト装置によって選択した変速レンジやスイッチ操作によって選択した変速レンジが、インジケータ11,12によって表示される。
【0085】
その一例を図1に示してあり、インストルメントパネル内にP,R,N,D,4,3,2,Lのうちマニュアルバルブ40を機械的に動作させるシフトレバーの位置に対応する文字が現れるレバー位置表示部68が設けられている。これは、これらの文字を選択的に点灯し、あるいは液晶盤にそれらの文字が選択的に浮き上がるなどの構造を備えている。なお、その表示の制御は、マニュアルバルブ40を機械的に動作させるシフトレバーの操作位置を検出して出力されるシフトポジション信号に基づいて行えばよい。
【0086】
またスピードメータ69内には、前記メインスイッチ64がON操作されて電気的に変速レンジを切り換えることができる状態になっていることを表示する可能化表示部70と、電気的に設定されている変速レンジを表示する電気的レンジ表示部71とが設けられている。前者の可能化表示部70は、例えばメインスイッチ64がON操作されてカットスイッチ63やカットオフスイッチ62によって変速レンジを切り換えることができる状態になっている場合に“メイン”の文字が現れるように構成されている。また電気的レンジ表示部71は、カットスイッチ63やカットオフスイッチ62を操作することによって設定された変速レンジを文字によって表示するように構成されている。
【0087】
なお、電気的レンジ表示部71は、電気的操作によって設定された変速レンジを表示するためのものであるから、可能化表示部70に表示が行われていない場合には、電気的レンジ表示部71に表示がされず、したがってDレンジの表示は電気的レンジ表示部71には表示されない。
【0088】
図2は、他の表示装置の例を示しており、インストルメントパネル内にP,R,N,D,4,3,2,Lのうちマニュアルバルブ40を機械的に動作させるシフトレバーの位置に対応する文字が、上下に並んで順に現れるレバー位置表示部72が設けられている。これは、これらの文字を選択的に点灯し、あるいは液晶盤にそれらの文字が選択的に浮き上がるなどの構造を備えている。なお、その表示の制御は、マニュアルバルブ40を機械的に動作させるシフトレバーの操作位置を検出して出力されるシフトポジション信号に基づいて行えばよい。
【0089】
この“D”の文字の位置から横方向に4,3,2,Lの文字が順に配列され、カットスイッチ63やカットオフスイッチ62を操作して変速レンジを切り換えた場合に、実際に設定されている変速レンジに相当する文字が点灯するように構成されている。この横方向に配列されて選択的に点灯される文字が、電気的レンジ表示部73である。なお、メインスイッチ64をON操作することによって、この電気的レンジ表示部73の全ての文字を特定の色で表示し、もしくは点滅させるなどの構成とすることができる。
【0090】
またカットスイッチ63やカットオフスイッチ62を操作して電気的に設定した変速レンジを表示する手段として、ヘッドアップディスプレー(HUD)を使用することができる。その例を図3および図4に示してある。図3において符号74はLCD表示器(液晶盤表示器)であって、前記メインスイッチ64をONにして電気的に変速レンジを選択可能な状態の場合にその状態を示す“ESR”(Electronic Shift Renge)の表示および電気的に設定されている変速レンジの表示を行うように構成されている。
【0091】
このLCD表示器74には、バックライト75が設けられており、またこれとは反対側にミラー76が対向して配置されている。さらにこのミラー76からの反射光を受ける位置にホログラムレンズ77が配置されており、このホログラムレンズ77がミラー76からの光によって車室内側に虚像を形成し、この虚像がインストルメントパネル(図示せず)上部に配置されたガーニッシュ内のコンバイナー78に反射して車室外の表示像である虚像を形成するようになっている。この虚像をフロントウィンド86を通して見ることにより電気的に変速レンジを選択可能な“ESR”の表示および変速レンジを確認し得るように構成されている。
【0092】
図4は、このヘッドアップディスプレーの制御ブロック図であって、マイクロコンピュータ79にはインターフェース80を介してヘッドアップディスプレースイッチ81が接続される一方、レオスタット82によって調整される調光回路83が接続されている。そして前記LCD表示器74がドライバー84を介してマイクロコンピュータ79に接続されるとともに、前記バックライト75がマイクロコンピュータ79によって制御されるようになっている。なお、ヘッドアップディスプレーステップモータ85がマイクロコンピュータ79に接続されている。このヘッドアップディスプレーステップモータ85は、前記ホログラムレンズ77の角度を変えることにより、フロントウィンド86を通して見ることのできる表示像の上下位置を調整するように構成されている。
【0093】
図5は上記のヘッドアップディスプレーの制御ルーチンの一例を示すフローチャートであって、データの読み込みを主とする入力信号の処理(ステップ1)を行った後、ヘッドアップディスプレーがONか否かが判断される(ステップ2)。このステップ2の判断は、前述したヘッドアップディスプレースイッチ81がON動作して信号を出力しているか否かによって判断することができる。ヘッドアップディスプレースイッチ81がOFF状態であってステップ2で否定判断された場合には、ステップ3に進んで、カットスイッチ63あるいはカットオフスイッチ62を操作することによる信号が出力されているか否かが判断される。
