JP3542263B2 - 電気溶融炉の炉壁構造 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば都市ごみや産業廃棄物の焼却炉から排出した焼却灰や飛灰を溶融処理する電気溶融炉に於いて使用されるものであり、溶融炉本体の溶融スラグが接する部分の炉壁構造の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、都市ごみ等の焼却炉から排出される焼却灰や飛灰等の焼却残渣(以下単に灰という)の減容化及び無害化を図る手段として灰の溶融固化処理法が注目され、現実に実用に供されている。灰は、溶融固化する事によりその容積を1/2〜1/3に減らすことができると共に、重金属等の有害物質の溶出防止や溶融スラグの再利用、最終埋立処分場の延命等が可能になるからである。
【0003】
前記灰の溶融固化処理方法としては、アーク溶融炉・プラズマアーク炉・電気抵抗炉等を用いて電気エネルギーにより灰を溶融固化する方法と、表面溶融炉・旋回溶融炉・コークスベッド炉等を用いて燃料の燃焼エネルギーによって灰を溶融固化する方法とが実用化されており、一般に、発電設備が併置されているごみ焼却設備の場合には前者の電気エネルギーを用いる方法が、また発電設備が併置されていないごみ焼却設備の場合には後者の燃焼エネルギーを用いる方法が採用されている。
【0004】
図6は、従前のごみ焼却処理設備に併置した電気溶融炉設備の一例を示すものであり、ここでは電気溶融炉として直流アーク放電黒鉛電極式プラズマ溶融炉が使用されている。
尚、図6に於いて50は電気溶融炉設備、51は灰コンテナ、52は灰供給装置、53は溶融炉本体、54は主電極(黒鉛)、55はスタート電極(黒鉛)、56は炉底電極、57は炉底冷却ファン、58は直流電源装置、59は窒素ガス供給装置、60は溶融スラグ流出口、61はタップホール、62は燃焼室、63は燃焼空気ファン、64はガス冷却塔、64aは水噴霧装置、65はバグフィルタ、66は誘引通風機、67は煙突、68は溶融飛灰コンベア、69は飛灰だめ、70はスラグ水冷槽、71はスラグ搬出コンベア、72はスラグだめ、73はスラグ冷却水冷却装置である。
【0005】
図6に於いて、ごみ焼却炉からの灰Aは灰コンテナ51に貯えられ、ここから灰供給装置52により溶融炉本体53内へ連続的に供給される。溶融炉本体53内では、炉頂部より挿入した主電極54(−極)と炉底に設置した炉底電極56(+極)との間に直流電源装置58からの直流電圧を印加することにより、主電極54と溶融スラグBの表面との間にプラズマアークが形成されており、このプラズマアークの発生熱により溶融炉本体53内へ供給された灰Aが1400〜1600℃に加熱され、溶融スラグとなる。直流電源装置58から溶融炉本体53へ供給される灰溶融用電力は、通常約600〜1000kw/灰(ton)程度に設定されている。
【0006】
尚、前記灰Aそのものは非導電性であるため、溶融炉の始動時にはスタート電極55を溶融炉本体53内へ挿入し、このスタート電極55と主電極54間にアークを発生させて灰Aを溶融させ、溶融スラグBがある程度形成された段階で、スタート電極55(+極)を炉底電極56側へ切替える。
また、溶融炉本体53の内部を還元性雰囲気とするため、窒素ガス供給装置59より窒素ガスが、中空状に形成した主電極54及びスタート電極55の中空孔を通して炉内へ供給される。
更に、炉底では、炉底冷却ファン57からの送風により、炉底電極56及びその周辺部分が空冷される。
【0007】
灰Aの溶融が始まると、灰Aに含まれている揮発成分や炭素成分は、一酸化炭素を含むガス体Cとなる。このガス体Cは、溶融炉本体53の炉壁75に設けた溶融スラグ流出口60から燃焼室62へ排出され、燃焼室62において燃焼空気ファン63から燃焼用空気Dが供給されることにより完全燃焼されたあと、ガス冷却塔64に於いて冷却され、バグフィルタ65を経て誘引通風機66により煙突67から排出される。なお、バグフィルタ65で捕捉された溶融飛灰Eは、溶融飛灰コンベア68により飛灰溜め69へ送られる。
【0008】
また、灰Aに含まれている不燃性成分(灰及び鉄等の金属やガラス、砂等)は溶融状態となり、その溶融スラグBは、溶融スラグ流出口60から連続的に溢出し、水を満したスラグ水冷槽70内へ落下して水砕スラグFとなり、スラグ搬出コンベア71によってスラグ溜め72へ送られる。なお、溶融炉本体53の底部には、比重差により溶融メタルが堆積するため、タップホール61からメタルを適時抜き出す。また、溶融炉本体53の停止時には、炉壁75に設けたタップホール61を開孔して湯抜きを行い、溶融炉本体53を空にする。
