JP3887789B2 - タイヤ補強用スチールコード - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用タイヤのうち特にトラック、バス、ジープ等の重荷重車または悪路走行車のタイヤのベルト部補強用として好適に使用できるタイヤ補強用スチールコード(以下、単に「スチールコード」という)に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のスチールコードは、多数本が平行に引き揃えられた状態でゴム材で以て被覆されて、自動車用タイヤの補強材として使用されている。スチールコードがタイヤ補強材として使用されるときの基本的な条件としては、機械的強度に優れること、ゴム材との化学的な接着が良好であること、耐腐食性が良いこと、ある程度の柔軟性と伸びを備えていること、およびスチールコード内部へのゴム浸入性が良好であること等が挙げられる。そして、スチールコードがゴム製品の補強材としての役割を充分に果たすためには、ゴム材との完全な複合体となっていることが必要である。
【0003】
特に、トラック、バス、ジープ等の重荷重車や悪路走行車においては、上記の条件のほかに優れた耐カット性が要求される。耐カット性とは、タイヤが石を踏んだり、縁石等に乗り上げた場合、タイヤ局部の過剰な変形によりスチールコードが破断することを防ぐ性能である。この耐カット性を向上するため、タイヤのベルト部に高い伸度を有するスチールコード、いわゆるハイエロンゲーションコードが使用されている。従来のハイエロンゲーションコードは、撚り構成が3×7や4×4の複層撚りで、撚りピッチを小さくしたタイプのスチールコードであった。しかし、撚り工程が複数回必要なため生産性が悪く、製造コストが高くなる問題があった。
【0004】
また、上記従来のスチールコードは、自動車が路面を走行中にタイヤに外傷を受けた場合、その傷から浸入した水分がスチールコードの中央部の空隙に至り、毛細管現象によってスチールコードの長手方向に伝播する現象が起きる。その結果スチールコードが腐食し、耐疲労性が大幅に低下する問題があった。しかも、スチールコードの腐食によりスチールコードとゴムとの接着性が低下し、更に進むとスチールコードとゴムとが剥離する、いわゆるセパレーション現象を引き起こすという問題があった。
【0005】
そこで、近年、上記複層撚りハイエロンゲーションコードの問題を解決するものとして、単層オープン撚り構造のハイエロンゲーションコード(以下、単層構造ハイエロンゲーションコードという)が使用されている。これは、例えば、特公平6−57482号公報や実公平6−40623号公報に開示されているように、素線間に隙間を設けるように緩く撚った単層撚りのスチールコードである。そして、これにより、伸びを確保しつつ、ゴム浸入性を向上しようとするものである。即ち、タイヤ成形時に素線間の隙間からゴムが浸入し、スチールコード内部にまでゴムが充填するため、タイヤが外傷を受けても水分がスチールコード内部に至らず腐食しないというものである。
【0006】
上記単層構造ハイエロンゲーションコードは、予め各素線に過大な型付け(型付け率105〜140%)を施した後、撚線機で撚り合わせて製造される。ここでいう型付け率とは、「各素線間に隙間を設けて撚り合わせたときのコード径/各素線を稠密に撚り合わせたときのコード径×100(%)」で定義される。そして過大な型付けのピッチは、撚りピッチと同等である。
このコードの撚りピッチは、充分な破断伸びを確保するため、通常のスチールコードの撚りピッチよりも、かなり小さくする必要があった。
