JP3368076B2 - タイヤ補強用スチールコード及びこれを用いたラジアルタイヤ - Google Patents

タイヤ補強用スチールコード及びこれを用いたラジアルタイヤ

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はタイヤ補強用のスチール
コード及びこれを使用したラジアルタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術及びその技術的課題】ラジアルタイヤにお
いてはゴム補強手段としてスチールコードが汎用されて
いる。たとえば乗用車用の小型ラジアルタイヤにはベル
トの補強用に、また、トラック・バス用の大型ラジアル
タイヤにはベルトやカーカスの補強用として使用されて
いる。いずれの場合も、スチールコードとゴムとの接着
状態が完全でないと、走行するうちにスチールコードと
ゴムとの間で剥離(セパレーション)現象を起こす。ま
た、外部から浸入した水分がスチールコードとゴムが接
着していない部分を伝わって錆が広がり、スチールコー
ドの著しい破断荷重の低下やセパレーションを促進し、
タイヤの機能低下や寿命を著しく短くする原因となる。
このような問題に対応するためには、ゴムをスチールコ
ードの中心部まで浸透させて各素線の外周にゴムが行き
渡り、よく接着するようにする必要がある。
【0003】ところで、ベルトは自動車の操縦安定性を
確保する面から高い剛性が求められ、したがって、これ
に用いるスチールコードは素線径が比較的太くかつ素線
本数が少ないのが通常である。これに対して、カーカス
は自動車の重量を支えるための高い強力と耐疲労性が求
められることから、スチールコードは素線径が比較的細
くしかも素線本数が多いのが通常である。一般にスチー
ルコードは複数本の素線(フィラメント)を撚り合わせ
たもので、その製造法から区別すると、各素線を一度に
撚り合わせた構造(1×n構造)と、素線を複数回撚り
合わせてなる構造(1×n+m,1×n+m+lなどの
構造)があり、これらは補強対象部位により要求特性が
異なるため使い分けられているが、コストの面などから
前者の構造が好ましいといえよう。そこで従来ベルト補
強用として3本ないし6本の素線を一度撚りしたものが
使用され、ことに前記のようなゴム浸透性をよくするた
め各素線をルーズに撚り合わせて素線間に隙間を設けた
いわゆるオープンコードが提案されている。しかしなが
ら、このようなコードにおいては、素線同士の接触が一
定していないため、撚りが不安定になったり、各素線間
の隙間が安定せず、タイヤ成型後の加硫時にゴムに押圧
されて隙間が狭くなったり偏りができたりしてゴム浸透
が不確実になるという難点がある。また、コードの中心
部に素線がない状態のため、コード剛性が不足になる難
点もある。一方、カーカスの補強用として、従来12な
いし27本の素線を撚り合わせたものが用いられ、ゴム
浸透性をよくするため芯部に配置した3本の素線の径を
側に配置した素線の径よりも大きくして側素線間に隙間
を設けるようにしたものも提案されている。しかしなが
ら、この構造のスチールコードにおいても、芯に配置し
た3本の素線はその中心部に閉塞した空間部が形成され
る。このため空間部へのコム浸透性は依然として悪く、
製造上も側素線間の隙間も均一になりにくく、不安定で
ある。このためゴム浸透性は十分でない。
【0004】本発明は前記のような問題点を解消するた
めに創案されたもので、その目的とするところは、一回
の撚り合わせて製造される単純な構造であるにもかかわ
らず、コード中心部へのゴム浸透性が確実かつ安定して
おり、かつ耐フレッティング性および座屈性能が良好で
軸方向の圧縮に対しても変形しにくいすぐれたタイヤ補
強用スチールコードを提供することにある。また本発明
の他の目的はスチールコードとの一体性が良好であり、
