JP2006152466A - 炭酸カルシウムの粉砕方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明の課題は無機顔料を主成分とし、塗被紙の優れた光学品質を得る事を目的に配合する高価な二酸化チタンは、凝集性が高く充分な分散状態が得られない為、高配合が必要となって不経済であった。
【解決手段】 塗工用無機顔料を湿式粉砕するに当り、分散液の湿式粉砕に先立って、予め二酸化チタンを混合した顔料分散液を調製した後に湿式粉砕処理する事により、無機顔料の粉砕と同時に、凝集性の高い二酸化チタンの良好な分散状態と安定性の高い塗工用顔料の粉砕分散液を提供する。より具体的には、予め塗工用無機顔料が98.9重量部以下であり、カオリンが1〜80重量部であり、二酸化チタンが0.1〜20重量部からなる顔料を分散剤の存在下に混合して得た顔料分散液を湿式粉砕して塗工用顔料の粉砕分散液を調製する。
【選択図】 なし
【解決手段】 塗工用無機顔料を湿式粉砕するに当り、分散液の湿式粉砕に先立って、予め二酸化チタンを混合した顔料分散液を調製した後に湿式粉砕処理する事により、無機顔料の粉砕と同時に、凝集性の高い二酸化チタンの良好な分散状態と安定性の高い塗工用顔料の粉砕分散液を提供する。より具体的には、予め塗工用無機顔料が98.9重量部以下であり、カオリンが1〜80重量部であり、二酸化チタンが0.1〜20重量部からなる顔料を分散剤の存在下に混合して得た顔料分散液を湿式粉砕して塗工用顔料の粉砕分散液を調製する。
【選択図】 なし
Description
本発明は、塗被紙用に顔料として使用される炭酸カルシウムを主剤とする、顔料の粉砕方法に関するものである。
近年印刷用紙は、通販用カタログ、チラシ、カタログ、パンフレット、ダイレクトメール等広告、宣伝を目的とした商業印刷分野での需要が伸びている。これら商業印刷物は、それ自体の商品価値は低いが、宣伝媒体としての目的が達成されることが重要であるため、低コストで印刷仕上がりの良いものが求められており、印刷した商品と実物の色が違えばクレームや返品等の問題を生じるために、色再現性の良好な高白色度の紙が求められる。そこで製造コストや総合的な品質バランスと操業性を考慮し、塗工用顔料として炭酸カルシウムが使用されている。
炭酸カルシウムを大別すると、天然産の重質炭酸カルシウムと化学的に合成される軽質炭酸カルシウムに分けられる。
重質炭酸カルシウムは、鉱山から産出した石灰石を機械的に乾式粉砕しただけでは、塗工用顔料として使用する事はごく希であり、一般にはさらに顔料分散液として湿式粉砕して使用されている。従って、重質炭酸カルシウムは機械的に乾式粉砕した粒子径が粗大である為、湿式粉砕した時の粒度分布が広い顔料になってしまうことは避けられず、その形状は不定形である。
重質炭酸カルシウムは、鉱山から産出した石灰石を機械的に乾式粉砕しただけでは、塗工用顔料として使用する事はごく希であり、一般にはさらに顔料分散液として湿式粉砕して使用されている。従って、重質炭酸カルシウムは機械的に乾式粉砕した粒子径が粗大である為、湿式粉砕した時の粒度分布が広い顔料になってしまうことは避けられず、その形状は不定形である。
軽質炭酸カルシウムは炭酸ガス法等によって合成される場合が多く、反応温度や炭酸ガス導入速度など、反応条件を制御することによって、粒子の径や形状をコントロールすることが可能である。これらは針状、柱状、紡錘状、立方状、及び不定形などの各種形状の炭酸カルシウムを製造する事が可能で、製紙用内添填料には針状や紡錘状などの軽質炭酸カルシウムが好んで使用され、その独特の形状を生かすため粉砕処理することなく使用されている。又、塗工用顔料として使用する場合は、塗被紙表面の平滑性や光の反射の指標である光沢性を引き出す為、粉砕処理する技術が提案されている。