JP4604469B2 - 多孔膜、その製造方法及び装置 - Google Patents
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脂本来のイオン伝導性などの特性が大幅に低下するといった問題点を有していた。ポリベンザゾール系のポリマーネットワークを補強材とする複合体において、このような高濃度の液晶ドープからポリベンザゾール系ポリマー多孔膜を作るとポリマーネットワークの間隙が小さくなるために、他成分ポリマー溶液の均一含浸が難しくなる。
上記Ar1は、下記一般式で表されるものが好ましい。
Ar2は、下記一般式で表されるものが好ましい。
Ar3は、下記一般式で表されるものが好ましい。
特許文献B:米国特許第4533692号明細書
特許文献C:米国特許第4533724号明細書
特許文献D:米国特許第4533693号明細書
特許文献E:米国特許第4539567号明細書
特許文献F:米国特許第4578432号明細書
ポリイミド系構成単位の例としては、下記一般式で表されるものが挙げられる。
これらポリアミドイミド構成単位の具体例としては、下記構造式で表すものを例示することができる。
これらポリオキシジアゾール系構成単位の具体例としては、下記構造式で表すものを例示することができる。
これらポリアゾメチン系構成単位の具体例としては、下記構造式で表すものを例示することができる。
これらポリベンザゾールイミド系構成単位の具体例としては、下記構造式で表すものを例示することができる。
察する。
ない。
走査型電子顕微鏡(SEM)による構造観察は以下の方法で行った。まず、水洗した多孔
膜内部の水をエタノールに置換、さらに酢酸イソアミルに十分置換した後、日立製臨界点乾燥装置(HCP−1)を用いて、CO2臨界点乾燥を施した。このようにして臨界点乾燥した多孔膜に厚さ150オングストロームの白金コートを施し、日立製SEM(S−800)を用いて加速電圧10kV、試料傾斜角度30度で観察を行った。
フィブリル径の計測は以下の方法で行った。形成された多孔膜の表面を走査型電子顕微
鏡(SEM)で観察し、10,000倍に焼付けした写真を200倍に拡大し、その拡大し
た写真上で150本のフィブリルを計測することにより求めた。
多孔膜の表面開孔率は次の方法により測定した。走査型電子顕微鏡(SEM)で撮影した多孔膜の表面の写真上で5μm角に相当する視野を選び、膜の外表面に相当するポリマー部分を白、それ以外の部分を黒に色分けした後、スキャナーを用いて画像をコンピューターに取り込み、米国Scion社製の画像解析ソフトScion Imageを用いて画像中の黒部分が占める比率を測定した。この操作を一つのサンプルに対して重複しない3視野について行い、その平均を表面開孔率とした。
接触角度の測定は以下の方法で行った。接触角度の値は、液滴法で温度20℃、相対湿度65%RHにおける値であり、接触角度を測定する装置としては協和界面科学社製CA−X型を用いた。液滴は先端部が基板に対して平行となっているポリテトラフルオロエチレン製の注射針をセットしたシリンジにポリマー溶媒を充填し、押出すことで調整する。液滴の直径が1.8mmになるよう膨らませて停止させ、その状態時に基板を液滴に接触させる。基板を液滴に接触させたら基板を下方面に移動させ液滴を注射針より離し、液滴が注射針より離れた時点で移動を停止させ、その状態から10秒後の液滴の状態において接触角度を測定した。この測定を10回実施して、その平均値を接触角度の値としている。測定を行う基板については、測定前に有機溶剤や中性洗剤等を用いて十分に洗浄を行った後に蒸留水を用いて超音波洗浄を行った。その後、十分に乾燥を行った後、乾燥雰囲気に保たれたデシケーターの中で保管した。測定は、乾燥雰囲気より取り出して30分以内に終わるように速やかに測定を実施した。
メタンスルホン酸を溶媒として、0.5g/Lの濃度に調整したポリマー溶液の粘度をウベローデ型粘度計を用いて25℃恒温槽中で測定し、算出した。
前記ポリベンザゾール系多孔膜を支持体とした膜に他成分ポリマーを含浸した際の含浸率は以下の方法により測定した。複合膜の目付けDc[g/m2]を測定し、複合膜の作製に用いた同じ支持体膜に他成分ポリマーを複合化させずに乾燥させて測定した乾燥支持体膜の目付けDs[g/m2]とから、以下の計算により他成分ポリマーの含浸率を求めた。
