JP3390648B2 - 電気溶融炉の炉壁構造及び炉体冷却方法 - Google Patents
電気溶融炉の炉壁構造及び炉体冷却方法Info
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Description
産業廃棄物の焼却炉から排出した焼却灰や飛灰を溶融処
理する電気溶融炉に於いて使用されるものであり、溶融
炉本体の炉壁構造と炉体の冷却方法の改良に関するもの
である。
る焼却灰や飛灰等の焼却残渣(以下単に灰という)の減
容化及び無害化を図る手段として灰の溶融固化処理法が
注目され、現実に実用に供されている。灰は、溶融固化
する事によりその容積を1/2〜1/3に減らすことが
できると共に、重金属等の有害物質の溶出防止や溶融ス
ラグの再利用、最終埋立処分場の延命等が可能になるか
らである。
ク溶融炉・プラズマアーク炉・電気抵抗炉等を用いて電
気エネルギーにより灰を溶融固化する方法と、表面溶融
炉・旋回溶融炉・コークスベッド炉等を用いて燃料の燃
焼エネルギーによって灰を溶融固化する方法とが実用化
されており、一般に、発電設備が併置されているごみ焼
却設備の場合には前者の電気エネルギーを用いる方法
が、また発電設備が併置されていないごみ焼却設備の場
合には後者の燃焼エネルギーを用いる方法が採用されて
いる。
た電気溶融炉設備の一例を示すものであり、ここでは電
気溶融炉として直流アーク放電黒鉛電極式プラズマ溶融
炉が使用されている。尚、図9に於いて50は電気溶融
炉設備、51は灰コンテナ、52は灰供給装置、53は
溶融炉本体、54は主電極(黒鉛)、55はスタート電
極(黒鉛)、56は炉底電極、57は炉底冷却ファン、
58は直流電源装置、59は窒素ガス供給装置、60は
溶融スラグ流出口、61はタップホール、62は燃焼
室、63は燃焼空気ファン、64はガス冷却塔、64a
は水噴霧装置、65はバグフィルタ、66は誘引通風
機、67は煙突、68は溶融飛灰コンベア、69は飛灰
だめ、70はスラグ水冷槽、71はスラグ搬出コンベ
ア、72はスラグだめ、73はスラグ冷却水冷却装置で
ある。
灰Aは灰コンテナ51に貯えられ、ここから灰供給装置
52により溶融炉本体53内へ連続的に供給される。溶
融炉本体53内では、炉頂部より挿入した主電極54
(−極)と炉底に設置した炉底電極56(+極)との間
に直流電源装置58からの直流電圧を印加することによ
り、主電極54と溶融スラグBの表面との間にプラズマ
アークが形成されており、このプラズマアークの発生熱
により溶融炉本体53内へ供給された灰Aが1400〜
1600℃に加熱され、溶融スラグとなる。直流電源装
置58から溶融炉本体53へ供給される灰溶融用電力
は、通常約600〜1000kw/灰(ton)程度に
設定されている。
め、溶融炉の始動時にはスタート電極55を溶融炉本体
53内へ挿入し、このスタート電極55と主電極54間
にアークを発生させて灰Aを溶融させ、溶融スラグBが
ある程度形成された段階で、スタート電極55(+極)
を炉底電極56側へ切替える。また、溶融炉本体53の
内部を還元性雰囲気とするため、窒素ガス供給装置59
より窒素ガスが、中空状に形成した主電極54及びスタ
ート電極55の中空孔を通して炉内へ供給される。更
に、炉底では、炉底冷却ファン57からの送風により、
炉底電極56及びその周辺部分が空冷される。
る揮発成分や炭素成分は、一酸化炭素を含むガス体Cと
なる。このガス体Cは、溶融炉本体53の炉壁75に設
けた溶融スラグ流出口60から燃焼室62へ排出され、
燃焼室62において燃焼空気ファン63から燃焼用空気