例えば、前記実公平6−40623号公報では、実施例として「1×5×0.38、ピッチ6mm」のスチールコードを用いている。このピッチ6mmは、同実施例におけるクローズタイプのスチールコードのピッチ16mmや、従来のオープンタイプのスチールコードのピッチ9.5mmに比べてかなり小さい。従来の単層構造ハイエロンゲーションコードは、ピッチを短くすることにより、コード単位長さにおける各素線の全長を長くして、伸び代が増すという一般的性質を利用したものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の単層オープン構造ハイエロンゲーションコードは、次の問題がある。
第1に、撚りピッチが小さいため、撚り効率が極端に悪くなるという問題である。即ち、これは、例えば撚線機の回転数を一定にした場合、撚りピッチが1/2になって、撚り効率が半減してコストアップにつながることになり、コスト競争の激しい昨今では致命的な問題である。
第2に、短ピッチであるため、過大な引張り荷重を受けた場合の復元力に乏しいという問題である。即ち、撚りピッチが短いため、コード自体が一種のばねのような状態になっており、初期破断伸びは大きいが、過大な引張り荷重を繰返し受けた場合に、「ばねが伸びきった」状態になってしまう。このため、ゴムに埋め込んで使用した場合に、コードとゴムが一体の働きをしなくなって、タイヤ内部で局部的な応力が作用し、乗り心地性や操縦安定性が低下し、また、走行中にスチールコードとゴムとの部分的な剥離が生じて、スチールコードの耐疲労性が大幅に低下し、タイヤの寿命が極端に低下すると共に、安全性をも低下させてしまうという問題である。
【0008】
上記従来技術の種々の課題を個別に解決する手段はいろいろある。
本発明は、単層構造のハイエロンゲ−ションコ−ドにおいて、スチ−ルコ−ドの初期の破断伸びと繰返し伸びとの差を小さく設定することにより、つまりスチ−ルコ−ドの繰返し伸縮によるコ−ドの伸びを低下させれば、長期間の使用によってもコ−ドが伸びるのを防止でき、長時間の使用においてもゴムとコ−ドが一体の動きをして、コ−ド切れやセパレ−ション、乗り心地の低下、安全性の低下などを防止できる点に着目し、素線に施すくせを特定の形状とするとともに、スチ−ルコ−ドの初期の破断伸びと繰返し伸びとの差を小さく設定して課題を解決するための手段とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
具体的には、本発明は、同一素線径d(d=0.25mm〜0.40mm)のn本(n=4〜6)の金属素線を撚りピッチPで互いに撚り合わせてなる1×n構造のタイヤ補強用スチ−ルコ−ドにおいて、上記金属素線の全てに、見掛けの外径d 1 、くせピッチP 1 であるスパイラル状くせを設け、上記のd、d 1 、P、P 1 が、
0.01≦(d 1 −d)/P 1 ≦0.03、
1.2≦d 1 /d≦2.5、
40≦P/d≦90
なる条件を満足し、かつ繰返し破断伸びが4.5%以上で、初期の破断伸びと繰返し破断伸びとの差を0.3〜1.2%に設定して課題解決の手段とする。
1例により、初期の破断伸びと繰返し破断伸びとの差を0.3〜1.2%に設定した理由を説明する。初期伸びが6.0%で繰返し破断伸びが3.7%であるスチ−ルコ−ド(後述の実験No.13のコ−ド)は、初期の破断伸びが十分に大きい(6.0%)ので、このコ−ドを埋め込んだタイヤでは、路面の凸部に追従してゴムとコ−ドとが一体になって伸びてタイヤが凹み、衝撃を吸収することができる。その結果コ−ド切れやセパレ−ション(ゴムとコ−ドとの剥離)を防止できる。しかし、このコードは繰返し破断伸びが3.7%と小さいため、繰返しの伸縮によってコ−ドが伸びていってしまう。つまり、タイヤを長期間使用するとコ−ドが徐々に伸びてしまい、ゴムとコ−ドとが一体の動きをしなくなる。そしてこのことが原因となって、セパレ−ション等様々な問題が発生する。