【0094】
このステップ3で否定判断された場合には、特に制御を行うことなくリターンし、これとは反対にカット信号もしくはカットオフ信号が出力されている場合には、ヘッドアップディスプレーを強制的にONとする(ステップ4)。すなわちヘッドアップディスプレースイッチ81はマニュアル操作によってON/OFFされ、通常はOFF状態とされることが多いが、電気的に変速レンジが切り換えられた場合には、その操作に基づく変速レンジを表示するためにヘッドアップディスプレーを強制的に動作状態とする。これと同時に前記LSD表示器74が“ESR”の表示と、電気的に設定されている変速レンジとを表示し(ステップ5)、これが前述した図3に示すフロントウィンド86の前方に虚像を形成する。
【0095】
一方、ヘッドアップディスプレースイッチ81がON操作されていることによりステップ2で肯定判断された場合には、ステップ6に進んでカット信号あるいはカットオフ信号が出力されているか否かが判断される。このステップ6で肯定判断された場合には、前記ステップ5に進んで“ESR”の表示と電気的に設定されている変速レンジとを表示する。これに対してステップ6で否定判断された場合には、ヘッドアップディスプレーに車速を表示する(ステップ7)。
【0096】
なお、ヘッドアップディスプレーには、上述した変速レンジの情報以外に各種の情報を表示することができ、例えばナビゲーションシステムによって進行方向が指示される場合には、その指示方向を矢印として並列的に表示することとしてもよい。
【0097】
また上述した電気的に設定した変速レンジに関する情報に替えて、スポーツモードに関する情報をヘッドアップディスプレーに表示することできる。すなわちスポーツモードは、手動操作に基づく信号によって自動変速機2の変速段を設定する変速モードであり、このスポーツモードが設定されているか否かを前記ステップ3あるいはステップ6の判断に替えて行い(ステップ3’,6’)、スポーツモードが設定されている場合には、ヘッドアップディスプレーを強制的にONとするとともに、手動操作に基づいて設定されている変速段すなわちスポーツモード変速段をヘッドアップディスプレーに表示(ステップ5’)してもよい。
【0098】
なお、ヘッドアップディスプレーの表示の優先順位は、例えば電気的変速レンジに関する情報を最優先とし、以下順に、スポーツモードでの情報、ナビゲーションシステムでの情報、車速の順とすればよい。
【0099】
上述したように構成することにより、電気的な操作によって変速レンジを切り換えることができるか否か、および電気的な操作によって設定された変速レンジを視覚的に認識することができ、変速レンジの切り換えの利便性が向上する。
【0100】
前述したようにカットオフスイッチ62およびカットスイッチ63は、メインスイッチ64を操作して動作可能な状態とすることによって、その機能が生じる。すなわちメインスイッチ64によって可能化(アクティブ)されていない場合には、カットオフスイッチ62やカットスイッチ63を操作しても変速レンジは切り替わらない。これは、これらのスイッチ62,63をミスタッチした場合の変速レンジの切り換えを防止するためである。またメインスイッチ64は、モーメンタリータイプのスイッチであって、一度押すごとに信号を出力し、その信号が自動変速機用電子制御装置10に入力され、この電子制御装置10によってアクティブ状態とノンアクティブ状態とに判断されて切り換えられる。その場合、図6に示すように、メインスイッチ64のON状態が予め定めたTA 秒以上継続し、またOFFに切り替わってからそのOFF状態が予め定めTB 秒以上継続することによって電子制御装置10が、メインスイッチ64のONを判断するように構成されている。これは、メインスイッチ64の確実な操作を要求するとともに、外乱などによる瞬間的なOFF状態を排除するためである。
【0101】
カットオフスイッチ62およびカットスイッチ63のアクティブ状態およびノンアクティブ状態は、上述のように電子制御装置10によって判断されかつ保持されるが、車両のイグニッションスイッチIG(図示せず)がOFF操作されて電気源が断たれた場合には、ノンアクティブ状態に戻るように構成されている。なお、マニュアルバルブ40を機械的操作によって切り換えるシフトレバーがPレンジからLレンジの間でシフトされた場合、およびブレーキがオンあるいはオフ操作されてもアクティブ状態は維持される。
【0102】
上述のようにアクティブ状態およびノンアクティブ状態は、メインスイッチ64のON操作に基づいて電子制御装置10が判断しかつ設定するから、この電子制御装置10が請求項11ないし13の発明における制御手段に相当する。したがってメインスイッチ64がオンであるためにアクティブ状態となったり、オフであるためにノンアクティブとなったりする訳ではなく、メインスイッチ64が出力するオン信号がアクティブ状態およびノンアクティブ状態を切り換えるトリガとして機能する。そのためこのメインスイッチ64がフェールした場合には、以下のような制御が実行される。
【0103】