他成分ポリマー含浸率[重量%]=(Dc−Ds)/Dc×100
プロトン導電率σは次のようにして測定した。自作測定用プローブ(ポリテトラフルオロエチレン製)上で幅10mmの短冊状膜試料の表面に白金線(直径:0.2mm)を押しあて、80℃、相対湿度95%の恒温恒湿槽中に試料を保持し、白金線間の10kHzにおける交流インピーダンスをSOLARTRON社1250FREQUENCY RESPONSE ANALYSERにより測定した。極間距離を10mmから40mmまで10mm間隔で変化させて測定し、極間距離と抵抗測定値をプロットした直線の勾配Dr[Ω/cm]から下記の式により膜と白金線間の接触抵抗をキャンセルして算出した。
σ[S/cm]=1/(膜幅×膜厚[cm]×Dr)
ポリ燐酸中にIV=24dL/gのポリパラフェニレンシスベンゾビスオキサゾールポリマーを14重量%含んだドープにメタンスルホン酸を加えて希釈し、ポリパラフェニレンシスベンゾビスオキサゾール濃度0.5重量%の溶液を調製した。できあがった溶液を
スライドガラスに挟み、偏光顕微鏡(ニコン製ECLIPSE E600 POL)を用いてクロスニコル視野で観察することで等方性溶液であることを確認した。この溶液を、25℃に調整したガラス板上にクリアランス300μmのアプリケーターを用いて、製膜速度5mm/秒で製膜した。このようにしてガラス基板上に製膜したドープ膜を、製膜に用いたガラス板上、25℃、相対湿度80%の恒温恒湿槽(ナガノ科学機械製作所製:LH21−14P)中で1時間凝固した後、洗液がpH7±0.5を示すまで水洗を行って膜を作成した。また、製膜基板としたガラス板とポリベンザゾールポリマーの良溶媒として用いたメタンスルホン酸の接触角度を測定した結果、接触角度は26.0°であった。得られた膜について、走査型電子顕微鏡による構造解析を行ったところ、両面に開口部を有する多孔膜であることを確認した。基板に接していない側の表面の走査型電子顕微鏡写真を図1に、基板に接している側の表面の走査型電子顕微鏡写真を図2に示した。図1に示す基板に接していない側の表面には、直径d(μm)が0.003≦d≦0.3を満たすフィブリルが3次元ネットワーク構造を形成しており、表面開孔率も40%であった。一方、図2に示す基板に接している側の表面では、直径d(μm)が0.01≦d≦0.3を満たすフィブリルの3次元ネットワーク構造の形成ならびに表面開孔率28%を満たす構造の形成が実現できた。すなわち、多孔膜両表面ともにフィブリル直径d(μm)が0.001≦d≦1を満たし、かつ表面開孔率が20%以上を満たす構造が形成でき、多孔性に優れたポリベンザゾールポリマー多孔膜を製造することができる。
ポリ燐酸中にIV=23.8dL/gのポリパラフェニレンシスベンゾビスオキサゾールポリマーを14重量%含んだドープにメタンスルホン酸を加えて希釈し、ポリパラフェニレンシスベンゾビスオキサゾール濃度1.5重量%の溶液を調製した。できあがった溶液を実施例1で示したのと同じ方法で等方性溶液であることを確認した。この溶液を、90℃に加熱したガラス板上にクリアランス300μmのアプリケーターを用いて5mm/秒で製膜した。このようにしてガラス板上に製膜したドープ膜をそのまま25℃、相対湿度80%の恒温恒湿槽中に置いて1時間凝固し、生成した膜を洗液がpH7±0.5を示すまで水洗を行って膜を作成した。また、製膜基板としたガラス板とポリベンザゾールポリマーの良溶媒として用いたメタンスルホン酸の接触角度を測定した結果、接触角度は28°であった。得られた膜について、走査型電子顕微鏡観察を行った結果、基板に接していない側の表面は図1と同様の形態であった。また、図3に示した基板に接している側の表面では、直径d(μm)が0.03≦d≦0.7を満たすフィブリルの3次元ネットワーク構造の形成ならびに表面開孔率が23%を満たす構造の形成が実現できた。すなわち、実施例1と同様に多孔膜両表面ともに直径d(μm)が0.001≦d≦1を満たすフィブリルの形成ならびに両表面の開孔率20%以上を満たす構造が形成でき、多孔性に優れたポリベンザゾールポリマー多孔膜を製造することができる。このようにして得られた多孔膜を実施例1で示したのと同じ方法で、含浸性を評価する実施例2の複合膜として調整した。このようにして調整した複合膜のイオン交換樹脂の含浸率は75%以上であった。
