JP2008025088A - 中性紙、および中性紙の製造方法 - Google Patents

中性紙、および中性紙の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】必要な強度を保持しつつ低密度の嵩高中性紙を提供する。
【解決手段】本発明の中性紙は、花弁状薄片の集合形態を有する珪酸カルシウムを含む粒子を填料として0.3〜20重量%含有し、かつ、中性紙における、水銀ポロシメーター法により測定された細孔半径が0.2μm以下の細孔の細孔容積X(cc/g)と前記花弁状薄片の集合形態を有する珪酸カルシウムの含有量Y(重量%)とが下記式(I)を満足する関係にある。
X/Y > 0.025 (I)
【選択図】図1

Description

本発明は、嵩高な紙で、紙の強度低下が少なく、印刷適性の優れた中性紙、および該中性紙の製造方法に関するものである。
近年、森林資源の保護や紙ゴミの削減の見地から、紙に使用するパルプの量を低減しようとの動きが見られる。また、紙自体のコスト低減や書籍の軽量化といった見地から、紙としての必要な強度を保持しつつ低密度である嵩高紙が求められている。嵩高紙を製造するために、繊維が剛直なパルプを使用したり、パルプの叩解度を低く抑制したり、原料パルプスラリーに化学薬品を添加反応させたりする技術が知られている。しかし、これまでの嵩高紙を製造する技術は、嵩高化が図れても、紙の強度が低下するために、抄紙速度を遅くせねば成らず、生産性が悪くなり、紙のコストが増加したり、あるいは印刷適性が低下した不十分なものしか得られないという欠点を有していた。
嵩高な紙を得るために原料パルプに特定の填料を配合する技術も知られている。填料を配合して嵩高化を図る技術は例えば特許文献1〜9に示されている。
嵩高化を図る填料として、特許文献1には嵩比重の小さい無定形シリカ又は無定形シリケートが、特許文献2にはポリアクリルアミドで被覆処理した軽質炭酸カルシウムが、特許文献3には炭酸カルシウム、タルク等の無機微粒子とシリカとの複合粒子が、特許文献4には繊維状物質で被覆された炭酸カルシウムが、特許文献5、6にはシリカで被覆された軽質炭酸カルシウムが、特許文献7には珪酸又は珪酸塩と軽質炭酸カルシウムとからなる凝集複合体が、特許文献8には中空構造を有するシリカ粒子が、特許文献9にはシラノール基を有する珪酸カルシウム又はシリカ系粒子がそれぞれ示されている。しかし、いずれも嵩高性(填料を含有させたことによる紙の厚みの変化割合)の改善がなお不十分である。また、嵩高性に対して、得られる紙の引張強さの低下も大きく、改善の余地があった。
一方、特許文献10〜12に原料パルプに填料として花弁状薄片の集合形態を有する珪酸カルシウムを含む粒子を使用することが示されている。特許文献10〜12には、原料パルプに填料として花弁状薄片の集合形態を有する珪酸カルシウムを含む粒子を含有させるとともに、硫酸バンドを添加して抄造し、強度、不透明度、インクの裏抜け防止効果の優れた紙を製造することが記載されている。
しかしながら、これらの特許文献に示されている紙は、填料の含有量に対して、紙の密度が低下していないか、または、紙の密度の低下率が低く、嵩高性が十分には改善されていない。例えば、特許文献10に記載された実施例においては、該花弁状薄片の集合形態を有する珪酸カルシウムを含む粒子を10重量%添加した紙においても、その密度は、0.61g/cm程度となっており、填料を添加しないもの(0.61g/cm程度)と比較して、密度の低下がまったくなく、嵩高性については何ら改善効果が得られていない。
特許第3306860号公報 特開2004−18323号公報 特開2003−49389号公報 特開2003−321221号公報 特開2005−219945号公報 特開2005−281915号公報 特開2003−212539号公報 特開2005−272155号公報 特開2004−91952号公報 特公昭63−11478号公報 特開昭63−99397号公報 特公平3−64640号公報
したがって、本発明の目的は、必要な強度を保持し、印刷適性にも優れ、しかも、填料の含有量に対して十分に密度が低下する、いわゆる嵩高性が改善された中性紙を提供することにある。更に、本発明の目的は、かかる中性紙を製造する方法を提供することにある。
本発明の発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した。その結果、紙において、特定範囲の細孔半径の細孔容積が、紙の嵩高性に影響があることを見出した。更に、花弁状薄片の集合形態を有する珪酸カルシウムを含む粒子を填料とすることにより、その部分の細孔容積を効率よく増やすことができることをつきとめ、本発明を完成するに至った。また、花弁状薄片の集合形態を有する珪酸カルシウムを含む粒子を填料として紙を抄造する際、原料パルプスラリーを、抄造中、特定のpH範囲に維持することにより、上記課題を解決した紙を製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、花弁状薄片の集合形態を有する珪酸カルシウムを含む粒子を填料として0.3〜20重量%含有してなる中性紙であり、かつ、当該中性紙における、水銀ポロシメーター法により測定された細孔半径が0.2μm以下の細孔の細孔容積をX(cc/g)としたとき、当該Xと前記花弁状薄片の集合形態を有する珪酸カルシウムの含有量Y(重量%)とが下記式(I)を満足する関係にある中性紙である。
X/Y > 0.025 (I)
また、本発明は、花弁状薄片の集合形態を有する珪酸カルシウムを含む粒子を原料パルプスラリーに成紙の重量当たり0.3〜20重量%に成るように含有させ、さらに、抄造中の該原料パルプスラリーのpHを6.5〜9の範囲に維持して、紙を抄造することを特徴とする中性紙の製造方法である。