高寿命で性能のよいラジアルタイヤを提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記第1の目的を達成す
るため本発明は、3本以上の素線を同一方向に同一ピッ
チで一度に撚り合わせた1×nのスチールコードにおい
て、前記素線がコードの撚りくせのピッチよりも小さい
ピッチの波くせを持ち、かつ撚り合わせ状態において、
素線同士が交差することなく平行に並んだ部分と素線が
入れ替わり交差した部分がコードの長手方向で交互に繰
り返され、素線同士の交差によってアイ状の口開きが創
成されるとともに、コード長手方向と直角の断面が逐次
変化し随所で開輪郭をなしている構成としたものであ
る。好適な態様としては、素線数が3〜6本で、コード
を構成する各素線がコード外径側からコード中心側に進
入し再びコード外径側に移動して隣接する素線が互いに
入れ替わるが如く交差しているものが挙げられる。ま
た、素線数が7〜19本で、コードを構成する各素線が
コード外径側からコード中心側に進入し再びコード外径
側に移動したり、コード中心側からコード外径側に移動
し再びコード中心側に進入したり、あるいはコード外径
側の隣接する素線が互いに入れ替わるというように素線
の互いに交差している部分が所定頻度で存在しているも
のが挙げられる。本発明において、素線は直径が0.1
0〜0.45mmで表面にはゴムとの接着性を付与する
ため、真鍮めっきが施される。第2の目的を達成するた
め本発明は、上記スチールコードをベルト又は/及びカ
ーカスの少なくとも1枚のベルトの補強材として埋設し
た構成としたものである。
【0006】
【作用】本発明はまずコード撚り構造を同一撚り方向か
つ同一撚りピッチの単撚りタイプとしている。したがっ
てコスト低減の面で効果的である。そして、撚り合わせ
る前の各素線に、コードの撚りピッチよりも小さいピッ
チの二次元的または三次元的(螺旋状)な波くせ付けを
施し、こうした波くせを有する3本以上の素線を撚り合
わした構成としている。しかも、撚り合わせた状態で素
線同士が交差しない部分と交差する部分がコード長手方
向で混在している。このため素線そのものの波くせによ
り素線間に隙間が形成されることに加え、交差部では隣
接する素線と素線のクロスにより大きなアイ状(ヒステ
リシスカーブ状)の隙間が形成され、また交差部では素
線同士が互いに拘束されるため、前記隙間の大きさと位
置はしっかりと固定され、外力が加わっても変化しな
い。これらのことから、スチールコードをゴム層に埋め
込んだときに大きな隙間を通してコード中心部にゴムが
スムーズに浸入し、隙間なく充填されるとともに各素線
の表面を確実に覆うことができる。しかも、素線にコー
ド撚り合せ用の波と異なるピッチで波くせを付けるとと
もにコード長手で随所に開輪郭部を形成しているため、
コードの表面積が実質的に大きくなり、ゴムとの付着力
が向上し、ゴムとの一体化が十分になされる。したがっ
て剥離現象や浸入水分による発錆が防止され、耐久性が
向上する。また、素線同士が交差しない部分は隣接する
素線が平行に並んでいるため締まって安定した撚り状態
にあり、素線の交差した部分では素線がお互いに拘束し
あっている。このためコード軸方向に圧縮力が作用した
ときにも、バードケージ形に素線が拡開し難くなり、座
屈性能を向上することができる。またコードの定尺切断
時等においても切断部のコードばらけが生じないので、
取り扱い性もよくなる。以上のようなことから、本発明
によるスチールコードはゴム浸透性、耐フレッティング
性および座屈性能がよく、これに伴い耐疲労性もよくす
ることができる。また、このスチールコードをベルト又
は/及びカーカスに使用することによりすぐれた機能の
ラジアルタイヤとすることができる。
【0007】以下本発明を添付図面に基いて詳細に説明
する。図1と図2は本発明を適用した1×4構造のタイ
ヤ補強用スチールコードを部分的に示している。1ない
し4は素線であり、直径が0.10〜0.45mmの炭
素鋼線の表面に真鍮めっきを施している。前記素線1,