軽質炭酸カルシウムの場合は製造の段階で粒子の径を制御する技術が確立されていることから、重質炭酸カルシウムに比べて粉砕前の粗大粒子が少なく、粉砕後の粒度分布が狭くできるといった特徴がある。又、特定の粒子の形状を持った軽質炭酸カルシウムは、不定形の重質炭酸カルシウムと同様、乾式または湿式粉砕することによっても、塗工紙用顔料として使用可能である。粉砕後の形状は元の軽質炭酸カルシウムの形状を一部残す場合が多く、粉砕前の粒径分布が重質炭酸カルシウムに比べて狭い分、粉砕後の粒径分布も狭くできる。また、重質炭酸カルシウムに比較して原料の品質を選択できる事から白色度の高い顔料が得られ、高白色度で色再現性の優れた塗被紙品質を与える。
カオリンはその平板状と云った形状に起因し、塗工顔料に配合した場合、塗被紙の優れた表面光沢発現性を特徴とする顔料であり、多くの塗被紙に多用されている。
一方、二酸化チタンは、炭酸カルシウム、タルク、カオリンなど、他の一般的な顔料に比べて結晶の光屈折率が高い特性により光散乱性が高く、粒子の径が可視光線の半波長に近いこと等から特に光学適性に優れ、塗被紙の品質要求に応じて炭酸カルシウムなど安価な填料や顔料の品質を補うために配合されるなど、古くから製紙用の填料や顔料に使用されてきた。
一方、二酸化チタンは、炭酸カルシウム、タルク、カオリンなど、他の一般的な顔料に比べて結晶の光屈折率が高い特性により光散乱性が高く、粒子の径が可視光線の半波長に近いこと等から特に光学適性に優れ、塗被紙の品質要求に応じて炭酸カルシウムなど安価な填料や顔料の品質を補うために配合されるなど、古くから製紙用の填料や顔料に使用されてきた。
このように、二酸化チタンは塗被紙の顔料に用いた場合、優れた光学品質が得られるが、炭酸カルシウムに比較して非常に高価な顔料であるため使用量が制限されるか、これらの使用用途は特殊な場合に限定されているのが現状である。この様に二酸化チタンには優れた光学品質が有りながら、高価であることに加えて、粒子の凝集力が高いため塗被紙用顔料として塗工液中に配合した場合、塗工液中の分散が不充分でその特性が有効に発揮しないといった問題が有った。これらの問題を解決するためには、紙の品質要求に沿って配合する二酸化チタンの一次粒子の凝集による特性低下の分、高配合する事で回避するのが一般的であったが、経済的に不利であった。
炭酸カルシウムを粉砕する既存技術としては、例えば特開昭63−225522号公報、特公平1−50450号公報、特開平6−41463号公報などが提案されている。しかし、特開昭63−225522号公報および特公平1−50450号公報は重質炭酸カルシウムを単独で粉砕する事を目的とした技術である。また、特開平6−41463号公報では、軽質炭酸カルシウムと重質炭酸カルシウムを重量基準で2:98〜60:40の範囲で混合して湿式粉砕することにより、塗工時におけるストリークの発生を軽減する事に関する技術である。
特開昭63−225522号公報
特公平1−50450号公
特開平6−41463号公報
以上のような状況に鑑み本発明の課題は、塗被紙の製造に当り、塗工顔料に配合する事で塗被紙の白色や不透明性に優れた性能を発揮する二酸化チタンの配合効果を充分に発揮させることを目的とした。
顔料分散液中で強い凝集性の為、良好な分散が難しい二酸化チタンを、炭酸カルシウム等の無機顔料、及び/又はカオリンを含む顔料分散液を湿式粉砕するに当り、これらを混合後に湿式粉砕することによって、二酸化チタンの良好な分散状態を容易に得る湿式粉砕方法を提供することにある。
本発明者等は上記の課題について鋭意研究を重ねた結果、分散剤の存在下に炭酸カルシウム等の無機顔料単独で、若しくはカオリンとの混合分散液を湿式粉砕するにあたり、二酸化チタンを混合した顔料分散液を湿式粉砕する事によって、特別な分散設備や特別な分散剤等の添加剤を必要としないで二酸化チタンを効率良く分散出来る事を見出し、本発明を成すに至った。