【0009】
前記溶融炉本体53の炉壁75は、一般に、溶融スラグBに接触する耐火壁構造部76の外周面を水冷壁(水冷ジャケット)77により(又は水スプレー手段や空冷手段等により)冷却するように構成されている。
図7は、従来の代表的な炉壁構造を示すものであり、耐火壁構造部76を1600℃程度の高温に耐え得る耐火材(例えば、カーボン系,C−SiC系,SiC系,クロム系の耐火材)で構成すると共に、これを囲繞する水冷壁(水冷ジャケット)77を鋼板製の内・外ジャケット壁内へ冷却水Gを供給する構造のものとなし、更に、耐火壁構造部76と水冷壁(水冷ジャケット)77との間に電気絶縁性耐火材層78を介在させたものが周知である。
【0010】
而して、前記溶融炉本体の炉壁構造は、炉壁を形成する耐火壁構造部(耐火材)76や水冷壁(水冷ジャケット)77の損傷が比較的少なく、優れた実用的効用を奏するものである。
しかし、この種の溶融炉本体53の炉壁構造にも解決すべき多くの問題が残されており、その中でも特に重要な問題は、万一水冷壁(水冷ジャケット)77内の冷却水Gが溶融炉本体53内へ漏洩した場合の水蒸気爆発の問題である。
【0011】
即ち、この種の溶融炉本体53の炉壁構造に於いては、耐火壁構造部(耐火材)76の侵食、特に溶融スラグBやその下方の溶融メタルに接触する部分の侵食が激しいため、水冷ジャケット方式や水スプレー方式の水冷壁77を設けてこれを冷却することにより、その侵食を防止している。
【0012】
しかし、耐火壁構造部(耐火材)76の侵食を皆無にすることは困難であり、万一耐火壁構造部(耐火材)76が侵食等により損傷すると、水冷壁77が直接高温に晒されることになり、その結果、水冷壁が破損して冷却水Gが溶融炉本体53内へ侵入し、溶融スラグB内へ巻き込まれることにより水蒸気爆発を引き起すことになる。
同様に、水冷壁77へ供給する冷却水Gの管理が悪かったり、或いは水冷壁77内の冷却水Gの流れが円滑でない場合には、水冷壁77の構成材が腐蝕され易くなり、万一構成材の腐蝕により水冷壁77から冷却水Gが漏洩すると、前記水蒸気爆発を引き起すことになる。
【0013】
本願発明は、従前の電気溶融炉の炉壁構造に於ける上述の如き問題の解決をその課題とするものであり、水冷壁による耐火壁構造部(耐火材)の冷却効果が損なわれることなく、しかも、万一耐火壁構造部や水冷壁の破損によって水漏れが生じても、水蒸気爆発の発生を未然に防止することができるようにした電気溶融炉の炉壁構造を提供するものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明に係る電気溶融炉の炉壁構造は、耐火壁構造部と、耐火壁構造部の外側に設けた電気絶縁性耐火材と、電気絶縁性耐火材の外側に設けた空気層と、空気層の外側に設けた水冷壁とから構成した電気溶融炉の炉壁構造において、前記空気層を電気絶縁性耐火材の外側に設けた炉体鉄皮と水冷壁を構成する内側ジャケット壁により形成すると共に、前記炉体鉄皮と内側ジャケット壁とを冷却板又は冷却ピンにより連結する構成としたことを発明の基本構成とするものである。
【0015】
請求項2の発明は、耐火壁構造部と、耐火壁構造部の外側に設けた電気絶縁性耐火材と、電気絶縁性耐火材の外側に設けた空気層と、空気層の外側に設けた水冷壁とから構成した電気溶融炉の炉壁構造において、前記空気層を、電気絶縁性耐火材の外側に設けた炉体鉄皮と水冷壁を構成する内側ジャケット壁により形成すると共に、空気層内又は空気層内と連通する箇所に前記空気層内へ漏出した水冷壁内の冷却水を検出する検知器を備えたことを発明の基本構成とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1又は請求項2の発明に於いて、空気層内へ冷却空気を強制流通させるようにしたものである。
更に、請求項4の発明は、請求項3の発明に於いて、空気層から導出した冷却空気を直接又は炉底電極の冷却に使用したあと、溶融炉燃焼室へ供給するようにしたものである。
【0016】
水冷壁が腐蝕したり、或いは耐火壁構造部が焼損して水冷壁が高温に晒されることにより水冷壁が破損したりすると、水冷壁の冷却水が耐火壁構造部を経て溶融炉本体内へ漏洩しようとするが、耐火壁構造部と水冷壁との間には空気層が設けられているので、水冷壁から耐火壁構造部への冷却水の漏洩が遮断される。このため、水冷壁の破損事故によって水漏れが生じても直ちに水が溶融スラグと接触することはなく、冷却水が溶融炉本体内の溶融スラグに巻き込まれて水蒸気爆発を起こすことを防止できる。その結果、電気溶融炉の運転上の安全性が大幅に向上する。