2,3,4は同一撚り方向でかつ同一撚りピッチで一度
に撚り合わされていることは通常の一括撚りコードと同
様である。 しかし、本発明においては、通常の一括
撚りコードのように直線状態の素線をしかも素線同士を
ほぼ平行に整然と撚り合わせているのではなく、素線
1,2,3,4にコードに撚り合わせたことによる波付
けのほかに、コード撚りピッチよりも短いピッチLで波
くせ10,10が施され、さらに、素線同士が交差する
部分が組み込まれて故意に撚りが乱されている。図1
(b)は撚り合わせた後に解撚した1本の素線を取り出
して示している。ここで、素線1,2,3,4の波付け
はコード撚り合わせ前に行われる。コードの撚りピッチ
より短いピッチの波くせを付ける理由は、素線の波ピッ
チが長いとコードを撚り合わせるときに素線に掛かって
いる張力により波が伸びてしまい、コードになったとき
に波が残しにくくなることと、タイヤ成型後の加硫工程
でコードが加硫圧やゴムに押圧されたとき、素線が移動
しやすくなって、素線間間隙が減少したり、隙間が偏っ
たりしてゴム浸透性が低下し、好ましくないからであ
る。波くせ10,10は螺旋状が好ましいが、場合によ
っては二次元的な波であってもよい。これは、後述する
ように波付け手段を選択することによって可能である。
【0008】本発明のコードは、図1(a)のように、
コード長手方向において、任意の素線同士が交差するこ
となく平行に並んだ部分aと、任意の素線が互いに交差
した部分bを有し、交差部分bにはアイ状口開きが創成
されることによってコード軸線中心に通じる隙間cが形
成されている。前記平行部分aと交差部分bはコード長
手方向で交互に繰り返され、交差によって素線の位置が
さまざまに変化する。したがって、コードは長手方向と
直角の断面形状が一様でなく、図2のように随所で開輪
郭すなわち外方に口開きしたような形態を呈する特異な
ものとなる。図2は図1(a)のコードを一定間隔ごと
に切断した横断面における素線1,2,3,4,の配列
を模式的に示している。(a)は図1(a)における平
行部分aであり、各素線1,2,3,4は反時計方向に
平行に並んでいる。(b)は素線1がコード中心部に落
ち込む一方、素線4が外周側に移動して素線2,3,4
の間隔が広げられ、交差部bを形成し始めている。
(c)は再び素線1がコード中心から外周側に移動し、
素線2と3との間に割り込んでおり、これによって交差
部分が形成される。(d)は素線4がコード中心部に落
ち込んでおり、(e)は素線4が再び外周側に移動し、
時計方向で1,3,4,2の順で並び、平行部aを形成
している。このように素線間での交差ないし入れ替わり
がコード長手で存在することによってコードの断面形状
が崩されるため素線間の隙間が大きくなり、またその隙
間が素線交差により固定される。一方、交差が繰り返さ
れることによってコード心部の素線と側部の素線がコー
ド長手において略長さが均等化する。
【0009】図3は本発明による1×9構造のスチール
コードについて、1撚りピッチ分を等間隔に9か所横断
したものを模式的に示している。1ないし9は素線を示
しており、図示しないが各素線は予め波状にくせ付けら
れている。図3(a)では素線1が中心部に位置してい
るが、該素線1は(b)ないし(c)のように素線2と
9の間を割り込むように移動し、それとともに素線7が
素線1に隣接しつつ中心側へと移動し、(d)では素線
1が外周に移動し、それまで外周側にあった素線8が
(e)ないし(f)のように中心側へと落ち込み、つい
で、素線8は再び素線3と5の間に割込み、(g)ない
し(h)のように素線8と隣接していた素線1が再びコ
ード中心部へと移動し、(h)ないし(i)のように素
線2が落ち込み始めている。(a)と(i)を比べて明
らかなように素線1ないし9は反時計方向に移動しつつ
1撚りピッチの間で全く入れ替わって随所に隙間を形成
していることがわかる。
【0010】本発明において素線数は少なくとも3本で