本発明の好適な実施形態によれば、前記花弁状薄片の集合形態を有する珪酸カルシウムとして、JIS K 6220に基づいて測定された見掛比重から算出される嵩比容積が8〜11mL/gの範囲にあり、かつ、レーザ回折散乱法で測定される平均粒子径が20〜50μmの範囲にある珪酸カルシウムを用いることが好ましい。
本発明の好適な実施形態では、前記花弁状薄片の集合形態を有する珪酸カルシウムとして、水銀ポロシメーター法により測定された細孔半径が0.1μm以下の細孔の細孔容積が2.1cc/g以上である珪酸カルシウムを用いることが好ましい。
本発明の好適な実施形態によれば、前記原料パルプスラリーをpH7.5〜9に調整した後に、前記花弁状薄片の集合形態を有する珪酸カルシウムを含む粒子を前記原料パルプスラリーに含有させ得る。
本発明の好適な実施形態によれば、前記原料パルプスラリーにポリアクリルアミド系紙力剤、アルキルケテンダイマー系サイズ剤、ポリアクリルアミド系歩留向上剤、及び無機歩留向上剤をさらに含有させることが好ましい。
本発明によれば、花弁状薄片の集合形態を有する珪酸カルシウムを含む粒子を填料として含有し、かつ、填料の含有量に対して、効率よく、細孔半径が0.2μm以下の細孔容積を増加させることができるため、必要な強度を保持しつつ、印刷適性にも優れ、低密度の嵩高中性紙とすることができる。
また、本発明の製造方法によれば、抄造中においても、花弁状薄片の集合形態を有する珪酸カルシウムを含む粒子がそのまま形状を維持しているものと考えられるため、乾燥による乾燥収縮も少ない。その結果、パルプ繊維の収縮を防止することができるものと考えられ、紙の密度がより低下して、嵩高性が改善された中性紙を得ることができる。また、上記結果、得られる中性紙において、パルプ繊維の間に花弁状薄片の集合形態を有する珪酸カルシウムが絡み合っている確率が高くなるものと考えられ、紙の強度(引張強度等)低下も少なくなっている。
以上のことから、本発明の製造方法は、あらゆる種類の紙に適用出来、塗工紙、微塗工紙、新聞用紙、上質紙等の印刷用紙、純白ロール、晒クラフト紙、未晒クラフト紙等の包装用紙、高級白板紙やライナー等の板紙、各種の特殊紙、又はこれらの原紙のすべてに応用が可能である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明は、花弁状薄片の集合形態を有する珪酸カルシウムを含む粒子を填料として含有し、かつ、該填料の含有量に対して、細孔半径0.2μm以下の細孔の細孔容積が、特定の割合以上に存在する中性紙である。
本発明において、花弁状薄片の集合形態を有する珪酸カルシウムを含む粒子(以下、単に花弁状珪酸カルシウム粒子とする場合もある)とは、電子顕微鏡写真(3000〜40000倍)で確認した際、バラの花弁に類似する薄片が集合している形態を有するものである。また、該薄片は、長手方向の平均直径が0.1〜30μm、厚みが0.005〜0.1μm程度の円状、楕円状等の形状を有するものである。
本発明において、上記花弁状珪酸カルシウムを含む粒子は、花弁状薄片の集合形態を有する珪酸カルシウムの粒子、花弁状薄片の集合形態を有する珪酸カルシウムを骨格とする珪酸カルシウム・硫酸カルシウム複合体の粒子、花弁状薄片の集合形態を有する珪酸カルシウムを骨格とする珪酸カルシウム・硫酸カルシウム複合体と酸化アルミニウムとの複合体の粒子の少なくとも1種以上の粒子を含むものであればよい。これら粒子の中でも、安定した紙の製造を考慮すると、花弁状薄片の集合形態を有する珪酸カルシウムの粒子が好ましい。
まず、上記花弁状珪酸カルシウム粒子の製造方法について説明する。
本発明において、上記花弁状珪酸カルシウム粒子は、特許文献10〜12等に示された方法により製造されうる。具体的には、先ず、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム等を含む市販の珪酸アルカリ(好ましくは、モル比SiO/NaO=2〜3)溶液を、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、石膏等のカルシウム化合物に添加して反応させ、生成物を濾過、水洗した後、水を加えスラリーとする。このとき、カルシウム化合物はあらかじめ水に溶解又は分散させておくことが、反応を円滑に進める上で好ましい。次いで、このスラリーを攪拌機付きのオートクレーブに移送し密閉して、温度170〜210℃で、水熱反応を3〜5時間行った後、濾過・水洗することにより、花弁状珪酸カルシウム粒子を得ることができる。このようにして得られた花弁状珪酸カルシウム粒子の物性は、スラリーpH(固形分濃度 5%)が8.5〜9.8、レーザ回折散乱法で測定される平均粒子径が20〜50μm、乾燥後の吸油量が300〜500(ml/100g)となる。
花弁状珪酸カルシウム粒子の製造方法において、カルシウム化合物に対して珪酸アルカリを添加して反応させる際のスラリーの攪拌をより激しくする(例えば、攪拌機の攪拌回転数を上げる)と得られる花弁状珪酸カルシウム粒子の平均粒子径は小さくなっていく。またカルシウム化合物として石膏等の非水溶性のものを用い、これを水に分散させてスラリーとして反応させる場合には、用いるカルシウム化合物として平均粒子径の大きなものを使用すると、平均粒子径の小さな花弁状珪酸カルシウム粒子が得られる。カルシウム化合物として排脱石膏、廃石膏等のカルシウム以外の陽イオン成分が多く含まれるものを使用すると、花弁状珪酸カルシウム粒子は相対的に平均粒子径が大きくなる傾向がある。これらの中でも、得られる珪酸カルシウムの平均粒子径に影響を与える支配的な要因は攪拌速度である。
珪酸アルカリ溶液をカルシウム化合物へ添加して反応させる際の温度は10〜50℃で行われるが、その範囲内で反応温度を高くすると、製造される花弁状珪酸カルシウム粒子の嵩比容積は大きくなる。また、珪酸アルカリ溶液をカルシウム化合物に添加して反応させるときに、添加に要する時間を長くすれば、0.1μm以下細孔容積の大きな花弁状珪酸カルシウム粒子が得られる。
