JP3345514B2 - ポリエーテルエステルブロック共重合体組成物 - Google Patents

ポリエーテルエステルブロック共重合体組成物

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JP3345514B2 JP18090194A JP18090194A JP3345514B2 JP 3345514 B2 JP3345514 B2 JP 3345514B2 JP 18090194 A JP18090194 A JP 18090194A JP 18090194 A JP18090194 A JP 18090194A JP 3345514 B2 JP3345514 B2 JP 3345514B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリエーテルエステル
ブロック共重合体樹脂組成物に関し、更に詳しくは耐熱
老化性に優れた熱可塑性ポリエーテルエステルブロック
共重合体樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】芳香族ポリエステルをハードセグメント
とし、ポリ(アルキレンオキシド)グリコールをソフト
セグメントとするポリエーテルポリエステル型のブロッ
ク共重合体は、耐寒性、耐熱性、耐油性、耐屈曲疲労
性、機械的強度に優れた飽和ポリエステルエラストマー
として自動車用部品、工業用部品、電気・電子部品等の
多用途に使用され、近年益々その応用範囲を広げてい
る。そして、これらの成形材料用の飽和ポリエステルエ
ラストマーは、通常、芳香族ジカルボン酸又はその低級
アルキルエステルと脂肪族グリコール等からなるポリエ
ステル形成成分とポリ(アルキレンオキシド)グリコー
ル等のポリエーテルを高温で重縮合させることにより製
造されている。
【0003】かかる方法で製造されたポリエーテルエス
テルブロック共重合体は、加工時又は使用時において酸
素及び熱の作用により劣化、軟化、脆化、表面亀裂など
の現象を伴ってその機械的物性が著しく低下する等の安
定性に大きな問題点がある。そこで、ポリエーテルエス
テルブロック共重合体の耐熱老化性を改善すべく種々の
方法について検討がなされている。
【0004】(イ)特開平4−332755号公報に
は、特定の片ヒンダードフェノール系化合物、チオプロ
ピオネート系化合物及びリン系化合物を配合する方法
が、(ロ)特開平4−337349号公報には両ヒンダ
ードフェノール系化合物、片ヒンダードフェノール系化
合物、ヒンダードアミン系化合物及びチオエーテル系化
合物を配合する方法が、(ハ)特開平5−125262
号公報には、トリス(ヒドロキシ−ベンジル)ベンゼン
とビス(アルキルフェニル)ペンタエリスリトールジホ
スファイトを配合する方法がそれぞれ開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
(イ)〜(ハ)においては、耐熱老化性の改善は見られ
るものの、いまだ十分とはいえず、例えば(イ)、
(ロ)では160〜170℃と高温における耐熱性が得
られているものの、加熱処理時間が1分或いは20時間
程度と長期間の耐熱性については考慮されていない。ま
た(ハ)においても7日程度の加熱処理期間であり、し
かも耐熱温度が121℃とまだまだ満足できるものでは
なく、140〜150℃程度の高温において長期間の耐
熱老化性にすぐれたポリエーテルエステル共重合体が望
まれている。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
かかる問題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、芳香族
ポリエステル単位をハードセグメントとし、ポリ(アル
キレンオキシド)グリコール単位をソフトセグメントと
するポリエーテルポリエステルブロック共重合体に両ヒ
ンダードフェノール系酸化防止剤(A)、片ヒンダード
フェノール系酸化防止剤(B)、チオエーテル系化合物
(C)及びリン系化合物(D)を配合してなり、(A)
+(B)の配合量が該共重合体100重量部に対して
0.01〜5重量部で(C)/〔(A)+(B)〕の配
合量重量比が0.2〜4であるポリエーテルエステルブ
ロック共重合体は、耐熱老化性に優れていることを見出
し、本発明の完成に至った。以下に本発明を詳細に説明
する。
【0007】本発明のポリエーテルエステルブロック共
重合体は芳香族ジカルボン、アルキレングリコール及び
ポリ(アルキレンオキシド)グリコールを重縮合して得
られるもので該芳香族カルボン酸としては、主としてテ
レフタル酸及びその低級アルキルエステルが用いられ、
その他としてはイソフタル酸、フタル酸、2,5−ノル
ボルナンジカルボン酸、1,4−ナフタル酸、1,5−
ナフタル酸、4,4−オキシ安息香酸及びそれらの低級
アルキルエステル等が挙げられるが中でもジメチルテレ
フタレートが原料の入手し易さ、ポリエステル化速度の
速いこと、ポリエーテルに対する影響(酸分解しない)
の面から特に好ましい。
【0008】またアルキレングリコールとしては、エチ
レングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチ
レングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘ
キサンジオール等が挙げられるが中でも1,4−ブタン
ジオールが良好な弾性特性を示し特に好ましい。更に、
ポリ(アルキレンオキシド)グリコールとしては、ポリ
テトラメチレングリコール、ポリエチレングリコール、
ポリプロピレングリコール等で分子量600〜4000
のものが挙げられるが中でも分子量1000〜2000
のポリテトラメチレングリコールが良好な弾性特性を示
し特に好ましい。
【0009】本発明のポリエーテルエステルブロック共
重合体は、通常の共重合方法により得ることができる。
つまり、上記の如く、芳香族ジカルボン酸、アルキレン
グリコール及びポリ(アルキレンオキシド)グリコール
を反応させるのであって、反応機構としては、まず、芳
香族ジカルボン酸とアルキレングリコール及び芳香族ジ
カルボン酸とポリ(アルキレンオキシド)グリコールの
エステル反応がおこり、その後重縮合して、ポリエーテ
ルエステルブロック共重合体(飽和ポリエステルエラス
トマー)を生成するのである。
【0010】そして、上記のエステル化反応工程及び重
縮合反応工程には、必要に応じて触媒を用いることがあ
り、その触媒としては、リチウム、カリウム、ナトリウ
ム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、アル
ミニウム、チタン、コバルト、ゲルマニウム、錫、鉛、
アンチモン、カドミウム、マンガンなどの化合物が挙げ
られ、特に好ましくはテトライソプロピルチタネート、
テトラ−n−ブチルチタネート、ジブチルチンオキサイ
ド、酢酸カルシウム、酢酸亜鉛が使用でき、またこれら
の触媒は2種以上併用してもよい。
【0011】本発明の材料仕込み量は、芳香族ジカルボ
ン酸又はその低級アルキルエステル、アルキレングリコ
ール及びポリ(アルキレンオキシド)グリコールをモル
比で1/0.5〜2.5/0.05〜0.6の割合とす
るのが好ましく、特に好ましくは、1/1.0〜2.0
/0.1〜0.4である。芳香族ジカルボン酸1モルに
対する触媒の添加量は、0.0001〜0.1モルが好
ましく、特に好ましくは0.001〜0.01モルであ
る。触媒の添加方法は、最初に一括添加しても良いがエ
ステル反応時と重縮合反応時に分けて添加した方が良好
であり、その添加量の比率は1/1〜10の範囲で行う
のが好ましい。
【0012】本発明の最大の特徴は上記の如く得られた
ポリエーテルエステルブロック共重合体に両ヒンダード
フェノール系酸化防止剤(A)、片ヒンダードフェノー
ル系酸化防止剤(B)、チオエーテル化合物(C)及び
リン化合物(D)を配合することで(A)としては2,
6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(例えば、
住友化学社製:商品名「スミライザーBHT」等)、n
−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオネート(例えば、住友化
学社製:商品名「スミライザーBP−76」等)、テト
ラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン(例え
ば、住友化学社製:商品名「スミライザーBP−10
1」等)、1,6−ヘキサンジオール−ビス−〔3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート〕(例えば、チバガイギー社製:商品名
「イルガノックス259」等)、2,2−チオ−ジエチ
レンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート(例えば、チバガイギー
社製:商品名「イルガノックス1035FF」等)。
【0013】トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト(例えば、チ
バガイギー社製:商品名「イルガノックス3114」
等)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)
ベンゼン(例えば、チバガイギー社製:商品名「イルガ
ノックス1330」等)、ペンタエリスリチル−テトラ
キス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート〕(例えば、チバガイギー社
製:商品名「イルガノックス1010」等)が挙げら
れ、好ましくはペンタエリスリチル−テトラキス〔3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート〕、1,6−ヘキサンジオール−ビス
〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート〕、1,3,5−トリメチル−
2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシベンジル)ベンゼンが使用される。
【0014】(B)としては、トリエチレングリコール
−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート〕(例えば、チバガイ
