JP3388769B2 - 繊維状アルミノケイ酸塩及びその製法 - Google Patents

繊維状アルミノケイ酸塩及びその製法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、繊維状アルミノケイ酸
塩及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、無機の繊維状物質としては、各種
のもの、例えば天然品としては、アスベスト(Asbe
stos)、ウオラストナイト(Wollastoni
te)、α−セピオライト(α−Sepiolite)
等、合成品としては、ガラス繊維、ロックウール、炭素
繊維、チタン酸カリウム、セッコウウイスカー等が知ら
れており、各種補強材、断熱材、耐火材、吸音材、耐候
性剤等各種用途に使用されている。
【0003】アスベストは、安価にしかも豊富に得ら
れ、諸特性に優れた無機繊維として、過去において広く
使用されてきたが、このアスベスト繊維は人体に取り込
まれた場合の発癌性が問題となってから、これに代わる
無機繊維が望まれている。
【0004】アルミノケイ酸塩型の無機繊維型も既に知
られており、例えばエリオナイトやイモゴライトが知ら
れている。特公昭63−28131号公報には、pH
3.5の酢酸水溶液を分散溶媒とし、30℃でかつ0.
2重量%濃度で測定した分散液濃度(ηsp/c)の値が
5.0以上である重合度の大きいイモゴライトを主成分
とするアルミノケイ酸繊維が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、ケイ酸
分、アルミナ分及びアルカリ分を特定のモル比で含有す
る水性組成物を水熱処理すると、繊維状のアルミノケイ
酸塩が得られること、及びこの繊維状のアルミノケイ酸
塩は、繊維形状を損なうことなしに非晶質アルミノシリ
カ或いは非晶質シリカに転化させ得ることを見出した。
【0006】即ち、本発明の目的は、繊維径が微小で且
つ比較的大きいアスペクト比を有するアルミノケイ酸塩
型の無機繊維及びその製造法を提供するにある。
【0007】本発明の他の目的は、上記アルミノケイ酸
塩型繊維の酸処理により得られた非晶質アルミノシリカ
乃至非晶質シリカからなる無機繊維及びその製造法を提
供するにある。
【0008】
【問題点を解決するための手段】本発明によれば、ケイ
酸分、アルミナ分及びアルカリ分(MO)を、式: 「数1」 1.2≦MO/SiO≦3.0 「数2」 2.2≦SiO/Al≦15 及び 「数3」 8≦HO/MO≦20 を満足するモル比で含有する水性組成物を水熱処理する
ことにより、アスペクト比が3以上であり、下記一般式
(1): mMO・3Al・nSiO・kHO (1) 式中、mは3乃至4の数であり、nは6乃至8の数であ
り、kは2乃至5の数である、で表される化学組成を有
し、且つ面間隔(dx)が6.4、5.55、4.7
1、4.18、3.68、3.26、3.01、2.7
63、2.641、2.598、2.534、2.44
1、2.280、2.190及び2.126オングスト
ロームに回折ピークが存在するX線回折像を有している
アルミノケイ酸塩を晶出させることを特徴とする繊維状
アルミノケイ酸塩の製造方法。
【0009】本発明によれば、上記繊維状アルミノケイ
酸塩を処理物のpHが7以下となるが、繊維形状が実質
的に破壊されない条件下で酸処理することを特徴とする
繊維状非晶質アルミノシリカ乃至シリカの製造法が提供
される。