また、上記花弁状珪酸カルシウム粒子を製造する方法において、石膏を原料とする場合には、市販の化学石膏の他、発電所から排出される排脱石膏や、廃石膏ボードから回収される回収石膏を使用することができる。これら排脱石膏、回収石膏等を原料として使用することにより、廃棄物の有効利用が可能となり、環境負荷の低減にもつながる。特に、年々排出量が増加の傾向にある廃石膏ボードを使用すれば、建築廃材として埋め立て処分されていた廃石膏ボードを有効に利用することができ、その利用範囲を拡大することができる。
本発明において、上記方法により得られた花弁状珪酸カルシウム粒子は、水洗・濾過後、得られたケークに水を加えたスラリーのままで下記に詳述する紙の製造に用いることもできる。また、必要に応じて、該スラリーを粉砕機(分散機)、分級機により処理して、スラリー濃度の調整や、所望とする平均粒子径の花弁状珪酸カルシウム粒子を含むスラリーとした後で、紙の製造に使用することもできる。さらに、上記水洗・濾過後、乾燥し、必要に応じて、粉砕、分級した粉体として、紙の製造に使用することもできる。
本発明において、紙の填料として、上記花弁状珪酸カルシウム粒子を使用する場合、そのレーザ回折散乱法で測定される平均粒子径は、好ましくは20〜50μm、より好ましくは30〜50μm、特に好ましくは30〜40μmである。上記花弁状珪酸カルシウム粒子の平均粒子径が上記範囲であることにより、原料パルプスラリー中の分散性をよくすることができ、また、パルプ繊維間に該粒子が留まりやすくなる。
本発明において、上記方法により製造された花弁状珪酸カルシウム粒子は、中性紙中に填料として、0.3〜20重量%含有されなければならない。花弁状珪酸カルシウム粒子の含有量は、好ましくは1〜10重量%である。花弁状珪酸カルシウム粒子の含有量が0.3〜20重量%の範囲にある場合に、下記に詳述する細孔容積分布と填料の含有量の関係(式(I))を満足する嵩高性改善効果が顕著に発揮される。
即ち、上記花弁状珪酸カルシウム粒子の含有量が、0.3重量%未満では嵩高性改善効果が十分ではなく、その他、印刷適性も改善されないため好ましくない。一方、20重量%を超えると得られる紙の強度が低下しすぎるとともに、嵩高性改善効果は頭打ちとなり経済的でない。嵩高性改善効果と経済性を考慮すると、花弁状珪酸カルシウム粒子は、填料として紙中に1〜10重量%含有されることが好ましい。尚、本発明において、嵩高性が改善された中性紙とは、下記の実施例において測定される嵩高率が、填料1重量%当たり、少なくとも3%以上、好ましくは5%以上となるものを指す。
本発明の最大の特徴は、上記花弁状珪酸カルシウム粒子を含有する中性紙であって、かつ、中性紙における水銀ポロシメーター法により測定された細孔半径が0.2μm以下の細孔の細孔容積をX(cc/g)としたとき、Xと紙中に含まれる上記花弁状珪酸カルシウムの含有量Y(重量%)とが下記式(I)を満足する関係にあることである。
X/Y > 0.025 (I)
本発明において、式(I)は、填料の含有量に対して、細孔半径が0.2μm以下の範囲の細孔容積が大きくなればよいことを示しているものである。この式(I)を満足することにより、填料の含有量に対して、効果的に嵩高性を改善することができる。X/Yが0.025以下の場合には、嵩高性改善効果が十分に発揮されないため好ましくない。嵩高性改善効果を十分に発揮させ、経済的にも有利とするためには、X/Yは0.028以上であることが好ましく、0.03以上であることが特に好ましい。一方、X/Yの上限は、特に制限されるものではないが、現在の中性紙の製造を考慮すると、0.07である。
図1に、本発明の中性紙の細孔容積分布曲線(細孔半径−細孔容積の分布曲線の例を示す。図1には、実施例1、2で製造される紙の細孔容積分布曲線を示した。本発明の中性紙は、水銀ポロシメーターで測定した細孔容積分布曲線において、例えば、実施例1、2のように、細孔半径が0.2μm以下の範囲でピークを有し、しかも、その範囲の細孔容積が大きいことを特徴とするものである。一方、本発明外である比較例1では、細孔半径が0.2μm以下の範囲でピークを示さず、またその範囲の細孔容積は小さい。本発明者らは、該範囲の細孔容積が大きくなることにより、嵩高性を改善できることを見出した。そして、該範囲の細孔容積を大きくするには、後記に詳述する通り、製造条件とともに、填料の影響が大きいことをつきとめた。その結果、花弁状珪酸カルシウム粒子を填料とするとともに、pH6.5〜9の抄造条件とすることにより、細孔半径が0.2μm以下の範囲の細孔容積を効率よく増加させることができ、本発明を完成させるに至った。
上記の特許文献10〜12に示されているように、花弁状珪酸カルシウム粒子は、紙の填料として使用されていた。しかしながら、該特許文献等に示されている紙においては、填料の含有量が多くなっても、紙の密度は、ほとんど変わらないか、密度が低下する割合が少ない。つまり、填料が含まれても紙の厚みの変化が少なく、十分に嵩高性が改善されていない。この理由は明らかではないないが、以下の通り推定している。
特許文献10〜12においては、抄造中のpHについては言及されていない。しかしながら、該特許文献の出願当時、紙の製造方法は酸性抄紙が主流であったこと、少なくとも硫酸バンドを1重量%以上使用していること、および嵩高性改善効果が発揮されていないこと(紙の密度の低下が少ないこと)等、考慮すると、該特許文献においては、抄造はpH4.0〜5.5の酸性領域で行われていたものと推定される。
