JP3371839B2 - リチウム二次電池及びリチウム二次電池用電極の製造方法 - Google Patents

リチウム二次電池及びリチウム二次電池用電極の製造方法

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JP3371839B2 JP02796699A JP2796699A JP3371839B2 JP 3371839 B2 JP3371839 B2 JP 3371839B2 JP 02796699 A JP02796699 A JP 02796699A JP 2796699 A JP2796699 A JP 2796699A JP 3371839 B2 JP3371839 B2 JP 3371839B2
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polymer
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electrode
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ノート型コンピュ
ーターや小型携帯機器などの電子機器や自動車のバッテ
リーに利用できるリチウム二次電池及びその電極の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ノート型コンピューターや小型携
帯機器などの電子機器、又は自動車のクリーンなエネル
ギー源として利用できる高性能な二次電池の開発が盛ん
である。こうした二次電池には、小型、軽量でありなが
ら大容量・高出力をもつもの、すなわち高エネルギー密
度・高出力密度をもつ電池が求められている。最近、特
にリチウム二次電池が、このような性能をもつ二次電池
として注目されている。
【0003】従来のリチウム二次電池には、リチウムイ
オンを放出できる正極と、該正極から放出された該リチ
ウムイオンを吸蔵および放出できる負極と、該正極及び
該負極の間に介在するセパレータと、該正極と該負極と
の間で該リチウムイオンを移動させる電解質と、を備え
る電池がある。従来のリチウム二次電池では、正極及び
負極とは別に用意されたセパレータが、電池の組立段階
で正極及び負極の間に挟み込まれていた。しかし、この
電池では、正極、負極及びセパレータをそれぞれ整合性
良く組み合わせることが容易でないため、高い歩留まり
率で製造することができなかった。例えば円筒型の電池
では、帯状の正極及び負極が間に帯状のセパレータを挟
んで巻回されて電池容器内に収納されているが、この巻
回の工程でセパレータの巻きズレなどが生じていた。こ
のように、従来のリチウム二次電池では、生産性が優れ
ているとは言い難く、電池の製造コストが高くなってい
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記実情に鑑
みてなされたものであり、高エネルギー密度・高出力密
度を有し、かつ電池内の温度が異常に上昇しても高い安
全性が得られ、また優れた生産性が得られるリチウム二
次電池及びその電極の製造方法を提供することを目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明のリチウム二次電池は、リチウムイオンを放出できる
正極と、該正極から放出された該リチウムイオンを吸蔵
および放出できる負極と、該正極と該負極との間で該リ
チウムイオンを移動させる電解質と、を備えるリチウム
二次電池において、前記正極及び前記負極の少なくとも
一方は、他方との対向面にセパレータに代わる多孔質被
膜を一体的に有し、前記多孔質被膜を一体的に有する前
記正極および前記負極の少なくとも一方は、水酸基を有
する水溶性高分子材料と、該水酸基と反応する官能基を
有する架橋剤とからなる結着剤が用いられて形成されて
いることを特徴とする。
【0006】この多孔質被膜は、リチウムイオンを選択
的に通過させる大きさの孔(ポア)を有する被膜であ
る。この多孔質被膜がセパレータの役割を果たすため、
本発明のリチウム二次電池ではセパレータが不要とな
る。それゆえ、電池の製造においては、正極及び負極の
みを整合性良く組み合わせればよいため、セパレータの
巻きズレによる歩留まり率の低下が生じなくなる。その
結果、優れた生産性が得られる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明のリチウム二次電池では、
コイン型電池、ボタン型電池、円筒型電池及び角型電池
等の公知の電池構造をとることができる。正極の活物質
にはLiMn24などの公知の正極活物質を用いること
ができる。また、負極の活物質には公知の炭素材を用い
ることができる。中でも結晶性の高い天然黒鉛や人造黒
鉛などからなるものを用いることが好ましい。このよう
な結晶性の高い炭素材を用いることにより、負極のリチ
ウムイオンの受け渡し効率を向上させることができる。
また、炭素材以外に酸化物及び硫黄化物などを活物質と
して用いてもよい。正極および負極のいずれも、活物質
を集電体上に設けた電極を用いることが好ましい。
