JP3347343B2 - マスキングテープ用アクリル系感圧接着剤組成物 - Google Patents

マスキングテープ用アクリル系感圧接着剤組成物

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JP3347343B2 JP18938891A JP18938891A JP3347343B2 JP 3347343 B2 JP3347343 B2 JP 3347343B2 JP 18938891 A JP18938891 A JP 18938891A JP 18938891 A JP18938891 A JP 18938891A JP 3347343 B2 JP3347343 B2 JP 3347343B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車等のバンパー、
外板などの塗装の際に用いられるマスキングテープ用の
アクリル系感圧接着剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車等の塗装には、種々のマスキング
テープが用いられているが、近年、焼付乾燥塗装用に供
しうる高品質の耐熱性マスキングテープが要求されるよ
うになっている。具体的な要求性能としては、例えば、
(1)塗装ライン中で短時間に貼付作業が行なえるよう
に、常温で充分な粘着力を有すること、(2)高温での
焼付乾燥中に剥離しないこと、(3)焼付乾燥後のテー
プ剥離面に粘着剤が残留しないこと、(4)マスキング
部の塗膜のラインが鮮明に出せること、(5)非汚染性
であり、テープ貼付面の塗膜を変色させないこと、等が
挙げられる。
【0003】ところで、従来から塗装マスキングテープ
には、天然ゴムを中心としたゴム系感圧接着剤が主とし
て用いられてきた。ゴム系感圧接着剤は、必要に応じて
フェノール樹脂やイオウ化合物などの架橋剤により架橋
されて用いられる。このゴム系感圧接着剤を用いたマス
キングテープは、塗装面に貼付し塗料を吹きつけ乾燥す
ると、塗料の種類によっては汚染したり、あるいは貼り
跡が発生する。
【0004】一方、アクリル系感圧接着剤を用いたマス
キングテープは、非汚染性で、貼り跡も少ないという利
点を有している。ところが、アクリル系感圧接着剤は、
常温ないしは比較的低温での粘着性は良好であるが、高
温において粘着力が急激に低下し、わずかな力で剥れて
しまう。したがって、アクリル系感圧接着テープを塗装
マスキングテープとして使用した場合、焼付乾燥時に温
度が高くなると粘着性が低下してテープが被着体から剥
がれるという問題点があった。
【0005】アクリル系感圧接着剤に用いられるポリマ
ーは、アクリル系の主モノマーのほかに、凝集性や粘着
性を向上させるため、官能性モノマーや各種コモノマー
がモノマー成分として用いられている。また、アクリル
系感圧接着剤の内部凝集力を向上させるために、架橋点
となる官能性モノマーをコモノマーとして用い、架橋剤
による架橋が行なわれている。そこで、アクリル系感圧
接着テープの高温での粘着力を改善するために、官能性
モノマーの使用割合を大きくすると、常温での粘着性が
低下したり、テープ剥離時に粘着剤の残留が生じる。ま
た、粘着剤の残留を防ぐために、架橋剤の量を多くする
とマスキング部の塗膜のライン性が悪くなる等の問題点
があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、常温
で充分な粘着力を有するとともに、高温での粘着力の低
下が少なく、しかも粘着剤の残留がなく、塗膜のライン
性の良好なマスキングテープ用アクリル系感圧接着剤組
成物を提供することにある。
【0007】本発明者らは、前記従来技術の問題点を克
服するために鋭意研究した結果、炭素数4以上のアルキ
ル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主
成分とするモノマー混合物を共重合して得られるポリマ
ーを含む特定の物性を有する感圧接着剤組成物が前記目
的を達成できることを見出し、その知見に基づいて本発
明を完成するに至った。
【0008】
【課題を解決するための手段】かくして本発明によれ
ば、炭素数4以上のアルキル基を有する(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステルを主成分とするモノマー混合物を
共重合して得られるポリマーを含む感圧接着剤組成物で