Dが供給されることにより完全燃焼されたあと、ガス冷
却塔64に於いて冷却され、バグフィルタ65を経て誘
引通風機66により煙突67から排出される。なお、バ
グフィルタ65で捕捉された溶融飛灰Eは、溶融飛灰コ
ンベア68により飛灰溜め69へ送られる。
及び鉄等の金属やガラス、砂等)は溶融状態となり、そ
の溶融スラグBは、溶融スラグ流出口60から連続的に
溢出し、水を満したスラグ水冷槽70内へ落下して水砕
スラグFとなり、スラグ搬出コンベア71によってスラ
グ溜め72へ送られる。なお、溶融炉本体53の底部に
は、比重差により溶融メタルが堆積するため、タップホ
ール61からメタルを適時抜き出す。また、溶融炉本体
53の停止時には、炉壁75に設けたタップホール61
を開孔して湯抜きを行い、溶融炉本体53を空にする。
に、溶融スラグBに接触する耐火壁構造部76の外周面
を水冷壁(水冷ジャケット)77により(又は水スプレ
ー手段や空冷手段等により)冷却するように構成されて
いる。図10は、従来の代表的な炉壁構造を示すもので
あり、耐火壁構造部76を1600℃程度の高温に耐え
得る耐火材(例えば、カーボン系,C−SiC系,Si
C系,クロム系の耐火材)で構成すると共に、これを囲
繞する水冷壁(水冷ジャケット)77を鋼板製のジャケ
ット内へ冷却水Gを供給する構造のものとなし、更に耐
火壁構造部76と水冷壁(水冷ジャケット)77との間
に電気絶縁性耐火材層78を介在させたものが周知であ
る。
炉壁構造は、水冷壁77の冷却効果が高く、炉壁を形成
する耐火壁構造部(耐火材)76の損傷も比較的少な
く、優れた実用的効用を奏するものである。しかし、こ
の種の溶融炉本体53の炉壁構造にも解決すべき多くの
問題が残されており、その中でも特に重要な問題は、万
一水冷壁(水冷ジャケット)77内の冷却水Gが溶融炉
本体53内へ漏洩した場合の水蒸気爆発の問題である。
に於いては、耐火壁構造部(耐火材)76の侵食、特に
溶融スラグBやその下方の溶融メタルに接触する耐火壁
構造部の侵食が激しいため、水冷ジャケット方式や水ス
プレー方式の水冷壁77を設けてこれを冷却することに
より、その侵食を防止している。
食を皆無にすることは困難であり、万一耐火壁構造部
(耐火材)76が侵食等により損傷すると、水冷壁77
が直接高温に晒されることになり、その結果、水冷壁が
破損して冷却水Gが溶融炉本体53内へ侵入し、これが
溶融スラグB或いは溶融メタル内へ巻き込まれることに
より水蒸気爆発を引き起すことになる。同様に、水冷壁
77へ供給する冷却水Gの管理が悪かったり、或いは水
冷壁77内の冷却水Gの流れが円滑でない場合には、水
冷壁77の構成材が腐蝕され易くなり、万一構成材の腐
蝕により水冷壁77から冷却水Gが漏洩すると、前記水
蒸気爆発を引き起すことになる。
め、溶融炉本体53の耐火壁構造部76の外側全てを空
冷ジャケット方式の空冷壁により冷却する方式が開発さ
れている。しかし、耐火壁構造部76の全てを従前の単
なるジャケット方式の空冷壁でもって空気冷却するため
には、相当大量の空気を必要とし、空冷用動力費が増大
すると共に空気配管等の設備が繁雑になり過ぎると云う
問題がある。
に於ける上述の如き問題を解決せんとするものであり、
溶融炉本体の炉壁を形成する耐火壁構造部を冷却する空
冷壁に改良を加えてその冷却効果を高めると共に、当該
空冷壁により耐火壁構造部の全体又は溶融レベルより下
方の部分を冷却することにより、水蒸気爆発を引き起こ
す危険がほとんど無く、しかも空冷用動力費や配管設備
費の高騰を招くことなく溶融炉本体を効率よく冷却でき
