JP2597835Y2 - ゴム製品補強材 - Google Patents

ゴム製品補強材

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JP2597835Y2
JP2597835Y2 JP1993054316U JP5431693U JP2597835Y2 JP 2597835 Y2 JP2597835 Y2 JP 2597835Y2 JP 1993054316 U JP1993054316 U JP 1993054316U JP 5431693 U JP5431693 U JP 5431693U JP 2597835 Y2 JP2597835 Y2 JP 2597835Y2
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好夫 竹本
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金井 宏之
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    • DTEXTILES; PAPER
    • D07ROPES; CABLES OTHER THAN ELECTRIC
    • D07BROPES OR CABLES IN GENERAL
    • D07B1/00Constructional features of ropes or cables
    • D07B1/06Ropes or cables built-up from metal wires, e.g. of section wires around a hemp core
    • D07B1/0606Reinforcing cords for rubber or plastic articles
    • D07B1/062Reinforcing cords for rubber or plastic articles the reinforcing cords being characterised by the strand configuration
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    • D07B1/0646Reinforcing cords for rubber or plastic articles comprising longitudinally preformed wires

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  • Ropes Or Cables (AREA)
  • Belt Conveyors (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は自動車用タイヤ、コンベ
アベルト等ゴム製品の補強のために使用するゴム製品補
強材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来よりこの種の補強材には、図3に示
すような、細径スチールフィラメントを複数本稠密に撚
り合わせた、所謂スチールコード10と称する撚鋼線が
用いられている。上記スチールコード10は一般に、ス
チール線材に鉛パテンティング等の熱処理と伸線加工と
を繰返し行った後、ブラスメッキを施し、所定の線径ま
で伸線加工を行ってフィラメント11とし、次いでこの
フィラメント11を複数本撚り合わせることにより製造
されている。
【0003】ところで、ゴム製品補強材、特にタイヤ、
コンベアベルト用補強材としての不可欠な要件は必要な
強度を有し、しかも優れた柔軟性を具備することであ
る。上記スチールコード10にあっては、そのフィラメ
ント11がナイロン、ポリエステル等の繊維フィラメン
トに比べ強度面で優れるが、柔軟性に劣るため、複数本
のフィラメントを撚り合わせて柔軟性を向上しようとす
るものである。このため、撚り工程を要し、容易かつ安
価に製造できないという問題がある。
【0004】また、上記スチールコード10は、各フィ
ラメント11が密着して撚り合わされているため、ゴム
製品成形時にゴムがコード中央部の空洞部Dまで侵入せ
ず、コード長手方向に連続してこの空洞部Dが存在する
