JP2829939B2 - インキ裏抜け防止剤およびこれを用いた軽量紙 - Google Patents

インキ裏抜け防止剤およびこれを用いた軽量紙

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、軽量紙のインキ裏抜け防止剤およびこれを
用いた軽量紙に関し、さらに詳しくは微細な繊維状塩基
性硫酸マグネシウムをインキ裏抜け防止剤として含有す
る軽量紙に関するものである。
〔従来の技術〕
近年、紙パルプ用の良質原木が入手困難となるに伴っ
て印刷後における不透明度の低い化学パルプの使用が増
大してきた。また、運送費、人件費等の上昇により特
に、新聞用紙等を薄手、軽量にする傾向が強まってい
る。
この種の薄手軽量紙を用いて印刷するとインキが紙面
の裏側まで抜けるため、これを防止すべく各種のインキ
裏抜け防止剤を内填する軽量紙の開発が進められてお
り、特定粒子状態の水和珪酸や尿素樹脂粉末などがイン
キ裏抜け防止剤として利用されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
従来の軽量紙で利用されている無機系のインキ裏抜け
防止剤として、クレイやタルクなど天然産の珪酸塩微細
粉末が用いられていたが、近時、水和珪酸が優れている
ところから、多用されるに至っている。
しかしながら、水和珪酸は硬度が比較的大きくかつ凝
集した二次粒子であるなどの固有物性に起因して紙の摩
擦係数を増大させる傾向が強い。このことは抄紙機の損
耗を招き、また抄速増大のネックともなるために、添加
量が制限され、従って紙の軽量化にも自ら限度があっ
た。また、水和珪酸の一次粒子は微細な球状粒子である
ため、パルプに対する歩留りにも限度がある。
一方、尿素樹脂粉末は、水和珪酸と同様にインキ裏抜
け防止効果が優れており、紙の摩擦係数を増大させる傾
向も少ないが、著しく高価であるという欠点がある。
本発明者らは、上記従来技術の問題点を解決するため
に各種の実験研究を重ねた結果、従来のインキ裏抜け防
止剤とは全く異なる粒子状態の繊維状塩基性硫酸マグネ
シウムが紙のインキ裏抜け防止剤として極めて有効かつ
実用的であることを見出し、本発明を完成した。
したがって、本発明の目的は、紙に優れたインキ裏抜
け防止効果と同時に平滑性を付与し、しかも比較的安価
で実用的な新規のインキ裏抜け防止剤を提供することに
より、より軽量で生産性のよい軽量紙を実現することに
ある。
〔課題を解決するための手段〕
上記の目的を達成するための本発明によるインキ裏抜
け防止剤は、微細な繊維状塩基性硫酸マグネシウムを有
効成分としてなることを構成上の特徴とする。
さらに、本発明で提供される軽量紙は、パルプ繊維に
インキ裏抜け防止剤として微細な繊維状塩基性硫酸マグ
ネシウムを含有させてなることを特徴とするものであ
る。
本発明の軽量紙は、主として新聞用紙、雑誌用紙等を
対象とするが、多量に印刷され軽量化を必要とする各種
の印刷用紙は何れも対象となる。
以下、本発明につき詳述する。
本発明に係る繊維状塩基性硫酸マグネシウムは、5MgO
・MgSO4・8H2Oに近い化学組成を有する塩基性硫酸マグ
ネシウムの微細な繊維状結晶粒子であって、X線回折お
よび電子顕微鏡で粒子特性や結晶性を確認することがで
きる。
この繊維状物質は、製造条件によって異なるけれども
太さ0.05〜1μm、好ましくは0.1〜1μm、長さ5〜3
00μm、好ましくは5〜150μmの範囲にある白色微粒
子である。
このような繊維状塩基性硫酸マグネシウムは、上記の
ような極めて細かい結晶性繊維粒子から成るため、個々
の粒子は表面が平滑で柔軟性に富み、粉体としては比表
面積が5〜30m2/g程度であるにも拘らず著しく嵩高で吸
水性、吸油性に富むという特徴があり、紙のインキ裏抜
け防止剤として優れた効果を発揮する。
繊維状塩基性硫酸マグネシウムは、それ自体は公知で
あり前記物性を有するものであればインキ裏抜け防止剤
として適用できることはもちろんであるが、本発明者ら
が開発した製法(特願平1−255168号)に基づいて得ら
れるものが実用的で好ましい。
なお、本発明に係るインキ裏抜け防止剤を使用するに
当っては、繊維状塩基性硫酸マグネシウムの単独ばかり
でなく、水和珪酸などの従来の裏抜き防止剤と併用して
も何んら差支えない。
本発明の軽量紙は、前記繊維状塩基硫酸マグネシウム
