JPH05117381A - ポリエステル共重合体の製造方法 - Google Patents

ポリエステル共重合体の製造方法

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JPH05117381A
JPH05117381A JP27960591A JP27960591A JPH05117381A JP H05117381 A JPH05117381 A JP H05117381A JP 27960591 A JP27960591 A JP 27960591A JP 27960591 A JP27960591 A JP 27960591A JP H05117381 A JPH05117381 A JP H05117381A
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JP
Japan
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compound
aromatic polyester
polyester
acid
weight
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Withdrawn
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JP27960591A
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English (en)
Inventor
Kazuo Yamagata
一雄 山形
Toranosuke Saito
寅之助 斉藤
Hironori Kadomachi
博記 角町
Daishirou Kishimoto
大志郎 岸本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Sanko Co Ltd
Original Assignee
Sanko Chemical Co Ltd
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐熱性および機械的強度の優れたポリエステ
ル共重合体を製造する。 【構成】 所定の成分を含有する芳香族ポリエステルと
ラクトン類とを、所定のリン化合物のうちの少なくとも
一種およびポリエポキシ化合物の存在下にて反応させ
る。あるいは、上記リン化合物およびポリエポキシ化合
物の代わりに、多官能イソシアネート化合物を用いる。
上記芳香族ポリエステルは、テレフタル酸を含有する酸
成分、エチレングリコールを主成分とし、さらに、下記
一般式〔I〕で示されるジヒドロキシ化合物および下記
一般式〔II〕で表されるモノヒドロキシ化合物のうちの
少なくとも一種を含むジオール成分を構成成分とする。 【化1】 (式中、R1及びR2はそれぞれ独立してアルキレン基、
pは3または4であり、qおよびrはそれぞれ独立して
0または1以上の整数を示す)。 【化2】 (式中、R3はアルキレン基、tは2または3であり、
mは0または1以上の整数を示す)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱可塑性エラストマー
として有用なポリエステル共重合体の製造方法に関し、
より詳しくは、ゴム弾性を有し、かつ耐熱性に優れたポ
リエステル共重合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】芳香族ポリエステルとラクトン類とを構
成成分とする熱可塑性エラストマーにおいては、芳香族
ポリエステルがハードセグメントとなってエラストマー
に耐熱性を付与し、ラクトン類がソフトセグメントとな
ってエラストマーに柔軟性を付与する。エラストマーを
構成する芳香族ポリエステルとラクトン類の組成比を変
えると、エラストマーの耐熱性および柔軟性が変化する
ので、該組成比を調整することにより、所望の耐熱性お
よび柔軟性を有するエラストマーを得られる。特公昭4
8−4116号公報においては、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリブチレンテレフタレートなどの芳香族ポリ
エステルとラクトン類とを、重量比で30/70〜80
/20の割合にて反応させることにより、弾性を有する
ポリエステル共重合体を得ることが開示されている。
【0003】上記のような熱可塑性エラストマーは、所
望の形状に成形されて使用されている。成形を行う場合
には、高温度で加熱することが必要であり、また、その
成形品を高温度下にて使用することが期待されている。
上記公報に開示されるエラストマーにおいて耐熱性を向
上させる場合には、芳香族ポリエステルの割合を増大さ
せる。しかし、その結果ラクトン類の割合が減少するの
で、生成するエラストマーの柔軟性が低くなり、機械的
物性が低くなるという欠点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題に
鑑みてなされたものであり、その目的は、耐熱性に優
れ、かつゴム的な柔軟性を欠失しないポリエステル共重
合体を製造する方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明における第1の製
造方法は、芳香族ポリエステルとラクトン類とを、リン
化合物およびポリエポキシ化合物の存在下で反応させて
ポリエステル共重合体を製造する方法であって、上記芳
香族ポリエステルが、テレフタル酸を主成分とする酸成
分、エチレングリコールを主成分とし、さらに、下記一
般式〔I〕で表されるジヒドロキシ化合物および下記一
般式〔II〕で表されるモノヒドロキシ化合物のうちの少
なくとも1種を含むジオール成分を構成成分とし、該ジ
ヒドロキシ化合物およびモノヒドロキシ化合物のうちの
少なくとも1種が、芳香族ポリエステルを構成する全モ
ノマー中の0.1〜30モル%の割合で含有され、上記
ラクトン類が、ラクトンモノマーおよびポリラクトンの
うちの少なくとも1種であり、上記リン酸化合物が、リ
ン酸化合物、亜リン酸化合物、次亜リン酸化合物および
ホスフィン類からなる群のうちの少なくとも一種であ
り、上記芳香族ポリエステルと上記ラクトン類の合計重
量100重量部に対して、リン化合物が0.01〜1.