【0010】本発明によれば更に、下記一般式(1): mMO・3Al・nSiO・kHO (1) 式中、mは3乃至4の数であり、nは6乃至8の数であ
り、kは2乃至5の数である、で表される化学組成を有
し、且つ面間隔(dx)が6.4、5.55、4.7
1、4.18、3.68、3.26、3.01、2.7
63、2.641、2.598、2.534、2.44
1、2.280、2.190及び2.126オングスト
ロームに回折ピークが存在するX線回折像を有している
と共に、繊維径が0.03乃至0.8μmの範囲にある
アルミノケイ酸塩繊維が提供される。例えば、このアル
ミノケイ酸塩繊維は、下記表
【表1】 面間隔(dx)オングストローム 相対強度(%) 6.4 35 5.55 6 4.71 75 4.18 25 3.68 75 3.26 100 3.01 4 2.763 45 2.641 16 2.598 35 2.534 10 2.441 40 2.280 15 2.190 10 2.126 25 と実質上同一のX線回折像を有している。
【0011】
【作用】本発明の繊維状アルミノケイ酸塩は、合成ゼオ
ライトと同様のケイ酸分(SiO2 )、アルミナ分(A
2 3 )及びアルカリ分(M2 O)を含有する水性組
成物を水熱処理することにより合成されるが、繊維状の
結晶を晶出させるには、前記不等式「数1」、「数2」
及び「数3」を満足する如く、アルカリ/シリカ・モル
比を可及的に大きく、アルミナ/シリカ・モル比を可及
的に小さく、且つ水/アルカリ・モル比を可及的に小さ
くすることが重要である。
【0012】即ち、アルカリ/シリカ・モル比が上記
「数1」の範囲よりも少ないと、結晶は、生起しても繊
維構造の発達が不十分であり、一方このモル比が上記
「数1」の範囲よりも大きいと、分散のよい繊維状の物
が出来にくい。
【0013】一方、シリカ/アルミナ・モル比が上記
「数2」の範囲よりも少ないと、やはり繊維構造の発達
が不十分となったり、ソーダライト等の不純物が生成す
る傾向があり、一方このモル比が上記「数2」の範囲よ
りも大きいと、結晶の生起がし難く生起しても繊維構造
の発達が不十分である。
【0014】更に、水/アルカリ・モル比が上記「数
3」の範囲よりも少ないと、やはり繊維構造の発達が不
十分となる傾向があり、一方このモル比が上記「数3」
の範囲よりも大きいと、同様に結晶の生起がし難く生起
しても繊維構造の発達が不十分である。
【0015】本発明では、原料水性組成物のモル組成を
上記範囲に選ぶことが重要であると共に、この水性組成
物を水熱合成に賦して、水熱合成時の温度を繊維の晶出
が生じるように選ぶことも重要である。上記水性組成物
を加熱すると、或る温度で塊状のアルミノケイ酸塩の結
晶が生成するが、これを更に高温で加熱することにより
繊維状結晶への組替えが行われる。この繊維状結晶の晶
出が生じる温度は、加熱時間にも若干依存するが、一般
に100℃以上であり、特に150乃至260℃の範囲
が望ましい。
【0016】晶出した繊維結晶は、水洗乾燥を行って種
々の用途に供することができるが、一般には、200
至700℃の温度、特に300乃至600℃の温度で熱
処理し、含有する水和水を少なくとも部分的に脱水し、
種々の用途に供するのがよい。この熱処理により、加工
時における水分の離脱に伴う発泡等のトラブルが解消さ
れると共に、繊維構造の安定化も行なわれる。
【0017】本発明による繊維状アルミノケイ酸塩は、
前述した一般式(1)で表される化学組成と、所定の面
間隔に回折ピークを有するX線回折像(例えば表1と実
質上同一のX線回折像)とを有し、繊維径は一般に0.