本発明では、初期の破断伸びと繰返し破断伸びとの差を0.3〜1.2%という小さな値に設定したので、タイヤを長期間使用してもコ−ドが徐々に伸びきってしまうというような事態の発生を抑制でき、ゴムとコ−ドとは長期間にわたり一体となって動き、従来のスチ−ルコ−ドの上記の課題、すなわちタイヤを長期間使用するとコ−ドが徐々に伸びきってしまってゴムとコ−ドとが一体の動きをしなくなり、このことが原因となって、セパレ−ション等様々な問題が発生するという課題を解決することができる。
繰返し破断伸びが4.5%以上であれば、ハイエロンゲ−ションコ−ドとして要求される耐疲労性および耐カット性を十分確保できるが、特に悪路走行用タイヤに使用する場合は5%以上が好ましい。
【0010】
式(1)において、(d1 −d)/P1 が0.01未満の場合、スチールコード素線間の隙間が十分に確保できず、ゴム浸入性が低下する。また、0.03を越えると、ゴムとスチールコードが一体として働かなくなり、耐疲労性が低下すると共に、乗心地性が悪化する。
また、式(2)において、d1 /dが1.2未満の場合、素線間に十分な隙間が確保できず、ゴム浸入性が悪くなると共に、十分な伸びが得られない。また、2.5を越えると、隙間が大きくなり過ぎてコード安定性が悪くなり、耐疲労性が低下する。
さらに、式(3)においてP/dが90を越えると、伸びを確保することが難しくなり、40未満の場合には、従来の単層構造ハイエロンゲーションコードに比べて撚り効率を十分に高めることができない。
なお、各式の条件を全て満足することにより、相乗的にハイエロンゲーションコードとしての有効な作用を奏するものであって、いずれかの条件を満たさない場合は、上述したような何らかの問題が起きるものである。
【0011】
ところで、ハイエロンゲーションコードでは、初期の破断伸びと繰返し破断伸びの差が小さいほうが好適である。
また、小さいスパイラルくせのピッチP1 は、P1 =0.2P〜0.8Pの範囲であることが好ましい。なぜなら、P1 が0.2P未満の場合、くせピッチが小さすぎてくせ外径d1 を大きくできず、素線間の隙間が小さくなって、ゴム浸入率が低下し、スチールコードの伸びも十分でなくなるからである。逆にP1 が0.8Pを越えると、小さいスパイラルくせの作用が急速に失われて、ゴム浸入性や破断伸びが低下するからである。そして、さらに好ましい範囲は、P1 =0.3P〜0.6Pである。
【0012】
本発明のスチールコードによるときは、破断伸びが十分にあり、過大な荷重が繰返し受けても十分な復元力を有して耐カット性に優れ、また、ゴム浸入性を十分に確保できると共に、撚り効率を大幅に向上することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0014】
図1は本発明のスチールコードを示し、(イ)は側面図、(ロ)は断面図である。図1において、スチールコード1は、見掛けの外径d1 、くせピッチP1 である、小さなスパイラルくせを、規則的に設けた全ての金属素線2をスパイラルくせのらせん方向と同じ方向に同時に撚り合わせて構成している。
このスチールコード1は、同一素線径(0.25〜0.40mm)のn本(n=4〜6)の金属素線2に、予め小さいスパイラル状のくせを付け、その後撚線機で各素線を撚り合わせる。各素線に小さいスパイラル状のくせを施す手段としては、特公昭63−63293号公報に示されるように、供給される素線を軸芯として回転するくせ付け装置を用いればよい。
なお、別の手段として、素線を歯車等に噛み込ませて平面的な波付けを施した後、その素線を捻じって略スパイラル状にすることも考えられるが、この方法では屈曲点に応力が集中し、耐疲労性が悪くなるので好ましくない。
本発明においては、各素線に小さいスパイラル状のくせをなだらかに規則的に有しているので、応力集中が発生しにくく、耐疲労性に有効に作用する。この小さいスパイラル状のくせ形状は、ハイエロンゲーションコードにおいて重要なことである
【0015】
