JP4339392B2 - 製紙用新規複合物及びその合成方法 - Google Patents
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め、決まった形状を持たないが、これも反応開始温度や攪拌条件、さらに酸添加速度等を変化させることで、吸油度や比表面積等の諸物性は大きく変化する。
イトカーボンは最も大きく低下する傾向がある。
ため、当初の目的である紙力を低下させない、填料を凝集させた複合体を形成することは難しく、また吸油量を上昇させることは出来なかった。
のモル比を持つ3号ケイ酸であるが、このケイ酸ソーダでも問題なく複合物が作成された。このケイ酸ソーダを酸によって中和することで、ケイ酸分を析出させ、非晶質ケイ酸を形成する。ケイ酸ソーダ添加量は、先に分散した軽カルのカルシウム分に対してケイ酸ソーダ中のケイ素のモル比で0.2〜2倍程度が良く、好ましくは0.3〜1倍である。このケイ酸ソーダの添加量は、少なすぎると複合物とならず、また多すぎると軽カルのもつ比散乱係数を低下するうえ、複合粒子が粗大化したり、溶液全体がゲル状になってしまうため、製造上好ましくない。
的粒径にすることは可能であり、問題はない。さらにこの固液分離を行った固形分濃度10〜50%のケーキ状複合物を、水またはエタノールにより再分散後、再び固液分離を行い、さらに余分なケイ酸等や副生成物であるボウショウを取り除いても良い。
本発明における軽カルとケイ酸等複合物との各特性値は、下記の測定方法により得られた値を用いるものとする。
(1) 吸油量:JIS K5101の方法による。
(2)粒度分布測定(レーザー法):試料スラリーを分散剤ヘキサメタリン酸ソーダ0.2重量%を添加した純水中で滴下混合して均一分散体とし、レーザー法粒度測定機(使用機器:マルバーン社製マスターサイザーS型)を使用して粒度測定する。
(3)紙の不透明度、白色度、比散乱係数、引張強度、裂断長の測定:熊谷理機工業(株)製の配向性抄紙機により、抄紙原料としてLBKPパルプスラリーを用い、各実施例において得られた填料スラリーを填料として、その添加率を対パルプ5、10、15%として坪量60g/m2になるように抄造して、プレスにより脱水後、送風乾燥機にて乾燥し、各添加率のシートサンプルを作製した。このシートサンプルをハンター反射率計により緑色フィルターを用いて、黒色標準板を裏当てした時の1枚のシートの反射率をR0、同様に標準白色板を裏当てした時の反射率(R0.89)を測定し、ハンター不透明度(JIS−P8138による)を算出して、さらに、Kubelka-Munk式に従って各シートサンプルの比散乱係数を算出した。白色度はシートサンプルをハンター反射率計を用い、青色フィルタを用いて測定した。引張強度、裂断長はJIS−P8113に従って測定を行った。一方、各シートサンプルを575℃にて焼成し、残さ分を灰分量として算出した。各シートの灰分量から填料を無添加で同様に抄造したシートサンプルの灰分量を減じて、サンプルの実際に充填された填料量を算出した。この各填料量を基に、填料分10%とした時の紙の不透明度、白色度、比散乱係数、引張強度、裂断長を算出し、各シートの紙物性値とした。
反応容器(2リットル)中に市販の軽カル(丸尾カルシウム(株) ウイスカルA)50gを水875gに分散し、ここにSiO2濃度18.0wt/wt%、Na2O濃度6.1wt/wt%のケイ酸ソーダ溶液をCaCO3:SiO2=1:0.66のモル比率となるよう加えた。この混合スラリーをラボ用アジテータで十分に攪拌しながら、55℃の恒温槽に30分間浸せきし、スラリー温度を50℃にし、反応原液とした。この原液に、10%硫酸溶液をロータリーポンプにより加えるが、この硫酸添加口は、1000rpmで回転しているホモミキサーの攪拌羽根直下とした。このように添加された硫酸が十分に分散される条件のもと、先の10%硫酸を60分間で添加し、最終pHが8となった時点を終点とし
、反応を終了した。このスラリーは100メッシュ篩で粗粒分を分離した後、No.2のろ紙を用いて吸引ろ過し、さらに約10%に再分散し、平均粒径、手抄き分析用サンプルとした。吸油度、BET比表面積用サンプルは吸引ろ過後のサンプルをエタノール中に約10%となるよう再分散した後、ろ過、105℃の乾燥機にて乾燥をおこない、粉体サンプルとした後に、測定を行い、測定結果を表1に記した。
反応に使用した市販軽カルに奥多摩工業(株) TP123を用いた以外は、実施例1と同様に製造した。選られた複合物は物性を測定評価し、結果を表1に併載した。
