JP2007161537A - 軽質炭酸カルシウムスラリー - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、塗工用顔料として使用した場合に印刷後不透明度を顕著に向上することができる軽質炭酸カルシウムスラリーを提供するものである。
【解決手段】サンドグラインダーにより、軽質炭酸カルシウム湿式粉砕して得られ、体積基準平均一次粒子径が0.3〜0.8μmであり、かつ軟凝集しており、細孔表面積が10m2/g以上、平均細孔径が0.5μm以下であり、かつ0.01〜0.1μmの範囲の細孔直径の積算容積が0.03mL/g以上であり、カルサイト系紡錘状軽質炭酸カルシウムであることを特徴とする軽質炭酸カルシウムスラリー。
【選択図】なし
Description
本発明は、製紙用塗工用顔料として使用した場合に、印刷後不透明度を顕著に向上することができる軽質炭酸カルシウムスラリーに関するものである。
炭酸カルシウムは白色度等に優れているため、製紙用顔料として多量に使用されており、角状や紡錘状のカルサイトや柱状のアラゴナイト、球状のバテライトなどの結晶性状のものが知られている。これらの炭酸カルシウムは水酸化カルシウムと二酸化炭素を反応させることで工業的に製造されており、安定な粒子性状、良好な粒度分布、および粒子分散性を得るための技術が多数報告されている。
例えば、特許第2868329号公報(特許文献1)や特開平5−221634号公報(特許文献2)には分散性が良好なカルサイト系立方体状炭酸カルシウムの製造方法が開示されている。しかしながら、分散性が良すぎるとポーラスな塗工層が得にくく、塗工層の光散乱性が阻害されてしまい白色度や不透明度が上がりにくい傾向にある。特に浸透乾燥型のインキを使用する新聞用紙などでは、印刷後不透明度を得るためにポーラスな塗工層によるインキ中のビヒクル吸収が必要不可欠であり、高分散性炭酸カルシウムは不利となる。特開昭59−35024号公報(特許文献3)、特開平4−295010号公報(特許文献4)には、アラゴナイト系柱状炭酸カルシウムの製造方法が開示されているが、やはり粒径が均一で分散性良好なものとなっている。
特開2000−256990号公報(特許文献5)には、紡錘状苛性化軽質炭酸カルシウムを配合した塗工層を設けたオフセット印刷用塗工紙が開示されているが、これに使用される紡錘状苛性化軽質炭酸カルシウムは粉砕によっての再凝集を起こさないことが記載されており、これもやはり分散性が良好な炭酸カルシウムに関する技術となっている。なお、炭酸カルシウムは通常、炭酸カルシウムスラリーをプレス脱水後乾燥させ、粉体として供給されるが、実際の使用時には粉体に水と分散剤を添加し、凝集体を作らないようにコーレス分散機などの強力な分散装置を用いて分散して製紙用塗料などに使用する。しかしながら、スラリー状態で分散性を制御し、かつ低分散状態を作ることで製紙用顔料として使用した場合に印刷後不透明度が顕著に向上する炭酸カルシウムスラリーは未だ得られていなかった。
以上のような状況から、製紙用塗工用顔料として使用した場合に印刷後不透明度を顕著に向上することができる軽質炭酸カルシウムスラリーが強く要望されてきた。
特許第2868329号公報
特開平5−221634号公報
特開昭59−35024号公報
特開平4−295010号公報
特開2000−256990号公報
本発明は、塗工用顔料として使用した場合に印刷後不透明度を顕著に向上することができる軽質炭酸カルシウムを提供するものである。
本願は以下の発明を包含する。
(1)サンドグラインダーにより、軽質炭酸カルシウムを湿式粉砕て得られ、体積基準平均一次粒子径が0.3〜0.8μmで、かつ軟凝集していることを特徴とする軽質炭酸カルシウムスラリー。