また、空気層は、水冷壁による耐火壁構造部の冷却を許容するので、耐火壁構造部の冷却効果が損なわれる事はない。
【0017】
空気層を、耐火壁構造部の外側に設けた炉体鉄皮と水冷壁を構成する内側ジャケット壁により形成し、前記炉体鉄皮と内側ジャケット壁とを冷却板又は冷却ピンにより連結すると、水冷壁による耐火壁構造部の冷却効果が一層向上し、耐火壁構造部の熱損傷を防止する上で好都合である。
また、空気層内へ冷却空気を強制流通させることにより、空気層による耐火壁構造部の冷却が一層促進され、耐火壁構造部の熱損傷がより低減する。
更に、空気層内へ漏出した冷却水を検出する検知器を備えることにより、冷却水の漏洩を早期に検出することができ、溶融炉本体運転時の安全性が一層向上する。
加えて、空気層から導出した空気を直接又は炉底の冷却に使用したあと溶融炉燃焼室へ供給することにより、燃焼室内の燃焼がより促進されると共に、燃焼室へ燃料を供給している場合には、燃料費の削減が可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。
図1は本発明の第1実施形態に係る炉壁構造を備えた溶融炉本体の要部を示す断面概要図であり、図2は図1のイーイ視断面の一部を拡大したものである。
図1及び図2に於いて、Bは溶融スラグ、Gは冷却水、Hは冷却用空気、1は溶融炉本体、2は溶融炉本体の炉壁、3は炉底電極、4は耐火壁構造部、5は電気絶縁性耐火材、6は炉体鉄皮、7は空気層、8は水冷ジャケット式の水冷壁、9は内側ジャケット壁、10は外側ジャケット壁、11は水分検知器である。
尚、前記溶融炉本体1は、炉壁2を除くその他の部分の構造が従前の溶融炉本体とほぼ同一であるため、ここでは炉壁2以外の部分の詳細な説明を省略する。
【0019】
当該溶融炉本体1の溶融スラグBと接する部分の炉壁2は、図2に示す如く、1600℃程度の高温に耐え得る耐火材(例えばカーボン系耐火レンガ、C−SiC系耐火レンガ、SiC系耐火レンガ、クロム系耐火レンガ)により形成した耐火壁構造部4と、耐火壁構造部4の外方に位置する電気絶縁性キャスタブル等の電気絶縁性耐火材5と、電気絶縁性耐火材5の外方に位置する空気層7と、空気層7の外方に位置する水冷ジャケット式の水冷壁8とから構成されている。
【0020】
即ち、前記空気層7は、電気絶縁性耐火材5の外側に設けられた炉体鉄皮(炉体ケーシング)6と水冷壁8を形成する内側ジャケット壁9とから構成されており、所定の間隙L1 を有する密閉空間に形成されている。
また、前記水冷壁8は、内側ジャケット壁9と外側ジャケット壁10とから構成されており、所定の間隙L2 を有する水冷ジャケットに形成されていて、その内部には冷却水Gが充満されている。
【0021】
前記水分検知器11は水蒸気センサーや湿度計等の空気層7内へ漏出した冷却水G又は冷却水Gの蒸気を検出するためのものであり、空気層7内の水分濃度が設定値以上になった場合に検出信号を出力するものであれば、如何なる構造のものであってもよい。
また、当該水分検出器11は空気層7内の最下方位置に設けてもよく、或いは空気層7に連通する水分導出管(図示省略)の端部に設けるようにしてもよい。更に、前記水分検出器11と並列的に空気層7内の温度を検出する検出器(図示省略)を設け、これによって耐火壁構造部4の破損時に溶融炉本体1内から漏出した溶融スラグBによる空気層7内の温度上昇を検知するようにしてもよい。
【0022】
溶融炉本体1の運転時には、炉壁2を形成する耐火壁構造部4は空気層7を介して水冷壁8により冷却される。尚、空気層7を設けることにより、水冷壁8による耐火壁構造部4の冷却効果は若干低下するが、空気層7内へ冷却用空気Hを強制流通させることにより、前記水冷壁8の冷却効果の低下をより少なくすることができる。
【0023】
溶融炉本体1の運転中に、万一何らかの原因によって内側ジャケット壁9が破損して水漏れが生じても、漏洩した冷却水Gは空気層7内へ流れ込み、溶融炉本体1内へは流入しない。
また、空気層7内へ流れ込んだ冷却水G又はその蒸気は、空気層7内又は空気層7内と連通可能に設けた水分検知器11により検出され、これによって溶融炉本体1の運転を安全に停止することができる。
【0024】
図3及び図4は、本発明の第2実施形態に係る炉壁構造の縦断面の一部及び横断面の一部を示すものであり、図3及び図4に於いて12は冷却板、13は溶接部である。
当該第2実施形態に於いては、空気層7と水冷壁8との間が一定の間隔を置いて配設した複数の冷却板12により連結されており、水冷壁8による耐火壁構造部4の冷却効果が冷却板12によって高められるようにしたものである。