【0008】電解質にも公知のものを用いることができ
る。特に、LiPF6などのリチウム塩をエチレンカー
ボネートなどの有機溶媒に溶解した非水電解液を用いる
ことが好ましい。本発明のリチウム二次電池では、前記
多孔質被膜を一体的に有する前記正極及び前記負極の少
なくとも一方は、水酸基を有する水溶性高分子材料と、
該水酸基と反応する官能基を有する架橋剤とから成る結
着剤が用いられて形成されていることが好ましい。
【0009】本発明においては、多孔質被膜が一体的に
形成される電極は、高分子塗布工程において高分子材料
が溶解した高温の有機溶媒中に浸漬され、さらに高分子
析出工程において水、アルコ−ル、ケトン等に浸漬され
るため、これらの溶液に対して非溶解性のものである必
要がある。水酸基を有する水溶性高分子材料と、該水酸
基と反応する官能基を有する架橋剤とから成る結着剤
は、高温の有機溶媒や、水、アルコ−ル、ケトン等に対
して非溶解性であるため、多孔質被膜が一体的に形成さ
れる電極のそれらの溶液に対する非溶解性を向上させる
ことができる。この架橋させた結着剤を用いた電極で
は、耐有機溶剤性、耐水性が両立し、高分子塗布工程、
高分子析出工程に用いる溶液の選択範囲が広くなり、多
孔質膜の膜質制御が容易になるという利点がある。
【0010】前記架橋剤は、その種類で特に限定される
ものではないが、シランカップリング剤、チタンカップ
リング剤、尿素ホルマリン樹脂、メチロールメラミン樹
脂、グリオキザール及びタンニン酸の少なくとも一種で
あることが好ましい。これらの架橋剤は、水溶性高分子
に含まれる水酸基との反応性に優れた官能基を有し、水
溶性高分子を架橋性良く架橋することができる。中で
も、耐有機溶剤性に優れた水溶性高分子材料を用い、シ
ランカップリング剤を用いてその水溶性高分子材料の水
酸基部分を架橋させた結着剤を用いることが望ましい。
【0011】前記水溶性高分子材料は、その種類で特に
限定されるものではないが、カルボキシメチルセルロー
ス、メチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニル
アルコール、ポリアクリル酸塩及びポリエチレンオキサ
イドの少なくとも一種であることが好ましい。これらの
水溶性高分子材料は、耐有機溶剤性に特に優れ、多孔質
被膜が一体的に形成される電極の有機溶剤に対する非溶
解性を向上させることができる。
【0012】また、前記水溶性高分子材料に対する前記
架橋剤の添加量は、水溶性高分子に含まれる水酸基の数
と同数以上の加水分解基を有する量であることが好まし
い。このように架橋剤の添加量を選択することにより、
水溶性高分子材料に含まれる親水基(水酸基)を全て架
橋反応させることができる。それゆえ、結着剤の耐水性
と、高温の有機溶媒や、水、アルコ−ル、ケトン等に対
する非溶解性とをさらに向上させることができる。
【0013】具体的には、カルボキシルメチルセルロー
ス:C672(OH)2OCH2COONaにシランカ
ップリング剤:H2NC36Si(OC2 5 3 を添
加する場合であれば、カルボキシルメチルセルロースナ
トリウム塩の分子量が242、水に溶解した状態での水
酸基の数は3であり、一方シランカップリング剤の分子
量が221、加水分解基の数が3であることから、シラ
ンカップリング剤の添加量としてはカルボキシルメチル
セルロースの重量の(221/3)/(242/3)=
0.91倍以上にすることが望ましい。
【0014】本発明のリチウム二次電池では、正極及び
前記負極の少なくとも一方が、他方との対向面にセパレ
ータに代わる多孔質被膜を一体的に有する。この多孔質
被膜は、有機物及び無機物のどちらからなるものでもよ
いが、熱可塑性高分子よりなることが好ましい。ショー
トなどによって電池内の温度が異常に上昇したときに
は、熱可塑性高分子よりなる多孔質被膜がシャットダウ
ン機能を発揮して短絡電流を阻止することができる。そ
れゆえ、電池内の温度が異常に上昇したときでも電池の
安全性が確保される。
【0015】また、前記熱可塑性高分子は、結晶性高分
子であれば150℃以上の融点を有し、非結晶性高分子
であれば150℃以上のガラス転移温度を有する耐熱性
高分子であることが好ましい。このように融点又はガラ
ス転移温度が150℃以上の耐熱性高分子からなる多孔
質被膜は、150℃を超える高温であっても収縮や溶融
などを起こすことがない。それゆえ、電池内の温度が1
50℃を超える高温になっても、この多孔質被膜により
電池の安全性が確保される。
【0016】このとき、前記耐熱性高分子は、ポリベン
ズイミダゾール、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポ
リアミドイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエー
テルスルホン、ポリスルホン、ポリエーテルエーテルケ
トン、ポリメチルペンテン、アラミド、ポリビニリデン
フロライド、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリレート、ポ