(2)細孔表面積が10m2/g以上、細孔容積50%の中心細孔直径が0.5μm以下であり、かつ0.01〜0.1μmの範囲の細孔直径の積算容積が0.03mL/g以上である(1)記載の軽質炭酸カルシウムスラリー。
(3)前記軽質炭酸カルシウムがカルサイト系紡錘状軽質炭酸カルシウムである(1(1)又は(2)記載の軽質炭酸カルシウムスラリー。
(4)前記サンドグラインダーが横型サンドグラインダーである(1)〜(3)のいずれか1項に記載の軽質炭酸カルシウムスラリー。
(5)前記軽質炭酸カルシウム100質量部当たりの分散剤量を0.2〜1.0質量部である(1)〜(4)のいずいれか1項記載の軽質炭酸カルシウムスラリー。
(1)サンドグラインダーにより、軽質炭酸カルシウムを湿式粉砕て得られ、体積基準平均一次粒子径が0.3〜0.8μmで、かつ軟凝集していることを特徴とする軽質炭酸カルシウムスラリー。
(2)細孔表面積が10m2/g以上、細孔容積50%の中心細孔直径が0.5μm以下であり、かつ0.01〜0.1μmの範囲の細孔直径の積算容積が0.03mL/g以上である(1)記載の軽質炭酸カルシウムスラリー。
(3)前記軽質炭酸カルシウムがカルサイト系紡錘状軽質炭酸カルシウムである(1(1)又は(2)記載の軽質炭酸カルシウムスラリー。
(4)前記サンドグラインダーが横型サンドグラインダーである(1)〜(3)のいずれか1項に記載の軽質炭酸カルシウムスラリー。
(5)前記軽質炭酸カルシウム100質量部当たりの分散剤量を0.2〜1.0質量部である(1)〜(4)のいずいれか1項記載の軽質炭酸カルシウムスラリー。
本発明にかかる軽質炭酸カルシウムスラリーを主顔料とした表面処理剤を原紙に塗工することにより、塗工紙の印刷後不透明度を顕著に向上することができるという利点がある。
本発明者等は、特に浸透乾燥インキを用いるコールドオフセット型印刷において、印刷用紙に用いられる表面処理剤が印刷後不透明度に与える影響について鋭意検討した。その結果、特に近年の環境対応型浸透乾燥型インキにおいて、その性能が十分に発揮されるためには、印刷用紙表面に、ある程度のオイル吸収能力を与えることが必要不可欠であり、そのためには軽質炭酸カルシウムを特定の条件で特定の粒子径に湿式粉砕することで良好な印刷後不透明度が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明においては、軽質炭酸カルシウムをサンドグラインダーを用いて湿式粉砕する。湿式粉砕用サンドグラインダーとしては、竪型流通管式ビ−ズミル、横型流通管式ビ−ズミル、強粉砕型突流式ビスコミルなどの既存のサンドグラインダーのいずれでも粉砕可能であるが、好ましくは横型サンドグラインダーを使用する。縦型においては、比重の大きな顔料成分がベッセル下部に溜まりやすくなり、均一な粉砕が難しい。一方、横型は縦型と比較してベッセル内に滞留している間は均一に粉砕が行われ、同一流量においてより均一な粉砕が可能となる。なお、強粉砕型突流式ビスコミルは処理流量が小さく、経済的に不利である。粉砕メディアとしてはガラス、セラミック、アルミナ、ジルコニア等の硬質原料で製造されたボールが挙げられる。所望の粒子径の軽質炭酸カルシウムを得るためのボールの粒子径は0.1〜5.0mm程度が好ましく、0.5〜1.0mmがより好ましい。