00重量部、およびポリエポキシ化合物が0.05〜
5.00重量部の割合でそれぞれ使用されることを特徴
とし、そのことにより上記目的が達成される。
【0006】
【化3】
【0007】(式中、R1およびR2はそれぞれ独立して
アルキレン基を示し、pは3または4であり、qおよび
rはそれぞれ独立して0または1以上の整数を示す)。
【0008】
【化4】
【0009】(式中、R3はアルキレン基を示し、tは
2または3であり、mは0または1以上の整数を示
す)。
【0010】以下、本発明の第1の方法について詳しく
説明する。
【0011】第1の方法に使用される芳香族ポリエステ
ルを構成する酸成分は、テレフタル酸(そのエステルを
包含する)を主成分とする。
【0012】第1の方法に使用される芳香族ポリエステ
ルは、エチレングリコールを主成分とし、さらに、下記
一般式〔I〕で表されるジヒドロキシ化合物および後述
のモノヒドロキシ化合物のうちの少なくとも1種をジオ
ール成分を構成成分とする。
【0013】
【化5】
【0014】(式中、R1およびR2はそれぞれ独立して
アルキレン基を示し、pは3または4であり、qおよび
rはそれぞれ独立して0または1以上の整数を示す)。
【0015】上記一般式〔I〕においてアルキレン基R1
およびR2としてはエチレン基またはプロピレン基が好
ましく、qおよびrは0または1が好ましい。例えば、
4,4''−ジヒドロキシ−p−ターフェニル、4,
4'''−ジヒドロキシ−p−クォーターフェニル、4,
4'''−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)−p−クォータ
ーフェニルなどが好適に使用される。これらのジヒドロ
キシ化合物〔I〕は液晶性の低分子化合物である。これ
らのジヒドロキシ化合物は〔I〕、公知の方法により製
造することが可能であり、例えば、4,4'''−ジヒド
ロキシ−p−クォーターフェニルは、Journal of Chemi
cal Society,1379-85(1940)に記載の方法に従って合成
することができる。ジヒドロキシ化合物〔I〕はそれぞ
れ単独使用してもよく、あるいは2種以上を併用しても
よい。
【0016】液晶性の分子は一般に結晶性が高く、上記
化合物もその結晶から液晶状態への転移点が高い。例え
ば、4,4’’−ジヒドロキシ−p−ターフェニルの結
晶状態から液晶状態への転移温度は260℃であり、
4,4’’’−ジヒドロキシ−p−クォーターフェニル
のそれは336℃であり、4,4’’’−ジ(2−ヒド
ロキシエトキシ)−p−クォーターフェニルのそれは4
03℃である。液晶状態とは、溶融状態においても分子
が配向状態を保持している状態をいう。
【0017】従って、これらのジヒドロキシ化合物
〔I〕がポリマー鎖中に組み込まれた場合には、そのポ
リマーは柔軟性に富み、かつ耐熱性が高いという性質を
有する。つまり、このポリマー中において、ジヒドロキ
シ化合物〔I〕に起因する成分が結晶性を示し、しかも
その融点が高いので、ジヒドロキシ化合物〔I〕の含有
量が少量の場合でも、この部分が強固で耐熱性の高いハ
ードセグメントとなり、これがポリマー内において物理
的架橋を形成する。その結果、ソフトセグメントに由来
する柔軟性を損なうことなく耐熱性の高い熱可塑性エラ
ストマーが得られると推察される。
【0018】上記ジヒドロキシ化合物〔I〕の代わり
に、もしくはジヒドロキシ化合物とともに使用されるモ
ノヒドロキシ化合物は、下記一般式〔II〕で示され、パ
ラフェニレン骨格を有する剛直性の低分子化合物であ
る。
【0019】
【化6】
【0020】(式中、R3はアルキレン基を示し、tは
2または3であり、mは0または1以上の整数を示
す)。
【0021】上記一般式〔II〕で示されるモノヒドロキ
シ化合物においては、R3はエチレン基またはプロピレ
ン基が好ましく、mは0または1が好ましい。上記モノ
ヒドロキシ化合物〔II〕としては、例えば、4−ヒドロ
キシ−p−ターフェニル、4−ヒドロキシ−p−クォー
ターフェニル、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−p−
ターフェニル、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−p−
クォーターフェニルなどが挙げられる。上記モノヒドロ
キシ化合物〔II〕はそれぞれ単独で使用してもよく、あ
るいは2種以上を併用しても良い。
【0022】このモノヒドロキシ化合物〔II〕は、その
特徴ある分子構造を反映して融点が極めて高い。さらに
パラフェニレン骨格は低分子液晶化合物のメソゲンとし
て有効であることが知られており、これは該骨格が固体
状態のみならず高温状態(溶融状態)においても、強い
凝集力を有していることを示す。従って、上記モノヒド
ロキシ化合物〔II〕をポリマー鎖中に組み込んだ場合に
は、非常に強固で耐熱性の高い物理的架橋が形成され、
その結果ポリマーの耐熱性が高くなる。
【0023】上記ジヒドロキシ化合物〔I〕および/ま
たはモノヒドロキシ化合物〔II〕の含有量は、芳香族ポ
リエステルを構成する全モノマー中の0.1〜30モル
%であり、好ましくは0.5〜20モル%であり、より
好ましくは1.0〜10モル%である。
【0024】これらヒドロキシ化合物の含有量が、0.
