JP2006162130A - 廃棄物溶融用坩堝の浸食防止方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 コストアップを招く助剤添加に頼らず、溶融スラグによる坩堝の浸食速度を低下させることができる廃棄物溶融用坩堝の浸食防止方法を提供する。
【解決手段】 鉄系金属廃棄物と可燃性廃棄物とを含む放射性廃棄物等を、アルミナ質の坩堝2に収納し高周波誘導加熱によって溶融する。このとき可燃性廃棄物を焼却するために炉内に空気流を吹き込む空気吹き込み口5を坩堝2の上端面よりも上方位置で水平に配置し、空気流が坩堝2の内部に入らないようにする。これにより坩堝2内での酸化鉄の生成が防止され、溶湯の融点低下による坩堝2の浸食が抑制される。
【選択図】 図1
【解決手段】 鉄系金属廃棄物と可燃性廃棄物とを含む放射性廃棄物等を、アルミナ質の坩堝2に収納し高周波誘導加熱によって溶融する。このとき可燃性廃棄物を焼却するために炉内に空気流を吹き込む空気吹き込み口5を坩堝2の上端面よりも上方位置で水平に配置し、空気流が坩堝2の内部に入らないようにする。これにより坩堝2内での酸化鉄の生成が防止され、溶湯の融点低下による坩堝2の浸食が抑制される。
【選択図】 図1
Description
本発明は、廃棄物溶融用坩堝の浸食防止方法に関するものであり、特に放射性廃棄物のような鉄系金属廃棄物と可燃性廃棄物とを含む廃棄物の溶融に用いるのに適した廃棄物溶融用坩堝の浸食防止方法に関するものである。
例えば放射性廃棄物の溶融炉においては、廃棄物をアルミナ質の坩堝に入れ、高周波誘導加熱によって1400℃以上の高温に加熱し、溶融スラグとしている。ところが溶融スラグによって坩堝が浸食されて減肉し、最悪の場合には溶融スラグが漏れ出す可能性がある。このような坩堝の浸食は特に鉄系廃棄物が含まれている場合に顕著である。このため従来より坩堝の交換頻度を高めたり、浸食代を大きく取ったりするなどの対策が取られてきたが、いずれもコストアップにつながるという欠点があった。
そこで溶融対象となる廃棄物中に金属アルミニウムやアルミナ粉末などの助剤を添加することにより、坩堝成分が溶出するに伴い系全体のスラグ融点を高温側にシフトするようにして、それ以上の坩堝成分の溶出を防止する方法(特許文献1)が開発されている。ところが助剤を添加するとコストアップにつながり、また助剤を添加した分だけ廃棄物の量が増加するという新たな問題が生じる。
特開2003−302495号公報
本発明は上記した従来の問題点を解決し、コストアップを招く助剤添加に頼らず、溶融スラグによる坩堝の浸食速度を低下させることができる廃棄物溶融用坩堝の浸食防止方法を提供するためになされたものである。
上記の課題を解決するために、本発明者は坩堝の浸食メカニズムにつき検討を重ねた結果、アルミナ質の坩堝を用いた溶融処理では、溶湯中に酸化鉄が存在するとスラグ融点が低下して浸食速度が大きくなること、また鉄系廃棄物そのものの酸化鉄量よりも、可燃性廃棄物を焼却するために炉内に吹き込まれる空気によって鉄系廃棄物が新たに酸化されることによって生成される酸化鉄量の方が多いことを究明した。
本発明は上記の知見に基づいてなされたものであって、鉄系金属廃棄物と可燃性廃棄物とを含む廃棄物を炉内に設置された坩堝内で高周波誘導加熱によって溶融するに際し、可燃性廃棄物を焼却するために炉内に吹き込まれる空気流が、坩堝の上端面より外側の領域を通過するように空気吹き込み口を配置し、空気流による坩堝内での酸化鉄の生成を抑制しながら溶融することを特徴とするものである。また好ましい実施形態では、空気吹き込み口を、坩堝の上端面よりも上方位置で水平に配置することにより、空気流が坩堝の上端面よりも上方を通過するようにした。
本発明によれば、可燃性廃棄物を焼却するために炉内に吹き込まれる空気流が、坩堝の上端面より外側の領域を通過するように空気吹き込み口を配置し、空気流による坩堝内での酸化鉄の生成を抑制しながら溶融するので、坩堝内に投入された未溶融の鉄系金属廃棄物は新たな酸化物を生成することなく、溶融される。従って溶湯内の酸化鉄量が従来に比較して低減し、アルミナ質の坩堝の浸食量を半減させることに成功した。