あって、(1)前記ポリマーが、 a)下記モノマー組成 (A)炭素数4〜12のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル 1.5〜90重量% (B)炭素数4〜18のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル 0〜98重量% (C)N−ビニルピロリドン 0〜20重量% (D)アクリルアミド 0〜10重量% (E)不飽和カルボン酸 0.5〜5重量% (F)その他の共重合性モノマー 0〜10重量% のモノマー混合物を共重合して得られるポリマーであるか、 b)下記モノマー組成〔I〕 (A)炭素数4〜12のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル 70〜99.5重量% (E)不飽和カルボン酸 0.5〜5重量% (F)その他の共重合性モノマー 0〜29.5重量% のモノマー混合物を共重合して得られるポリマー(a)50〜95重量%と、 下記モノマー組成〔II〕 (B)炭素数4〜18のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル 70〜100重量% (C)N−ビニルピロリドン 0〜20重量% (D)アクリルアミド 0〜10重量% (E)不飽和カルボン酸 0〜5重量% (F)その他の共重合性モノマー 0〜30重量% のモノマー混合物を共重合して得られるポリマー(b)
5〜50重量%との混合物であるか、 c)前記モノマー組成〔I〕のモノマー混合物50〜9
5重量%を共重合して得られるポリマー(a)の存在下
に、前記モノマー組成〔II〕のモノマー混合物5〜5
0重量%を共重合して得られるポリマーであるか、また
d)前記モノマー組成〔II〕のモノマー混合物5〜5
0重量%を共重合して得られるポリマー(b)の存在下
に、前記モノマー組成〔I〕のモノマー混合物50〜9
5重量%を共重合して得られるポリマーであり、 (2) 該組成物を支持体上に塗工した接着テープまたは
シートのSUS304鋼板に対する90℃における粘着
力が25gf/25mm以上、かつ、球転法によるボー
ルナンバーが10以上であることを特徴とするマスキン
グテープ用アクリル系感圧接着剤組成物が提供される。
【0009】以下、本発明について詳述する。本発明の
マスキングテープ用アクリル系感圧接着剤組成物は、該
組成物を支持体上に塗工した接着テープ(またはシー
ト)のSUS304鋼板に対する90℃における粘着力
が25gf/25mm以上であることが必要である。9
0℃における粘着力が25gf/25mm未満である
と、熱風乾燥の際に粘着テープに浮き(テープエッジの
浮き)が生じたり、剥れやすくなる。90℃における粘
着力は、好ましくは35gf/25mm以上である。
【0010】また、本発明のマスキングテープ用アクリ
ル系感圧接着剤組成物は、該組成物を支持上に塗工した
接着テープの球転法(JIS Z 0237:傾斜式ボ
ールタック)によるボールナンバーが10以上であるこ
とが必要である。ボールナンバーが10未満となると、
常温における充分なタックが得られず、常温での粘着力
が低下する。
【0011】本発明においては、アクリル系ポリマーと
して、下記組成のモノマー混合物(合計100重量%)
を共重合して得られるポリマーを用いることができる。モノマー組成 (A)炭素数4〜12のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル 1.5〜90重量% (B)炭素数4〜18のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル 0〜98重量% (C)N−ビニルピロリドン 0〜20重量% (D)アクリルアミド 0〜10重量% (E)不飽和カルボン酸 0.5〜5重量% (F)その他の共重合性モノマー 0〜10重量%
【0012】以下、各モノマー成分について説明する。 (A)炭素数4〜12のアルキル基を有するアクリル酸
アルキルエステル炭素数4〜12のアルキル基を有する
アクリル酸アルキルエステルは、常温でのタック、粘着
性を付与する成分である。具体例としては、例えば、ブ
チルアクリレート、アミルアクリレート、2−エチルヘ
キシルアクリレート(2EHA)、ヘプチルアクリレー
ト、n−オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレ
ート、n−ノニルアクリレート、イソノニルアクリレー
ト、デシルアクリレート、ラウリルアクリレート、これ
らの混合物等が挙げられる。
【0013】モノマー成分(A)の使用割合は、1.5
〜90重量%、好ましくは10〜90重量%である。
1.5重量%未満であると常温における充分なタックが