こととなる。したがって、上記スチールコード10を使
用したゴム製品では、ゴムとコードとの接着がコードの
外周部でのみなされることとなり、ゴムとコードとが剥
離する、所謂セパレーツ現象を起こし易く、またフィラ
メント相互間のフレッティング摩耗も生じ易い。しかも
空洞部Dが存在するため、外部より浸透した水分が上記
空洞部D内に至り、コード長手方向に伝播して錆を発生
させることとなる。このため、ゴム製品の寿命を短命化
させるという問題がある。
【0005】さらに、タイヤにあっては小石、縁石等に
乗り上げた際、コンベアベルトにあっては重量物が落下
した際に、その補強材であるスチールコードが破断する
ことがあるため、この種のゴム製品の補強材としては、
高い伸度を有し、耐衝撃吸収性に優れた補強材が望まれ
ている。
【0006】上記事情に鑑み、現在、撚り工程を要せず
安価に製造でき、かつゴムとの接着性が良好で、しかも
高い伸度を有し、柔軟性に優れる単一フィラメント構造
のゴム製品補強材を実用化することが考えられている。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】単一フィラメント構造
のゴム製品補強材として、例えば特開昭48−6396
1号公報にフィラメントを波状に加工成形したものが、
また特開昭50−4359号公報にフィラメントを螺旋
状に加工成形したものが、夫々開示されている。
【0008】先に提案された上記各公報に開示された補
強材にあっては、単一フィラメント構造とすることによ
り撚り工程を省略し、かつゴムとの接着性を良好にな
し、また波状あるいは螺旋状に加工成形することにより
破断時伸びを繊維に相当する程度迄大きくして柔軟性を
向上することができる。
【0009】しかし、上記提案された補強材にあって
は、いずれも荷重に対する伸び特性の点で問題があり、
現在に至っても未だ殆んど実用化されていない。すなわ
ち、上記補強材はフィラメントに過大な波状あるいは螺
旋状のくせを施すことで破断時伸びを非常に大きくした
ものである。したがって、この補強材は、引張荷重が付
与された場合、過大な波状あるいは螺旋状のくせが元に
戻ろうとする特性により、低荷重の負荷によって非常に
大きな伸びを示し、一次弾性限(変曲点)が低荷重負荷
時に存在することとなる。ところで、一般に一次弾性限
以上の荷重が付与されると、元のくせ形状には戻らず、
永久歪を生ずることとなる。
【0010】よって、上記補強材をゴム製品、例えばタ
イヤのベルト部に使用した場合、接地面が平坦でなかっ
たり、空気圧が少なくなる等して、ベルト部に一次弾性
限以上の荷重が付与されると、補強材に永久歪が生ずる
こととなり、耐疲労性を低下し、またセパレーツ現象を
起こしたり、時にはタイヤが変形することがある。
【0011】本考案は上記課題に鑑みてなしたものであ
り、高伸度でありながら低荷重時伸びが小さいといった
伸び特性を具有し、優れた耐衝撃吸収性を有すると共に
耐疲労性を有し、軽量かつゴムとの接着性が良好で、し
かも安価なゴム製品補強材を提供することを目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本考案者は、軽量かつゴムとの接着性が良好で、しか
も安価に得られるといった単一フィラメント構造補強材
の利点を生かし、成形するくせの形状に工夫を凝らすこ
とで伸び特性を最適化することを考え、この知見に基づ
き本考案を成すに至った。
【0013】すなわち、本考案のゴム製品補強材は、線
径dが0.28〜0.50mmの単一のスチールフィラ
メントからなるゴム製品補強材であって、上記スチール
フィラメントが長手に亘り、略スパイラル状の小さなく
せを有すると共に、上記くせの形状とは別の比較的大き
な略波状あるいは略スパイラル状のうねりを有し、かつ
破断時伸びが4%以上で、10kg引張荷重時伸びが1
%以下であることを特徴とする構成にある。
【0014】また、本考案のゴム製品補強材は、上記構
成において、くせ形状が、くせ外径をH1 、くせピッチ
をP1 としたとき、H1 =1.04d〜1.72d、P
1 =4d〜18d、H1 /P1 =0.05〜0.3の関
係を満足し、かつうねり形状が、うねり径をH2 、うね
りピッチをP2 としたとき、H2 =1.5H1 〜3H
1 、P2 =2P1 〜10P1 の関係を満足する構成にあ