図7は、メインスイッチ64のフェール形態をまとめて示しており、電子制御装置10が設定している初期状態がアクティブの際にメインスイッチ64がオンフェールした場合、メインスイッチ64が出力する信号がオン状態のままとなり、オフ状態が少なくとも前述したTB 秒以上は継続しないので、電子制御装置10は、アクティブ状態からノンアクティブ状態に切り換えるための信号を受け取ることがない。そのためアクティブ状態が継続し、例えば図1に示す可能化表示部70に“メイン”が継続して現れることになる。これに対してメインスイッチ64がオフフェールした場合には、メインスイッチ64からオン信号が出力されることがないので、この場合もアクティブ状態からノンアクティブ状態に切り換えるための信号が電子制御装置10に入力されることがない。そのためアクティブ状態が継続し、また“メイン”の表示が継続される。すなわちアクティブ状態でモーメンタリータイプのメインスイッチ64がオンフェールあるいはオフフェールしたとしても、アクティブ状態がそのまま継続し、また同様に、表示もそのままアクティブ状態を表すので、運転者は自動変速機2の動作状態を正確かつ確実に知ることができる。
【0104】
一方、電子制御装置10が設定している初期状態がノンアクティブ状態の際に、メインスイッチ64がオンフェールした場合あるいはオフフェールした場合のいずれであっても、前述した例と同様に、電子制御装置10は切り換えのための信号を受け取らないので、ノンアクティブ状態が継続する。そして例えば図1に示す可能化表示部70には、“メイン”の表示が出ないので、運転者はこの可能化表示部70に基づいてノンアクティブ状態を知ることができる。このように上述した装置によれば、メインスイッチ64のフェールが生じてもアクティブ状態およびノンアクティブ状態を正確に知ることができる。
【0105】
なお、メインスイッチ64がオンフェールしている場合であっても、イグニッションスイッチをオフにすることにより、ノンアクティブ状態に切り替わる。その後、再度イグニッションスイッチをオンにした場合、メインスイッチ64がオンフェールしていれば、同時にメインスイッチ64がオン信号を出力することになるが、このようなオン状態は運転者の操作に基づくものではないから、電子制御装置10が受け付けないように構成することが好ましい。換言すれば、図8に示すように、イグニッションスイッチをオンにしてから予め定めたTC 秒が経過した後にメインスイッチ64がオン信号を出力した場合に、これを電子制御装置10が認識するように構成することが好ましい。
【0106】
図9は、メインスイッチ64がフェールした場合の他の制御例を示すフローチャートであって、先ず入力信号の処理(ステップ11)を行い、ついでアクティブ状態が設定されているか否かが判断される(ステップ12)。アクティブ状態であれば、メインスイッチ64がオンフェールしているか否かが判断される(ステップ13)。これは、例えばメインスイッチ64から継続してオン信号が出力されており、その継続時間が予め定めた所定時間以上になることにより判断することができる。
【0107】
メインスイッチ64がフェールしていない場合、すなわちステップ13で否定判断された場合には、例えば図1における可能化表示部70に“メイン”の表示を行う(ステップ14)。これに対してメインスイッチ64がオンフェールしていることによりステップ13で肯定判断された場合には、電子制御装置10がノンアクティブ状態への切り換え制御を実行する(ステップ15)。これと同時に例えば図1に示す可能化表示部70における“メイン”の表示を消灯する(ステップ16)。なお、アクティブ状態でないことによりステップ12で否定判断された場合には、直ちにこのステップ16に進む。
【0108】
この図9に示すように制御すれば、フェール状態では電気的に変速レンジを切り換えるシステムを使用し得なくなり、第1の変速レンジ操作機構であるシフトレバーにより変速レンジを切り換えることになる。
【0109】
上述したカットオフスイッチ62やカットスイッチ63を含む電気的な変速レンジの切り換えシステムのフェールは、上述したスイッチ62,63のオンフェールあるいはオフフェール以外に、エンジンブレーキ状態を設定するためのソレノイドバルブやそのソレノイドバルブを駆動する信号系統などのフェールあるいは油圧関連機器のフェールなどによって生じることもある。このような場合、第2のシフトレバー61やカットオフスイッチ62もしくはカットスイッチ63を操作しても変速レンジが切り替わらないために、フットブレーキを頻繁に使用する場合がある。そのような事態を避けるために、この発明にかかる装置は、以下に示すように構成されている。
【0110】
図10はその制御例を示しており、入力信号の処理(ステップ31)を行った後、Dレンジが設定されているか否かが判断される(ステップ32)。このDレンジはマニュアルバルブ40を機械的に操作して設定されるレンジであって、第1レンジ操作機構としてのシフト装置におけるシフトポジションセンサからの出力信号によって判断することができる。なお、ステップ32でDレンジか否かの判断を行うのは、マニュアルバルブ40がDレンジ位置にある状態で電気的に変速レンジを切り換えられるように構成されているからである。
【0111】
Dレンジが設定されていないことによりステップ32において否定判断された場合には、特に制御を行うことなくこのルーチンから抜ける。またDレンジが設定されていた場合には、カット信号が出力されたか否かが判断される(ステップ33)。すなわち前述したカットスイッチ63がオン操作されて信号を出力したか否かが判断される。このステップ33で否定判断された場合には、特に制御を行うことなくこのルーチンから抜ける。