得られず、逆に、90重量%を越えるとSUS304板
に対する90℃における粘着力が低下する。
【0014】(B)炭素数4〜18のアルキル基を有す
るメタクリル酸アルキルエステル炭素数4〜18のアル
キル基を有するメタクリル酸アルキルエステルの具体例
としては、例えば、ブチルメタクリレート、アミルメタ
クリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ヘプ
チルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、イ
ソオクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレー
ト、イソノニルメタクリレート、デシルメタクリレー
ト、ラウリルメタクリレート(LMA)、トリデシルメ
タクリレート、イソテトラデシルメタクリレート、セチ
ルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、これら
の混合物等が挙げられる。
【0015】モノマー成分(B)の使用割合は、0〜9
8重量%である。この割合が98重量%を越えると常温
において充分なタックを得ることができない。モノマー
成分(B)の好ましい使用割合は、10重量%以上であ
り、それにより常温でのタックと90℃における粘着力
の良好なバランスを得ることができる。
【0016】(C)N−ビニルピロリドン N−ビニルピロリドン(NVP)は、高温における粘着
力を向上させる成分である。モノマー成分(C)は、使
用しなくてもよいが、使用する場合には20重量%まで
である。20重量%を越えると常温におけるタックが低
下する。
【0017】(D)アクリルアミド アクリルアミド(AAm)は、高温における粘着力を向
上させる成分である。成分(D)には、アクリルアミド
の他にメタアクリルアミド、n,n−ジメチルアクリル
アミド、n−メチロールアクリルアミド、イソプロピル
アクリルアミド等が含まれる。モノマー成分(D)は、
使用しなくてもよいが、使用する場合には10重量%ま
でである。10重量%を越えると常温におけるタックが
低下し、また、高温に加熱した後において粘着剤の残留
を起こしやすくなる。
【0018】(E)不飽和カルボン酸 不飽和カルボン酸は、感圧接着剤組成物を架橋し、凝集
性や耐溶剤性を付与する成分である。具体例としては、
アクリル酸(AA)、メタクリル酸、イタコン酸、マレ
イン酸、無水マレイン酸、クロトン酸、フマール酸等が
挙げられる。
【0019】モノマー成分(E)の使用割合は、0.5
〜5重量%である。0.5重量%未満では充分な凝集
性、耐溶剤性を得ることができず、逆に、5重量%を越
えると常温でのタックが低下し、また、高温に加熱した
後において粘着剤の残留を起こしやすくなる。
【0020】(F)その他の共重合性モノマー その他の共重合性モノマーは、感圧接着剤組成物の常温
または高温での特性を改質する成分である。具体例とし
ては、炭素数1〜3の(メタ)アクリル酸アルキルエス
テル、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル
(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレー
ト、等が挙げられる。さらに、酢酸ビニル(VAc)、
プロピオン酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン、ア
クリル酸2−メトキシエチル、アクリル酸2−エトキシ
エチル、アクリル酸2−ブトキシエチル、2−ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピ
ル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等
が挙げられる。
【0021】これらのモノマー混合物は、溶液重合法、
乳化重合法、懸濁重合法、塊状重合法等の従来公知の方
法により共重合できるが、汚染性が少なく、かつ、重合
が容易である点で溶液重合法が望ましい。重合に用いら
れる溶剤としては、例えば、トルエン、ヘキサン、ヘプ
タン、酢酸エチル、酢酸メチル、アセトン、メチルエチ
ルケトン、メタノール、t−ブチルアルコール等が挙げ
られる。
【0022】重合開始剤としては、例えば、ベンゾイル
パーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、メチルエ
チルケトンパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド等