反応原液に軽カル(丸尾カルシウム(株) ウイスカルA)70gを加えた以外は、実施例1と同様に製造した。選られた複合物は物性を測定評価し、結果を表1に併載した。
反応原液に軽カル(丸尾カルシウム(株) ウイスカルA)70gを加え、ケイ酸ソーダ溶液をCaCO3:SiO2=1:0.50のモル比率となるよう加えた以外は、実施例1と同様に製造した。選られた複合物は物性を測定評価し、結果を表1に併載した。
原液の仕込み条件は実施例1と同じだが、この原液に、10%硫酸を3回に分け添加を行った。この比率は1段目で全添加量の40%、2段目も40%、3段目で20%の比率とした。さらに、1段目と2段目の添加の合間に60分間、2段と3段添加の合間にも60分間の熟成をおこなった。その他の工程は、実施例1と同様に製造した。選られた複合物は物性を測定評価し、結果を表1に併載した。
奥多摩工業(株)製 TP121を約10%の濃度に分散し、このスラリーは100メッシュ篩で粗粒分を分離した後、平均粒径、手抄き分析用サンプルとした。吸油度、BET比表面積用サンプルは吸引ろ過後のサンプルをエタノール中に約10%となるよう再分散した後、ろ過、105℃の乾燥機にて乾燥をおこない、粉体サンプルとした後に、測定を行い、測定結果を表1に併記した。
丸尾カルシウム(株) ウイスカルAを使用したこと以外は、比較例1と同様に処理を行い、物性測定、手抄き試験をおこない、測定結果を表1に併記した。
市販の水和ケイ酸塩であるローディアジャパン社Tixolex17(ケイ酸アルミニウム塩)を使用したこと以外は、比較例1と同様に処理を行い、物性測定、手抄き試験をおこない、測定結果を表1に併記した。
特許公報2908253号に記載された水和ケイ酸の製造方法に従い、水和ケイ酸を合成した。これは、ケイ酸ソーダ溶液に3回に分けて硫酸を添加することで得られるホワイトカーボンであり、詳細を下記に示す。
な強攪拌下に15分間で添加した。硫酸添加終了後、得られた部分中和液を攪拌機により緩やかに攪拌しながら、2時間放置した。
比較例2と比較例4で用いた、10%濃度の再分散スラリーを、CaCO3:SiO2=1:0.66のモル比率で混合した。このスラリーは100メッシュ篩で粗粒分を分離した後、平均粒径、手抄き分析用サンプルとした。吸油度、BET比表面積用サンプルは吸引ろ過後のサンプルをエタノール中に約10%となるよう再分散した後、ろ過、105℃の乾燥機にて乾燥をおこない、粉体サンプルとした後に、測定を行い、測定結果を表1に併記した。
Claims (5)
- 二酸化ケイ素、一般式xM2O・ySiO2、xMO・ySiO2、xM2O3・ySiO2で表されるケイ酸塩(ここで、Mは、Al、Fe、Ca、Mg、Na、K、Ti又はZnの金属である)及びこれらの混合物からなる群から選択される物質と軽質炭酸カルシウムとからなる凝集複合物であって、
軽質炭酸カルシウムを3重量%以上の濃度で水中に分散させ、
アルカリ性であるケイ酸金属塩水溶液と上記軽質炭酸カルシウム水溶液とを、ケイ素分とカルシウム分とのモル比(Si/Ca)が0.2〜2となるように混合し、
その混合物の沸点以下の温度で鉱酸および/または酸性金属塩水溶液を連続的に添加し、pHを7〜9とすること、
によって得られる、粒子状に凝集した上記複合物。 - 軽質炭酸カルシウムを3重量%〜20重量%の濃度で分散させる、請求項1に記載の複合物。
- 前記軽質炭酸カルシウムがウイスカー状の形状をとる、請求項1または2に記載の複合物。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の複合物を内添または外添した紙であって、原料となる軽質炭酸カルシウムのみを内添または外添した紙と比べ、吸油性に優れ、紙力低下の少ないことを特徴とする紙。
- 二酸化ケイ素、一般式xM 2 O・ySiO 2 、xMO・ySiO 2 、xM 2 O 3 ・ySiO 2 で表されるケイ酸塩(ここで、Mは、Al、Fe、Ca、Mg、Na、K、Ti又はZnの金属である)及びこれらの混合物からなる群から選択される物質と軽質炭酸カルシウムとからなる、粒子状に凝集した凝集複合物の合成方法であって、
軽質炭酸カルシウムを3重量%以上の濃度で水中に分散させ、
アルカリ性であるケイ酸金属塩水溶液と上記軽質炭酸カルシウム水溶液とを、ケイ素分とカルシウム分とのモル比(Si/Ca)が0.2〜2となるように混合し、
その混合物の沸点以下の温度で鉱酸および/または酸性金属塩水溶液を連続的に添加し、pHを7〜9とすること、
を含む、上記方法。
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