1モル%より少なくなるとポリエステルの耐熱性が低下
する。逆に、30モル%より多くなるとポリエステルの
分子量が十分に高くならず、かつ融点が高くなりすぎ、
もはやラクトン類と反応させる次の溶融エステル交換工
程に供することができない。
【0025】上記ジヒドロキシ化合物〔I〕とモノヒド
ロキシ化合物〔II〕との両者を合わせて使用する場合に
は、ジヒドロキシ化合物〔I〕とモノヒドロキシ化合物
〔II〕との合計量に対するモノヒドロキシ化合物〔II〕
の含有割合は、 0<〔II〕/〔I〕+〔II〕<2/3 を満たす範囲が好ましい。
【0026】上記芳香族ポリエステルに、上記酸成分、
ならびにジヒドロキシ化合物および/またはモノヒドロ
キシ化合物を含むジオール成分に加えて、テレフタル酸
以外の芳香族ジカルボン酸、芳香族ヒドロキシカルボン
酸、または脂肪族ジカルボン酸;エチレングリコール以
外のグリコール、ポリアルキレンオキシド、ポリシリコ
ーン;および上記一般式〔I〕、〔II〕に示されるヒド
ロキシ化合物以外の芳香族ジオール;でなる群から選択
される少なくとも1種を構成成分として含有させてもよ
い。これらの含有量は芳香族ポリエステルを構成する全
モノマー中の10モル%以下であることが好ましい。
【0027】上記テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン
酸としては、イソフタル酸、5−スルホイソフタル酸の
金属塩、4,4’−ジカルボキシジフェニルエーテル、
4,4’−ジカルボキシフェニルサルファイド、4,
4’−ジカルボキシジフェニルスルホン、3,3’−ジ
カルボキシベンゾフェノン、4,4’−ジカルボキシベ
ンゾフェノン、1,2’−ビス(4−カルボキシフェノ
キシ)エタン、1,4−ジカルボキシナフタリン、2,
6−ジカルボキシナフタリン等が挙げられる。
【0028】上記芳香族ヒドロキシカルボン酸は、ポリ
エステルに剛性や液晶性を付与する化合物であり、サリ
チル酸、メタヒドロキシ安息香酸、パラヒドロキシ安息
香酸、3−クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸、3−ブロ
モ−4−ヒドロキシ安息香酸、3−メトキシ−4−ヒド
ロキシ安息香酸、3−メチル−4−ヒドロキシ安息香
酸、3−フェニル−4−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒド
ロキシ−6−ナフトエ酸、4−ヒドロキシ−4’−カル
ボキシビフェニルなどが挙げられ、好ましくは、パラヒ
ドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸、
4−ヒドロキシ−4’−カルボキシビフェニルなどが用
いられる。
【0029】上記脂肪族ジカルボン酸としては、炭素数
が10以下の化合物が好ましく、例えば、シュウ酸、マ
ロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン
酸、セバチン酸などが挙げられる。
【0030】上記エチレングリコール以外のグリコール
としては、例えば、1,4−ブタンジオール、1,3−
ブタンジオール、1,3−プロピレングリコール、1,
5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、
1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオー
ル、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオー
ル、シクロペンタン−1,2−ジオール、シクロヘキサ
ン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,3−ジオ
ール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキ
サン−1,4−ジメタノールなどが挙げられ、これらは
単独で使用されてもよく、2種類以上が併用されてもよ
い。
【0031】上記ポリアルキレンオキシドとしては、例
えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシ
ド、ポリテトラメチレンオキシド、ポリヘキサメチレン
オキシドなどが挙げられ、これらは単独で使用されても
よく、2種以上が併用されてもよい。ポリアルキレンオ
キシドの数平均分子量は、20000以下が好ましく、
より好ましくは5000以下である。20000より大
きくなると、得られた芳香族ポリエステルの熱安定性な
どの物性が低くなる。
【0032】上記ポリシリコーンは、シロキサン結合を
有するシリコーンポリマーで、2個の水酸基を有する。
この2個の水酸基が分子末端にあることが好ましく、例
えば、分子の両末端に各1個ずつの水酸基を有するジメ
チルポリシロキサン、ジエチルポリシロキサン、ジフェ
ニルポリシロキサンなどが挙げられる。ポリシリコーン
の数平均分子量は20000以下が好ましく、より好ま
しくは5000以下である。20000より大きくなる
と芳香族ポリエステルの生成が困難になる。
【0033】上記一般式〔I〕、〔II〕に示されるヒド
ロキシ化合物以外の芳香族ジオールとしては、ヒドロキ
ノン、レゾルシン、クロロヒドロキノン、ブロモヒドロ
キノン、メチルヒドロキノン、フェニルヒドロキノン、
メトキシヒドロキノン、フェノキシヒドロキノン、4,
4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキ
シジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェ
ニルサルファイド、4,4’−ジヒドロキシジフェニル
スルホン、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、
4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、ビスフェノ
ールA、1,1−ジ(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘ
キサン、1,2−ビス(4−ヒドロキシフェノキシ)エ
タン、1,4−ジヒドロキシナフタリン、2,6−ジヒ
ドロキシナフタリンなどが挙げられる。
【0034】以上のような構成成分よりなる芳香族ポリ
エステルは、一般に知られている任意の重縮合方法を用
いて製造することができる。例えば、 ジカルボン酸成分とジオール成分とを直接反応させる
方法、 ジカルボン酸の低級エステルとジオール成分とをエス
テル交換を利用して反応させる方法、 ジカルボン酸のハロゲン化物とジオール成分とをピリ
ジンなどの適当な溶媒中で反応させる方法、 ジオール成分の金属アルコラートをジカルボン酸のハ
ロゲン化物と反応させる方法、 ジオール成分のアセチル化物とジカルボン酸とをエス
テル交換を利用して反応させる方法、などの方法があげ
られる。
【0035】重縮合する際には、一般にポリエステルを
製造する際に使用されている触媒が使用されてよい。こ
の触媒としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、セ
シウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ストロ
ンチウム、亜鉛、アルミニウム、チタン、コバルト、ゲ
ルマニウム、錫、鉛、アンチモン、ヒ素、セリウム、ホ
ウ素、カドミウム、マンガンなどの金属、その有機金属
化合物、有機酸塩、金属アルコキシド、金属酸化物など
があげられる。
【0036】特に好ましい触媒は、酢酸カルシウム、ジ
アシル第一錫、テトラアシル第二錫、ジブチル錫オキサ
イド、ジブチル錫ジラウレート、ジメチル錫マレート、
錫ジオクタノエート、錫テトラアセテート、トリイソブ
チルアルミニウム、テトラブチルチタネート、二酸化ゲ
ルマニウム、三酸化アンチモンなどである。これらの触
媒は2種以上併用してもよい。
【0037】反応時には、重合と共に副生する水や、ア
ルコール、グリコールなどを効率よく留出させ分子量の
高いポリマーを得るために、反応系を重合後期に1mm
Hg以下に減圧することが好ましい。反応温度は一般に
150〜350℃である。
【0038】次に第1の方法に使用されるラクトン類に
ついて説明する。このラクトン類は、ラクトンモノマー
およびポリラクトンのうちの少なくとも1種である。
【0039】上記ラクトンモノマーは、開環してカルボ
キシル基および水酸基と反応し、芳香族ポリエステルに
脂肪族鎖を付加する性質を有する。ラクトンモノマーと
しては、環の中に4個以上の炭素原子を有するラクトン
モノマーが好ましく用いられ、より好ましくは5員環〜
8員環である。例えば、ε−カプロラクトン、δ−バレ
ロラクトン、γ−ブチロラクトン、エナントラクトン、
カプリロラクトンなどが挙げられる。上記ラクトンモノ
マーは2種以上を併用してもよい。
【0040】上記ポリラクトンとしては、環の中に4個
以上の炭素原子を有するラクトンモノマーを開環重合し
て得られるポリラクトンが好ましく、より好ましくは5
員環〜8員環のラクトンモノマーより得られるポリラク
トンである。例えば、ε-カプロラクトン、δ-バレロラ
クトン、γ-ブチロラクトン、エナントラクトン、カプ
リロラクトンなどから得られるポリラクトンが挙げられ
る。2種以上のラクトンモノマーにより構成されるポリ
ラクトンであってもよい。これらポリラクトンは、上記
芳香族ポリエステルとエステル交換して脂肪族鎖を付加
する性質をし、生成するポリエステル共重合体に柔軟性
を付与する。
【0041】上記芳香族ポリエステルとラクトン類との
組成比は、芳香族ポリエステル/ラクトン類の重量比で
30/70〜80/20が好ましく、特に好ましい範囲
は30/70〜70/30である。30/70〜80/
20の範囲外である場合には、好ましい弾性を有するポ
リエステル共重合体が得られない。
【0042】芳香族ポリエステルとラクトンモノマーと
を反応させる温度は、溶媒を用いずに反応させる場合に
は、芳香族ポリエステルとラクトンモノマーとの混合物
が均一に溶融し、相溶することが可能で、かつ生成した
ポリエステル共重合体の融点以上の温度がよい。
【0043】溶媒中で芳香族ポリエステルとラクトンモ
ノマーを反応させる場合には、反応温度は適宜選択され
る。一般に180℃〜300℃の範囲が好ましい。18
0℃未満では、芳香族ポリエステルとラクトンモノマー
が均一に溶解することが難しい。逆に、300℃を超え
ると、ポリマーの分解およびその他の好ましくない副反
応が起こる。この場合に使用する溶媒は、芳香族ポリエ
ステルおよびラクトンモノマーとの共通溶媒であること
を要する。例えば、α−メチルナフタレンが好適に使用
される。
【0044】上記反応においては、前記芳香族ポリエス
テルを製造する際に使用する触媒を使用してもよい。
【0045】芳香族ポリエステルとポリラクトンとをエ
ステル交換反応させる場合には、通常無触媒で行われ、
その反応温度は、芳香族ポリエステルとポリラクトンと
の混合物が均一に溶融する温度で、かつ生成したポリエ