【0112】
ステップ33で肯定判断され、カット信号が出力されて変速レンジをエンジンブレーキの効く中低速側の変速レンジに切り換える指示が行われている場合には、エンジンブレーキフェール判定を行う(ステップ34)。このエンジンブレーキのフェール判定は、各種の方法によって行うことができ、例えばその時点で設定されている変速比と入力回転数との積が、出力軸回転数にほぼ等しいか否かによって判断することができる。あるいはコースト時においては、エンジンブレーキが効くことによる減速度の大小によって判断することができる。
【0113】
例えば図11に示すように、t1 時点にカット信号が出力されてt2 時点に第5速から第4速へのダウンシフトが生じたとすると、その場合の車速などの走行状態に応じて減速度Gを予測する。一方、図12に示すようにスロットル全閉状態での減速度は、車速や変速パターンによってほぼ決まっている。したがって予測された減速度と予め求められている減速度とを比較することにより、両者がほぼ一致していれば、エンジンブレーキが正常に機能していることになり、これとは反対に予測された減速度と予め求められている減速度とが大きく相違していれば、エンジンブレーキにフェールが生じていることになる。このようなフェールの判断をステップ35において実行し、フェールが生じていないことにより、ステップ35で否定判断された場合には、このルーチンから抜ける。またフェールが生じていると判断された場合には、電気的エンジンブレーキレンジの使用禁止の表示を行う(ステップ36)。
【0114】
すなわちカットスイッチ63による変速レンジの切り換えの禁止を運転者に知らせる表示を行う。またこれと同時に機械的エンジンブレーキレンジの使用を指示するための表示を行う(ステップ37)。すなわちシフト装置におけるシフトレバーによって変速レンジを切り換えることを促す表示を行う。
【0115】
これらステップ36およびステップ37での表示は、必要に応じて種々の構成のものを採用することができ、例えばメータパネル内やヘッドアップディスプレー中に文字で表示することができ、あるいは前述した各種の表示部の点滅や表示色の変更などによる表示であってもよい。さらには音声表示を採用することもできる。したがってステップ35が請求項1ないし4の発明における電気的切換不許可検出手段に相当し、ステップ37が手動切換表示手段に相当する。
【0116】
したがって図10に示すように制御することにより、電気的に変速レンジを切り換えることができない場合、シフト装置のシフトレバーを操作してマニュアルバルブ40を切り換えることになり、その結果、シフトソレノイドバルブや第4ソレノイドバルブSOL4 などがフェールによって動作しない場合であっても、マニュアルバルブ40によって油路を切り換えて所定のエンジンブレーキレンジを設定でき、そしてエンジンブレーキを効かせることによりフットブレーキの使用頻度を下げることができる。なお、エンジンブレーキを効かせるための制御は、例えば特開平8−42682号公報に記載されている制御によればよい。
【0117】
ところでカットオフスイッチ62やカットスイッチ63を操作することにより電気的制御によって変速レンジを切り換えた場合、その時点の車速などの走行状態によっては変速が生じ、またエンジンブレーキ状態が発生することがある。それに伴って駆動力が変化したりエンジン回転数が変化することになるが、車両の安定性やエンジンのオーバーレボリューションなどを防止する必要がある場合には、変速レンジの切り換えを禁止する必要がある。すなわち電気的な操作による変速レンジのリジェクト制御を実行する場合がある。この発明にかかる装置では、このようなリジェクト制御を図13に示すように実行する。
【0118】
すなわち入力信号の処理(ステップ41)を行った後、電気的な変速レンジの切り換え制御が可能なDレンジが機械的なシフト装置によって設定されているか否かが判断される(ステップ42)。これは図10に示すステップ32と同様な制御である。Dレンジが設定されていないことにより、ステップ42で否定判断された場合には、特に制御を行うことなくこのルーチンを抜ける。
【0119】
またDレンジが設定される場合には、前記カットスイッチ63をON操作することによるカット信号が出力されているか否かが判断される(ステップ43)。カット信号が出力されている場合には、変速レンジを一段低速側のレンジに切り換える制御を実行し、それに伴ってダウンシフトが生じることがあるので、ステップ43で肯定判断された場合には、変速レンジを低速側に一段だけ変更するダウンレンジが可能か否かが判断される(ステップ44)。この判断は、例えばその時点の車速とダウンした後の変速比とに基づいてエンジンのオーバーレボリューションが生じるか否かを判断することによって行われ、あるいは車両安定化制御システム(VSC:商標)による車両の安定性の判断に基づいてダウンシフトの許可・不許可を判断することができる。
【0120】
ダウンシフトが可能であることによりステップ44で肯定判断された場合には、そのダウンレンジを実行する(ステップ45)。これに対してダウンレンジが不可能な状態であると判断された場合には、その時点で設定されている現レンジの表示を点滅させる(ステップ46)。具体的には、図1における電気的レンジ表示部71に表示されている変速レンジを点滅させる。その点滅は、複数回行い、あるいは所定時間継続して行うこととすればよい。なお、Dレンジから“4”レンジにダウンレンジする場合、Dレンジは電気的に設定される変速レンジではないが、この場合に限り電気的レンジ表示部71にDレンジの表示を点滅させることとすればよい。