03乃至0.8μm、特に0.05乃至0.3μmの範
囲内にある。
【0018】本発明の繊維状アルミノケイ酸塩に類似し
た鉱物としては、ASTMカード28−1036にナト
リウム・アルミノ・シリケート・水和物、即ち
【化2】3.5Na2 O・3Al2 3 ・6.5SiO
2 ・3H2 Oが知られており、このものは下記表
【表2】 のX線回折像を有することも知られている。
【0019】しかしながら、本発明者等の研究による
と、上記X線回折像を示すアルミノケイ酸塩には、電子
顕微鏡で観て、「図1」に示す通り塊状のものと「図
2」に示す通り繊維状のものとがあり、繊維状のものは
未知のものと思われる。
【0020】本発明の、繊維状アルミノケイ酸塩は、理
想的には「化2」で示される化学組成を有するが、この
ものの化学組成は、一般式(1)で表される範囲内で変
動させ得る。結晶水のモル数kが小さいものは、このア
ルミノケイ酸塩を熱処理して脱水させることにより得ら
れ、一方アルカリ分のモル比mが小さいものは、部分酸
処理によりアルカリ分を除くことにより得られる。
【0021】本発明による無機繊維では、d=4.71
Åにおける回折強度I4.71とd=3.26Åにおける回
折強度I3.26との強度比(I4.71/I3.26)が1.45
乃至1.65と、「表2」に示すX線回折像と強度比が
逆転しているものが、無機繊維として用いたときの諸物
性の点から好ましく、このものは晶出繊維を前述した温
度で熱処理することにより得られる。
【0022】本発明によれば、上記アルミノケイ酸塩繊
維は、その繊維構造を損なうことなしに繊維状非晶質ア
ルミノシリカ乃至非晶質シリカに転化し得ることが認め
られた。この非晶質アルミノシリカ乃至非晶質シリカの
繊維は、無水物基準で一般に式
【化3】SiO・pAl・qMO 式中、pは0.55以下の数、特に0.45の数であ
り、qは0.3以下、特に0.1以下の数であるで表さ
れる化学組成を有し、pH7以下の条件で酸処理するこ
とにより得られる。
【0023】
【発明の好適態様】(合成) 本発明によれば、ケイ酸分、アルミナ分及びアルカリ分
を前記「数1」、「数2」及び「数3」を満足する範
囲、即ち、 「数1」 1.2≦MO/SiO≦3.0 「数2」 2.2≦SiO/Al≦15 及び 「数3」 8≦HO/MO≦20 を満足する範囲で含有する水性組成物を調製し、この水
性組成物を水熱合成する。
【0024】ケイ酸分原料としては、水溶性のケイ酸ア
ルカリや、水溶性ケイ酸アルカリと固体非晶質ケイ酸と
の組合せが使用される。一方、アルミナ分原料として
は、水溶性アルミン酸アルカリ塩が使用され、不足分の
アルカリを補うためのアルカリ原料としては、水酸化ア
ルカリが使用される。アルカリ分はナトリウムであるこ
とが好ましいが、一部他の塩基を用いることも可能であ
る。
【0025】上記各原料を、本発明のモル比を満足する
組成比で混合して、均質化させたゲル分散液を調製す
る。各成分の混合、攪拌は、室温で行うこともできる
が、一般には、40乃至60℃程度の加温下に行うのが
望ましい。混合、攪拌時間は、温度にも依存するが、一
般に0.1乃至2時間、特に0.1乃至1時間程度が好
ましい。
【0026】上述した均質化分散液を、連続式或いはバ
ッチ式のオートクレーブに仕込み、100乃至280
℃、特に150乃至260℃の温度で、1乃至15時
間、特に3乃至8時間程度水熱処理する。この水熱処理
時には、反応系を可及的に攪拌してゲルが水性系中でほ
ぐされるようにするのが望ましい。この攪拌操作は、水
の量が少なく反応系の温度(粘度)が高いため注意を要
する。繊維構造への組替えは、温度が高い方が有効であ
り、従って高温の処理時間も短くてよい。水熱処理後の
繊維を水洗し、ろ過、乾燥して繊維とする。得られたア
ルミノケイ酸繊維は、そのままでも、無機繊維として各
種用途に供給することは勿論であるが、種々の用途に供
給することができる。
【0027】(後処理) 本発明の一つの態様では、このアルミノケイ酸繊維を
00乃至700℃、特に300乃至600℃の温度に加
熱してアルミノケイ酸塩中の水和水の少なくとも一部を
脱水させる。この脱水は殆ど非可逆的に進行すると共