ステル共重合体の融点以上の温度がよい。一般に180
℃〜300℃の範囲が好ましい。180℃未満では芳香
族ポリエステルとポリラクトンの混合物が均一に溶融
し、相溶することが難しい。逆に、300℃を超える
と、ポリマーの分解およびその他の好ましくない副反応
が起こる。
【0046】芳香族ポリエステルとポリラクトンとの反
応は、無触媒でも進行するが、上記触媒が使用されても
よい。
【0047】本発明の第1の製造方法では、上記芳香族
ポリエステルとラクトン類との反応を、下記リン化合物
および後述のポリエポキシ化合物の存在下で反応させ
る。
【0048】このリン化合物は、金属触媒を不活性化す
る性質を有する。このようなリン化合物には、リン酸化
合物、亜リン酸化合物、次亜リン酸化合物、ホスフィン
類がある。リン酸化合物としては、例えば、リン酸、お
よびそのエステルであるリン酸トリエチル、リン酸トリ
プロピル、リン酸トリブチル、リン酸トリフェニルが挙
げられる。亜リン酸化合物としては、例えば、亜リン酸
ジエチル、亜リン酸ジイソプロピル、亜リン酸ジブチ
ル、亜リン酸ジフェニル、亜リン酸トリエチル、亜リン
酸トリフェニルがあげられる。次亜リン酸化合物として
は、例えば、次亜リン酸エチルエステル、次亜リン酸プ
ロピルエステル、次亜リン酸ブチルエステル、次亜リン
酸フェニルエステルが挙げられる。ホスフィン類として
は、例えば、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフ
ィン、トリフェニルホスフィン、メチルジフェニルホス
フィン、ジメチルフェニルホスフィンが挙げられる。上
記リン化合物は、2種以上を併用してもよい。
【0049】これらリン化合物は、上記芳香族ポリエス
テル合成時および/または芳香族ポリエステルとラクト
ン類とを反応させる場合において使用される金属触媒を
不活性化するので、生成するポリマーが過剰なエステル
交換反応によってランダム化することを抑制することが
できる。
【0050】上記リン化合物の使用量は、芳香族ポリエ
ステルとラクトン類の合計重量100重量部に対し0.
01〜1.0重量部であり、好ましくは0.05〜0.
5重量部である。使用量が0.01重量部よりも少ない
と触媒を不活性化させる効果が少ない。逆に、1.0重
量部より多いと、重合速度が遅くなり、かつ過剰なリン
化合物によるポリマーの分解反応が懸念される。
【0051】リン化合物は、芳香族ポリエステルとラク
トン類の重合反応の開始前もしくは重合反応中に添加さ
れるが、重合反応中に添加する場合には反応初期の段階
が好ましい。
【0052】本発明の第1の方法に使用されるポリエポ
キシ化合物は、1分子当り平均2個以上のエポキシ基を
有する化合物である。上記ポリエポキシ化合物は、脂肪
族、脂環族、芳香族のいずれでもよい。例えば、以下に
示すような化合物があげられる:エチレングリコールジ
グリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシ
ジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエー
テル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテ
ル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、
1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリ
セリンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパン
トリグリシジルエーテル、N,N,N’,N’−テトラ
グリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス
(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサ
ン、グリシジルエーテル化−オルト−クレゾールノボラ
ック。上記ポリエポキシ化合物は、2種以上を併用して
もよい。
【0053】上記ポリエポキシ化合物は、芳香族ポリエ
ステルの末端のカルボキシル基と反応して重合系を安定
化させ、さらには、芳香族ポリエステルもしくはポリラ
クトンの末端の水酸基と反応し、芳香族ポリエステルと
ポリラクトンとの重合反応がブロック的に進行すること
を促進すると推測される。
【0054】上記ポリエポキシ化合物の使用量は、芳香
族ポリエステルとラクトン類の合計重量100重量部に
対し、0.05〜5.00重量部であり、好ましくは、
0.1〜3.00重量部である。ポリエポキシ化合物
は、芳香族ポリエステルとラクトン類の重合反応の開始
前もしくは重合反応中の任意の段階で反応系に添加され
る。
【0055】芳香族ポリエステルとラクトン類の重合反
応を行う装置は、通常ポリエステルを重合するのに用い
る重合装置が好適に用いられ、芳香族ポリエステル、ラ
クトン類、リン化合物およびポリエポキシ化合物を均一
に混合できる任意の方法によって行う。例えば、押出
機、プラストグラフ、バンバリーミキサーなどを用いて
溶融混練により行うことができる。溶融混練温度は、生
成するポリエステル共重合体の分解を抑制するため、混
合可能な最低温度で行うことが望ましい。
【0056】次に本発明の第2の製造方法について説明
する。
【0057】第2の製造方法は、芳香族ポリエステルお
よびポリラクトンとを、多官能イソシアネート化合物の
存在下で反応させてポリエステル共重合体を製造する方
法であって、上記芳香族ポリエステルが、テレフタル酸
