JP5096028B2 - 軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物及びアルミニウム系水溶性無機化合物を含むスラリー - Google Patents

軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物及びアルミニウム系水溶性無機化合物を含むスラリー Download PDF

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Description

本発明は、軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物及びアルミニウム系水溶性無機化合物を含むスラリーの沈降、凝集によるハードケーキの形成を抑制することに関する。
シリカの水性懸濁液は非常に多くの分野で、特に製紙及びコンクリート工業において使用されている。これらの種々の用途のためには、特にコンクリートの分野においては、高い固形分を有する懸濁液を利用できることが有益である。
しかし、このような懸濁液は一般に過度に高い粘度を有し、このためにポンプ輸送上の難点を有し、従って工業的な用途の可能性を低下させる。さらにこれらの懸濁液、特に大きい粒度のシリカの懸濁液は貯蔵中に沈殿、または沈降する傾向がある。事実数日間の貯蔵期間後に、固い層が形成され、その上に固形分が減少した流動性スラリーが存在することがしばしば観察される。従って、たいていの場合には、シリカを再懸濁させること、または均一でしかも容易にポンプ輸送でき、かつ工業的に使用するのに十分に低い粘度のスラリーを得ることは不可能であった。
特許文献では、この欠点を示さない新規なシリカ含有懸濁液の製造方法が記載されている。その懸濁液は、シリカと硫酸アルミニウム、塩基性硫酸アルミニウム、明礬及びそれらの混合物から選択されるアルミニウム化合物との水性懸濁液で、4以下のpH、10〜50重量%の固形分を有し、これを静止したままにしておくとゲルを形成する傾向をもつ。このことが貯蔵中の物質の沈殿又は沈降を防止させ、数週間又は数ヶ月でさえも懸濁液の安定性を確保させるので、この懸濁液はこのような期間中にわたってその均質性を事実上保持する。さらに形成されたゲルは弱い応力の下で完全に可逆性であり、従って弱い剪断又は攪拌の下では低粘度であって容易にポンプ輸送ができる均質な懸濁液に変換される。
しかしながら、この場合ゲルを形成させるために、pHを低くせねばならない。軽カル−シリカ複合物は酸性下では核の軽カルが分解してしまい、この酸性条件下では適用できない。
特許第2882518号公報
軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物及びアルミニウム系水溶性無機化合物を含むスラリーの沈降、凝集によるハードケーキの形成を抑制することにより、循環ポンプを装備していないローリーでの、軽カル−シリカ複合物の長距離輸送や、スムーズな払い出しを可能とし、長期間の貯蔵後の再分散も容易とするスラリーを提供することである。
本発明により、軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物及びアルミニウム系水溶性無機化合物を含むスラリーにおいて、固形分1〜50重量%を有し、pHが7以上であり、1週間以上静置した後もハードケーキを形成せず、低剪断下で再分散が可能な前記スラリーが提供される。
以上の通り、本発明で示した、軽カル−シリカ複合物にアルミニウム系水溶性無機化合物をpH7以上の範囲で添加することにより、軽カル−シリカ複合物スラリーの沈降、凝集によるハードケーキの形成を抑制することができる。これにより、循環ポンプを装備していないローリーでの、軽カル−シリカ複合物の長距離輸送、スムーズな払い出しが可能となる。また、長期間の貯蔵後の再分散も容易となった。アルミニウム系水溶性無機化合物を添加した際、pH7以上とすることで、軽カル−シリカ複合物の品質を損なうことなく、物性の変化はなく、紙に配合したときの不透明度の発現にも影響がない。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明で対象となる軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物における、軽質炭酸カルシウムの製造方法は、以下の方法のどれであっても構わない。
軽質炭酸カルシウムの製造方法としては、(1)石灰の焼成装置その他から得られる二酸化炭素を含有したガスと石灰乳との反応、(2)アンモニアソーダ法における炭酸アンモニウムと塩化カルシウムとの反応、(3)炭酸ナトリウムの苛性化によって水酸化ナトリウムを製造する石灰乳と炭酸ナトリウムとの反応等が知られている。