る。
【0015】ところで、上記構成における各数値限定の
限定理由は次の理由による。フィラメントの線径dは、
必要な強力を確保するために少なくとも0.28mmは
必要である。しかし太径になり過ぎると疲労性が低下す
るばかりか、ゴム製品の重量が重くなるため、上限を
0.50mmとした。
【0016】くせ形状の決定要件であるくせ外径H1
よびくせピッチP1 は、補強材の伸び特性において相互
関係にある。 H1 =1.04d〜1.72dとしたのは、1.04d
よりも小さいと、P1との兼ね合いもあるが、伸び特性
が真直なフィラメントと同様となって柔軟性に劣り、一
方、1.72dよりも大きいと、低荷重時の伸びが大き
く、前記種々の弊害を招き、本考案の目的を達成できな
いことによる。 P1 =4d〜18dとしたのは、4dよりも小さいと、
製造が困難であるばかりか、くせ付け時に無理な塑性変
形を与えることとなって耐疲労性が著しく低下し、一
方、18dよりも大きいと、dとの兼ね合いもあるが伸
び特性が真直なフィラメントと同様となって柔軟性に劣
り、ゴム製品補強材として不適なものになることによ
る。H1 /P1 は大きい程フィラメントに高い伸度を与
える。柔軟性を与えるために少なくとも0.05必要で
あるが、大き過ぎると低荷重時の伸びが大きくなり過ぎ
るため、上限を0.3にした。
【0017】また、うねり形状の決定要件であるうねり
径H2 およびうねりピッチP2 も、補強材の伸び特性に
おいて相互関係にある。 H2 =1.5H1 〜3H1 としたのは、1.5H1 より
も小さいと、P2 との兼ね合いもあるがフィラメントに
高い伸度を与えることができないため、耐衝撃吸収性を
高めることができず、一方、3H1 よりも大きいと、低
荷重時の伸びが大きくなり過ぎることによる。 P2 =2P1 〜10P1 としたのは、2P1 よりも小さ
いと、低荷重時の伸びが大きくなり過ぎ、一方、10P
1 よりも大きいと、H2 との兼ね合いもあるが、フィラ
メントに高い伸度を与えることができないことによる。
【0018】破断時の伸びは、優れた耐衝撃吸収性を得
るために4%以上必要であるが、低荷重時の伸びが大き
過ぎるとその効果が期待できず、疲労性を低下させるこ
とになるため、10kg引張荷重時伸びを1%以下に抑
えることが必要である。
【0019】
【作用】本考案のゴム製品補強材は、フィラメントに形
成する型付けを、従来の1種の過大な型付けに代えて、
小さな略スパイラル状のくせと、そのくせ形状とは別の
比較的大きなうねりとの2種の型付けを複合させて施し
ている。このため、略スパイラル状のくせは、従来の型
付け形状に比して小さく、低荷重の負荷によって容易に
伸長されない。このくせのみの型付けによる場合、破断
時伸びが充分に得られないが、この型付けとは別にうね
りの型付けを施しているため、充分な伸度が得られる。
したがって、本考案のゴム製品補強材にあっては、2種
の型付けの存在により、それらの伸び特性が複雑に混在
し、高伸度でありながら低荷重時伸びが小さいといった
伸び特性を具有することとなる。
【0020】
【実施例】以下、本考案の一実施例を図面に基づき説明
する。炭素含有量0.85wt%の高い炭素鋼線に熱処
理および伸線加工を繰返し行った後、ブラスメッキを施
し、複数枚の引抜きダイスを用いて減面率97.6%の
伸線加工を行い、線径0.38mmのスチールフィラメ
ントを得た。次いで、このフィラメントに、くせピッチ
1 =2.6mm、くせ外径H1 =0.48mmとなる
略スパイラル状のくせを施すと共に、うねりピッチP2
=13mm、うねり径H2 =0.96mmとなる螺旋状
のうねりを施して、図1および図2に示すゴム製品補強
材1を得た。この補強材の引張強さは330kgf/m
2 、破断時伸びは5.8%、10kg引張荷重時伸び
は0.72%であった。
【0021】ところで、フィラメントへの略スパイラル
状のくせ、螺旋状のうねりは、撚線機に設けたくせ付け
ピン間や、その後に設けた千鳥状に配した小径ローラ間
にフィラメントを通すことにより容易に付与することが
できる。また、フィラメントを歯車等に噛み込ませ、そ
のフィラメントを捻じることによっても行なうことがで
きる。なお上記くせおよびうねりのピッチP1 、P2
径H1 、H2 は、前者にあってはピンやローラ間の間