【0025】
前記冷却板12は、空気層7の間隙寸法L1 より長い横幅寸法を有しており、その一端は空気層7を形成する炉体鉄皮6へ溶接されている。また、冷却板12の他端は水冷壁8を形成する内側ジャケット壁9を貫通して水冷壁8内へ突出されており、溶接部13により内側ジャケット壁9へ気密に固着されている。
尚、前記冷却板12を設けることにより、水冷壁8の冷却効果は大幅に向上し、従前の水冷壁により直接耐火壁構造部を冷却する場合にほぼ近い冷却効果を得ることができる。
【0026】
図5は本発明の第3実施形態に係る炉壁構造の横断面の一部を示すものであり、図5に於いて14は冷却ピンである。
即ち、当該第3実施形態に於いては、前記第2実施形態の冷却板12に替えて冷却ピン14が使用されており、その基端部は炉体鉄皮6へ溶接されている。また、ピン14の先端部は内側ジャケット壁9を貫通せしめて水冷壁8内へ突出されており、内側ジャケット壁9へ溶接部13により気密に固着されている。
【0027】
尚、前記冷却ピン14を適宜のピッチで複数本設けることにより、従前の水冷壁により直接耐火壁構造部を冷却する場合にほぼ近い冷却効果を得ることができる。
また、前記第2実施形態及び第3実施形態に於いても、空気層7内へ冷却用空気Hを強制流通させ、これによって耐火壁構造部4の冷却を促進してもよいことは勿論である。
更に、空気層7内から排出した冷却用空気Hは、燃焼用空気として直接に溶融炉燃焼室へ供給してもよく、或いは炉底電極3の冷却に用いたあと、これを燃焼用空気として溶融炉燃焼室へ供給するようにしてもよい。
【0028】
【発明の効果】
本発明に於いては、溶融炉本体の炉壁を耐火壁構造部と、その外側に設けた空気層と、空気層の外側に設けた水冷壁とから構成している。その結果、万一水冷壁から冷却水が漏洩しても、漏洩水は空気層内へ流れ込み、耐火壁構造部を通して直接に溶融炉本体内へ到達することはなく、従って、所謂水蒸気爆発の発生を完全に防止することができる。
また、空気層内へ冷却用空気を強制流通させたり、或いは空気層と水冷壁との間に冷却板や冷却ピン等を設けることにより、水冷壁の冷却効果は大幅に向上し、従前の水冷壁により直接に耐火壁構造部を冷却する場合にほぼ近い冷却効果を得ることができる。
更に、空気層内の水蒸気濃度や雰囲気温度を検出器によって連続的にモニターすることにより、水冷壁の破損や耐火壁構造物の損傷を早期に検出することができ、溶融炉本体の運転時の安全性が大幅に向上する。
加えて、空気層から排出した冷却空気を溶融炉燃焼室の燃焼用空気として用いることにより、燃焼室の燃焼性の向上及び燃料を用いる燃焼室の場合には燃料費の削減が可能となる。
本発明は上述の通り優れた実用的効用を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る炉壁構造を備えた溶融炉本体の要部を示す縦断面概要図である。
【図2】図1のイーイ視断面の一部を拡大した図である。
【図3】本発明の第2実施形態に係る炉壁構造の縦断面の一部を示す図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る炉壁構造の横断面の一部を示す図である。
【図5】本発明の第3実施形態に係る炉壁構造を示す横断面図である。
【図6】従前の電気溶融炉設備の一例を示す説明図である。
【図7】従前の溶融炉本体の炉壁構造の縦断面の一部を示す図である。
【符号の説明】
B…溶融スラグ、G…冷却水、H…冷却用空気、L1 …空気層7の間隙長さ、L2 …水冷壁の間隙長さ、1…溶融炉本体、2…溶融炉本体の炉壁、3…炉底電極、4…耐火壁構造部、5…電気絶縁性耐火材、6…炉体鉄皮、7…空気層、8…水冷壁(水冷式ジャケット)、9…内側ジャケット壁、10…外側ジャケット壁、11…水分検知器、12…冷却板、13…溶接、14…冷却ピン。
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば都市ごみや産業廃棄物の焼却炉から排出した焼却灰や飛灰を溶融処理する電気溶融炉に於いて使用されるものであり、溶融炉本体の溶融スラグが接する部分の炉壁構造の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、都市ごみ等の焼却炉から排出される焼却灰や飛灰等の焼却残渣(以下単に灰という)の減容化及び無害化を図る手段として灰の溶融固化処理法が注目され、現実に実用に供されている。灰は、溶融固化する事によりその容積を1/2〜1/3に減らすことができると共に、重金属等の有害物質の溶出防止や溶融スラグの再利用、最終埋立処分場の延命等が可能になるからである。