軽質炭酸カルシウムとしては針状、柱状、球状、紡錘状等があり、いずれのものでも本発明により効果的に印刷後不透明度を向上させることが可能な顔料とすることが出来るが、中でもカルサイト系炭酸カルシウム、すなわち立方体状および紡錘状のものがオイル吸収効果があるため好ましく、中でも紡錘状のものがさらに好ましい。理由は定かではないが、サンドグラインダーで湿式粉砕したカルサイト系紡錘状軽質炭酸カルシウムは塗工層中で粗な構造をとりやすいためと考えられる。また、本発明における軽質炭酸カルシウムの製造方法は、特に限定されない。軽質炭酸カルシウムの製造方法としては炭酸ガスと石灰乳との反応による炭酸ガス法、炭酸ナトリウムと塩化カルシウムの反応による塩化カルシウムソーダ法、炭酸ナトリウムと石灰乳の反応による石灰ソーダ法などが知られているが、本発明に適用される軽質炭酸カルシウムはいずれの方法で製造されたものでも良好な特性が得られるが、特に製紙工場のオンサイトにて用いられている炭酸ガス法により製造されるものが経済的に有利となるため好ましい。
本発明においては、顔料100質量部当たりの分散剤量は0.2〜1.0質量部とすることが好ましい。分散剤量が1.0質量部を超えると分散性能が良くなりすぎ、軟凝集体が見られなくなる。分散剤量が0.2質量部未満で湿式粉砕した場合、スラリー粘度が極端に高くなってしまいハンドリングに問題が発生する場合がある。同様の理由で、好ましくは分散剤を0.3〜0.9質量部、さらに好ましくは0.5〜0.8質量部添加する。分散剤については特に限定されるものではないが、ポリアクリル酸塩、ポリカルボン酸塩などの一般的な無機顔料用分散剤が使用できる。なお、本発明の軽質炭酸カルシウムスラリーは、上記反応などで得られた軽質炭酸カルシウム凝集体を、そのままの低濃度でサンドグラインダーで湿式粉砕しても良いが、フィルタープレスなどで脱水し、高濃度化したものをカウレス分散機等で分散後湿式粉砕するのが経済的に好ましい。いずれの場合も、トータルの分散剤量が多すぎると軟凝集体が生成しないため、顔料100質量部当たりの分散剤量は0.2〜1.0質量部とすることが肝要である。
本発明においては、軽質炭酸カルシウムスラリー粘度は特に限定されないが、湿式粉砕後にスラリー粘度が10〜1000mPa・s程度となるように粉砕条件を設定するのが望ましい。粉砕条件が緩すぎるとスラリー粘度が低くなりすぎ、すなわち顔料スラリーの安定性が良すぎることになり、軟凝集が生成しなくなる。一方、スラリー粘度が高いと軟凝集が生成しやすくなるものの、ポンプなどでのハンドリングに問題が生じる場合が多い。顔料の凝集はスラリーを湿式粉砕することで発生するが、粉砕条件および分散剤量により凝集程度が異なる。粉砕条件が強い場合、平均一次粒子径が小さくなると同時に新しい表面が生成する。その表面同士は相互に引張り合うため再結合しやすく、再凝集が発生する。従って、粉砕条件が強いほど再凝集しやすくなり、軟凝集したスラリーを得やすくなる。しかしながら、軟凝集が強すぎると、粘度が上昇してハンドリングに問題が生じるだけでなく、スラリーを配合した塗料そのものの保存安定性も低下してしまい操業性に支障が生じる虞があるため、粉砕の程度と適量の分散剤で軟凝集の程度を制御する必要がある。なお、粉砕の程度は体積基準平均一次粒子径で表される。
本発明の軽質炭酸カルシウムは、スラリー状態での体積基準平均一次粒子径が0.3〜0.8μmであり、かつ軟凝集していることが必要である。平均粒子径は、顔料スラリーをレーザー回折式粒度分布測定装置 (形式:SALD-2000、島津製作所製)にて粒度分布を測定し得られたメディアン径のことをいい、特に体積基準平均一次粒子径とは、スラリーをレーザー回折式粒度分布測定装置の循環系に滴下後10分間の超音波処理を行った後に測定した平均粒子径のことをいう。また、ここでいう軟凝集するとは、緩やかな撹拌程度の低シェアでも破壊可能な二次凝集体が生成することをいい、スラリーをレーザー回折式粒度分布測定装置の循環系に滴下直後に超音波処理なしで測定した平均粒子径が体積基準平均一次粒子径より0.1μm以上大きくなっている状態のことをいう。体積基準平均一次粒子径が0.8μmを超えると、乾燥後に得られる軽質炭酸カルシウム間の細孔容積が小さくなり、顔料として塗工紙表面に存在するときにインキ中のビヒクルを吸収する能力が低くなってしまう。