ギー社製:商品名「イルガノックス245」等)、3,
9−ビス−〔2−〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロ
キシ−5−メチルフェニル)−プロピオニルオキシ〕−
1,1−ジメチルエチル〕−2,4,8,10−テトラ
オキサスピロ〔5,5〕ウンデカン(例えば、住友化学
社製:商品名「スミライザーGA80」等)、4,4’
−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)
(例えば、住友化学社製:商品名「スミライザーWX−
R」等)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6
−t−ブチルフェノール)(例えば、住友化学社製:商
品名「スミライザーBBMS」等)が挙げられ、好まし
くはトリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブ
チル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート〕、3,9−ビス−〔2−(3−t−ブチル−4
−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−プロピオニルオ
キシ〕−1,1−ジメチルエチル−2,4,8,10−
テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカンが使用され
る。
【0015】また(A)+(B)の配合量はポリエーテ
ルエステルブロック共重合体100重量部に対して0,
01〜5重量部であることが必要であり、好ましくは
0.1〜2.5重量部、更に好ましくは0.2〜2.0
重量部である。(A)+(B)の配合量が0.01重量
部未満では添加による効果が極めて小さく、耐熱老化性
の向上がみられず、実用上不適当である。逆に5重量部
を超えると耐熱老化性の低下がみられ、またブリードア
ウト、ブルーミング、力学的物性の低下がみられるなど
実用上問題となり不適当である。また(A)/(B)の
配合比については特に限定されないが耐熱老化性の効果
をより向上させる観点から(A)、(B)それぞれに含
まれるフェノール性水酸基のモル数を(a)、(b)と
する時、モル比(a)/(b)は10/1〜1/5が好
ましく、更に好ましくは5/1〜1/1となる様に
(A)、(B)の配合比を調製することが望ましい。
【0016】チオエーテル系化合物(C)としては、ジ
オクチルチオジプロピオネート、ジドデシルチオジプロ
ピオネート、ドデシルステアリルチオジプロピオネー
ト、ジステアリルチオジプロピオネート、ジミリスチル
チオジプロピオネート、ジデシルチオジプロピオネー
ト、ジドデシル−β,β′−チオジブチレート、ジステ
アリル−β,β′−チオジブチレート、ペンタエリスリ
トール−テトラキス(ドデシルチオプロピオネート)、
ペンタエリスリトール−テトラキス(ドデシルチオアセ
テート)、ペンタエリスリトール−テトラキス(ドデシ
ルチオブチレート)、ペンタエリスリトール−テトラキ
ス(オクタデシルチオプロピオネート)、ペンタエリス
リトール−テトラキス(ラウリルチオプロピオネー
ト)、ジラウリル3,3′−チオジプロピオネート、ジ
ステアリル−3,3′−チオジプロピオネート、ジトリ
デシル3,3′−チオジプロピオネート、テトラキス
[メチレン−3−(ドデシルチオ)プロピオネート]等
の公知のものが挙げられ、好ましくは、ジステアリル−
3,3′−チオジプロピオネートが使用される。
【0017】(C)の配合量に関しては、上記(A)+
(B)の総重量に対して(C)/〔(A)+(B)〕=
0.2〜4(重量基準)の関係を満足することが必要で
(C)/〔(A)+(B)〕が0.2未満では長期の耐
熱老化性の向上効果が小さく逆に4を超えるとイオウ化
合物のブリード、ブルーミング、更にはイオウ臭が発生
するなどの問題が生じる。好ましくは、(C)/
〔(A)+(B)〕=0.3〜3.0、更に好ましくは
(C)/〔(A)+(B)〕=0.5〜2.5である。
リン系化合物(D)としては下記の化1で示される化合
物が好適に用いられ
【化1】(R13POn1:アルキルオキシ基、アルケニルオキシ基、フェニ
ルオキシ基、置換フェニルオキシ基 n:0又は1
【0018】該化合物として具体的にはトリフェニルフ
ォスフェート、トリフェニルフォスフィンオキシド、ト
リエチルフォスフィンオキシド、リン酸トリエチル、亜
リン酸トリフェニル、亜リン酸トリエチル等が挙げられ
る。また、下記の化2で示される化合物も好適に用いら
れる。
【化2】 2:アルキル基、アルケニル基、フェニル基、置換フ
ェニル基 R3:C1〜C6のアルキル基 該化合物として具体的にはジエチルフォスホノ酢酸エチ
ル、又は3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベン
ジルフォスフォネート−ジエチルエステル等が挙げられ
る。
【0019】(D)の配合量としては特に限定されない
が、(A)〜(D)を添加する前のポリエーテルエステ
ルブロック共重合体に対して0.5〜4.0ミリモル/
共重合体kgが好ましく、更に好ましくは1.0〜2.