【0121】
そしてダウンレンジを禁止(ステップ47)するとともに、電気的操作による変速レンジの指示が拒絶されたことを示すリジェクト音を発信する(ステップ48)。このリジェクト音は一定時間繰り返して発信させてもよく、あるいは予め定めた回転数だけ発信することとしてもよい。
【0122】
一方、カット信号が出力されていないことによりステップ43で否定判断された場合には、カットオフスイッチ62がON操作されることによりカットオフ信号が出力されているか否かが判断される(ステップ49)。このステップ49で否定判断された場合には、特に制御を行うことなくこのルーチンから抜ける。
【0123】
またカットオフ信号が出力されている場合には、変速レンジを高速側のレンジに切り換えるアップレンジが可能か否かが判断される(ステップ50)。このステップ50の判断は、例えばVSCからの信号に基づいて判断し、あるいはナビゲーションシステムから得られたデータに基づいて判断することができる。アップレンジが可能であることによりステップ50で肯定判断された場合には、アップレンジを実行する(ステップ51)。
【0124】
これに対してアップレンジが不可能であることによりステップ50で否定判断された場合には、現レンジの表示を点滅させる(ステップ52)。これは、前記ステップ46と同様な制御である。そしてアップレンジを禁止する制御を実行し(ステップ53)、さらにアップレンジの指示が拒絶されたことを示すリジェクト音を発信する(ステップ54)。このステップ54は、前述したステップ48と同様な制御である。
【0125】
なお、ステップ46あるいはステップ52の現レンジの表示の点滅は、現レンジの表示を強調するためのものであって、請求項5ないし7の発明における強調表示手段に相当する。したがって現レンジの表示が強調されればよいので、その表示の態様は、点滅以外に文字の拡大や表示色の変更など適宜の強調のための表示を行うものであればよい。
【0126】
したがって図13に示すように制御することにより、ダウンレンジあるいはアップレンジを実行し得ない走行状態であることを知ることができると同時に、実際に設定されている変速レンジを知ることができる。
【0127】
上述した例から知られるように、電気的操作による変速レンジの切り換えは、システムのフェールが生じていることにより禁止される場合と、車両の状態が変速レンジの切り換えに対して不適合であるために禁止される場合との二つの態様がある。したがって電気的な変速レンジの切り換え操作を行ったにも拘わらず、その変速レンジの切り換えが実行されない場合、その事由が判るように表示することが望まれる。このような要請に応えるべくこの発明にかかる装置は、図14に示すように制御を実行する。
【0128】
先ず入力信号の処理(ステップ61)を行った後に、メインスイッチ64がONか否かが判断される(ステップ62)。メインスイッチ64がON操作されていることによりステップ62で肯定判断された場合には、電気的に変速レンジを切り換えるシステムにフェールが生じているか否かが判断される(ステップ63)。このフェール判断は、カットスイッチ63からの出力信号が常時発生していることやエンジンブレーキレンジを設定するソレノイドバルブSOL4 の通電が不能なことを検出し、あるいは所定の油圧が発生しないことに基づいて判断することができる。このステップ63で肯定判断された場合には、フェールにより変速レンジの切り換えを行えないことを示す第1の表示(ステップ64)を実行する。その一例は、図1に示す可能化表示部70における“メイン”の消灯の制御である。すなわちメインスイッチ64をONにしたにも拘わらず、この可能化表示部70に“メイン”の表示が現れないことによりフェールを知ることができる。
【0129】
一方、フェールが生じていないことにより、ステップ63で否定判断された場合には、油温が極めて低いか否かが判断される(ステップ65)。油温が設定値以下であって極めて低い場合には、その粘性が高いことにより油圧の応答特性が低下し、またソレノイドバルブによる油圧制御の応答性の悪化が生じるから、電気的な操作による変速レンジの切り換えは好ましくなく、カットスイッチ63もしくはカットオフスイッチ62による変速レンジの切り換えが拒絶されることがある。したがってステップ65で肯定判断された場合には、第2の表示を行う(ステップ66)。具体的には、図1に示した可能化表示部70における“メイン”の表示を点滅させるとともに、電気的レンジ表示部71に“WAIT”などの補助的なガイドのための表示を行う。これらステップ64における第1の表示の例を図15の(A)に示し、またステップ66における第2の表示の例を図15の(B)に示してある。
【0130】
また油温が極低温でないことによりステップ65で否定判断された場合には、可能化表示部70に“メイン”の点灯を行う(ステップ67)。すなわち電気的な操作により変速レンジを切り換えることが可能なことを表示する。これに対してメインスイッチ64がOFFであることによりステップ62で否定判断された場合には、可能化表示部70における“メイン”の表示を消灯し(ステップ68)、電気的な操作による変速レンジの切り換えを行えないことを表示する。
【0131】