以下発明を詳細に示す。
本発明は、軽質炭酸カルシウム、及び/又は重質炭酸カルシウム、カオリン等の無機顔料に二酸化チタンを配合した分散液を調製し、湿式粉砕する事を特徴とする。尚、湿式粉砕に当って、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、或いは、その他無機系、有機系塗工用顔料の中から選ばれた、単独若しくは複数の顔料と二酸化チタンを混合した系で湿式粉砕を実施する事が重要である。
本発明は、軽質炭酸カルシウム、及び/又は重質炭酸カルシウム、カオリン等の無機顔料に二酸化チタンを配合した分散液を調製し、湿式粉砕する事を特徴とする。尚、湿式粉砕に当って、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、或いは、その他無機系、有機系塗工用顔料の中から選ばれた、単独若しくは複数の顔料と二酸化チタンを混合した系で湿式粉砕を実施する事が重要である。
従来、塗工用顔料分散液の調製は低分子有機分散剤などの存在下で、軽質炭酸カルシウム及び/又は重質炭酸カルシウム、又はカオリンとを混合した分散液を調製し、この混合分散液を目標とする平均粒子径や比表面積まで湿式粉砕した後、更に、この粉砕分散液に二酸化チタンを単独で分散した分散液、または粉体の二酸化チタンを混合し、攪拌して塗工用顔料分散液を調製していた。
しかし、凝集性の高い二酸化チタンは60%といった高濃度で、高速攪拌分散機で長時間にわたって分散処理をおこなっても、凝集力が分散力より大きい為か、若しくは一旦は凝集が破壊されて一次粒子に分散するが短時間の内に再凝集するなどの為、充分に分散した分散液を得る事が困難であった。
そこで、予め炭酸カルシウム、カオリン等の顔料の混合分散液と、二酸化チタンを分散剤の存在下に混合した分散液を準備し、これを湿式粉砕すれば、炭酸カルシウムなど無機顔料粒子の粉砕の進行と、二酸化チタンの二次粒子の破壊が同時に進み、二酸化チタンが充分に分散した分散液が得られ、二酸化チタンの優れた光学品質特性を充分に引き出す事を可能にした。
二酸化チタンの優れた分散は、炭酸カルシウムやカオリン等の無機顔料の粉砕と同時に、二酸化チタンの凝集粒子に高いせん断力が働いて、凝集状態が破壊されると同時に、微粒化した炭酸カルシウムやカオリン等の無機顔料が、凝集性の高い二酸化チタンの粒子間の接触を妨げるばかりでなく、微粒化した炭酸カルシウムやカオリン等の無機顔料粒子が一種の分散剤として働く事によって、二酸化チタン粒子が再凝集して二次粒子を形成する過程を阻害し、一次粒子の状態で顔料分散液中に浮遊する結果、二酸化チタンの分散状態を安定化する効果が発現し、塗工用顔料とした時の塗被紙の光学品質を充分に発揮するものと考えられる。
炭酸カルシウムなど無機顔料単独、又はカオリン、及び二酸化チタンを混合した分散液を調製し、湿式粉砕した分散液の粒子の径が平均粒子径で1.0μmより大きい場合には、凝集を破壊した二酸化チタンの再凝集の防止効果が充分でなく、凝集抑制効果が小さいために二酸化チタンの特性を充分に引き出す効果が劣る。
また、本発明における無機顔料分散液の固形分濃度は65%以上が好ましく、二酸化チタン粒子の再凝集が少ない良好な顔料分散液が調製できると同時に、顔料分散液を効率よく湿式粉砕することが可能となる。無機顔料分散液の固形分濃度が65%より低い場合は、分散液の粘度が低いために粉砕処理は容易になるが、二酸化チタンの凝集を破壊するに充分なせん断力が生じない。このように、分散液の固形分濃度と本発明の二酸化チタンの分散の関係は、粉砕処理が可能な範囲内で濃度を高くするほど二酸化チタン二次凝集粒子に作用するせん断力が高くなって、分散効果が発揮される傾向に有る。