を主成分とする酸成分、エチレングリコールを主成分と
し、さらに、下記一般式〔I〕で表されるジヒドロキシ
化合物および下記一般式〔II〕で表されるモノヒドロキ
シ化合物のうちの少なくとも1種を含むジオール成分を
構成成分とし、該ジヒドロキシ化合物およびモノヒドロ
キシ化合物のうちの少なくとも1種が、芳香族ポリエス
テルを構成する全モノマー中の0.1〜30モル%の割
合で含有され、上記芳香族ポリエステルと上記ポリラク
トンの合計重量100重量部に対して、イソシアネート
化合物が0.05〜5.00重量部の割合で使用される
ことを特徴とし、そのことにより上記目的が達成され
る。
【0058】
【化7】
【0059】(式中、R1およびR2はそれぞれ独立して
アルキレン基を示し、pは3または4であり、qおよび
rはそれぞれ独立して0または1以上の整数を示す)。
【0060】
【化8】
【0061】(式中、R3はアルキレン基を示し、tは
2または3であり、mは0または1以上の整数を示
す)。
【0062】第2の方法に使用される芳香族ポリエステ
ルとしては、上記第1の方法で使用される芳香族ポリエ
ステルと同様のポリエステルが使用され得る。
【0063】第2の方法に使用されるポリラクトンは、
上記第1の方法に記載されたポリラクトンが使用され得
る。芳香族ポリエステルとポリラクトンの組成比は、芳
香族ポリエステル/ポリラクトンの重量比が30/70
〜80/20が好ましく、さらに好ましくは30/70
〜70/30である。
【0064】第2の方法においては、上記芳香族ポリエ
ステルとポリラクトンとの反応を、下記多官能イソシア
ネート化合物の存在下にて行う。
【0065】この多官能イソシアネート化合物は、1分
子当り平均2個以上のイソシアネート基を有する化合物
である。例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニ
ルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシア
ネート、3,3’−ビトリレン−4,4’−ジイソシア
ネート、2,4−トリレンジイソシアネートダイマー
(ウレチジンジオン)、1,5−ナフチレンジイソシア
ネート、トリフェニルメタン−4,4’,4''−トリイ
ソシアネートなどが挙げられる。
【0066】これら多官能イソシアネート化合物は、芳
香族ポリエステルもしくはポリラクトンの末端の水酸基
と反応して、芳香族ポリエステルとポリラクトンがブロ
ック的に重合するのを促進すると推測される。
【0067】これら多官能イソシアネート化合物は、芳
香族ポリエステルとポリラクトンの合計重量100重量
部に対し、0.05〜5.00重量部の範囲の割合で添
加され、好ましい範囲は0.1〜3.00重量部であ
る。多官能イソシアネート化合物は、芳香族ポリエステ
ルとポリラクトンとの重合反応の開始前もしくは重合反
応中の任意の段階で反応系に添加され得る。
【0068】第2の方法においては、上記多官能イソシ
アネート化合物に加えて、生成するポリエステル共重合
体の構成成分の配列が、過剰なエステル交換反応によっ
てランダム化することを防止するために、金属触媒の不
活性化剤の存在下にて重合反応を行うことが望ましい。
前記不活性化剤としてはリン化合物が挙げられ、例え
ば、第1の方法で記載したリン化合物を使用することが
できる。このリン化合物の使用量は、芳香族ポリエステ
ルとポリラクトンの合計重量100重量部に対して0.
01〜1重量部が好ましく、より好ましくは0.05〜
0.5重量部である。このリン化合物は、芳香族ポリエ
ステルとポリラクトンとの重合反応の開始前もしくは重
合反応中に反応系に添加されるが、重合反応中において
は初期の段階が好ましい。
【0069】重合反応を促進するために、トリエチルア
ミン、N,N’−ジメチルピペラジンなどの第3アミ
ン、ジブチル錫ラウレートなどの有機錫化合物を触媒と
して用いてもよい。
【0070】芳香族ポリエステルとポリラクトンとの重
合反応を行う装置は、通常ポリエステルを重合するのに
用いる重合装置が好適に用いられ、芳香族ポリエステ
ル、ラクトン類、多官能イソシアンート化合物を均一に
混合できる任意の方法によって行う。例えば、上述の第
1の方法に記載された方法で行うことが可能である。溶
融混練温度は、生成するポリエステル共重合体の分解を
抑制するため、混合可能な最低温度で行うことが望まし
い。
【0071】上記第1の方法および第2の方法で得られ
たポリエステル共重合体を、他の熱可塑性樹脂、例え
ば、ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリスチレ
ン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリスルフォン、
ポリエステルなど、あるいはゴム成分と混合し、その性
質を改質することが可能である。
【0072】第1の方法および第2の方法で得られるポ
リエステル共重合体は、熱可塑性エラストマーとして使
用することができ、プレス成形、押出成形、射出成形、
ブロー成形などの成形方法により、自動車部品、電気・
電子部品、工業部品、スポーツ用品、メディカル用品な
どに好適に用いられる。自動車部品としては、例えば、
等速ジョイントブーツ、ラックアンドピニオンブーツな
どのブーツ類、ボールジョイントシール、安全ベルト部
品、バンパーフェイシア、エンブレム、モールなどが挙
げられる。電気・電子部品としては、例えば、電線被覆
材、ギア類、ラバースイッチ、O−リングなどが挙げら