【0003】
前記灰の溶融固化処理方法としては、アーク溶融炉・プラズマアーク炉・電気抵抗炉等を用いて電気エネルギーにより灰を溶融固化する方法と、表面溶融炉・旋回溶融炉・コークスベッド炉等を用いて燃料の燃焼エネルギーによって灰を溶融固化する方法とが実用化されており、一般に、発電設備が併置されているごみ焼却設備の場合には前者の電気エネルギーを用いる方法が、また発電設備が併置されていないごみ焼却設備の場合には後者の燃焼エネルギーを用いる方法が採用されている。
【0004】
図6は、従前のごみ焼却処理設備に併置した電気溶融炉設備の一例を示すものであり、ここでは電気溶融炉として直流アーク放電黒鉛電極式プラズマ溶融炉が使用されている。
尚、図6に於いて50は電気溶融炉設備、51は灰コンテナ、52は灰供給装置、53は溶融炉本体、54は主電極(黒鉛)、55はスタート電極(黒鉛)、56は炉底電極、57は炉底冷却ファン、58は直流電源装置、59は窒素ガス供給装置、60は溶融スラグ流出口、61はタップホール、62は燃焼室、63は燃焼空気ファン、64はガス冷却塔、64aは水噴霧装置、65はバグフィルタ、66は誘引通風機、67は煙突、68は溶融飛灰コンベア、69は飛灰だめ、70はスラグ水冷槽、71はスラグ搬出コンベア、72はスラグだめ、73はスラグ冷却水冷却装置である。
【0005】
図6に於いて、ごみ焼却炉からの灰Aは灰コンテナ51に貯えられ、ここから灰供給装置52により溶融炉本体53内へ連続的に供給される。溶融炉本体53内では、炉頂部より挿入した主電極54(−極)と炉底に設置した炉底電極56(+極)との間に直流電源装置58からの直流電圧を印加することにより、主電極54と溶融スラグBの表面との間にプラズマアークが形成されており、このプラズマアークの発生熱により溶融炉本体53内へ供給された灰Aが1400〜1600℃に加熱され、溶融スラグとなる。直流電源装置58から溶融炉本体53へ供給される灰溶融用電力は、通常約600〜1000kw/灰(ton)程度に設定されている。
【0006】
尚、前記灰Aそのものは非導電性であるため、溶融炉の始動時にはスタート電極55を溶融炉本体53内へ挿入し、このスタート電極55と主電極54間にアークを発生させて灰Aを溶融させ、溶融スラグBがある程度形成された段階で、スタート電極55(+極)を炉底電極56側へ切替える。
また、溶融炉本体53の内部を還元性雰囲気とするため、窒素ガス供給装置59より窒素ガスが、中空状に形成した主電極54及びスタート電極55の中空孔を通して炉内へ供給される。
更に、炉底では、炉底冷却ファン57からの送風により、炉底電極56及びその周辺部分が空冷される。
【0007】
灰Aの溶融が始まると、灰Aに含まれている揮発成分や炭素成分は、一酸化炭素を含むガス体Cとなる。このガス体Cは、溶融炉本体53の炉壁75に設けた溶融スラグ流出口60から燃焼室62へ排出され、燃焼室62において燃焼空気ファン63から燃焼用空気Dが供給されることにより完全燃焼されたあと、ガス冷却塔64に於いて冷却され、バグフィルタ65を経て誘引通風機66により煙突67から排出される。なお、バグフィルタ65で捕捉された溶融飛灰Eは、溶融飛灰コンベア68により飛灰溜め69へ送られる。
【0008】
また、灰Aに含まれている不燃性成分(灰及び鉄等の金属やガラス、砂等)は溶融状態となり、その溶融スラグBは、溶融スラグ流出口60から連続的に溢出し、水を満したスラグ水冷槽70内へ落下して水砕スラグFとなり、スラグ搬出コンベア71によってスラグ溜め72へ送られる。なお、溶融炉本体53の底部には、比重差により溶融メタルが堆積するため、タップホール61からメタルを適時抜き出す。また、溶融炉本体53の停止時には、炉壁75に設けたタップホール61を開孔して湯抜きを行い、溶融炉本体53を空にする。
【0009】
前記溶融炉本体53の炉壁75は、一般に、溶融スラグBに接触する耐火壁構造部76の外周面を水冷壁(水冷ジャケット)77により(又は水スプレー手段や空冷手段等により)冷却するように構成されている。
図7は、従来の代表的な炉壁構造を示すものであり、耐火壁構造部76を1600℃程度の高温に耐え得る耐火材(例えば、カーボン系,C−SiC系,SiC系,クロム系の耐火材)で構成すると共に、これを囲繞する水冷壁(水冷ジャケット)77を鋼板製の内・外ジャケット壁内へ冷却水Gを供給する構造のものとなし、更に、耐火壁構造部76と水冷壁(水冷ジャケット)77との間に電気絶縁性耐火材層78を介在させたものが周知である。