本発明で対象となる軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物の製造方法を以下に述べる。
(軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物)
本発明の紙用の軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物の製造では、まず軽質炭酸カルシウムを水中に分散させる。この軽質炭酸カルシウムの結晶形態はカルサイト、アラゴナイトのいずれでも良く、また形状についても針状、柱状、紡錘状、球状、立方体状、ロゼッタ型のいずれでも良い。この中でも特にロゼッタ型のカルサイト系の軽質炭酸カルシウムを用いた場合に、特に優れた嵩高、不透明度改善効果が高い軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物が得られる。なお、ロゼッタ型とは、紡錘状の軽質炭酸カルシウム一次粒子がいがくり状に凝集した形状を指し、他の軽質炭酸カルシウムより高い比表面積と吸油性を示す特徴がある。また、軽質炭酸カルシウムは粉砕処理を施して使用しても良い。
(ケイ酸濃度)
この軽質炭酸カルシウムの反応原液中濃度は、後述の軽質炭酸カルシウムとケイ酸の配合比率が重要であるため、ケイ酸濃度の影響も加味しなくてはならないが、1〜20固形分重量%が好ましい。1%未満の低濃度であると1バッチ当たりの生産量が少なく、生産性に問題がある。また、20%を超える高濃度とすると分散性が悪く、また軽質炭酸カルシウム量と比例して、反応に用いるケイ酸アルカリの濃度が高くなるため、反応時の粘度が上昇し、操業性に問題がある。
(配合比率)
ついで、この軽質炭酸カルシウムのスラリーに、ナトリウム、カリウムのようなアルカリ溶液中に溶解した形のケイ酸を加える。一般的に工業用に用いられるものは、ケイ酸ソーダ(ナトリウム)もしくはケイ酸カリウムであるが、本発明である複合物を形成するためには、ケイ酸とアルカリのモル比はいずれでも良い。3号ケイ酸はSiO2:Na2O=3〜3.4:1程度のモル比のものであるが、一般に入手しやすく、好適に使用される。軽質炭酸カルシウムとケイ酸アルカリとの仕込重量比は、生成する軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物中の炭酸カルシウムとシリカの重量比が目標とする範囲に入るように仕込む。軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物の炭酸カルシウムとシリカの重量比は、CaCO3/SiO2=30/70〜70/30である。
(攪拌分散)
このスラリーをアジテータ、ホモミキサー、ミキサー等で攪拌、分散させるが、これは軽質炭酸カルシウムが水に十分に分散し、軽質炭酸カルシウムの粒子が極端に凝集してなければ問題なく、特に時間やアジテーションの強さ等の制限はない。
(中和反応)
次に、酸を用いた中和反応を行う。この場合、酸は鉱酸ならいずれでも良く、さらには鉱酸中に硫酸バンドや硫酸マグネシウムのような酸性金属塩を含む酸でも使用できる。工業的には硫酸、塩酸等の比較的安価に購入できる酸が好ましい。高濃度の酸を用いた場合、酸による中和時の攪拌が不十分であると、高濃度の酸の添加により部分的にpHの低い部分ができ、軽質炭酸カルシウムが分解するため、酸添加口でホモミキサー等を用いた強攪拌を行う必要がある。一方、あまりに希薄な酸を用いると、酸添加により全体的な容量が極端に増えてしまうので好ましくない。この面からも、0.05N以上の濃度の酸を用いることが適当である。鉱酸または酸性金属塩水溶液の添加は、アルカリ性であるケイ酸金属塩水溶液と軽質炭酸カルシウムとの混合物の沸点以下の温度で行う。この中和処理によりケイ酸分を析出させ、非晶質ケイ酸を形成し、これが軽質炭酸カルシウム粒子の表面を被覆する。
さらに、この酸添加は数回に分けて行っても良い。酸添加後、熟成を行っても良い。なお、熟成とは酸添加を一時中止し、攪拌のみを施し放置しておくことを指す。この熟成中に強攪拌や粉砕を行い、粒子の形態をコントロールすることも可能である。
次に、上記酸添加によるスラリーの中和はpH=7〜9を目標に行う。析出してきたケイ酸分により軽質炭酸カルシウムが被覆されていくが、酸性側(pH7未満)にすると、軽質炭酸カルシウムが分解してしまう。一方、pHが高い(9.0超)状態で中和を終了すると、ケイ酸分の析出が十分に行われず、スラリー中に未反応のケイ酸分が残り、ケイ酸分のロスが多くなり、工業的に好ましくない。そのため、目標pHは7〜9で中和を終了させる。
(後処理)