0ミリモル/共重合体kg、該配合量が過少では十分な
耐熱向上効果がなくなり、過多ではポリエーテルエステ
ルブロック共重合体の耐加水分解性が損なわれる傾向に
ある。
【0020】上記(A)〜(D)の配合物のポリエーテ
ルエステルブロック共重合体への配合方法は、ポリエー
テルエステルブロック共重合体の重縮合反応工程後であ
れば特に制限されず、重合缶中の払い出し前の溶融状態
のポリエーテルエステルブロック共重合体に添加する方
法、生成したポリエーテルエステルブロック共重合体を
押出機等を用いて、ペレット化したりする際の溶融した
ポリエーテルエステルブロック共重合体に添加する方法
等が最も効果を発現できる添加方法である。また成形時
に添加する方法も採用され得る。
【0021】本発明のポリエーテルエステルブロック共
重合体には、アルカリ金属化合物、タルク等の結晶核
剤、ガラス繊維、難燃剤、着色剤等を配合することがで
きる。かかる方法により得られた発明のポリエーテルエ
ステルブロック共重合体組成物は、必要であれば、更に
ペレット加工時等の後処理がなされる。また、従来よ
り、芳香族ジカルボン酸、アルキレングリコール及びポ
リ(アルキレンオキシド)グリコールを重縮合して得ら
れたポリエステル共重合体(ポリエステルエラストマ
ー)は、その伸縮柔軟性、透湿性等を生かして医療用途
(救急絆創膏,サージカルテープ,リハビリテープ等の
医療補助用テープの基材、消炎・鎮痛・血行促進等の疾
患治療用テープの基材、手術用手袋等)、衛生用途(紙
おむつ固定用テープの基材、ナプキン固定用テープの基
材)、スポーツ衣料用途等に用いられているが、特定の
化合物を配合した本発明のポリエーテルエステルブロッ
ク共重合体組成物も従来のポリエステルエラストマーと
同様に上記用途においても大変有用である。
【0022】
【作 用】本発明では、ポリエーテルエステルブロック
共重合体組成物に特定量のヒンダードフェノール系酸化
防止剤、片ヒンダードフェノール系酸化防止剤、チオエ
ーテル系化合物及びリン系化合物を配合しているため、
耐熱老化性に優れたポリエーテルエステルブロック共重
合体が得られ、自動車用部品、工業用部品、電気、電子
部品等に利用することができる。
【0023】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。尚、実施例中、「部」、「%」とあるのは、特に
断りのない限り重量基準である。 実施例1 撹拌機、温度計、ガス吹き込み口及び蒸留口を備えた反
応器に窒素ガス雰囲気下でジメチルテレフタレート2
9.4kg、1,4−ブタンジオール16.0kg、平
均分子量1000のポリテトラメチレングリコール1
9.7kg、触媒としてテトラブチルチタネート4.6
gを仕込み210℃で窒素ガス中で2時間反応させ、メ
タノール9.6kgを溜出後、テトラブチルチタネート
11gを添加して210℃から250℃まで90分で昇
温し、同時に反応系の圧力を徐々に減じて真空度0.5
Torrで2時間反応させた。続いて反応系の温度を2
20〜230℃まで冷却後、両ヒンダードフェノール系
の酸化防止剤(A)としてイルガノックス1330(チ
バガイギー社製)200g、片ヒンダードフェノール系
酸化防止剤(B)としてスミライザーGA−80(住友
化学社製)100g及び(C)、(D)成分としてジス
テアリル−3,3’−チオジプロピオネート615g、
イルガノックス1222(チバガイギー社製)31.0
gを添加して1時間混合した後に冷却しペレタイザーに
てペレット化して本発明のポリエーテルエステルブロッ
ク共重合体組成物を得た。本ペレットのショアDは、A
STM D2240に準拠してDタイプデュロメーター
にて測定し、50となった。またJIS K7210の
熱可塑性プラスチックスの流れ試験法に準拠して溶融粘
度を測定したところ、2300ポイズとなった。
【0024】かかるポリエーテルエステルブロック共重
合体について以下の通り耐熱老化性の測定を行った。
【0025】(耐熱老化性)80℃×2Hr乾燥後のペ
レットを140℃のギヤーオーブンにて21日間放置
後、引張り弾性率、引張強度、伸度(JIS K 71
13のプラスチックの引張試験方法に準拠)の各物性を
測定し、暴露処理前の各物性に対する各保持率(%)を
求めた。 実施例2〜8、比較例1〜8 (A)〜(D)成分の配分組成を表1,2に示す如く変
化させて、実施例1に準じてポリエーテルエステルブロ
ック共重合体を製造し、実施例1と同様に評価を行っ
た。その結果を表3に示す。
【0026】
