JP3348193B2 - 引出しガイド機構 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は引出し用の引出しガ
イド機構に関するもので、これは本体側の取付けレー
ル、引出し側の引出しレール、及びこれら両レールの間
に取り付けられた、引出しの両側にある中央レールを備
え、走行キャリッジ内で支承されるロールを備え、それ
が二つのレール間に引出しの荷重を伝達し、中央レール
には、その長手方向に、その中央に少なくとも一つの制
御ロールが支承され、制御ロールは取付けレールのウェ
ブと引出しレールのウェブを走り、中央レールは、上下
の水平の走行ウェブと垂直の結合ウェブによって形成さ
れる直立したＵ形材又は二重Ｔ形材でできており、走行
キャリッジ内で支承されるすべてのロールは中央レール
の走行ウェブ間に配置され、取付けレールと引出しレー
ルは、比較的幅の広い結合ウェブとより狭い走行ウェブ
から形成されるＵ字形の側面領域を含む。

【０００２】

【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、家具
中に占めるスペースができるだけ少なく、重い引出しの
荷重をかけることのできる、差動引出しを実現すること
である。このような引出しガイド機構は、特に引出し底
板の下側に組み付けるのに適している。

【０００３】

【課題を解決するための手段】本発明による課題は、中
央レールの前端で引出しレール用の少なくとも一つの支
持ロールが支承され、比較的狭い走行ウェブ、取付けレ
ール及び引出しレールの間を制御ロールが走るようにす
ることによって解決される。

【０００４】ロールは中央レールの走行ウェブの内側し
か走らないので、引出しガイド機構は非常に低く保持す
ることができる。

【０００５】少なくとも取付けレールの側面ウェブがさ
ねはぎ領域を有すると有利である。

【０００６】本発明のもう一つの実施例は、中央レール
の両側にそれぞれ少なくとも一つの支持ロールと少なく
とも二つの制御ロールを設けるものである。

【０００７】両方の制御ロールは無軸で支承され、上か
ら見てＵ字形のフレームによって中央レールに保持さ
れ、そのフレームのアームは中央レールの結合ウェブか
ら突き出し、互いに向かい合ったフレームのアームが係
合すると有利である。それによって、コントロール領域
で、引出しの荷重が、中央レールにかからず、引出しレ
ールから直接取付けレール上に伝わる。

【０００８】本発明のさらに別の例は、中央レールの二
重Ｔ形材がＵ形材の二つのレールによって形成され、こ
の二つのレールはその結合ウェブと背中合わせに隣接す
る。このような中央レールは製造し易く、かつ負荷能力
が大きい。

【０００９】次に、添付の図面の図に則して本発明の実
施例について述べる。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下の説明は、引出しの片側に関
するものである。引出しガイド機構の他の側も同様の方
法で形成される。

【００１１】引出しレール８は、引出し側壁４に接する
引出し底板１９の下部に取り付けられる。各引出しレー
ル８は前方に、上に突き出ているタップ１０を備えてお
り、そのタップ１０により、引出しレール８が引出しの
前板２の穴にはまる。このレール８はまた、後部にフッ
ク９を有し、これは引出しの後壁３の水平な穴に固定さ
れる。前板２の前に引出しカバー１があり、カバー１
は、前方の引出しガイド機構がそれによって覆われるよ
うに、引出し底板１９の上部で下方に突き出ている。

【００１２】取付けレール５は、二つのフレーム６によ
って本体側壁２０に固定される。フレーム６は例えば本
体側壁２０にねじ止めされる。

【００１３】取付けレール５と引出しレール８の間に中
央レール７があり、このレール７は、両レール５、８の
間を差動的に走る。

【００１４】中央レール７は、その中央に制御ロール１
１を備え、このロールは取付けレール５と引出しレール
８の水平走行ウェブ２７、２８の間を走る。制御ロール
１１は図３ないし図６の実施例では、リベットとして実
施された軸ボルト２５によって中央レール７に保持され
るが、軸ボルト２５の中は十分なあそびがあるので、引
出しの重量は常に引出しレール８から制御ロール１１を
経て取付けレール５に直接伝わり、軸ボルト２５又は中
央レール７に荷重がかかることはない。

【００１５】中央レール７の前端に支持ロール１６が取
り付けられ、これは軸ボルト２６上に支承され、そのロ
ールの上で引出しレール８が支持される。中央レール７
は、図３ないし図６の実施例では、上下の走行ウェブ２
９と垂直の結合ウェブ３０と共に、直立したＵ形材とし
て実施される。走行ウェブ２９は、それぞれ比較的狭い
水平走行ウェブ２７、２８と、取付けレール５および引
出しレール８の比較的広い水平ウェブ３１、３２の間に
突き出ている。

【００１６】レール５、７、８の間に走行キャリッジ１
４、１５が取り付けられ、その中でロール１２、１３、
１７、１８と側面つりあいロール２１、２２、２３、２
４が支承される。