したがって図1に示すように構成することにより、スイッチ操作によって変速レンジを切り換えることができない場合、その原因がフェールによるものか、車両の一時的な状態によるものかを容易かつ確実に知ることができる。なお、電気的な変速レンジの一時的な切り換え不能要因として、図14に示す例では油温が低いことを挙げたが、これ以外にエンジンのオーバーレボリューションが生じること、あるいはVSCによって変速が禁止されていること、ナビゲーションシステムによって変速が禁止されていることなどを挙げることができる。
【0132】
なお、この発明における特徴的な態様もしくは上述した以外の追加的な態様を列挙すれば、以下のとおりである。
【0133】
この発明では、請求項1における電気的切換不許可検出手段を、所定の回転部材の回転数の比較に基づいて第2レンジ操作機構によるエンジンブレーキレンジへの切り換えを行えないことを検出するように構成することができる。
【0134】
また、請求項1における電気的切換不許可検出手段を、加速度センサによって検出された減速度に基づいて第2レンジ操作機構によるエンジンブレーキレンジへの切り換えを行えないことを検出するように構成することができる。
【0135】
請求項1における第1レンジ操作機構は、電気的なフェールが生じてもエンジンブレーキレンジへの切り換えを行うことができるように構成することができる。
【0136】
請求項5の強調表示手段は、機械的操作による変速レンジから電気的操作による変速レンジに切り換えることができない場合に、その時点で機械的操作によって設定されている変速レンジを表示するように構成することができる。
【0137】
請求項5の強調表示手段は、時間あるいは回数が制御される点滅表示を行うよう構成することができる。
【0138】
請求項5の強調表示手段が強調表示を行う場合に音声告知を行う手段を更に設けることができる。
【0139】
請求項8のヘッドアップディスプレーは、変速レンジを電気的に切り換えた場合に強制的にON状態とされ、かつ電気的操作によって設定された変速レンジもしくは変速段を表示するように構成することができる。
【0140】
請求項8のヘッドアップディスプレーは、電気的操作によって変速レンジが切り換えられた場合に、それ以前の表示に替えて電気的に設定された変速レンジに関する情報を表示するように構成することができる。
【0141】
請求項8の自動変速機は、手動操作に基づく変速が可能であり、そのヘッドアップディスプレーは、手動操作に基づいて変速が実行された場合に、その変速に関する情報を表示するように構成することができる。
【0142】
請求項11の制御手段が実行している可能化処理もしくは不可能化処理を表示する表示手段を備えることができる。
【0143】
請求項11の可能化手段は、車両のステアリングホイールに設けることができる。
【0144】
請求項11の制御手段は、可能化手段がフェールした場合に、その時点の可能化処理状態あるいは不可能化処理状態を変更しないように構成することができる。
【0145】
請求項11の制御手段は、可能化手段が所定時間以上継続して信号を出力している場合にフェールと判断して不可能化処理を行うよう構成することができる。
【0146】
請求項11の制御手段は、電源の遮断操作によって不可能化処理状態に復帰するように構成することができる。
【0147】
請求項11の制御手段は、機械的な変速レンジの切り換えを行った場合でも、可能化処理状態を維持するように構成することができる。
【0148】
請求項11の制御手段は、電源のONと同時に可能化手段が信号を出力した場合には、可能化処理を実行しないように構成することができる。
【0149】
以上この発明を具体例に基づいて説明したが、この発明は図17に示すギヤトレーンや図19に示す油圧回路以外のギヤトレーンあるいは油圧回路を備えた自動変速機を対象として実施できる。
【0150】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1ないし4の発明によれば、電気的な操作によってエンジンブレーキレンジに切り換える制御を実行できない場合、機械的操作によってエンジンブレーキレンジを設定する操作を行うことが運転者に対して促されるので、制動力を必要とする際に電気的操作によらずに機械的操作によってエンジンブレーキを設定し、必要とする制動力を得ることができ、その結果、フットブレーキなどのブレーキ使用頻度を下げることが可能になる。
【0152】
請求項5ないし7の発明によれば、現在の変速レンジが強調表示されることにより電気的手段による変速レンジの切り換えを一時的に行えないことが知られるので、自動変速機で設定される変速レンジを知ることができると同時に次の操作に備えることができる。
【0153】
さらに請求項8ないし10の発明によれば、スイッチなどの電気的手段で変速レンジを設定した場合、その変速レンジの設定状態がヘッドアップディスプレーによってフロントウィンド側に表示されるので、視線を前方から外さずに変速レンジの設定状況を容易に知ることができ、電気的手段による変速レンジの設定システムの利便性が更に向上する。
【0154】
そして請求項11ないし13の発明によれば、可能化手段としてのモーメンタリースイッチを操作した場合、その操作が有効に制御手段で受容されたか否かを表示手段によって確認できるので、操作性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 変速レンジのインジケータの一例を示す概略図である。