に、アルミノケイ酸塩のX線回折像も変化する。「図
6」は、このような熱処理(500℃×1hr)を行っ
たもののX線回折像を示す。
【0028】本発明の他の態様では、このアルミノケイ
酸塩繊維を、pHが7以下の条件下で、酸処理し、アル
ミノケイ酸塩繊維を非晶質アルミノシリカ或いは非晶質
シリカの繊維に転化する。この酸処理により、アルミノ
ケイ酸塩中のアルカリ分或いは更にアルミナ分の一部乃
至全部が用いた酸の塩となって、酸処理浴中に溶出し、
非晶質化が行われる。
【0029】酸としては、硫酸或いは塩酸等の鉱酸類が
使用され、一般に0.5乃至6規定程度の酸を使用し、
20乃至100℃の温度で、1乃至10時間程度行うの
がよい。酸処理は、一段で行ってもよいし、二段或いは
それより多段で行ってもよい。酸処理物の組成が「化
3」を満足するようになれば、ほぼ満足すべき非晶質化
が達成される。
【0030】本発明によれば、形成されるアルミノケイ
酸塩を、周期律表第II族金属、例えばカルシウム、マ
グネシウム、バリウム、ストロンチウム、亜鉛等の水溶
性塩類、例えば塩化物で処理して、アルミノケイ酸塩中
のアルカリ金属分の少なくとも一部を上記第II族金属
分、又は抗菌性金属例えば、銀、銅、亜鉛のイオン等で
置換させることもできる。このイオン交換処理は、一般
に5乃至30重量%の第II族金属塩溶液を使用して2
0乃至100℃程度の温度で行うことができる。勿論、
本発明では、上記熱処理、酸処理、イオン交換処理の二
種以上を組合せて行うこともできる。
【0031】本発明の非晶質シリカは、比表面積が20
0乃至500m2/gの範囲にあるのが好ましく、吸油
量は100乃至300ml/100gの範囲にあるのが
好ましい。また、細孔容積は、一般に0.2乃至1.0
cc/g、特に0.3乃至0.8cc/gの範囲にある
のがよく、平均細孔径は10乃至100Å、特に20乃
至100Åの範囲にある。また、見掛比重は0.10乃
至0.5の範囲内にある。
【0032】また、この繊維の表面には、金属石鹸、樹
脂酸石鹸、各種樹脂乃至ワックス類、シラン系乃至チタ
ン系カップリング剤、第II族金属の酸化物もしくは水酸
化物やシリカコーティング等を所望により施すことがで
きる。
【0033】(用途)本発明の繊維は、公知の無機繊維
と同様に各種補強材、断熱材、耐火材、吸音材、耐候性
剤、耐熱性向上剤等の各種用途に使用することができ
る。例えば、この繊維を種々の樹脂、例えばポリプロピ
レン、ポリエチレン、結晶性プロピレン−エチレン共重
合体、イオン架橋オレフィン共重合体、エチレン−酢酸
ビニル共重合体等のオレフィン系樹脂;ポリエチレンテ
レフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の熱可塑
性ポリエステル;6−ナイロン、6−6−ナイロン等の
ポリアミド;塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂等の
塩素含有樹脂;ポリカーボネート;ポリスルホン類;ポ
リアセタール等の熱可塑性樹脂やエポキシ樹脂、フェノ
ール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステ
ル樹脂、不飽和アクリル樹脂、シアン酸エステル樹脂、
ビスマレイミド樹脂等の熱硬化性樹脂に配合して、補強
及び耐熱性向上等の用途に使用できる。
【0034】更に前記樹脂フィルム用アンチブロッキン
グ剤として使用する事も出来、この場合通常使用される
酸化防止剤、安定剤、防曇剤、帯電防止剤、UV剤、核
剤、有機アミド化合物や合成シリカ、ハイドロタルサイ
ト、タルク、滑剤、着色剤を併用しても良い。又、樹脂
フィルムや、ポリエステル、ナイロン、アクリル、その
他繊維に配合し紫外線吸収剤として使用する事もでき
る。又、製紙用コート剤、内填剤(インクジェット用記
録紙用填剤、感熱紙用のサーマルヘッドカス取り剤
等)、紙力増強剤、ゴム用補強剤としても使用できるほ
か、樹脂、石膏、セメントその他の成形用素材に含有さ
せて吸音材、断熱材、耐火材等の用途にも使用できる。
【0035】
【実施例】本発明を次の例で更に詳しく説明する。 (実施例1)試薬水ガラス(SiO2 成分23%、Na