ポリ燐酸中にIV=24.1dL/gのポリパラフェニレンシスベンゾビスオキサゾールポリマーを14重量%含んだドープにメタンスルホン酸を加えて希釈し、ポリパラフェニレンシスベンゾビスオキサゾール濃度1重量%の溶液を調製した。できあがった溶液を実施例1で示したのと同じ方法で等方性溶液であることを確認した。この溶液を、実施例2で示したのと同じ方法で製膜、凝固、水洗し、膜とした。また、製膜基板としたガラス板とポリベンザゾールポリマーの良溶媒として用いたメタンスルホン酸の接触角度を測定した結果、接触角度は36.3°であった。得られた膜について、走査型電子顕微鏡観察を行った結果、基板に接していない側の表面は図1と同様の形態であった。一方、基板に接している側の表面の走査型電子顕微鏡写真を図4に示した。図からもわかるように、基板に接している側の表面においては緻密な構造を形成しており、直径d(μm)が0.001≦d≦1を満たすフィブリルの形成ならびに表面開孔率が共に20%以上を満たす構造の形成が実現できなかった。すなわち、多孔膜両表面ともに直径d(μm)が0.001≦d≦1を満たすフィブリルの形成ならびに両表面の開孔率20%以上を満たす構造が形成できず、多孔性に優れたポリベンザゾールポリマー多孔膜を製造することはできなかった。このようにして得られた多孔膜を実施例1で示したのと同じ方法で、含浸性を評価する比較例1の複合膜として調整した。このようにして調整した複合膜のイオン交換樹脂の含浸率は60%以下であった。
ポリ燐酸中にIV=24dL/gのポリパラフェニレンシスベンゾビスオキサゾールポリマーを6重量%含んだドープを2Lのフラスコで重合した。できあがったドープをスライドガラスに挟み、リンカムホットステージで温調して偏光顕微鏡(ニコン製ECLIPSE E600 POL)を用いクロスニコル視野で観察した。濃度6%溶液では、140℃以下の温度では光学異方性溶液であり、140℃で部分的に異方相が消失して等方相との混相状態になることが確認された。この溶液を、90℃に加熱したガラス板上にクリアランス300μmのアプリケーターを用いて製膜速度5mm/秒で製膜した。このようにしてガラス板上に製膜したドープ膜をそのまま25℃、相対湿度80%の恒温恒湿槽中に置いて1時間凝固し、生成した膜を洗液がpH7±0.5を示すまで水洗を行って膜を作成した。また、基板としたガラス板とポリベンザゾールポリマーの良溶媒として用いたポリリン酸の接触角度を測定した結果、接触角度は28.2°であった。得られた膜について、走査型電子顕微鏡観察を行った結果、基板に接していない側の表面および基板に接している側の表面は共に図4と同様な緻密な構造を形成しており、直径d(μm)が0.001≦d≦1を満たすフィブリルの形成ならびに表面開孔率が共に20%以上を満たす構造が形成できず、多孔性に優れたポリベンザゾールポリマー多孔膜を製造することはできなかった。このようにして得られた多孔膜を実施例1で示したのと同じ方法で、含浸性を評価する比較例2の複合膜として調整した。このようにして調整した複合膜のイオン交換樹脂の含浸率は10%以下であった。
Claims (4)
- ポリベンザゾール系ポリマーからなり、3次元フィブリルネットワーク構造からなる微細孔を有する多孔膜において、該フィブリルの平均直径d(μm)が0.01≦d≦0.1、であり、該フィブリルの直径d’(μm)が0.001≦d≦1の範囲であり、表面の開孔率がいずれの面においても20%以上であることを特徴とする多孔膜。
- 良溶媒に溶解した、濃度が3質量%以下のポリベンザゾール系ポリマー溶液を、ポリベンザゾール系ポリマー溶液に対する接触角が30°以下である製膜基板に流延し、ポリベンザゾール系ポリマーの貧溶媒に接触させることによって、ポリベンザゾール系ポリマーを凝固させることを特徴とするポリベンザゾール系ポリマー多孔膜の製造方法。
- 貧溶媒が水又は水溶液であることを特徴とする請求項2に記載のポリベンザゾール系ポリマー多孔膜の製造方法。
- 貧溶媒が水蒸気であることを特徴とする請求項3に記載のポリベンザゾール系ポリマー多孔膜の製造方法。
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