本発明者らの検討によると、酸性領域(pH4.0〜5.5)で抄造する状態においては、花弁状珪酸カルシウム粒子が一部溶解し、花弁状の形状が変化するおそれがあることが分かった。そして、本発明者らが追試した酸性条件下で抄造した紙(比較例7、図2に得られた紙の細孔分布曲線を示す)は、細孔容積分布曲線において、0.2μm以下の範囲にピークが存在せず、またその範囲の細孔容積も小さい。以上のような結果から、特許文献10〜12においては、酸性領域下で抄造され、花弁状珪酸カルシウム粒子の形状が変化しているものと考えられ、花弁状珪酸カルシウム粒子を含有しているにもかかわらず、得られる紙の嵩高性改善効果が発揮されないものと考えられる。
さらに特許文献10〜12に記載の花弁状珪酸カルシウムは、その嵩比容積が大きすぎる(薄片が極めて薄い)ため、紙の抄造時にかかる圧力により、該珪酸カルシウムの花弁状の形状が破壊されてしまうことも一因であると推測される。加えて、用いられている花弁状珪酸カルシウムの0.1μm以下の細孔容積、即ち、抄造時にかかる圧力によっては破壊されにくい空隙の容積が小さいことも紙の嵩高性改善効果が得られていない一因として考えられる。
また上記特許文献の一部には、嵩比容積が比較的小さいものを用いている例も存在するが、その場合粒子径が小さすぎる珪酸カルシウムを使用している。嵩比容積や粒子径が小さすぎると、珪酸カルシウムが紙の繊維同士を引き離す距離が小さくなるため空隙が生じにくく(X/Yを向上させる効果が小さく)、よって、この点からも先行技術では紙の嵩高性改善効果が得られていないものと推測される。
尚、特許文献10〜12においては、花弁状珪酸カルシウム粒子の割合が高くなれば、0.75μm以下の細孔容積が増加している。しかしながら、該特許文献においては、紙の密度が変化していないか、変化の割合が少なく、本発明の中性紙とは、明らかに挙動が異なる。そのため、例え、該特許文献において、花弁状珪酸カルシウム粒子の添加量が10重量%であっても、填料の含有量に対する細孔半径0.2μm以下の細孔容積(X/Y)が、本発明のように0.025を超えるものにはならないと考えられる。
以上のような理由から、本発明の中性紙は、花弁状薄片の集合形態を有する珪酸カルシウムを含む粒子を原料パルプスラリーに成紙の重量当たり0.3〜20重量%に成るように含有させ、さらに、抄造中の該原料パルプスラリーのpHを6.5〜9の範囲に維持して製造されるものである。上記条件で製造することにより、得られる中性紙は、X/Yが0.025を超え、嵩高性が改善されたものとなる。
この本発明の製造方法は、特許文献10〜12において嵩高性改善効果が発揮されない問題点を解決し、さらに、近年主流化した中性抄紙法において、嵩高効果の改善効果が高く、強度の低下が少ない紙を製造する方法である。
本発明の製造方法において、原料パルプスラリーのpHが6.5未満となる場合には、抄造中、花弁状珪酸カルシウム粒子が溶解し、その形状が変化するおそれがあるため、式(I)のX/Yが0.025以下となり、嵩高性改善効果が得られない。一方、原料パルプスラリーのpHが9.0を超える場合には、サイズ剤、紙力剤等の添加薬剤のパルプ繊維への定着性が低下するため好ましくない。嵩高性改善効果と定着率を考慮すると、抄造中の花弁状珪酸カルシウム粒子を含有した原料パルプスラリーのpHは、7.0〜8.5に維持されることが好ましい。
また、本発明の製造方法において、抄造中、花弁状珪酸カルシウム粒子を含む原料パルプスラリーのpHを6.5〜9に維持することのその他の利点としては、抄造中、硫酸カルシウム(花弁状珪酸カルシウムのカルシウムイオンと硫酸バンドの硫酸イオンとから形成される)が生成するおそれがなくなり、大量抄造、連続抄造時のスケールやピッチの発生も低減することが挙げられる。さらに、上記条件で抄造することにより、抄造中、及び得られる紙中において、花弁状珪酸カルシウム粒子が、その形状を維持しているものと考えられ、乾燥時の乾燥収縮を少なくすることができる。さらに、花弁状珪酸カルシウム粒子が、その形状を維持していれば、パルプ繊維と花弁状珪酸カルシウム粒子とが絡みやすくなるものと考えられ、得られる紙の強度の低下を少なくし、抄紙速度を速くすることも可能となる。
さらに花弁状珪酸カルシウムを混合する前に、スラリーのpHをあらかじめ7.5〜9、より好ましくは7.5〜8.5に調整しておくことが好ましい。この方法を採用すれば、さらに高い嵩高性改善効果を得ることができる。なお通常、その添加量にもよるが、珪酸カルシウムの混合によってスラリーのpHは若干(0.1〜0.2程度)上昇する。上記範囲のpHに調整するためには、水酸化アルカリ、炭酸アルカリ等の水溶性アルカリ化合物や、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム等の塩基性の填料などを加えればよい。
本発明の製造方法において、花弁状珪酸カルシウム粒子を含む原料パルプスラリーのpHを維持する方法は、特に制限されるものでない。通常、スラリーへ硫酸バンド等を配合することにより、そのpHは酸性となる傾向がある。よって、例えば苛性ソーダ等の水酸化アルカリや、炭酸ソーダ等の炭酸アルカリを添加したり、抄紙に用いる用水のpHを調整したりして達成することもできる。
本発明において、原料パルプは特に制限されるものではなく、サルファイトパルプ、クラフトパルプ等の化学パルプ、砕木パルプ、サーモメカニカルパルプ、ケミサーモメカニカルパルプ等の機械パルプ、および古紙パルプ等のあらゆる種類のパルプを使用することができる。これらのパルプのうち機械パルプは、化学パルプや古紙パルプに比べて剛直な特性を持ち、そのため嵩が出やすいという特徴があるが、退色や印刷品質が優れない等の品質上の問題があり、機械パルプの配合率を高くすることにより紙を嵩高化することは品質設計上の問題点が多い。本発明の製造方法によれば、紙に顕著な嵩高い特性を与えることができるため、嵩高い紙として製造することが困難であった化学パルプや古紙パルプを原料として多く含む紙であっても、効率よく嵩高い紙として製造することが可能となる。