隔、撚線機の回転数等を調整することにより、また後者
にあっては歯車の形状、フィラメントの捻り回数等を調
整することにより、所望の数値に設定できる。
【0022】次に、炭素含有量0.85wt%の高炭素
鋼からなる線径0.38mmの単一フィラメント構造の
ゴム製品補強材を表1に示すような構成で作成し、夫々
について破断時伸び、10kg荷重時伸び、圧縮剛性お
よび疲労性の評価を行った。結果を同表に示す。
【0023】
【表1】
【0024】この評価に際して、圧縮剛性は、図4に示
すように、3点曲げ試験により、試験片12のスパンL
=20mmにおける5mm押さえ込みの時荷重Gを測定
し、従来例のNo.1のものを100として指数で表示
した。上記試験片12には、5本の補強材を横一列に配
し、ゴム中に埋め込んで作成した厚み4mm、巾15m
m、長さ100mmのゴムシートを使用した。
【0025】疲労性は、補強材を複数本ゴムシートに埋
め込み、このシートを用いて、3点プーリ曲げ疲労試験
機で以て破断に至るまでの繰返し回数を求め、従来例N
o.1のものを100として指数で表示した。
【0026】表1において、No.1の補強材は型付け
がされていない真直なフィラメントよりなる従来例の補
強材であり、破断時伸びが小さく、柔軟性に欠ける。ま
た、No.2〜4の補強材は1種の型付けがされている
フィラメントよりなる従来例の補強材であり、No.
2、3の補強材はくせの形状が小さいため破断時伸びが
小さく、柔軟性に欠ける。No.4の補強材は破断時伸
びが大きいが、低荷重時の伸びが大きいため、剛性が低
く、また疲労性に劣る。No.5、6の補強材は2種の
型付けがされているフィラメントよりなる補強材である
が、くせ、うねり形状が適当でないため、破断時の伸
び、低荷重時の伸びが適正でない。
【0027】これに対して、本考案の補強材であるN
o.7〜9のものは、4%以上の破断時伸びを有するに
もかかわらず低荷重時の伸びが小さく、柔軟性に優れ、
また疲労性においても良好な値を示しており、ゴム製品
の補強材として好適である評価が得られた。
【0028】
【考案の効果】本考案のゴム製品補強材は、単一フィラ
メント構造であるため、撚り工程を要せず、容易かつ安
価に製造でき、ゴムとの接着性も良好となる。また、4
%以上の破断時伸びを有し、かつ低荷重時の伸びが小さ
いので、優れた耐衝撃吸収性を有し、疲労性にも優れ
る。このため、例えばタイヤ補強材として使用した場
合、耐カット性、乗り心地性を高め、タイヤの寿命を著
しく向上させることができる。さらに、被覆するゴム量
を少なくできるため、省エネ化の観点から要求されるタ
イヤの軽量化を実現可能とする等、その効果は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案のゴム製品補強材を示す概略正面図であ
る。
【図2】本考案のゴム製品補強材を示し、図1における
A−A断面図である。
【図3】従来のスチールコードを示す概略断面図であ
る。
【図4】3点曲げ試験方法を説明するための概略図であ
る。
【符号の説明】
1 ゴム製品補強材

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 線径dが0.28〜0.50mmの単一
    のスチールフィラメントからなるゴム製品補強材であっ
    て、上記スチールフィラメントが長手に亘り、略スパイ
    ラル状の小さなくせを有すると共に、上記くせの形状と
    は別の比較的大きな略波状あるいは略スパイラル状のう
    ねりを有し、かつ破断時伸びが4%以上で、10kg引
    張荷重時伸びが1%以下であることを特徴とするゴム製
    品補強材。
  2. 【請求項2】 くせ形状が、くせ外径をH1 、くせピッ
    チをP1 としたとき、H1 =1.04d〜1.72d、
    1 =4d〜18d、H1 /P1 =0.05〜0.3の
    関係を満足し、かつうねり形状が、うねり径をH2 、う
    ねりピッチをP2 としたとき、H2 =1.5H1 〜3H
    1 、P2 =2P1 〜10P1 の関係を満足する請求項1
    記載のゴム製品補強材。
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