本発明に係るスチールコードは、バンチャー型とチューブラー型のいずれの撚線機も使用可能で、小さいスパイラル状のくせのらせん方向と同方向に各素線を稠密に撚り合わせることにより製造することができ、従来の単層構造ハイエロンゲーションコードの緩い撚りとは全く違った「堅い撚り」構造であり、形状安定性が良く、耐疲労性に優れている。なお、撚線時に素線繰出し張力及びコード巻取り張力を調整することにより、スチールコードの撚りの堅さの程度を調整することができる。そして、これにより、スチールコードの破断伸びを多少調節することができる。
【0016】
【実施例】
以下、本発明の実施例を、従来例および比較例と比べて具体的に説明する。
【0017】
表1〜表3は、SWRS77A相当の線材を伸線加工後、表面にブラスメッキを施した複数本の素線をバンチャー撚線機で撚り合わせた、各種構成のスチールコードの試作結果を示したものである。表1は1×4構造、表2は1×5構造、表3は1×6構造のスチールコードで、素線径は全て0.38mmとした。そして、撚りピッチ、くせ素線本数、くせ形状を変化させ、本発明の条件を満たす実施例、本発明の条件から外れた比較例および従来の単層構造ハイエロンゲーションコードである従来例の試作コードを製造し、それぞれのスチールコードを評価した。
なお、各表における実験No.13のスチールコードは、従来の単層構造ハイエロンゲーションコードであり、型付率を120%に設定した。
【0018】
【表1】
Figure 0003887789
【0019】
【表2】
Figure 0003887789
【0020】
【表3】
Figure 0003887789
【0021】
次に、表中における各評価項目について説明する。
▲1▼初期破断伸び(%)
ゴムに埋め込む前のスチールコードを定寸(長さL)に切断して試験片とし、インストロン引張試験機により上下に引張り、少なくとも1本の素線が破断したときのスチールコードの長さL1を測定し、次式により算出した。
初期破断伸び(%)=(L1−L)/L×100
▲2▼繰返し破断伸び(%)
使用する試験機は▲1▼と同じものを使い、ゴムに埋め込む前のスチールコードを▲1▼で求めた初期破断時の破断荷重の60%の引張荷重で、負荷および除去を1セットとして10回繰返して試験片(長さL2)を得る。その後▲1▼と同様の引張試験を行ない、少なくとも1本の素線が破断したときのスチールコードの長さL3を測定し、次式により算出した。
繰返し破断伸び(%)=(L3−L2)/L2×100
▲3▼ゴム浸入率
各コードに5kgの引張り荷重をかけた状態でゴム材中に埋め込み、加硫加圧した後コードを取り出し、そのコードを分解して一定の長さを観察し、観察した長さに対してゴム材と接触した形跡のある長さの比をパーセント表示したものである。
▲4▼耐疲労性
スチールコードに5kgの引張荷重を加えた状態で2枚のゴムシートの間に挾み込み、加硫加圧した後、ゴムシートを一定幅で細短くカットし、スチールコード1本をゴム中心に含むゴムベルトを作成し、試験片とする。次に、ベルト疲労試験機として用いられる3点プーリー疲労試験機のプーリー群に試験片を掛け渡し、定荷重をかけた状態で試験片を長手方向に往復させ、プーリー部分のしごき力によりスチールコードが破断するまでの往復回数を測定し、実験No.13の従来例の場合を100として指数表示した。耐疲労性は大きい方が良い。
▲5▼撚り効率
撚線機の回転数を一定にした状態での各コードの生産性を、実験No.13の場合を100として指数表示したものであり、撚り効率は大きい方が良い。
【0022】