るようにした電気溶融炉の炉壁構造と炉体冷却方法を提
供するものである。
係る電気溶融炉の炉壁構造は、溶融炉本体の融液レベル
より上方部を耐火壁構造部の外側に設けたジャケット式
水冷壁により水冷却すると共に、前記融液レベルより下
方部を耐火壁構造部の外側に設けたジャケット式空冷壁
により空気冷却する構成とした電気溶融炉の炉体冷却方
法に於いて、ジャケット式空冷壁の内部を仕切板により
区画して形成した複数の空気流路に冷却用空気を均一に
流通させると共に、空冷壁より導出した冷却用空気を直
接又は炉 底電極の冷却に使用したあと、溶融炉燃焼室へ
燃焼用空気として供給するようにしたことを発明の基本
構成とするものである。
火壁構造部の外側を冷却する冷却板又は冷却ピンを備え
たジャケット式空冷壁の流体通路を通して冷却用空気を
均一に流通させると共に、空冷壁の内側ジャケット壁を
形成する炉体外皮へ向けて空気ノズルより高速空気流を
噴射する構成とした溶融炉本体の炉体冷却方法に於い
て、空冷壁より導出した冷却用空気を直接又は炉体電極
の冷却に用いたあと、溶融炉燃焼室へ燃焼用空気として
供給するようにしたことを発明の基本構成とするもので
ある。
により損傷を受け易い融液レベルより下方の耐火壁構造
部を空冷壁により冷却すると共に、融液レベルより上方
の耐火壁構造部を水冷壁により冷却する構成としてい
る。その結果、万一空冷壁が腐食したり、或いは耐火壁
構造部が焼損して空冷壁が高温に晒されることにより破
損しても、水が直接に溶融炉本体内へ侵入することはな
く、また、融液レベルより上方の耐火壁構造部は比較的
侵食が少ないため、水冷壁が高温に晒されて破損するこ
とは殆どない。そのため、水が直接溶融スラグ内へ巻き
込まれて水蒸気爆発を引き起こすことは殆ど無く、電気
溶融炉の運転上の安全性が大幅に向上する。また、空冷
壁溶融炉本体の融液レベルより下方部のみを冷却するよ
うにしているため、溶融炉本体の全体を空冷する場合に
比較して空冷用動力費や設備費の削減が可能となる。
ら成る空冷ジャケット式とし、その内部に仕切板によっ
て空気流路を設けると共に冷却板又は冷却ピンを炉体鉄
皮から突設するようにしている。その結果、伝熱面積が
増加し、更に冷却板又は冷却ピンを銅又はアルミ製とす
ることで空冷壁の冷却効率が大幅に向上する。また、空
冷壁に空気ノズルを設け、当該空気ノズルから炉体鉄皮
側へ向けて高速空気流を噴射した場合には、炉体鉄皮近
傍の衝突噴流領域の熱伝達率が大幅に向上し、空冷壁の
冷却効果がより高くなる。
とした場合には、前記水蒸気爆発の危険性が零になると
共に、水冷壁がないために冷却機構が単純化され、冷却
機構の運転制御も容易となる。
焼室の燃焼用空気として用いることにより、燃焼室の燃
焼を促進せしめて排ガス中の可燃成分の燃焼やダイオキ
シン類の分解を促進させることができる。また、燃料を
用いる燃焼室の場合には燃料費の削減が可能となる。
施形態を説明する。図1は本発明の第1実施形態に係る
炉壁構造を備えた溶融炉本体の要部を示す断面概要図で
あり、図2は図1のイ−イ視断面の一部拡大図、図3は
図2のロ−ロ視断面の一部を示すものである。図1乃至
図3に於いて、Bは溶融スラグ、Gは冷却水、Hは冷却
用空気、1は溶融炉本体、2は溶融炉本体の炉壁、3は
炉底電極、4は耐火壁構造部、5は電気絶縁性耐火材、
6は炉体鉄皮、7は空冷壁(空冷ジャケット)、8は水
冷壁(水冷ジャケット)、9は外側ジャケット壁、10
は隔壁、11は仕切板、12は冷却板(板状フィン)、
13は冷却ピン(スタッド状フィン)、14は溶接であ