2 O成分8%)、アルミン酸ナトリウム(Al2 3
分23%、Na2 O成分17%)及び水酸化ナトリウム
を用い下記に示すモル比で全量が41kgになる様に稀
ケイ酸ナトリウム溶液(以下A液という)と稀アルミン
酸ナトリウム溶液(以下B液という)を調製した。 Na2 O/SiO2 =1.5 SiO2 /Al2 3 =7.5 H2 O/Na2 O=12.1 次いで、内容積が約50Lのステンレス製オートクレー
ブ容器中でA液22kgとB液19kgを攪拌しながら
ゆっくり混合し、全体が均一なアルミノケイ酸アルカリ
ゲルを調製した。次いでこのアルミノケイ酸アルカリゲ
ルを攪拌しながら180℃まで昇温しそのままの温度で
6時間かけて結晶化させた。次いでろ過、水洗して固形
分濃度28%の結晶性アルミノケイ酸ナトリウムのケー
キ12.7kgを得た。このアルカリケイ酸塩の粉末性
状、化学組成について表3に示し、この乾燥物のX線回
折図を図5に、またその電顕写真を図2に示した。
【0036】(実施例2〜5)反応モル比、反応温度、
反応時間を表1に示す如く変化させた以外は実施例1と
同様に結晶性アルミノケイ酸塩を合成した。この物の粉
末性状について表3に示した。
【0037】
【表3】
【0038】(実施例6)実施例1で得た結晶性アルミ
ノケイ酸ナトリウムケーキを110℃で乾燥させ、その
乾燥物基準の100gを用いて固形分濃度10%の水性
分散体とした後、室温下においてあらかじめ14%に希
釈した試薬硫酸203mlをゆっくり注加し、攪拌下に
1時間熟成させた後ろ過水洗させて得られたケーキを1
10℃で24時間乾燥した。この乾燥物のX線回折図を
図7に、粉末性状、化学組成について表4に示した。
【0039】(実施例7)実施例6と同様にして固形分
濃度10%の結晶性アルミノケイ酸ナトリウムの水性分
散体とした後、室温下においてあらかじめ14%に希釈
した試薬硫酸339mlをゆっくり注加し、攪拌下に1
時間熟成させた後、ろ過水洗させて得られたケーキを1
10℃の乾燥器で24時間乾燥した。この乾燥物のX線
回折図を図8、電顕写真を図3に、粉末性状、化学組成
について表4に示した。
【0040】(実施例8)実施例7で得た乾燥粉末80
gを500℃で2時間焼成させた後、冷却し50gを2
Lのビーカーに採り水950gを加えマグネチックスタ
ラーで30分間攪拌分散させた。次いで該粉末中のAl
2 3 及びNa2 O成分の合計モル数の1.2モル倍量
の50%希釈硫酸130mlをゆっくり添加した。硫酸
注加後攪拌下に90℃で2時間処理した。次いでろ過、
水洗し繊維状シリカ粉末を得た。この乾燥物のX線回折
図を図9、電顕写真を図4に、粉末性状、化学組成につ
いて表4に示した。
【0041】
【表4】
【0042】(応用例1)家庭用ジューサーミキサーに
パルプのLBKP(CSFろ水度496ml)700m
lと試料0.35g(対パルプ7%)加え、30秒間攪
拌分散させた後、1Lのビーカーに移し、ラボスタラー
で400rpmの攪拌下にカチオン性PAM(ポリアク
リルアミド)の0.2%溶液7mlを加え、東洋精機製
丸型テスト抄紙機で抄紙後、プレス脱水(3kg/cm
2 ×5min)し、送風乾燥機で乾燥し試験紙とした。
尚、比較として試料無添加紙(ブランク)、Zeole
x 123(商標名)を添加した試験紙も作りテストに供し
た。試験方法は、以下により行ない結果を表5に示し
た。 紙の歩留り JIS P 8128 紙の不透明度 JIS P 8138 紙の白色度 JIS P 8123 紙の厚さ JIS P 8118 紙の引張強さ JIS P 8113
【0043】
【表5】
【0043 】(応用例2)合成ゴム(SBR 1778N)1
00部を60℃に加熱した80mm径の混練ロールで十
分に混練しながら下記添加剤を配合部数の多い順に加え
マスターバッチとした。 (1)SBR 1778N 100部 (2)酸化亜鉛 5部 (3)粉末イオウ 2部 (4)促進剤 DM 1.5部 (5)ステアリン酸 1.5部 (6)促進剤 TT 0.1部 次にこのマスターバッチ100部を上記ロールで混練し
ながら、試料40部、及びジエチレングリコール3部を