をなるべく水性スラリーの状態でインキ裏抜け防止材を
添加している軽量紙の製造工程において紙料に添加し、
抄造することにより得ることができる。例えば、チェス
ト、ビーター、ファンポンプ、ワイヤーパートの何れの
過程でも添加でき、従来最も歩留りが劣るとされている
ビーター以後ファンポンプ間の紙料スラリーに添加して
も十分に留まる。
すなわち、本発明に係る塩基性硫酸マグネシウムの微
細な繊維状とパルプ繊維との親和性のため歩留りは著し
く良好なので、紙料パルプに対する添加量は裏抜け防止
作用として0.1〜5重量%、好ましくは0.5〜3重量%程
度が適量となる。0.1重量%以下ではインキ裏抜け防止
効果が不充分であり、5重量%以上では保水性が過多と
なって湿紙の乾燥工程が非能率となる。
なお、前記塩基性硫酸マグネシウムは裏抜け防止剤と
しての使用ではなく、パルプ繊維の代替として任意な量
で使用することもできる。
多重に配合することにより、難燃紙および無機繊維紙
としての特徴を付与させることができる。
〔作 用〕
本発明に係る塩基性硫酸マグネシウムは、微細な繊維
状白色結晶粒子であって、パルプ繊維に対し親和性かつ
吸油量も比較的大であるため軽量紙のインキ裏抜け防止
剤として効果的に機能する。
〔実施例〕
以下、実施例によって更に具体的に本発明を説明する
が、実施例において用いた塩基性硫酸マグネシウムは次
の方法によって製造した。
<試料の合成> 水100に硫酸マグネシウム7水塩12.1重量部を溶解
させ、次いで見掛け比重1.75g/ccのマグネシアクリンカ
ー粉末2.0重量部を分散させてスラリーを得た。このス
ラリーはMgOとして1.8重量%の酸化マグネシウム粉末を
含むものであった。次に該スラリーを約100℃で24時間
反応させた。
反応終了後、固形分を母液から分離し、水洗し、微細
繊維の集合体である約200μmの均一粒子からなる繭状
塩基性硫酸マグネシウムを得た。
この生成物を水60中に分散させ、ホモジナイザーで
5分間強力剪断処理を施した後、沈降分離によって未解
砕の繭状粒子及び未反応粗粒子を分級除去し、解繊され
た繊維状塩基性硫酸マグネシウムを過により回収し、
常法により乾燥及び粉砕した。
得られた繊維状塩基性硫酸マグネシウムは、直径約0.
4μm、長さ30〜100μm、アスペクト比20〜150の繊維
状粒子からなる嵩高の粉体であり、見掛け比重0.1g/c
c、BET法による非表面積21.0m2/gであった。
実施例1〜2 インキ裏抜け防止剤として試料の塩基性硫酸マグネシ
ウムを水中に分散させて5wt%の水性スラリーとして、J
ISパルプ解離機(回転数3000rpm)で2分間解離させたS
Pパルプ2g/100ccのパルプスラリー2.5に、5MgO・MgSO
4・8H2Oとして0.5g(パルプに対し1重量%)に相当す
る量を添加し、30秒撹拌した。
その後、硫酸アルミニウムの水溶液を添加し、30秒間
撹拌して水8に稀釈し、よく混合したのち角型抄紙機
で抄紙した。以下、同様の操作で試料1.0g(パルプに対
し2重量%)およびタルクを添加して抄紙した。
得られた成紙の物性値を測定し、その結果を第1表に
示した。
〔発明の効果〕 本発明に係る軽量紙のインキ裏抜け防止剤は、従来の
ものとは異なった特異な物性をもつ微細な繊維状塩基性
硫酸マグネシウムの白色結晶粒子である。
これを配合した軽量紙はインキ裏抜け減少率が高く、
かつ従来の軽量紙よりも紙層間の滑りも良好で扱い易い
ものとなる。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】微細な繊維状塩基性硫酸マグネシウムを有
    効成分とするインキ裏抜け防止剤。
  2. 【請求項2】微細な繊維状塩基性硫酸マグネシウムが、
    直径0.05〜1μm、長さ5〜300μmおよびBET法による
    比表面積5〜30m2/gである請求項1記載のインキ裏抜け
    防止剤。
  3. 【請求項3】パルプ繊維にインキ裏抜け防止剤として微
    細な塩基性硫酸マグネシウムを含有させてなることを特
    徴とする軽量紙。
  4. 【請求項4】微細な塩基性硫酸マグネシウムが、紙料パ
    ルプに対し0.1〜5wt%含有されている請求項3記載の軽
    量紙。
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