る。尚、前記溶融炉本体1は、炉壁2を除くその他の部
分の構造が従前の溶融炉本体とほぼ同一であるため、こ
こでは炉壁2以外の部分の詳細な説明を省略する。
如く、1600℃程度の高温に耐え得る耐火材(例えば
カーボン系耐火レンガ、C−SiC系耐火レンガ、Si
C系耐火レンガ、クロム系耐火レンガ)により形成した
耐火壁構造部4と、耐火壁構造部4の外方に位置する電
気絶縁性キャスタブル等の電気絶縁性耐火材5と、電気
絶縁性耐火材5の外方で溶融スラグBの外表面(融液レ
ベル)より下方に位置する空冷壁7と、電気絶縁性耐火
材5の外方で融液レベルより上方に位置する水冷壁8と
から構成されている。
5の外側に設けられた炉体鉄皮(炉体ケーシング)6と
外側ジャケット壁9とから構成されており、所定の間隙
Lを有する密閉空間に形成されている。また、前記水冷
壁8は、炉体鉄皮(炉体ケーシング)6と外側ジャケッ
ト壁9とから構成されており、所定の間隙Lを有する水
冷ジャケットに形成されていて、その内部には冷却水G
が充満されている。尚、図2の実施形態においては、電
気絶縁性耐火材5の外側に設けた炉体鉄皮6と外側ジャ
ケット壁9によりジャケット式の冷却壁を一体として形
成し、融液レベルよりもやや上方位置に設けた隔壁10
でもって冷却壁の内部を上・下に二分割することにより
空冷壁7と水冷壁8を構成するようにしているが、外側
ジャケット壁9を別体として横幅間隔Lの夫々異なる冷
却壁7及び水冷壁8としてもよい。
を冷却する空冷壁7は、図2及び図3に示すように、そ
の内部空間が縦向きに配設した仕切板11により適宜の
間隔寸法Wを有する複数の区画に分割されており、所謂
空気通路P1 、Pn が形成されている。尚、仕切板1
1の高さは空冷壁7の内部高さ寸法よりも短く設定され
ており、且つ各仕切板11は交互に空冷壁7の天井板
(図示省略)及び床板(隔壁10)へ固設されている。
その結果、空気通路P1 を上方向へ流れた冷却用空気H
は仕切板11の上方で反転し、隣接する空気通路P2 を
下方向へ向って流れることになり、冷却用空気Hは所謂
均一の形態で適宜数の空気通路P内を流通する。
ィン)12が設けられており、その側端部は炉体鉄皮へ
溶接14されている。当該冷却板12の高さ寸法は前記
仕切板11とほぼ同寸法に選定されており、材質として
は鋼板が使用されている。尚、仕切板11や冷却板12
は熱伝導度の高い銅やアルミ又はそれ等の合金を使用す
るのが望ましい。勿論、仕切板11と冷却板12を横方
向に取付け、横方向にジグザグ状の空気通路としても良
い。
る炉壁構造を示すものであり、前記第1実施形態に於け
る冷却板(冷却フィン)12に替えて、冷却ピン(スタ
ッド状フィン)13を用いるようにしたものである。即
ち、この実施形態に於いては図6及び図7に示す如く、
冷却ピン13として外径約6mmφ、長さL1 約75m
mの鋼製冷却ピンが使用されており、各空気通路Pの炉
体鉄皮6に、横幅ピッチ約12mmで5本又は4本の並
びが約12mmの縦幅ピッチで交又に配列されている。
尚、冷却ピン13としては、熱伝導度の高い銅やアルミ
製の冷却ピンを使用するのが望ましいことは勿論であ
る。また、冷却ピン13の外周面に螺子(図示省略)を
形成し、その外表面積を増すことにより熱伝達性を高め
るようにしてもよい。
構造の一部縦断面図であり、空冷壁7を形成する外側ジ
ャケット壁9に空気ノズル15を設け、空気ヘッダ16
から供給した空気を炉体鉄皮6側へ向けて高速噴射する
ようにしたものである。
1や冷却板12、冷却ピン13を具備した空冷壁7のみ
ならず、それらの一部を具備した空冷壁やそれ等を全く