図1は本発明の実施形態を示す図であり、1は放射性雑固体廃棄物を溶融する溶融炉の炉体、2はその内部に設置された坩堝である。この坩堝2は導電性を付与するためにカーボンを配合したアルミナ質のもので、炉体1の上部の投入口3から放射性雑固体廃棄物が投入される。放射性雑固体廃棄物には樹脂、ゴム、オイルなどの可燃性廃棄物のほか、鋼やステンレスなどの鉄系金属廃棄物、コンクリートなどの不燃性廃棄物などが含まれている。なお、本実施形態では坩堝2として導電性の坩堝を用いたが、放射性雑固体廃棄物の主体が金属廃棄物である場合にはそれ自体が発熱するので、必ずしも導電性の坩堝を用いなくてもよい。
坩堝2の外周には高周波コイル4が設置されており、導電性の坩堝2を誘導加熱して発熱させ、放射性雑固体廃棄物を1400℃以上の高温で溶融させる。また樹脂、オイルなどの可燃性廃棄物を燃焼させるために、空気吹き込み口5から常温の空気が炉内に吹き込まれている。空気吹き込み口5の数は単一であっても、2以上であっても差し支えない。
本発明では図1に示すように、空気吹き込み口5からの空気流が、坩堝2の上端面6よりも外側の領域を通過するように空気吹き込み口5を配置する。すなわちこの実施形態では、坩堝2の上端面6よりも上方位置に空気吹き込み口5を水平に配置し、空気流が坩堝2の上端面6よりも上方を通過するようになっている。しかし必ずしもこの実施形態に限定されるものではなく、空気吹き込み口5を水平よりも下向きに傾斜させても、その軸線の延長線が坩堝2の上端面6より外側を通過するようにすればよい。また、空気吹き込み口5を上向きに向けてもよい。なお参考のため、図2に従来の空気吹き込み口5の配置を示した。
このほか、坩堝2の下部にも空気供給孔7が設けられており、少量の空気が炉内に供給されている。この空気は坩堝2の外周空間をエアパージすることにより、坩堝2の表面温度を放射温度計によって正確に測定できるようにするためのもので、従来と変わるところはない。ただし過剰に空気を供給すると坩堝2の下部が冷却されすぎ、坩堝2に大きな温度分布ができて熱応力による破損の可能性がある。
8はガス排出口であり、可燃性廃棄物の燃焼により生じた燃焼ガスのみならず、坩堝2から発生する分解ガス、ヒューム、ダスト等を後段の排ガス処理設備に導くためのものである。排ガス処理設備では従来と同様にガス中のノックス、ソックスなどの有害成分とともに放射性核種が除去され、処理されたガスは大気中に放出される。
さて図2に示した従来法では、空気吹き込み口5から坩堝2内に吹き込まれる空気により可燃性廃棄物を燃焼させるとともに、金属廃棄物などの不燃性廃棄物を溶融させていたのであるが、廃棄物中に鉄系廃棄物が含まれている場合には、1400℃付近の高温雰囲気中で空気と接触することにより、溶融前に多量の酸化鉄が生成され、溶湯中に持ち込まれるることは前記したとおりである。
これに対して本発明法では、可燃性廃棄物を焼却するために空気吹き込み口5から炉内に吹き込まれる空気流は、坩堝2の内部には進入しない。このため鉄系廃棄物が含まれている場合にも、空気流による坩堝2内での酸化鉄の生成を抑制することができる。このため溶湯中の酸化鉄が増加することによるスラグ融点の低下を回避でき、坩堝2の浸食速度が抑制される。
なお、可燃性廃棄物は従来のように直接空気を当てなくても1400℃付近の高温では熱分解する。そして熱分解により生じた可燃性ガスは、坩堝2の上端面6よりも上方を通過する空気流と接触して燃焼するため、可燃性ガスが後段に移行して爆発する可能性はない。このように熱分解により生じた可燃性ガスは坩堝2の近傍で速やかに燃焼させることが安全上必要であり、炉内に空気吹き込み口5を設置せず、後段の燃焼室で燃焼させる方式は好ましくない。