本発明の顔料調製方法においては、塗被紙に求める表面の光沢度に応じて湿式粉砕処理する前記塗工用無機顔料100重量部に対して、カオリンを1〜80重量部含有することが一般的に行われている。
また、塗被紙に求められる白色度や不透明度に応じて、粉砕処理する前記塗工用無機顔料100重量部に対して、二酸化チタン0.1〜20重量部が配合される事が多い。
一方、顔料分散液の固形分濃度は、コーターで原紙表面に塗料を塗工する塗工方式、及び塗工した塗料液の乾燥負荷の制限から高濃度ほど有利であり、一般に40〜77重量%であることが多い。炭酸カルシウムとカオリン及び二酸化チタン等の顔料混合液の粉砕前の平均粒子径は、0.5〜20μmであることが好ましい。0.5μm以下の場合湿式粉砕処理が軽度になるため、二酸化チタンが凝集した二次粒子を分散する作用が小さく、また20μm以上では湿式粉砕処理の効果が大きく、二酸化チタンの分散は充分であるが湿式粉砕負荷が大きくなって、経済的に劣る。湿式粉砕後の顔料の平均粒子径は、塗被紙製造における操業性、及び目的とする塗被紙の品質要求に応じて0.1〜1.0μmに粉砕することが好ましい。
一方、顔料分散液の固形分濃度は、コーターで原紙表面に塗料を塗工する塗工方式、及び塗工した塗料液の乾燥負荷の制限から高濃度ほど有利であり、一般に40〜77重量%であることが多い。炭酸カルシウムとカオリン及び二酸化チタン等の顔料混合液の粉砕前の平均粒子径は、0.5〜20μmであることが好ましい。0.5μm以下の場合湿式粉砕処理が軽度になるため、二酸化チタンが凝集した二次粒子を分散する作用が小さく、また20μm以上では湿式粉砕処理の効果が大きく、二酸化チタンの分散は充分であるが湿式粉砕負荷が大きくなって、経済的に劣る。湿式粉砕後の顔料の平均粒子径は、塗被紙製造における操業性、及び目的とする塗被紙の品質要求に応じて0.1〜1.0μmに粉砕することが好ましい。
塗工顔料の主体を占める炭酸カルシウムやカオリン等の無機顔料の混合液を湿式粉砕するに当り、二酸化チタンを混合後に粉砕する事により、二酸化チタンの優れた光学品質を引き出す優れた方法を提供することができる。
本発明で使用される無機顔料の一つである重質炭酸カルシウムの場合、鉱山から産出した石灰石を機械的に平均粒径200μm以下に乾式粉砕した炭酸カルシウムであれば問題無く使用できる。無機顔料として使用する軽質炭酸カルシウムは炭酸ガス法、或いはクラフトパルプ化法の苛性化反応等によって製造された軽質炭酸カルシウムであり、粉砕処理を必要にする場合には粒子の形状は問わない。又、平均粒子径は0.5〜30μmの範囲のものが好ましく、1〜5μmのものがより好ましい。塗被紙に求められる品質に沿って決められる目標粉砕粒径にも依るが1μmより小さい場合は、粉砕による小粒径化の幅が小さい為に軽度の粉砕処理となってしまう為、同時に起こる二酸化チタン凝集粒子の分散作用が不充分になって好ましくない。また、形状を制御して合成された軽質炭酸カルシウムの場合、例えば針状や柱状の軽質炭酸カルシウムに対しても、粉砕処理を必要とする場合には本発明を適用することができる。
本発明に使用される二酸化チタンはルチル型、アナターゼ型、何れの二酸化チタンでも同様の効果が得られ、粒子の径は目標とする塗工紙の品質に応じて選ばれる。特に粒子の径が小さいほど凝集力が高く、本発明の効果が明確になる傾向がある。
本発明で使用されるカオリンは、塗被紙用として一般に使用される一級カオリン、二級カオリンのほかに、デラミネーテッドカオリン、焼成カオリン、或いはエンジニアードカオリン等が挙げられ、粉末状あるいは分散液状のどちらでも構わない。但し、炭酸カルシウム顔料分散液の粘度を考慮すると、より親水性や分散性の優れる一級カオリン、二級カオリンが好ましく、塗工紙の白色度を考慮すると白色度の高いものが好ましい。