【0010】
而して、前記溶融炉本体の炉壁構造は、炉壁を形成する耐火壁構造部(耐火材)76や水冷壁(水冷ジャケット)77の損傷が比較的少なく、優れた実用的効用を奏するものである。
しかし、この種の溶融炉本体53の炉壁構造にも解決すべき多くの問題が残されており、その中でも特に重要な問題は、万一水冷壁(水冷ジャケット)77内の冷却水Gが溶融炉本体53内へ漏洩した場合の水蒸気爆発の問題である。
【0011】
即ち、この種の溶融炉本体53の炉壁構造に於いては、耐火壁構造部(耐火材)76の侵食、特に溶融スラグBやその下方の溶融メタルに接触する部分の侵食が激しいため、水冷ジャケット方式や水スプレー方式の水冷壁77を設けてこれを冷却することにより、その侵食を防止している。
【0012】
しかし、耐火壁構造部(耐火材)76の侵食を皆無にすることは困難であり、万一耐火壁構造部(耐火材)76が侵食等により損傷すると、水冷壁77が直接高温に晒されることになり、その結果、水冷壁が破損して冷却水Gが溶融炉本体53内へ侵入し、溶融スラグB内へ巻き込まれることにより水蒸気爆発を引き起すことになる。
同様に、水冷壁77へ供給する冷却水Gの管理が悪かったり、或いは水冷壁77内の冷却水Gの流れが円滑でない場合には、水冷壁77の構成材が腐蝕され易くなり、万一構成材の腐蝕により水冷壁77から冷却水Gが漏洩すると、前記水蒸気爆発を引き起すことになる。
【0013】
本願発明は、従前の電気溶融炉の炉壁構造に於ける上述の如き問題の解決をその課題とするものであり、水冷壁による耐火壁構造部(耐火材)の冷却効果が損なわれることなく、しかも、万一耐火壁構造部や水冷壁の破損によって水漏れが生じても、水蒸気爆発の発生を未然に防止することができるようにした電気溶融炉の炉壁構造を提供するものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明に係る電気溶融炉の炉壁構造は、耐火壁構造部と、耐火壁構造部の外側に設けた電気絶縁性耐火材と、電気絶縁性耐火材の外側に設けた空気層と、空気層の外側に設けた水冷壁とから構成した電気溶融炉の炉壁構造において、前記空気層を電気絶縁性耐火材の外側に設けた炉体鉄皮と水冷壁を構成する内側ジャケット壁により形成すると共に、前記炉体鉄皮と内側ジャケット壁とを冷却板又は冷却ピンにより連結する構成としたことを発明の基本構成とするものである。
【0015】
請求項2の発明は、耐火壁構造部と、耐火壁構造部の外側に設けた電気絶縁性耐火材と、電気絶縁性耐火材の外側に設けた空気層と、空気層の外側に設けた水冷壁とから構成した電気溶融炉の炉壁構造において、前記空気層を、電気絶縁性耐火材の外側に設けた炉体鉄皮と水冷壁を構成する内側ジャケット壁により形成すると共に、空気層内又は空気層内と連通する箇所に前記空気層内へ漏出した水冷壁内の冷却水を検出する検知器を備えたことを発明の基本構成とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1又は請求項2の発明に於いて、空気層内へ冷却空気を強制流通させるようにしたものである。
更に、請求項4の発明は、請求項3の発明に於いて、空気層から導出した冷却空気を直接又は炉底電極の冷却に使用したあと、溶融炉燃焼室へ供給するようにしたものである。
【0016】
水冷壁が腐蝕したり、或いは耐火壁構造部が焼損して水冷壁が高温に晒されることにより水冷壁が破損したりすると、水冷壁の冷却水が耐火壁構造部を経て溶融炉本体内へ漏洩しようとするが、耐火壁構造部と水冷壁との間には空気層が設けられているので、水冷壁から耐火壁構造部への冷却水の漏洩が遮断される。このため、水冷壁の破損事故によって水漏れが生じても直ちに水が溶融スラグと接触することはなく、冷却水が溶融炉本体内の溶融スラグに巻き込まれて水蒸気爆発を起こすことを防止できる。その結果、電気溶融炉の運転上の安全性が大幅に向上する。
また、空気層は、水冷壁による耐火壁構造部の冷却を許容するので、耐火壁構造部の冷却効果が損なわれる事はない。
【0017】
空気層を、耐火壁構造部の外側に設けた炉体鉄皮と水冷壁を構成する内側ジャケット壁により形成し、前記炉体鉄皮と内側ジャケット壁とを冷却板又は冷却ピンにより連結すると、水冷壁による耐火壁構造部の冷却効果が一層向上し、耐火壁構造部の熱損傷を防止する上で好都合である。
また、空気層内へ冷却空気を強制流通させることにより、空気層による耐火壁構造部の冷却が一層促進され、耐火壁構造部の熱損傷がより低減する。