また、本発明の製造方法においては、その他の配合剤として、花弁状珪酸カルシウム粒子の他、原料パルプスラリーにポリアクリルアミド系紙力剤、アルキルケテンダイマー系サイズ剤、ポリアクリルアミド系歩留向上剤、及び無機歩留向上剤(コロイダルシリカ、シリカゾル、ベントナイト等)をさらに含有させ、紙に必要な、サイズ性能、紙力性能および製造における歩留特性の向上を確保することができる。酸性抄紙の製造方法に用いられるサイズ剤、紙力剤、歩留剤は、抄造中の原料パルプスラリーのpHが4.0〜5.5の領域では、硫酸アルミニウムを定着剤として使用すると、パルプ繊維に良く定着する。
しかしながら、酸性抄紙の処方のまま抄紙pHを6.5以上の中性〜アルカリ性の領域にすると、各薬剤はパルプ繊維に対して十分に定着せず、その性能は発揮されない。したがって、抄紙pHを6.5以上の中性〜アルカリ性の領域にする場合は、処方する各薬剤の構成には、酸性抄紙の薬剤処方からの根本的な変更が必要であり、さらにそれらの薬剤のパルプ繊維への定着性及び脱水ワイヤー上での原料歩留を確保するため歩留向上剤の添加処方を工夫することが重要になる。そのため、本発明においては、嵩高効果そのものの発現以外にも、各薬剤のパルプ繊維に対する定着及びそれぞれの効果発現を十分なものとさせるために、特に、ポリアクリルアミド系歩留向上剤と無機歩留向上剤を併用し、各添加薬剤のパルプ繊維への定着を十分に確保することが好ましい。
本発明においては、上記原料パルプ、上記各種配合剤、花弁状珪酸カルシウム粒子等を混合し、原料パルプスラリーのpHが6.5〜9の中性領域で維持されるように抄造すればよい。好ましくは、原料パルプスラリーのpHをあらかじめ7.5〜9に調製し、その後に花弁状珪酸カルシウム粒子を混合して、原料パルプスラリーのpHを7.5〜9の中性領域に維持した状態で抄造する。
より具体的に紙の製造方法を例示すれば、原料パルプスラリーに、カチオン化澱粉0.2〜0.8重量%、ポリアクリルアミド系紙力剤0.05〜0.4重量%、硫酸バンド0.3〜0.8重量%、アルキルケテンダイマー系サイズ剤0.01〜0.2重量%、ポリアクリルアミド系歩留向上剤0.005〜0.05重量%、無機歩留向上剤0.01〜0.1重量%等を順次添加し、これら配合剤を添加した後の原料パルプスラリーのpHが6.5〜9、好ましくは7.5〜9となるように調整し、花弁状珪酸カルシウム粒子を成紙の重量当たり、0.3〜20重量%となる量添加し、抄紙装置実機あるいは丸坪シート抄紙試験機等を用い抄造することができる。
[実施例]
以下、本発明を更に具体的に説明するために、実施例を示すが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
製造例、実施例及び比較例の測定値は、以下の方法によって測定した。
・細孔容積及び分布: 水銀ポロシメーター(Pascal240 Thermo Electron社製)により下記の条件で測定した。試料が紙の場合には、紙を約4mm*30mm程度の短冊状に切断したサンプル約0.2gを測定用ガラス容器へ入れ測定した。また珪酸カルシウムの場合には、110℃で乾燥させた試料ケーク約0.2gを測定用ガラス容器に入れて測定した。
Pump speed increase: 6 Pascal
Contact angle : 141.3 (Deg)
Hg surface tension : 480 (Dyne/cm)
Hg density : 13.534 (g/cm
Pores model : Cylindrical
Pores average mode : 50%
・嵩高率:填料を添加した紙の厚みをA(μm)とし、填料を使用しない時の同じ坪量の紙の厚みをB(μm)とした際、下記式により算出される値を嵩高率とした。
嵩高率(%)=(A−B)×100/B
・平均粒子径:コ−ルターLS230(ベックマン・コールター社製)により約5g/100mlの珪酸カルシウムスラリーを数滴滴下し、体積基準粒度分布をレーザ回折散乱法で測定した。平均粒子径はこの結果のメディアン径である。
・吸油量:JIS K5101に準じた。
・填料含有率:JIS P−8251に準じた。(ただし比較例1における評価値分が填料とは由来の異なる成分についての検出であるので、同じ数値だけ減じた。また、配合した填料の105℃乾燥絶乾重量に対するJIS P−8251での灰分率をあらかじめ測定し、灰分の測定値から105℃乾燥の絶乾重量に相当する数値に換算して、最終評価値とした。)
・調湿坪量:JIS P−8124に準じた。
・厚さ、密度:JIS P−8118に準じた。
・引張強さ:JIS P−8113に準じた。
・引裂強さ:JIS P−8116に準じた。
・破裂強さ:JIS P−8112に準じた。
・紙層強度:JAPAN TAPPI No.19に準じた。
・白色度:JIS P−8148に準じた。
・不透明度:JIS P−8149に準じた。
・裏抜け値:JAPAN TAPPI No.45に準じた。
・珪酸カルシウムの嵩比容積:JIS K 6220に基づいて、花弁状珪酸カルシウムの見掛比重を測定した。得られた見掛比重の逆数を嵩比容積とした。
・スラリーのpHの測定:室温でのスラリーのpHを、ガラス電極と比較電極からなるpHメーター(堀場製作所社製 F−51)で測定した。
以下、本発明に使用する花弁状珪酸カルシウム粒子の製造方法を示す。
[製造例1]
本発明において、花弁状薄片の珪酸カルシウムは石膏原料として、化学石膏(CaO:33.2%,結晶水:21.3%)を、珪酸アルカリ溶液は市販の3号珪酸ソーダ溶液(SiO:28.8g/100ml,NaO:9.7g/100ml)を48%NaOH溶液で、SiO/NaOモル比が2.5に調整した後、水で、珪酸ソーダ溶液中のSiO濃度が12g/100mlに成るように調整したものを使用した。石膏と珪酸ソーダ溶液との反応は、まず石膏1.0kg、水13.9Lを30Lの攪拌機付き反応槽へ入れて石膏スラリーとし、この石膏スラリーに対し、常温(20〜25℃)で、濃度調整した珪酸ソーダ溶液 6.55Lを90分掛けてゆっくりと添加して反応させ反応液20.4Lを得た。攪拌速度は200rpmとした。次にこの反応液をろ過器でろ過し、水洗して、反応副生物を除去した後、固形分濃度12g/100mlに水で濃度調整したスラリーを8.7L得た。