リアセタール及びポリフェニレンエーテル(ポリフェニ
レンオキシド)の少なくとも一種であることが好まし
い。
【0017】これらの耐熱性高分子は、150℃以上の
融点又はガラス転移温度を有する耐熱性高分子の中で
も、特に融点又はガラス転移温度が高い高分子である。
それゆえ、耐熱性に極めて優れた多孔質被膜が得られ
る。本発明のリチウム二次電池では、前記多孔質被膜
は、スポンジ状の中央部と、該中央部に比べて孔径の小
さい空孔を緻密に有する表面部とを備えることが好まし
い。
【0018】この多孔質被膜では、中央部がスポンジ状
となっているため、サイズの大きい空孔を有するととも
に高い空孔率を有する。そのため、電解質(リチウムイ
オン)が極めて移動しやすく、その通過性に極めて優れ
る。さらに、中央部に比べて孔径の小さい空孔を緻密に
有する表面部は、負極におけるデンドライトの析出を抑
制することができる。また、空孔の孔径が小さいため、
高温となったときにその空孔を迅速にかつ十分に閉じる
ことができる。そのため、電池が高温となったときのシ
ャットダウン機能をさらに効果的に働かせることができ
る。さらに、この表面部は、密度が高く頑丈であるた
め、多孔質被膜の機械的強度を大きなものとすることが
できる。
【0019】従って、この多孔質被膜は、電解質(リチ
ウムイオン)の通過性に極めて優れるとともに、高温に
おいてもシャットダウン機能を効果的に働かせることが
できる。それゆえ、リチウム二次電池の負荷特性及び出
力特性など、その電池性能を優れたものとすることがで
きる上、ショート及び異常発熱を効果的に防止すること
ができる。その結果、電池の安全性が極めて高いものと
なる。
【0020】一方、上記課題を解決する本発明のリチウ
ム二次電池用電極の製造方法は、正極活物質及び負極活
物質のいずれか一方の活物質が保持される電極体を成形
する電極体成形工程と、高分子材料が溶解した高分子溶
液を前記電極体の表面に塗布する高分子塗布工程と、前
記高分子溶液が塗布された電極体を高分子材料に対して
難溶性の液に曝すことにより前記高分子材料を析出させ
る高分子析出工程と、前記高分子析出工程で得られた電
極体を乾燥させて析出高分子材料を多孔質被膜とする乾
燥工程とからなり、前記高分子溶液には塩が溶解されて
いることを特徴とする。
【0021】この製造方法では、リチウムイオンが選択
的に通過できる微細なポアを緻密に有する多孔質被膜を
電極の表面上に薄くかつ均一に形成することができる。
その多孔質被膜の膜厚は、電極の表面精度と同程度の厚
さ(5μm)以上にすることができる。この製造方法で
は、高分子材料の種類については特に限定されるもので
はなく、所望の多孔質被膜に応じて選択することができ
る。このとき、高分子材料として特に熱可塑性高分子を
用いれば、得られる多孔質被膜は、従来のセパレータよ
りも薄肉であって、かつ優れたシャットダウン機能を発
揮することができる。また、高分子材料を溶解させる溶
媒及び高分子材料に対して難溶性の液は、使用する高分
子材料に応じてそれぞれ適宜選択する。
【0022】特に、高分子材料は、ポリベンズイミダゾ
ール、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイ
ミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルホ
ン、ポリスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリ
メチルペンテン、アラミド、ポリビニリデンフロライ
ド、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブ
チレンテレフタレート、ポリアリレート、ポリアセター
ル及びポリフェニレンエーテルの少なくとも一種であっ
て、該高分子材料を溶解させる溶媒は、N−メチル−2
−ピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド、ジメ
チルスルホアミド、ジグライム、トルエン、キシレン、
ジメチルアセトアミド、ジクロロメタン、シクロヘキサ
ン及びシクロヘキサノンの少なくとも一種であるととも
に、該高分子材料に対して難溶性の液は、水、アルコー
ル及びケトンの少なくとも一種であることが好ましい。
【0023】電極体成形工程では、公知の電極体の成形
方法により、正極活物質及び負極活物質のいずれか一方
の活物質を有する電極体を成形することができる。高分
子塗布工程では、高分子材料を溶媒に溶解させて調製し
た高分子溶液を先の工程で得られた電極体に塗布する。
この工程では、高分子溶液の高分子材料の濃度等は特に
限定されるものではなく、高分子材料の種類及び後の工
程での析出量などに応じて選択できる。さらに、膜厚が
均一な多孔質被膜を得るため、高分子溶液に界面活性
剤、消泡剤及び表面調製剤などを添加してもよい。こう
した添加物としては、電池の中で反応性が低く、少量の
添加量でも効果のあるフッ素系又はシリコン系の化合物
が好ましい。さらに、多孔質被膜のポアの形状、大きさ
及び分布を適切にするため、高分子溶液に水、アルコー
ル、グリコール及びケトンなどを添加してもよい。