具備しない空冷壁へも適用できることは勿論である。ま
た、図8に示す如く、空気ノズル15に対向する炉体鉄
皮6側に短いピンスタッド17を設け、これによって衝
突噴流領域Qの流れをより乱し、熱伝達率を高めるよう
にしてもよい。
する耐火壁構造部4の融液レベルより上方は、ジャケッ
ト方式の水冷壁8により冷却される。また、耐火壁構造
部4の融液レベルより下方は、ジャケット方式の空冷壁
7により冷却される。
の流速で冷却用空気Hが強制流通され、通常は仕切板1
1によって形成された複数の空気通路P内を上向流−下
向流−上向流の順に反転をし乍ら所謂均一の流れとなっ
て流通する。また、空冷壁7に仕切板11があることに
より、放熱面と冷却用空気Hの接触が確実になると共に
冷却用空気の流速のアップが容易となり、冷却用空気の
熱伝達率が向上する。冷却板12又は冷却ピン13を設
けることにより空冷壁7の冷却効果は大幅に向上し、従
前の水冷壁により直接耐火壁構造部を冷却する場合にほ
ぼ近い冷却効果を得ることができる。
気ノズル15より約30m/sec以上の高速で空気流
を炉体鉄皮6側へ向けて噴出したときには、図8に示す
如く衝突噴流領域Qの乱流の度合いが激しくなり、その
結果、衝突噴流領域Qの熱伝達率が空気ノズル15の無
い場合の約1.5〜3倍程度上昇する。また、衝突噴流
領域Qの炉体鉄皮6に短いピンスタッド17を設けた場
合には、前記熱伝達がより一層向上することになり、好
都合である。
グBの外表面(融液レベル)近傍の炉壁構造部4が最も
侵食され易いので、融液レベル近傍の冷却効果をより高
めるために使用され、空冷壁7を形成する外側ジャケッ
ト壁9に、その円周方向に適宜のピッチで取付けられ
る。また、空気ノズル15から噴出される空気流の最大
流速は、動力費等の点から通常約60m/sec以下に
選定されている。
空気Hは、燃焼用空気として直接に溶融炉燃焼室へ供給
してもよく、或いは炉底電極3の冷却に用いたあと、こ
れを燃焼用空気として溶融炉燃焼室へ供給してもよい。
いては、溶融炉本体1の融液レベルより上方を水冷壁8
で、また融液レベルより上下を空冷壁7で夫々冷却する
構成としているが、溶融炉本体1の全体を空冷壁7のみ
で冷却することも可能である。何故なら、空冷壁7内に
仕切板11や冷却板12等を設けることにより、従前の
水冷壁により直接耐火壁構造部を冷却する場合にほぼ近
い冷却効果を得ることができるからである。
の融液レベルより上方部を耐火壁構造部の外側に設けた
ジャケット式水冷壁により水冷却すると共に、前記融液
レベルより下方部を耐火壁構造部の外側に設けたジャケ
ット式空冷壁により空気冷却する構成とした電気溶融炉
の炉体冷却方法に於いて、ジャケット式空冷壁の内部を
仕切板により区画して形成した複数の空気流路に冷却用
空気を均一に流通させると共に、空冷壁より導出した冷
却用空気を直接又は炉底電極の冷却に使用したあと、溶
融炉燃焼室へ燃焼用空気として供給するようにした構成
としている。その結果、溶融炉本体の運転中に万一何ら
かの原因によって空冷壁の構成材や空冷壁7の部分の炉
壁構造部が破損したとしても、耐火壁構造部を通して溶
融炉本体内へ水分が直接侵入することはなく、従って水
蒸気爆発を生ずる危険性はほぼ零となる。また、空冷壁
に仕切板や冷却板、冷却ピン等を設けることにより、冷
却用空気流速の上昇による熱伝達率の向上や放熱面積の
増加が図れ、空冷壁の冷却効果は大幅に向上する。その
結果、従前の水冷壁により直接に耐火壁構造部を冷却す
る場合にほぼ近い冷却効果を得ることができる。更に、
空冷壁に空気ノズルを設け、当該空気ノズルより高速空