あり、これは素線間の交差が可能である最少本数であ
る。上限は19本程度が好ましいといえよう。その理由
は20本以上たとえば27本あるいは37本などにする
と素線数の増加によりコードの長手方向と直角の断面が
多層構造となるため、開輪郭形状が形成されにくくな
り、ゴムがコード中心部まで届きにくくなるからであ
る。いずれにしても本発明のスチールコードは、各素線
が図1(b)で例示するようにコードの撚りピッチより
も小さなピッチの波くせを持ち、しかも、各素線が任意
の順序でコード中心側と外周側の間および外周側で入れ
替わったり、外周側の隣接する素線が入れ替わったりす
る交差サイクルが反復する。これにより、素線の移動の
過程で交差部分が形成され、かつその移動時の素線割込
み位置により平行撚りを構成する相手方の素線が変化す
るものである。素線の交差は外周側の素線同士が交差す
る場合もあるし、外周側と中心側の素線が交差すること
もありうる。また、素線は平行な2本ないしそれ以上の
本数の素線束が他の1本以上の素線と交差することもあ
る。したがって、素線の外周側移動時の位置は図3に示
すような位置に限られるものではない。
【0011】なお、本発明において素線同士が入れ替わ
る交差頻度Fは、コード1撚りピッチ当たり、0.5〜
6.0回が好ましい。その理由は、0.5回よりも少な
いと、口開きの数が少なくなるため隙間形成が不十分に
なってコード中心部へのゴムの浸透量が減少し、また素
線同士の拘束力が不足するため軸方向圧縮力を受けたと
きに素線が広がりやすくなるため適当でないからであ
る。しかし、6.0回よりも多くなると、素線間の隙間
形成や拘束力は良好であるものの、コードに撚り込まれ
る素線の長さにアンバランスが生じて疲労性が低下した
り、素線間の摩擦が大きくなって伸びが少なくなりやす
くなるためこれまた適当でない。前記規定範囲であれ
ば、ゴム浸透性、拘束力、疲労性、伸び等の特性をバラ
ンスよく実現することができる。素線の波付けピッチL
は、コード撚りピッチPとの関係(L/P)で0.25
〜0.55の範囲が好ましい。その理由は、波付けピッ
チLを0.25よりも小さくすることは形状が不均一と
なり、それぞれの素線に均一に負荷がかからず、コード
切断荷重が低下するためである。しかし、0.55より
も大きいと撚り合わせるときに素線にかかっている張力
により波が伸びてしまい、コードになったときに波が残
しにくくなる。またゴム加硫時に低荷重の張力がかかっ
た際に素線隙間が狭くなりやすいためゴム浸透性が低下
する。したがって適当でない。素線の波付け高さHは、
加硫時にコード内部まで浸入できる程度(素線径dとの
比H/dが1.05程度以上)の隙間間隙となるように
選べばよい。但しHが大きすぎるとコードの破断時伸び
が大きくなりすぎるので適当でない。素線の波付けピッ
チLを0.25≦L/P≦0.55の範囲にするとし、
H/dを1.05以上とすることにより生産性(1回撚
りで製造できる)とゴム浸透性及び耐久性をバランスよ
く実現することができる。本発明はコードを構成する素
線の太さが同一であることが基本であるが、場合によっ
ては太さに差があってもよい。また、本発明のコードを
カーカスに使う場合などにおいて、タイヤ成型時にその
プライをビード部で折り曲げた際、コードの反発力で折
り曲げ部が元に戻る力が働くが、この反発力を弱くした
いときには、1本のラッピングワイヤを螺旋状に巻き付
けたコードとしてもよい。
【0012】図4と図5は本発明を適用したラジアルタ
イヤを示しており、図4は乗用車用、図5はトラック・
バス用のラジアルタイヤである。11はカーカス、12
はトレッド、図4の13a、13bと、図5の13a,
13b,13c,13dはそれぞれカーカス11とトレ
ッド12との間に配した複数枚のベルトである。16は
ビードワイヤ、17はフィラーである。前記ベルトの全
部又は一部のものは、図6のように、平行配列のスチー