の過酸化物系開始剤、アゾビスイソブチロニトリル、ア
ゾビスシアノバレリアン酸、アゾビスシアノペンタン
酸、アゾビス−2−シアノプロパン等のアゾ系開始剤が
挙げられる。
【0023】分子量を調整するために、重合調整剤を用
いることができる。重合調整剤としては、例えば、チオ
グリコール酸、2−エチルヘキシルチオグリコレート、
ドデシルメルカプタン、オクチルメルカプタン、ラウリ
ルメルカプタン、2−メルカプトエタノール、四塩化炭
素等が挙げられる。
【0024】本発明においては、アクリル系ポリマーと
して、前記各モノマー成分(A)〜(F)を一括仕込で
共重合させたものを使用することができるが、これらの
モノマー成分を分割して重合し、得られたポリマーを重
合後にブレンドして用いることができる。すなわち、下
記組成〔I〕のモノマー混合物を共重合して得られるポ
リマー(a)と下記組成〔II〕のモノマー混合物を共
重合して得られるポリマー(b)との混合物を用いるこ
とができる。
【0025】モノマー組成〔I〕 (A)炭素数4〜12のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル 70〜99.5重量% (E)不飽和カルボン酸 0.5〜5重量% (F)その他の共重合性モノマー 0〜29.5重量%モノマー組成〔II〕 (B)炭素数4〜18のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル 70〜100重量% (C)N−ビニルピロリドン 0〜20重量% (D)アクリルアミド 0〜10重量% (E)不飽和カルボン酸 0〜5重量% (F)その他の共重合性モノマー 0〜30重量%
【0026】ポリマー(a)とポリマー(b)との混合
割合(a:b)は、通常、95:5〜50:50の範囲
内である。ポリマー(a)の割合が95重量%を越える
と高温における粘着力が発現できず、逆に、50重量%
未満の場合には常温におけるタックが低下するため、い
ずれも好ましくない。また、このようなブレンド物を用
いることにより、各モノマー成分の使用割合やポリマー
の混合割合を調整するなどして、所望のタックと高温で
の粘着力のバランスを得ることができる。
【0027】アクリル系感圧接着剤組成物は、組成が異
なるポリマーをブレンドすると相溶せず溶液が層分離し
やすくなるが、ポリマーの分子量が小さい場合には層分
離することはない。ポリマー(a)の平均分子量は、3
0〜120万の範囲が好ましい。ポリマー(a)の平均
分子量が120万を越えると重合の際にゲル化しやすく
なる。ポリマー(b)は、分子量が高いとポリマー
(a)との混合時に溶液が層分離しやすいのでするので
平均分子量を10万以下にするのが好ましいが、分子量
が低すぎると高温における粘着力が発現されず、また、
汚染の原因にもなるので少なくとも5000以上にする
ことが好ましい。
【0028】以上のような層分離現象は、短期間の場合
にはさほど問題にはならず、また、テープまたはシート
基材に塗工される場合は、通常、感圧接着剤が架橋され
るのでテープ特性の経時変化もさほど問題にはならな
い。しかし、溶液状態での保存が長期間に及ぶ場合など
は、層分離が懸念される。このような場合には、一方の
ポリマーを予め重合しておき、このポリマーの存在下に
他モノマー成分を添加し重合すると、感圧接着剤を含む
溶液は長期の経時でも層分離を起こさなくなる。
【0029】すなわち、前記組成〔I〕のモノマー混合
物を共重合して得られるポリマー(a)の存在下に、前
記組成〔II〕のモノマー混合物を共重合するか、ある
いは前記組成〔II〕のモノマー混合物を共重合して得
られるポリマー(b)の存在下に、前記組成〔I〕のモ
ノマー混合物を共重合することにより、経時における層
分離を防ぐことができる。この理由は、後段重合時にグ
ラフト重合が一部起こり、生成したグラフト化物が相溶
化剤として働くためであると推定される。この場合、前
記ポリマーブレンドにおけると同様、モノマー組成
〔I〕とモノマー組成〔II〕との使用割合(I:I
I)は、95:5〜50:50の範囲内が好ましい。
【0030】以上のようにして得られたアクリル系ポリ
マーは、凝集力が低いため、通常、架橋剤が添加され
る。架橋剤としては、例えば、ポリイソシアネート系、
エポキシ樹脂系、メラミン樹脂系、金属系等の公知の架
橋剤が用いられる。また、所望により、充填剤、着色
剤、軟化剤等を粘着特性を低下させない範囲で添加して
もよい。
【0031】本発明の感圧接着剤組成物を塗工する支持
体(基材)としては、例えば、和紙、クレープ紙、布、
ポリエステル、ポリプロピレン、塩化ビニル、ポリエチ
レン等のフィルム、あるいはこれらの複合基材が用いら