気流を炉体鉄皮側へ向けて噴出した場合には、衝突噴流
領域がより激しい乱流となり、空気流による熱伝達率が
大幅に向上する。
溶融炉燃焼室の燃焼用空気として用いることにより、燃
焼室の燃焼を促進せしめて排ガス中の可燃成分の燃焼や
ダイオキシン類の分解を促進させることができる。ま
た、燃料を用いる燃焼室の場合には燃料費の削減が可能
となる。
耐火壁構造部の外側を冷却する冷却板又は冷却ピンを備
えたジャケット式空冷壁の流体通路を通して冷却用空気
を均一に流通させると共に、空冷壁の内側ジャケット壁
を形成する炉体外皮へ向けて空気ノズルより高速空気流
を噴射する構成とした溶融炉本体の炉体冷却方法に於い
て、空冷壁より導出した冷却用空気を直接又は炉体電極
の冷却に用いたあと、溶融炉燃焼室へ燃焼用空気として
供給する構成としている。その結果、従前の水冷壁によ
り直接に耐火壁構造部を冷却する場合とほぼ同等の冷却
効果が得られると共に、所謂水蒸気爆発を生ずる危険性
が皆無となり、溶融炉本体の運転時の安全性が大幅に向
上する。また、冷却機構が空冷壁のみとなるため、設備
の簡素化や運転操作の単純化が図れ、好都合である。
融炉燃焼室の燃焼用空気として用いることにより、燃焼
室の燃焼を促進せしめて排ガス中の可燃成分の燃焼やダ
イオキシン類の分解を促進させることができる。また、
燃料を用いる燃焼室の場合には燃料費の削減が可能とな
る。本発明は上述の通り優れた実用的効用を奏するもの
である。
溶融炉本体の要部を示す縦断面概要図である。
る。
の一部を示す図である。
図の一部を示す図である。
る。
である。
冷壁の間隙長さ、W…空冷壁の空気通路の横幅長さ、P
…空気通路、L1 …冷却ピン長さ、Q…衝突噴流領域、
1…溶融炉本体、2…溶融炉本体の炉壁、3…炉底電
極、4…耐火壁構造部、5…電気絶縁性耐火材、6…炉
体鉄皮、7…空冷壁、8…水冷壁(水冷ジャケット)、
9…外側ジャケット壁、10…隔壁板、11…仕切板、
12…冷却板(板状フィン)、13…冷却ピン(スタッ
ト状フィン)14…溶接、15…空気ノズル、16…空
気ヘッダ、17…ピンスタッド。
Claims (3)
- 【請求項1】 溶融炉本体の融液レベルより上方部を耐
火壁構造部の外側に設けたジャケット式水冷壁により水
冷却すると共に、前記融液レベルより下方部を耐火壁構
造部の外側に設けたジャケット式空冷壁により空気冷却
する構成とした電気溶融炉の炉体冷却方法に於いて、ジ
ャケット式空冷壁の内部を仕切板により区画して形成し
た複数の空気流路に冷却用空気を均一に流通させると共
に、空冷壁より導出した冷却用空気を直接又は炉底電極
の冷却に使用したあと、溶融炉燃焼室へ燃焼用空気とし
て供給するようにしたことを特徴とする電気溶融炉の炉
体冷却方法。 - 【請求項2】 空冷壁に設けた空気ノズルより空冷壁を
形成する炉体鉄皮へ向けて高速空気流を噴出するように
した請求項1に記載の電気溶融炉の炉体冷却方法。 - 【請求項3】 溶融炉本体の耐火壁構造部の外側を冷却
する冷却板又は冷却ピンを備えたジャケット式空冷壁の
流体通路を通して冷却用空気を均一に流通させると共
に、空冷壁の内側ジャケット壁を形成する炉体外皮へ向
けて空気ノズルより高速空気流を噴射する構成とした溶
融炉本体の炉体冷却方法に於いて、空冷壁より導出した
冷却用空気を直接又は炉体電極の冷却に用いたあと、溶
融炉燃焼室へ燃焼用空気として供給するようにしたこと
を特徴とする溶融炉本体の炉体冷却方法。
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