徐々に加え、十分に混練させた後シート状に取り出し、
加熱、加圧プレス成型機で図10に示す如く加硫成型し
た。このテストピースを用いて下記試験を行ないその結
果を表6に示した。 1.硬さ (JIS K 6301) 2.屈曲試験 (切傷成長試験) デマチャ屈曲試験機(東洋精機製)により、テストピー
ス中の中心部に2m/mの傷を付け1万回屈曲(試験)
した時の裂傷成長(m/m)を測定した。(尚、テスト
ピースは最適加硫時間のものを用いた。)
【0044】
【表6】
【0045】(応用例3)ポリプロピレン樹脂粉末(三
井石油化学工業製 ハイポール 657P )100重量部に
対し第7表に示した添加剤を加え、スーパーミキサーで
十分混練後、Tダイ(温度210℃)押出し成形により
原反フィルムを得た。次いでこの原反フィルムを縦5
倍、横9倍に延伸し、その結果を表7に示した。 1.ヘイズ:ASTM 1003に準拠 2.ブロッキング性:2枚のフィルムを重ね、400g
/cm2 の荷重をかけ40℃で24時間放置後、フィル
ムのはがれやすさにより評価した。 (評価基準) 抵抗なくはがれるもの ◎ 少しはがれにくいもの ○ はがれにくいもの △ 極めてはがれにくいもの × 3.紫外線透過度:日本分光社製分光光度計UVIDE
C−650型を用いて波長200〜380nmの透過率
を測定し、透過試料(フィルム)を当てない場合のチャ
ートの重量を100として、相対重量比で示した。 4.光沢: (評価基準) 光沢が良好なもの ○ 光沢がやや悪いもの △ 光沢が非常に悪いもの ×
【0046】
【表7】 (1) : シランカップリング剤(日本ユニカー製A−11
00)で3%表面処理したもの。(2) : ステアリン酸アミド(和光純薬製)で3%表面処
理したもの。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、ケイ酸分、アルミナ分
及びアルカリ分を特定の組成で含有する水性組成物を水
熱合成することにより、繊維径が比較的微細でしかもア
スペクト比の大きいアルミノケイ酸塩繊維が合成され
た。また、この繊維状アルミノケイ酸塩を酸処理するこ
とにより、非晶質アルミノシリカ或いは非晶質シリカか
ら成る繊維も得られた。この繊維は、樹脂、紙、ゴム等
のバインダー中への分散性に優れ、補強作用、紫外線吸
収作用、断熱作用、耐熱性等の諸特性にもすぐれてい
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】塊状アルミノケイ酸塩の粒子構造を示す1万倍
の走査型電子顕微鏡写真である。
【図2】本発明実施例1で得た繊維状アルミノケイ酸塩
の粒子構造を示す1万倍の走査型電子顕微鏡写真であ
る。
【図3】本発明実施例7で得た非晶質繊維状アルミノケ
イ酸塩の粒子構造を示す1万倍の走査型電子顕微鏡写真
である。
【図4】本発明実施例8で得た非晶質繊維状シリカの粒
子構造を示す1万倍の走査型電子顕微鏡写真である。
【図5】本発明実施例1で得た繊維状アルミノケイ酸塩
のCu−Kα線によるX線回折スペクトルである。
【図6】本発明実施例1で得た繊維状アルミノケイ酸塩
を500℃で1hr熱処理したもののCu−Kα線によ
るX線回折スペクトルである。
【図7】本発明実施例6で得た非晶質化した繊維状アル
ミノケイ酸塩のCu−Kα線によるX線回折スペクトル
である。
【図8】本発明実施例7で得た非晶質繊維状アルミノケ
イ酸塩のCu−Kα線によるX線回折スペクトルであ
る。
【図9】本発明実施例8で得た非晶質繊維状シリカのC
u−Kα線によるX線回折スペクトルである。
【図10】本発明応用例2で加硫成型したテストピース
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−149416(JP,A) 特開 昭57−149817(JP,A) 特開 昭62−3012(JP,A) 特開 昭63−256512(JP,A) 特開 昭53−124199(JP,A) 特開 昭58−45108(JP,A) 特開 平4−254409(JP,A) 特開 昭55−10498(JP,A) 特公 昭63−28131(JP,B1) 特表 昭64−500424(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01B 33/20 - 39/54 CA(STN) WPI/L(QUESTEL) JICSTファイル(JOIS)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケイ酸分、アルミナ分及びアルカリ分