このスラリーを13Lの攪拌機付き外部加熱式オートクレーブに入れ、200℃に昇温し、4時間水熱反応をさせた後、冷却後、反応液を再びろ過・水洗して得られたケーク(固形分濃度 18重量%)を水で希釈して、固形分濃度10g/100mlのスラリーを8.9L製造した。このスラリーに含まれる珪酸カルシウム粒子の平均粒子径は、25μmであった。このスラリー100mlを110℃の乾燥器で一日乾燥したサンプルのpH(5%懸濁)は9.2で、吸油量は480ml/100gであった。また、サンプルを電子顕微鏡(倍率40000倍)で観察したところ、花弁状薄片の集合形態を有することが確認された。この花弁状珪酸カルシウムの嵩比容積は9.1mL/g、細孔半径が0.1μm以下の細孔の細孔容積は2.7cc/gであった。実施例1、2では、このスラリーを使用した。
[製造例2〜6]
原料石膏を下表1に記載のものに変更し、珪酸ソーダ溶液を石膏スラリーに添加する時間(石膏と珪酸ソーダ溶液の反応時間)を120分とした以外は製造例1と同様の操作を行って花弁状薄片の珪酸カルシウムスラリーを得た。物性は併せて表1に示す。
Figure 2008025088
[製造例7]
製造例2で製造した珪酸カルシウムスラリーを固形物濃度5%とし、この500mLにφ3mmのビーズを入れて、攪拌機を設置し、150rpmにて10分間粉砕して平均粒径を18.4μmとした。この珪酸カルシウムの物性を表1に示すが、この珪酸カルシウムは嵩比容積が7ml/gと小さく、填料として用いても嵩高効果はあまり期待できないものであった。
[参考例(乾燥収縮の測定試験)]
無機填料のみの嵩高効果、および乾燥収縮性を評価する為に、次の方法にて、花弁状珪酸カルシウム粒子、ホワイトカーボンと軽質炭酸カルシウムを比較した。
[評価方法1] 各スラリーサンプル50mlを100mlのビーカーに入れ、110℃で一日乾燥した後、乾燥ケークの重量とケークの厚みを測定し、(ケーク厚み/重量)を測定した。この比が大きい方が、嵩高効果、乾燥収縮が少ないことを示す。その測定結果を下記表2に示す。尚、表2中の花弁状珪酸カルシウム(酸性)は、製造例1により作製した花弁状珪酸カルシウム粒子のスラリー(pH9.5)に、1mol/Lに希釈した希硫酸を加え、pHを4〜5にして8時間保持したスラリーを乾燥した値である。
Figure 2008025088
製造例1の花弁状珪酸カルシウム粒子が、優れた効果を示した。
[実施例1]
カチオン化澱粉、両イオン性ポリアクリルアミド紙力剤、硫酸バンド、アルキルケテンダイマーサイズ剤、ポリアクリルアミド歩留向上剤、コロイダルシリカを、濾水度450mlのLBKP(広葉樹晒クラフトパルプ)を濃度2.0%に調整したパルプスラリー1500mlに対し、パルプの総絶乾重量に対して以下に示す順序および濃度で添加した。パルプスラリーをアジテーターで撹拌しながら各薬品を順次添加し、反応させた。反応時間はそれぞれ2分間とした。
・カチオン化澱粉:0.5重量%
・紙力剤:0.1重量%
・硫酸バンド:0.5重量%
・サイズ剤:0.1重量%
・歩留向上剤:0.02重量%
・コロイダルシリカ:0.04重量%
これらの薬品添加済みスラリーに対し、花弁状薄片の集合形態を有する珪酸カルシウム粒子(製造例1で製造したもの)を濃度5重量%のスラリーとしたものを、最終成紙の絶乾重量中の珪酸カルシウム粒子濃度が3%になるように添加し、同様に2分間撹拌した。この原料スラリーを水で濃度約0.3重量%に希釈し、最終成紙の室温23℃、湿度50%雰囲気における調湿坪量が75gになるように、熊谷理機社製の丸坪シート抄紙試験機にてJIS−P8222に規定されている方法により抄紙および搾水、圧縮し、ドラムドライヤーで乾燥温度110℃にて乾燥させ、丸坪シートを作成し、JIS P−8111に規定されている方法で一昼夜調湿した後にその物性を評価した。抄紙濃度におけるpH値を7.5〜8.0にするため、原料スラリーを0.30%濃度に希釈した時点において希釈苛性ソーダ液を微量添加しpHを7.5〜8.0の範囲に調整し、20時間放置後抄紙した。抄紙に用いる水はpH7.8のものを用いた。花弁状薄片の集合形態を有する珪酸カルシウムは平均粒子径25μmのものを用いた。
[実施例2]
最終成紙の絶乾重量中の珪酸カルシウム粒子濃度が6%になるように添加したこと以外は、実施例1と同一の条件で丸坪シートを作成し、その物性を評価した。その結果を図5に示す。
[比較例1]
珪酸カルシウム粒子を配合せずに同様に2分間の撹拌時間をとったこと以外は、実施例1と同一の条件で丸坪シートを作成し、その物性を評価した。その結果を図5に示す。
[比較例2]
珪酸カルシウム粒子の代わりに新聞用紙製造用のホワイトカーボンを用いたこと以外は、実施例1と同一の条件で丸坪シートを作成し、その物性を評価した。その結果を図5に示す。
[比較例3]
珪酸カルシウム粒子の代わりに軽質炭酸カルシウムを用いたこと以外は、実施例1と同一の条件で丸坪シートを作成し、その物性を評価した。その結果を図5に示す。
[比較例4]
最終成紙の絶乾重量中の新聞用紙製造用ホワイトカーボン濃度が6%になるように添加したこと以外は、比較例2と同一の条件で丸坪シートを作成し、その物性を評価した。その結果を図5に示す。
[比較例5]
最終成紙の絶乾重量中の軽質炭酸カルシウム濃度が6%になるように添加したこと以外は、比較例3と同一の条件で丸坪シートを作成し、その物性を評価した。その結果を図5に示す。
[比較例6]