【0024】前記高分子溶液には塩が溶解されているこ
とが好ましい。この塩により、多孔質被膜にリチウムイ
オンが透過できる孔が形成されやすくなる。その結果、
リチウムイオンの透過性に優れた多孔質被膜を電極に容
易に形成することができるようになる。前記塩は、その
種類で特に限定されるものではないが、リチウム塩が好
ましく、特に塩化リチウム、硝酸リチウム、ヨウ化リチ
ウム、テトラフルオロほう酸リチウム、リチウムビスト
リフルオトメチルスルホニルイミド、6フッ化ひ酸リチ
ウムの少なくとも一種であることが好ましい。これらの
リチウム塩は、溶媒への溶解性に優れるため、塩の添加
量により孔径を制御することができる。
【0025】リチウム塩の濃度は、高分子材料に対して
5重量%〜20重量%が望ましい。リチウム塩の濃度が
5%を下回ると、形成される多孔質被膜の孔が小さくな
り過ぎてリチウムイオンの透過性が悪くなる。その結
果、高い出力特性を得ることが難しくなるなど、優れた
電池性能を得ることが難しくなってしまう。一方、その
濃度が20%を上回ると、多孔質被膜の孔が大きくなり
過ぎて、多孔質被膜のシャットダウン機能などが低下し
てしまう。その結果、許容範囲内ではあるが高い安全性
を得ることが難しくなるなど、優れた電池性能を得るこ
とが難しくなる。
【0026】また、高分子溶液の塗布方法も、ブレード
コーター、ロールコーター、ナイフコーター及びダイコ
ーターなどの塗布方法から電極体の形状に応じて選択す
ることができる。これらの塗布方法では、高分子溶液が
電極体のポア内の空気と置換しないようにするため、高
分子溶液は粘度の高い溶液であることが好ましい。例え
ば高分子材料としてポリエーテルイミドが用いられると
きには、その溶解量を高分子溶液全体に対して10〜3
0重量%(固形分濃度)とすれば、粘度の高い高分子溶
液が得られる。また、増粘剤などを添加することによ
り、高分子溶液の粘度を増加させてもよい。
【0027】前記に挙げた塗布方法の他に、電極体を高
分子溶液に浸漬して塗布することもできる。この塗布方
法では、電極体が高分子溶液から引き上げられたときの
液切れを良くするために、粘度の低い高分子溶液を用い
ることが好ましい。例えば高分子材料としてポリエーテ
ルイミドが用いられるときには、その溶解量を高分子溶
液全体に対して10重量%以下とすれば、粘度の低い高
分子溶液が得られる。
【0028】高分子析出工程では、高分子溶液が塗布さ
れた電極体を高分子材料に対して難溶性の液に浸漬した
り、あるいはこの液を気相としたガスに暴露したりする
ことにより、高分子材料に対して難溶性の液に曝すこと
ができる。高分子材料に対して難溶性の液に曝された高
分子溶液はゲル化し、高分子材料が析出する。乾燥工程
では、恒温槽、熱風乾燥機及び真空乾燥機などを用いて
高分子溶液の溶媒成分を除去することができる。高分子
溶液の溶媒成分が除去されると、析出した高分子材料が
多孔質被膜となる。
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。 (実施例1)本実施例のリチウム二次電池は、図1にそ
の電池構造を概略的に示すように、リチウムイオンを放
出できる正極1と、正極1から放出されたリチウムイオ
ンを吸蔵及び放出できる炭素材料よりなる負極2と、電
解液3、3とを備えるコイン型のリチウムイオン二次電
池である。正極1、負極2及び非水電解液3がステンレ
スよりそれぞれなる正極ケース4および負極ケース5内
にポリプロピレンよりなるガスケット6を介して密封さ
れている。
【0041】正極1は、アルミニウムよりなる正極集電
体1a上に、LiMn24が含まれる正極活物質層1b
を有する電極である。負極2は、銅箔よりなる負極集電
体2a上に、炭素材の負極活物質層2bを有し、かつ正
極1との対向面にセパレータに代わる多孔質被膜2cを
一体的に有する電極である。非水電解液3は、エチレン
カーボネートとジエチルカーボネートとをそれぞれ所定
の割合で混合して得た溶媒に、電解質としてLiPF6
を1モル/リットルの濃度で溶解して調製したものであ
る。
【0042】負極2は、次のようにして形成したもので
ある。 [電極体成形工程]負極活物質としてメソフェーズマイクロビーズ(MCM
B)粉末と、結着剤としてSBRラテックスと、カルボ
キシルメチルセルロースナトリウム塩と、シランカップ
リング剤とをそれぞれ用意し、それらを固形分比率9
5:3:1:1で配合して、水を分散媒(溶媒)として
負極ペーストを作製した。次いで、この負極ペーストを
銅箔にブレードコータを用いて塗布した。 この塗布した
負極合剤を恒温槽で乾燥させることにより合剤中の水分
を揮発させて除去し、合剤を固化させた。次にこの固化
させた負極合剤を所定の密度となるようにプレス成形
し、さらに恒温槽で110℃×1時間加熱することによ
り架橋反応を促進し、耐有機溶剤性及び耐水性に優れた
銅箔よりなる負極集電体2a上に炭素材の負極活物質層
2bを有する負極を得た。 [高分子塗布工程]高分子塗布工程では、先ず、ポリフェニレンエーテル
(GEプラスチック社製、PPO534)、リチウムビ