ルコードAの先端からゴムのトッピングを行ってゴム層
14としこれをタイヤに成形後、加硫することにより作
られている。ゴムは天然ゴム、合成ゴムのいずれでもよ
いが、セパレーションとコード耐久性の面から、50%
モジュラスが10〜40kg/cmであることが好ま
しい。スチールコードAはこの例では1×5構造を用い
ており、このスチールコードをトレッド12に最も近い
ベルト13dあるいはこのベルトとその下の少なくとも
1枚のベルトに埋設している。なお、本発明はベルトだ
けでなくカーカス11のプライにもスチールコードAを
埋設することももちろん含まれる。
【0013】次に本発明のスチールコードを製造する方
法の一例を説明する。本発明によるスチールコードは、
バンチャー式撚線機、チューブラー式撚線機のいずれに
おいても製造できる。撚線機での撚り合わせは通常の1
×nタイプのスチールコードの場合と同じであるが、撚
線機の上流の素線供給ボビンから繰り出した各素線を波
付け用のプリフォーマーに導く。このプリフォーマーは
3本から5本のくせ付けピンを千鳥配置しており、これ
に沿わせて素線を導き、プリフォーマーを素線を軸に公
転させるかまたはこのプリフォーマーを固定したまま、
この後にワイヤツイスターを配置して素線をねじってや
る。これらにより、素線には螺旋状の波くせが付けられ
る。なお、二次元的な波をつける場合には、プリフォー
マーを使わず、互いに噛み合う一対の歯車の間に素線を
通過させればよい。また、撚線機の入口には素線入替え
装置を配置する。そして、前記のように波付けした各素
線をこの装置に通して撚り口前で各素線の張力を変化さ
せて素線同士の入替えを起こさせる。前記素線入替え装
置は、回転軸に対して偏心した数種類のロールを素線に
対して直角に配置する。このロールを回転させるとロー
ルはクランク運動するので、ロール溝に素線を通過させ
ることにより素線の張力が変化し、これにより撚り入口
部で各素線間の入れ替わりが生ずる。その後は通常の撚
り線を行えばコードを製造することができる。すなわ
ち、それらの素線は配線板の穴に任意の配列で通され、
ボイスに導かれ集められ一括撚りされる。こうすれば、
張力の緩められた1本以上の素線(既に波くせ付けされ
た状態にある)は、それまで隣合う素線と接するように
平行に引き揃えられていた状態から、瞬間的に素線束の
中心側に配置され撚り合わされ、引き続き元の張力への
復帰と次の素線の張力弛緩による素線束中心側への移動
によって外周側に移動して隣接する素線と撚り合わされ
る。また、外周側の素線同士も隣接する素線同士が入れ
替わるように移動しながら撚り合わされる。こうした各
素線の外周側−中心側−外周側、中心側−外周側−中心
側、外周側間という移動軌跡により所定順序でかつ周期
的に局部的な素線同士の交差が繰り返されることにな
り、この局部的な交差が撚りを乱して素線間隙間を大き
くするのであり、同時に素線が波付けを受けているため
螺旋形状の複合した形が与えられ、これによってもコー
ドを構成する素線間に隙間が設けられるのである。
【0014】
【具体例】次に本発明の具体例を示す。前記方法で1×
4構造及び1×9構造の本発明コードを製作した。素線
への小さいピッチの波付けは螺旋状とした。素線径は1
×4構造では0.25mm、1×9構造では0.22m
mをそれぞれ使用した。上記各スチールコードの特性を
従来例と比較評価した結果を表1と表2に示す。なお、
表1と表2において、「ゴム浸透性」は、スチールコー
ドを100grの張力下で加硫したのち、コードを分解
してコード内部へのゴム浸透状態を目視観察し、完全な
ものを100として指数評価した。また、「耐久性」
は、コードを100grの張力下でゴム中で加硫して帯
状の試験サンプルを作り、これを25mm径の千鳥配置
したロールに掛けわたし、このロールを左右に移動させ
てコードに繰り返し曲げを与えてコードが破断するまで
の回数を測定したもので、従来例を100として指数評