【表1】 (A)成分 (B)成分 (C)成分 (D)成分 配合剤 配合量 配合剤 配合量 配合剤 配合量 配合剤 配合量 実施例1 A-1 0.4 B-1 0.2 C-1 1.2 D-1 1.7 2 A-1 0.3 B-1 0.2 C-1 1.0 D-1 1.7 3 A-1 0.1 B-1 0.1 C-1 0.5 D-1 1.7 4 A-1 0.5 B-1 0.7 C-1 0.6 D-1 1.7 5 A-1 0.6 B-1 1.2 C-1 1.8 D-1 1.7 6 A-2 0.2 B-1 0.1 C-1 0.6 D-2 1.7 7 A-2 0.6 B-2 0.3 C-2 1.5 D-3 1.7 8 A-3 0.5 B-3 0.3 C-1 1.5 D-4 1.7 比較例1 A-1 0.004 B-1 0.002 C-1 0.012 D-1 1.7 2 A-1 4.0 B-1 2.0 C-1 12.0 D-1 1.7 3 A-1 0.4 B-1 0.2 C-1 0.09 D-1 1.7 4 A-1 0.4 B-1 0.2 C-1 3.0 D-1 1.7 5 − − B-1 0.6 C-1 1.2 D-1 1.7 6 A-1 0.6 − − C-1 1.2 D-1 1.7 7 A-1 0.4 B-1 0.2 − − D-1 1.7 8 A-1 0.4 B-1 0.2 C-1 1.2 − −
【0027】注)(A)〜(C)成分の配合量はポリエ
ーテルエステルブロック共重合体100重量部に対する
それぞれの重量部を表す。(D)はポリエーテルエステ
ルブロック共重合体1kgに対して添加されるミリモル
数を表す。 略号は以下の通り。 A−1:ペンタエリスリトール−テトラキス〔3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート〕(商品名:ノルガノックス1010) A−2:1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート〕(商品名:ノルガノックス259) A−3:1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)
ベンゼン(商品名:ノルガノックス1350) B−1:3,9−ビス−〔2−(3−t−ブチル−4−
ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキ
シ〕−1,1−ジメチルエチル−2,4,8,10−テ
トラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン(商品名:スミ
ライザーGA−80) B−2:トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t
−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロ
ピオネート〕(商品名:イルガノックス245) C−1:ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネー
ト D−1:3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベン
ジルホスホネート−ジエチルエステル(商品名:イルガ
ノックス1222) D−2:ジエチルホスホノ酢酸エチル D−3:トリフェニルホスフィンキシド D−4:亜リン酸トリフェニル
【0028】
【表2】 (A)+(B) (C) (a)/(b) 配合量 (A)+(B) (モル比) 実施例1 0.6 2.0 4.0 2 0.5 2.0 3.0 3 0.2 2.5 2.0 4 1.2 0.5 1.4 5 1.8 1.0 1.0 6 0.3 2.0 2.0 7 0.9 1.7 2.0 8 0.8 1.9 3.3 比較例1 0.006 2.0 4.0 2 6.0 2.0 4.0 3 0.6 0.15 4.0 4 0.6 5.0 4.0 5 0.6 2.0 2.0 6 0.6 2.0 − 7 0.6 0 4.0 8 0.6 2.0 4.0 (注)(A)+(B)成分の配合量はポリエーテルエス
テルブロック共重合体100重量部に対する重量部を表
す。(C)/〔(A)+(B)〕は配合重量比を表す。
(a)/(b)は(A),(B)のフェノール性水酸基
のモル比を表す。
【0029】
【表3】 注)耐熱老化性は各物性の保持率(%)で示した。 *:著しいイオウ臭及びブリードアウト、ブルーミング
が観察された。
【0030】
【発明の効果】本発明では、ポリエーテルエステルブロ
ック共重合体組成物に特定量の両ヒンダードフェノール