また、スラリー中で二次凝集体を形成していない場合、すなわち軟凝集していない場合、スラリーの安定性が高すぎて顔料として塗工紙表面に存在するときに紙面に凝集体が生成しにくく、凝集体に由来するビヒクル吸収能力が発現しにくくなってしまうために印刷後不透明度が出にくくなると考えられる。体積基準平均一次粒子径が0.3μm未満では顔料の表面積が大きくなりすぎ、凝集しすぎるため分散剤添加量が多くなり、安定な軟凝集スラリー形成が難しくなる。また、経済的にも好ましくない。
本発明の軽質炭酸カルシウムの細孔表面積は10m2/g以上、細孔容積50%の中心細孔直径は0.5μm以下であり、かつ0.01〜10.0μmの範囲の細孔直径の積算容積が0.03mL/gであることが望ましい。これらの物性の中で特に重要なのは0.01〜0.1μmの細孔径範囲の積算容量であり、この細孔径範囲の積算容量は高いほど紙面に塗工された場合のインキ乾燥能力が優れていると考えられ、0.03mL/g以上あると、乾燥後に充分なオイル吸収能力を発現する。なお、これら填料の細孔容量および細孔径は水銀ポロシメーター(形式:ポアサイザ9320、マイクロメリティックス社製)を用いて測定した値である。
本発明にかかる軽質炭酸カルシウムスラリーは、従来得られていた塗工用軽質炭酸カルシウムに比べて塗料配合時に塗料安定性が確保できると同時に、スラリー乾燥後のオイル吸収性が向上することで印刷後不透明度が良好となる。従って、印刷後不透明度が要求される印刷用紙などの塗料用顔料として好適である。
以下に実施例を挙げて、本発明を具体的に説明する。勿論、本発明はそれらの例に限定されるものではない。また、例中の部および%は特に断らない限り、それぞれ質量部および質量%を示す。
後述のようにして得た実施例及び比較例となる軽質炭酸カルシウムスラリーについて、下記の物性を測定し、その結果を表1に示した。
後述のようにして得た実施例及び比較例となる軽質炭酸カルシウムスラリーについて、下記の物性を測定し、その結果を表1に示した。
本発明で使用される顔料の各特性値は、粉体で測定するものについては顔料スラリーを乾燥機にて105℃で乾燥し、この乾燥物を乳鉢にて粉砕後下記の測定方法により測定して得た。スラリー物性として測定するものについてはスラリーそのままについて測定した。
(細孔容量、細孔直径)
顔料粉体について、水銀ポロシメーター(形式:ポアサイザ9320、マイクロメリティックス社製)を用いて測定した。なお、細孔直径105Å以下の細孔表面積、細孔容量については、細孔直径が12Å〜105Åの細孔について測定した。
(平均粒子径)
顔料スラリーについて、レーザー回折式粒度分布測定装置(形式:SALD-2000、島津製作所製)で測定し、メディアン径を平均粒子径とした。
(軟凝集)
顔料スラリーについて、レーザー回折式粒度分布測定装置(形式:SALD-2000、島津製作所製)を用い、超音波処理をしないで測定した平均粒子径と10分間の超音波処理をした後に測定した平均粒子径の差が0.1μm以上となった場合を軟凝集ありと判定した。
(スラリー粘度)
顔料スラリーについて、ブルックフィールド粘度計(デジタルB形粘度計 TVB−20、TOKIMEC株式会社製)を用い、25℃の条件で測定した。
(細孔容量、細孔直径)
顔料粉体について、水銀ポロシメーター(形式:ポアサイザ9320、マイクロメリティックス社製)を用いて測定した。なお、細孔直径105Å以下の細孔表面積、細孔容量については、細孔直径が12Å〜105Åの細孔について測定した。
(平均粒子径)
顔料スラリーについて、レーザー回折式粒度分布測定装置(形式:SALD-2000、島津製作所製)で測定し、メディアン径を平均粒子径とした。
(軟凝集)