カチオン化澱粉の添加および反応後に、有機化学薬品系嵩高効果剤をパルプの総絶乾重量に対して0.5%添加および反応させ、引き続いて紙力剤の添加および反応以降の作業工程を行ったこと以外は、比較例1と同一の条件で丸坪シートを作成し、その物性を評価した。有機化学薬品系嵩高効果剤は日華化学社の強度低下程度軽減仕様品であるマスクートK300を用いた。その結果を図5に示す。
[比較例7]
カチオン化澱粉、硫酸バンド、酸性ロジンサイズ剤を、実施例1で使用した物と同じパルプスラリー1500mlに対し、パルプの総絶乾重量に対して以下に示す順序および濃度で添加した。パルプスラリーをアジテーターで撹拌しながら各薬品を順次添加し、反応させた。反応時間はそれぞれ2分間とした。
・カチオン化澱粉:0.5%
・硫酸バンド:2.0%
・サイズ剤:0.3%
この薬品添加済みスラリーに対し、実施例1で添加した物と同じ珪酸カルシウム粒子スラリーを、実施例1と同量添加し、同様に2分間撹拌した。この原料スラリーを水で濃度約0.3%に希釈し、最終成紙の室温23℃、湿度50%雰囲気における調湿坪量が75gになるように、熊谷理機社製の丸坪シート抄紙試験機にてJIS−P8222に規定されている方法により抄紙および搾水、圧縮し、ドラムドライヤーで乾燥温度110℃にて乾燥させ、丸坪シートを作成し、JIS P−8111に規定されている方法で一昼夜調湿した後にその物性を評価した。シート物性の評価方法は実施例1と同じとした。抄紙濃度におけるpH値を4.4〜4.6にするため、原料スラリーを0.30%濃度に希釈した時点において希釈硫酸液を微量添加しpHを4.4〜4.6の範囲に調整し、20時間放置後抄紙した。抄紙に用いる水はpH4.5のものを用いた。その結果を図5に示す。
図5に示されるように、填料として花弁状薄片の集合形態を有する珪酸カルシウムを最終成紙において約3重量%含有し、pH7.5〜8.0の中性抄造条件で抄紙した実施例1では、填料を含有することによって、必要な各種強度を有しつつ填料を含有しない比較例1に比して嵩高率が18.9%増加するとともに白色度、不透明度、インクの裏抜け防止性が向上した中性紙が製造されている。填料としてほぼ同量のホワイトカーボン、軽質炭酸カルシウムを含有した比較例2及び比較例3では嵩高率はそれぞれ6.5%、1.5%しか増加していない。また、原料パルプスラリーに有機化学薬品系嵩高効果剤を配合した比較例6においても嵩高性は6.4%の増加にとどまっている。
填料として実施例1比較例2及び比較例3で使用した花弁状珪酸カルシウム粒子、ホワイトカーボン及び軽質炭酸カルシウムを最終成紙において約6重量%含有し、中性条件で抄造した実施例2、比較例4及び比較例5の紙の性質をみると、花弁状珪酸カルシウム粒子を含有する実施例2の紙は、嵩高率が35.4%となっており、ホワイトカーボン及び軽質炭酸カルシウムを填料として同等量含有する比較例4、5の紙よりも優れた嵩高性改善効果を示している。
また、実施例1では、花弁状珪酸カルシウム粒子の含有量が約3重量%と小さいにもかかわらず、約6重量%と2倍の填料を含有する比較例4及び比較例5よりも格段に嵩高性改善効果が優れる紙が製造されている。
填料としては実施例1、2と同一の花弁状薄片の集合形態を有する珪酸カルシウムを使用するが、抄造時のpHを4.4〜4.6という酸性条件とした比較例7では、強度面では実施例1と同等ではあるが、嵩高率が4.2%増加と嵩高性改善効果がほとんどみられない。
これらのことから、必要な強度を保持しつつ嵩高性を改善するためには、填料として花弁状薄片の集合形態を有する珪酸カルシウムを含有させ、さらに、抄造時のpHを中性に保つという条件とを同時に充足することが必要であることがわかる。
[実施例3〜7]
カチオン化澱粉、硫酸バンド、アルキルケテンダイマーサイズ剤、ポリアクリルアミド歩留向上剤1、ポリアクリルアミド歩留向上剤2を、濾水度450mlのLBKP(広葉樹晒クラフトパルプ)を濃度2.0%に調整したパルプスラリー1500mlに対し、パルプの総絶乾重量に対して以下に示す順序および濃度で添加した。パルプスラリーをアジテーターで撹拌しながら各薬品を順次添加し、反応させた。反応時間はそれぞれ2分間とした。
・カチオン化澱粉:0.6重量%
・硫酸バンド:0.8重量%
・サイズ剤:0.1重量%
・歩留向上剤1:0.0003重量%
・歩留向上剤2:0.007重量%
これらの薬品添加済みスラリーに対し、製造例3〜6にて製造した花弁状薄片の凝集形態を有する珪酸カルシウム粒子を濃度5重量%のスラリーとしたものを、最終成紙の絶乾重量中の珪酸カルシウム粒子濃度が5.2%になるように添加し、同様に2分間撹拌した。この後は実施例1と同一の条件で丸坪シートを作成し、その物性を評価した。その結果を表3に示す。
[比較例8]
珪酸カルシウムを添加しなかった以外は、実施例3〜7と同様にして紙を抄造した。物性の評価結果を表3に示す。
Figure 2008025088
比較例8と各実施例との比較から、花弁状薄片の珪酸カルシウムを填料として中性条件下で抄紙することにより、紙に対する優れた嵩高効果が得られることがわかる。さらに同一条件で紙を抄造した実施例3〜6の結果を比較すれば、嵩比容積が8〜11mL/gにある花弁状薄片の集合形態を有する珪酸カルシウムを用いることにより、より優れた嵩高効果を得られることがわかる。
なお、上記実施例3〜7における、嵩高率(%)/填量含有率(重量%)と平均粒子径(μm)、嵩比容積(mL/g)、0.1μm以下の細孔の細孔容積(cc/g)との関係を図6、図7、図8にそれぞれ示す。嵩高率(%)/填量含有率(重量%)が大きければ大きいほど珪酸カルシウムを含有させたことによって効率的に嵩高性が改善されたことになる。
平均粒子径がある程度大きい花弁状薄片の集合形態を有する珪酸カルシウムを填料として紙に配合させると、当該珪酸カルシウムが紙を構成するパルプ繊維間に新たな隙間を作り出し、嵩高性を効率よく改善する。一方、平均粒子径の小さい珪酸カルシウムを紙に配合させても、珪酸カルシウムはパルプ繊維上に付着するか、もともと存在していたパルプ繊維間の隙間に入り込むだけなので、嵩高性を改善し得ない。また、平均粒子径が大きすぎる珪酸カルシウムを配合すると、嵩高性の改善効果は期待し得るが、紙の平滑性が悪化してしまう。