系酸化防止剤、片ヒンダードフェノール系酸化防止剤、
チオエーテル系化合物及びリン系化合物を配合している
ため、耐熱老化性に優れたポリエーテルエステルブロッ
ク共重合体が得られ、自動車用部品、工業用部品、電気
・電子部品等に利用することができる。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ポリエステル単位をハードセグメ
    ントとし、ポリ(アルキレンオキシド)グリコール単位
    をソフトセグメントとするポリエーテルエステルブロッ
    ク共重合体100重量部に対して両ヒンダードフェノー
    ル系酸化防止剤(A)、片ヒンダードフェノール系酸化
    防止剤(B)、チオエーテル系化合物(C)及びリン系
    化合物(D)を配合してなり、(A)+(B)の配合量
    が0.01〜5重量部で(C)/〔(A)+(B)〕の
    配合量重量比が0.2〜4であることを特徴とするポリ
    エーテルエステルブロック共重合体組成物。
  2. 【請求項2】 両ヒンダードフェノール系酸化防止剤
    (A)のフェノール性水酸基のモル数(a)及び片ヒン
    ダードフェノール系酸化防止剤(B)のフェノール性水
    酸基のモル数(b)のモル比(a)/(b)が10/1
    〜1/5であることを特徴とする請求項1記載のポリエ
    ーテルエステルブロック共重合体組成物。
  3. 【請求項3】 両ヒンダードフェノール系酸化防止剤
    (A)がペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,
    5−t−ブチルー4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
    ート〕、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,
    5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピ
    オネート〕、1,3,5−トリメチル−2,4,6−ト
    リス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジ
    ル)ベンゼンからなる群より選ばれる少なくとも1種で
    あることを特徴とする請求項1記載または2記載のポリ
    エーテルエステルブロック共重合体組成物。
  4. 【請求項4】 片ヒンダードフェノール系酸化防止剤
    (B)がトリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t
    −ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロ
    ピオネート、3,9−ビス〔2−(3−t−ブチル−4
    −ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−プロピオニルオ
    キシ〕−1,1−ジメチルエチル−2,4,8,10−
    テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカンからなる群よ
    り選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求
    項1〜3いずれかに記載のポリエーテルエステルブロッ
    ク共重合体組成物。
  5. 【請求項5】チオエーテル系化合物(C)がジステアリ
    ル−3,3’−チオジプロピオネートであることを特徴
    とする請求項1〜4いずれかに記載のポリエーテルエス
    テルブロック共重合体組成物。
  6. 【請求項6】 リン系化合物(D)が下記の化1及び化
    2からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを
    特徴とする請求項1〜5いずれかに記載のポリエーテル
    エステルブロック共重合体組成物。 【化1】(R13POn1:アルキルオキシ基、アルケニルオキシ基、フェニ
    ルオキシ基、置換フェニルオキシ基、アルキル基、アル
    ケニル基、フェニル基、置換フェニル基 n:0又は1 【化2】 2:アルキル基、アルケニル基、フェニル基、置換フ
    ェニル基 R3:C1〜C6のアルキル基
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