れる。
【0032】以上のように、常温において粘着性を付与
するモノマー成分と高温において粘着性を付与するモノ
マー成分を共重合することにより、常温から高温までの
広い範囲において粘着性が発現するアクリル系感圧接着
剤組成物が得られる。
【0033】
【実施例】以下に実施例および比較例を挙げて本発明に
ついてさらに具体的に説明するが、本発明は、これらの
実施例のみに限定されるものではない。
【0034】なお、接着剤の物性の測定方法は次のとお
りである。 <粘着力>アクリル系感圧接着剤組成物を軟質塩化ビニ
ルシート上に30μmの乾燥厚みで塗工した試料を用
い、JIS Z 0237の8にしたがって、ステンレ
ス鋼板(SUS304)に対する180度引き剥し粘着
力(gf/25mm)を23℃で求めた。
【0035】<90℃における粘着力>JIS Z 0
237の8に準じて測定するが、SUS304鋼板への
貼付は23℃で行ない、圧着後90℃に20分間放置
し、90℃の雰囲気中で引き剥し粘着力(gf/25m
m)を求めた。
【0036】<ボールタック>JIS Z 0237の
12の球転法により測定し、ボールナンバーで示す。
【0037】<粘着剤残留テスト>市販の白色塗料をポ
リプロピレン板(PP板)に吹き付け塗装し、120℃
で20分間乾燥した後(厚み40μm)、接着テープを
貼付し、120℃で20分間加熱後、直ちにテープを剥
す場合と、冷却後剥す場合について粘着剤の残留の有無
を目視で観察して、次の3段階で評価した。
【0038】○:残留無し、 △:僅かに残留、 ×:テープ貼付面全面に残留あり。
【0039】[実施例1〜6、比較例1〜5]撹拌装
置、冷却管、温度計、窒素導入管、滴下ロートを備えた
反応装置に、それぞれ表1に示す部数のモノマー混合物
100重量部と酢酸エチル150重量部を添加し、窒素
ガスを封入しながら60℃に昇温した。その後60℃を
維持し、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.
1重量部を添加して8時間重合を行った。重合を完結さ
せるために、さらに80℃に昇温し2時間保った。
【0040】得られた反応混合物にイソシアネート系架
橋剤2重量部を添加して感圧接着剤溶液を得た。これを
軟質塩化ビニルシートに塗布し、120℃で5分間乾燥
して感圧接着剤シートを得た(接着剤層の乾燥厚み30
μm)。これらのシートの粘着特性について測定した結
果を表1に示す。なお、90℃における粘着力が25g
f/25mm未満の接着テープは、粘着剤の残留テスト
中、乾燥熱風によりテープエッジが浮いた。
【0041】
【表1】
【0042】[実施例7〜14]上記と同様の装置、条
件で表2に示すモノマー組成〔I〕(A、B)およびモ
ノマー組成〔II〕(a、b、c、d)をそれぞれ共重
合した。得られた各ポリマー(A〜B、a〜d)を表3
に示す組合わせと混合割合で混合し、架橋剤としてイソ
シアネート系化合物3重量部を添加して、感圧接着剤溶
液を得た。これを上記と同様にして軟質塩化ビニルシー
トに塗布して感圧接着剤シートを作成し、同様の評価を
行った。結果を表3に示す。なお、粘着剤残留試験の結
果、いずれも粘着剤の残留は無かった。また、これらの
感圧接着剤溶液は、3日目にゲル化したが、粘着剤の層
分離は見られなかった。
【0043】
【表2】
【0044】
【表3】
【0045】[実施例15〜16、比較例6〜9]上記
で得られたポリマーAおよびポリマーaの混合割合を表
4に示すように変化させ、イソシアネート系架橋剤3重
量部を添加して感圧接着剤溶液を得た。これを上記と同
様にして軟質塩化ビニルシートに塗布して感圧接着剤シ
ートを作成し、同様の評価を行った。結果を表4に示
す。
【0046】
【表4】
【0047】[実施例17]上記実施例においてモノマ
ー組成Aの70重量部を重合した後に、モノマー組成a
30重量部と重合開始剤(ベンゾイルバーオキサイド)
0.03重量部を添加して重合を行った。得られたポリ
マーにイソシアネート系架橋剤3重量部を添加し感圧接
着剤溶液を得た。上記と同様にして軟質塩化ビニルの感
圧接着剤シートを得、同様の評価を行った。結果を表5
に示す。なお、架橋剤を添加した感圧接着剤溶液は、3
日目にゲル化したが、未添加のものは1か月経時しても
層分離はしなかった。
【0048】[実施例18]実施例17において重合順
序を逆にした。すなわち、モノマー組成aの30重量部
を重合した後に、モノマー組成A70重量部と重合開始
剤(ベンゾイルバーオキサイド)0.03重量部を添加
して重合を行った。得られたポリマーにイソシアネート
系架橋剤3重量部を添加し感圧接着剤溶液を得た。上記