ストリフルオロスルホニルイミド及びNMPをそれぞれ
25:5:75の重量比で混合した後、100℃まで加
熱して均一に溶解させて高分子溶液を調製した。この高
分子溶液をブレードコータを用いて負極の表面上に塗布
した。 このとき、高分子溶液は、その高粘度により負極
用電極体のポア内の空気と置換することはなかった。 [抽出工程この高分子塗布工程に次ぐ抽出工程では、高分子溶液が
塗布された負極をエタノール中に浸漬して、NMP及び
リチウムビストリフルオロスルホニルイミドの抽出を行
い、負極の表面上に多孔質被膜を一体的に形成した。 [乾燥工程] 該高分子析出工程で得られた負極用電極体に80℃の熱
風を吹きかけ、塗布した高分子溶液を乾燥させた。その
結果、高分子析出工程で析出させたポリエーテルイミド
が負極用電極体上に多孔質被膜となって残された。こう
して、多孔質被膜2cを一体的に有する負極2が得られ
た。
【0043】
【0044】
【0045】
【0046】こうして多孔質被膜が表面に一体的に形成
された負極を用い、リチウム二次電池を作製した。この
リチウム二次電池を表1に示す充放電条件により充放電
を繰り返し、サイクル毎にその放電容量を測定した。そ
の測定結果を図2に示す。なお、図2では、測定された
放電容量を、正極活物質1g当たりの量に換算して示し
た。
【0047】
【表1】 図2より、正極活物質1g当たりの初期容量は101
(mAh/g)と高い値であることがわかる。この結果
より、本実施例のリチウム二次電池が高容量を有するこ
とがわかる。 (実施例2) 本実施例では、NMP及び塩の抽出液として水を用いた
ことの他は、実施例1と同様にして、多孔質被膜が表面
に一体的に形成された負極を形成した。次いで、この負
極を用い、実施例1と同様にしてリチウム二次電池を作
製した。このリチウム二次電池を表1に示す充放電条件
により充放電を繰り返し、サイクル毎にその放電容量を
測定した。その測定結果を図2に併せて示す。なお、本
実施例についても、実施例3と同様に、測定された放電
容量を正極活物質1g当たりの量に換算して、図2に示
した。
【0048】図2より、正極活物質1g当たりの初期容
量は106(mAh/g)と高い値であることがわか
る。この結果より、本実施例のリチウム二次電池が高容
量を有することがわかる。このような結果が得られたの
は、抽出液として水を用いたことにより、NMPとの置
換速度が遅くなって、均一な大きさの孔径の孔を均一な
分布で有する多孔質被膜が形成されたためであると考え
られる。すなわち、このような多孔質被膜では、孔の実
質的な開口率が大きくなる。その結果、大電流放電時の
電池特性が向上したものと考えられる。
【0049】以上のように、実施例1及び実施例2
は、高分子材料の難溶性溶媒に可溶な塩を高分子溶液に
加えられ、この塩が難溶性溶媒に溶解するため、表面部
が多孔質化される。その結果、スポンジ状の中央部と、
該中央部に比べて孔径の小さい空孔を緻密に有する表面
部とを備える多孔質被膜が形成される。この多孔質被膜
では、イオン伝達がスムーズに行われ、負荷特性・出力
特性に優れた電池を得ることができる。 (実施例3) 以下のようにしてそれぞれ形成した正極及び負極を用い
た他は、実施例1と同様にしてリチウム二次電池を作製
した。
【0050】正極については次のようにして形成した。
先ず、87重量部のLiMn24 からなる正極活物質
と、10重量部の人造黒鉛からなる導電材と、3重量部
のポリフッ化ビニリデンからなる結着剤とを混合して正
極合剤を調製した。この正極合剤をAl箔上に塗布した
後、プレス成形してシート状の正極を形成した。
【0051】負極については次のようにして形成した。
先ず、95重量部のMCMBからなる負極活物質と、
4.7重量部のSBRと、0.3重量部のCMC(カル
ボキシルメチルセルロース)からなる結着剤を含む合剤
をCu箔上に塗布後、プレス成形してシート状の負極を
形成した。続いて、固形分濃度が25重量%のポリフェ
ニレンエーテル(GEプラスチック社製、PPO53
4)と、リチウムビストリフルオロスルホニルイミドと
をそれぞれNMPに溶解して、高分子溶液を調製した。
なお、ここでは、リチウムビストリフルオロスルホニル
イミドが高分子溶液全体に対して5重量%含有されるよ
うに、高分子溶液を調製した。
【0052】こうして得られた高分子溶液を、負極の表
面上にブレードコータを用いてほぼ均一な厚さで一様に
塗布した。この高分子溶液が塗布された負極を水中に2
分間浸漬し、引き上げて乾燥した。その結果、負極上に
多孔質被膜が形成された。この多孔質被膜の表面を走査
型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察した結果、図3の
SEM写真に写されているように、最大孔径が80nm
の空孔が緻密に存在していることがわかった。
【0053】一方、その多孔質被膜の断面をSEMを用
いて観察した結果、図4のSEM写真に写されているよ
うに、多孔質被膜が電極上に一体的に形成されているこ
とがわかった。次いで、多孔質被膜の表面付近の厚み方
向の断面をさらに詳細に観察した結果、表面より1μm