原子力発電所から排出されるコンクリート及び鉄板等の鉄系金属廃棄物及び塩化ビニルシートを主体とする低レベル放射性廃棄物を、10%のカーボンを配合したアルミナ坩堝(口部肉厚30mm)を用いて高周波溶融した。実施例では、図1に示したように坩堝2の上端面6よりも約30cm上方に単一の空気吹き込み口を水平に設置し、100Nm3/Hrの空気を坩堝の内部に入らないように供給した。溶融温度は約1500℃である。またこれと比較するために、図2に示すように同量の空気を坩堝内に吹き込みながら、その他の条件は実施例と同一として溶融を行った。
その結果、図2に示した従来法では1回の溶融で坩堝は10mm浸食されたが、実施例では浸食量は5mmに半減した。なお、特許文献1に示したように助剤としてアルミニウム箔を10重量%程度投入しても、1回の溶融における浸食量を5mmとすることができるが、本発明法は助剤を要しないために余分なコストがかからず、また廃棄物量が増加することもない。
以上の説明は放射性廃棄物の溶融炉を中心としたものであるが、溶融対象物が放射性を有するか否かは本発明とは直接関係がなく、医療廃棄物のような非放射性の危険物を溶融する場合にも、本発明を適用できることはいうまでもない。
1 炉体
2 坩堝
3 投入口
4 高周波コイル
5 空気吹き込み口
6 坩堝の上端面
7 空気供給孔
8 ガス排出口
2 坩堝
3 投入口
4 高周波コイル
5 空気吹き込み口
6 坩堝の上端面
7 空気供給孔
8 ガス排出口
Claims (2)
- 鉄系金属廃棄物と可燃性廃棄物とを含む廃棄物を炉内に設置された坩堝内で高周波誘導加熱によって溶融するに際し、可燃性廃棄物を焼却するために炉内に吹き込まれる空気流が、坩堝の上端面より外側の領域を通過するように空気吹き込み口を配置し、空気流による坩堝内での酸化鉄の生成を抑制しながら溶融することを特徴とする廃棄物溶融用坩堝の浸食防止方法。
- 空気吹き込み口を、坩堝の上端面よりも上方位置で水平に配置することにより、空気流が坩堝の上端面よりも上方を通過するようにしたことを特徴とする請求項1記載の廃棄物溶融用坩堝の浸食防止方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004352573A JP2006162130A (ja) | 2004-12-06 | 2004-12-06 | 廃棄物溶融用坩堝の浸食防止方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004352573A JP2006162130A (ja) | 2004-12-06 | 2004-12-06 | 廃棄物溶融用坩堝の浸食防止方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2006162130A true JP2006162130A (ja) | 2006-06-22 |
Family
ID=36664341
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2004352573A Withdrawn JP2006162130A (ja) | 2004-12-06 | 2004-12-06 | 廃棄物溶融用坩堝の浸食防止方法 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2006162130A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009192099A (ja) * | 2008-02-12 | 2009-08-27 | Japan Atomic Energy Agency | 放射性廃棄物処理装置 |
-
2004
- 2004-12-06 JP JP2004352573A patent/JP2006162130A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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