    (MO)を、式: 1.2≦MO/SiO≦3.0 2.2≦SiO/Al≦15 及び 8≦HO/MO≦20 を満足するモル比で含有する水性組成物を水熱処理する
    ことにより、アスペクト比が3以上であり、下記一般式
    (1): mMO・3Al・nSiO・kHO (1) 式中、mは3乃至4の数であり、 nは6乃至8の数であり、 kは2乃至5の数である、 で表される化学組成を有し、且つ面間隔(dx)が6.
    4、5.55、4.71、4.18、3.68、3.2
    6、3.01、2.763、2.641、2.598、
    2.534、2.441、2.280、2.190及び
    2.126オングストロームに回折ピークが存在するX
    線回折像を有しているアルミノケイ酸塩を晶出させるこ
    とを特徴とする繊維状アルミノケイ酸塩の製造方法。
  2. 【請求項2】 水熱処理を120℃以上の温度で行なう
    請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 水熱処理により晶出した前記アルミノケ
    イ酸塩を200乃至700℃の温度で熱処理して水和水
    を脱水させる請求項1記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 水熱処理により晶出した前記アルミノケ
    イ酸塩は、下記X線回折像: 面間隔(dx)オングストローム 相対強度(%) 6.4 35 5.55 6 4.71 75 4.18 25 3.68 75 3.26 100 3.01 4 2.763 45 2.641 16 2.598 35 2.534 10 2.441 40 2.280 15 2.190 10 2.126 25 を有している請求項1に記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 ケイ酸分、アルミナ分及びアルカリ分
    (MO)を、式: 1.2≦MO/SiO≦3.0 2.2≦SiO/Al≦15 及び 8≦HO/MO≦20 を満足するモル比で含有する水性組成物を水熱処理する
    ことにより、アスペクト比が3以上であり、下記一般式
    (1): mMO・3Al・nSiO・kHO (1) 式中、mは3乃至4の数であり、 nは6乃至8の数であり、 kは2乃至5の数である、 で表される化学組成を有し、且つ面間隔(dx)が6.
    4、5.55、4.71、4.18、3.68、3.2
    6、3.01、2.763、2.641、2.598、
    2.534、2.441、2.280、2.190及び
    2.126オングストロームに回折ピークが存在するX
    線回折像を有しているアルミノケイ酸塩を晶出させ、こ
    のアルミノケイ酸塩を、処理物のpHが7以下となる
    が、繊維形状が実質的に破壊されない条件下で酸処理す
    ることを特徴とする繊維状非晶質アルミノシリカ或いは
    シリカの製造方法。
  6. 【請求項6】 下記一般式(1): mMO・3Al・nSiO・kHO (1) 式中、mは3乃至4の数であり、 nは6乃至8の数であり、 kは2乃至5の数である、 で表される化学組成を有し、且つ面間隔(dx)が6.
    4、5.55、4.71、4.18、3.68、3.2
    6、3.01、2.763、2.641、2.598、
    2.534、2.441、2.280、2.190及び
    2.126オングストロームに回折ピークが存在するX
    線回折像を有していると共に、繊維径が0.03乃至
    0.8μmの範囲にあるアルミノケイ酸塩繊維。
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