顔料スラリーについて、レーザー回折式粒度分布測定装置(形式:SALD-2000、島津製作所製)を用い、超音波処理をしないで測定した平均粒子径と10分間の超音波処理をした後に測定した平均粒子径の差が0.1μm以上となった場合を軟凝集ありと判定した。
(スラリー粘度)
顔料スラリーについて、ブルックフィールド粘度計(デジタルB形粘度計 TVB−20、TOKIMEC株式会社製)を用い、25℃の条件で測定した。
実施例1
水酸化カルシウムと炭酸ガスとの炭酸化反応を利用して軽質炭酸カルシウムを合成し、固形分濃度25%、平均粒子径4.7μmの軽質炭酸カルシウムスラリーを得た。この軽質炭酸カルシウム一次粒子は、長軸約1.5μm、短軸0.2〜0.5μmのカルサイト系紡錘状軽質炭酸カルシウムであり、二次粒子を形成して平均粒子径が4.7μmとなっていた。この炭酸カルシウムスラリーに分散剤(商品名;アロンT50、東亞合成株式会社製)を0.5部添加後、横型サンドグラインダー(商品名;UVM−60、アイメックス株式会社製)を用いて、処理流量5L/minで粉砕処理し、スラリー粘度220mPa・sの粉砕軽質炭酸カルシウムを得た。この粉砕品の超音波処理なしで測定した平均粒子径は0.88μm、10分間の超音波処理後に測定した平均粒子径は0.56μm、平均粒子径の差は0.32μmであり、この粉砕品スラリーは軟凝集していた。
水酸化カルシウムと炭酸ガスとの炭酸化反応を利用して軽質炭酸カルシウムを合成し、固形分濃度25%、平均粒子径4.7μmの軽質炭酸カルシウムスラリーを得た。この軽質炭酸カルシウム一次粒子は、長軸約1.5μm、短軸0.2〜0.5μmのカルサイト系紡錘状軽質炭酸カルシウムであり、二次粒子を形成して平均粒子径が4.7μmとなっていた。この炭酸カルシウムスラリーに分散剤(商品名;アロンT50、東亞合成株式会社製)を0.5部添加後、横型サンドグラインダー(商品名;UVM−60、アイメックス株式会社製)を用いて、処理流量5L/minで粉砕処理し、スラリー粘度220mPa・sの粉砕軽質炭酸カルシウムを得た。この粉砕品の超音波処理なしで測定した平均粒子径は0.88μm、10分間の超音波処理後に測定した平均粒子径は0.56μm、平均粒子径の差は0.32μmであり、この粉砕品スラリーは軟凝集していた。
実施例2
実施例1の分散剤量を0.6部にした以外は実施例1と同様にして、スラリー粘度44mPa・sの粉砕軽質炭酸カルシウムを得た。この粉砕品の超音波処理なしで測定した平均粒子径は0.81μm、10分間の超音波処理後に測定した平均粒子径は0.58μm、平均粒子径の差は0.23μmであり、この粉砕品スラリーは軟凝集していた。
実施例1の分散剤量を0.6部にした以外は実施例1と同様にして、スラリー粘度44mPa・sの粉砕軽質炭酸カルシウムを得た。この粉砕品の超音波処理なしで測定した平均粒子径は0.81μm、10分間の超音波処理後に測定した平均粒子径は0.58μm、平均粒子径の差は0.23μmであり、この粉砕品スラリーは軟凝集していた。
実施例3
実施例1の分散剤量を0.7部にした以外は実施例1と同様にして、スラリー粘度11mPa・sの粉砕軽質炭酸カルシウムを得た。この粉砕品の超音波処理なしで測定した平均粒子径は0.71μm、10分間の超音波処理後に測定した平均粒子径は0.55μm、平均粒子径の差は0.16μmであり、この粉砕品スラリーは軟凝集していた。
実施例1の分散剤量を0.7部にした以外は実施例1と同様にして、スラリー粘度11mPa・sの粉砕軽質炭酸カルシウムを得た。この粉砕品の超音波処理なしで測定した平均粒子径は0.71μm、10分間の超音波処理後に測定した平均粒子径は0.55μm、平均粒子径の差は0.16μmであり、この粉砕品スラリーは軟凝集していた。
実施例4