【図2】 変速レンジのインジケータの他の例を示す概略図である。
【図3】 ヘッドアップディスプレーの概略的な構成図である。
【図4】 ヘッドアップディスプレーの制御ブロック図である。
【図5】 そのヘッドアップディスプレーに電気的に操作して設定する変速レンジに関する情報を表示するための制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図6】 電子制御装置がメインスイッチのオン状態を認識するに要する時間を説明するための説明図である。
【図7】 メインスイッチのフェールと設定されるアクティブ・ノンアクティブの状態をまとめて示す図表である。
【図8】 電子制御装置がメインスイッチのON状態を認識するに必要なイグニッションスイッチのON状態とのタイミングを説明するための説明図である。
【図9】 アクティブ状態でのメインスイッチのフェールに伴う制御および表示を行う制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図10】 電気的操作によってエンジンブレーキレンジを設定できない場合の制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図11】 ダウンレンジに伴うエンジンブレーキが生じる減速度を説明するための説明図である。
【図12】 車速および変速パターンごとの減速度を示す線図である。
【図13】 電気的操作によって変速レンジを切り換える操作を実行した場合の制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図14】 電気的操作によって変速レンジを切り換える場合の表示を制御するためのルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図15】 電気的操作による変速レンジの切り換えを実行できない場合の要因ごとの表示の例を示す概略図である。
【図16】 この発明で対象とする自動変速機の全体的な制御系統を模式的に示す図である。
【図17】 この発明で対象とする自動変速機のギヤトレーンの一例を示すスケルトン図である。
【図18】 各変速段を設定するための摩擦係合装置の係合・解放状態を示す図表である。
【図19】 この発明で対象とする自動変速機の油圧回路の一部を示す部分油圧回路図である。
【図20】 この発明による第2レンジ操作機構である第2シフトレバーの配置を示す図であり、(A)はステアリングホイールの正面から見た図、(B)は第2シフトレバーの部分拡大図、(C)はステアリングホイールの側方から見た図である。
【図21】 この発明による第1レンジ操作機構である第1シフトレバーをステアリングコラムに配置し、かつカットオフスイッチとカットスイッチとをステアリングホイールの正面側に設けた例の正面図である。
【図22】 二段以上低速側の変速レンジに切り換えることのできるスイッチを設けた例をステアリングホイールの側方から見て示す図である。
【図23】 フロアーあるいはインストルメントパネルに設けられ、機械的に変速レンジを切り換える第1シフトレバーのシフトポジションの配列を示す図である。
【図24】 フロアーあるいはインストルメントパネルに設けられ、機械的に変速レンジを切り換える他の第1シフトレバーのシフトポジションの配列を示す図である。
【符号の説明】
1…エンジン、 2…自動変速機、 4…エンジン用電子制御装置、 10…自動変速機用電子制御装置、 61…第2シフトレバー、 62…カットオフスイッチ、 63…カットスイッチ、 66…第1シフトレバー、 68…レバー位置表示部、 70…可能化表示部、 71…電気的レンジ表示部、 72…レバー位置表示部、 73…電気的レンジ表示部、 86…フロントウィンド。

Claims (13)

  1. 変速レンジに応じた油圧を出力するマニュアルバルブを該マニュアルバルブに機械的な手段で連結されたシフトレバーによって切換動作させて変速レンジを切り換える第1レンジ操作機構と、電気的手段によって変速レンジを切り換える第2レンジ操作機構とを備えた自動変速機の表示装置において、
    前記第2レンジ操作機構によるエンジンブレーキレンジへの切り換えを行えないことを検出する電気的切換不許可検出手段と、
    該電気的切換不許可検出手段が前記第2レンジ操作機構によるエンジンブレーキレンジへの切り換えを行えないことを検出した場合に前記第2レンジ操作機構によるエンジンブレーキレンジへの切り換えを行えないことを表示する手段と、
    前記電気的切換不許可検出手段が前記第2レンジ操作機構によるエンジンブレーキレンジへの切り換えを行えないことを検出した場合に前記第1レンジ操作機構によるエンジンブレーキレンジへの切り換えを促す表示を行う手動切換表示手段と
    を備えていることを特徴とする自動変速機の表示装置。
  2. 前記電気的切換不許可検出手段は、所定の回転部材の回転数の比較に基づいて前記第2レンジ操作機構によるエンジンブレーキレンジへの切り換えを行えないことを検出するように構成されている請求項1に記載の自動変速機の表示装置。
  3. 前記電気的切換不許可検出手段は、検出された減速度に基づいて前記第2レンジ操作機構によるエンジンブレーキレンジへの切り換えを行えないことを検出するように構成されている請求項1に記載の自動変速機の表示装置。