また、本発明で使用される顔料としては、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、カオリン、二酸化チタン以外特に規定するものではなく、必要に応じて製紙用として一般に使用される、タルク、サチンホワイト、シリカ、クレー、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、ベントナイト等を併用してもかまわない。但し、その場合、これらの顔料の配合量は本発明の効果を損なわないよう適宜選択しなくてはならない。
また、顔料分散液に使用する分散剤としては、一般に製紙用として使用されているポリアクリル酸ソーダ、リグニンスルホン酸ソーダ、リン酸塩およびそれらの変成物等が挙げられ、これ等のうち一種類以上を必要に応じて選択して使用することができる。分散剤の使用量は、顔料100重量部に対して0.1〜3.0重量部が好ましい。顔料分散液を高濃度に調製する場合は、分散剤を水で希釈した後、カオリンと二酸化チタンを先に加えて充分分散し、更に炭酸カルシウムを少量ずつ加えて分散することが望ましい。
本発明で使用される粉砕機としては製紙用顔料の湿式粉砕に、ごく一般に使用されるアトライター、振動ミル、ボールミル、竪型サンドミル、横型サンドミル、ジェットミル等が挙げられる。また、粉砕媒体としてはガラス、セラミック、アルミナ、ジルコニア、瑪瑙等の硬質原料で製造された球状のボールが挙げられ、粉砕媒体径は0.1〜10mmであることが好ましい。粉砕媒体の充填率はできる限り高いほうが好ましいが、充填率が高すぎる場合は粉砕室内での粉砕媒体の動きが制限され、逆に粉砕効率が低下する為、使用する粉砕機に応じて適宜調節する。
以上のように、本発明は前記のごとき問題を解決し、炭酸カルシウムなどの無機顔料とカオリンおよび二酸化チタンの顔料分散液を調製し、その顔料分散液を湿式粉砕することによって、二酸化チタンの二次凝集を効率良く分散した塗工用顔料分散液を製造することが可能であることを認めた。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に示すが、これらによって本発明は何等制約を受けるものではない。なお、例中の部及び%はそれぞれ固形分換算重量部及び固形分換算重量%を示す。
〈品質評価方法〉
(1)顔料平均粒子径
マスタサイザーS(Malvern社製)で測定し、体積平均で50%平均径を平均粒子径とした。
(2)塗工紙の白色度
JIS P8148に準じ、色差計(CMS−35SPX、村上色彩技術研究所社製)を用いて測定した。
(3)塗工紙の不透明度
JIS P8138に準じ、色差計(CMS−35SPX、村上色彩技術研究所社製)を用いて測定した。
(4)塗工紙の作成
実施例、比較例で調製した湿式粉砕顔料分散液を使用し、下記により塗料を調製し、塗工速度5m/分の塗工用テスト装置で、塗工量片面10g/m2を目標に両面塗工した。紙質を評価した結果を表1に示した。
〈原紙〉
・炭酸カルシウムを内添填料として中性抄造した、坪量80g/m2の塗工用原紙。
〈顔料〉
・軽質炭酸カルシウム:TP−121、奥多摩工業社製
・重質炭酸カルシウム:PC−35、三共精粉社製
・二酸化チタン:TCA123、堺化学工業社製
・二級カオリン:DBコート、イメリス社製
〈分散剤〉
・ポリアクリル酸系分散剤:ポイズ535M、花王製
〈塗料液の調製方法〉
調製した顔料分散液を高速アジター分散機(T.K.HOMO DISPER、特殊機化工業社製)を用いて攪拌しながら、バインダーとしてでん粉糊液を3部、合成ラテックスを11部、分散剤を0.15部、ステアリン酸カルシウムを0.3部、水酸化ナトリウムを0.15部を混合した。
・燐酸エステル化でん粉:MS4400、日本食品加工製。
・合成ラテックス:0617、日本合成ゴム製。