実施例1の処理流量を3L/min、分散剤量を0.8部にした以外は実施例1と同様にして、スラリー粘度115mPa・sの粉砕軽質炭酸カルシウムを得た。この粉砕品の超音波処理なしで測定した平均粒子径は0.80μm、10分間の超音波処理後に測定した平均粒子径は0.46μm、平均粒子径の差は0.34μmであり、この粉砕品スラリーは軟凝集していた。
実施例1の処理流量を3L/min、分散剤量を0.8部にした以外は実施例1と同様にして、スラリー粘度115mPa・sの粉砕軽質炭酸カルシウムを得た。この粉砕品の超音波処理なしで測定した平均粒子径は0.80μm、10分間の超音波処理後に測定した平均粒子径は0.46μm、平均粒子径の差は0.34μmであり、この粉砕品スラリーは軟凝集していた。
比較例1
実施例1の分散剤量を1.1部にした以外は実施例1と同様にして、スラリー粘度3mPa・sの粉砕軽質炭酸カルシウムを得た。この粉砕品の超音波処理なしで測定した平均粒子径は0.58μm、10分間の超音波処理後に測定した平均粒子径は0.52μm、平均粒子径の差は0.06μmであり、この粉砕品スラリーは軟凝集していなかった。
実施例1の分散剤量を1.1部にした以外は実施例1と同様にして、スラリー粘度3mPa・sの粉砕軽質炭酸カルシウムを得た。この粉砕品の超音波処理なしで測定した平均粒子径は0.58μm、10分間の超音波処理後に測定した平均粒子径は0.52μm、平均粒子径の差は0.06μmであり、この粉砕品スラリーは軟凝集していなかった。
比較例2
実施例1のサンドグラインダーを竪型サンドグラインダー(商品名;SLG70、アイメックス株式会社製)を用いて、分散剤量0.8部、処理流量5L/minで粉砕処理し、スラリー粘度3mPa・sの粉砕軽質炭酸カルシウムを得た。この粉砕品の超音波処理なしで測定した平均粒子径は1.11μm、10分間の超音波処理後に測定した平均粒子径は1.10μm、平均粒子径の差は0.01μmであり、この粉砕品スラリーは軟凝集していなかった。
実施例1のサンドグラインダーを竪型サンドグラインダー(商品名;SLG70、アイメックス株式会社製)を用いて、分散剤量0.8部、処理流量5L/minで粉砕処理し、スラリー粘度3mPa・sの粉砕軽質炭酸カルシウムを得た。この粉砕品の超音波処理なしで測定した平均粒子径は1.11μm、10分間の超音波処理後に測定した平均粒子径は1.10μm、平均粒子径の差は0.01μmであり、この粉砕品スラリーは軟凝集していなかった。
Claims (5)
- サンドグラインダーにより、軽質炭酸カルシウムを湿式粉砕して得られ、体積基準平均一次粒子径が0.3〜0.8μmで、かつ軟凝集していることを特徴とする軽質炭酸カルシウムスラリー。
- 細孔表面積が10m2/g以上、細孔容積50%の中心細孔直径が0.5μm以下であり、かつ0.01〜0.1μmの範囲の細孔直径の積算容積が0.03mL/g以上であることを特徴とする請求項1記載の軽質炭酸カルシウムスラリー。
- 前記軽質炭酸カルシウムがカルサイト系紡錘状軽質炭酸カルシウムであることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれか1項に記載の軽質炭酸カルシウムスラリー。
- 前記サンドグラインダーが横型サンドグラインダーであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の軽質炭酸カルシウムスラリー。
- 前記軽質炭酸カルシウム100質量部当たりの分散剤量を0.2〜1.0質量部とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の軽質炭酸カルシウムスラリー。
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