  4. 前記第1レンジ操作機構は、電気的なフェールが生じてもエンジンブレーキレンジへの切り換えを行うことができるように構成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の自動変速機の表示装置。
  5. シフトレバーを操作することにより該シフトレバーに機械的な手段で連結されたマニュアルバルブを動作させて変速レンジを機械的に切り換えることができるとともに、電気的手段によって変速レンジを切り換えることのできる自動変速機の表示装置において、
    前記電気的手段によるエンジンブレーキレンジへの切り換えが拒絶された場合にその時点で設定されている変速レンジの強調表示を行う強調表示手段を備え、該強調表示手段は、前記シフトレバーを介した機械的操作で設定された変速レンジから電気的操作によって設定する変速レンジに切り換えることができない場合に、その時点で前記機械的操作によって設定されている変速レンジを表示するように構成されていることを特徴とする自動変速機の表示装置。
  6. 前記強調表示手段は、時間あるいは回数が制御される点滅表示を行うように構成されていることを特徴とする請求項5に記載の自動変速機の表示装置。
  7. 前記強調表示手段が強調表示を行う場合に音声告知を行う手段が更に設けられていることを特徴とする請求項5または6に記載の自動変速機の表示装置。
  8. 変速レンジに応じた油圧を出力するマニュアルバルブを該マニュアルバルブに機械的な手段で連結されたシフトレバーによって切換動作させて変速レンジを切り換える第1レンジ操作機構と、電気的手段によって変速レンジを切り換える第2レンジ操作機構とを備えた自動変速機の表示装置において、
    前記電気的手段によって設定された変速レンジもしくはその変速レンジで設定されている変速段の少なくとも一方を、車両のフロントウィンド上に表示するヘッドアップディスプレーを備え、該ヘッドアップディスプレーは、変速レンジを前記第2レンジ操作機構によって電気的に切り換えた場合に強制的にオン状態とされ、かつ電気的操作によって設定された変速レンジもしくは変速段を表示するように構成されていることを特徴とする自動変速機の表示装置。
  9. 前記ヘッドアップディスプレーは、電気的操作によって変速レンジが切り換えられた場合に、それ以前の表示に替えて電気的に設定された変速レンジに関する情報を表示するように構成されていることを特徴とする請求項8に記載の自動変速機の表示装置。
  10. 前記自動変速機は、手動操作に基づく変速が可能であり、そのヘッドアップディスプレーは、手動操作に基づいて変速が実行された場合に、その変速に関する情報を表示するように構成されていることを特徴とする請求項8に記載の自動変速機の表示装置。
  11. 変速レンジに応じた油圧を出力するマニュアルバルブを該マニュアルバルブに機械的な手段で連結されたシフトレバーによって切換動作させて変速レンジを切り換える第1レンジ操作機構と、電気的な可能化手段によって動作可能な状態になりかつ電気的手段によって変速レンジを切り換える第2レンジ操作機構とを備えた自動変速機の表示装置において、
    前記可能化手段は、車両のステアリングホイールに設けられるとともに、オン動作時に信号を出力するモーメンタリースイッチによって構成され、かつ
    前記信号に基づいて前記レンジ操作機構の可能化および不可能化の処理を行う制御手段と、
    該制御手段による処理結果を表示する表示手段と
    を備えていることを特徴とする自動変速機の表示装置。
  12. 変速レンジに応じた油圧を出力するマニュアルバルブを該マニュアルバルブに機械的な手段で連結されたシフトレバーによって切換動作させて変速レンジを切り換える第1レンジ操作機構と、電気的な可能化手段によって動作可能な状態になりかつ電気的手段によって変速レンジを切り換える第2レンジ操作機構とを備えた自動変速機の表示装置において、
    前記可能化手段は、オン動作時に信号を出力するモーメンタリースイッチによって構成され、かつ
    前記信号に基づいて前記レンジ操作機構の可能化および不可能化の処理を行う制御手段と、
    該制御手段による処理結果を表示する表示手段と
    を備え、さらに
    前記制御手段は、電源の遮断操作によって不可能化処理状態に復帰するように構成されていることを特徴とする自動変速機の表示装置。
  13. 変速レンジに応じた油圧を出力するマニュアルバルブを該マニュアルバルブに機械的な手段で連結されたシフトレバーによって切換動作させて変速レンジを切り換える第1レンジ操作機構と、電気的な可能化手段によって動作可能な状態になりかつ電気的手段によって変速レンジを切り換える第2レンジ操作機構とを備えた自動変速機の表示装置において、
    前記可能化手段は、オン動作時に信号を出力するモーメンタリースイッチによって構成され、かつ
    前記信号に基づいて前記レンジ操作機構の可能化および不可能化の処理を行う制御手段と、
    該制御手段による処理結果を表示する表示手段と
    を備え、さらに
    前記制御手段は、前記シフトレバーを操作して前記マニュアルバルブを動作させる機械的な操作で変速レンジの切り換えを行った場合でも、可能化処理状態を維持するように構成されている
    ことを特徴とする自動変速機の表示装置。
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