このようにして、製造された軽質炭酸カルシウム−ケイ酸の複合物は、軽質炭酸カルシウム粒子表面をシリカが被覆した懸濁液の状態となる。この懸濁液のまま抄紙工程等に使用しても良いが、生産規模が小規模の場合にはろ紙やメンブランフィルタ等のろ過設備、中規模以上の場合にはベルトフィルタやドラムフィルタ等を用いたろ過、または遠心分離機を用いた遠心分離を行うことによって固液分離を行い、中和反応で生成した余分な副生成物である塩を極力取り除いたほうが好ましい。これは、余分な塩が残存していると、抄紙工程においてこの塩が難溶性の金属塩(例えば、硫酸カルシウム)に変化し、これを原因としたスケーリングの問題を発生するおそれがあるためである。さらにこの固液分離を行った固形分濃度10〜50%のケーキ状複合物を、水またはエタノールにより再分散後、再び固液分離を行い、さらに余分なケイ酸や副生成物である塩を取り除いても良い。
得られた軽質炭酸カルシウム−ケイ酸の複合物は、目的粒子径より大きい粗粒物を取り除くため、振動篩やスクリーンを用いて、100μm以上の粒子を除去する。
本発明の軽質炭酸カルシウム−ケイ酸の複合物の平均粒子径の調整は、前述のように、熟成中に強攪拌や粉砕を行うことにより粒子の形態をコントロールすることも可能であるが、中和反応終了後または反応終了後の固液分離したものを、湿式粉砕機を用いて、目的の平均粒子径に調整しても良い。また、この組み合わせにより平均粒子径を調整しても良い。
粗大粒子を除去した後、あるいは粗大粒子除去後さらに強撹拌や粉砕処理を施した軽質炭酸カルシウム−ケイ酸の複合物の平均粒子径は、その用途が紙用の填料である場合には、30μm以下が良く、20μm以下が好ましく、10μm以下が更に好ましい。
本発明において使用できるアルミニウム系水溶性無機化合物とは、硫酸アルミニウム、明礬など水溶性で、アルミニウム元素を含む化合物であればよい。
軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物の製造において、1重量%未満の低濃度で製造することは生産性に問題がある。また、本発明は、軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物スラリーの沈降、凝集によるハードケーキの形成を抑制することにより、循環ポンプを装備していないローリーでの、軽カル−シリカ複合物の長距離輸送や、スムーズな払い出しを可能とし、長期間の貯蔵後の再分散も容易とするスラリーを提供することである。貯蔵及び輸送効率の観点からも1重量%未満の低濃度にすることはほとんどない。また固形分が50重量%を超えるまで高濃度になると、軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物スラリーの沈降、凝集を抑制するにはアルミニウム系水溶性無機化合物の添加量を多くせねばならず、アルミニウム系水溶性無機化合物によっては、pHを7以上に保つことができないものがある。また、製造段階における軽質炭酸カルシウムの反応原液中の濃度は20%を超えると分散性が悪く、また軽質炭酸カルシウムに比例して反応に用いるケイ酸アルカリの濃度が高くなるため、反応時の粘度が上昇し、操業性に問題がある。よって、製造段階で50%を超えることはなく、また反応後、軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物50%を超えるまで濃度を絞ることはほとんどない。
軽カル−シリカ複合物にアルミニウム系水溶性無機化合物を加えた際、pH7より小さくしてしまうと、軽カル−シリカ複合物の核の軽カルが分解してしまい、紙に配合した際、軽カル−シリカ複合物の軽カルが寄与する不透明度が著しく低下してしまう。pH7以上であればアルミニウム系水溶性無機化合物の添加による、軽カル−シリカ複合物の品質への影響はなく、粒子径、比表面積、吸油量などの物性は変化せず、紙に配合したときの不透明度の効果の発現にも影響がない。
抄紙填料として用いる場合には、おおよそ100μm以上の填料粒子は、粗大粒子として取り扱われ、紙の地合悪化や印刷時の粉落ちの要因となりやすい。用途が紙用の填料である場合には、30μm以下が良く、20μm以下が好ましく10μm以下であるのが更に好ましい。
軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物は、軽質炭酸カルシウム由来の高い比散乱係数(高不透明性)という性状と、シリカ由来の高吸油量、嵩高という性状を併せ持つ複合物である。軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物の、軽質炭酸カルシウムの比率がケイ酸30に対し70よりも大きくなると、軽カルによる光学特性向上効果は期待できるが、吸油量向上及び嵩高効果は小さくなってしまう。逆に、軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物の、軽質炭酸カルシウムの比率がケイ酸70に対し30よりも小さくなると、吸油量の向上、嵩高効果は期待できるが、軽カルによる光学特性向上効果は小さくなる。
軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物は、軽質炭酸カルシウムを核とし、その周囲の全てまたは一部をシリカ粒子で覆ったものであり、一般に、シリカは軽カルより吸油量が高いため、複合物とした場合にも軽カル比率が増加するに従って、吸油量は低くなる。
軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物の製造に使用する軽質炭酸カルシウムの結晶形態は、カルサイト、アラゴナイトいずれでもよく、また形状についても針状、柱状、紡錘状、球状、立方体状、ロゼッタ型のいずれでも良い。この中でも特にロゼッタ型のカルサイト系の軽質炭酸カルシウムを用いた場合に、特に優れた嵩高、不透明度改善効果が高い軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物が得られる。なお、ロゼッタ型とは、紡錘状の軽質炭酸カルシウム一次粒子がいがぐり状に凝集した形状を指し、他の軽質炭酸カルシウムより高い比表面積と吸油性を示す特徴がある。また、軽質炭酸カルシウムは粉砕処理を施して使用しても良い。
本発明で示される軽カル−シリカ複合物にアルミニウム系水溶性無機化合物を混合させたスラリーは、長時間静置後も多少の沈降は起こるものの、沈降層の粒子密度は小さく、したがってハードケーキを形成せず、再分散が容易であり、長時間の輸送、長期間の貯蔵を可能にすることができる。
軽カル−シリカ複合物にアルミニウム系水溶性無機化合物を混合させた後のpHを7以上にすることを特徴とし、コスト、効果を考慮した場合、好ましくは、軽カル−シリカ複合物に対し1〜2重量部のアルミニウム系水溶性無機化合物を添加する。これは、pH7近辺においてアルミニウム系水溶性無機化合物として添加したアルミニウムは水酸化アルミニウムとして存在し、その水酸化アルミニウムは軽カル−シリカ複合物の表面のシリカ粒子を吸着し、間隙の多い三次元網目構造に凝集させる。この凝集は、間隙が多く、また粒子同士の結合が弱いため、低剪断下での再分散が容易となると考えられる。
また軽カル−シリカ複合物のBET比表面積が10〜70m2/gであり、シリカ単体と比較して低く、そのため軽カル−シリカ複合物に対して、アルミニウム系水溶性無機化合物の添加が比較的少量で、軽カル−シリカ複合物の沈降、凝集によるハードケーキの形成を抑制できると考えられる。
本発明によるスラリーにおいては、軽カル−シリカ複合物の品質への影響はなく、粒子径、比表面積、吸油量などの物性は変化せず、紙に配合したときの不透明度の効果の発現にも影響がない。
(物性評価方法)
本発明における軽カルーシリカ複合物の各特性値は、下記の測定方法により得られた値を用いるものとする。
(1) 吸油量:JIS K5101の方法による。
(2)粒度分布測定(レーザー法):試料スラリーを分散剤ヘキサメタリン酸ソーダ0.2重量%添加した純水中で滴下混合して均一分散体とし、レーザー法粒度測定機(使用機器:マルバーン社製マスターサイザーS型)を使用して粒度測定する。
(3)紙の不透明度の測定:熊谷理機工業(株)製の配向性抄紙機により、抄紙原料としてLBKPスラリーを用い、各実施例において得られた填料スラリーを填料として、その添加率を対パルプ5、10、15%として坪量60g/m2になるように抄造して、プレスにより脱水後、送風乾燥機にて乾燥し、各添加率のシートサンプルを作製した。このシートサンプルをJIS−P8138に準じ、色差計(村上色彩研究所製)を用い、不透明度を測定した。ま今回の試験では、紙中填料7%で比較を行っているため、各シートサンプルを525℃にて焼成し、残渣分の灰分量を求めた後、紙中填料7%時の測定値を算出している。
(4)再分散性の評価:静置一日後のケーキ高さを測った。またラボ攪拌機250rpmで攪拌し、ケーキがなくなり、均一に分散するまでの時間で、再分散性を評価した。◎:30秒以内、○:30秒〜1分、△:1分〜3分、×:3分以上。以上の評価を静置三日後、七日後につても同様に行った。
〔実施例1〕
200mlビーカーに入れた、固形分30重量%の軽カル−シリカ複合物スラリー100mlをラボ攪拌機250rpmで分散した。攪拌しながら軽カル−シリカ複合物スラリーのpHが9になるように硫酸バンド(固形分42%)を加えた。その後静置し、一日後のケーキ高さを測った。またラボ攪拌機250rpmで攪拌し、ケーキがなくなり、均一に分散するまでの時間で、再分散性を評価した。三日後、七日後も同様に再分散性の評価を行った。また、粒径、吸油量を測定し、結果を表1に記した。
さらに、手抄きを行い、再分散性評価を行った軽カル−シリカ複合物を紙に配合し紙質評価を行った結果を表2に記した。