【００１７】ロール１２、１３、１７、１８はすべて中
央レール７のＵ形材の内部にある。ロール１２、１３は
中央レール７の下部走行ウェブ２９と、取付けレール５
の水平走行ウェブ２７との間を走り、ロール１７、１８
は、引出しレール８の比較的狭い水平走行ウェブ２８
と、中央レール７の上部走行ウェブ２９の間を走る。

【００１８】取付けレール５と引出しレール８は、垂直
な縁部ウェブ３３、３４を有する。垂直な縁部ウェブ３
３、３４と、中央レール７の垂直な結合ウェブ３０の間
をつりあいロール２１、２２が走る。中央レール７の垂
直な結合ウェブ３０と、取付けレール５および引出しレ
ール８の垂直な縁部ウェブ３５、３６との間につりあい
ロール２３、２４が存在する。

【００１９】引出しを閉めた状態で、ロール１３、１８
付きの走行キャリッジ１４、１５が制御ロール１１の前
に、そしてロール１２、１７の付いた走行キャリッジ１
４、１５が制御ロール１１の後ろに取り付けられる。

【００２０】完全に引き出した状態の引出しでは、走行
ロール１７と１３が制御ロール１１のすぐ上部と下部に
ある。

【００２１】ロール１２、１３、１７、１８は実施例の
側面つりあいロール２１、２２、２３、２４と同様に円
筒状に形成される。

【００２２】図７ないし図１５の実施例では、中央レー
ル７は二重Ｔ形材を有する。その際中央レール７は一体
片から、例えば射出成形により製作できる。説明の実施
例では、中央レール７はＵ字形の２本のスチールレール
７’で形成され、これらのレールは垂直な結合ウェブ３
０と背中合わせに隣接している。

【００２３】中央レール７は、図７ないし図１４の実施
例では、その真ん中に２つの制御ロール１１を備え、そ
れは、取付けレール５と引出しレール８の水平走行ウェ
ブ２７、２８の間を走る。制御ロール１１はフレーム３
７によって中央レール７に保持される。このようにし
て、引出しの重量は、中央レール７にかからず、常に引
出しレール８から直接制御ロール１１を介して取付けレ
ール５に伝わる。中央レール７の両側に一つの制御ロー
ル１１がある。しかし比較的重い引出しの場合は、図１
６に示すように、中央レール７の両側に複数の制御ロー
ル１１をタンデム配置で前後に取り付けることが可能で
ある。

【００２４】フレーム３７のアーム３８はフック３９を
有し、このフックはハウジング４０中で、向かい合った
フレーム３７の対応するアーム３８にかみ合う。その
際、アーム３８は、中央レール７を共に形成するスチー
ル７’の垂直の結合ウェブ３０中の穴を通って張り出し
ている。

【００２５】中央レール７の前端にやはり支持ロール１
６が取り付けられる。この支持ロール１６は共通の軸ボ
ルト２６上にあり、このロールに引出しレール８が支持
される。中央レール７はやはり上下の走行ウェブ２９を
有する。走行ウェブ２９はそれぞれ、比較的狭い水平走
行ウェブ２７、２８と、取付けレール５と引出しレール
８の比較的幅広い水平ウェブ３１、３２との間に張り出
している。

【００２６】レール５、７、８の間に走行キャリッジ１
４、１５が取り付けられ、その走行キャリッジ中でロー
ル１２、１３、１７、１８と側面つりあいロール２１、
２２、２３、２４が支承される。

【００２７】ロール１２、１３、１７、１８と、つりあ
いロール２３、２４は全て中央レール７の形材の内部に
ある。

【００２８】図１１ないし図１３までの実施例では、取
付けレール５の垂直な縁部ウェブ３５がさねはぎ領域４
１を備える。即ち垂直な縁部ウェブ３５は、領域４１内
で２つのウェブ境界面が互いに隣接するように曲げられ
る。このさねはぎ領域４１は、取付けレール５の比較的
狭い水平走行ウェブ２７から上方の引出しレール８の方
向に延びている。さねはぎ領域４１によって、取り付け
レール５が著しく強化される。取付けレール５の前端
で、垂直な縁部ウェブ３５と水平走行ウェブ２７が、支
持ロール１６内のスペースを十分に開けるために切削さ
れる。

【００２９】本発明の引出しガイド機構は、中央レール
の前端で引出しレール用の少なくとも一つの支持ロール
が支承され、比較的狭い走行ウェブ、取付けレール及び
引出しレールの間を制御ロールが走るようにすることに
よって、家具中に占めるスペースができるだけ少なく、
重い引出しの荷重をかけることのできる、差動引出しを
実現することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】引出しが閉じた状態を示す、引出しの片側にお
ける引出しガイド機構のレールの概略縦断面図である。