価した。「曲げ剛性」は長さ70mmのコードサンプル
について、所定角度の曲げを与え、これに要するモーメ
ントの大きさを測定したもので、従来例を100として
指数評価した。
【0015】
【表1】
【0016】
【表2】
【0017】これら表1と表2から本発明のコードは、
ゴム浸透性、耐久性および曲げ剛性が非常にすぐれてい
ることがわかる。
【0018】従って、本発明のスチールコードを図4や
図5のタイヤのベルトやカーカスに使用すれば、そのす
ぐれた特性すなわち、ゴム浸透性が非常によいことか
ら、車両が走行するうちに路面の凹凸や金属片の踏み込
みなどによりスチールコードに達するほどの傷がタイヤ
に入り、この傷を通して水がスチールコードに達しても
発錆はわずかな部分に留まってコード長手方向への錆の
伝播を防止できる。従って、錆にくいことから耐セパレ
ーション性にすぐれたタイヤとなる。また、コードを構
成する各素線のまわりのゴム充填がよいため、フレッテ
ィングが起りにくい。このようなことからタイヤも長寿
命となる。そしてコードとゴムとの一体化が非常によい
ため、複合体としてのタイヤがセパレーションを起さ
ず、その機能を十分に発揮できる。実施例2のスチール
コードを図4の乗用車用ラジアルタイヤのベルトプライ
13a又は/及び13bに適用した場合には、ベルト補
強層の耐食性、耐久性の向上による大幅に長寿命化した
タイヤを実現できるとともに、ベルトの剛性も高くする
ことができ、操縦安定性にもすぐれたものとなる。ま
た、もちろん本発明のスチールコードを図5のようなト
ラック・バス用のラジアルタイヤのベルトやカーカスに
用いることによってすぐれた性能のタイヤとすることが
できる。
【0019】
【発明の効果】以上説明した本発明の請求項1によれ
ば、3本以上の素線を同一方向に同一ピッチで一度に撚
り合わせた1×nのスチールコードにおいて、前記素線
がコードの撚りくせのピッチよりも小さいピッチの波く
せを持ち、かつ撚り合わせ状態において、素線同士が交
差することなく平行に並んだ部分と素線が入れ替わり交
差した部分がコードの長手方向で交互に繰り返され、素
線同士の交差によってアイ状の口開きが創成されるとと
もに、コード長手方向と直角の断面が逐次変化し随所で
開輪郭をなしているので、次のようなすぐれた効果が得
られる。 1)コード撚り構造を同一撚り方向かつ同一撚りピッチ
の単撚りタイプとしているため、一工程で経済的に能率
良く製造することができる。 2)素線そのものの波くせにより素線間に隙間が形成さ
れることに加え、交差部では隣接する素線と素線のクロ
スにより大きなアイ状(ヒステリシスカーブ状)の隙間
が形成され、また交差部では素線同士が互いに拘束され
るため、前記隙間の大きさと位置はしっかりと固定さ
れ、外力が加わっても変化しない。これらのことから、
スチールコードをゴム層に埋め込んだときに大きな隙間
を通してコード中心部にゴムがスムーズに浸入し、隙間
なく充填されるとともに各素線の表面を確実に覆うこと
ができる。しかも、素線にコード撚り合せ用の波と異な
るピッチで波くせを付けるとともにコード長手で随所に
開輪郭部を形成しているため、コードの表面積が実質的
に大きくなり、ゴムとの付着力が向上し、ゴムとの一体
化が十分になされる。したがって剥離現象や浸入水分に
よる発錆が防止され、耐久性が向上する。 3)素線同士が交差しない部分は隣接する素線が平行に
並んでいるため締まって安定した撚り状態にあり、素線
の交差した部分では素線がお互いに拘束しあっている。
このためコード軸方向に圧縮力が作用したときにも、バ
ードケージ形に素線が拡開し難くなり、座屈性能を向上
することができる。またコードの定尺切断時等において
も切断部のコードばらけが生じないので、取り扱い性も
よくなる。また請求項7によれば、上記特性を有するス
チールコードを補強材としているため、耐久性が高く高
性能のラジアルタイヤとすることができるというすぐれ