七日間静置後も沈降層に硬い層はなく、再分散が容易であった(すべて◎)。さらに、紙に配合したとき、硫酸バンドを加えない軽カル−シリカ複合物と同等の不透明度であった。
〔実施例2〕
200mlビーカーに入れた、固形分30重量%の軽カル−シリカ複合物スラリー100mlをラボ攪拌機250rpmで分散した。攪拌しながら軽カル−シリカ複合物スラリーのpHが8になるように硫酸バンド(固形分42%)を加えた。その後静置し、一日後、三日後、七日後の再分散性の評価、粒径、吸油量の測定を行った。評価、測定に関しては実施例1と同様に行い、結果を表1に併載した。
さらに、手抄きを行い、再分散性評価を行った軽カル−シリカ複合物を紙に配合し紙質評価を行った結果を表2に併載した。
実施例1と同様、七日間静置後も沈降層に硬い層はなく、再分散が容易であった(すべて◎)。紙に配合したとき、硫酸バンドを加えない軽カル−シリカ複合物と同等の不透明度であった。
〔比較例1〕
200mlビーカーに入れた、固形分30重量%の軽カル−シリカ複合物スラリー100mlをラボ攪拌機250rpmで分散した。その後静置し、一日後、三日後、七日後の再分散性の評価、粒径、吸油量の測定を行った。評価、測定に関しては実施例1と同様に行い、結果を表1に併載した。
さらに、手抄きを行い、再分散性評価を行った軽カル−シリカ複合物を紙に配合し紙質評価を行った結果を表2に併載した。
静置期間が長くなるに従って、沈降層に固い層が形成され、再分散が困難になった(一日後:○、三日後:△、七日後:×)。
〔比較例2〕
200mlビーカーに入れた、固形分30重量%の軽カル−シリカ複合物スラリー100mlをラボ攪拌機250rpmで分散した。攪拌しながら軽カル−シリカ複合物スラリーのpHが8になるように25%硫酸を加えた。その後静置し、一日後、三日後、七日後の再分散性の評価、粒径、吸油量の測定を行った。評価、測定に関しては実施例1と同様に行い、結果を表1に併載した。
さらに、手抄きを行い、再分散性評価を行った軽カル−シリカ複合物を紙に配合し紙質評価を行った結果を表2に併載した。
比較例1同様、静置期間が長くなるに従って、沈降層に固い層が形成され、再分散が困難になった(一日後:○、三日後:△、七日後:×)。紙に配合したとき、硫酸を加えない軽カル−シリカ複合物と同等の不透明度であった。
〔比較例3〕
200mlビーカーに入れた、固形分30重量%の軽カル−シリカ複合物スラリー100mlをラボ攪拌機250rpmで分散した。攪拌しながら軽カル−シリカ複合物スラリーのpHが6になるように硫酸バンド(固形分42%)を加えた。その軽カル−シリカ複合物を手抄き紙に配合し紙質評価を行った結果を表2に併載した。
実施例1と同様、七日間静置後も沈降層に硬い層はなく、再分散が容易であった(すべて◎)。しかし、硫酸バンド添加中、pHが酸性領域になると、軽カル−シリカ複合物の核の軽カルが溶解する現象が見られた。pH7より小さくなると、軽カル−シリカ複合物の品質を保持できなくなったと考えられた。実際、紙に配合したとき、ブランクである比較例1と比較し、不透明度は下がった。
Figure 0005096028
Figure 0005096028
本発明の実施例及び比較例で使用するラボ攪拌機の概略図である。

Claims (6)

  1. 固形分が1〜50重量%である軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物スラリーに、アルミニウム系水溶性無機化合物を添加して得られる、pHが7以上であり、1週間以上静置した後もハードケーキを形成せず、低剪断下で再分散可能なスラリー。
  2. 前記水溶性無機化合物の添加量が、前記複合物に対して1〜2重量部である、請求項1に記載の再分散可能なスラリー。
  3. 前記複合物が、軽質炭酸カルシウムを核とし、その周囲の全てまたは一部をシリカ粒子で覆った、10μm以下の平均粒子径をもつ軽質炭酸カルシウム−ケイ酸の複合物であり、その複合物の軽質炭酸カルシウムとケイ酸との重量比率が70:30〜30:70であり、前記複合物が、核となる軽質炭酸カルシウムより高い吸油量をもつ、請求項1または2に記載の再分散可能なスラリー。
  4. 軽質炭酸カルシウムが、紡錘状の一次粒子が凝集した形状をもつカルサイト結晶である、請求項3に記載の再分散可能なスラリー。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の再分散可能なスラリーを用いて製造された、前記複合物が内添填料として配合された紙。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の再分散可能なスラリーを用いて製造された、前記複合物が顔料として配合された紙。
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