以内では図5のSEM写真に写されているように、小さ
な空孔が緻密に存在することが確認できるとともに、フ
ィブリルが比較的細く、長径及び短径も比較的揃ってい
ることがわかった。
【0054】また、多孔質被膜の中央付近の厚み方向の
断面をさらに詳細に観察した結果、図6のSEM写真に
写されているように、空孔がスポンジの空孔のように存
在していることがわかった。従って、本実施例で形成さ
れた多孔質被膜は、SEMによる観察の結果、スポンジ
状の中央部と、該中央部に比べて孔径の小さい空孔を緻
密に有する表面部とを備えていることがわかった。 (実施例4) 多孔質被膜を次のように負極の表面上に形成した他は、
実施例3と同様にしてリチウム二次電池を作製した。
【0055】実施例3で用いたポリフェニレンエーテル
と同じものと、リチウムビストリフルオロスルホニルイ
ミドとをそれぞれNMPに溶解して、高分子溶液を調製
した。ここでは、リチウムビストリフルオロスルホニル
イミドが高分子溶液全体に対して2.5重量%含有され
るように、高分子溶液を調製した。こうして得られた高
分子溶液を、負極の表面上にブレードコータを用いてほ
ぼ均一な厚さで一様に塗布した。この高分子溶液が塗布
された負極を水中に2分間浸漬し、引き上げて乾燥し
た。その結果、負極の表面上に多孔質被膜が形成され
た。 (実施例5) 多孔質被膜を次のように負極の表面上に形成した他は、
実施例3と同様にしてリチウム二次電池を作製した。
【0056】実施例3で用いたポリフェニレンエーテル
と同じものと、リチウムビストリフルオロスルホニルイ
ミドとをそれぞれNMPに溶解して、高分子溶液を調製
した。ここでは、リチウムビストリフルオロスルホニル
イミドが高分子溶液全体に対して1.25重量%含有さ
れるように、高分子溶液を調製した。この高分子溶液を
負極の表面上に、ブレードコータを用いてほぼ均一な厚
さで一様に塗布した。この高分子溶液が塗布された負極
を水中に2分間浸漬し、引き上げて乾燥した。その結
果、負極の表面上に多孔質被膜が形成された。 (実施例6) 多孔質被膜を次のように負極の表面上に形成した他は、
実施例3と同様にしてリチウム二次電池を作製した。
【0057】実施例3で用いたポリフェニレンエーテル
と同じものをNMPに溶解して、高分子溶液を調製し
た。この高分子溶液を負極の表面上に、ブレードコータ
を用いてほぼ均一な厚さで一様に塗布した。この高分子
溶液が塗布された負極を水中に2分間浸漬し、引き上げ
て乾燥した。その結果、負極の表面上に多孔質被膜が形
成された。 (実施例3〜6のリチウム二次電池の放電容量の測定) 上記のように作製された実施例3〜6の各リチウム二次
電池について、次の充放電条件によってそれぞれ放電容
量を測定した。
【0058】1mA/cm2 の定電流、4.2Vの定電
圧で合計4時間充電した後、0.5〜12mA/cm2
の定電流で放電を行った。各リチウム二次電池の放電容
量の測定結果をそれぞれ表2及び図7に示す。なお、図
7では、測定された放電容量を、正極合剤1g当たりの
量に換算して示した。
【0059】
【表2】 表2及び図7より、実施例3〜5の各リチウム二次電池
では、いずれも実施例6に比較して、放電負荷特性に優
れていることがわかった。従って、この結果から、リチ
ウム塩として、リチウムビストリフルオロスルホニルイ
ミドを用いることにより、表面の緻密な層の多孔化が可
能になることがわかる。
【0060】また、表2及び図7より、実施例6のリチ
ウム二次電池では、0.5mA/cm2 の低電流のとき
では十分な容量が得られにくいのに対し、実施例3〜6
のリチウム二次電池では、0.5mA/cm2 の低電流
のときでも十分な容量が得られることがわかる。特に、
実施例5のリチウム二次電池では、高電流の時にも優れ
た特性が得られることがわかる。これらの結果から、リ
チウム塩の濃度を高分子材料に対して5重量%〜20重
量%にすると、低電流及び高電流のいかなる電流によっ
ても十分に高い放電容量を容易に得ることができること
がわかる。
【0061】なお、本発明のリチウム二次電池は上述の
実施例のコイン型に限られるものではなく、円筒型であ
ってもよい。例えば、図8及び図9に示されるように、
心棒10、巻回電極20、電池ケース30、及び電池ケ
ース30内に保持された非水電解液(図示せず)からな
るリチウム二次電池とすることができる。図8及び図9
に示したリチウム二次電池は、負極の表面に多孔質被膜
が一体的に形成されたものである。
【0062】心棒10は、一端側に設けられる正極端子
部11と、他端側に設けられる負極端子部12と、正極
端子部11及び負極端子部12の間に介在して正極端子
部11及び負極端子部12を連結する連結ピン13とか
らなる。正極端子部11は、有底円筒状の本体部111
と、本体部111の一端側に一体的に形成されたフラン
ジ112と、フランジ112より突出し外周にネジ山が
形成された突出部113とからなり、それぞれ導電体材
料により一体的に成形されてなる。負極端子部12も正
極端子部11と同様に、有底円筒状の本体部121と、
本体部121の他端側に一体的に形成されたフランジ1
22と、フランジ122より突出し外周にネジ山が形成