た効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明によるスチールコードの一例を
部分的に示す拡大側面図、(b)は(a)のコードを解
撚し取り出した素線を模式的に示す側面図である。
【図2】図1のスチールコードの各部の模式的拡大断面
図である。
【図3】本発明によるスチールコードの他の例を模式的
に示す断面図である。
【図4】本発明を適用したラジアルタイヤの断面図であ
る。
【図5】本発明を適用したラジアルタイヤの断面図であ
る。
【図6】本発明を適用したベルトないしカーカスの部分
的断面図である。
【符号の説明】
1〜9 素線 10 波 13d ベルト A スチールコード a 平行部分 b 交差部分 c 口開き部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−166970(JP,A) 特開 平5−140881(JP,A) 特開 昭63−211389(JP,A) 特開 平7−331587(JP,A) 実開 平3−120597(JP,U) 国際公開95/18259(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D07B 1/06 B60C 9/00 B60C 9/08 WPI/L(QUESTEL)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】3本以上の素線を同一方向に同一ピッチで
    一度に撚り合わせた1×nのスチールコードにおいて、
    前記素線がコードの撚りくせのピッチよりも小さいピッ
    チの波くせを持ち、かつ撚り合わせ状態において、素線
    同士が交差することなく平行に並んだ部分aと素線が入
    れ替わり交差した部分bがコードの長手方向で交互に繰
    り返され、素線同士の交差によってアイ状の口開きが創
    成されるとともに、コード長手方向と直角の断面が逐次
    変化し随所で開輪郭をなしていることを特徴とするタイ
    ヤ補強用スチールコード。
  2. 【請求項2】素線数が3〜6本であり、コードを構成す
    る各素線がコード外径側からコード中心側に進入し再び
    コード外径側に移動して隣接する素線が互いに入れ替わ
    るが如く交差している請求項1に記載のタイヤ補強用ス
    チールコード。
  3. 【請求項3】素線数が7〜19本であり、コードを構成
    する各素線がコード外径側からコード中心側に進入し再
    びコード外径側に移動したり、コード中心側からコード
    外径側に移動し再びコード中心側に進入したり、あるい
    はコード外径側の隣接する素線が互いに入れ替わるが如
    く素線が互いに交差している請求項1に記載のタイヤ補
    強用スチールコード。
  4. 【請求項4】素線の交差がコード外径側素線同士の交差
    と、コード外径側素線とコード中心側素線の交差の双方
    を含む請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のタイ
    ヤ補強用スチールコード。
  5. 【請求項5】素線の交差が隣接する2本以上の素線が平
    行なまま他の1本以上の素線と交差している場合を含む
    請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のタイヤ補強
    用スチールコード。
  6. 【請求項6】素線径が0.10〜0.45mmである請
    求項1ないし請求項5のいずれかに記載のタイヤ補強用
    スチールコード。
  7. 【請求項7】請求項1ないし請求項6のいずれかのスチ
    ールコードでベルト又は/及びカーカスが補強されてい
    ることを特徴とするラジアルタイヤ。
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