表1、2、3から明らかなように、従来の単層構造ハイエロンゲ−ションコ−ド(各表の実験No.13のコ−ド)が初期破断伸びは大きいが繰返し破断伸びが低く、その結果耐疲労性において劣り、また撚りピッチが小さいため、製造コストの高いものであった。これに対して本発明の各実施例のスチ−ルコ−ド(各表の実験No.1〜7のコ−ド)は、繰返し破断伸びが4.5%以上であり、しかも初期の破断伸びと繰返し破断伸びとの差が0.3〜1.2%と小さいため、このコ−ドをタイヤに使用したとき、長期間の使用によってもコ−ドが伸びきるのを防止でき、長時間の使用においてもゴムとコ−ドとが一体の動きをして、コ−ド切れやセパレ−ション、乗り心地の低下、安全性の低下などを防止できる。
また、表1、2、3から明らかなように、本発明の各実施例のスチ−ルコ−ドは、ゴムの浸入性や耐疲労性に優れている。これは、本発明の各実施例のスチ−ルコ−ドが条件「0.01≦(d 1 −d)/P 1 ≦0.03」および「1.2≦d 1 /d≦2.5」を満たす構成をとった結果であり、また伸びを確保しながら、表1、2、3に示す通り撚り効率として高い数値が得られるのは、本発明の各実施例のスチ−ルコ−ドが条件「40≦P/d≦90」を満たす構成をとった結果である。
さらに、表1、2、3から明らかなように、本発明の各実施例のスチ−ルコ−ドは、16〜33mmという長い撚りピッチを有しており、したがって、本発明によれば短ピッチコ−ドの欠点を解決したスチ−ルコ−ドを得ることも可能となる。
表1、2、3に示した実験結果により、本発明の各実施例のスチ−ルコ−ドは、製造コストが安価で、しかも長期間の使用によってもコードの伸びが少なく、ハイエロンゲ−ションコ−ドとして非常に優れていることが判明した。
【0023】
これに対して、本発明のいずれかの条件を外れた比較例は、それぞれ次の問題があった。
(d1 −d)/Pが0.01未満のもの(各表の実験No.12)は、破断伸びが小さく、従来例よりも耐疲労性およびゴム浸入性が低下していた。
(d1 −d)/Pが0.03を越えるもの(各表の実験No.11)は、従来例と比べて耐疲労性が少し向上するが、十分ではなかった。
1 /dが1.2未満のもの(各表の実験No.9)は、ゴム浸入率が極端に悪くなり、耐疲労性も劣っっていた。
1 /dが2.5を越えるもの(各表の実験No.10)は、ゴム浸入率がやや低下し、耐疲労性も十分ではなかった。
P/dが90を越えるもの(各表の実験No.8)は、破断伸びが低く、ゴム浸入率も低く、耐疲労性も悪く、ハイエロンゲーションコードとして有効ではなかった。
【0024】
【発明の効果】
本発明のスチールコードは、全素線に撚りピッチより小さなスパイラル状のくせを設け、かつ、くせ外径d1 、くせピッチP1 、素線径dおよび撚りピッチPの相互関係を適正に限定し、繰返し破断伸びが大きいため、耐カット性に優れ、高いゴム浸入性を確保できる。また、従来の単層オープン構造ハイエロンゲーションコードに比較して、初期破断伸びと繰返し破断伸びの差が小さいため、耐疲労性に優れ、さらに、撚り効率も数倍向上するため、低コストで製造できる等の優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスチールコードの概略説明図であり、(イ)は側面図、(ロ)は断面図である。
【符号の説明】
1 スチールコード
2 金属素線

Claims (1)

  1. 同一素線径d(d=0.25mm〜0.40mm)のn本(n=4〜6)の金属素線を撚りピッチPで互いに撚り合わせてなる1×n構造のスチ−ルコ−ドにおいて、上記金属素線の全てに見掛けの外径d1 、くせピッチP1 であるスパイラル状くせを設け、 上記のd、 P 、d 1 、P 1 が下記(1)〜(3)の条件を満足し、繰返し破断伸びが4.5%以上であり、初期の破断伸びと繰返し破断伸びとの差が0.3〜1.2%であることを特徴とするタイヤ補強用スチ−ルコ−ド。
    (1)0.01≦(d1 −d)/P1 ≦0.03
    (2)1.2≦d1 /d≦2.5
    (3)40≦P/d≦90
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