更に、空気層内へ漏出した冷却水を検出する検知器を備えることにより、冷却水の漏洩を早期に検出することができ、溶融炉本体運転時の安全性が一層向上する。
加えて、空気層から導出した空気を直接又は炉底の冷却に使用したあと溶融炉燃焼室へ供給することにより、燃焼室内の燃焼がより促進されると共に、燃焼室へ燃料を供給している場合には、燃料費の削減が可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。
図1は本発明の第1実施形態に係る炉壁構造を備えた溶融炉本体の要部を示す断面概要図であり、図2は図1のイーイ視断面の一部を拡大したものである。
図1及び図2に於いて、Bは溶融スラグ、Gは冷却水、Hは冷却用空気、1は溶融炉本体、2は溶融炉本体の炉壁、3は炉底電極、4は耐火壁構造部、5は電気絶縁性耐火材、6は炉体鉄皮、7は空気層、8は水冷ジャケット式の水冷壁、9は内側ジャケット壁、10は外側ジャケット壁、11は水分検知器である。
尚、前記溶融炉本体1は、炉壁2を除くその他の部分の構造が従前の溶融炉本体とほぼ同一であるため、ここでは炉壁2以外の部分の詳細な説明を省略する。
【0019】
当該溶融炉本体1の溶融スラグBと接する部分の炉壁2は、図2に示す如く、1600℃程度の高温に耐え得る耐火材(例えばカーボン系耐火レンガ、C−SiC系耐火レンガ、SiC系耐火レンガ、クロム系耐火レンガ)により形成した耐火壁構造部4と、耐火壁構造部4の外方に位置する電気絶縁性キャスタブル等の電気絶縁性耐火材5と、電気絶縁性耐火材5の外方に位置する空気層7と、空気層7の外方に位置する水冷ジャケット式の水冷壁8とから構成されている。
【0020】
即ち、前記空気層7は、電気絶縁性耐火材5の外側に設けられた炉体鉄皮(炉体ケーシング)6と水冷壁8を形成する内側ジャケット壁9とから構成されており、所定の間隙L1 を有する密閉空間に形成されている。
また、前記水冷壁8は、内側ジャケット壁9と外側ジャケット壁10とから構成されており、所定の間隙L2 を有する水冷ジャケットに形成されていて、その内部には冷却水Gが充満されている。
【0021】
前記水分検知器11は水蒸気センサーや湿度計等の空気層7内へ漏出した冷却水G又は冷却水Gの蒸気を検出するためのものであり、空気層7内の水分濃度が設定値以上になった場合に検出信号を出力するものであれば、如何なる構造のものであってもよい。
また、当該水分検出器11は空気層7内の最下方位置に設けてもよく、或いは空気層7に連通する水分導出管(図示省略)の端部に設けるようにしてもよい。更に、前記水分検出器11と並列的に空気層7内の温度を検出する検出器(図示省略)を設け、これによって耐火壁構造部4の破損時に溶融炉本体1内から漏出した溶融スラグBによる空気層7内の温度上昇を検知するようにしてもよい。
【0022】
溶融炉本体1の運転時には、炉壁2を形成する耐火壁構造部4は空気層7を介して水冷壁8により冷却される。尚、空気層7を設けることにより、水冷壁8による耐火壁構造部4の冷却効果は若干低下するが、空気層7内へ冷却用空気Hを強制流通させることにより、前記水冷壁8の冷却効果の低下をより少なくすることができる。
【0023】
溶融炉本体1の運転中に、万一何らかの原因によって内側ジャケット壁9が破損して水漏れが生じても、漏洩した冷却水Gは空気層7内へ流れ込み、溶融炉本体1内へは流入しない。
また、空気層7内へ流れ込んだ冷却水G又はその蒸気は、空気層7内又は空気層7内と連通可能に設けた水分検知器11により検出され、これによって溶融炉本体1の運転を安全に停止することができる。
【0024】
図3及び図4は、本発明の第2実施形態に係る炉壁構造の縦断面の一部及び横断面の一部を示すものであり、図3及び図4に於いて12は冷却板、13は溶接部である。
当該第2実施形態に於いては、空気層7と水冷壁8との間が一定の間隔を置いて配設した複数の冷却板12により連結されており、水冷壁8による耐火壁構造部4の冷却効果が冷却板12によって高められるようにしたものである。
【0025】
前記冷却板12は、空気層7の間隙寸法L1 より長い横幅寸法を有しており、その一端は空気層7を形成する炉体鉄皮6へ溶接されている。また、冷却板12の他端は水冷壁8を形成する内側ジャケット壁9を貫通して水冷壁8内へ突出されており、溶接部13により内側ジャケット壁9へ気密に固着されている。
尚、前記冷却板12を設けることにより、水冷壁8の冷却効果は大幅に向上し、従前の水冷壁により直接耐火壁構造部を冷却する場合にほぼ近い冷却効果を得ることができる。
【0026】