嵩比容積の大きい珪酸カルシウムを填料として使用すると、得られる紙の嵩高性も増加するように考えられるが、この考えは正しくない。同じ平均粒子径の珪酸カルシウムの中で嵩比容積を大きくすることは花弁状の結晶内の空隙を増加させる必要があるので花弁状の結晶の厚みが減少することになる。したがって、嵩比容積が大きすぎると珪酸カルシウム粒子の圧力に対する強度が低下する。そのため、抄造時に珪酸カルシウム粒子に加えられる圧力によって必要な細孔容積が減少し、嵩高性のすぐれた紙が得られにくくなる。
このことは、図6、図7において、26.6μmと好ましい平均粒子径を有しているにもかかわらず、13.11mL/gと大きすぎる嵩比容積を有する珪酸カルシウムを使用した実施例4の実験例で充分な嵩高性改善効果が得られていないことからも窺える。また、例えば表1記載の製造例7の珪酸カルシウムのように、嵩比容積が極端に小さい粉体状の珪酸カルシウムを填料として使用する場合、紙の嵩高性が改善されにくいことは実験するまでもなく技術常識から容易に推察される。
したがって、原料パルプスラリー中に含有させる花弁状薄片の集合形態を有する珪酸カルシウムは、レーザ回折散乱法で測定される平均粒子径が20〜50μmの範囲にあるとともに、JIS K 6220に基づいて測定された見掛比重から算出される嵩比容積が8〜11mL/gの範囲にあるものを使用することが好ましい。抄造時の紙の歩留まりや抄造された紙表面の平滑性を考慮すると、平均粒子径が30〜40μmの珪酸カルシウムを填料として使用することがさらに好ましい。
水銀ポロシメーター法により測定された細孔半径が0.1μm以下の細孔の細孔容積が大きい珪酸カルシウムを使用すれば、紙の中に0.2μm以下の微細な細孔容積を効率よく増加させ得るので、紙の嵩高性改善効果が大きい。填料の0.1μm以下細孔容積と嵩高性改善効果との関係を示す図8から理解されるように、填料として使用する珪酸カルシウムは、0.1μm以下の細孔の細孔容積が2.1cc/g以上のものであることが嵩高性を効率的の改善する上で好ましい。
[実施例8]
実抄紙機にて、新聞紙抄造時に珪酸カルシウムを添加する時点でのpHを変化させて嵩高率の変化を評価した。具体的には、硫酸バンド添加後のパルプスラリー(pH=6.5)に珪酸カルシウムを添加し、その後炭酸カルシウムを添加して原料パルプスラリーを作成する方法と、硫酸バンド添加後のパルプスラリー(pH=6.5)に炭酸カルシウムを添加し、pH=7.5にした後に珪酸カルシウムを添加して原料パルプスラリーを作成するという方法との2つの方法で抄紙した。尚、珪酸カルシウム添加時点でのpH以外は同条件にて抄紙し、坪量は45.6g/m2で抄紙した。その結果、前者は無添加の紙厚さ72μmに対して、変化がなかったのに対して、後者は紙厚さが73μmとなり、1.4%の嵩高率が得られた。
実施例1、2、及び比較例1の紙の細孔容積分布曲線を示す図である。 実施例1及び比較例7の紙の細孔容積分布曲線を示す図である。 実施例2及び比較例4、5の紙の細孔容積分布曲線を示す図である。 実施例2の紙の細孔容積分布を示す図である。 実施例1〜2及び比較例1〜7の紙物性の測定結果を示すものである。 填料の平均粒子径と嵩高性改善効果との関係を示す図である。 填料の嵩比容積と嵩高性改善効果との関係を示す図である。 填料の0.1μm以下細孔容積と嵩高性改善効果との関係を示す図である。

Claims (6)

  1. 花弁状薄片の集合形態を有する珪酸カルシウムを含む粒子を填料として0.3〜20重量%含有してなる中性紙であり、かつ、当該中性紙における、水銀ポロシメーター法により測定される細孔半径が0.2μm以下の細孔の細孔容積をX(cc/g)としたとき、当該Xと前記花弁状薄片の集合形態を有する珪酸カルシウムの含有量Y(重量%)とが下記式(I)を満足する関係にあることを特徴とする中性紙。
    X/Y > 0.025 (I)
  2. 請求項1に記載の中性紙を製造する方法であって、
    花弁状薄片の集合形態を有する珪酸カルシウムを含む粒子を原料パルプスラリーに成紙の重量当たり0.3〜20重量%に成るように含有させ、さらに、抄造中の該原料パルプスラリーのpHを6.5〜9の範囲に維持して、紙を抄造することを特徴とする中性紙の製造方法。
  3. 前記花弁状薄片の集合形態を有する珪酸カルシウムとして、JIS K 6220に基づいて測定された見掛比重から算出される嵩比容積が8〜11mL/gの範囲にあり、かつ、レーザ回折散乱法で測定される平均粒子径が20〜50μmの範囲にある珪酸カルシウムを用いることを特徴とする請求項2に記載される製造方法。
  4. 前記花弁状薄片の集合形態を有する珪酸カルシウムとして、水銀ポロシメーター法により測定された細孔半径が0.1μm以下の細孔の細孔容積が2.1cc/g以上である珪酸カルシウムを用いることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載される製造方法。
  5. 前記原料パルプスラリーをpH7.5〜9に調整した後に、前記花弁状薄片の集合形態を有する珪酸カルシウムを含む粒子を前記原料パルプスラリーに含有させることを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれか1項に記載される製造方法。
  6. 前記原料パルプスラリーにポリアクリルアミド系紙力剤、アルキルケテンダイマー系サイズ剤、ポリアクリルアミド系歩留向上剤、及び無機歩留向上剤をさらに含有させることを特徴とする請求項2乃至請求項5のいずれか1項に記載される製造方法。
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