と同様にして軟質塩化ビニルの感圧接着剤シートを得、
同様の評価を行った。結果を表5に示す。なお、架橋剤
を添加した感圧接着剤溶液は、3日目にゲル化したが、
未添加のものは1か月経時しても層分離はしなかった。
【0049】
【表5】
【0050】
【発明の効果】本発明のアクリル系感圧接着剤組成物に
よれば、従来のマスキングテープの高温における粘着力
の低下が改善され、高温においても粘着性を保つため、
浮きの発生しないマスキングテープが提供できる。ま
た、アクリル系感圧接着剤組成物のモノマー組成、官能
基と架橋剤を適度に組み合わせることにより、粘着剤の
残留を防ぎ、ライン性に優れるマスキングテープが提供
できる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C09J 151/00 C09J 151/00 (72)発明者 灰原 正雄 東京都千代田区九段南二丁目2番4号 ニチバン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−202682(JP,A) 特開 平2−284980(JP,A) 特開 昭61−264074(JP,A) 特開 昭63−225676(JP,A) 特開 平4−31480(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09J 133/06 - 133/10 C09J 133/02 C09J 133/26 C09J 139/06 C09J 151/00 C09J 7/02 - 7/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素数4以上のアルキル基を有する(メ
    タ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするモノマ
    ー混合物を共重合して得られるポリマーを含む感圧接着
    剤組成物であって、(1)前記ポリマーが、 a)下記モノマー組成 (A)炭素数4〜12のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル 1.5〜90重量% (B)炭素数4〜18のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル 0〜98重量% (C)N−ビニルピロリドン 0〜20重量% (D)アクリルアミド 0〜10重量% (E)不飽和カルボン酸 0.5〜5重量% (F)その他の共重合性モノマー 0〜10重量% のモノマー混合物を共重合して得られるポリマーであるか、 b)下記モノマー組成〔I〕 (A)炭素数4〜12のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル 70〜99.5重量% (E)不飽和カルボン酸 0.5〜5重量% (F)その他の共重合性モノマー 0〜29.5重量% のモノマー混合物を共重合して得られるポリマー(a)50〜95重量%と、 下記モノマー組成〔II〕 (B)炭素数4〜18のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル 70〜100重量% (C)N−ビニルピロリドン 0〜20重量% (D)アクリルアミド 0〜10重量% (E)不飽和カルボン酸 0〜5重量% (F)その他の共重合性モノマー 0〜30重量% のモノマー混合物を共重合して得られるポリマー(b)
    5〜50重量%との混合 物であるか、 c)前記モノマー組成〔I〕のモノマー混合物50〜9
    5重量%を共重合して得られるポリマー(a)の存在下
    に、前記モノマー組成〔II〕のモノマー混合物5〜5
    0重量%を共重合して得られるポリマーであるか、また
    d)前記モノマー組成〔II〕のモノマー混合物5〜5
    0重量%を共重合して得られるポリマー(b)の存在下
    に、前記モノマー組成〔I〕のモノマー混合物50〜9
    5重量%を共重合して得られるポリマーであり、 (2) 該組成物を支持体上に塗工した接着テープまたは
    シートのSUS304鋼板に対する90℃における粘着
    力が25gf/25mm以上、かつ、球転法によるボー
    ルナンバーが10以上であることを特徴とするマスキン
    グテープ用アクリル系感圧接着剤組成物。
  2. 【請求項2】 さらに、架橋剤を含む請求項1記載のマ
    スキングテープ用アクリル系感圧接着剤組成物。
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