された突出部123とからなり、それぞれ導電体材料に
より一体的に成形されてなる。連結ピン13は、正極端
子部11及び負極端子部12を絶縁するため絶縁材料に
よりなり、中央部にリング状の突部131を有する。
【0063】巻回電極20は、帯状の正極21と帯状の
負極22とが、渦巻き状に巻回されて形成されたもので
ある。正極21は、集電体211と、この集電体211
の両面に形成された正極活物層212とからなる。集電
体211は、数10μm以下の薄いアルミニウム箔から
なる。正極活物層212は、リチウムマンガン酸化物及
び導電材が結着剤で結着されて形成されたものである。
【0064】負極22は、集電体221と、この集電体
221の両面に設けられた負極活物質222と、負極活
物質の表面上に形成された多孔質被膜23とからなる。
負極22の集電体221は、数10μm以下の薄い銅箔
からなる。負極活物質222は、カーボンなどからな
る。巻回電極20は、正極21及び負極22が巻回軸方
向に対してそれぞれ反対方向にずらされて巻回されて形
成されたものであり、その軸方向端より突出した集電体
よりなる突出端部213(上端側)及び突出端部223
(下端側)を有する。すなわち、正極21の突出端部2
13と負極22の突出端部223とは、巻回軸長方向に
沿って互いに背向する方向へ突出している。
【0065】この巻回電極20は、正極21及び負極2
2を公知の巻回方法によって巻回して形成することがで
きる。正極21の突出端部213は、求心方向に延びて
その先端部で正極端子部11に接合されている正極集電
板214に溶接されている。すなわち、正極21は、突
出端部213及び正極集電板214を介して正極端子部
11に電気的に接続されている。また、負極22の突出
端部223は、求心方向に延びてその先端部で負極端子
部12に接合されている負極集電板224に溶接されて
いる。すなわち、負極22は、突出端部223及び負極
集電板224を介して負極端子部12に電気的に接続さ
れている。
【0066】ケース30は、金属製の筒部31と、筒部
31の両端の開口を塞ぐ蓋部32、32とから構成され
ている。蓋部32、32はそれぞれ中心部に貫通孔を有
する。これら蓋部32、32の貫通孔に、心棒10の正
極端子部11及び負極端子部12の突出部113、12
3が絶縁パッキング33、33を介して装着される。そ
して、雌ねじを有する平ワッシャー状のナット34、3
4が正負の突出部113、123に螺合されることによ
り、蓋部32、32が固定されて筒部31の開口を封止
し、電池内が密閉されている。
【0067】非水電解液は、エチレンカーボネートなど
を含む有機溶媒にLiPF6 などのリチウム塩を溶解さ
せて調製したものである。
【0068】
【効果】本発明のリチウム二次電池は、高エネルギー密
度・高出力密度を有するため、携帯用電子機器や自動車
のバッテリーとして利用することができる。また、本発
明のリチウム二次電池では優れた生産性が得られるた
め、従来の電池に比べて製造コストが小さくなる。
【0069】本発明のリチウム二次電池用電極の製造方
法では、多孔質被膜を電極の表面上に薄くかつ均一に形
成することができるため、本製造方法で得られた薄い電
極を用いれば、セパレータが占めていた体積量だけ電極
の占める体積を増やすことができる。その結果、電池容
量が大きくなり、電池のエネルギー密度が高くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1のリチウム二次電池において、その
構造を概略的に示す縦断面図である。
【図2】 実施例1及び実施例2の各リチウム二次電池
について、それらの充放電サイクル特性をそれぞれ示す
グラフである。
【図3】 実施例3のリチウム二次電池において、その
負極に形成された多孔質被膜の表面の様子を10万倍に
拡大して示すSEM写真である。
【図4】 実施例3のリチウム二次電池において、その
負極に形成された多孔質被膜の断面を2000倍に拡大
して示すSEM写真である。
【図5】 実施例3のリチウム二次電池において、その
負極に形成された多孔質被膜の表面付近の厚み方向の断
面を5万倍に拡大して示すSEM写真である。
【図6】 実施例3のリチウム二次電池において、その
負極に形成された多孔質被膜の中央付近の厚み方向の断
面を5万倍に拡大して示すSEM写真である。
【図7】 実施例3〜6の各リチウム二次電池につい
て、それらの放電負荷特性をそれぞれ示すグラフであ
る。
【図8】 本発明のリチウム二次電池として用いること
のできる円筒型電池を概略的に示す電池の断面図であ
る。
【図9】 図8の要部(巻回電極20)の断面を拡大し
て概略的に示す拡大断面図である。
【符号の説明】
1:正極 1a:正極集電体 1b:正極活物質層
2:負極 2a:負極集電体 2b:負極活物質層 2
c:多孔質被膜 3:非水電解液 4:正極ケース