図5は本発明の第3実施形態に係る炉壁構造の横断面の一部を示すものであり、図5に於いて14は冷却ピンである。
即ち、当該第3実施形態に於いては、前記第2実施形態の冷却板12に替えて冷却ピン14が使用されており、その基端部は炉体鉄皮6へ溶接されている。また、ピン14の先端部は内側ジャケット壁9を貫通せしめて水冷壁8内へ突出されており、内側ジャケット壁9へ溶接部13により気密に固着されている。
【0027】
尚、前記冷却ピン14を適宜のピッチで複数本設けることにより、従前の水冷壁により直接耐火壁構造部を冷却する場合にほぼ近い冷却効果を得ることができる。
また、前記第2実施形態及び第3実施形態に於いても、空気層7内へ冷却用空気Hを強制流通させ、これによって耐火壁構造部4の冷却を促進してもよいことは勿論である。
更に、空気層7内から排出した冷却用空気Hは、燃焼用空気として直接に溶融炉燃焼室へ供給してもよく、或いは炉底電極3の冷却に用いたあと、これを燃焼用空気として溶融炉燃焼室へ供給するようにしてもよい。
【0028】
【発明の効果】
本発明に於いては、溶融炉本体の炉壁を耐火壁構造部と、その外側に設けた空気層と、空気層の外側に設けた水冷壁とから構成している。その結果、万一水冷壁から冷却水が漏洩しても、漏洩水は空気層内へ流れ込み、耐火壁構造部を通して直接に溶融炉本体内へ到達することはなく、従って、所謂水蒸気爆発の発生を完全に防止することができる。
また、空気層内へ冷却用空気を強制流通させたり、或いは空気層と水冷壁との間に冷却板や冷却ピン等を設けることにより、水冷壁の冷却効果は大幅に向上し、従前の水冷壁により直接に耐火壁構造部を冷却する場合にほぼ近い冷却効果を得ることができる。
更に、空気層内の水蒸気濃度や雰囲気温度を検出器によって連続的にモニターすることにより、水冷壁の破損や耐火壁構造物の損傷を早期に検出することができ、溶融炉本体の運転時の安全性が大幅に向上する。
加えて、空気層から排出した冷却空気を溶融炉燃焼室の燃焼用空気として用いることにより、燃焼室の燃焼性の向上及び燃料を用いる燃焼室の場合には燃料費の削減が可能となる。
本発明は上述の通り優れた実用的効用を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る炉壁構造を備えた溶融炉本体の要部を示す縦断面概要図である。
【図2】図1のイーイ視断面の一部を拡大した図である。
【図3】本発明の第2実施形態に係る炉壁構造の縦断面の一部を示す図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る炉壁構造の横断面の一部を示す図である。
【図5】本発明の第3実施形態に係る炉壁構造を示す横断面図である。
【図6】従前の電気溶融炉設備の一例を示す説明図である。
【図7】従前の溶融炉本体の炉壁構造の縦断面の一部を示す図である。
【符号の説明】
B…溶融スラグ、G…冷却水、H…冷却用空気、L1 …空気層7の間隙長さ、L2 …水冷壁の間隙長さ、1…溶融炉本体、2…溶融炉本体の炉壁、3…炉底電極、4…耐火壁構造部、5…電気絶縁性耐火材、6…炉体鉄皮、7…空気層、8…水冷壁(水冷式ジャケット)、9…内側ジャケット壁、10…外側ジャケット壁、11…水分検知器、12…冷却板、13…溶接、14…冷却ピン。
Claims (4)
- 耐火壁構造部と、耐火壁構造部の外側に設けた電気絶縁性耐火材と、電気絶縁性耐火材の外側に設けた空気層と、空気層の外側に設けた水冷壁とから構成した電気溶融炉の炉壁構造において、前記空気層を電気絶縁性耐火材の外側に設けた炉体鉄皮と水冷壁を構成する内側ジャケット壁により形成すると共に、前記炉体鉄皮と内側ジャケット壁とを冷却板又は冷却ピンにより連結する構成としたことを特徴とする電気溶融炉の炉壁構造。
- 耐火壁構造部と、耐火壁構造部の外側に設けた電気絶縁性耐火材と、電気絶縁性耐火材の外側に設けた空気層と、空気層の外側に設けた水冷壁とから構成した電気溶融炉の炉壁構造において、前記空気層を、電気絶縁性耐火材の外側に設けた炉体鉄皮と水冷壁を構成する内側ジャケット壁により形成すると共に、空気層内又は空気層内と連通する箇所に前記空気層内へ漏出した水冷壁内の冷却水を検出する検知器を備えたことを特徴とする電気溶融炉の炉壁構造。
- 空気層内へ冷却空気を強制流通させるようにした請求項1又は請求項2に記載の電気溶融炉の炉壁構造。
- 空気層から導出した冷却空気を直接又は炉底電極の冷却に使用したあと、溶融炉燃焼室へ供給するようにした請求項3に記載の電気溶融炉の炉壁構造。
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