れる。工業製品としては、例えば、油圧ホース、コイル
チューブ、シール材、パッキング、Vベルト、ロール、
防振・制振材料、ショックアブソーバー、カップリン
グ、ダイヤフラムなどが挙げられる。スポーツ用品とし
ては、例えば、靴底、球技用ボールなどがあげられる。
メディカル用品としては、例えば、メディカルチュー
ブ、輸液パック、カテーテルが挙げられる。その他、弾
性繊維、弾性シート、複合シート、ホットメルト接着
剤、他の樹脂とのアロイ用素材として好適に用いること
ができる。
【0073】
【実施例】以下に、本発明を実施例に基づいて説明す
る。
【0074】(A)芳香族ポリエステルの合成 攪拌機、温度計、ガス吹き込み口および蒸留口を備えた
内容積1リットルのガラス製フラスコに、テレフタル酸
ジメチル194g(1.0mol)、エチレングリコー
ル138g(2.24mol)、触媒として酢酸カルシ
ウムおよび三酸化アンチモンを少量加えた。フラスコ内
を窒素で置換した後に反応系を昇温して180℃で3時
間反応させた。反応とともに、フラスコ内からメタノー
ルが留出しはじめ、ビス(2−ヒドロキシエチル)テレ
フタレートが得られた。
【0075】このフラスコに、4,4’−ジヒドロキシ
−p−クォーターフェニル10.14gを加え、反応系
を280℃まで昇温し、この温度で約2時間反応させ
た。次に、蒸留口を真空器につなぎ、フラスコ内を1m
mHgに減圧した状態で1時間反応させた。反応ととも
にエチレングリコールが留出し、フラスコ内には極めて
粘稠な液体が生成した。フラスコを放冷後、ガラスフラ
スコを破壊し、生成物を取り出した。
【0076】(B)ポリエステル共重合体の合成 (実施例1)攪拌羽根、ガス吹き込み口および蒸留口を
備えた内容積1リットルのガラス製フラスコに、上記
(A)項で得られた芳香族ポリエステル250g、ラクト
ン類としてε−カプロラクトン250g、ポリエポキシ
化合物としてトリメチロールプロパントリグリシジルエ
ーテル3g、リン化合物としてトリフェニルホスフィン
0.5g、および熱安定剤として1,3,5−トリメチ
ル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシベンジル)ベンゼン1.0gを仕込み、フ
ラスコ内を窒素で置換した後に、攪拌しながらオイルバ
ス中で250℃に加熱した。反応系は均一な粘稠な液状
となった。
【0077】続いて、窒素気流下で1時間反応させた
後、ガス吹き込み口を真空ポンプにつなぎ、フラスコ内
を1mmHgに減圧した状態でさらに20分間反応させ
た。
【0078】得られたポリエステル共重合体を、JIS
K−6301に準拠し、インジェクション成形によ
って成形し、2mm厚の3号形ダンベル試験片を作製し
た。このダンベルを用いて、以下の方法にしたがって物
性を測定した。
【0079】ビカット軟化点:JIS K−7206
に準拠し1kg荷重にて測定した。 引張り破断強度、引張り破断伸び:23℃、引張速度
50mm/mimで試験を行った。
【0080】実施例1で得られたポリエステル共重合体
のビカット軟化点は130℃で、ショアD硬度は38で
あり、良好なゴム状弾性を有していた。引張破断強度は
275kg/cm2であり、引張破断伸びは1800%
であった。
【0081】(実施例2)ラクトン類としてポリラクト
ン(U.C.C.社TONE PolymerP767
E:ポリ−ε−カプロラクトン)を用いたこと以外は、
実施例1と同様である。
【0082】実施例2で得られたポリエステル共重合体
のビカット軟化点は134℃で、ショアD硬度は39で
あり、良好なゴム状弾性を有していた。引張破断強度は
310kg/cm2であり、引張破断伸びは1550%
であった。
【0083】(実施例3)リン化合物としてリン酸トリ
フェニル0.3gを用いたこと以外は、実施例1と同様
である。
【0084】実施例3で得られたポリエステル共重合体
のビカット軟化点は132℃で、ショアD硬度は37で
あり、良好なゴム状弾性を有していた。引張破断強度は
270kg/cm2であり、引張破断伸びは1750%
であった。
【0085】(実施例4)攪拌羽根、ガス吹き込み口お
よび蒸留口を備えた内容積1リットルのガラス製フラス
コに、上記(A)項で得られた芳香族ポリエステル250
g、ポリラクトン(実施例2で使用したポリラクトン)
250g、および熱安定剤(実施例1で使用した熱安定
剤)1.0gを仕込み、フラスコ内を窒素で置換した後
に、攪拌しながらオイルバス中で260℃に加熱した。
反応系が均一な粘稠な液状となった後、多官能イソシア
ネート化合物としてジフェニルメタンジイソシアネート
5.0gを反応系に添加した。
【0086】続いて、窒素気流下で1時間30分反応さ
せた後、ガス吹き込み口を真空ポンプにつなぎ、フラス
コ内を1mmHgに減圧した状態でさらに10分間反応
させた。
【0087】得られたポリエステル共重合体を、実施例
1と同様に試験した。
【0088】実施例4で得られたポリエステル共重合体
のビカット軟化点は128℃で、ショアD硬度は39で
あり、良好なゴム状弾性を有していた。引張破断強度は
269kg/cm2であり、引張破断伸びは1800%
であった。
【0089】(実施例5)触媒としてジブチル錫ラウレ
ート0.05gをジフェニルイソシアネートとともに添
加し、該添加の後の窒素気流下での反応時間を1時間と
したこと以外は実施例4と同様にした。
【0090】実施例5で得られたポリエステル共重合体
のビカット軟化点は130℃で、ショアD硬度は39で
あり、良好なゴム状弾性を有していた。引張破断強度は