5:負極ケース 6:ガスケット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 細川 徳一 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式 会社デンソー内 (72)発明者 新開 竜一郎 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式 会社デンソー内 (56)参考文献 特開 平8−124562(JP,A) 特表 平9−510045(JP,A) 国際公開97/8763(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 10/40 H01M 4/02 H01M 4/04 H01M 4/62

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リチウムイオンを放出できる正極と、該
    正極から放出された該リチウムイオンを吸蔵および放出
    できる負極と、該正極と該負極との間で該リチウムイオ
    ンを移動させる電解質と、を備えるリチウム二次電池に
    おいて、前記正極及び前記負極の少なくとも一方は、他
    方との対向面にセパレータに代わる多孔質被膜を一体的
    有し、前記多孔質被膜を一体的に有する前記正極およ
    び前記負極の少なくとも一方は、水酸基を有する水溶性
    高分子材料と、該水酸基と反応する官能基を有する架橋
    剤とからなる結着剤が用いられて形成されていることを
    特徴とするリチウム二次電池。
  2. 【請求項2】 前記架橋剤が、シランカップリング剤、
    チタンカップリング剤、尿素ホルマリン樹脂、メチロー
    ルメラミン樹脂、グリオキザール及びタンニン酸の少な
    くとも一種であることを特徴とする請求項1に記載のリ
    チウム二次電池。
  3. 【請求項3】 前記水溶性高分子材料が、カルボキシメ
    チルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロー
    ス、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸塩及びポリ
    エチレンオキサイドの少なくとも一種である請求項1に
    記載のリチウム二次電池。
  4. 【請求項4】 前記水溶性高分子材料に対する前記架橋
    剤の添加量が、水溶性高分子に含まれる水酸基の数と同
    数以上の加水分解基を有する量であることを特徴とする
    請求項1に記載のリチウム二次電池。
  5. 【請求項5】 正極活物質及び負極活物質のいずれか一
    方の活物質が保持される電極体を成形する電極体成形工
    程と、高分子材料が溶解した高分子溶液を前記電極体の
    表面に塗布する高分子塗布工程と、前記高分子溶液が塗
    布された電極体を前記高分子材料に対して難溶性の液に
    曝すことにより高分子材料を析出させる高分子析出工程
    と、前記高分子析出工程で得られた電極体を乾燥して析
    出高分子材料を多孔質被膜とする乾燥工程とからなり、
    前記高分子溶液には塩が溶解されていることを特徴とす
    るリチウム二次電池用電極の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記高分子材料は、ポリベンズイミダゾ
    ール、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイ
    ミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエー テルスルホ
    ン、ポリスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリ
    メチルペンテン、アラミド、ポリビニリデンフロライ
    ド、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブ
    チレンテレフタレート、ポリアリレート、ポリアセター
    ル及びポリフェニレンエーテルの少なくとも一種であっ
    て、該高分子材料を溶解させる溶媒は、N−メチル−2
    −ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホ
    アミド、ジグライム、トルエン、キシレン、ジメチルア
    セトアミド、ジクロロメタン、シクロヘキサン及びシク
    ロヘキサノンの少なくとも一種であるとともに、該高分
    子材料に対して難溶性の液は、水、アルコール及びケト
    ンの少なくとも一種である請求項5に記載のリチウム二
    次電池用電極の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記塩は塩化リチウム、硝酸リチウム、
    ヨウ化リチウム、テトラフルオロほう酸リチウム、リチ
    ウムビストリフルオトメチルスルホニルイミド、6フッ
    化ひ酸リチウムの少なくとも一種である請求項5に記載
    のリチウム二次電池用電極の製造方法。
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