・ポリアクリル酸系分散剤:アロンT−40、東亜合成製。
・ステアリン酸カルシウム:試薬一級、和光純薬製。
・水酸化ナトリウム:試薬一級、和光純薬製。
〈品質評価方法〉
(1)顔料平均粒子径
マスタサイザーS(Malvern社製)で測定し、体積平均で50%平均径を平均粒子径とした。
(2)塗工紙の白色度
JIS P8148に準じ、色差計(CMS−35SPX、村上色彩技術研究所社製)を用いて測定した。
(3)塗工紙の不透明度
JIS P8138に準じ、色差計(CMS−35SPX、村上色彩技術研究所社製)を用いて測定した。
(4)塗工紙の作成
実施例、比較例で調製した湿式粉砕顔料分散液を使用し、下記により塗料を調製し、塗工速度5m/分の塗工用テスト装置で、塗工量片面10g/m2を目標に両面塗工した。紙質を評価した結果を表1に示した。
〈原紙〉
・炭酸カルシウムを内添填料として中性抄造した、坪量80g/m2の塗工用原紙。
〈顔料〉
・軽質炭酸カルシウム:TP−121、奥多摩工業社製
・重質炭酸カルシウム:PC−35、三共精粉社製
・二酸化チタン:TCA123、堺化学工業社製
・二級カオリン:DBコート、イメリス社製
〈分散剤〉
・ポリアクリル酸系分散剤:ポイズ535M、花王製
〈塗料液の調製方法〉
調製した顔料分散液を高速アジター分散機(T.K.HOMO DISPER、特殊機化工業社製)を用いて攪拌しながら、バインダーとしてでん粉糊液を3部、合成ラテックスを11部、分散剤を0.15部、ステアリン酸カルシウムを0.3部、水酸化ナトリウムを0.15部を混合した。
・燐酸エステル化でん粉:MS4400、日本食品加工製。
・合成ラテックス:0617、日本合成ゴム製。
・ポリアクリル酸系分散剤:アロンT−40、東亜合成製。
・ステアリン酸カルシウム:試薬一級、和光純薬製。
・水酸化ナトリウム:試薬一級、和光純薬製。
[実施例1]
5kgのイオン交換水に対して、顔料100部に対する添加量が1.5部になるように分散剤を添加し、高速アジター分散機(T.K.HOMO DISPER、特殊機化工業社製)を用いて分散しながら、カオリン40部を加えた。さらに、重質炭酸カルシウム50部を少量ずつ加え、引き続き二酸化チタン10部を加え、固形分濃度約75%の顔料分散液を調製した。
5kgのイオン交換水に対して、顔料100部に対する添加量が1.5部になるように分散剤を添加し、高速アジター分散機(T.K.HOMO DISPER、特殊機化工業社製)を用いて分散しながら、カオリン40部を加えた。さらに、重質炭酸カルシウム50部を少量ずつ加え、引き続き二酸化チタン10部を加え、固形分濃度約75%の顔料分散液を調製した。
次に、2Lの粉砕室を有する横型サンドミル(DISPERMAT―SL、住商ケムテック社製)に、平均粒子径が1.5mmの硬質ガラスビーズ(東芝バロティーニ製)を充填率が80%になるように投入し、空隙を水で満たした。なお、ここで言う充填率とは粉砕室中の空隙容積に対する、最密充填した時の粉砕媒体の容積(空隙も含む)の割合を意味する。
粉砕機を起動後、定量ポンプ(RP−LV3、古江サイエンス社製)を用いて顔料分散液をサンドミルに送液し、粉砕後の平均粒子径が0.35μmの顔料分散液2Lを回収した。
[実施例2]
重質炭酸カルシウムの配合部数を25部に、軽質炭酸カルシウムの配合部数を25部に変更した以外は、実施例1と同様の操作で粉砕顔料分散液を回収した。
重質炭酸カルシウムの配合部数を25部に、軽質炭酸カルシウムの配合部数を25部に変更した以外は、実施例1と同様の操作で粉砕顔料分散液を回収した。
[実施例3]
重質炭酸カルシウムの配合部数を45部に、軽質炭酸カルシウムの配合部数を45部に変更し、カオリンを添加しなかった以外は、実施例1と同様の操作で粉砕顔料分散液を回収した。