275kg/cm2であり、引張破断伸びは1700%
であった。
【0091】(実施例6)上記(A)項で得られた芳香族
ポリエステル25g、実施例4で用いたポリラクトン2
5g、実施例4で用いた熱安定剤0.1g、実施例4で
用いた多官能イソシアネート化合物0.5gを、ブラベ
ンダープラストグラフ中にて窒素気流下で240℃で1
時間溶融混練し、ポリエステル共重合体を得た。
【0092】実施例6で得られたポリエステル共重合体
のビカット軟化点は132℃で、ショアD硬度は38で
あり、良好なゴム状弾性を有していた。引張破断強度は
270kg/cm2であり、引張破断伸びは1850%
であった。
【0093】(実施例7)さらにリン化合物としてトリ
フェニルホスフィン0.5gを反応系に添加したこと以
外は実施例4と同様に行った。
【0094】実施例7で得られたポリエステル共重合体
のビカット軟化点は129℃で、ショアD硬度は39で
あり、良好なゴム状弾性を有していた。引張破断強度は
270kg/cm2であり、引張破断伸びは1800%
であった。
【0095】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
ポリエステル共重合体の製造方法によれば、耐熱性およ
び機械的強度に優れた熱可塑性エラストマーを製造する
ことができる。本発明によって得られた熱可塑性エラス
トマーは、各種部材に好適に使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岸本 大志郎 大阪府茨木市三島丘2丁目11番20号

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芳香族ポリエステルとラクトン類とを、リ
    ン化合物およびポリエポキシ化合物の存在下で反応させ
    てポリエステル共重合体を製造する方法であって、 上記芳香族ポリエステルが、テレフタル酸を主成分とす
    る酸成分、エチレングリコールを主成分とし、さらに、
    下記一般式〔I〕で表されるジヒドロキシ化合物および
    下記一般式〔II〕で表されるモノヒドロキシ化合物のう
    ちの少なくとも1種を含むジオール成分を構成成分と
    し、該ジヒドロキシ化合物およびモノヒドロキシ化合物
    のうちの少なくとも1種が、芳香族ポリエステルを構成
    する全モノマー中の0.1〜30モル%の割合で含有さ
    れ、 上記ラクトン類が、ラクトンモノマーおよびポリラクト
    ンのうちの少なくとも1種であり、 上記リン化合物が、リン酸化合物、亜リン酸化合物、次
    亜リン酸化合物およびホスフィン類からなる群のうちの
    少なくとも一種であり、 上記芳香族ポリエステルと上記ラクトン類の合計重量1
    00重量部に対して、リン化合物が0.01〜1.00
    重量部、およびポリエポキシ化合物が0.05〜5.0
    0重量部の割合でそれぞれ使用されることを特徴とする
    ポリエステル共重合体の製造方法。 【化1】 (式中、R1およびR2はそれぞれ独立してアルキレン基
    を示し、pは3または4であり、qおよびrはそれぞれ
    独立して0または1以上の整数を示す)。 【化2】 (式中、R3はアルキレン基を示し、tは2または3で
    あり、mは0または1以上の整数を示す)。
  2. 【請求項2】芳香族ポリエステルとポリラクトンとを、
    多官能イソシアネート化合物の存在下で反応させてポリ
    エステル共重合体を製造する方法であって、 上記芳香族ポリエステルが、テレフタル酸を主成分とす
    る酸成分、エチレングリコールを主成分とし、さらに、
    請求項1に記載の一般式〔I〕で表されるジヒドロキシ
    化合物および一般式〔II〕で表されるモノヒドロキシ化
    合物のうちの少なくとも1種を含むジオール成分を構成
    成分とし、該ジヒドロキシ化合物およびモノヒドロキシ
    化合物のうちの少なくとも1種が、上記芳香族ポリエス
    テルを構成する全モノマー中の0.1〜30モル%の割
    合で含有され、 上記芳香族ポリエステルと上記ポリラクトンの合計重量
    100重量部に対して、イソシアネート化合物が0.0
    5〜5.00重量部の割合で使用されることを特徴とす
    るポリエステル共重合体の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998029470A1 (fr) * 1996-12-30 1998-07-09 Daicel Chemical Industries, Ltd. Elastomeres polyesters, procedes de preparation et compositions de ces elastomeres
WO1999051656A1 (en) * 1998-03-31 1999-10-14 Sekisui Chemical Co., Ltd. Polyesterurethane elastomers and process for their production
KR20000025399A (ko) * 1998-10-12 2000-05-06 구광시 폴리에스테르 공중합용 단량체 및 이들이 공중합된 코폴리에스테르.
JPWO2007072642A1 (ja) * 2005-12-21 2009-05-28 ダイセル化学工業株式会社 ポリエステル系樹脂組成物及び成形体

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