【図２】引出しが完全に引き出された状態になってい
る、図１と同様の縦断面図である。

【図３】本発明の最初の実施例による、引出し枠と引出
し底板の断面図ならびに引出しの片側における引出しガ
イド機構のレールの前面図である。

【図４】図１のＡ−Ａ線に沿った断面図である。

【図５】図１のＢ−Ｂ線に沿った断面図である。

【図６】図１のＣ−Ｃ線に沿った断面図である。

【図７】本発明の別の実施例による、引出し枠と引出し
底板の断面図、ならびに引出しの片側における引出しガ
イド機構のレールの前面図である。

【図８】本発明の別の二つの実施例による図４ないし図
６の断面図である。

【図９】本発明の別の二つの実施例による図４ないし図
６の断面図である。

【図１０】本発明の別の二つの実施例による図４ないし
図６の断面図である。

【図１１】本発明の別の二つの実施例による図４ないし
図６の断面図である。

【図１２】本発明の別の二つの実施例による図４ないし
図６の断面図である。

【図１３】本発明の別の二つの実施例による図４ないし
図６の断面図である。

【図１４】制御ロールの領域内の引出しガイド機構の側
面図である。

【図１５】図１４のＩ−Ｉ線に沿った断面図である。

【図１６】中央レールの側面で二つのロールが支承され
ている、図１４と同様の側面図である。

【符号の説明】

５ 取付けレール ７ 中央レール ８ 引出しレール １１ 制御ロール ３０ 結合ウェブ

Claims (12)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】引出の両側に使用する引出しガイド機構で
   あって、引出しを家具内外にガイド移動させるものであ
   り、 家具の側壁に取り付けられる取付けレール（５）と、 引出しに取り付けられる引出しレール（８）と、 該取付けレール（５）と該引出しレール（８）との間の
   中央レール（７）であって、Ｕ形材あるいは二重Ｔ形材
   であり、上部及び下部の走行ウェブ（２９）と垂直な結
   合ウェブ（３０）とを有している中央レール（７）と、 それらレール間に配置された走行キャッリジ（１４，１
   ５）であって、中央レール（７）の走行ウェブ（２９）
   間に配置された荷重を伝達するロール（１２，１３，１
   ７，１８）を含んでいる走行キャッリジ（１４，１５）
   と、 を含んでおり、 前記取付けレール（５）と前記引出しレール（８）はそ
   れぞれＵ形材であって、少なくとも１つの垂直な縁部ウ
   ェブ（３５，３６）で接続された水平走行ウェブ（２
   ７，２８）と、少なくとも１つの垂直な縁部ウェブ（３
   ３，３４）と、水平ウェブ（３１，３２）とを含んでお
   り、該水平ウェブ（３１，３２）は前記水平走行ウェブ
   （２７，２８）よりも幅広いものであり、 前記中央レール（７）の移動を制御するために該中央レ
   ール（７）に固定された制御ロール（１１）であって、
   前記取付けレール（５）と前記引出しレール（８）の水
   平走行ウェブ（２７，２８）間を走行する制御ロール
   （１１）と、 前記引出しレール（８）を取り付けるために前記中央レ
   ール（７）の前端に搭載されている支持ロール（１６）
   と、 をさらに含んでいることを特徴とする引出しガイド機
   構。
2. 【請求項２】中央レール（７）の走行ウェブ（２９）の
   それぞれは、取付けレール（５）又は引出しレール
   （８）のそれぞれの水平ウェブ（３１，３２）と水平走
   行ウェブ（２７，２８）との間を延びていることを特徴
   とする請求項１記載の引出しガイド機構。
3. 【請求項３】中央レール（７）は２本のレール部材で形
   成されており、それぞれはＵ形材であり、結合ウェブ
   （３０）を含んでおり、該２本のレール部材の該結合ウ
   ェブ（３０）は互いに隣接していることを特徴とする請
   求項１記載の引出しガイド機構。
4. 【請求項４】少なくとも２つの制御ロール（１１）を含
   んでいることを特徴とする請求項１記載の引出しガイド
   機構。
5. 【請求項５】少なくとも１つの制御ロール（１１）は中
   央レール（７）のそれぞれの側部に提供されていること
   を特徴とする請求項４記載のガイド機構。
6. 【請求項６】中央レール（７）の側部に提供されている
   少なくとも２つの制御ロール（１１）を含んでいること
   を特徴とする請求項４記載のガイド機構。
7. 【請求項７】中央レール（７）の両側のそれぞれに前後
   に並べられている少なくとも２つの制御ロール（１１）
   を含んでいることを特徴とする請求項４記載のガイド機
   構。
8. 【請求項８】制御ロール（１１）は、中央レール（７）
   の結合ウェブ（３０）を通過して延びるアーム（３８）
   を備えたＵ形材を互いに噛み合わせることで前記中央レ
   ール（７）に保持されていることを特徴とする請求項４
   記載のガイド機構。
9. 【請求項９】共通軸で中央レール（７）に搭載されてい
   る２つの支持ロール（１６）を含んでいることを特徴と
   する請求項１記載のガイド機構。
10. 【請求項１０】支持ロール（１６）は制御ロール（１
    １）の直径よりも大きな直径を有していることを特徴と
    する請求項１記載のガイド機構。
11. 【請求項１１】取付けレール（５）の少なくとも１つの
    縁部ウェブ（３５）は折り重ねられていることを特徴と
    する請求項１記載のガイド機構。
12. 【請求項１２】制御ロール（１１）は、中央レール
    （７）の横断方向に該中央レール（７）の走行ウェブ
    （２９）を越えて延びることを特徴とする請求項１記載
    のガイド機構。