重質炭酸カルシウムの配合部数を45部に、軽質炭酸カルシウムの配合部数を45部に変更し、カオリンを添加しなかった以外は、実施例1と同様の操作で粉砕顔料分散液を回収した。
[比較例1]
湿式粉砕する二酸化チタンを配合しなかった以外は、実施例1と全く同様に顔料分散および粉砕処理を行った。粉砕処理して回収した粉砕顔料分散液に二酸化チタンの粉末を10部添加し、高速アジターで30分間高速攪拌し、粉砕顔料分散液とした。
湿式粉砕する二酸化チタンを配合しなかった以外は、実施例1と全く同様に顔料分散および粉砕処理を行った。粉砕処理して回収した粉砕顔料分散液に二酸化チタンの粉末を10部添加し、高速アジターで30分間高速攪拌し、粉砕顔料分散液とした。
[比較例2]
湿式粉砕する二酸化チタンを配合しなかった以外は、実施例2と全く同様に顔料分散および粉砕処理を行った。粉砕処理して回収した粉砕顔料分散液に二酸化チタンの粉末を10部添加し、高速アジターで30分間高速攪拌し、粉砕顔料分散液とした。
湿式粉砕する二酸化チタンを配合しなかった以外は、実施例2と全く同様に顔料分散および粉砕処理を行った。粉砕処理して回収した粉砕顔料分散液に二酸化チタンの粉末を10部添加し、高速アジターで30分間高速攪拌し、粉砕顔料分散液とした。
[比較例3]
湿式粉砕する二酸化チタンを配合しなかった以外は、実施例3と全く同様に顔料分散および粉砕処理を行った。粉砕処理して回収した粉砕顔料分散液に二酸化チタンの粉末を10部添加し、高速アジターで30分間高速攪拌し、粉砕顔料分散液とした。
湿式粉砕する二酸化チタンを配合しなかった以外は、実施例3と全く同様に顔料分散および粉砕処理を行った。粉砕処理して回収した粉砕顔料分散液に二酸化チタンの粉末を10部添加し、高速アジターで30分間高速攪拌し、粉砕顔料分散液とした。
以上の結果を表1に示した。
表1から明らかなように、実施例は塗工紙の白色度及び不透明度が比較例に比べて格段に優れていることが確認できた。従って、本発明の効果は極めて大なるものがある。
Claims (9)
- 塗工用無機顔料を分散剤の存在下に湿式粉砕して調製するに際し、前記塗工用無機顔料が二酸化チタンを含むことを特徴とする顔料調製方法。
- 湿式粉砕処理する前記塗工用無機顔料であって二酸化チタン以外のものが、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム及びその混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項1記載の顔料調製方法。
- 湿式粉砕処理する前記塗工用無機顔料100重量部に対して、カオリンを1〜80重量部含有することを特徴とする、請求項1又は2いずれか記載の顔料調製方法。
- 粉砕処理する前記塗工用無機顔料100重量部に対して、二酸化チタンを0.1〜20重量部含む、請求項1〜3いずれか記載の顔料調製方法。
- 顔料分散液の固形分濃度が40〜77重量%であることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の塗工用顔料の粉砕分散液の調製方法。
- 炭酸カルシウムとカオリン及び二酸化チタンの混合液の粉砕前の平均粒子径が0.5〜20μmであることを特徴とする、請求項1〜5いずれか記載の塗工用顔料分散液の調製方法。
- 粉砕処理が粉砕媒体を用いた湿式粉砕である、請求項1〜6いずれか記載の塗工用顔料の粉砕方法。
- 湿式粉砕後の顔料の平均粒子径が0.1〜1.0μmあることを特徴とする、請求項1〜6いずれか記載の塗工用顔料の粉砕分散液の調製方法。
- 請求項1又は2のいずれかの製造方法で製造することを特徴とする、塗工用顔料の粉砕分散液から製造した塗被紙。
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